JP2979118B2 - 擁壁構造 - Google Patents

擁壁構造

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JP2979118B2
JP2979118B2 JP8037797A JP3779796A JP2979118B2 JP 2979118 B2 JP2979118 B2 JP 2979118B2 JP 8037797 A JP8037797 A JP 8037797A JP 3779796 A JP3779796 A JP 3779796A JP 2979118 B2 JP2979118 B2 JP 2979118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擁壁構造に関する
ものである。
【0002】従来、図23に示すように地盤に段差Hを設
ける場合の構造的な方法としては、一般的に底版1と壁
版2とからなる鉄筋コンクリート造のL型擁壁を用いる
場合が多い。
【0003】このL型擁壁の底版1と壁版2とで区画さ
れる背面部(斜線部分)の安定については、(i) 接地
圧、(ii)土圧によるすべり、(iii) 前面下端であるA点
における転倒等についての検討を行って、安全であるこ
とを確認している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ただし、前記段差Hが
大きくなると(i) 接地圧が大きくなり強固な地盤以外で
は杭が必要になるが、杭基礎構造とするのでは工期、工
費の面で直接基礎に比べて割高となり、特に杭長が長く
なる場合はこれが顕著である。
【0005】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、擁壁基礎に作用する接地圧が小さくなり、前面下端
における転倒モーメントも小さくなるので、杭なしの直
接基礎でも安定したものとすることができる擁壁構造を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、底版と壁版とからなる鉄筋コンクリート擁壁
において、前記壁版は前面壁と背面壁との2つとし、か
つ前面壁版と背面壁版間に床版を架渡して、前記底版と
これら前面壁版、背面壁版、床版とで囲繞した空間を確
保し、この部分を埋戻し土に対する非土砂空間としたこ
と、あるいは、底版と壁版としての前面壁とからなるL
型の鉄筋コンクリート擁壁において、底版上で壁版の背
後にスタイロフォームまたは発泡スチロール等の発泡合
成樹脂のブロックを配置し、この発泡合成樹脂で埋戻し
土における非土砂空間を確保し、この発泡合成樹脂に水
抜きパイプを設けたこと、または、これらの構成に加え
て、非土砂空間は、背面側を背面方向に倒れるような傾
斜面とすることを要旨とするものである。
【0007】請求項1記載の本発明によれば、擁壁背面
側に非土砂空間を設けることにより擁壁基礎に作用する
接地圧が小さくなり、前面下端における転倒モーメント
も小さくなる。
【0008】これに加えて、非土砂空間を簡単に作成す
る一つの実施形態として、底版、前面壁版、背面壁版、
床版とで囲繞して形成することで、埋め戻し前に擁壁自
体の構造で空間部を確保し、この空間部内に埋戻しの土
砂が入らないようにして非土砂空間とすることができ
る。
【0009】請求項2記載の本発明によれば、非土砂空
間を簡単に作成する一つの態様として、埋め戻し前にス
タイロホーム(または発泡スチロール)等の発泡合成樹
脂を配設することで、この発泡合成樹脂の占める部分を
非土砂空間とすることができる。
【0010】請求項3記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、非土砂空間の背面側を傾斜面とすることによ
り、さらに土圧を低減することができ、より安定した擁
壁が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の擁壁構造の
第1実施形態を示す説明図で、前記図23に示す従来例と
同じく、底版1と壁版とからなる鉄筋コンクリート造の
L型形状の擁壁である。
【0012】本発明は擁壁の壁版は前面壁3aとこの前
面壁3aよりも低い背面壁3bとの2つとし、かつ前面
壁版3aと背面壁版3b間に床版4を架渡して、これら
底版1、前面壁版3a、背面壁版3b、床版4とで囲繞
した空間を確保し、この部分を埋戻し土5に対する非土
砂空間6とした。
【0013】このように非土砂空間6を設けることによ
り、擁壁基礎に対す接地圧が小さくなり、また、A点に
おける転倒モーメントも小さくなる。(図1、図23にお
ける接地圧を示す矢印参照)
【0014】さらに、本実施形態では前面壁版3aの下
端から前方への底版1の先端での突出部1aを形成し
た。このようにすれば、接地圧、転倒圧に対してもより
有利となる。
【0015】図2は本発明の第2実施形態を示すもの
で、前記第1実施形態の底版1、前面壁版3a、背面壁
版3b、床版4とで囲繞する空間を確保し、この部分を
埋戻し土5に対する非土砂空間6とする構成に加えて、
背面壁版3bを背面方向に倒れるように傾斜させた。こ
の傾斜θは−10°〜−20°程度の傾斜である。
【0016】その結果、非土砂空間6の背面側が傾斜面
となり、さらに土圧を低減することができ、より安定し
た擁壁が可能となる。この第2実施形態の場合も図示は
省略するが底版1の先端での突出部1aを形成してもよ
い。
【0017】施工手順とし、図3〜図6は現場打ちコン
クリートによって施工する場合で、図3に示すように配
筋、コンクリート打設して底版1を施工し、この底版1
から連結鉄筋18を突出しておく。
【0018】図4に示すように前面壁版3a、背面壁版
3bの型枠、配筋施工、コンクリート打設を行い、図5
に示すように前面壁版3aに後施工アンカー7でアング
ル材もしくはチャンネル材による結合金物8を取り付
け、一方、背面壁版3bの上端部にも結合金物8を取付
け、さらに、鉄板型枠9を設ける。
【0019】結合金物8により支承して前面壁版3aと
背面壁版3bとの間にデッキプレート10を架渡し、前面
壁版3aからは連結鉄筋18を突出させておき、デッキプ
レート10上に配筋し、コンクリートを打設して床版4を
施工する(図6参照)。その後埋戻し土5を施こせば、
非土砂空間6が確保できる。
【0020】図7〜図11はプレキャストコンクリート
(PC)版で施工する場合で、埋込みナット11をセット
したプレキャスト製の底版1を設置し、この埋込みナッ
ト11に端部を螺合する鋼棒12を貫通孔13に挿通してプレ
キャスト製の前面壁版3aと背面壁版3bを底版1から
立ち上げる。
【0021】これら前面壁版3aと背面壁版3bにプレ
キャスト製の床版4を架渡し、同様に鋼棒12を貫通孔13
に挿通して固定する。
【0022】必要に応じて前面壁版3a、背面壁版3
b、床版4とで囲繞する空間にブレース14を設置し、図
11に示すように埋戻し土5を施こせば、非土砂空間6が
確保できる。
【0023】このように底版1と前面壁版3aと背面壁
版3bと床版4との接続は鋼棒12により行うが、貫通孔
13はスリーブによりこれら前面壁版3a、背面壁版3
b、床版4に形成され、接合部にトロ詰めし、鋼棒12端
はナットで締結した後、この部分はモルタル詰めする。
【0024】また、横列に並ぶ底版1同士は、図13に示
すように壁版相互の接合部分に貫通孔13を形成するよう
にしてここにもトロ詰めし、図14、図15に示すように各
底版1に締結金物15を埋設しておき、この締結金物15同
士を添板16で結合してこの結合部をモルタル詰めする。
【0025】図16、図17は本発明の第3実施形態、第4
実施形態を示すもので、鉄筋コンクリート造のL型擁壁
は前記図23の従来例と同じく底版1と前面壁としての壁
版2とからのみなるものであるが、底版1上で壁版2の
背後にスタイロフォーム(または発泡スチロール)等の
発泡合成樹脂17のブロックを配置し、この発泡合成樹脂
17で埋戻し土5における非土砂空間6を確保するように
した。
【0026】図中19は発泡合成樹脂17に設けた水抜きパ
イプである。図17の第4実施形態では発泡合成樹脂17の
背面側を背面方向に倒れるような傾斜面とした。
【0027】図18〜図23に施工手順を示すと、図18に示
すように配筋、コンクリート打設により底版1を施工す
る。この底版1からは連結鉄筋18を突出させておく。
【0028】図19に示すように背面側の壁型枠を兼用す
るように発泡合成樹脂17を設置し、この発泡合成樹脂17
には塩化ビニルパイプによる水抜きパイプ19を配設す
る。このように発泡合成樹脂17を壁型枠兼用とすること
で型枠の合理化を図り、また水抜きパイプ19を施工しよ
うとする壁版2の部分まで通すことで埋戻し時の発泡合
成樹脂17のあばれを防止できる。
【0029】壁版2の配筋を行い、前面側の型枠20を水
抜きパイプ19内に貫通させるセパレータ21を用いてセッ
トし、発泡合成樹脂17の上にも型枠20′をセットして、
図21に示すように壁コンクリートを打設して壁版2を形
成する。このように水抜きパイプ19をセパレータ21の配
置に利用することで合理化が図れる。
【0030】発泡合成樹脂17の背後に砂利による透水層
22を形成し、埋戻し土5を施して完成する。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明の擁壁構造は、
擁壁基礎に作用する接地圧が小さくなり、前面下端にお
ける転倒モーメントも小さくなるので、杭なしの直接基
礎でも安定したものとすることができ、段差が大きい場
合でも杭が不要となるので、工期の短縮、工費の削減が
図れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の擁壁構造の第1実施形態を示す側面図
である。
【図2】本発明の擁壁構造の第2実施形態を示す側面図
である。
【図3】第1の施工手順の第1工程を示す側面図であ
る。
【図4】第1の施工手順の第2工程を示す側面図であ
る。
【図5】第1の施工手順の第3工程を示す側面図であ
る。
【図6】第1の施工手順の第4工程を示す側面図であ
る。
【図7】第2の施工手順の第1工程を示す側面図であ
る。
【図8】第2の施工手順の第2工程を示す側面図であ
る。
【図9】第2の施工手順の第3工程を示す側面図であ
る。
【図10】第2の施工手順の第4工程を示す側面図であ
る。
【図11】第2の施工手順の第5工程を示す側面図であ
る。
【図12】図10のイ矢視図である。
【図13】図10のロ矢視図である。
【図14】図10のハ矢視図である。
【図15】図14のニ矢視図である。
【図16】本発明の擁壁構造の第3実施形態を示す側面
図である。
【図17】本発明の擁壁構造の第4実施形態を示す側面
図である。
【図18】第3の施工手順の第1工程を示す側面図であ
る。
【図19】第3の施工手順の第2工程を示す側面図であ
る。
【図20】第3の施工手順の第3工程を示す側面図であ
る。
【図21】第3の施工手順の第4工程を示す側面図であ
る。
【図22】第3の施工手順の第5工程を示す側面図であ
る。
【図23】従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
1…底版 1a…突出部 2…壁版 3a…前面壁版 3b…背面壁版 4…床版 5…埋戻し土 6…非土砂空間 7…後施工アン
カー 8…結合金物 9…鉄板型枠 10…デッキプレート 11…埋込みナッ
ト 12…鋼棒 13…貫通孔 14…ブレース 15…締結金物 16…添板 17…発泡合成樹
脂 18…連結鉄筋 19…水抜きパイ
プ 20,20′…型枠 21…セパレータ 22…透水層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 29/02 309 E02D 29/02 305

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底版と壁版とからなる鉄筋コンクリート
    擁壁において、前記壁版は前面壁と背面壁との2つと
    し、かつ前面壁版と背面壁版間に床版を架渡して、前記
    底版とこれら前面壁版、背面壁版、床版とで囲繞した空
    間を確保し、この部分を埋戻し土に対する非土砂空間と
    したことを特徴とする擁壁構造。
  2. 【請求項2】 底版と壁版としての前面壁とからなるL
    型の鉄筋コンクリート擁壁において、底版上で壁版の背
    後にスタイロフォームまたは発泡スチロール等の発泡合
    成樹脂のブロックを配置し、この発泡合成樹脂で埋戻し
    土における非土砂空間を確保し、この発泡合成樹脂に水
    抜きパイプを設けたことを特徴とする擁壁構造。
  3. 【請求項3】 非土砂空間は、背面側を背面方向に倒れ
    るような傾斜面とする請求項1または請求項2に記載の
    擁壁構造。
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