JPH04254860A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH04254860A
JPH04254860A JP1660591A JP1660591A JPH04254860A JP H04254860 A JPH04254860 A JP H04254860A JP 1660591 A JP1660591 A JP 1660591A JP 1660591 A JP1660591 A JP 1660591A JP H04254860 A JPH04254860 A JP H04254860A
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JP
Japan
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group
methyl
substituent
naphthyl
compound
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Application number
JP1660591A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Ono
均 小野
Atsuro Saida
齋田 敦朗
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Publication of JPH04254860A publication Critical patent/JPH04254860A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用感光体に関す
るものである。さらに詳しくは有機系の光導電性物質を
含有する感光層を有する高感度の電子写真用感光体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体の感光層にはセ
レン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性
物質が広く用いられていた。しかしながら、セレン、硫
化カドミウムは毒物として回収が必要であり、セレンは
熱により結晶化するため耐熱性に劣り、硫化カドミウム
、酸化亜鉛は耐湿性に劣り、また酸化亜鉛は耐刷性がな
いなどの欠点を有しており、新規な感光体の開発の努力
が続けられている。最近は、有機系の光導電性物質を電
子写真用感光体の感光層に用いる研究が進み、そのいく
つかが実用化された。有機系の光導電性物質は無機系の
ものに比し、軽量である、成膜が容易である、感光体の
製造が容易である、種類によっては透明な感光体を製造
できる等の利点を有する。
【0003】最近は、電荷キャリヤーの発生と移動の機
能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の
感光体が高感度化に有効であることから、開発の主流と
なっており、このタイプによる有機系感光体の実用化も
行なわれている。電荷キャリヤー移動媒体としては、ポ
リビニルカルバゾールなどの高分子光導電性化合物を用
いる場合と低分子光導電性化合物をバインダーポリマー
中に分散溶解する場合とがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、有機系の低分子
光導電性化合物は、バインダーとして皮膜性、可とう性
、接着性などのすぐれたポリマーを選択することができ
るので容易に機械的特性の優れた感光体を得ることがで
きるが高感度で残留電位の小さい感光体を作るのに適し
た化合物を見出すことが困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高感度お
よび高耐久性の電子写真用感光体を提供する有機系の低
分子光導電性化合物について鋭意研究したところ特定の
ヒドラゾン系化合物が好適であることを見出し、先に特
願平1−214719号を出願したが、その後、更に検
討を重ねたところ意外にもカルバゾール環を有したもの
の中で、特定の置換基を有した化合物が特に好適である
ことを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、導電性支持体
上に、一般式〔I〕
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 は置換基を有してもよいア
ルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基
を有してもよいアリール基、ビニル基、又はアリル基を
表し、R2 ,R3 およびR6 は水素原子、置換基
を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよい
アリール基を表し、これらは互いに同一でも異なってい
てもよく、R4 およびR5 は水素原子、ハロゲン原
子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有
してもよいアリール基を表し、これらは互いに同一でも
異なっていてもよく、R7 は置換基を有してもよいア
リール基を表し、R8 ,R9 およびR10は水素原
子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、
又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表し、これら
は、互いに同一でも異なっていてもよく、nは1又は2
の整数を表す。)で表されるヒドラゾン系化合物を含有
する感光層を有することを特徴とする電子写真用感光体
に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明するに本発明の
電子写真用感光体は、感光層中に、上記一般式〔I〕で
表されるヒドラゾン系化合物を含有する。前記一般式〔
I〕においてR1 はメチル基、エチル基、プロピル基
、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基;ベンジル基、
ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フ
ェニル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基;又は
アリル基を表す。
【0010】R2 ,R3 およびR6 は、水素原子
;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基等のアルキル基;又はフェニル基、ナフチル基等の
アリール基を表し、これらは互いに同一でも異なってい
てもよい。R4 およびR5 は水素原子;塩素原子、
臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子;メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキ
ル基;又はフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表
し、これらは、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0011】R7 は、フェニル基、ナフチル基等のア
リール基を表し、これらはR7 がアルキル基の時に比
べて、高特性を示す。R8 ,R9 およびR10は、
水素原子;塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲ
ン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等
のアルキル基;又はメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ
基等のアルコキシ基を表し、これらは互いに同一でも異
なっていてもよい。
【0012】なお、R1 の中のアルキル基、アラルキ
ル基およびアリール基、R2 ,R3 およびR6 の
中のアルキル基、およびアリール基、R4 およびR5
 の中のアルキル基、およびアリール基、R7 のアリ
ール基、並びにR8 ,R9 およびR10の中のアル
キル基およびアルコキシ基は置換基を有していてもよい
。置換基としては水酸基;塩素原子、臭素原子、よう素
原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基
、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アリル基
;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のア
ラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリール
オキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等の
アリールアルコキシキ基;フェニル基、ナフチル基等の
アリール基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリー
ルビニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の
ジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチル
アミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基
、ジフェネチルアミノ等のジアラルキルアミノ基;ジピ
リジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミ
ノ基;ジアリルアミノ基又、上記のアミノ基の置換基を
組み合せたジ置換アミノ基等があげられる。
【0013】nは、1又は2の整数を表す。以下に一般
式〔I〕で表わされるヒドラゾン系化合物についてのそ
の代表例を挙げるが本発明に用いるヒドラゾン系化合物
は、これらに限定されるものではない。なお、下記例示
において、特記のない限りR2 ,R3 ,R4 ,R
5,R6 ,R8 ,R9 及びR10は水素原子であ
り、R7 はフェニル基であり、かつnは1であるもの
とする。
【0014】又、カルバゾール環の置換位置は、次の如
く番号で表わし
【0015】
【化3】
【0016】例えば、3位にメチル基を有するものは、
R8 :3−メチルと表現し、又R10の置換位置は次
の如く番号で表わし同様に表現する。
【0017】
【化4】
【0018】例示化合物  NO. 1    R1 :メチル 2    R1 :エチル 3    R1 :プロピル 4    R1 :ブチル 5    R1 :ベンジル 6    R1 :フェニル 7    R1 :ビニル 8    R1 :アリル 9    R1 :メチル、R7 :ナフチル10  
R1 :エチル、R7 :ナフチル11  R1 :プ
ロピル、R7 :ナフチル12  R1 :ブチル、R
7 :ナフチル13  R1 :ベンジル、R7 :ナ
フチル14  R1 :フェニル、R7 :ナフチル1
5  R1 :ビニル、R7 :ナフチル16  R1
 :アリル、R7 :ナフチル17  R1 :メチル
、R2 :メチル18  R1 :エチル、R2 :フ
ェニル19  R1 :プロピル、R3 :メチル20
  R1 :ブチル、R3 :フェニル21  R1 
:ベンジル、R5 :メチル22  R1 :フェニル
、R5 :エチル、R7 :ナフチル23  R1 :
ビニル、R5 :フェニル、R7 :ナフチル24  
R1 :アリル、R4 ,R5 :ブロモ、R7 :ナ
フチル 25  R1 :メチル、R4 ,R5 :メチル、R
7 :ナフチル 26  R1 :エチル、R4 ,R5 :フェニル、
R7 :ナフチル 27  R1 :プロピル、R8 :3−ブロモ28 
 R1 :ブチル、R8 :2−クロロ、R10:3−
ブロモ 29  R1 :ベンジル、R8 :7−メチル、R1
0:3−メチル 30  R1 :フェニル、R8 :3−メチル、R1
0:3−メトキシ 31  R1 :ビニル、R8 :2−メチル、R9:
7−メチル、R7 :ナフチル、R10:2−クロロ3
2  R1 :アリル、R8 :1−メチル、R9:3
−メチル、R7 :ナフチル、R10:3−メチル33
  R1 :メチル、R8 :3−メトキシ、R7 :
ナフチル、R10:3−メトキシ 34  R1 :エチル、R8 :7−メトキシ、R7
 :ナフチル 35  R1 :メチル、n=2 36  R1 :エチル、n=2 37  R1 :プロピル、n=2 38  R1 :ブチル、n=2 39  R1 :ベンジル、n=2 40  R1 :フェニル、n=2 41  R1 :ビニル、n=2 42  R1 :アリル、n=2 43  R1 :メチル、R7 :ナフチル、n=24
4  R1 :エチル、R7 :ナフチル、n=245
  R1 :プロピル、R7 :ナフチル、n=246
  R1 :ブチル、R7 :ナフチル、n=247 
 R1 :ベンジル、R7 :ナフチル、n=248 
 R1 :フェニル、R7 :ナフチル、n=249 
 R1 :ビニル、R7 :ナフチル、n=250  
R1 :アリル、R7 :ナフチル、n=251  R
1 :メチル、R2 :メチル、n=252  R1 
:エチル、R2 :フェニル、n=253  R1 :
プロピル、R3 :メチル、R7 :ナフチル、n=2 54  R1 :ブチル、R3 :フェニル、R7 :
ナフチル、n=2 55  R1 :ベンジル、R8 :3−ブロモ、n=
256  R1 :フェニル、R8 :2−クロロ、R
10:3−クロロ、n=2 57  R1 :ビニル、R8 :7−メチル、n=2
58  R1 :アリル、R8 :3−メチル、R10
:3−メチル、n=259  R1 :メチル、R8 
:2−メチル、R9 :7−メチル、R7 :ナフチル
、n=260  R1 :エチル、R8 :1−メチル
、R9:3−メチル、R7 :ナフチル、n=2 61  R1 :プロピル、R8 :3−メトキシ、R
7 :ナフチル、R10:3−メチル、n=2 62  R1 :ブチル、R8 :7−メトキシ、R7
 :ナフチル、R10:3−メトキシ、n=2 上記一般式〔I〕で表されるヒドラゾン系化合物は、公
知の方法を用いて製造できる。好ましい製造方法として
は例えば原料であるアルデヒド又はケトン類とハロゲン
化メチルチオフェン類とをウィッティッヒ反応を利用し
て縮合し、次いでウイルスマイヤー反応によりホルミル
化を行ない、さらに所望のヒドラジンとの反応により縮
合し、目的の化合物を得る方法があげられる。
【0019】この方法を詳しく説明すると、まず下記反
応式に示す様に、一般式〔II〕(上記式中でR1 ,
R2 ,R8 およびR9 は一般式〔I〕におけると
、同一の意義を有する。以下の式において同じ。)で表
されるアルデヒド又はケトン類と、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン等の反応
に不活性な公知の有機溶剤中、一般式〔III 〕(上
記式中でR3 ,R4 ,R5 およびnは一般式〔I
〕におけると同一の意義を有し、またXは、塩素原子、
臭素原子等のハロゲン原子を示す。以下の式において同
じ。)で表わされるハロゲン化物とトリフェニルホスフ
ィンとを作用させて得られるウィッティッヒ試薬とを1
0〜200℃、好ましくは20〜100℃の温度で、ブ
チルリチウム、フェニルリチウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等
の公知な塩基性触媒の存在下反応させることにより一般
式〔IV〕で表わされる化合物がシス−トランス異性体
の混合物として得られる。一般式〔IV〕で表わされる
化合物は、シス異性体、トランス異性体のいずれも使用
できるが、各異性体を分離せず、混合物のまま次の反応
に用いることが好ましい。
【0020】
【化5】
【0021】次いで一般式〔IV〕で表わされる縮合体
にカルボニル基の導入を行なうが、R6 がHの時と、
H以外の時とでは製造法が異なる。それぞれを以下に述
べる。 (R6 =Hの時) 一般式〔IV〕で表わされる縮合体を、オキシ塩化リン
の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチ
ルホルムアニリド等のホルミル化剤と反応させると、一
般式〔V〕(式中でR6 は水素原子を示す。)で示さ
れるアルデヒド体が得られる。ホルミル化剤を大過剰に
用いて反応溶媒を兼ねる事もできるが、O−ジクロロベ
ンゼン、ベンゼン等の非反応性の溶媒を用いてもよい。
【0022】
【化6】
【0023】(R6 ≠Hの時) 一般式〔IV〕で表わされる縮合体を、塩化アルミニウ
ム、塩化鉄、塩化亜鉛等のルイス酸存在下に、ニトロベ
ンゼン、ジクロロメタン、四塩化炭素等の溶媒中、一般
式〔VI〕(上記式中でR6 は、水素原子以外の一般
式〔I〕におけると同一の意義を有する。)で表される
酸塩化物と反応させると、一般式〔V〕で示されるケト
ン体が得られる。
【0024】
【化7】
【0025】次に、一般式〔V〕(上記式中でR6 は
一般式〔I〕におけると同一の意義を有する。以下の式
において同じ。)で表わされるアルデヒドおよび/又は
、ケトン体をベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等の
芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、ブタノール
等のアルコール;テトラヒドロフラン、1,2−ジメト
キシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル;メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ;N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−
メチルピロリドンなどの反応に不活性な溶媒中で下記一
般式〔VII 〕(上記式中でR7 およびR10は前
記一般式〔I〕におけると同一の意義を有する。以下の
式において同じ。)で表わされるヒドラジン類もしくは
その塩酸塩又は硫酸塩類と10〜200℃、好ましくは
20〜100℃の温度条件下に反応させる事により一般
式〔I〕で表わされる化合物が得られる。
【0026】反応を促進するために、場合によっては、
p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、塩酸、
硫酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等を加えてもよい
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】これらの反応において、場合によっては、
各行程終了後、あるいは、全行程終了後、再結晶、昇華
、カラム等の公知な精製手段により高純度体を得る事も
可能である。本発明の電子写真用感光体は、上記一般式
〔I〕で表わされるヒドラゾン系化合物を1種または2
種以上含有する感光層を有する。
【0030】一般式〔I〕で表わされるヒドラゾン系化
合物は有機光導電体としてきわめてすぐれた性能を示す
。特に電荷移動媒体として用いた場合には高感度で耐久
性にすぐれた感光体を与える。電子写真用感光体の感光
層の形態としては種々のものが知られているが、本発明
の電子写真用感光体の感光層としてはそのいずれであっ
てもよい。例えばバインダー中にヒドラゾン系化合物と
必要に応じ増感剤となる色素や電子吸引性化合物を添加
した感光層、光を吸収すると極めて高い効率で電荷キャ
リヤーを発生する光導電性粒子とヒドラゾン系化合物を
バインダー中に添加した感光層、ヒドラゾン系化合物と
バインダーからなる電荷移動層と光を吸収すると極めて
高い効率で電荷キャリヤーを発生する光導電性粒子から
なるあるいはこれとバインダーからなる電荷発生層とを
積層した感光層等が挙げられる。
【0031】これらの感光層中には、一般式〔I〕で表
わされるヒドラゾン系化合物と共に、有機光導電体とし
てすぐれた性能を有する公知の他のヒドラゾン化合物、
スチルベンゼン系化合物を混合してもよい。本発明にお
いては上記一般式〔I〕で表わされるヒドラゾン系化合
物を電荷発生層と電荷移動層の二層からなる感光層の電
荷移動層中に用いる場合に、特に感度が高く残留電位が
小さく、かつ、繰返し使用した場合に、表面電位の変動
や感度の低下、残留電位の蓄積等が少なく耐久性にすぐ
れた感光体を得ることができる。
【0032】本発明の電子写真用感光体は常法に従って
上記一般式〔I〕で表わされるヒドラゾン系化合物をバ
インダーと共に適当な溶剤中に溶解し、必要に応じ光を
吸収すると極めて高い効率で電荷キャリヤーを発生する
光導電性粒子、増感染料、電子吸引性化合物、あるいは
、可塑剤、顔料その他の添加剤を添加して得られる塗布
液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、通常、数μ〜数十
μの膜厚の感光層を形成させることにより製造すること
ができる。電荷発生層と電荷移動層の二層からなる感光
層の場合は、電荷発生層の上に上記塗布液を塗布するか
、上記塗布液を塗布して得られる電荷移動層の上に電荷
発生層を形成させることにより、製造することができる
【0033】塗布液調製用の溶剤としてはテトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン
、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホル
ムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジ
メチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;酢酸エ
チル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等のエ
ステル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭
化水素などのヒドラゾン系化合物を溶解させる溶剤が挙
げられる。勿論これらの中からバインダーを溶解するも
のを選択する必要がある。また、バインダーとしては、
スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、ブタジエン等のビニル化合
物の重合体及び共重合体、ポリビニルアセタール、ポリ
カーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースエステル
、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、けい素樹脂、
エポキシ樹脂等スチレン系化合物と相溶性のある各種ポ
リマーが挙げられる。バインダーの使用量は通常ヒドラ
ゾン系化合物に対し、0.5〜30重量倍、好ましくは
0.7〜10重量倍の範囲である。
【0034】上記感光層に添加される光導電性粒子、染
料色素、電子吸引性化合物としてはいずれも周知のもの
が使用できる。光を吸引すると極めて高い効率で電荷キ
ャリヤーを発生する光導電性粒子としてはセレン、セレ
ン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム、
アモルファスシリコン等の無機光導電性粒子;金属含有
フタロシアニン、ペリノン系顔料、チオインジゴ、キナ
クリドン、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、ア
ゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラ
キス系アゾ顔料、シアニン系顔料等の有機光導電性粒子
が挙げられる。(特に、金属含有フタロシアニンと組み
合わせるとレーザー光に対する感度が向上した感光体が
得られる。)染料としては、例えばメチルバイオレット
、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット等の
トリフェニルメタン染料、メチレンブルーなどのチアジ
ン染料、キニザリン等のキノン染料及びシアニン染料や
ビリリウム塩、チアビリリウム塩、ベンゾビリリウム塩
等が挙げられる。また、ヒドラゾン系化合物と電荷移動
錯体を形成する電子吸引性化合物としては、例えばクロ
ラニル、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1
−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニトロアン
トラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナントレ
ンキノン等のキノン類;4−ニトロベンズアルデヒド等
のアルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセン、インダ
ンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、2,4,
7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロフルオレノン、3,3′,5,5′−テトラニト
ロベンゾフェノン等のケトン類;無水フタル酸、4−ク
ロロナフタル酸無水物等の酸無水物;テトラシアノエチ
レン、テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメ
チリデンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニ
トリル、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザル
マロノニトリル等のシアノ化合物;3−ベンザルフタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド
、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等の電子
吸引性化合物があげられる。
【0035】更に、本発明の電子写真用感光体の感光層
は成膜性、可撓性、機械的強度を向上させるために周知
の可塑剤を含有していてもよい。そのために上記塗布液
中に添加する可塑剤としては、フタル酸エステル、りん
酸エステル、エポキシ化合物、塩素化パラフィン、塩素
化脂肪酸エステル、メチルナフタレンなどの芳香族化合
物などが挙げられる。ヒドラゾン系化合物を電荷移動層
中の電荷移動媒体として用いる場合の塗布液は、前記組
成のものでもよいが、光導電性粒子、染料色素、電子吸
引性化合物等は除くか、少量の添加でよい。この場合の
電荷発生層としては上記光導電性粒子と必要に応じバイ
ンダーポリマーや有機光導電性物質、染料色素、電子吸
引性化合物等の溶媒に溶解乃至分散させて得られる塗布
液を塗布乾燥した薄層、あるいは前記光導電性粒子を蒸
着等の手段により製膜とした層が挙げられる。
【0036】このようにして形成される感光体にはまた
、必要に応じ、接着層、中間層、透明絶縁層等を有して
いてもよいことはいうまでもない。感光層が形成される
導電性支持体としては周知の電子写真用感光体に採用さ
れているものがいずれも使用できる。具体的には例えば
アルミニウム、ステンレス、銅等の金属ドラム、シート
あるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物が挙げ
られる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅
、高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーとと
もに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、プラ
スチックドラム、紙、紙管等が挙げられる。また、金属
粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を含
有し、導電性となったプラスチックのシートやドラムが
挙げられる。
【0037】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は感度が非常
に高く、かつ、かぶりの原因となる残留電位が小さく、
とくに光疲労が少ないために繰返し使用による残留電位
の蓄積や、表面電位および感度の変動が小さく耐久性に
優れるという特徴を有する。
【0038】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の製
造例、実施例に限定されるものではない。なお、実施例
中「部」とあるのは「重量部」を示す。 製造例1
【0039】
【化10】
【0040】29gを乾燥したN,N−ジメチルホルム
アミド290mlに溶解させ、その後、トリフェニルホ
スフィン43gを加え、反応させてウィッティッヒ試薬
を合成した。次いで反応系にN−メチル−カルバゾール
−3−アルデヒドを23g加え、更に、ナトリウムメチ
ラートのメタノール28%溶液48gを滴下して、その
後、2時間、90℃で反応させた。放冷後、反応液を氷
水1kg中に放出し、更に、常法により分液、濃縮、精
製処理を行なうことにより、公知のスチレン系化合物2
6gを得た。
【0041】製造例2 製造例1で合成したスチレン系化合物20gとオキシ塩
化リン19gを、N,N−ジメチルホルムアミド200
ml中で5時間30分60℃で反応させた。放冷後、反
応液を氷水500g中に放出し、水酸化ナトリウムによ
り加水分解し、更に常法により濾過精製処理を行なうこ
とにより、黄色結晶18gを得た。この化合物は、下記
元素分析値、質量分析測定及び赤外吸収スペクトル測定
により、下記構造式で表されるホルミル基を有するスチ
レン系化合物であることが判明した。
【0042】(元素分析値)C20H15ONSとして
【0043】
【表1】
【0044】(質量分析測定結果) C20H15ONSとして  MW=317M+ =3
17
【0045】
【化11】
【0046】製造例3 製造例2で合成したホルミル基を有するスチレン系化合
物5.0gと1,1−ジフェニルヒドラジン4.4gを
酢酸触媒下メチルアルコール30mlとクロロホルム1
00mlの混合溶媒中で、1時間30分加熱還流下反応
させた。
【0047】放冷後、反応液を濃縮し、更に、常法によ
り精製処理を行なうことにより、橙色結晶4.6g(融
点89〜91℃)を得た。この化合物は、下記元素分析
値、質量分析測定及び赤外吸収スペクトル測定(第1図
)により、前記の化合物NO.1のヒドラゾン系化合物
であることが判明した。 (元素分析値)C32H25N3 Sとして
【0048
【表2】
【0049】(質量分析測定結果) C32H25N3 Sとして  MW=483M+ =
483 実施例1 チタニウムオキシフタロシアニン顔料0.4部とポリビ
ニルブチラール(積水化学工業(株)社製、商品名エス
レックBH−3)0.1部とフェノキシ樹脂(ユニオン
カーバイド社製、商品名PKHH)0.1部を30部の
4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2(三菱化成(
株)社製)中で、分散微粒子化処理を行なった。この分
散液を100μmの膜厚のポリエステルフィルムに蒸着
されたアルミ蒸着層の上に乾燥後の重量が0.2g/m
2 になる様にワイヤーバーで塗布した後、乾燥して電
荷発生層を形成させた。
【0050】この上に製造例3で製造したヒドラゾン系
化合物90部とポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(
株)社製、商品名ユーピロンE−2000)100部を
ジオキサン900部に溶解した塗布液を塗布、乾燥し、
膜厚17μmの電荷移動層を形成させた。このようにし
て得た2層からなる感光層を有する電子写真用感光体に
ついて感度すなわち半減露光量を測定したところ2.8
(μW/cm2 )−1であった。半減露光量はまず、
感光体を暗所で−4.8KVのコロナ放電により帯電さ
せ、次いで775nmの光で露光し、表面電位が500
Vから250Vまで減衰するのに要する露光量を測定す
ることにより求めた。
【0051】実施例2 実施例1で用いたフタロシアニン系顔料の代りに、下記
構造式で表わされるナフタル酸系ビスアゾ顔料を用いて
実施例1と同様にして作成した感光体を白色光で露光し
半減露光量を測定したところ、1.2  lux.se
cであった。
【0052】
【化12】
【0053】実施例3〜18 実施例1で用いたヒドラゾン系化合物の代わりに、製造
例3と同様にして合成した下記第1表に示すヒドラゾン
系化合物を用い、また、電荷発生層には、実施例1で用
いたチタニウムオキシフタロシアニン顔料を使用して得
られる電子写真用感光体の感度を第1表に示す。
【0054】
【表3】
【0055】比較例1 実施例1で用いたヒドラゾン系化合物の代りに、下記に
示す、ヒドラゾン系化合物を用いる以外は、実施例1と
同様にして電子写真用感光体を得た。次いで、実施例1
と同様にして感度を測定した。さらに20ルックスの白
色光を780nmの干渉フィルターを通して9.9秒間
露光した時の表面電位を残留電位とした。この結果を実
施例1の感光体についての測定結果と共に第2表に示す
【0056】
【化13】
【0057】
【表4】
【0058】第2表より、明らかに実施例1の化合物は
比較例1の化合物に比べ感度、残留電位ともに優れた数
値を示すことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例3で得られたヒドラゾン系化合物の赤外
吸収スペクトル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  導電性支持体上に、一般式〔I〕【化
    1】 (式中、R1 は置換基を有してもよいアルキル基、置
    換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよ
    いアリール基、ビニル基、又はアリル基を表し、R2 
    ,R3 およびR6 は水素原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を
    表し、これらは互いに同一でも異なっていてもよく、R
    4 およびR5 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を
    有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいア
    リール基を表し、これらは互いに同一でも異なっていて
    もよく、R7 は置換基を有してもよいアリール基を表
    し、R8 ,R9 およびR10は水素原子、ハロゲン
    原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を
    有してもよいアルコキシ基を表し、これらは、互いに同
    一でも異なっていてもよくnは、1又は2の整数を表す
    。)で表されるヒドラゾン系化合物を含有する感光層を
    有することを特徴とする電子写真用感光体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0917005A1 (en) * 1997-11-14 1999-05-19 Lexmark International, Inc. Electrophotographic photoreceptors with charge generation by polymer blends
EP1097406A4 (en) * 1998-07-21 2004-05-19 Lexmark Int Inc PHOTOCONDUCTOR WITH CHARGE GENERATED BINDER MIXTURE

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0917005A1 (en) * 1997-11-14 1999-05-19 Lexmark International, Inc. Electrophotographic photoreceptors with charge generation by polymer blends
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