JP2002080432A - アリールアミン化合物、その製造方法、及びそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

アリールアミン化合物、その製造方法、及びそれを用いた電子写真感光体

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JP2002080432A JP2001182746A JP2001182746A JP2002080432A JP 2002080432 A JP2002080432 A JP 2002080432A JP 2001182746 A JP2001182746 A JP 2001182746A JP 2001182746 A JP2001182746 A JP 2001182746A JP 2002080432 A JP2002080432 A JP 2002080432A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真用感光体用として利用した場合に、
塗布溶液に対する溶解性、バインダーとの相溶性に優
れ、安定して感光体を製造することができるアリールア
ミンを提供する。 【解決手段】 分子内にアリールアミン残基と2個また
は4個の二重結合有し、且つ、二重結合の幾何異性に依
ってC2空間群またはCs空間群に属し得るアリールア
ミン化合物であって、アリールアミン残基に直結する二
重結合の幾何異性がZ体である割合が30%以上85%
以下である事を特徴とするアリールアミン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体用
の電荷輸送材、その製造方法及び該電荷輸送材を用いた
電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、有機系の光導電性物質を電子写真
用感光体の感光層に用いる研究が進み、そのいくつかが
実用化された。有機系の光導電性物質は無機系のものに
比し、軽量である、成膜が容易である、感光体の製造が
容易である、種類によっては透明な感光体を製造できる
材料が無公害である等の利点を有する。最近は、電荷キ
ャリヤーの発生と移動の機能を別々の化合物に分担させ
る、いわゆる機能分離型の感光体が高感度化に有効であ
ることから、開発の主流となっており、このタイプによ
る有機系感光体の実用化も行なわれている。電荷キャリ
ヤー輸送媒体としては、ポリビニルカルバゾールなどの
高分子光導電性化合物を用いる場合と低分子光導電性化
合物をバインダーポリマー中に分散溶解する場合とがあ
る。
【0003】特に、有機系の低分子光導電性化合物は、
バインダーとして皮膜性、可とう性、接着性などのすぐ
れたポリマーを選択することができるので容易に機械的
特性の優れた感光体を得ることができる(例えば、特開
昭60−196767号公報、特開昭60−21865
2号公報、特開昭60−233156号公報、特開昭6
3−48552号公報、特開平1−267552号公
報、特公平3−39306号公報、特開平3−1134
59号公報、特開平3−123358号公報、特開平3
−149560号公報、特開平6−273950号公
報、特開昭62−36674号公報、特開平7−036
203号公報、特開平6−11854、特開昭63−4
8553号公報、等参照)。しかしながら、高感度な感
光体を作るのに適した化合物を見出すことが困難であっ
た。
【0004】更に、絶え間ない高感度化の要請の中で、
電気特性的には残留電位が不十分、光応答性が悪い、繰
り返し使用した場合帯電性が低下し、残留電位が蓄積す
る等種々の問題を抱えており、こうした問題に対し、例
えば特定の2種類のヒドラゾン化合物を併用し、感光体
の他の特性をあまり損わずに残留電位上昇を防止する技
術(特開昭61−134767号公報)等が報告されて
いる。しかしながら、特性のバランスの点では必ずしも
十分ではなく、感光体全体としての特性をバランスよく
向上させる技術が求められていた。更に又、光源として
半導体レーザーがプリンター分野において積極的に応用
されてきており、この場合該光源の波長は800nm前
後である事から800nm前後の長波長光に対しても高
感度な特性を有する感光体の開発が強く望まれている。
【0005】この目的に合致する材料として特開昭59
−49544号公報、特開昭59−214034号公
報、特開昭61−109056号公報、特開昭61−1
71771号公報、特開昭61−217050号公報、
特開昭61−239248号公報、特開昭62−670
94号公報、特開昭62−134651号公報、特開昭
62−275272号公報、特開昭63−198067
号公報、特開昭63−198068号公報、特開昭63
−210942号公報、特開昭63−218768、特
開平6−273950、特開平8−36268、特開平
9−244278号公報等に記載された材料が挙げら
れ、それぞれ電子写真感光体用材料として好適な結晶型
を有するオキシチタニウムフタロシアニン類が種々知ら
れている。しかしながら、更に、長波長光に対して高感
度でかつ他の電気特性も良好な電子写真用感光体が求め
られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題点
を解決するためになされたものでありその目的の第1
は、高感度および高耐久性の電子写真用感光体を提供す
ることにある。目的の第2は、高感度であって、膜厚を
厚くした場合においても残留電位が充分低く、繰り返し
使用しても特性の変動が少なく、かつ耐久性に非常に優
れた電子写真用感光体を提供することにある。目的の第
3は、800nm前後の長波長においても高感度でかつ
帯電性、暗減衰、残留電位等が良好なバランスの取れた
電子写真用感光体を提供することにある。目的の第4
は、応答性の良い、キャリヤー移動度の速い感光体を提
供することにある。目的の第5は、溶解安定性の高い塗
布溶液を得ることができる電荷移動物質を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本出願人は、上記の問題
点を解決するために、先に、電荷移動材として特定のア
リールアミン化合物およびそれを用いた電子写真感光体
を提案した(特開平10−282698号公報、特開平
10−312070号公報、特開2000−66420
号公報、特開2000−47405号公報等)。これら
のアリールアミン化合物について更に検討した結果、ア
リールアミン化合物に存在する二重結合の幾何異性によ
って、電子写真感光体の電荷移動材として用いた場合の
性能が変化することを見出し本発明に到達した。
【0008】即ち,本発明の要旨は、下記一般式(I)
で表され、かつ二重結合の幾何異性に依ってC2空間群
またはCs空間群に属し得るアリールアミン化合物であ
って、Gに直結する二重結合の幾何異性がZ体である割
合が30%以上85%以下である事を特徴とするアリー
ルアミン化合物に存する。
【0009】
【化3】
【0010】(一般式(I)中、Gは2価又は4価のア
リールアミン残基を表し、R1〜R4は各々独立して水素
原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を
有していても良いアリール基、置換基を有していても良
いアラルキル基、置換基を有していても良い複素環基を
表す。n1、n2は各々独立して0乃至4の整数を表す。
但し、n1=0の場合はR1が水素原子であり、n2=0
の場合はR3が水素原子である。また、mは0又は1を
表す。)
【0011】本発明の別の要旨は、ホルミル基を有する
前駆体(前駆体A)とカルバニオンを有する前駆体(前
駆体B)を縮合反応する工程を含む、前記アリールアミ
ン化合物の製造方法であって、1)縮合反応終了後、−
20℃〜20℃の温度範囲で吸着剤処理する、2)縮合
反応における溶媒として、PM−3パラメーターを使っ
た半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による
(以下半経験的分子軌道計算とする)双極子モーメント
の計算値が、2.0(D)以上の化合物を使用する、又
は3)縮合反応時の反応温度が−20℃〜20℃であ
る、事を特徴とするアリールアミンの製造方法に存す
る。
【0012】また、本発明の別の要旨は、導電性支持体
上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であっ
て、該感光層に前記アリールアミン化合物を含有するこ
とを特徴とする電子写真感光体に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下,本発明を詳細に説明する。
本発明のアリールアミン化合物は、下記一般式(I)で
表されるものである。
【0014】
【化4】
【0015】(一般式(I)中、Gは2価又は4価のア
リールアミン残基を表し、R1〜R4は各々独立して水素
原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を
有していても良いアリール基、置換基を有していても良
いアラルキル基、置換基を有していても良い複素環基を
表す。n1、n2は各々独立して0乃至4の整数を表す。
但し、n1=0の場合はR1が水素原子であり、n2=0
の場合はR3が水素原子である。また、mは0又は1を
表す)
【0016】また、本発明のアリールアミン化合物は、
前記一般式(I)で表されるものの内、二重結合の幾何
異性に依ってシェーンフリースの記号においてC2空間
群またはCs空間群に属し得る化合物である。なお、C
s空間群はSI空間群と表されることもあるが、これら
は同義である。ここで、「二重結合の幾何異性に依って
2空間群に属し得る化合物」について、式(III)
〜式(V)の化合物を例に取り説明する。式(III)
の化合物において、フェニレン基に直結していない二重
結合の幾何異性を便宜上E体に固定すると、フェニレン
基に直結する2つの二重結合の幾何異性に依り、ZZ
体、ZE体、EE体の3種の異性体が存在しうる(な
お、下式(III)はこれらのうちEE体を示す)。こ
のうち、ZZ体とEE体は、C2対称軸を有し、ZE体
はC2対称軸を有さない。即ち、式(III)の化合物
は、ZZ体とEE体がC2対称軸を有するので、「二重
結合の幾何異性に依ってC2空間群に属し得る化合物」
に含まれる。
【0017】
【化5】
【0018】式(IV)の化合物は、末端のフェニル基
上にメチル基を1つ有しており、二重結合の幾何異性が
どのような組み合わせになろうともC2対称軸を有さな
い。従って、式(IV)の化合物は、「二重結合の幾何
異性に依ってC2空間群に属し得る化合物」に含まれな
い。式(V)の化合物は、メチル基2つ有しているが、
その位置がC2対称であるので、式(III)の化合物
と同様に、「二重結合の幾何異性に依ってC2空間群に
属し得る化合物」に含まれる。
【0019】次に、「二重結合の幾何異性に依ってCs
空間群に属し得る化合物」について、式(VI)の化合
物を例に取り説明する。式(VI)の化合物において、
フェニレン基に直結していない二重結合の幾何異性を便
宜上Z体に固定すると、フェニレン基に直結する2つの
二重結合の幾何異性に依り、ZZ体、ZE体、EE体の
3種の異性体が存在しうる。このうち、ZZ体とEE体
は、鏡映面を有し(窒素上に置換したm−トリル基は鏡
映面上に位置する)、ZE体は鏡映面を有さない。即
ち、式(VI)の化合物は、ZZ体とEE体が鏡映面を
有するので、「二重結合の幾何異性に依ってCs空間群
に属し得る化合物」に含まれる。
【0020】
【化6】
【0021】このようなアリールアミン化合物は、電子
写真感光体における電荷移動剤として有用である。とこ
ろで、この様なアリールアミン化合物は公知の方法を用
いてを製造することができるが、その場合、C2空間群
またはCs空間群に属する化合物と属さない化合物とで
は、C2空間群またはCs空間群に属する化合物の方
が、製造の容易性から有利である。即ち、アリールアミ
ン化合物は典型的には例えば、ホルミル基を有する前駆
体(以下、前駆体Aと称することがある)と、カルバニ
オンを有する前駆体(以下、前駆体Bと称することがあ
る)とを例えばWittig反応により縮合して得るこ
とができる。
【0022】
【化7】
【0023】ここで、前述の式(III)、(V)、
(VI)の化合物では、カルバニオンを有する前駆体
(典型的にはWittig試薬)が1種類であるので、
一段階の縮合反応で足りるのに対し、式(IV)の化合
物を製造するには、まず、一つ目のWittig試薬
と、前駆体Aとの反応を行った後、次いで別の種類のW
ittig試薬とを反応させる2段の反応を行う必要が
ある。
【0024】上述のように、C2空間群またはCs空間
群に属する化合物は、製造上有利であるが、一方、対称
性を有するが為に、別の不都合があることがわかった。
即ち、電荷移動剤として電子写真感光体に用いる場合、
通常バインダー樹脂に分散又は溶解した塗布液を浸漬塗
布等により導電性支持体上に塗布し、乾燥して電荷移動
層(単層の場合は感光層)を作成するが、C2空間群ま
たはCs空間群に属する化合物は、その対称性のために
結晶性が高く、塗布液中あるいは、電荷移動層の作成途
中等で結晶が析出し、均一な感光層が得られないという
不都合が生じやすい。
【0025】例えば、式(III)の化合物のうち、Z
Z体と、EE体の2種が、C2対称軸を有するが、この
なかでもEE体のほうが、より結晶性が高い。この理由
は必ずしも明らかではないが、次のように推定される。
ZZ体では、アリールアミン残基との立体障害のため
に、アリールアミンに直結した二重結合と、その二重結
合につながった二重結合(直結しない二重結合)が、平
面構造を取ることができない。一方、EE体ではこのよ
うな立体障害が無く、しかも連続した二重結合が平面構
造を取った方が共役により安定化するために、平面構造
をとるものと考えられ、そうすると分子同士の重ね合わ
せが容易に起こりやすく、結晶性が上がるものと考えら
れる。従って、アリールアミン化合物の結晶性は高い順
に、EE体、ZZ体、EZ体となる。
【0026】本発明のアリールアミン化合物は、化合物
の合成上の有利さと、電荷移動材として用いる場合の電
荷移動層の製造上の有利さを兼ね備えたものであり、二
重結合の幾何異性に依ってC2空間群またはCs空間群
に属し得るアリールアミン化合物であって、アリールア
ミン残基に直結する二重結合の幾何異性がZ体である割
合が30%以上85%以下である事を特徴とするアリー
ルアミン化合物である。
【0027】幾何異性体が上記範囲にあれば、EE体、
ZZ体、EZ体の幾何異性混合物におけるEE体の割合
が十分少なくなり、結晶の析出を押さえることができ
る。アリールアミン残基に直結する二重結合の幾何異性
としては、塗布液の調整上Z体の割合が40%〜80%
が好ましく、50%〜75%が更に好ましい。本発明の
アリールアミン化合物は、アリールアミン残基に直結す
る二重結合は、2つの場合と4つの場合がある。アリー
ルアミン残基に直結する二重結合が2つである化合物に
おいては、アリールアミン化合物のEE体の存在割合と
しては、40%以下が好ましく、30%以下が更に好ま
しく、20%以下が特に好ましい。
【0028】一般式(I)中、Gは2価又は4価のアリ
ールアミン残基を表すが、2価のアリールアミン残基で
あることが好ましい。アリールアミン残基は、アリール
基と窒素原子が直接結合した部分を有する有するもので
あればいずれでもよく、例えば、トリフェニルアミン構
造、エチルジフェニルアミン構造、ナフチルジフェニル
アミン構造等を有する基が挙げられる。また、本発明の
アリールアミン化合物は、上述のアリールアミン残基
に、2個又は4個の二重結合がアリール部位に直接結合
している。本発明のアリールアミン化合物の好ましいも
のは、下記一般式(II)で表される化合物である。
【0029】
【化8】
【0030】(一般式(II)中、Ar1、Ar2は各々
独立して、置換基を有していても良いアリーレン基又は
置換基を有していても良い2価の複素環基を表す。Ar
3は、m=0の時は置換基を有していても良いアルキル
基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有
していても良い1価の複素環基を表し、m=1の時は、
置換基を有していても良いアルキレン基、置換基を有し
ていても良いアリーレン基又は置換基を有していても良
い2価の複素環基を表す。Qは直接結合または2価の残
基を表す。R1〜R4は各々独立して水素原子、置換基を
有していても良いアルキル基、置換基を有していても良
いアリール基、置換基を有していても良いアラルキル
基、置換基を有していても良い複素環基を表す。n1、
n2は各々独立して0乃至4の整数を表す。但し、n1=
0の場合はR1が水素原子であり、n2=0の場合はR3
が水素原子である。また、mは0又は1を表す。また、
Ar1〜Ar3は互いに結合して環状構造を形成しても良
い。)
【0031】一般式(I)及び一般式(II)中、R1
〜R4は各々独立して水素原子、置換基を有していても
良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール
基、置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を
有していても良い複素環基を表すが、アルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げら
れ、これらの内炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
【0032】また、アリール基としては、フェニル基、
トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙
げられ、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。ま
た、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基
等が挙げられ、炭素数7〜12のアラルキル基が好まし
い。また、複素環基は、芳香族性を有する複素環が好ま
しく、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基等のが
挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。また、
1〜R4において、最も好ましいものは、メチル基及び
フェニル基である。
【0033】また、一般式(II)中、Ar1、Ar2
各々独立して、置換基を有していても良いアリーレン基
又は置換基を有していても良い2価の複素環基を表し、
Ar 3は、m=0の時は置換基を有していても良いアル
キル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基
を有していても良い1価の複素環基を表し、m=1の時
は、置換基を有していても良いアルキレン基、置換基を
有していても良いアリーレン基又は置換基を有していて
も良い2価の複素環基を表すが、アリール基としては、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピレ
ニル基等が挙げられ、炭素数6〜14のアリール基が好
ましく;アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチ
レン基等が挙げられ、フェニレン基が好ましく;1価の
複素環基としては、芳香族性を有する複素環が好まし
く、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基等のが挙
げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましく;2価の複
素環基としては、芳香族性を有する複素環が好ましく、
例えばピリジレン基、チエニレン基等が挙げられ、単環
の芳香族複素環が更に好ましい。これらの内、最も好ま
しいものは、Ar1及びAr2はフェニレン基であり、A
3はフェニル基である。
【0034】これらR1〜R5、Ar1〜Ar3で表される
基の内、アルキル基、アリール基、アラルキル基、複素
環基はさらに置換基を有していても良いが、その置換基
としては、シアノ基;ニトロ基;水酸基;フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等のアルキル基;メトキシ基,エトキシ基,プロピ
ルオキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチ
オ基等のアルキルチオ基;ビニル基、アリル基等のアル
ケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル
基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等の
アリールオキシ基;ベンジルオキシ基,フェネチルオキ
シ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基,ナフチル
基等のアリール基;スチリル基,ナフチルビニル基等の
アリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシ
ル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアル
キルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ
基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフ
ェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基、ジピリジ
ルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ
基;ジアリルアミノ基、又、上記のアミノ基の置換基を
組み合わせたジ置換アミノ基等の置換アミノ基等が挙げ
られる。
【0035】また、これらの置換基は互いに結合して、
単結合、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、ビニ
リデン基、エチレニレン基等を介した環状炭化水素基や
複素環基を形成してもよい。
【0036】これらの内好ましい置換基としては、ハロ
ゲン原子、シアノ基、水酸基、炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアル
キルチオ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素
数6〜12のアリールチオ基、炭素数2〜8のジアルキ
ルアミノ基が挙げられ、ハロゲン原子、炭素数1〜6の
アルキル基、フェニル基が更に好ましく、メチル基、フ
ェニル基が特に好ましい。
【0037】一般式(I)及び(II)中、n1、n2は
各々独立して0乃至4の整数を表すが、製造上の観点か
ら0乃至2が好ましく、1が最も好ましい。mは0又は
1を表すが、0が好ましい。一般式(II)中、Qは、
直接結合又は2価の残基を表すが、2価の残基として好
ましいものは、16族原子、置換基を有しても良いアル
キレン、置換基を有しても良いアリーレン基、置換基を
有しても良いシクロアルキリデン基、またはこれらが互
いに結合した、例えば[−O−A−O−]、[−A−O−
A−]、[−S−A−S−]、[−A−A−]等が挙げられ
る(但し、Aは置換基を有しても良いアリーレン基また
は置換基を有しても良いアルキレン基を表す)。
【0038】Qを構成するアルキレン基としては、炭素
数1〜6のものが好ましく、中でもメチレン基及びエチ
レン基が更に好ましい。また、シクロアルキリデン基と
しては、炭素数5〜8のものが好ましく、中でもシクロ
ペンチリデン基及びシクロヘキシリデン基が更に好まし
い。アリーレン基としては、炭素数6〜14のものがこ
のましく、中でもフェニレン基及びナフチレン基が更に
好ましい。
【0039】また、これらアルキレン基、アリーレン
基、シクロアルキリデン基は置換基を有してもよいが、
好ましい置換基としては、水酸基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜6のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基が
挙げられる。
【0040】以下に一般式(I)で表わされるアリール
アミン系化合物についてその代表例を挙げるが、これら
代表例は例示の為にしめされるのであって本発明に用い
るアリールアミン系化合物はこれら代表例に限定される
ものではない。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
【表10】
【0051】
【表11】
【0052】
【表12】
【0053】
【表13】
【0054】次に、本発明のアリールアミン化合物の製
造方法についてさらに詳しく説明すると、前駆体Cのア
リールアミン系化合物をオキシ塩化リンの存在下にN,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド
等のホルミル化剤と反応させると前駆体Aのアルデヒド
体が得られる。
【0055】
【化9】
【0056】ホルミル化剤を大過剰に用いて反応溶媒を
兼ねることもできるが、O−ジクロロベンゼン,ベンゼ
ン等の反応に不活性な溶媒を用いることもできる。次い
で得られた前駆体Bのアルデヒド体(又はケトン体)
と、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベン
ゼン、トルエン等の反応に不活性な公知の有機溶媒中、
一般式[CH 2T−CH=CR12](但し、Tはハロゲ
ン原子を表し、R1、R2は一般式(I)におけるR1
2と同義である)で表されるハロゲン化合物と、トリ
フェニルホスフィンとを作用させて得られるWitti
g試薬(前駆体B)とを、−20〜20℃好ましくは−
10〜10℃の温度範囲で、ブチルリチウム、フェニル
リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウム−t−ブトキシド等の公知の塩基の存在下
反応させることにより一般式(I)で表わされる化合物
が得られる。
【0057】特に、この二重結合生成工程においては、
極性の高い溶媒を使用する事は、Z体比向上、溶解性の
点から、好ましい。この尺度としては、PM−3パラメ
ーターを使った半経験的分子軌道計算を用いた、構造最
適化計算による、双極子モーメントの計算値が、2.0
0(D)以上の分子を二重結合生成時の溶媒をとして使
用する事を特徴とする事は、好ましい。安定な塗布液を
作成する為には、さらに好ましくは、 2.50(D)
以上であり、さらに好ましくは、3.10以上である事
が好ましい。これらの溶媒は、ウィッティッヒ試薬、ホ
ルミル体の溶解性等を考え、反応に不活性な他の溶媒と
兼用しても構わない。好ましい溶媒としては、例えばジ
メチルホルムアミド(双極子モーメントの計算値:3.
06(D))、N−メチルピロリドン(双極子モーメン
トの計算値:3.30(D))が、挙げられる
【0058】このようにして得られた、一般式(I)で
表されるアリールアミン化合物は、アリールアミン残基
(一般式(I)において、Gで表される残基)に直結し
た二重結合の幾何異性において、ZZ体、ZE体、EE
体、及びそれらの混合物が得られる。
【0059】これらの反応行程終了後、あるいは全行程
終了後、再結晶精製、再沈精製、昇華精製、カラム精製
等の公知な精製手段により高純度体を得ることも可能で
ある。全行程終了後の精製においては、精製後の化合物
の溶解性の点から、温度が20℃以下で、アルミナ、シ
リカゲル、活性白土、活性炭等で吸着材処理をする事が
好ましく、15℃以下である事はさらに好ましく、さら
に好ましくは、10℃以下である。又、吸着効率、溶解
度等を考え、−30℃以上である事が好ましく、−20
℃以上である事が更に好ましい。
【0060】本発明の電子写真感光体は,上記一般式
(I)で表わされる,アリールアミン系化合物を1種、
または、2種以上含有する感光層を有する。一般式
(I)で表わされるアリールアミン系化合物は、有機光
伝導体として極めて優れた性能を示す。特に、電荷輸送
媒体として用いた場合には高感度で耐久性に優れた感光
体を与える。
【0061】電子写真感光体の感光層の形態としては、
種々のものが知られているが、本発明の電子写真感光体
の感光層としてはそのいずれであっても良い。感光層
(光伝導層)は,電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積
層したもの、あるいは、逆に積層したものである積層
型、さらには電荷輸送媒体中に電荷発生材料(電荷発生
物質)の粒子を分散したいわゆる分散型など、いずれの
構成も用いることができる。
【0062】また、たとえばバインダー中にアリールア
ミン系化合物と必要に応じ、増感剤となる色素や電子受
容性化合物を添加した感光層、光を吸収すると極めて高
い効率で電荷キャリヤーを発生する電荷発生材料(光伝
導性粒子)と、アリールアミン系化合物をバインダー中
に添加した感光層、アリールアミン系化合物とバインダ
ーからなる電荷発生層と光を吸収すると極めて高い効率
で電荷キャリヤーを発生する電荷発生材料からなるある
いはこれとバインダーからなる電荷発生層を積層した感
光層等があげられる。
【0063】これらの感光層には,一般式(I)で表わ
されるアリールアミン化合物とともに有機光伝導体とし
て優れた性能を有する公知の他のアリールアミン化合
物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物を混合しても
よい。本発明においては,上記一般式(I)で表わされ
る,アリールアミン系化合物を電荷発生層と電荷輸送層
(電荷移動層)の2層からなる感光層の電荷輸送層中に
用いる場合に、特に感度が高く、残留電位が小さく、か
つ、繰り返し使用した場合に表面電位の変動や感度の低
下、残留電位の蓄積等が少なく、耐久性に優れた感光体
を得ることができる。
【0064】具体的には通常,電荷発生材料を直接蒸着
あるいはバインダーとの分散液として塗布して電荷発生
層を作成し、その上に前記アリールアミン化合物を含む
有機溶剤溶液をキャストするか、あるいは前記アリール
アミン系化合物をバインダー等とともに溶解し、その分
散液を塗布することにより、前記一般式(I)で表わさ
れるアリールアミン系化合物を含む電荷輸送材料を含有
する電荷輸送層を作成してなる積層型感光体であるが、
電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆の構成でも良
い。
【0065】また電荷発生材料と電荷輸送材料とが、バ
インダー中に分散、溶解した状態で伝導性支持体上に塗
布した一層型感光体であってもよい。電荷発生材料とし
ては、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合
金、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光
伝導性粒子;無金属フタロシアニン、金属含有フタロシ
アニン、ペリノン系顔料、チオインジゴ、キナクリド
ン、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔
料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキス系
アゾ顔料、シアニン系顔料等の有機光伝導性粒子が挙げ
られる。
【0066】更に、多環キノン、ピリリウム塩、チオピ
リリウム塩、インジゴ、アントロン、ピラントロン等の
各種有機顔料、染料が使用できる。中でも無金属フタロ
シアニン、銅、塩化インジウム、塩化ガリウム、錫、オ
キシチタニウム、亜鉛、ナジウム等の金属又は、その酸
化物、塩化物の配位したフタロシアニン類、モノアゾ、
ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類等のアゾ顔料が好ま
しい。
【0067】中でも、金属含有及び無金属フタロシアニ
ンと前記一般式(I)で示されるアリールアミン誘導体
とを組合せるとレーザー光に対する感度が向上した感光
体が得られ、特に、導電性支持体上に、少なくとも、電
荷発生材料と電荷輸送材料とを含有する感光層を有する
電子写真用感光体において、電荷発生材料として、Cu
Kα線によるX線回折においてブラック角(2θ±0.
2°)27.3°に明瞭な回折ピークを有するY型オキ
シチタニウムフタロシアニン等のオキシチタニウムフタ
ロシアニン化合物、ブラッグ角2θ(±0.3°)9.
2°、14.1°、15.3°、19.7°、 27.
1°に回折ピークを有するジヒドロキシシリコンフタロ
シアニン等の、ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化
合物、ブラック角(2θ±0.2°)8.5°、12.
2°、13.8°、16.9°、22.4°、28.4
°、30.1°に回折ピークを示すジクロロスズフタロ
シアニン等のジクロロスズフタロシアニン化合物を含有
する感光層を有することが好ましい。
【0068】この様にして得られる電子写真用感光体は
高感度で、残留電位が低く帯電性が高く、かつ、繰返し
による変動が小さく、特に、画像濃度に影響する帯電安
定性が良好であることから、高耐久性感光体として用い
ることができる。又、上述のフタロシアニン化合物を用
いた場合には600〜850nmの領域の感度が高いこ
とから、特に半導体レーザープリンター用感光体に適し
ている。
【0069】前記のフタロシアニン粒子はバインダーポ
リマーおよび必要に応じ他の有機光導電性化合物、色
素、電子受容性化合物等と共に溶剤に溶解あるいは分散
し、こうして得られる塗布液を塗布乾燥して電荷発生層
を得る。次に本発明において必要に応じて添加される染
料色素としては、例えばメチルバイオレット、ブリリア
ントグリーン、クリスタルバイオレット等のトリフェニ
ルメタン染料、メチレンブルーなどのチアジン染料、キ
ニザリン等のキノン染料及びシアニン染料やビリリウム
塩、チアビリリウム塩、ベンゾビリリウム塩等が挙げら
れる。
【0070】また、アリールアミン系化合物と電荷移動
錯体を形成する電子受容性化合物としては、例えばクロ
ラニル、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1
−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニトロアン
トラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナントレ
ンキノン等のキノン類;4−ニトロベンズアルデヒド等
のアルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセン、インダ
ンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、2,4,
7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロフルオレノン、3,3′,5,5′−テトラニト
ロベンゾフェノン等のケトン類;無水フタル酸、4−ク
ロロナフタル酸無水物等の酸無水物;テトラシアノエチ
レン、テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメ
チリデンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニ
トリル、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザル
マロノニトリル等のシアノ化合物;3−ベンザルフタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,
5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等の
電子受容性化合物が挙げられる。
【0071】積層型感光層における電荷発生層はこれら
の物質の微粒子を、例えばポリエステル樹脂、ポリビニ
ルアセテート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、
ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエ
ーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形の分散層
で使用してもよい。更に、バインダー樹脂としては、ス
チレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチル
ビニルエーテル等のビニル化合物の重合体および共重合
体、ポリアミド、けい素樹脂等が挙げられる。
【0072】この場合の電荷発生材料(電荷発生物質)
の使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して通常
20から2000重量部、好ましくは30から500重
量部、より好ましくは33から500重量部の範囲より
使用され、電荷発生層の膜厚は通常0.05〜5μm、
好ましくは0.1μmから2μm、より好ましくは0.
15μmから0.8μmが好適である。また電荷発生層
は必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や
酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよ
い。更にまた電荷発生層は上記電荷発生材料の蒸着膜で
あってもよい。
【0073】分散型感光層の場合の電荷発生材料の粒子
径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以
下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光
層内に分散される電荷発生材料の量は例えば0.5〜5
0重量%の範囲であるが少なすぎると充分な感度が得ら
れず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害
があり、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用さ
れる。
【0074】分散型感光層の膜厚は通常5〜50μm、
より好ましくは10〜45μmで使用される。またこの
場合にも成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するた
めの公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤分
散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するた
めのレベリング剤、界面活性剤、例えばシリコーンオイ
ル、フッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても
良い。
【0075】更に、本発明の電子写真用感光体の感光層
は成膜性、可撓性、機械的強度を向上させるために周知
の可塑剤を含有していてもよい。そのために上記塗布液
中に添加する可塑剤としては、フタル酸エステル、りん
酸エステル、エポキシ化合物、塩素化パラフィン、塩素
化脂肪酸エステル、メチルナフタレンなどの芳香族化合
物などが挙げられる。アリールアミン系化合物を電荷輸
送層中の電荷輸送材料として用いる場合の塗布液は、前
記組成のものでもよいが、光導電性粒子、染料色素、電
子吸引性化合物等は除くか、少量の添加でよい。この場
合の電荷発生層としては上記光導電性粒子と必要に応じ
バインダーポリマーや他の有機光導電性物質、染料色
素、電子吸引性化合物等の溶媒に溶解乃至分散させて得
られる塗布液を塗布乾燥した薄層、あるいは前記光導電
性粒子を蒸着等の手段により製膜とした層が挙げられ
る。
【0076】このようにして形成される感光体にはま
た、必要に応じ、バリアー層、接着層、ブロッキング層
等の中間層、透明絶縁層、あるいは保護層など、電気特
性、機械特性の改良のための層を有していてもよいこと
はいうまでもない。
【0077】感光層が形成される導電性支持体としては
周知の電子写真感光体に採用されているものがいずれも
使用できる。具体的には例えばアルミニウム、ステンレ
ス鋼、銅、ニッケル等の金属材料からなるドラム、シー
トあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物、あ
るいは表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化す
ず、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステル
フィルム、紙等の絶縁性支持体が挙げられる。更に、金
属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等
の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電
処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、
紙、紙管等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブ
ラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性とな
ったプラスチックのシートやドラムが挙げられる。又、
酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物で導電
処理したプラスチックフィルムやベルトが挙げられる。
なかでもアルミニウム等の金属のエンドレスパイプが好
ましい支持体である。
【0078】バリアー層、中間層としては、例えばアル
ミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アル
ミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロー
ス類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミ
ド、ポリアミド、等の有機層が使用される。
【0079】本発明の電子写真用感光体は常法に従って
上記一般式(I)で表わされるアリールアミン誘導体を
バインダーと共に適当な溶剤中に溶解し、必要に応じ、
適当な電荷発生材料、増感染料、電子吸引性化合物、他
の電荷輸送材料、あるいは、可塑剤、顔料等との周知の
添加剤を添加して得られる塗布液を導電性支持体上に塗
布、乾燥し、通常、数μm〜数十μm、好ましくは10
〜45μm、特に好ましくは20μm以上の膜厚の感光
層を形成させることにより製造することができる。電荷
発生層と電荷輸送層の二層からなる感光層の場合は、電
荷発生層の上に上記塗布液を塗布するか、上記塗布液を
塗布して得られる電荷輸送層の上に電荷発生層を形成さ
せることにより、製造することができる。
【0080】塗布液調製用の溶剤としてはテトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;酢酸
エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等の
エステル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化
炭化水素などのアリールアミン系化合物を溶解させる溶
剤が挙げられる。勿論これらの中からバインダーを溶解
するものを選択する必要がある。
【0081】積層型感光層の場合の電荷輸送層に使用さ
れるバインダー樹脂、あるいは分散型感光層の場合のマ
トリックスとして使用されるバインダー樹脂としては、
電荷輸送材料との相溶性が良く、塗膜形成後に電荷輸送
材料が結晶化したり、相分離することのないポリマーが
好ましく、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ブタ
ジエン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビ
ニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、
ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース
エステル、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、けい
素樹脂、エポキシ樹脂等の各種ポリマーが挙げられ、ま
たこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。バインダー
の使用量は通常アリールアミン系化合物に対し、0.5
〜30重量倍、好ましくは0.7〜10重量倍の範囲で
ある。
【0082】積層型感光層の場合の電荷輸送層には、必
要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤並びに他
の電荷輸送材料を含んでいてもよい。電荷輸送層の膜厚
は通常、10〜60μm、好ましくは10〜45μm、
更に好ましくは27〜40μmの厚みで使用されるのが
よい。最表面層として従来公知の例えば熱可塑性或いは
熱硬化性ポリマーを主体とするオーバーコート層を設け
ても良い。通常は、電荷発生層の上に電荷移動層を形成
するが、逆も可能である。各層の成形方法としては、層
に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた
塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
電荷輸送層にはこの他に、塗膜の機械的強度や、耐久性
向上のための種々の添加剤を用いることができる。この
様な添加剤としては、周知の可塑剤や、種々の安定剤、
流動性付与剤、架橋剤等が挙げられる。
【0083】感光層の塗布方法としては、スプレー塗布
法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等が
ある。スプレー塗布法としては、エアスプレー、エアレ
ススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレ
ー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホット
エアレススプレー等があるが、均一な膜厚を得るための
微粒化度、付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレ
ーにおいて、再公表平1−805198号公報に開示さ
れている搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させな
がらその軸方向に間隔を開けることなく連続して搬送す
ることにより、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に
優れた電子写真感光体を得ることができる。
【0084】スパイラル塗布法としては、特開昭52−
119651号公報に開示されている注液塗布機または
カーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966
号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連
続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報
に開示されているマルチノズル体を用いた方法等があ
る。
【0085】以下、浸漬塗布法について説明する。前述
した一般式(I)で示されるアリールアミン誘導体、バ
インダー、溶剤等を用いて好適な全固形分濃度が25%
以上であってより好ましくは40%以下の、かつ粘度が
通常50センチポアーズ〜300センチポアーズ以下、
好ましくは100センチポアーズ〜200センチポアー
ズ以下の電荷輸送層形成用の塗布液を調整する。ここで
実質的に塗布液の粘度はバインダーポリマーの種類及び
その分子量により決まるが、あまり分子量が低い場合に
はポリマー自身の機械的強度が低下するためこれを損わ
ない程度の分子量を持つバインダーポリマーを使用する
ことが好ましい。この様にして調整された塗布液を用い
て浸漬塗布法により電荷輸送層が形成される。
【0086】その後塗膜を乾燥させ、必要且つ充分な乾
燥が行われる様に乾燥温度時間を調整すると良い。乾燥
温度は通常100〜250℃好ましくは、110〜17
0℃さらに好ましくは、120〜140℃の範囲であ
る。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外
線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いることができる。
【0087】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の製
造例、実施例に限定されるものではない。なお、実施例
中「部」とあるは「重量部」を示す。 (実施例1)下記ビスホルミル化合物(F1)27gを
N−メチルピロリドン(以下、NMPと称す:双極子モ
ーメントの計算値=3.30(D))200mlに懸濁
させ、シンナミルトリフェニルホスホニウムクロライド
52gを添加した。系を10℃に保ち、ここにナトリウ
ムメトキシド(28%メタノール溶液)17.0gを1
0℃〜0℃で滴下した。3.5時間、室温にて攪拌後、
メタノール−水(800ml−100ml)中に放出し
た。析出した固体を濾取し、減圧下乾燥させた。生成し
た固体をトルエン200mlに溶解させ、10℃で、吸
着剤(活性白土、及び活性炭)による吸着剤処理による
精製を行って、黄色固体15gを得た。
【0088】
【化10】
【0089】得られた生成物を液体クロマトグラフィ
ー、1H−NMRにて解析したところ、第1表における
化合物1(EE体5%)、2(EZ体、44%)、3
(ZZ体、51%)であり、アリールアミンに結合す
る、各々の二つの二重結合部位の幾何異性は、平均し
て、73%Zであることがわかった。得られたアリール
アミン化合物を用い、下記方法に従い電気特性の測定を
行った。結果を第2表に記す。
【0090】[電気特性の測定]X線回折スペクトルに
おいて、ブラック角(2θ±0.2°)9.3°,1
0.6°,13.2°,15.1°,15.7°,1
6.1°,20.8°,23.3°,27.1°に強い
回折ピークを示すチタニウムオキシフタロシアニン顔料
1.0部をジメトキシエタン14部に加え、サンドグラ
インダーで分散処理をした後、ジメトキシエタン14部
と4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2(三菱化学
(株)社製)14部を加え希釈し、さらに、ポリビニル
ブチラール(電気化学工業(株)社製、商品名デンカブ
チラール#6000−C)0.5部と、フェノキシ樹脂
(ユニオンカーバイド(株)社製、商品名UCAR(商
標登録)PKHH)0.5部をジメトキシエタン6部、
4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 6部の混合
溶媒に溶解した液と混合し、分散液を得た。
【0091】この分散液を75μmに膜厚のポリエステ
ルフィルムに蒸着されたアミノ蒸着層の上に乾燥後の重
量が0.4g/m2になる様にワイヤーバーで塗布した
後、乾燥して電荷発生層を形成させた。この上に前記ア
リールアミン 70部と下記に示すポリカーボネート樹
脂(PC1)100部をテトラヒドロフラン900部との
混合溶媒に溶解した塗布液を塗布、乾燥し、膜厚20μ
mの電荷輸送層を形成させた。
【0092】
【化11】
【0093】このようにして得た2層からなる感光層を
有する電子写真感光体によって感度すなわち半減露光量
を測定したところ0.35μJ/cm2であった。半減
露光量はまず、感光体を暗所で50μAのコロナ電流に
より負帯電させ、次いで20ルックスの白色光を干渉フ
ィルターに通して得られた780nmの光(露光エネル
ギー10μW/cm2 )で露光し、表面電位が−550V
から−275Vまで減衰するのに要する露光量を測定する
ことにより求めた。さらに露光時間を9.9秒とした時
の表面電位を残留電位として測定したところ、−5Vで
あった。この操作を2000回繰り返したが、残留電位
の上昇は、ほとんどみられなかった。
【0094】(実施例2)溶媒として、NMPの代わり
にジメチルホルムアミド(以下、DMFと称す:双極子
モーメントの計算値=3.06(D))を利用する以外
は、実施例1と同様に電荷輸送物質を作成した。得られ
た生成物を液体クロマトグラフィー、1H−NMRにて
解析したところ、第1表における化合物1(EE体10
%)、2(EZ体、48%)、3(ZZ体、42%)で
あり、アリールアミンに結合する、各々の二つの二重結
合部位の幾何異性は、平均して、66%Zであることが
わかった。次に、実施例1と同様に、感光体を作成し、
電気特性の測定を行った。結果を第2表に記す。
【0095】(実施例3)X線回折スペクトルにおい
て、ブラック角(2θ±0.2°)27.3°に明瞭な
回折ピークを有するY型オキシチタニウムフタロシアニ
ンを用いた以外は実施例1と同様に感光体を作成し、電
気特性の測定を行った。結果を第2表に示す。
【0096】(実施例4)実施例1で用いたビスホルミ
ル体の代わりに、下記ホルミル体(F2)を用いる以外
は実施例1と同様にしてアリールアミンを合成した。得
られた生成物を液体クロマトグラフィー、1H−NMR
にて解析したところ、第1表における化合物10(EE
体、28%)、11(ZE体、42%)、12(ZZ体
30%)であり、アリールアミンに結合する、各々の二
つの二重結合部位の幾何異性は、平均して、それぞれ5
1%Zであることがわかった。得られたアリールアミン
化合物を用い、実施例1と同様にして電子写真感光体を
得、電気特性を測定した。結果を第2表に記す。
【0097】
【化12】
【0098】(実施例5)下記ホルミル体を用いる以外
は実施例4と同様にしてアリールアミンを得た。得られ
た生成物をLC,NMRにて解析したところ、第1表に
おける化合物4(EE体、20%)、5(ZE体、42
%)、6(ZZ体38%)であり、アリールアミンに結
合する、各々の二つの二重結合部位の幾何異性は、平均
して、それぞれ59%Zであることがわかった。得られ
たアリールアミン化合物を用い、実施例1と同様にして
電子写真感光体を得、電気特性を測定した。結果を第2
表に記す。
【0099】
【化13】
【0100】(実施例6)実施例1で用いたシンナミル
トリフェニルホスホニウムクロライドの代わりに、ベン
ジルトリフェニルホスホニウムクロライドを用いる以外
は実施例1と同様にしてアリールアミンを得た。得られ
た生成物を液体クロマトグラフィー、1H−NMRにて
解析したところ、表1における化合物7(EE体、16
%)、8(ZE体、46%)、9(ZZ体38%)であ
り、アリールアミンに結合する、各々の二つの二重結合
部位の幾何異性は、平均して、それぞれ61%Zである
ことがわかった。得られたアリールアミン組成物を用
い、実施例1と同様にして電子写真感光体を得、電気特
性を測定した。結果を表2に記す。
【0101】(実施例7)溶媒に(DMF/THF=1
/1)溶液を用いる以外は実施例6と同様にしてアリー
ルアミンを得た。得られた生成物を液体クロマトグラフ
ィー、1H−NMRにて解析したところ、表1における
化合物7(EE体、27%)、8(ZE体、40%)、
9(ZZ体33%)であり、アリールアミンに結合す
る、各々の二つの二重結合部位の幾何異性は、平均し
て、それぞれ53%Zであることがわかった。得られた
アリールアミン組成物を用い、実施例1と同様にして電
子写真感光体を得、電気特性を測定した。結果を第2表
に記す。
【0102】
【表14】
【0103】(比較例1)実施例1で用いたNMPの代
わりに、THF(双極子モーメントの計算値=1.69
(D))/トルエン(双極子モーメントの計算値=0.
26(D))混合溶液を用い、かつ精製時の処理温度を
40℃で、処理を行ったところ、途中結晶が析出し、精
製が不可能となった。
【0104】(比較例2)比較例1での、処理温度を3
0℃で、行ったところ、途中結晶が析出し、精製が不可
能となった。
【0105】(比較例3)比較例1での、処理温度を2
0℃で、行った(幾何異性、35%Z)。塗布溶液に溶
解させたところ、完溶せず、感光体を作成できなかっ
た。
【0106】(比較例4)実施例2での、シンナミルト
リフェニルホスホニウムクロライドの代わりに、ジエチ
ルベンジルホスホネートを利用し、アリールアミンを作
成した(幾何異性、0%Z)。塗布溶液に溶解させたと
ころ、完溶せず、感光体を作成できなかった。
【0107】(比較例5)実施例3での、ベンジルトリ
フェニルホスホニウムクロライドの代わりに、ジエチル
ベンジルホスホネートを利用し、アリールアミンを作成
した(幾何異性、0%Z)が、精製時に、不溶性の結晶
が育つ時がある事が判明し、問題がある事がわかった。
【0108】明らかに実施例1、2、3の幾何異性を有
するアリールアミンは比較例1、2、3の化合物に比
べ、特に溶解性、製造安定性にすぐれている事がわか
る。
【0109】
【発明の効果】本発明のアリールアミンは特に溶解性に
優れる。本発明に用いる化合物を電子写真用感光体用と
して利用すると、塗布溶液に対する溶解性、バインダー
との相溶性に優れ、安定して感光体を製造することがで
きる。又、かぶりの原因となる残留電位が小さく、とく
に光疲労が少ないために繰返し使用による残留電位の蓄
積や、表面電位および感度の変動が小さく耐久性に優れ
るという特徴を有する。又、現代の高速化の要求に見合
った、高感度、高移動度においても、特に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアリールアミン誘導体の赤
外吸収スペクトル図。
【図2】実施例3で得られたアリールアミン誘導体の赤
外吸収スペクトル図。
【図3】実施例4で得られたアリールアミン誘導体の赤
外吸収スペクトル図。
【図4】実施例5で得られたアリールアミン誘導体の赤
外吸収スペクトル図。
【図5】実施例6で得られたアリールアミン誘導体の赤
外吸収スペクトル図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/06 313 G03G 5/06 313 314 314A 314B 319 319 371 371 (72)発明者 大橋 豊史 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 臨 護 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 齊田 敦朗 茨城県鹿島郡波崎町砂山14番地 三菱化学 株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA20 AA21 BA13 BA14 BA39 EA04 4H006 AA01 AA02 AB76 AD17 BC10 BC51 BJ00 BJ50 BP30 BU46

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表され、かつ二重結
    合の幾何異性に依ってC2空間群またはCs空間群に属
    し得るアリールアミン化合物であって、Gに直結する二
    重結合の幾何異性がZ体である割合が30%以上85%
    以下である事を特徴とするアリールアミン化合物。 【化1】 (一般式(I)中、Gは2価又は4価のアリールアミン
    残基を表し、R1〜R4は各々独立して水素原子、置換基
    を有していても良いアルキル基、置換基を有していても
    良いアリール基、置換基を有していても良いアラルキル
    基、置換基を有していても良い複素環基を表す。n1、
    n2は各々独立して0乃至4の整数を表す。但し、n1=
    0の場合はR1が水素原子であり、n2=0の場合はR3
    が水素原子である。また、mは0又は1を表す)
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、Gに直結する二
    重結合の幾何異性のZ体である割合が40%以上80%
    以下である請求項1に記載のアリールアミン化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、m=0であり、
    Gに直結する2つの二重結合の幾何異性がいずれもE体
    である割合が、30%以下である請求項1に記載のアリ
    ールアミン化合物。
  4. 【請求項4】 下記一般式(II)で表され、かつ二重
    結合の幾何異性に依ってC2空間群またはCs空間群に
    属し得るアリールアミン化合物であって、Ar2及びA
    3に直結する二重結合の幾何異性がZ体である割合が
    30%以上85%以下である事を特徴とするアリールア
    ミン化合物。 【化2】 (一般式(II)中、Ar1、Ar2は各々独立して、置
    換基を有していても良いアリーレン基又は置換基を有し
    ていても良い2価の複素環基を表す。Ar3は、m=0
    の時は置換基を有していても良いアルキル基、置換基を
    有していても良いアリール基、置換基を有していても良
    い1価の複素環基を表し、m=1の時は、置換基を有し
    ていても良いアルキレン基、置換基を有していても良い
    アリーレン基又は置換基を有していても良い2価の複素
    環基を表す。Qは直接結合または2価の残基を表す。R
    1〜R4は各々独立して水素原子、置換基を有していても
    良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール
    基、置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を
    有していても良い複素環基を表す。n1、n2は各々独立
    して0乃至4の整数を表す。但し、n1=0の場合はR1
    が水素原子であり、n2=0の場合はR3が水素原子であ
    る。また、mは0又は1を表す。また、Ar1〜Ar3
    互いに結合して環状構造を形成しても良い。)
  5. 【請求項5】 一般式(II)において、Qが、原子数
    が1〜20の残基であり、Ar1及びAr2が置換基を有
    しても良いアリーレン基である請求項4に記載のアリー
    ルアミン化合物。
  6. 【請求項6】 一般式(II)において、Qが、2つの
    Ar1の共役系を接続する残基である請求項4又は5に
    記載のアリールアミン化合物。
  7. 【請求項7】 一般式(II)において、Qが直接結合
    である請求項6に記載のアリールアミン化合物。
  8. 【請求項8】 一般式(II)において、Ar3が、置
    換基を有していても良いフェニル基であり、Ar1及び
    Ar2が置換基を有しても良いフェニレン基である請求
    項4乃至7に記載のアリールアミン化合物。
  9. 【請求項9】 ホルミル基を有する前駆体(前駆体A)
    とカルバニオンを有する前駆体(前駆体B)を縮合反応
    する工程を含む、請求項1乃至8に記載のアリールアミ
    ン化合物の製造方法であって、縮合反応終了後、−20
    ℃〜20℃の温度範囲で吸着剤処理する事を特徴とする
    アリールアミンの製造方法。
  10. 【請求項10】 ホルミル基を有する前駆体(前駆体
    A)とカルバニオンを有する前駆体(前駆体B)を縮合
    反応する工程を含む、請求項1乃至8に記載のアリール
    アミン化合物の製造方法であって、縮合反応における溶
    媒として、PM−3パラメーターを使った半経験的分子
    軌道計算を用いた構造最適化計算による双極子モーメン
    トの計算値が、2.0(D)以上の化合物を使用する事
    を特徴とするアリールアミンの製造方法。
  11. 【請求項11】 ホルミル基を有する前駆体(前駆体
    A)とカルバニオンを有する前駆体(前駆体B)を縮合
    反応する工程を含む、請求項1乃至8に記載のアリール
    アミン化合物の製造方法であって、縮合反応時の反応温
    度が−20℃〜20℃である事を特徴とするアリールア
    ミンの製造方法。
  12. 【請求項12】 導電性支持体上に少なくとも感光層を
    有する電子写真感光体であって、該感光層に請求項1乃
    至8に記載のアリールアミン化合物を含有することを特
    徴とする電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 導電性支持体上に少なくとも感光層を
    有する電子写真感光体であって、該感光層に請求項9乃
    至11に記載の製造方法によって製造されたアリールア
    ミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光
    体。
  14. 【請求項14】 前記感光層が、電荷発生層及び電荷移
    動層が積層してなり、該電荷発生層に、オキシチタニウ
    ムフタロシアニン化合物を含有することを特徴とする請
    求項12又は13に記載の電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 オキシチタニウムフタロシアニンが、
    CuKα線を用いた粉末X線回折において回折角2θ±
    0.2°が27.3°に明瞭なピークを有するオキシチ
    タニウムフタロシアニンである請求項14に記載の電子
    写真感光体。
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