JP4546338B2 - セミドライサンプ式エンジンの潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転中、クランク室をドライ状態に保つと共に、クランクケース内のミッション室等をオイル貯留部として利用するセミドライサンプ式エンジンの潤滑装置に関する。
クランク室内をドライ状態に保つエンジンとして、別置きのオイルタンクを備えたドライサンプ式エンジンと、ミッション室等をオイル貯留部として利用したセミドライサンプ式エンジン(特許文献1等参照)とがあり、いずれの方式も、エンジン運転中、クランク室をドライ状態に保つことにより、クランク部(クランクウエブ等)がオイルを撹拌することによるフリクションロスを無くし、エンジン出力を向上させると共に、各注油箇所にオイルを安定した状態で圧送供給できるようになっている。
ドライサンプ式エンジンに対し、セミドライサンプ式エンジンは、別置きのオイルタンクを設置する必要がないので、オイルタンクの費用及び配置スペースを節約することができ、エンジン全体のコンパクト化も達成することができる。
前記セミドライサンプ式エンジンの一般的な構造は、クランク室とミッション室の間に仕切り壁を形成することにより、ミッション室の下部をオイル貯留部とし、フィード用(オイル供給用)のオイルポンプによりオイル貯留部からエンジンの各注油個所にオイルを圧送し、クランクケース又はオイルパンの底部に落下した潤滑使用後のオイルを、別のオイルポンプ、いわゆるスカベンジングポンプによりオイル貯留部に強制的に汲み出し、運転中、クランク室内を常時ドライ状態に保つようになっている。
特開平6−288466号公報
セミドライサンプ式エンジンにおいて、運転に必要なオイル量を維持するために、定期的に(又は逐次)オイル量を点検し、オイルを補給(又は交換)するが、オイル補給時には、オイル量が所定範囲内に収まるように、エンジン全体のオイル量を把握する必要がある。
オイルの点検及び補給を行うために運転を停止した場合、時間の経過により、ドライ状態のクランク室には、クランク軸上等の潤滑箇所からの戻りオイルが徐々に溜まるが、クランク室とミッション室等のオイル貯留部とは、仕切り壁等により仕切られているため、ミッション室には運転時と概ね同じオイルレベルが維持され、一方、クランク室には、ミッション室等よりも相当低いオイルレベルが維持されることになる。
従って、エンジン全体のオイル量を正確に把握しようとすれば、オイル貯留部内のオイルレベルを確認すると共に、クランク室内のオイルレベルも確認し、異なる両オイルレベルからエンジン全体のオイル残量を推量しなければならず、ユーザーにとって、煩わしい作業となる。
しかも、オイル貯留部に設けられたオイル補給口からオイルを補給した場合、クランク室にはオイルは流れ込まないので、オイル貯留部内のオイルレベルのみが上昇し、その上昇量に対応した点検範囲を有するオイル点検窓を形成する必要が生じ、オイル点検窓の寸法、特に上下方向の寸法を大きくせざるを得なくなる。
また、オイル貯留部のオイルレベルと、クランク室のオイルレベルとを、それぞれ正確に確認しようとすれば、オイル貯留部とクランク室にそれぞれオイル点検窓を設ける必要性が生じ、クランクケース等の製造加工にも手間がかかる。
本発明の目的は、セミドライサンプ式エンジンにおいて、運転停止時に、オイル貯留部とクランク室とのオイルレベルが同一になるようにすることにより、オイル点検時及びオイル補給時におけるエンジン全体の正確なオイル量を、簡単に把握できるようにすることである。また、クランクケース等の製造及び加工を簡単にすることも目的としている。
前記課題を解決するため、本願請求項1記載の発明は、クランクケースのミッション室の下部を、クランク室から隔離されたオイル貯留部とし、前記クランク室の底壁より下方に、前記クランク室に連通するオイル回収室を設け、前記クランク室から前記オイル回収室に流入するオイルをスカベンジングポンプにより前記オイル貯留部に汲み出し、前記オイル貯留部内のオイルを、オイル供給用のオイルポンプにより、エンジンの各注油箇所に圧送するセミドライサンプ式エンジンの潤滑装置において、前記クランクケースの底壁の下面に、前記クランク室の底面に形成されたオイル排出口(53)から前記オイル回収室(60)に至る下端開口状のオイル通路形成用の通路形成溝(77)を形成し、該通路形成溝(77)の下端を底プレート(78)により閉塞し、該底プレート(78)に、前記オイル回収室側と前記オイル貯留部側とを連通する調節孔(84)を備え、該調節孔(84)の流通断面積は、前記オイル貯留部側から前記調節孔(84)を通って前記オイル回収室側へ流れるオイル量が、前記スカベンジングポンプにより前記オイル回収室側から前記オイル貯留部側へ汲み出すオイル量よりも少なくなるように、設定されている。
上記構成によると、運転を停止してオイルの点検及び補給を行う時、オイル貯留部(ミッション室等)内のオイルレベルと、クランク室内のオイルレベルとが、調節孔を介してオイルが流通することにより略均一化され、エンジン全体の正確なオイル量を簡単に把握することができ、所定範囲のオイル量までのオイル補給作業を、容易にかつ正確に行うことができる。また、運転時には、調節孔を通ってオイル回収室側に戻るオイル量よりも多いオイル量を、スカベンジングポンプによりオイル貯留部側へ汲み出すので、クランク室をドライ状態に保つことができる。
また、上記構成によると、底プレートに調節孔を形成するので、クランクケースに形成する場合に比べ、加工が簡単である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のセミドライサンプ式エンジンの潤滑装置において、前記調節孔は、前記クランクケースの底壁の下面に取り付けられたオイルパンの下端部近傍に位置している。
上記構成によると、調節孔の位置が低く形成されているので、該調節孔にかかるオイルのヘッド圧が大きくなり、運転停止時、速やかにオイル貯留部とクランク室(オイル吸込室)とのオイルレベルが略均一化され、オイル補給時、速やかにエンジン全体のオイル量を把握することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のセミドライサンプ式エンジンの潤滑装置において、前記オイル貯留部の側壁形成部材に、前記オイル貯留部内のオイルレベルを外部から視認可能なオイル点検窓を設けている。
上記構成によると、オイル貯留部のオイルレベルを確認するだけで、正確にエンジン内全体のオイルレベルを確認でき、また、オイル点検窓を一カ所に設けるだけでよいので、クランクケース等の製造加工が容易になる。
本発明によると、セミドライサンプ式エンジンの潤滑装置において、運転停止時に、調節孔を介してオイル貯留部とクランク室とのオイルレベルが速やかに略同一になるので、オイル点検時及びオイル補給時におけるエンジン全体の正確なオイル量を、簡単に把握できる。
図1〜図26は、自動二輪車用のセミドライサンプ式並列2気筒エンジンに、本発明にかかる潤滑装置を適用した例である。
[クランクケースの形状]
図1は、クラッチカバー88(図2参照)を取り外して示すクランクケース1の側面図であり、説明の都合上、シリンダ5を配置している側(車輌進行側)をクランクケース1の「前側」とし、後方から見た場合、すなわちライダーから見た場合の左右方向(クランク軸の軸方向)を、クランクケース1の「左右方向」として、以下説明する。
図1において、クランクケース1は、上部クランクケース部材2と下部クランクケース部材3とを合わせ面Sで結合する上下2分割構造となっており、上部クランクケース部材2の前半部の上面に、シリンダ5が前傾姿勢で締着され、該シリンダ5の上面には、図示しないがシリンダヘッド及びヘッドカバー等が順次締着されている。クランクケース1の前半部が、クランク軸7を収納するクランク室10(図3及び図4等参照)となっており、クランク室10の前部にはバランサ軸8が配設され、該バランサ軸8の右端部にはウォーターポンプ9が設けられている。
クランクケース1の後半部は、カセット式のミッション組立体Mを収納するミッション室11(図3及び4参照)となっている。カセット式のミッション組立体Mは、クランクケース1とは別体の軸支持部材13に、変速用の入力軸14、変速用の出力軸15、チェンジドラム16及びシフトフォーク軸17等を支持してなり、ミッション組立体Mを一ユニットとして、ミッション室11内に右方から挿入し、前記軸支持部材13を、各クランクケース部材2、3に形成されたミッション取付壁41に、ボルト43(一部のみ符号を付す)により着脱自在に固定している。入力軸14の右端部には、ポンプ駆動用の駆動スプロケット25が装着されると共に、仮想線で示す多板摩擦クラッチ18が装着されている。前記駆動スプロケット25と、ミッション室11の前下端部に配置された共通ポンプ軸24のスプロケット26との間に、ポンプ駆動用チェーン27が巻き掛けられ、入力軸14の回転を共通ポンプ軸24に伝達するようになっている。
下部クランクケース部材3の底壁の下面には、下方に張り出すオイルパン取付部20が下部クランクケース部材3と一体に形成され、該オイルパン取付部20の下端面は、前下がりに傾斜するオイルパン取付面20aとなっており、該オイルパン取付面20aに、複数の取付ボルト22によりオイルパン23が締着されている。
図25は、クランクケース1の左側面図であり、前記クランク軸7の軸芯O1、バランサ軸8の軸芯O6及び出力軸15の軸芯O3は、上下のクランクケース部材2、3の合わせ面S上に位置し、入力軸14の軸芯O2は前記合わせ面Sよりも上方に位置し、チェンジドラム16の軸芯O4は合わせ面Sよりも下方に位置している。チェンジドラム16の下方にはチェンジペダルを有するチェンジ軸19が配置されている。
図3は下部クランクケース部材3を右前上方から見た簡略斜視図、図4は同下部クランクケース部材3を右後上方から見た斜視図であり、図3において、並列2気筒エンジンに適用しているので、クランク室10は、左右方向の中央部に形成された隔壁29により、左側クランク室(第1クランク室)10Lと右側クランク室(第2クランク室)10Rとに仕切られており、左右の各クランク室10L、10Rに、各気筒のピストンに連結するクランク部(ウエブ等)がそれぞれ収納されている。クランク室10の左右側壁30L、30R及び中間の隔壁29の各上端面には、クランク軸支持用の半割状の軸受凹部31がそれぞれ形成され、また、クランク室10の左右側壁30L、30Rの前部には、バランサ軸支持用の半割状の軸受凹部32が形成されている。クランク軸支持用の各軸受凹部31の下端には、クランク軸潤滑用のオイル供給孔35がそれぞれ開口しており、また、各軸受凹部31の前後には締結ボルト挿通孔36が形成されている。
図4において、ミッション室11の右隣には前記ミッション取付壁41を介してクラッチ室12が形成されており、前記ミッション室11の下部及びクラッチ室12の下部をオイル貯留部として利用するため、ミッション室11とクランク室10との間には合わせ面Sに対応する高さの仕切り壁40aが形成され、クラッチ室12とクランク室10との間には、合わせ面Sよりも低い仕切り壁40bが形成されている。また、前記ミッション取付壁41の下端部には、ミッション室11の下端部とクラッチ室12の下端部とをオイル流通可能に連通する連通孔42が形成され、これより、クラッチ室12の下部とミッション室11の下部とを、オイル貯留部として同時に利用できるようになっている。
ミッション室11の左側壁44には、出力軸支持用の半割状の軸受凹部45が形成されると共に、チェンジドラム支持用の円筒状の凹部46及びシフトフォーク支持軸用の凹部47等が形成されている。
前記仕切り壁40aの下端部、すなわち、ミッション室11の前下端部には、オイル貯留部内のオイルを各潤滑箇所に圧送するためのフィード用オイルポンプ50と、クランク軸等の潤滑箇所から戻ってきた使用済みオイルをオイル貯留部へ回収するためのスカベンジングポンプ(回収用オイルポンプ)51とが、前記共通ポンプ軸24の軸芯O5上に並列に設けられている。
[クランク室のオイル排出構造]
図5は下部クランクケース部材3の平面図であり、左側クランク室10Lの底面には、前後方向の略中間部(概ね最低部)に左側オイル排出口53が形成され、右側クランク室10Rの底面には、後半部(概ね最低部)に右側オイル排出口54が形成されており、これにより、クランク軸部分から各クランク室10L、10Rの底面にそれぞれ戻るオイルは、左右のクランク室10L、10R毎に独立して、各オイル排出口53、54から排出されるようになっている。
下部クランクケース部材3の底壁(クランク室10L、10Rの底壁)の下面には、前記左側オイル排出口53から隔壁29の下側部分を横切って右後方に延びるオイル回収通路55が形成されており、該オイル回収通路55の右端は、前記右側オイル排出口54の下側に形成されたオイル回収室連通用の空間部56に連通し、該空間部56は、後述するオイル回収室60に連通している。
[オイルパンの形状]
図12はオイルパン23を左前上方から見た斜視図、図13はオイルパン23の平面図である。図12において、オイルパン23は、クランク軸方向に見て、すなわち側面視で、略直角三角形状に形成されており、上端合わせ面23aは前下がりに傾斜し、底壁23bは略水平になっている。オイルパン23内には、オイルパン23の右側壁に隣接するように前記オイル回収室60が形成されており、該オイル回収室60の周壁61によって仕切られた残りの容積の大きなスペースは、オイル貯留部兼オイル吸込室62となっている。
オイル吸込室62の底面には、ストレーナ(一次フィルター)64を配置するための円形の載置面62aが形成され、該載置面62aの前部には、円弧状の邪魔壁62bが立設されている。
前記オイル回収室60には金網でできたこし器65が収納され、押さえ板66及びボルト67により、オイル回収室60の周壁61の上端部に固定されている。該周壁61の上端合わせ面61aは、オイルパン23の外周壁の上端合わせ面23aと同一面内に形成されている。
オイル回収室60の後側には、下端部がオイル回収室60の下端部に連通する回収オイル吸込通路69が形成されており、該回収オイル吸込通路69の上端合わせ面69aも、オイルパン23の合わせ面23aと同一面内に形成されている。すなわち、オイルパン23の上端合わせ面23aと、オイル回収室60の周壁61の上端合わせ面61aと、回収オイル吸込通路69の上端合わせ面69aを同一面に揃えている。
図19は図5のXIX-XIX断面図であり、上記のようにオイルパン23側の各合わせ面23a、61a、69aを同一面に備えることにより、これら合わせ面23a、61a、69aと、オイルパン取付部20側のオイルパン取付面20a、前記空間部56の周壁57の下端取付面57a及びスカベンジング51の吸込部51bの下端面との間に、共通のガスケット58を挟着できるようになっている。
オイル回収室60は、前記右側クランク室10Rの右側オイル排出口54及びオイル回収室連通用の空間部56の直下に形成されており、右側オイル排出口54から排出されるオイルは、空間部56を通って、直接、オイル回収室60に流入するようになっている。一方、図5の左側クランク室10Lの左側オイル排出口53から排出されるオイルは、クランクケース1の底壁(クランク室10L、10Rの底壁)の下面に形成された前記オイル回収通路55を通って空間部56に至り、下方のオイル回収室60に流入するようになっている。
[こし器]
図14は押さえ板66の平面図、図15はこし器65の平面図、図16は図15のXVI矢視図、図17は図15のXVII矢視図であり、こし器65は、図16及び図17のように概ね四半球状に形成されると共に、上端に取付フランジ65aが設けられ、該取付フランジ65aが、図14に示す押さえ板66により固定される。
[オイルポンプ及びスカベンジングポンプ]
図23はフィード用オイルポンプ50及びオイル回収用スカベンジングポンプ51の断面図(図1のXXIII-XXIII断面図)であり、いずれもトロコイドポンプを採用している。下部クランクケース部材3の仕切り壁40aの下端部に筒形の外側ケーシング部70を形成し、該外側ケーシング部70内に中間ケーシング部材71を嵌着し、該中間ケーシング部材71の右側開口端をポンプカバー72で閉塞することにより、右側にスカベンジングポンプ51のケーシングを、左側にオイルポンプ50のケーシングを構成している。
各ポンプ50、51のケーシング内に配置される内側ロータ50a、51aは、前記共通のポンプ軸24に固着され、前記スプロケット26及びチェーン27を介して動力が伝達されるようになっている。
図19において、スカベンジングポンプ51の吸込部51bは、オイルパン23内に向けて下向きに開口し、前述の回収オイル吸込通路69の上端に液密状態で連通し、吐出部51cはミッション室11の下部(オイル貯留部)に開口している。すなわち、スカベンジングポンプ51は、オイル回収室60に戻されたオイルを、回収オイル吸込通路69を介して吸込部51bから吸い込み、吐出部51cからミッション室11に吐出するようになっている。
[オイルポンプからメインギャラリまでのオイル供給経路]
図18は図5のXVIII-XVIII断面図(図7のXVIII-XVIII断面図)であり、フィード用オイルポンプ50の吸込部50b及び吐出部50cは、下部クランクケース部材3の底壁からオイルパン23内のオイル吸込室62に向いて下向きに開口しており、吸込部50bには前記漏斗状のストレーナ(一次フィルター)64の上端部が接続し、オイル吸込室62内のオイルを吸い込むようになっている。吐出部50cには、オイルパン取付部20内及びオイルパン23内を前方に延びるコの字形のオイル供給管73が接続し、該オイル供給管73の前端部は、オイルパン取付部20の前端部に形成されたオイル供給通路74に接続している。該オイル供給通路74は、オイルパン取付部20の前端面に固着されたオイルフィルター(二次フィルター)75の未浄化側に連通し、該オイルフィルター75の浄化側出口75aは、下部クランクケース部材3の底壁に形成されて後方に延びるオイル供給通路91に連通し、該オイル供給通路91は、下部クランクケース部材3の底壁に形成されたメインギャラリ92に連通している。すなわち、オイルポンプ50から吐出されるオイルは、オイルパン23内のオイル供給管73、オイル供給通路74、オイルフィルター75及びオイル供給通路91を通り、クランクケース1の底壁内のメインギャラリ92に供給されるようになっている。
[オイルパン取付部内の形状]
図6〜図9は下部クランクケース部材3の下面にオイルパン取付部20を示しており、図6は前下方から見た斜視図、図7は各種オイル配管部品等を装着した状態を示す底面図、図8はオイル回収通路形成用の底プレート78のみを取り付けた状態を示す底面図、図9は配管部品等をすべて取り除いた状態を示す底面図である。
図8において、オイルパン取付部20内には、前述のように、後部にオイルポンプ50の吸込部50b、オイルポンプ50の吐出部50c及びスカベンジングポンプ51の吸込部51bが形成され、右端部にオイル回収室連通用の空間部56が形成され、左前端部から前記空間部56に亘り、オイル回収通路55が形成されている。これらに加え、ミッション潤滑用オイル供給管接続用の前後一対の接続口81、82が形成され、両接続口81、82間には、図7に示すようにミッション潤滑用のオイル供給管94が取り付けられている。
[オイル回収通路及びオイル回収室連通用の空間部の周壁の構造]
図8において、前記オイル回収通路55は、下部クランクケース部材3の底壁(クランク室10L、10Rの底壁)の下面に下端開放状に形成された通路形成溝77と、該通路形成溝77の下端面にボルト79により締着された板金製の前記底プレート78から構成されており、該底プレート78により、図5のXX-XX断面である図20に示すように、オイル回収通路55内をオイルパン23内のオイル吸込室62から液密状態に隔離している。
図9において、前記通路形成溝77の側壁80の下端面80aは、前記オイル回収室連通用空間部56の周壁57の下端取付面57a及びスカベンジングポンプ51のオイル吸込口51bの下端面と共に、オイルパン取付面20aと同一面内に形成されている。
オイル回収室連通用空間部56の周壁57の下端取付面57aのうち、通路形成溝77に交わる箇所Pは、鋳造成形を可能とするために開口している。この開口箇所Pのシール性を補完するため、開口箇所Pの近傍の通路形成溝77の側壁80の下端面80aに、取付面補完部材支持座96として円弧形の段部を一対形成し、該支持座96に、図8に示すように取付面補完部材95を嵌め込み、底プレート78により下側から固定している。この取付面補完部材95により、前記空間部56の周囲に、周壁57に形成された取付面57aと共に、切れ面のない取付面(シール面)を完成させている。取付面補完部材95は、図11のように円板状に形成されている。
図7において、前記取付面補完部材95を支持座96に嵌め込んだ状態において、取付面補完部材95の下端取付面は、オイルパン取付面20a及び空間部56の周壁57の下端取付面57aと同一面となっている。これにより、図5のXXII-XXII断面である図22及び図19に示すオイル回収室60の周壁61の合わせ面61a全域に配置されるガスケット58部分を、オイルパン取付面20a、前記空間部56の周壁57の下端取付面57a及び図21の取付面補完部材95の下端面95aにより、隈無くオイルパン23側に押さえ付け、シールすることができる。
図10は前記底プレート78の底面図であり、底プレート78には、周辺部に複数のボルト挿通孔85が形成されると共に、前端部近傍に、小さな径のオイルレベル均一化用の調節孔84が形成されている。この調節孔84は、図20において、オイル回収通路55内とオイルパン23のオイル吸込室62内との間を連通していることになり、エンジン停止時には、図3及び図4のミッション室11等のオイル貯留部のオイルを、徐々にクランク室10側に移動させ、ミッション室11内とクランク室10内のオイルレベルを略均一化する役目を果たす。しかも、前記調節孔84の流通断面積は、オイル貯留部からオイル吸込室62及び調節孔84を通ってオイル回収通路55へオイルが流れる場合には、そのオイル量が、スカベンジングポンプ51によりオイル回収室60からオイル貯留部へ汲み出すオイル量よりも少なくなるように設定されており、たとえば直径が5mm〜7mm程度の大きさの孔である。なお、エンジン運転中は、オイル回収通路55内を流れる回収オイルのごく一部はオイル吸込室62に排出されるかも知れないが、オイル回収室60へのオイルの流れに対しては殆ど影響を与えないようになっている。
[オイル貯留部及びオイル点検窓]
セミドライサンプ式の潤滑装置としてのオイル貯留部は、前述のように、図3及び図4に示すミッション室11の下部と、ミッション室11の下部に連通孔42を介して連通するクラッチ室12の下部と、連通孔86を介してミッション室11に連通する図12のオイルパン23のオイル吸込室62とから構成されている。
図2はクラッチ室12の右側開口部を覆うクラッチカバー88の右側面図であり、クラッチカバー88の下部には、透明なオイル点検窓89が設けられており、外部からクラッチ室12内のオイルレベルを点検できるようになっている。前記オイル点検窓89は、好ましくは、運転停止時のクラッチ室12内のオイルレベルL1が外部から視認できる高さに位置している。この運転停止時のオイルレベルL1は、運転停止し、一定時間経過後にクラッチ室12内を含むオイル貯留部内のオイルが、前述の図7の前記底プレート78の調節孔84を介して図3等のクランク室10に流入し、オイル貯留部とクランク室10内のオイルレベルが略均一化された時のオイルレベルである。
一方、図2に示す運転時のオイルレベルL2は、スカベンジングポンプ51によってクランク室10(図3等)内のオイルが強制的にオイル貯留部に汲み出されていることにより、前記運転停止時のオイルレベルL1よりも高くなっており、たとえば、クラッチ室12とクランク室10の間の前記仕切り壁40b(図3等)の高さに対応する高さになっている。この運転時のオイルレベルL2に対して、入力軸14に装着されている多板摩擦クラッチ18及び該クラッチ18のクラッチハウジング設けられているリングギヤは、オイル内に浸漬しない高い位置に配置されている。すなわち、入力軸14の位置を高くすることにより、クラッチ18の位置を高め、運転中、オイル撹拌による動力損失が生じないようになっている。
[メインギャラリからクランク軸潤滑箇所へのオイル供給経路]
図21は図5のXXI-XXI断面であり、下部クランクケース部材3の底壁に形成された前記メインギャラリ92は、クランク軸芯O1の略直下に位置すると共に、左右方向に延びており、クランク室10の左右側壁30L、30R及び中間の隔壁29に形成された前記オイル供給孔35の下端に連通し、各クランク軸支持用の軸受凹部31にオイルを供給するようになっている。また、メインギャラリ92の左端部には、バランサ軸潤滑用のオイル供給管130が接続している。
[メインギャラリからミッション潤滑箇所へのオイル供給経路]
図24はミッション潤滑用のオイル供給経路を示しており、前方から見た断面図であるので、実際の左右方向と図面上での左右方向は逆になっている。下部クランクケース部材3のミッション室11の左側壁44には、前記接続口82から上方に延びるミッション潤滑用のオイル供給通路100が形成されている。前記接続口82は、前述のように、ミッション潤滑用のオイル供給管94を介してメインギャラリ92に連通している。上部クランクケース部材2のミッション室11の左側壁48には、前記下部クランクケース部材3のミッション潤滑用のオイル供給通路100の上端に連通するミッション潤滑用のオイル供給通路101が形成され、該オイル供給通路101は、上方に延び、入力軸14の前近傍位置で、左方(クランクケース外)に向いて開口している。上部クランクケース部材2のミッション室11の左側壁48の外側面には、上部クランクケース部材2とは別部材のオイル通路形体103が着脱自在に固定されており、該オイル通路形成体103は、該オイル通路形成体103の長さ方向に延びるミッション潤滑用オイル供給通路104を有すると共に、上部クランクケース部材2の前記上端オイル供給通路101の上端開口に連通するオイル入口105と、入力軸14の軸芯O2の延長上に位置すると共に入力軸14のオイル孔110に絞り111を介して連通する第1のオイル取出口106と、入力軸14より後方位置で開口する第2のオイル取出口107と、を有しており、オイル入口105と両オイル取出口106、107は、いずれも右方に向いて開口している。
前記第2のオイル取出口107は、上部クランクケース部材2のミッション室11の左側壁48に形成されたオイル孔112に連通している。該オイル孔112にはオイル連絡管115が圧入固定され、該オイル連絡管115は右方に延び、上部クランクケース部材2のミッション組立体取付壁41の貫通孔116を通過しており、右端部のシール付継手部115aがクラッチ室12内に突出している。
前記シール付継手部115aには、ミッション組立体Mの軸支持部材13内に形成されたミッション潤滑用のオイル供給通路120の上端接続口120aが着脱可能に嵌合し、左右方向(クランク軸の軸方向と平行)に抜き差し可能となっている。前記軸支持部材13内のオイル供給通路120は下方へ延び、下端部が絞り121を介して出力軸15のオイル孔122に連通している。
図25はクランクケース1の左側面図であり、前記オイル通路形成体103は、ボルト125により上部クランクケース部材2の左側壁48に着脱自在に取り付けられている。また、前記バランサ軸潤滑用のオイル連絡管130は、前方に延び、バランサ軸8の近傍位置のオイル供給通路131に接続し、オイルをバランサ軸の軸受部分に給油するようになっている。
[エンジン全体のオイルの流れ]
図26はエンジン全体のオイルの流れを簡単にまとめた略図であり、ミッション室11等から構成されるオイル貯留部のオイルは、オイルパン23内のオイル吸込室62から、フィード用オイルポンプ50により、ストレーナ(一次フィルター)64を介して吸い込まれ、加圧され、吐出部50cからオイル供給管73を介して前方に圧送され、オイルパン取付部20の前端のオイルフィルター(二次フィルター)75に入り、浄化された後、オイル供給通路74を介してメインギャラリ92に圧送される。
メインギャラリ92に圧送されたオイルの一部は、クランク軸潤滑用の3つのオイル供給孔35に分流し、クランク軸7(図1)の各ジャーナル部を潤滑する。
また、図26において、メインギャラリ92内のオイルの一部は、ミッション潤滑用のオイル供給管94、下部クランクケース部材3のミッション潤滑用のオイル供給通路100及び上部クランクケース部材2のミッション潤滑用のオイル供給通路101を介し、オイル通路形成体103のミッション潤滑用のオイル供給通路104に供給される。該オイル供給通路104内のオイルの一部は、第1のオイル取出口106及び絞り111を介して図24の入力軸14のオイル孔110に供給され、残りは、第2のオイル取出口107から、オイル連絡管115、ミッション組立体支持部材13内のミッション潤滑用のオイル供給通路120及び絞り121を介して出力軸15のオイル孔122に供給される。
入力軸14及び出力軸15の各オイル孔110、122に供給されたオイルは、変速ギヤの嵌合部分に注油され、変速ギヤの嵌合部分を潤滑し、ミッション潤滑に利用後のオイルは、直接、ミッション室11の下部のオイル貯留部に戻される。
一方、前記図3及び図4のオイル供給孔35からクランク軸潤滑に利用されたオイルは、左右のクランク室10L、10Rの底面にそれぞれ戻り、各オイル排出口53、54からそれぞれ独立に排出される。右側クランク室10Rのオイル排出口54から排出されたオイルは、図19において、オイル回収室連通用の空間部56を通り、直下のオイル回収室60に排出され、こし器65に濾過される。図5において、左側クランク室10Lのオイル排出口53から排出されるオイルは、オイル回収通路55を通って前記空間部56に至り、該空間部56から、前記右側クランク室10Rからのオイルと共に、図19のオイル回収室60内に排出され、濾過される。
こし器65で濾過されたオイルは、回収オイル吸込通路69を介してスカベンジングポンプ51により吸い上げられ、ミッション室11の下部(オイル貯留部)に排出される。
[オイルレベルの変化]
エンジン運転中は、スカベンジングポンプ51により、クランク室10内のオイルを、常時強制的に排出しているので、クランク室10内はドライ状態に保たれる。一方、オイル貯留部内では、図1のレベルL2のように、クラッチ室12の前端部の仕切り壁40b上端近傍までオイルレベルが上昇している。この運転時のオイルレベルL2に対して、前述のように、入力軸14は高く配置されていることにより、入力軸14の端部に装着されたクラッチ18のハウジングやリングギヤは、オイルに浸ることはなく、撹拌抵抗等は生じない。
また、エンジン運転中、図5の左側クランク室10Lのオイルがオイル回収通路55を通過する際には、図7の底プレート78の調節孔84を介して、オイル回収通路55内の流通オイルの一部が、オイル吸込室62に漏れることはあるが、調節孔84が小径であることにより、漏れ量はオイル回収通路55内を流れる全体のオイル量に比べて非常に少量であり、オイル回収作用には殆ど影響することはない。
運転を停止した場合、停止直後は、オイル貯留部のオイルレベルは、前記運転中と同じオイルレベルL2であり、クランク室10内はドライ状態であるが、時間が経過するに従い、クランク室10には、クランク軸7の軸受、カムシャフトの軸受及びピストン等の各潤滑箇所から徐々にオイルが戻ると共に、前記オイル回収通路55の底プレート78の調節孔84を介して、オイル貯留部のオイルがクランク室10へ移動し、図1のオイルレベルL1で示すように、貯留部内のオイルとクランク室10内のオイルが略同一レベルになる。この均一化されたオイルレベルを図2のクラッチカバー88のオイル点検窓89から点検することにより、エンジン内全体のオイル量を確認することができる。
すなわち、オイル貯留部内の一カ所でオイルレベルを点検することにより、エンジン全体のオイル残量を容易に確認することができる。
ちなみに、調節孔84が形成されていない場合には、運転停止時でもオイルレベルが均一化されず、前記クラッチカバー88に設けた一カ所のオイル点検窓89だけでは、オイル貯留部のオイル量しか確認できず、クランク室10内のオイル量を確認することはできない。従って、エンジン全体の残留オイル量を正確に確認することが困難になる。
[本発明の実施の形態の効果]
(1)セミドライサンプ式の並列二気筒エンジンにおいて、左右の各クランク室10L、10Rの底面にそれぞれオイル排出口53、54を形成し、各クランク室10L、10R毎に、独立してオイルを排出するようになっているので、各クランク室10L、10Rから速やかにオイルを排出することができ、エンジン運転中、各クランク室10L、10Rを良好にドライ状態に保ち、オイルの撹拌等による動力損失を効率良く防ぐことができる。
(2)クランクケース1の底壁に形成したオイル回収通路55により、一方、たとえば左側クランク室10Lから排出されたオイルを、右側クランク室10Rから排出されたオイルに合流させ、オイル回収室60に排出するようにしているので、従来のように、オイル排出口を有しないクランク室からのオイルが、隔壁の小さな連通孔を介してオイル排出孔を有するクランク室に流れ込むことにより、オイル流通の円滑性が阻害され、ドライ状態を妨げるようなこともない。
(3)オイル回収通路55は、下部クランクケース部材3の底壁に形成された下端開放状の通路形成溝77と、該通路形成溝77の下端を閉塞する板金製の底プレート78から構成しているので、オイル回収用の特別の配管は必要なく、鋳造と底プレート78の板金加工により、オイル回収通路55を簡単に形成できる。
(4)オイルパン23内のオイル回収室60にこし器65を配置しているので、オイルパン23の制限されたスペースを有効に利用することができ、しかも、各クランク室10L、10Rから回収されるオイルを、まとめて濾過してオイル貯留部に回収することができる。
(5)オイルパン取付部20内にオイル配管スペースを形成し、該オイル配管スペース内に、前記オイル回収通路55を形成すると共にオイル供給管73及びミッション潤滑用のオイル供給管94等を配置しているので、オイルパン取付部20内のスペースを有効利用できる。また、たとえ、配管継手箇所でオイル漏れが生じても、オイルパン23内に漏出することになり、外部に漏出することはない。
(6)クランク室10とミッション室11との間に仕切り壁40aを形成し、ミッション室11の下部をオイル貯留部とすることにより、セミドライサンプ式としているので、別置きのオイルタンクが不要となり、タンク用のコスト及びスペースを不要とすることができる。これに加え、クランク室10とクラッチ室12との間にも仕切り壁40bを形成し、クラッチ室12の下部もオイル貯留部の構成要素としているので、オイル収納量を増加させることができる。
(7)オイルパン取付部20に、オイルパン23のオイル回収室60の周壁61の上端合わせ面61aに接合するオイル回収室用の取付面、すなわち、オイル回収室連通用空間部56の周壁57の下端取付面57aを形成し、該取付面57aのうち、前記通路形成溝77に交わる箇所を開口(P)し、該開口部分Pに、前記空間部周壁57の取付面57aと同一面となる取付面補完部材95を嵌め込んでいるので、オイル回収通路55を、通路形成溝77としてクランクケース1の鋳造成形時に、簡単に形成でき、かつ、取付面補完部材95を嵌め込むことにより、オイル回収室60の全周のシール性を確保できる。
(8)オイル回収通路55の底プレート78に、ミッション室11側とクランク室10側(オイル回収通路55内)とを連通する小径の調節孔84を形成しているので、運転停止して、一定時間経過後は、ミッション室11、クラッチ室12及びオイル吸込室62よりなるオイル貯留部内のオイルと、クランク室10内のオイルが均一化されて略同一のオイルレベルL1になる。従って、たとえば、クラッチカバー88に、クラッチ室12内のオイルレベルのみを点検できるレベル点検窓89を一つ形成するだけで、エンジン内の全体のオイル残量を確認することが可能となる。
(9)前記オイルレベル均一化用の調節孔84を、オイルパン23の底壁近くの低い位置に形成しているので、ヘッド圧を十分に利用して、上記オイルレベルの均一化を速やかに行うことができる。
(10)前記調節孔84は、板金製の底プレート78に形成しているので、たとえばクランクケース1の形成する場合に比べ、加工が簡単である。
[その他の実施の形態]
(1)三気筒以上の並列複数気筒エンジンに適用することも可能である。
(2)前記オイルレベル均一化用の調節孔は、クランクケース1の底壁に形成することも可能である。たとえば、図7〜図9に仮想線で示すように、オイルパン取付部20の前端部に近傍に、調節孔150を形成することも可能である。
(3)前記調節孔84(150)の直径は、前記実施の形態では5mm〜7mmとしたが、本発明はこの数値範囲には限定されず、前記オイル貯留部側から前記調節孔を通って前記オイル回収室側へ流れるオイル量が、前記スカベンジングポンプにより前記オイル回収室側から前記オイル貯留部側へ汲み出すオイル量よりも少なくなるような直径であれば、適宜選択できる。
産業上の利用分野
自動二輪車用エンジンだけでなく、四輪車等、他の車輌用エンジンにも適用可能である。
本発明にかかるセミドライサンプ式の潤滑装置を備えた自動二輪車用並列二気筒エンジンであって、クラッチカバーを取り外して示すクランクケースの右側面図である。 図1のエンジンのクランクケースのクラッチカバーの右側面図である。 図1の下部クランクケース部材を右前上方から見た斜視図である。 図1の下部クランクケース部材を右後上方から見た斜視図である。 図1の下部クランクケース部材の平面図である。 図1の下部クランクケース部材のオイルパン取付部を、前下方から見た斜視図である。 図1の下部クランクケース部材の底面図であって、オイルパンを取り外して示す底面図である。 図1の下部クランクケース部材の底面図であって、オイルパン及びオイルパン取付部内の配管を取り外して示す底面図である。 図1の下部クランクケース部材の底面図であって、オイルパン、オイルパン取付部内の配管及び底プレートも取り外して示す底面図である。 底プレートの底面図である。 取付面補完部材の斜視図である。 図1のオイルパンを左前上方から見た斜視図である。 図1のオイルパンの平面図である。 こし器の押さえ板の平面図である。 こし器の平面図である。 図15のこし器のXVI矢視図である。 図15のこし器のXVII矢視図である。 図5の下部クランクケース部材のXVIII-XVIII断面図である。 図5の下部クランクケース部材のXVIII-XVIII断面図である。 図5の下部クランクケース部材のXX-XX断面図である。 図5の下部クランクケース部材のXXI-XXI断面図である。 図5の下部クランクケース部材のXXII-XXII断面図である。 オイルポンプ及びスカベンジングポンプの図1のXXIII-XXIII断面図である。 カセット式のミッションの断面であって、前方から見た図である。 図1のクランクケースの左側面図である。 エンジン全体のオイルの流れを示す配管斜視略図である。
符号の説明
1 クランクケース
7 クランク軸
10 クランク室
11 ミッション室(オイル貯留部構成部)
20 オイルパン取付部
23 オイルパン
50 フィード用オイルポンプ
51 スカベンジングポンプ(回収用オイルポンプ)
55 オイル回収通路(オイル通路)
60 オイル回収室
62 オイル吸込室(オイル貯留部構成部)
65 こし器
77 通路形成溝
78 底プレート
84 調節孔
89 オイル点検窓
150 調節孔

Claims (3)

  1. クランクケースのミッション室の下部を、クランク室から隔離されたオイル貯留部とし、前記クランク室の底壁より下方に、前記クランク室に連通するオイル回収室を設け、前記クランク室から前記オイル回収室に流入するオイルをスカベンジングポンプにより前記オイル貯留部に汲み出し、前記オイル貯留部内のオイルを、オイル供給用のオイルポンプにより、エンジンの各注油箇所に圧送するセミドライサンプ式エンジンの潤滑装置において、
    前記クランクケースの底壁の下面に、前記クランク室の底面に形成されたオイル排出口(53)から前記オイル回収室(60)に至る下端開口状のオイル通路形成用の通路形成溝(77)を形成し、該通路形成溝(77)の下端を底プレート(78)により閉塞し、
    該底プレート(78)に、前記オイル回収室側と前記オイル貯留部側とを連通する調節孔(84)を備え、
    該調節孔(84)の流通断面積は、前記オイル貯留部側から前記調節孔(84)を通って前記オイル回収室側へ流れるオイル量が、前記スカベンジングポンプにより前記オイル回収室側から前記オイル貯留部側へ汲み出すオイル量よりも少なくなるように、設定されていることを特徴とするセミドライサンプ式エンジンの潤滑装置。
  2. 前記調節孔は、前記クランクケースの底壁の下面に取り付けられたオイルパンの下端部近傍に位置している請求項1に記載のセミドライサンプ式エンジンの潤滑装置。
  3. 前記オイル貯留部の側壁形成部材に、前記オイル貯留部内のオイルレベルを外部から視認可能なオイル点検窓を設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセミドライサンプ式エンジンの潤滑装置。
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