JP2961671B2 - 無人搬送車 - Google Patents

無人搬送車

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JP2961671B2
JP2961671B2 JP3257254A JP25725491A JP2961671B2 JP 2961671 B2 JP2961671 B2 JP 2961671B2 JP 3257254 A JP3257254 A JP 3257254A JP 25725491 A JP25725491 A JP 25725491A JP 2961671 B2 JP2961671 B2 JP 2961671B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷物を搭載して搬送す
る例えばゴルフカー等の無人搬送車に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴルフクラブ,ゴルフバッグ等を
ゴルフ場内で搬送するゴルフカーとしては、遠心クラッ
チ付きエンジンや電動機を駆動源として走行するものが
ある。この種のゴルフカーでは、操縦者(キャディ)が
乗車した状態でエンジンスイッチおよびスロットルレバ
ー(電動機作動スイッチ)を操作して発進させ、ブレー
キレバー(電動機停止スイッチ)を操作して停止させる
ように構成されていた。
【0003】近年、電動機を駆動源とする電動式のゴル
フカーにおいては、操縦者によって操作されるハンドル
式操向装置に加えて、走行経路上に敷設された誘導線に
沿って操向輪を自動的に転舵させる自動操向装置が搭載
されるようになってきた。
【0004】この自動操向装置を搭載したゴルフカー
は、無線操縦によって発進,停止され、遠隔操作できる
構造であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
自動操向式のゴルフカーは、駆動源が電動機である関係
から大型のバッテリを搭載しなければならず、車重が重
くなって芝が痛みやすいという不具合がある。このよう
な不具合を解消するためには、駆動源をエンジンとして
大型のバッテリーを不要とすればよい。
【0006】しかるに、駆動源を単にエンジンに替えた
だけでは、発進,停止動作を制御する制御装置が故障し
やすくなるという問題があった。
【0007】例えば、発進・停止スイッチを誤操作した
りして停止操作を行なった直後に発進操作を行なった場
合、電動式ゴルフカーであれば電動機が発進・停止スイ
ッチによってON,OFF動作するため、制御装置は停
止回路と発進回路とが強制的に瞬時に切換えられたとし
ても、停止制御動作を中断して発進制御動作を速やかに
開始することができる。
【0008】ところが、エンジン駆動式とすると、エン
ジンではその停止動作や始動動作が終了するまでにはあ
る一定の時間を必要とするために、上述したように制御
装置の停止回路と発進回路とが瞬時に切換えられたとし
ても速やかに次の動作(発進動作)に移行することがで
きない。
【0009】すなわち、制御装置はエンジンの停止動作
が終了するまでの一定時間は発進制御動作を行なうこと
ができないので、停止制御動作と発進制御動作が輻輳し
てしまい、制御装置の負荷が大きくなってしまうのであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る無人搬送車
は、エンジンを駆動源として走行する車体に、この車体
を発進,停止させる走行装置と、誘導経路に沿って車体
の操向輪を転舵させる操向装置とを設け、前記走行装置
に、車体停止用操縦信号が入力された時から停止動作が
終了するまでの間は車体発進用操縦信号が入力されても
その車体発進用操縦信号を無効とし、停止動作終了後は
車体発進用操縦信号入力待ち状態とする停止動作制御手
段を設けたものである。
【0011】
【作用】停止動作中に発進操作を行なったとしても走行
装置の制御装置は停止制御を行い続けることになるか
ら、制御装置での停止制御動作と発進制御動作とが輻輳
することがない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図6に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係る無人搬送車
としてのゴルフカーの概略構成を示す側面図、図2は同
じく平面図、図3は車体構成を示すブロック図、図4は
制御装置の構成を示すブロック図、図5は本発明に係る
ゴルフカーの発進,停止動作を説明するためのフローチ
ャート、図6は制御装置での停止制御処理手順を示すフ
ローチャートである。これらの図において、1は本発明
に係る無人搬送車としてのゴルフカー、2はこのゴルフ
カー1の車体である。車体2の前部には操向輪としての
前輪3,3が転舵自在に取付けられ、後部には駆動輪と
しての後輪4,4が取付けられている。また、車体2の
最後部には、操縦者が乗車するときに足を乗せるための
ステップ2aが設けられている。
【0013】5はフロントバンパー、6は荷物搭載用の
キャリアで、これらは前記車体2の最前部にそれぞれ固
定されており、キャリア6にはゴルフバッグ7が載置さ
れている。
【0014】前記車体2の車幅方向中央部からはハンド
ルポスト8が上方へ向かって斜め後方に傾斜して起立し
ており、このハンドルポスト8から上方へ延出するステ
アリング軸9にはハンドル10が取付けられている。な
お、このハンドル10の車体右側端部には後述するキャ
ブレタを手動で操作するためのアクセルレバー11が取
付けられ、車体左側端部には後述するディスクブレーキ
を手動で操作するためのブレーキレバー12が取付けら
れている。
【0015】前記ハンドル10に連結されたステアリン
グ軸9の下端部には、リンク機構13を介して前輪3の
ナックル(図示せず)が連結されると共に、自動操向装
置14が連結されている。すなわち、前輪3はステアリ
ング軸9を回動させることで転舵される。
【0016】自動操向装置14は、車幅方向中央部に配
置されてステアリング軸9に連結されたギヤボックス1
5と、このギヤボックス15を駆動するステアリングモ
ータ16と、前記ギヤボックス15の下部に鉛直軸回り
に揺動自在に支持された平面視T字状のアーム17と、
このアーム17の揺動端部に取付けられた誘導線センサ
18と、車体2の左側部に配置されたメインコントロー
ラ19の操向制御手段(図示せず)等とから構成されて
いる。
【0017】前記ギヤボックス15はステアリング軸
9,ステアリングモータ16の出力軸およびアーム17
の枢軸をそれぞれギヤ結合する構造とされている。すな
わち、前輪3は、ハンドル操作によって転舵される他
に、ステアリングモータ16を作動させることによって
も転舵させることができる。なお、転舵時には、前記ア
ーム17もその揺動端部が転舵方向を向くように揺動す
ることになる。
【0018】前記ステアリングモータ16は減速機付き
のステップモータによって構成され、図3に示すように
ステアリングコントローラ20を介してメインコントロ
ーラ19の操向制御手段に接続されている。ステアリン
グコントローラ20は、車体2のハンドルポスト8部分
に取付けられており、前記操向制御手段からの信号に応
じた制御信号をステアリングモータ16に出力するよう
に構成されている。
【0019】前記誘導線センサ18はゴルフ場のコース
などに埋設された不図示の誘導線を磁気的に検出する構
造で、ハンドルポスト8部に固定されたアンプ21を介
してメインコントローラ19の操向制御手段に接続され
ている。なお、この誘導線センサ18は、本実施例では
車体2の傾斜をも検出するため、平面視T字状のアーム
17の揺動端部に水平路面より同一高さ位置に3個設置
されている。
【0020】前記メインコントローラ19は、本発明に
係るゴルフカー1の動作を制御するもので、上述した操
向制御手段の他に、後述する走行装置を制御する走行制
御手段を備えている。
【0021】また、この自動操向装置14の電子機器
(ステアリングモータ16,誘導線センサ18,ステア
リングコントローラ20およびアンプ21)の電源回路
は、ハンドル支持部に取付けられたメインスイッチ装置
22のキー操作式自動・マニュアル走行切換スイッチ2
3を介してメインコントローラ19に接続されている。
すなわち、前記各電子機器は、自動・マニュアル走行切
換スイッチ23にキーを差し込んで自動側へ切換えるこ
とによってメインコントローラ19から給電され、マニ
ュアル側へ切換えることによって電源供給が絶たれるこ
とになる。なお、自動・マニュアル走行切換スイッチ2
3を自動側へ切換えた状態を以下において自動走行モー
ドといい、マニュアル側へ切換えた状態をマニュアル走
行モードという。
【0022】なお、前記メインスイッチ装置22には、
ゴルフカー1を自動走行モードのときに発進させたり停
止させたりするための発進・停止スイッチ24が設けら
れている。この発進・停止スイッチ24もメインコント
ローラ19に接続されており、発進・停止スイッチ24
のON,OFF操作によって後述する走行装置の動作が
制御されることになる。
【0023】上述したように構成された自動操向装置1
4では、操縦者がハンドル10を操作して操向させる場
合には自動・マニュアル走行切換スイッチ23をマニュ
アル側へ切換えてマニュアル走行モードとした状態で行
なう。また、自動・マニュアル走行切換スイッチ23を
自動側へ切換えて自動走行モードとすると、前輪3は誘
導線に沿って転舵されるようになる。
【0024】すなわち、3個の誘導線センサ18からの
検出信号がアンプ21を介してメインコントローラ19
へ入力され、メインコントローラ19からステアリング
コントローラ20へ前記検出信号に応じた制御信号が出
力されてステアリングモータ16が作動することにな
る。なお、ステアリングモータ16は、前輪3の転舵動
作と同時に揺動するアーム17の車幅方向中央部が丁度
誘導線の真上に位置づけられるように回転駆動される。
【0025】次に、本発明に係るゴルフカー1の走行装
置の構成について説明する。25はこのゴルフカー1の
駆動源としてのエンジンで、このエンジン25は車体2
の略中央部に搭載されており、そのクランク軸(図示せ
ず)は遠心クラッチ付きVベルト式自動変速装置26を
介して後輪駆動用ギヤボックス27に連結されている。
さらに、このエンジン25の点火系には、エンジン25
の回転数を検出して前記メインコントローラ19へ出力
するエンジン回転数センサ25aが設けられている。
【0026】また、Vベルト式自動変速装置26の従動
軸26aにおける前記ギヤボックス27との連結部分に
は、前記メインコントローラ19によって動作が制御さ
れる無励磁作動型電磁ブレーキ28が軸装されている。
なお、図中26bはVベルト式自動変速装置26の従動
プーリを示す。
【0027】前記後輪駆動用ギヤボックス27は、車体
2におけるエンジン25の後方となる位置に搭載され、
前記後輪4が装着された左右の車軸29,29が回転自
在に連結されている。また、このギヤボックス27は、
前記従動軸26aと平行な回転軸30および減速ギヤ群
(図示せず)等を内蔵し、これらの部材によってVベル
ト式自動変速装置26の従動軸26aと前記車軸29,
29とを連結する構造とされている。
【0028】前記回転軸30は図1に示すように前記従
動軸26aより下側に位置づけられており、ギヤボック
ス27から車幅方向右側に突出する軸端部にはディスク
ブレーキ31のブレーキディスクおよび車速センサ32
が取付けられている。なお、前記ブレーキディスクを制
動するブレーキキャリパー(図示せず)は、前記ハンド
ル10のブレーキレバー12の手動操作によって駆動さ
れるように構成されている。
【0029】また、車速センサ32は図3に示すように
メインコントローラ19に接続され、後輪4と共に一定
の回転比をもって回転する回転軸30の回転数を検出し
てメインコントローラ19に出力するように構成されて
いる。
【0030】すなわち、エンジン25の回転数が上昇し
てVベルト式自動変速装置26内の遠心クラッチがつな
がるようになると、エンジン25のクランク軸の回転は
Vベルト式自動変速装置26からギヤボックス27およ
び車軸29を介して後輪4に伝えられてこのゴルフカー
1が走行するようになる。なお、走行させるときには電
磁ブレーキ28を励磁状態としておく。また、停止させ
るには、電磁ブレーキ28の励磁を解くか、ブレーキレ
バー12を手動操作して行なう。本発明に係るゴルフカ
ー1では、自動走行モードのときには電磁ブレーキ28
が主たる制動手段となり、マニュアル走行モードのとき
にはブレーキレバー操作によって作動するディスクブレ
ーキ31が主たる制動手段となる。
【0031】33はエンジン25のキャブレタで、この
キャブレタ33のスロットルバルブ開閉用ワイヤー34
は切換装置35に接続されている。また、このキャブレ
タ33には、スロットルバルブの開度を検出してメイン
コントローラ19へ出力するためのスロットルセンサ3
6が取付けられている。
【0032】前記切換装置35はゴルフカー1を自動走
行モードにして自動走行させるときと、マニュアル走行
モードにしてマニュアル走行させるときとでキャブレタ
駆動系を切換えるものであって、前記ワイヤー34の基
端に連結されるプーリ(図示せず)を備えている。そし
て、そのプーリには、電磁クラッチ37を介してステッ
プモータ38が連結されると共に、アクセルレバー11
によって操作されるワイヤー39が連結されている。す
なわち、前記プーリおよびキャブレタ33は、自動走行
モードのときにはステップモータ38によって駆動さ
れ、マニュアル走行モードのときにはアクセルレバー1
1によって駆動されることになる。
【0033】前記電磁クラッチ37およびステップモー
タ38は、図3に示すようにメインコントローラ19に
接続されており、メインコントローラ19からの制御信
号によってその動作が制御される。すなわち、自動走行
モードとされたときには、メインコントローラ19から
の制御信号によって電磁クラッチ37が連結されると共
に、所望のスロットル開度が得られるようにステップモ
ータ38が回転駆動される。また、マニュアルモードと
されたときには電磁クラッチ37の励磁が解かれて前記
プーリがワイヤー39によって操作できるようになる。
【0034】なお、前記ステップモータ38の動作量
は、後述するメインコントローラ19内のCPU(後述
する走行制御手段)が演算して決定される。
【0035】また、マニュアル走行モードのときに使用
される前記ワイヤー39は、前記ギヤボックス27に支
持されたガバナ装置40を介してアクセルレバー11側
のワイヤー11aに連結されている。
【0036】41はエンジン25を始動させるためのス
タータダイナモで、このスタータダイナモ41は、車体
2におけるエンジン25の前方となる位置に固定され、
ベルト41aを介してエンジン25のクランク軸側プー
リ(図示せず)に連結されている。なお、41bはこの
スタータダイナモ41の励磁コイルを示す。また、この
スタータダイナモ41は、エンジンスタータ(始動装
置)と発電機を兼ねる構造とされ、図3に示すように、
バッテリ42と抵抗器43とが切換リレー45を介して
並列に接続されており、スタータダイナモコントローラ
46を介してメインコントローラ19に接続されてい
る。また、バッテリ42と切換リレー45とはメインリ
レー44を介して接続されている。
【0037】そして、前記バッテリ42は図1および図
2に示すように、車体2の後部であって右側の車軸29
の丁度真上となる位置に搭載され、前記抵抗器43は、
車体2の前後方向中央部であって右側部(前記メインコ
ントローラ19とは反対側)に搭載されている。さら
に、メインリレー44と切換リレー45はスタータダイ
ナモ41の前方となる位置に、スタータダイナモコント
ローラ46は車体2のハンドルポスト8部分にそれぞれ
搭載されている。
【0038】このスタータダイナモ41は、メインリレ
ー44を接続状態として切換リレー45をバッテリ側に
切換えることによりエンジンスタータとして機能し、走
行中にメインリレー44を接続状態として切換リレー4
5をバッテリ側あるいは抵抗器側に切換えることによっ
て発電器として機能する。
【0039】前記メインリレー44のON・OFFおよ
び切換リレー45での切換えはスタータダイナモコント
ローラ46を介してメインコントローラ19からの制御
信号によって行われる。バッテリ42の充電量が不足し
ている場合には走行中に切換リレー45がバッテリ側へ
切換えられてバッテリー42が充電される。また、バッ
テリ42の充電量が充分である場合には、励磁コイル4
1bへのバッテリ42からの電流供給が停止されてスタ
ータダイナモ41での発電動作は中断される。これによ
って、走行中にスタータダイナモ41がエンジン25の
負荷となるのをなるべく防ぐように構成されている。
【0040】そして、ゴルフカー1が停止するときに
は、スタータダイナモ41は発電器として機能して抵抗
器43へ給電するように、メインリレー44,切換リレ
ー45がメインコントローラ19によって切換動作され
る。このようにするとエンジン25のクランク軸に加わ
る負荷が大きくなるので、スタータダイナモ41および
抵抗器43が補助的な制動手段として機能することにな
る。このスタータダイナモ41を用いた制動動作を、以
下において回生制動という。
【0041】47は本発明に係るゴルフカー1を自動走
行モードで走行させるときに無線操縦するための無線操
縦装置で、操縦者が手に持って操作する発信機48と、
この発信機48からの電波を受信する受信機(図示せ
ず)を内蔵しかつ車体2のゴルフカー1に搭載されたリ
モコン用コントローラ49とから構成されている。
【0042】前記発信機48はゴルフカー1を発進,停
止させるための自動発進・停止スイッチ48aを備え、
このスイッチのON,OFF状態を送信するように構成
されている。前記リモコン用コントローラ49は車体2
のハンドルポスト8部に搭載されてメインコントローラ
19に電気的に接続されており、発信機48からの電波
を受信して前記自動発進・停止スイッチ48aでのO
N,OFF状態に応じた発進信号(車体発進用操縦信
号)あるいは停止信号(車体停止用操縦信号)をメイン
コントローラ19へ出力するように構成されている。
【0043】なお、図2において50はエンジン25の
マフラーである。このマフラー50は、車体2の前後方
向略中央部であって、前記抵抗器43より車体内側とな
る右側部に固定されている。また、このマフラー50と
抵抗器43との間には、グラスウールを断熱材とした断
熱部材50aが介入されている。
【0044】次に、メインコントローラ19の構成を詳
細に説明する。メインコントローラ19は、上述したよ
うに自動操向装置14を制御する操向制御手段と、図4
に符号51で示す走行制御手段とを備えている。
【0045】前記走行制御手段51は、前記発進・停止
スイッチ24およびリモコン用コントローラ49に接続
された発進・停止スイッチ入力部52と、エンジン回転
数センサ25aに接続された回転数センサ入力部53
と、車速センサ32に接続された車速センサ入力部54
と、スロットルセンサ36に接続されたスロットルセン
サ入力部55と、これらの各入力部に接続されたCPU
56と、このCPU56に接続されたブレーキ出力部5
7,スロットル出力部58,点火出力部59,スタータ
ダイナモ出力部60等とから構成されている。
【0046】また、前記ブレーキ出力部57は電磁ブレ
ーキ28に接続され、スロットル出力部58はステップ
モータ38,電磁クラッチ37に接続され、点火出力部
59はエンジン25の点火回路61に接続され、スター
タダイナモ出力部60はスタータダイナモコントローラ
46に接続されている。
【0047】前記CPU56は、走行制御処理部62
と、停止制御処理部63と、この停止制御処理部63と
共に本発明に係る停止動作制御手段を構成する停止判断
処理部64と、異常判断処理部65等とから構成されて
いる。以下、各処理部の機能について説明する。
【0048】走行制御処理部62は、発進・停止スイッ
チ24や前記発信機48の自動発進・停止スイッチ48
aがON操作されたときにスタータダイナモ41を作動
させてエンジン25を始動させ、マニュアル走行モード
でアクセルレバー11が戻されたときに、エンジン25
を失火させて停止させる。なお、メインスイッチ装置2
2に設けられたメインスイッチ(図示せず)をOFFす
ると、電磁ブレーキ28が制動状態となって後輪4が制
動状態となる。
【0049】また、この走行制御処理部62は、自動走
行モードのときにはエンジン始動後に車体2を一定速度
をもって走行させるように構成されている。なお、自動
走行モードのときには、車体2の停止動作は後述する停
止動作制御手段によって制御される。自動走行モードの
ときに車速を一定に保つには、ステップモータ38への
パルス信号を制御してステップモータ38の動作量を変
え、キャブレタ33の開度を調節することによって行わ
れる。ステップモータ38の動作量は、スロットルセン
サ36で検出されたスロットル開度と、車速センサ32
で検出された車速と、エンジン回転数センサ25aで検
出されたエンジン回転数とから演算して決定される。
【0050】停止制御処理部63は、前記自動発進・停
止スイッチ48aがON操作されたときに、電磁ブレー
キ28を励磁させて非制動状態とさせる制御信号をブレ
ーキ出力部57へ出力する。
【0051】また、停止制御処理部63は、前記自動発
進・停止スイッチ48aがOFF操作されたときに、ス
テップモータ38を停止させると共に電磁クラッチ37
を非連結状態とする制御信号をスロットル出力部58へ
出力する。すなわち、自動モードでゴルフカー1を走行
させているときに停止させようとして発信機48の自動
発進・停止スイッチ48aをOFF操作すると、換言す
ればリモコン用コントローラ49から停止信号(車体停
止用操縦信号)が入力されると、電磁クラッチ37が切
れてキャブレタ33のスロットルバルブがリターンスプ
リング(図示せず)によって全閉状態となる。このとき
には、ステップモータ38の出力軸は最終回転位置に保
持される。なお、この停止制御処理部63によってステ
ップモータ38が停止されると、上述した走行制御処理
部62が有するステップモータ作動用パルスカウンタ
は、パルス数が0となるようにリセットされる。また、
本実施例では、停止信号が入力されたときには、この停
止制御処理部63は回生制動が得られるようにスタータ
ダイナモコントローラ46に制御信号を出力する。
【0052】さらに、この停止制御処理部63は、停止
信号が入力された後の走行状態が以下の2つの状態のう
ち何れか一方となった後に、エンジン25を失火させる
ように制御信号を点火出力部59に出力し、かつ電磁ブ
レーキ28の励磁を解いて制動状態とするようにブレー
キ出力部57に制御信号を出力する。
【0053】前記2つの走行状態としては、回転数セン
サ25aによって検出されたエンジン25の回転数がV
ベルト式自動変速装置26内の遠心クラッチの切れる回
転数に達した状態と、車速センサ32によって検出され
た車速が一定の低速値に達した状態をいう。なお、その
低速値としては、本実施例では、ゴルフカー1が平坦路
を走行している状態でスロットルバルブを全閉動作さ
せ、エンジン回転数が低下してVベルト式自動変速装置
26内の遠心クラッチが切れたときの車速程度に設定さ
れる。
【0054】停止判断処理部64は、前記停止制御処理
部63が停止制御を行なっているとき、換言すれば停止
信号が入力されてからエンジン25の停止動作および電
磁ブレーキ28での制動動作が終了するまでは、前記走
行制御処理部62に発進信号が入力されてもその発進信
号を無効とし、エンジン25や電磁ブレーキ28の動作
が終了した後に走行制御処理部62を発進信号入力待ち
状態とするように構成されている。
【0055】すなわち、走行制御処理部62は、車体2
が停止するまでは発進信号が入力されたとしても発進信
号を実質的に無視することになる。
【0056】異常判断処理部65は、メインコントロー
ラ19や制御用電子機器などの制御系の電圧値が所定の
範囲内にないときや、自動・マニュアル走行切換スイッ
チ23あるいは発進・停止スイッチ24などに電気的な
異常があるときに、停止信号(車体停止用操縦信号)を
自動発進・停止スイッチ48aがOFF操作されたとき
と同様に前記停止制御処理部63に出力する。また、停
止信号を出力すると同時に、メインコントローラ19に
接続された警報装置(図3および図4中符号65で示
す)を作動させる。
【0057】次に、上述したように構成されたゴルフカ
ー1の動作を説明する。ゴルフカー1に操縦者が乗車し
て走行するときには、自動・マニュアル走行切換スイッ
チ23をマニュアル側に切換えてマニュアル走行モード
とし、アクセルレバー11を操作する。この操作と同時
にエンジン25が始動し、これによってゴルフカー1を
発進させることができる。走行中の操向操作はハンドル
10を手操作で回動させて行なう。なお、停止させると
きには、アクセルレバー11を戻せばエンジン25が失
火されて停止する。さらに、メインスイッチ装置22の
メインスイッチ(図示せず)をOFFすると電磁ブレー
キ28が無励磁状態となって後輪4がロックされる。
【0058】ゴルフカー1を自動走行(無人走行)させ
るときには、自動・マニュアル走行切換スイッチ23を
自動側へ切換えて自動走行モードとし、発信機48の自
動発進・停止スイッチ48aをON操作する。このよう
にすることでエンジン25が自動的に始動して車体2は
一定速度をもって走行するようになる。このときのゴル
フカー1の発進停止動作を図5および図6によって説明
する。なお、走行中はメインコントローラ19の操向制
御手段が作動し、ゴルフ場に敷設された誘導線に沿って
車体2が自動的に操向される。
【0059】ゴルフカー1を自動走行モードで発進させ
るには、図5中ステップS1 において自動発進・停止ス
イッチ48aをON操作することによって行なう。この
ようにすると発進信号がメインコントローラ19の走行
制御処理部62に入力され、走行制御処理部62が車体
2を自動走行させる(ステップS2 )。
【0060】なお、走行中には、メインコントローラ1
9内の異常判断処理部65が制御系に電気的な異常があ
るか否かを判定し、異常が検出されたときには停止制御
処理部63に検出信号を出力する。停止制御処理部63
は、前記検出信号が入力されると後述する停止動作を行
なう。
【0061】そして、操縦者がゴルフカー1を停止させ
ようとして自動発進・停止スイッチ48aをOFF操作
すると(ステップS3 )、ステップS4 において停止信
号がメインコントローラ19の停止制御処理部63に入
力されて停止動作が行われる。このときには、停止制御
処理部63と同時に停止判断処理部64も作動され、停
止判断処理部64が待機状態となる。ここで、停止制御
処理部63での停止動作を図6に示すフローチャートに
よって詳細に説明する。
【0062】自動発進・停止スイッチ48aがOFF操
作されたときには(図6中ステップP1 )、メインコン
トローラ19の停止制御処理部63によってステップモ
ータ38が停止されると共に電磁クラッチ37が切られ
てキャブレタ33内のスロットルバルブが全閉動作され
る。また、これと同時にスタータダイナモ41が発電動
作して抵抗器43に給電するようになる。
【0063】このようにすると、ゴルフカー1はエンジ
ンブレーキと回生制動によって減速されることになる。
【0064】次に、ステップP2 において、エンジン回
転数が設定回転数(遠心クラッチの切れる回転数)に達
したか否かを停止制御処理部63が判定する。エンジン
回転数が設定回転数以上であるときには、ステップP3
へ進み、ゴルフカー1の速度が設定速度(予め設定され
た低速値)に達したか否かを判定する。そして、車速が
設定値に達していないときはステップP2 へ戻る。
【0065】そして、エンジンブレーキと回生制動によ
る減速によってエンジン回転数が設定回転数より低下し
たときや、車速が設定速度より低下したときには、ステ
ップP4 へ進む。ステップP4 では、停止制御処理部6
3によりエンジン25が停止されると共に電磁ブレーキ
28が無励磁状態とされてゴルフカー1が停止される。
【0066】上述した停止動作が行われているときに図
5中ステップS5で示すように自動発進・停止スイッチ
48aがON操作されると、待機状態とされていた停止
判断処理部64が停止制御処理部63での停止動作が終
了しているか否かを判定する(ステップS6 )。
【0067】停止動作が終了している場合にはステップ
7 においてこの停止判断処理部64が走行制御処理部
62を発進信号入力待ち状態とする。また、停止動作が
終了していない場合には、停止動作が終了するのを待っ
てステップS7 へ進む。
【0068】このようにして自動走行モードでゴルフカ
ー1が自動走行される。
【0069】したがって、本発明に係るゴルフカー1に
よれば、停止動作中に発進操作を行なったとしてもメイ
ンコントローラ19の停止制御処理部63は停止制御を
行い続けることになるから、制御装置での停止制御動作
と発進制御動作とが輻輳することがない。このため、メ
インコントローラ19が過負荷になるのを防ぐことがで
きる。
【0070】また、本実施例で示したように減速時にエ
ンジンブレーキと回生制動を併用するように構成する
と、下り坂の途中などで停止させるときにも比較的速や
かに停止させることができる。
【0071】さらに、マフラー50や抵抗器43などの
熱を発する部材を車体2の右側部に配置し、メインコン
トローラ19を車体2の左側部に配置すると、メインコ
ントローラ19が前記各部材によって加熱されるのを防
ぐことができる。
【0072】なお、本実施例ではステアリングコントロ
ーラ20,スタータダイナモコントローラ46およびリ
モコン用コントローラ49をそれぞれ車体2に別個に搭
載した例を示したが、これらのコントローラはメインコ
ントローラ19内に配設することもできる。
【0073】また、本実施例では停止動作が終了したか
否かを停止制御処理部63の動作状態から検出する構成
としたが、本発明はこのような限定にとらわれることな
く、停止信号が入力されたときに作動を開始するタイマ
ーによって停止動作終了時を検出する構成とすることも
できる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る無人搬
送車は、エンジンを駆動源として走行する車体に、この
車体を発進,停止させる走行装置と、誘導経路に沿って
車体の操向輪を転舵させる操向装置とを設け、前記走行
装置に、車体停止用操縦信号が入力された時から停止動
作が終了するまでの間は車体発進用操縦信号が入力され
てもその車体発進用操縦信号を無効とし、停止動作終了
後は車体発進用操縦信号入力待ち状態とする停止動作制
御手段を設けたため、停止動作中に発進操作を行なった
としても走行装置の制御装置は停止制御を行い続けるこ
とになるから、制御装置での停止制御動作と発進制御動
作とが輻輳することがない。
【0075】したがって、制御装置が過負荷となるのを
防ぐことができるから、自動操向式の無人搬送車をエン
ジンで駆動するようにしても制御装置は故障し難くな
る。このため、本発明に係る無人搬送車をゴルフカーに
適用すると、軽量で芝を痛めることの少ないゴルフカー
を得ることができる。
【0076】また、本発明によれば、操縦者が誤操作し
たとしても車両が無駄に発進することがなくなるので、
バッテリの電力,燃料等が無駄に消費されることもなく
なるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無人搬送車としてのゴルフカーの
概略構成を示す側面図である。
【図2】本発明に係る無人搬送車としてのゴルフカーの
概略構成を示す平面図である。
【図3】車体構成を示すブロック図である。
【図4】制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るゴルフカーの発進,停止動作を説
明するためのフローチャートである。
【図6】制御装置での停止制御処理手順を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 ゴルフカー 2 車体 6 キャリア 14 操向装置 19 メインコントローラ 25 エンジン 25a エンジン回転数センサ 26 Vベルト式自動変速装置 28 電磁ブレーキ 32 車速センサ 33 キャブレタ 47 無線操縦装置 51 走行制御手段 63 停止制御処理部 64 停止判断処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05D 1/00 A63B 55/08 G05D 1/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンを駆動源として走行する車体
    に、この車体を発進,停止させる走行装置と、誘導経路
    に沿って車体の操向輪を転舵させる操向装置とを設け、
    前記走行装置に、車体停止用操縦信号が入力された時か
    ら停止動作が終了するまでの間は車体発進用操縦信号が
    入力されてもその車体発進用操縦信号を無効とし、停止
    動作終了後は車体発進用操縦信号入力待ち状態とする停
    止動作制御手段を設けたことを特徴とする無人搬送車。
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