JP3412338B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP3412338B2
JP3412338B2 JP13184495A JP13184495A JP3412338B2 JP 3412338 B2 JP3412338 B2 JP 3412338B2 JP 13184495 A JP13184495 A JP 13184495A JP 13184495 A JP13184495 A JP 13184495A JP 3412338 B2 JP3412338 B2 JP 3412338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用感光体に関す
るものである。さらに詳しくは有機系の光導電性物質を
含有する感光層を有する非常に高感度でかつ高性能の電
子写真用感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体の感光層にはセ
レン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性
物資が広く用いられていた。しかしながら、セレン、硫
化カドミウムは毒物として回収が必要であり、セレンは
熱により結晶化するための耐熱性に劣り、硫化カドミウ
ム、酸化亜鉛は耐湿性に劣り、また酸化亜鉛は耐刷性が
ないなどの欠点を有しており、新規な感光体の開発の努
力が続けられている。最近は、有機系の光導電性物質を
電子写真用感光体の感光層に用いる研究が進み、そのい
くつかが実用化された。有機系の光導電性物質は無機系
のものに比し、軽量である、成膜が容易である、感光体
の製造が容易である、種類によっては透明な感光体を製
造できる、材料が無公害である等の利点を有する。
【0003】最近は、電荷キャリヤーの発生と移動の機
能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の
感光体が高感度化に有効であることから、開発の主流と
なっており、このタイプによる有機系感光体の実用化も
行なわれている。電荷キャリヤー移動媒体としては、ポ
リビニルカルバゾールなどの高分子光導電性化合物を用
いる場合と低分子光導電性化合物をバインダーポリマー
中に分散溶解する場合とがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、有機系の低分子
光導電性化合物は、バインダーとして皮膜性、可とう
性、接着性などのすぐれたポリマーを選択することがで
きるので容易に機械的特性の優れた感光体を得ることが
できる(例えば、特開平2−222959号公報、特開
平5−165231号公報、特公平3−39306号公
報等参照)。しかしながら、高感度で残留電位が小さ
く、耐久性に優れた感光体を作るのに適した化合物を見
出すことが困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの目
的を満足し得る有機系の低分子光導電性化合物について
鋭意研究したところ特定のスチリル化合物が好適である
ことを見出し本発明に至った。即ち、本発明の要旨は、
導電性基体上に感光層を有する電子写真用感光体におい
て、前記感光層中に、下記一般式〔I〕
【0006】
【化2】
【0007】(一般式〔I〕中、R1 ,R2 ,R3 およ
びR4 は置換基を有してもよいアリール基、置換基を有
してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルキル基
または置換基を有してもよいアラルキル基を表し、これ
らは互いに同一でも異なっていてもよく;
【0008】Ar1 およびAr2 は置換基を有してもよ
いアリレン基または置換基を有してもよい2価の複素環
基を表わし、これらは互いに同一でも異なっていてもよ
く、Ar1 とR2 およびAr2 とR4 はそれぞれ縮合し
てもよく;A,B,CおよびDは、それぞれ置換基を有
してもよいベンゼン環を表し、これらは互いに同一でも
異なっていてもよい。)で表わされるスチリル化合物を
含有することを特徴とする電子写真用感光体に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真用感光体は、感光層中に前記一般式〔I〕で表
わされるスチリル化合物を含有する。
【0010】前記一般式〔I〕において、R1 ,R2
3 およびR4 はフェニル基、ナフチル基等のアリール
基;チエニル基、フリル基、ピロリル基等の複素環基;
メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ベン
ジル基、フェネチル基等のアラルキル基を表わし、これ
らは互いに同一でも異なっていてもよく、特にアリール
基が感度が高くなりやすく好ましい。これらのアリール
基、複素環基、アルキル基、アラルキル基は、置換基を
有していてもよく、置換基としては、メチル基、エチ
ル、プロピル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ
基、ブトキシ基等のアルコキシ基;塩素原子、臭素原
子、よう素原子等のハロゲン原子;フェニル基、ナフチ
ル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のア
ラルキル基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等
のアラルキルオキシ基;スチリル基、ナフチルビニル基
等のアリールビニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、
ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジ
ルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルア
ミノ基;ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等の
ジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基、また上記のアミ
ノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等が挙げら
れる。
【0011】Ar1 およびAr2 はフェニレン基、ナフ
チレン基等のアリレン基;チオフェン環、フラン環等の
複素環化合物の2価基を表わし、これらは互いに同一で
も異なっていてもよく、特にアリレン基が好ましい。
【0012】これらのアリレン基、複素環の基は置換基
を有していてもよく、置換基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキ
シ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;塩素原子、臭素原
子、よう素原子等のハロゲン原子;フェニル基、ナフチ
ル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のア
ラルキル基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等
のアラルキルオキシ基;スチリル基、ナフチルビニル基
等のアリールビニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、
ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジ
ルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルア
ミノ基;ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等の
ジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基、また上記のアミ
ノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等が挙げら
れる。
【0013】また、Ar1 とR2 およびAr2 とR4
は、それぞれ直接もしくは結合基を介して縮合していて
もよい。結合基としてはメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基等のアルキレン基;酸素原子、硫黄原子等のヘ
テロ原子等が挙げられ、特にメチレン基、酸素原子が好
ましい。Ar1 とR2 またはAr2 とR4 が縮合した場
合の好ましい例としては下記一般式〔II〕,〔III 〕,
〔IV〕が挙げられる。
【0014】
【化3】
【0015】A,B,CおよびDは、それぞれ置換基を
有してもよいベンゼン環を表し、これらは互いに同一で
も異なっていてもよい。ベンゼン環上の置換基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ
基;塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原
子;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル
基、フェネチル基等のアラルキル基;ベンジルオキシ
基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基;スチ
リル基、ナフチルビニル基等のアリールビニル基;ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ
基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等のジア
リールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルア
ミノ基等のジアラルキルアミノ基;ジピリジルアミノ
基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリ
ルアミノ基、また上記のアミノ基の置換基を組み合わせ
たジ置換アミノ基等が挙げられる。
【0016】以下に一般式〔I〕で表されるスチリル化
合物について代表例を挙げるが、これらの代表例は例示
の為に示されるのであって、本発明に用いるスチリル化
合物は、これら代表例に限定されるものではない。
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】前記一般式〔I〕で表わされるスチリル化
合物は、公知の方法を用いて製造できる。好ましい製造
方法について述べると、例えば、公知なカルボニル化合
物を用いて還元的二量化反応を行ない、目的の化合物を
得る方法である。この方法を詳しく説明すると、
【0022】
【化8】
【0023】一般式〔V〕および〔VI〕(一般式〔V〕
及び〔VI〕中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,Ar1 ,Ar
2 ,A,B,C,Dは一般式〔I〕におけると同一の定
義を有する。)で表わされるカルボニル化合物をTiC
4 /ZnあるいはTiCl 3 /Zn−Cuなどの存在
下で還元的二量化することにより一般式〔I〕で表わさ
れるスチリル化合物が得られる。
【0024】これらの反応において、場合によっては、
各工程終了後、あるいは、全工程終了後、再結晶精製、
昇華精製、カラム精製等の公知な精製手段により、高純
度体を得る事も可能である。
【0025】本発明の電子写真用感光体は、上記一般式
〔I〕で表わされるスチリル化合物を1種または2種以
上含有する感光層を有する。一般式〔I〕で表わされる
スチリル化合物は有機光導電体としてきわめてすぐれた
性能を示す。特に電荷輸送剤として用いた場合には高感
度で耐久性にすぐれた感光体を与える。
【0026】電子写真用感光体の感光層の形態としては
種々のものが知られているが、本発明の電子写真用感光
体の感光層としてはそのいずれであってもよい。例えば
バインダー中にスチリル化合物と必要に応じ増感剤とな
る色素や電子吸引性化合物を添加した感光層、光を吸収
すると極めて高い効率で電荷キャリヤーを発生する電荷
発生剤の粒子とスチリル化合物をバインダー中に添加し
た感光層、スチリル化合物とバインダーからなる電荷輸
送層と光を吸収すると極めて高い効率で電荷キャリヤー
を発生する電荷発生剤の粒子からなるあるいはこれとバ
インダーからなる電荷発生層とを積層した感光層等が挙
げられる。
【0027】これらの感光層中には、一般式〔I〕で表
わされるスチリル化合物と共に、有機光導電体としてす
ぐれた性能を有する公知の他のアリールアミン化合物、
ヒドラゾン化合物、スチルベン系化合物等を混合しても
よい。本発明においては上記一般式〔I〕で表わされる
スチリル化合物を電荷発生層と電荷輸送層の二層からな
る感光層の電荷輸送層中に用いる場合に、特に感度が高
く残留電位が小さく、かつ、繰返し使用した場合に、表
面電位の変動や感度の低下、残留電位の蓄積等が少なく
耐久性にすぐれた感光体を得ることができる。
【0028】本発明の電子写真用感光体は常法に従って
上記一般式〔I〕で表わされるスチリル化合物をバイン
ダーと共に適当な溶剤中に溶解し、必要に応じ光を吸収
すると極めて高い効率で電荷キャリヤーを発生する電荷
発生剤の粒子、増感染料、電子吸引性化合物、あるい
は、可塑剤、顔料その他の添加剤を添加して得られる塗
布液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、通常、数μ〜数
十μ、好ましくは10μ〜40μの膜厚の感光層を形成
させることにより製造することができる。電荷発生層と
電荷輸送層の二層からなる感光層の場合は、電荷発生層
の上に上記塗布液を塗布するか、上記塗布液を塗布して
得られる電荷輸送層の上に電荷発生層を形成させること
により、製造することができる。
【0029】塗布液調製用の溶剤としてはテトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;酢酸
エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等の
エステル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化
炭化水素などのスチリル化合物を溶解させる溶剤が挙げ
られる。勿論これらの中からバインダーを溶解するもの
を選択する必要がある。また、バインダーとしては、ス
チレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、ブタジエン等のビニル化合
物の重合体及び共重合体、ポリビニルアセタール、ポリ
カーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースエステ
ル、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、けい素樹
脂、エポキシ樹脂等スチレン系化合物と相溶性のある各
種ポリマーが挙げられる。バインダーの使用量は通常ス
チリル化合物に対し、0.5〜30重量倍、好ましくは
0.7〜10重量倍の範囲である。
【0030】上記感光層に添加される電荷発生剤、染料
色素、電子吸引性化合物としてはいずれも周知のものが
使用できる。光を吸収すると極めて高い効率で電荷キャ
リヤーを発生する電荷発生剤の粒子としてはセレン、セ
レン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウ
ム、アモルファスシリコン等の無機光導電性粒子;金属
含有フタロシアニン、ペリノン系顔料、チオインジゴ、
キナクリドン、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔
料、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、
テトラキス系アゾ顔料、シアニン系顔料等の有機光導電
性粒子が挙げられる。特に、金属含有フタロシアニンと
組み合わせるとレーザー光に対する感度が向上し、かつ
残留電位の小さいすぐれた感光体が得られる。
【0031】染料としては、例えばメチルバイオレッ
ト、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット等
のトリフェニルメタン染料、メチレンブルーなどのチア
ジン染料、キニザリン等のキノン染料及びシアニン染料
やビリリウム塩、チアビリリウム塩、ベンゾビリリウム
塩等が挙げられる。また、スチリル化合物と電荷移動錯
体を形成する電子吸引性化合物としては、例えばクロラ
ニル、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−
ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニトロアント
ラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナントレン
キノン等のキノン類;4−ニトロベンズアルデヒド等の
アルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセン、インダン
ジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニ
トロフルオレノン、3,3′,5,5′−テトラニトロ
ベンゾフェノン等のケトン類;無水フタル酸、4−クロ
ロナフタル酸無水物等の酸無水物;テトラシアノエチレ
ン、テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメチ
リデンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニト
リル、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマ
ロノニトリル等のシアノ化合物;3−ベンザルフタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,
5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等の
電子吸引性化合物が挙げられる。
【0032】更に、本発明の電子写真用感光体の感光層
は成膜性、可撓性、機械的強度を向上させるために周知
の可塑剤を含有していてもよい。そのために上記塗布液
中に添加する可塑剤としては、フタル酸エステル、りん
酸エステル、エポキシ化合物、塩素化パラフィン、塩素
化脂肪酸エステル、メチルナフタレンなどの芳香族化合
物などが挙げられる。スチリル化合物を電荷輸送層中の
電荷輸送媒体として用いる場合の塗布液は、前記組成の
ものでもよいが、光導電性粒子、染料色素、電子吸引性
化合物等は除くか、少量の添加でよい。この場合の電荷
発生層としては上記光導電性粒子と必要に応じバインダ
ーポリマーや有機光導電性物質、染料色素、電子吸引性
化合物等の溶媒に溶解乃至分散させて得られる塗布液を
塗布乾燥した薄層、あるいは前記光導電性粒子を蒸着等
の手段により製膜とした層が挙げられる。
【0033】また、本発明の電子写真用感光体の感光層
は、電気特性あるいは繰り返し使用における耐久性を向
上させるために周知の添加剤を含有していてもよい。そ
のために上記塗布液中に添加する塗布剤としては、フェ
ノール系化合物、有機リン系化合物、有機イオウ系化合
物等が挙げられる。
【0034】このようにして形成される感光体にはま
た、必要に応じ、接着層、中間層、透明絶縁層等を有し
ていてもよいことはいうまでみない。感光層が形成され
る導電性支持体としては周知の電子写真用感光体に採用
されているものがいずれも使用できる。具体的には例え
ばアルミニウム、ステンレス、銅等の金属ドラム、シー
トあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物が挙
げられる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化
銅、高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーと
ともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、プ
ラスチックドラム、紙、紙管等が挙げられる。また、金
属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を
含有し、導電性となったプラスチックのシートやドラム
が挙げられる。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の製造
例、実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
「部」とあるのは「重量部」を示す。
【0036】(製造例1)テトラヒドロフラン70ml
を窒素気流下0℃に冷却し、TiCl4 3mlを加えた
後、室温に戻し、Zn粉末3.7g、ピリジン1.8m
lを順に添加した。次いで下記構造式で表わされる
【0037】
【化9】
【0038】カルボニル化合物5.6gをテトラヒドロ
フラン80mlに溶解して滴下後、4時間加熱還流し
た。放冷後、反応液にトルエン150mlおよび10%
炭酸カリウム水溶液150mlを加え、トルエン層を常
法により抽出、濃縮、精製を行なうことにより黄赤色結
晶2.4gを得た。
【0039】この化合物は、下記表1の元素分析値およ
び赤外吸収スペクトル図(図1)により前記例示化合物
No.1の構造式で表わされるスチリル化合物であるこ
とが判明した。
【0040】
【表1】
【0041】(実施例1)下記構造式で表わされるナフ
タル酸系ビスアゾ顔料1.0部を
【0042】
【化10】
【0043】ジメトキシエタン14部に加え、サンドグ
ラインダーで分散処理をした後、ジメトキシエタン14
部と4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2を14部
加え希釈し、さらに、ポリビニルブチラール(電気化学
工業(株)社製、商品名デンカブチラール#6000−
C)0.5部と、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド
(株)社製、商品名UCAR(商標登録)PKHH)
0.5部をジメトキシエタン6部、4−メトキシ−4−
メチルペンタノン−2 6部の混合溶媒に溶解した液と
混合し、分散液を得た。この分散液を75μmの膜厚の
ポリエステルフィルムに蒸着されたアルミニウム蒸着層
の上に乾燥後の重量が0.4g/m2 になる様にワイヤ
ーバーで塗布した後、乾燥して電荷発生層を形成させ
た。
【0044】この上に製造例1で製造したスチリル化合
物70部と下記に示すポリカーボネート樹脂
【0045】
【化11】
【0046】100部をテトラヒドロフラン585部と
ジオキサン315部の混合溶媒に溶解した塗布液を塗
布、乾燥し、膜厚17μmの電荷輸送層を形成させた。
このようにして得た2層からなる感光層を有する電子写
真用感光体によって感度すなわち半減露光量を測定した
ところ0.90lux・secであった。
【0047】半減露光量はまず、感光体を暗所で50μ
Aのコロナ電流により負帯電させ、次いで1ルックスの
白色光を露光し、表面電位が−450Vから−225V
まで減衰するのに要する露光量を測定することにより求
めた。さらに露光時間を9.9秒とした時の表面電位を
残留電位として測定したところ、−5Vであった。この
操作を2000回繰り返したが、残留電位の上昇はみら
れなかった。
【0048】(実施例2)実施例1で用いたナフタル酸
系ビスアゾ顔料の代りに、下記構造式で表わされるナフ
タル酸系ビスアゾ顔料を用いる以外は実施例1と同様に
して作成した感光体を白色光で露光し半減露光量を測定
したところ、0.95lux・secであった。
【0049】
【化12】
【0050】(実施例3)実施例1で用いたナフタル酸
系ビスアゾ顔料の代わりに、X線回折スペクトルにおい
て、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°,10.6
°,13.2°,15.1°,15.7°,16.1
°,20.8°,23.3°,27.1°に強い回折ピ
ークを示すチタニウムオキシフタロシアニン顔料を用い
る以外は実施例1と同様にして作成した感光体を780
nmの光(光量500nW)で露光し半減露光量を測定
したところ、0.44μJ/cm2 であった。残留電位
は−3Vであった。
【0051】(実施例4)実施例3で用いたチタニウム
オキシフタロシアニン顔料の代りに、X線回折スペクト
ルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.5°,
27.1°,27.3°に強い回折ピークを示すチタニ
ウムオキシフタロシアニン顔料を用いる以外は実施例1
と同様にして作成した感光体を780nmの光で露光し
半減露光量を測定したところ、0.12μJ/cm2
あり、残留電位は−5Vであった。
【0052】(実施例5〜12)実施例1で使用したス
チリル化合物の代わりに製造例1と同様にして合成した
下記表2に示すスチリル化合物を用いる以外は実施例1
と同様にして作成した電子写真用感光体の感度(半減露
光量)と残留電位を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】(実施例11〜16)実施例1で使用した
スチリル化合物の代わりに製造例1と同様にして合成し
た下記表3に示すスチリル化合物を用いる以外は実施例
3と同様にして作成した電子写真用感光体の感度と残留
電位を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】(比較例)実施例1で使用したスチリル化
合物の代わりに下記に示すスチリル化合物を用いる以外
は実施例1と同様にして作成した電子写真用感光体の感
度と残留電位および測定を2000回繰り返した後の感
度と残留電位を、実施例1で作成した電子写真用感光体
についての測定値と共に表4に示す。
【0057】
【化13】
【0058】
【表4】
【0059】表4より明らかなように本発明の感光体
は、感度、残留電位、耐久性いずれにおいても従来の感
光体より優れている。
【0060】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は感度が非常
に高く、かつ、かぶりの原因となる残留電位が小さく、
とくに光疲労が少ないために繰返し使用による残留電位
の蓄積や、表面電位および感度の変動が小さく、耐久性
に優れるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で製造したスチリル化合物の赤外吸収
スペクトル図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に感光層を有する電子写真
    用感光体において、前記感光層中に、下記一般式〔I〕
    で表されるスチリル化合物を含有することを特徴とする
    電子写真用感光体。 【化1】 (一般式〔I〕中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は置換
    基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複
    素環基、置換基を有してもよいアルキル基または置換基
    を有してもよいアラルキル基を表し、これらは互いに同
    一でも異なっていてもよく;Ar1 およびAr2 は置換
    基を有してもよいアリレン基または置換基を有してもよ
    い2価の複素環基を表わし、これらは互いに同一でも異
    なっていてもよく、Ar1 とR2 およびAr2 とR4
    それぞれ縮合してもよく;A,B,CおよびDは、それ
    ぞれ置換基を有してもよいベンゼン環を表し、これらは
    互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 感光層が電荷発生剤および電荷輸送剤を
    含有し、電荷輸送剤として前記請求項1記載の一般式
    〔I〕で表されるスチリル化合物を用いることを特徴と
    する請求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 感光層が、少なくとも、電荷発生剤を含
    む電荷発生層と、電荷輸送剤とバインダーを含む電荷輸
    送層とを有し、電荷輸送層中の電荷輸送剤として請求項
    1記載の一般式〔I〕で表されるスチリル化合物を用い
    ることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真用
    感光体。
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