JP2971769B2 - 内燃エンジン用クランクケース - Google Patents
内燃エンジン用クランクケースInfo
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- JP2971769B2 JP2971769B2 JP7020285A JP2028595A JP2971769B2 JP 2971769 B2 JP2971769 B2 JP 2971769B2 JP 7020285 A JP7020285 A JP 7020285A JP 2028595 A JP2028595 A JP 2028595A JP 2971769 B2 JP2971769 B2 JP 2971769B2
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- crankcase
- internal combustion
- lubricating oil
- combustion engine
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- Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は内燃エンジンのクランク
ケースおよび該クランクケースの製法に関する。さらに
詳しくは、自動二輪車用、四輪車用または汎用エンジン
等のクランクケースにおけるエンジン外部へのオイルポ
ンプおよび水ポンプの突出をほとんど無くしたオイルポ
ンプ配置を有するクランクケースおよび該クランクケー
スの製法に関する。
ケースおよび該クランクケースの製法に関する。さらに
詳しくは、自動二輪車用、四輪車用または汎用エンジン
等のクランクケースにおけるエンジン外部へのオイルポ
ンプおよび水ポンプの突出をほとんど無くしたオイルポ
ンプ配置を有するクランクケースおよび該クランクケー
スの製法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、自動二輪車のエンジンでは、車体
外観の美的向上およびエンジン出力の向上等を目的とし
て、排気管の取り回しをスムーズに行うために、図６
（ａ）の平面図および図６（ｂ）の正面図に示すような
構成にされていることが多い。すなわち、潤滑油フィル
ター（以下、単にフィルターという）５１をエンジンの
クランクケース５２の前面左側に配設し、さらにオイル
パン５３の下面における左側５３ａを下方に突出させ且
つ右側５３ｂを平坦なままにし、エンジンから出た排気
管５４をクランクケース前面右側からオイルパン５３の
下面右側５３ｂを通して後方に向けて延設している。オ
イルパン５３の下面左側５３ａを下方に突出させたの
は、右側５３ｂを平坦なままにするのでその容量確保の
ためである。かかる構成は実公平６−１９７９５号公報
にも開示されている。
外観の美的向上およびエンジン出力の向上等を目的とし
て、排気管の取り回しをスムーズに行うために、図６
（ａ）の平面図および図６（ｂ）の正面図に示すような
構成にされていることが多い。すなわち、潤滑油フィル
ター（以下、単にフィルターという）５１をエンジンの
クランクケース５２の前面左側に配設し、さらにオイル
パン５３の下面における左側５３ａを下方に突出させ且
つ右側５３ｂを平坦なままにし、エンジンから出た排気
管５４をクランクケース前面右側からオイルパン５３の
下面右側５３ｂを通して後方に向けて延設している。オ
イルパン５３の下面左側５３ａを下方に突出させたの
は、右側５３ｂを平坦なままにするのでその容量確保の
ためである。かかる構成は実公平６−１９７９５号公報
にも開示されている。
【０００３】叙上のごとくフィルター５１をクランクケ
ース５２の左側に配設したことにより、図７に示すよう
にオイルポンプ５５からフィルター５１への潤滑油通路
５６の形成を可能にするために、必然的にオイルポンプ
５５もクランクケース５２の左側に配設しなければなら
ない。かかるエンジンが水冷式の場合は、通常は冷却水
ポンプ５７を前記オイルポンプ５５と同軸状に配設して
いる。これは、両ポンプ５５、５７を駆動するための駆
動軸５８を共用するためである。かかる構成は実開平２
−８０７２０号公報にも開示されている。
ース５２の左側に配設したことにより、図７に示すよう
にオイルポンプ５５からフィルター５１への潤滑油通路
５６の形成を可能にするために、必然的にオイルポンプ
５５もクランクケース５２の左側に配設しなければなら
ない。かかるエンジンが水冷式の場合は、通常は冷却水
ポンプ５７を前記オイルポンプ５５と同軸状に配設して
いる。これは、両ポンプ５５、５７を駆動するための駆
動軸５８を共用するためである。かかる構成は実開平２
−８０７２０号公報にも開示されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のクランクケース５２の構成では、オイルポンプ５５
を前記潤滑油通路５６の外側（図中の左方）に配設せざ
るをえない。そうすると、オイルポンプ５５と同軸状に
配設される冷却水ポンプ５７がクランクケース５２の側
壁５２ａから左方へ大きく突出してしまう。そうなる
と、このエンジンを自動二輪車に搭載した場合、車体の
側方に冷却水ポンプ５７が突出することになり、走行中
のバンク角度に大きな制限が生じると共に、冷却水ポン
プ５７の外方に接続される冷却水ホースの取り回しの自
由度が減少し、不便になる。
来のクランクケース５２の構成では、オイルポンプ５５
を前記潤滑油通路５６の外側（図中の左方）に配設せざ
るをえない。そうすると、オイルポンプ５５と同軸状に
配設される冷却水ポンプ５７がクランクケース５２の側
壁５２ａから左方へ大きく突出してしまう。そうなる
と、このエンジンを自動二輪車に搭載した場合、車体の
側方に冷却水ポンプ５７が突出することになり、走行中
のバンク角度に大きな制限が生じると共に、冷却水ポン
プ５７の外方に接続される冷却水ホースの取り回しの自
由度が減少し、不便になる。
【０００５】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、クランクケースにおけるエンジン外部
へのオイルポンプおよび水ポンプの突出をほとんど無く
すことにより、車体のバンク角度に対する制限を低減
し、冷却水ホースの取り回しに自由度を与えるオイルポ
ンプ配置を有するクランクケースおよび該クランクケー
スの製法を提供することを目的とする。
れたものであり、クランクケースにおけるエンジン外部
へのオイルポンプおよび水ポンプの突出をほとんど無く
すことにより、車体のバンク角度に対する制限を低減
し、冷却水ホースの取り回しに自由度を与えるオイルポ
ンプ配置を有するクランクケースおよび該クランクケー
スの製法を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】 本発明の第一態様に係
る内燃エンジン用クランクケースは、潤滑油用フィルタ
ーを内燃エンジンの前面の一側方に備え、その内部にお
いて潤滑油用オイルポンプから潤滑油フィルターへ連通
される潤滑油通路が内燃エンジンの前後方向に沿って形
成されている内燃エンジン用クランクケースであって、
該クランクケース内における前記潤滑油通路の端部に該
潤滑油通路に連通するオイルチャンバが形成されてお
り、クランクケースにおける前記一側方側の側面から見
て潤滑油通路よりクランクケースの内方に前記オイルポ
ンプが配設されており、該オイルポンプの吐出側がオイ
ルチャンバに連通してなることを特徴としている。
る内燃エンジン用クランクケースは、潤滑油用フィルタ
ーを内燃エンジンの前面の一側方に備え、その内部にお
いて潤滑油用オイルポンプから潤滑油フィルターへ連通
される潤滑油通路が内燃エンジンの前後方向に沿って形
成されている内燃エンジン用クランクケースであって、
該クランクケース内における前記潤滑油通路の端部に該
潤滑油通路に連通するオイルチャンバが形成されてお
り、クランクケースにおける前記一側方側の側面から見
て潤滑油通路よりクランクケースの内方に前記オイルポ
ンプが配設されており、該オイルポンプの吐出側がオイ
ルチャンバに連通してなることを特徴としている。
【０００７】 前記内燃エンジンが水冷式の内燃エンジ
ンであって、オイルポンプの駆動軸によって駆動される
冷却水ポンプが、前記オイルチャンバの前記側面側にオ
イルポンプと同軸状に配設されているものであっても、
オイルポンプがクランクケースの内方に後退した位置に
あるので、冷却水ポンプがクランクケースから外方に大
きく突出しない。
ンであって、オイルポンプの駆動軸によって駆動される
冷却水ポンプが、前記オイルチャンバの前記側面側にオ
イルポンプと同軸状に配設されているものであっても、
オイルポンプがクランクケースの内方に後退した位置に
あるので、冷却水ポンプがクランクケースから外方に大
きく突出しない。
【０００８】
【０００９】潤滑油用フィルターをその前面の一側方に
備えた内燃エンジン用クランクケースであって、前記内
燃エンジンが水冷式の内燃エンジンであり、前記クラン
クケースにおける前記一側方側の側面から見て、潤滑油
用オイルポンプから潤滑油フィルターへ連通されるよう
に内燃エンジンの前後方向に沿って形成された潤滑油通
路よりクランクケースの内方に前記オイルポンプが配設
されており、オイルポンプの駆動軸によって駆動される
冷却水ポンプが、前記オイルポンプより前記側面側にオ
イルポンプと同軸状に配設されており、 オイルポンプと
冷却水ポンプとのあいだに、オイルポンプおよび潤滑油
通路の両方に連通するオイルチャンバが配設されてお
り、前記オイルチャンバと冷却水ポンプとのあいだにお
ける前記駆動軸まわりにシール機構が配設されており、
前記オイルチャンバが隔壁によって二室に画され、二室
のうちの一方が前記オイルポンプの吐出側および潤滑油
通路の両方に連通し、他方がオイルポンプの吸入側およ
び前記シール機構の両方に連通しているのが、高圧の潤
滑油が冷却水ポンプ内の冷却水に混入することを防止し
うる点で好ましい。
備えた内燃エンジン用クランクケースであって、前記内
燃エンジンが水冷式の内燃エンジンであり、前記クラン
クケースにおける前記一側方側の側面から見て、潤滑油
用オイルポンプから潤滑油フィルターへ連通されるよう
に内燃エンジンの前後方向に沿って形成された潤滑油通
路よりクランクケースの内方に前記オイルポンプが配設
されており、オイルポンプの駆動軸によって駆動される
冷却水ポンプが、前記オイルポンプより前記側面側にオ
イルポンプと同軸状に配設されており、 オイルポンプと
冷却水ポンプとのあいだに、オイルポンプおよび潤滑油
通路の両方に連通するオイルチャンバが配設されてお
り、前記オイルチャンバと冷却水ポンプとのあいだにお
ける前記駆動軸まわりにシール機構が配設されており、
前記オイルチャンバが隔壁によって二室に画され、二室
のうちの一方が前記オイルポンプの吐出側および潤滑油
通路の両方に連通し、他方がオイルポンプの吸入側およ
び前記シール機構の両方に連通しているのが、高圧の潤
滑油が冷却水ポンプ内の冷却水に混入することを防止し
うる点で好ましい。
【００１０】本発明の第二態様に係る内燃エンジン用ク
ランクケースは、潤滑油用フィルターをその前面の一側
方に備えうる内燃エンジン用クランクケースであって、
該クランクケースにおける前記一側方側の側壁から見
て、潤滑油用オイルポンプから潤滑油フィルターへ連通
されるように内燃エンジンの前後方向に沿って形成され
た潤滑油通路より内方に、前記オイルポンプのロータを
収容するための有底円筒状のポンプハウジングが前記側
壁から一体にクランクケース内方に突設されており、前
記側壁の上面にトランスミッション用軸受け部が形成さ
れており、側壁中における該軸受け部の下方に、オイル
ポンプおよび潤滑油通路の両方に連通するオイルチャン
バ用の円筒状空間が形成されていることを特徴としてい
る。
ランクケースは、潤滑油用フィルターをその前面の一側
方に備えうる内燃エンジン用クランクケースであって、
該クランクケースにおける前記一側方側の側壁から見
て、潤滑油用オイルポンプから潤滑油フィルターへ連通
されるように内燃エンジンの前後方向に沿って形成され
た潤滑油通路より内方に、前記オイルポンプのロータを
収容するための有底円筒状のポンプハウジングが前記側
壁から一体にクランクケース内方に突設されており、前
記側壁の上面にトランスミッション用軸受け部が形成さ
れており、側壁中における該軸受け部の下方に、オイル
ポンプおよび潤滑油通路の両方に連通するオイルチャン
バ用の円筒状空間が形成されていることを特徴としてい
る。
【００１１】本発明の第三態様に係る内燃エンジン用ク
ランクケースの製法は、潤滑油用フィルターをその前面
の一側方に備えた内燃エンジン用クランクケースの製法
であって、クランクケースの周側壁の内部にトランスミ
ッション収納用のスペースとクランクシャフト収納用の
スペースとが形成されるように、両者でクランクケース
と同一形状のキャビティが形成されうる上型と下型とか
らなる金型によって、前記クランクケースの周側壁の内
方に突出する有底円筒状のポンプハウジングのほぼ全外
周面を、前記周側壁の内部に露出しうるように成形する
ことを特徴としている。
ランクケースの製法は、潤滑油用フィルターをその前面
の一側方に備えた内燃エンジン用クランクケースの製法
であって、クランクケースの周側壁の内部にトランスミ
ッション収納用のスペースとクランクシャフト収納用の
スペースとが形成されるように、両者でクランクケース
と同一形状のキャビティが形成されうる上型と下型とか
らなる金型によって、前記クランクケースの周側壁の内
方に突出する有底円筒状のポンプハウジングのほぼ全外
周面を、前記周側壁の内部に露出しうるように成形する
ことを特徴としている。
【００１２】なお、特許請求の範囲でいう「前」、
「後」、「上」および「下」について、クランクシャフ
トを水平にし且つ前方になるようにした状態でエンジン
を自動二輪車に搭載したときの、自動二輪車の前方を
「前」と呼び、その反対方向を「後」と呼び、シリンダ
ブロックが接続される側を「上」と呼び、その反対方向
を「下」と呼んでいる。したがって、搭載方向を変えれ
ばそれに応じて前後上下の称呼は変化する。しかし、本
発明のクランクケースの構成に影響を及ぼすものではな
い。
「後」、「上」および「下」について、クランクシャフ
トを水平にし且つ前方になるようにした状態でエンジン
を自動二輪車に搭載したときの、自動二輪車の前方を
「前」と呼び、その反対方向を「後」と呼び、シリンダ
ブロックが接続される側を「上」と呼び、その反対方向
を「下」と呼んでいる。したがって、搭載方向を変えれ
ばそれに応じて前後上下の称呼は変化する。しかし、本
発明のクランクケースの構成に影響を及ぼすものではな
い。
【００１３】
【作用】 本発明の内燃エンジン用クランクケースによ
れば、潤滑油通路を複雑に構成することなくオイルポン
プをクランクケースの内方に後退させることができ、オ
イルポンプのポンプハウジングがクランクケースの外壁
内部のトランスミッションスペース等に納まる。
れば、潤滑油通路を複雑に構成することなくオイルポン
プをクランクケースの内方に後退させることができ、オ
イルポンプのポンプハウジングがクランクケースの外壁
内部のトランスミッションスペース等に納まる。
【００１４】したがって、オイルポンプや冷却水ポンプ
等がクランクケースの外壁から外方へ大きく突出するこ
とがない。したがって、自動二輪車に搭載した場合、走
行中の車体のバンク角度に対する制限を低減し、冷却水
ホースの取り回しに自由度を与えうる。しかも、トラン
スミッションスペース等に突出したポンプハウジング
は、他の部材、たとえば外壁に形成されたトランスミッ
ション用軸受け部やシフトドラム用ヨーク受け等から離
間しうるため、それらの部材に近接してその肉厚が不必
要に厚くなる（駄肉がつく）ことがない。
等がクランクケースの外壁から外方へ大きく突出するこ
とがない。したがって、自動二輪車に搭載した場合、走
行中の車体のバンク角度に対する制限を低減し、冷却水
ホースの取り回しに自由度を与えうる。しかも、トラン
スミッションスペース等に突出したポンプハウジング
は、他の部材、たとえば外壁に形成されたトランスミッ
ション用軸受け部やシフトドラム用ヨーク受け等から離
間しうるため、それらの部材に近接してその肉厚が不必
要に厚くなる（駄肉がつく）ことがない。
【００１５】一方、本発明の内燃エンジン用クランクケ
ースの製法によれば、金型を使用した従来の成型法をそ
のまま採用しても、上述のごとくポンプハウジングの肉
厚が不必要に厚くなることがなく、それにより、鋳巣、
ひけ、そり等の発生を防止しうる。
ースの製法によれば、金型を使用した従来の成型法をそ
のまま採用しても、上述のごとくポンプハウジングの肉
厚が不必要に厚くなることがなく、それにより、鋳巣、
ひけ、そり等の発生を防止しうる。
【００１６】
【実施例】つぎに、図面を参照しつつ本発明のクランク
ケースの実施例を説明する。
ケースの実施例を説明する。
【００１７】図１は本発明のクランクケースの一実施例
を示す斜視図、図２は図１のクランクケースの平面図、
図３は本発明のクランクケースの他の実施例におけるオ
イルポンプ配置を示す平面断面図、図４は図１のクラン
クケースにおけるオイルポンプ配置を示す平面断面図、
図５は図１のクランクケースにおけるオイルチャンバの
一例を示す側面断面図である。
を示す斜視図、図２は図１のクランクケースの平面図、
図３は本発明のクランクケースの他の実施例におけるオ
イルポンプ配置を示す平面断面図、図４は図１のクラン
クケースにおけるオイルポンプ配置を示す平面断面図、
図５は図１のクランクケースにおけるオイルチャンバの
一例を示す側面断面図である。
【００１８】図１および図２には自動二輪車用のエンジ
ンを構成するクランクケース１が示されている。本図で
は鋳造され、加工されたクランクケース１のみが示さ
れ、組み込まれるべきクランクシャフトやトランスミッ
ション等は示されていない。
ンを構成するクランクケース１が示されている。本図で
は鋳造され、加工されたクランクケース１のみが示さ
れ、組み込まれるべきクランクシャフトやトランスミッ
ション等は示されていない。
【００１９】図中、２はオイルポンプ用のハウジング部
であり、３はトランスミッションスペースであり、４は
クランクシャフトスペースである。５ａ、５ｂはトラン
スミッションのギア軸用の軸受け部であり、６はクラン
クシャフト用軸受け部である。クランクケース１の上部
には図示されていないクランクケース（アッパ）が接続
され、該クランクケース（アッパ）に形成された半円状
凹所と前記軸受け部５ａ、５ｂ、６とで軸受けが構成さ
れる。
であり、３はトランスミッションスペースであり、４は
クランクシャフトスペースである。５ａ、５ｂはトラン
スミッションのギア軸用の軸受け部であり、６はクラン
クシャフト用軸受け部である。クランクケース１の上部
には図示されていないクランクケース（アッパ）が接続
され、該クランクケース（アッパ）に形成された半円状
凹所と前記軸受け部５ａ、５ｂ、６とで軸受けが構成さ
れる。
【００２０】図２において、矢印Ａは本クランクケース
１が組み込まれたエンジンを自動二輪車に搭載した場合
の前方を示している。７は潤滑油を浄化するオイルフィ
ルターであり、クランクケース１の前面の左側に配設さ
れている。８は後述のオイルポンプ１１（図３参照）か
らオイルフィルター７へ送られる潤滑油のための通路
（以下、潤滑油通路という）である。潤滑油はオイルポ
ンプ１１から潤滑油通路８を通って送り込まれ、図示さ
れていない通路を通って各潤滑部位へ、ついで図示され
ていないオイルパンへと循環させられる。２は前述した
オイルポンプ１１が組み込まれる円筒状のオイルポンプ
ハウジング部であり、９は後述の冷却水ポンプ１２（図
３参照）が組み込まれる円筒状の冷却水ポンプハウジン
グ部であり、１０は後述のオイルチャンバ１５（図３参
照）が収容されるオイルチャンバハウジングである。図
示のごとく、オイルポンプハウジング部２はクランクケ
ース１のトランスミッションスペース３内に突出してい
る。このように、各ハウジング部２、９、１０が全体的
にクランクケース１の内方寄りに位置しているため、ク
ランクケース１の左方にはポンプハウジング部２がほと
んど突出していない。
１が組み込まれたエンジンを自動二輪車に搭載した場合
の前方を示している。７は潤滑油を浄化するオイルフィ
ルターであり、クランクケース１の前面の左側に配設さ
れている。８は後述のオイルポンプ１１（図３参照）か
らオイルフィルター７へ送られる潤滑油のための通路
（以下、潤滑油通路という）である。潤滑油はオイルポ
ンプ１１から潤滑油通路８を通って送り込まれ、図示さ
れていない通路を通って各潤滑部位へ、ついで図示され
ていないオイルパンへと循環させられる。２は前述した
オイルポンプ１１が組み込まれる円筒状のオイルポンプ
ハウジング部であり、９は後述の冷却水ポンプ１２（図
３参照）が組み込まれる円筒状の冷却水ポンプハウジン
グ部であり、１０は後述のオイルチャンバ１５（図３参
照）が収容されるオイルチャンバハウジングである。図
示のごとく、オイルポンプハウジング部２はクランクケ
ース１のトランスミッションスペース３内に突出してい
る。このように、各ハウジング部２、９、１０が全体的
にクランクケース１の内方寄りに位置しているため、ク
ランクケース１の左方にはポンプハウジング部２がほと
んど突出していない。
【００２１】図３および図４にはオイルポンプ１１と冷
却水ポンプ１２とが互いに異なる配置のクランクケース
３１、１が平面図で示されている。
却水ポンプ１２とが互いに異なる配置のクランクケース
３１、１が平面図で示されている。
【００２２】図３において１３はオイルポンプ１１を駆
動する駆動軸である。また、本クランクケース３１は水
冷エンジン用のものであり、駆動軸１３の先端側、すな
わち側壁１４側に冷却水ポンプ１２が配設され、オイル
ポンプ１１と冷却水ポンプ１２とが同一駆動軸１３によ
って駆動される。しかし、オイルポンプ１１が側壁１４
から潤滑油通路８よりもさらにクランクケース３１の内
方に配置されているため、冷却水ポンプ１２も上述のご
とくクランクケース３１の内方に寄せることができ、側
壁１４の左方に冷却水ポンプハウジング部９がほとんど
突出していない。したがって、自動二輪車に搭載した場
合、走行時のバンク角度を大きくとれることになり、し
かも、冷却水ホースの取り回しが便利である。
動する駆動軸である。また、本クランクケース３１は水
冷エンジン用のものであり、駆動軸１３の先端側、すな
わち側壁１４側に冷却水ポンプ１２が配設され、オイル
ポンプ１１と冷却水ポンプ１２とが同一駆動軸１３によ
って駆動される。しかし、オイルポンプ１１が側壁１４
から潤滑油通路８よりもさらにクランクケース３１の内
方に配置されているため、冷却水ポンプ１２も上述のご
とくクランクケース３１の内方に寄せることができ、側
壁１４の左方に冷却水ポンプハウジング部９がほとんど
突出していない。したがって、自動二輪車に搭載した場
合、走行時のバンク角度を大きくとれることになり、し
かも、冷却水ホースの取り回しが便利である。
【００２３】１５はオイルチャンバであり、オイルポン
プ１１を潤滑油通路８よりクランクケース３１内方寄り
に配置したために必要となったもので、オイルポンプ１
１の吐出口１１ａと潤滑油通路８とを連通するものであ
る。
プ１１を潤滑油通路８よりクランクケース３１内方寄り
に配置したために必要となったもので、オイルポンプ１
１の吐出口１１ａと潤滑油通路８とを連通するものであ
る。
【００２４】しかしながら、本クランクケース３１で
は、オイルポンプハウジング部２を必要最小限にクラン
クケース３１内方へ移動させたものであるため、オイル
ポンプハウジング部２がちょうど、側壁１４内に位置す
ることになる。さらに、オイルポンプハウジング部２の
一側部の上方には、軸受け部５ｂが形成されるため、オ
イルポンプハウジング部２の円柱外形どうりには金型に
よって形成することができない。すなわち、金型では中
子を使用しえないので、円柱外形となるように離型する
ことができない。その結果、オイルポンプハウジング部
２の前記一側部には他の壁部より厚肉の部分Ｔ（図中ハ
ッチングで示す）が生じる。その結果、材料の使用量が
増加するとともに重量も増加する。
は、オイルポンプハウジング部２を必要最小限にクラン
クケース３１内方へ移動させたものであるため、オイル
ポンプハウジング部２がちょうど、側壁１４内に位置す
ることになる。さらに、オイルポンプハウジング部２の
一側部の上方には、軸受け部５ｂが形成されるため、オ
イルポンプハウジング部２の円柱外形どうりには金型に
よって形成することができない。すなわち、金型では中
子を使用しえないので、円柱外形となるように離型する
ことができない。その結果、オイルポンプハウジング部
２の前記一側部には他の壁部より厚肉の部分Ｔ（図中ハ
ッチングで示す）が生じる。その結果、材料の使用量が
増加するとともに重量も増加する。
【００２５】図４に示されるクランクケース１では、前
記肉厚部Ｔを生じさせないようにポンプ配置を工夫して
いる。すなわち、オイルポンプハウジング部２を図３の
ものよりさらにクランクケース１内方に移動させ、トラ
ンスミッションスペース３内へ突出させている。それに
よって、上型と下型とからなる金型によっても、オイル
ポンプハウジング部２の一側部に空間Ｓを形成すること
ができ、オイルポンプハウジング部２を適正な肉厚のほ
ぼ円柱外形に成型しうる。その分、オイルチャンバ１５
は長くなるが、製造上および性能上何ら変更はない。
記肉厚部Ｔを生じさせないようにポンプ配置を工夫して
いる。すなわち、オイルポンプハウジング部２を図３の
ものよりさらにクランクケース１内方に移動させ、トラ
ンスミッションスペース３内へ突出させている。それに
よって、上型と下型とからなる金型によっても、オイル
ポンプハウジング部２の一側部に空間Ｓを形成すること
ができ、オイルポンプハウジング部２を適正な肉厚のほ
ぼ円柱外形に成型しうる。その分、オイルチャンバ１５
は長くなるが、製造上および性能上何ら変更はない。
【００２６】オイルチャンバ１５の詳細は図５に示され
ている。図５は側面断面図である。
ている。図５は側面断面図である。
【００２７】オイルポンプ１１と冷却水ポンプ１２との
あいだにはオイルチャンバ１５の他、オイルシール部材
１６およびメカニカルシール１７が配設されている。シ
ール類１６、１７はオイルポンプ１１からの潤滑油が冷
却水ポンプ１２内の冷却水に混入することを防止するた
めに設けられたものである。一方、オイルチャンバ１５
は図示のごとく隔壁１８によって二室１５ａ、１５ｂに
画されている。一方の部屋１５ａは高圧側連通孔１９を
通してオイルポンプ１１の吐出側に連通しており、他方
の部屋１５ｂは低圧側連通孔２０を通してオイルポンプ
１１の吸入側に連通するとともに戻り孔２１を通してオ
イルシール部材１６の面に連通している。
あいだにはオイルチャンバ１５の他、オイルシール部材
１６およびメカニカルシール１７が配設されている。シ
ール類１６、１７はオイルポンプ１１からの潤滑油が冷
却水ポンプ１２内の冷却水に混入することを防止するた
めに設けられたものである。一方、オイルチャンバ１５
は図示のごとく隔壁１８によって二室１５ａ、１５ｂに
画されている。一方の部屋１５ａは高圧側連通孔１９を
通してオイルポンプ１１の吐出側に連通しており、他方
の部屋１５ｂは低圧側連通孔２０を通してオイルポンプ
１１の吸入側に連通するとともに戻り孔２１を通してオ
イルシール部材１６の面に連通している。
【００２８】かかる構成によって、たとえば、一方の部
屋（高圧室）１５ａから潤滑油が駆動軸１３と駆動軸用
貫通孔２２との隙間を通ってオイルシール部材１６側に
浸透した場合でも、すぐに戻り孔２１を通して他方の部
屋（低圧室）１５ｂに逃げる。
屋（高圧室）１５ａから潤滑油が駆動軸１３と駆動軸用
貫通孔２２との隙間を通ってオイルシール部材１６側に
浸透した場合でも、すぐに戻り孔２１を通して他方の部
屋（低圧室）１５ｂに逃げる。
【００２９】したがって、オイルシール部材１６側に浸
透した潤滑油の圧力によってオイルシール部材１６およ
びメカニカルシール１７が冷却水ポンプ１２側へ押し出
されることがなく、冷却水中に潤滑油が混入することが
防止される。
透した潤滑油の圧力によってオイルシール部材１６およ
びメカニカルシール１７が冷却水ポンプ１２側へ押し出
されることがなく、冷却水中に潤滑油が混入することが
防止される。
【００３０】なお、高圧室１５ａには潤滑油通路８が開
口している。オイルポンプ１１の吸入側は吸入通路２３
を通じて図示していないオイルパンに接続している。
口している。オイルポンプ１１の吸入側は吸入通路２３
を通じて図示していないオイルパンに接続している。
【００３１】叙上の実施例では、オイルフィルター７は
クランクケース１、３１の前面左側に設置されている
が、本発明においてはとくに左側に限定されることはな
く、右側であってもよい。
クランクケース１、３１の前面左側に設置されている
が、本発明においてはとくに左側に限定されることはな
く、右側であってもよい。
【００３２】
【発明の効果】本発明によれば、オイルポンプや冷却水
ポンプ等がクランクケースの外壁から外方へ大きく突出
することがないため、自動二輪車に搭載した場合、走行
中の車体のバンク角度に対する制限を低減し、冷却水ホ
ースの取り回しに自由度を与えうる。さらに、トランス
ミッションスペース等に突出したポンプハウジングは、
クランクケースの他の部材部分から離間しうるため、そ
れらの部材に近接することによる肉厚の増加を防止する
ことも可能である。
ポンプ等がクランクケースの外壁から外方へ大きく突出
することがないため、自動二輪車に搭載した場合、走行
中の車体のバンク角度に対する制限を低減し、冷却水ホ
ースの取り回しに自由度を与えうる。さらに、トランス
ミッションスペース等に突出したポンプハウジングは、
クランクケースの他の部材部分から離間しうるため、そ
れらの部材に近接することによる肉厚の増加を防止する
ことも可能である。
【００３３】一方、金型を使用した従来の成型法をその
まま採用しても、上述のごとくポンプハウジングの肉厚
が不必要に厚くなることがなく、それにより、鋳巣、ひ
け、そり等の発生を防止しうる。
まま採用しても、上述のごとくポンプハウジングの肉厚
が不必要に厚くなることがなく、それにより、鋳巣、ひ
け、そり等の発生を防止しうる。
【図１】本発明のオイルポンプ配置が適用されるクラン
クケースの一例を示す斜視図である。
クケースの一例を示す斜視図である。
【図２】図１のクランクケースの平面図である。
【図３】本発明のクランクケースの他の実施例における
オイルポンプ配置を示す平面図である。
オイルポンプ配置を示す平面図である。
【図４】図１のクランクケースにおけるオイルポンプ配
置を示す平面断面図である。
置を示す平面断面図である。
【図５】図１のオイルチャンバの一例を示す側面断面図
である。
である。
【図６】オイルポンプおよび水ポンプが配設された自動
二輪車用エンジンの一例を示しており、（ａ）はその平
面図、（ｂ）は正面図である。
二輪車用エンジンの一例を示しており、（ａ）はその平
面図、（ｂ）は正面図である。
【図７】従来のオイルポンプ配置が適用されるクランク
ケースの一例を示す平面断面図である。
ケースの一例を示す平面断面図である。
１、３１・・・クランクケース ２・・・オイルポンプハウジング部 ３・・・トランスミッションスペース ７・・・オイルフィルター ８・・・潤滑油通路 ９・・・冷却水ポンプハウジング部 １１・・・オイルポンプ １２・・・冷却水ポンプ １３・・・駆動軸 １４・・・側壁 １５・・・オイルチャンバ １９・・・高圧側連通孔 ２０・・・低圧側連通孔 Ｓ・・・空間 Ｔ・・・厚肉部
Claims (5)
- 【請求項１】 潤滑油用フィルターを内燃エンジンの前
面の一側方に備え、その内部において潤滑油用オイルポ
ンプから潤滑油フィルターへ連通される潤滑油通路が内
燃エンジンの前後方向に沿って形成されている内燃エン
ジン用クランクケースであって、 該クランクケース内における前記潤滑油通路の端部に該
潤滑油通路に連通するオイルチャンバが形成されてお
り、クランクケースにおける前記一側方側の側面から見
て潤滑油通路よりクランクケースの内方に前記オイルポ
ンプが配設されており、該オイルポンプの吐出側がオイ
ルチャンバに連通してなる内燃エンジン用クランクケー
ス。 - 【請求項２】 前記内燃エンジンが水冷式の内燃エンジ
ンであって、オイルポンプの駆動軸によって駆動される
冷却水ポンプが、前記オイルポンプより前記側面側にオ
イルポンプと同軸状に配設されてなる請求項１記載の内
燃エンジン用クランクケース。 - 【請求項３】 潤滑油用フィルターをその前面の一側方
に備えた内燃エンジン用クランクケースであって、前記内燃エンジンが水冷式の内燃エンジンであり、前記
クランクケースにおける前記一側方側の側面から見て、
潤滑油用オイルポンプから潤滑油フィルターへ連通され
るように内燃エンジンの前後方向に沿って形成された潤
滑油通路よりクランクケースの内方に前記オイルポンプ
が配設されており、オイルポンプの駆動軸によって駆動される冷却水ポンプ
が、前記オイルポンプより前記側面側にオイルポンプと
同軸状に配設されており、 オイルポンプと冷却水ポンプとのあいだに、オイルポン
プおよび潤滑油通路の両方に連通するオイルチャンバが
配設されており、 前記オイルチャンバと冷却水ポンプとのあいだにおける
前記駆動軸まわりにシール機構が配設されており、前記
オイルチャンバが隔壁によって二室に画され、二室のう
ちの一方が前記オイルポンプの吐出側および潤滑油通路
の両方に連通し、他方がオイルポンプの吸入側および前
記シール機構の両方に連通してなる内燃エンジン用クラ
ンクケース。 - 【請求項４】 潤滑油用フィルターをその前面の一側方
に備えうる内燃エンジン用クランクケースであって、 該クランクケースにおける前記一側方側の側壁から見
て、潤滑油用オイルポンプから潤滑油フィルターへ連通
されるように内燃エンジンの前後方向に沿って形成され
た潤滑油通路よりクランクケースの内方に、前記オイル
ポンプのロータを収容するための有底円筒状のポンプハ
ウジングが前記側壁から一体にクランクケース内方に突
設されており、前記側壁の上面にトランスミッション用
軸受け部が形成されており、側壁中における該軸受け部
の下方に、オイルポンプおよび潤滑油通路の両方に連通
するオイルチャンバ用の円筒状空間が形成されてなる内
燃エンジン用クランクケース。 - 【請求項５】 潤滑油用フィルターをその前面の一側方
に備えた内燃エンジン用クランクケースの製法であっ
て、 クランクケースの周側壁の内部にトランスミッション収
納用のスペースとクランクシャフト収納用のスペースと
が形成されるように、両者でクランクケースと同一形状
のキャビティが形成されうる上型と下型とからなる金型
によって、前記クランクケースの周側壁の内方に突出す
る有底円筒状のポンプハウジングのほぼ全外周面を、前
記周側壁の内部に露出しうるように成形することを特徴
とする内燃エンジン用クランクケースの製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7020285A JP2971769B2 (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | 内燃エンジン用クランクケース |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7020285A JP2971769B2 (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | 内燃エンジン用クランクケース |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08218942A JPH08218942A (ja) | 1996-08-27 |
| JP2971769B2 true JP2971769B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=12022907
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7020285A Expired - Fee Related JP2971769B2 (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | 内燃エンジン用クランクケース |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2971769B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3957674B2 (ja) * | 2003-10-21 | 2007-08-15 | 愛知機械工業株式会社 | オイルパン構造 |
| CN104358622A (zh) * | 2014-09-26 | 2015-02-18 | 四川嘉逸皇冠科技有限公司 | 一种摩托车卧式发动机曲轴箱体 |
| CN112610355B (zh) * | 2020-12-21 | 2021-11-19 | 东营鲁控工贸有限公司 | 一种发动机曲轴箱 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04140408A (ja) * | 1990-09-28 | 1992-05-14 | Iseki & Co Ltd | 内燃機関の潤滑用オイルポンプ取付装置 |
-
1995
- 1995-02-08 JP JP7020285A patent/JP2971769B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08218942A (ja) | 1996-08-27 |
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