JP2958807B2 - インダクタ及びその製造方法 - Google Patents

インダクタ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,電子回路に供されるインダクタに関し,特
にその高性能なインダクタとこのインダクタの製造方法
に関する。
[従来の技術] 従来のインダクタは,内部コイルに対して磁性粉末は
方向性を持つことなく製造されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら,前述した従来のインダクタは,磁性粉
末の容易磁化方向が様々であるため得られるインダクシ
ョン係数が小さく,大きなインダクタンス或いはインピ
ーダンスを得るためには,コイルの直流抵抗は小さくす
ることが望ましいのに反して,巻回数を多くしなくては
ならないという課題があった。
そこで,本発明の技術課題は,より小型にかつより大
きなインダクタンス及びインピーダンスを得るインダク
タ及びその製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば,磁性粉末を結合剤で固めた磁性体内
に,コイルを埋め込んでその両端子を前記磁性体外へ引
き出した構造のインダクタにおいて,前記磁性粉末粒子
の磁化容易軸方向は,前記コイルに直前電流を通電した
際に形成する磁界の方向に沿って配向していることを特
徴とするインダクタが得られる。
本発明によれば,磁性粉末と結合剤との混合粉末にコ
イルを埋め込んで成形するインダクタの製造方法におい
て,前記磁性粉末粒子の磁化容易軸方向を,前記コイル
に通電して形成される磁界の向きに沿って配向させなが
ら成形することを特徴とするインダクタの製造方法が得
られる。
[作 用] 本発明のインダクタにおいては,コイルに電流を流し
た際発生する磁界に対して磁性粉末の容易磁化方法が配
向しているためインダクション係数が高く従来と比較し
同等なインダクタンス,或いは,インピーダンスを得る
ために巻回数を少なくできるため同等なイダクタンス或
いはインピーダンスを得るために巻回数を少なくできる
ためより小型にできる。さらに,直流抵抗も小さくする
ことができる。
[実施例] 以下,本発明の実施例について説明する。
第1図(a)は本発明の実施例のインダクタの構成を
示す図,第1図(b)は第1図(a)の磁性粉末粒子を
説明するための模式図である。
第1図(a)において,本発明の実施例に係るインダ
クタは,コイル1と,このコイル1の両端に接続された
電極端子2,3と,この電極端子2,3間に充填された磁性体
ブロックから構成されている。第1図(b)に示すよう
に,磁性体ブロックを構成する磁性粉末粒子はフェライ
トからなりその磁化容易軸方向が,コイル1に直流電流
を通じたときに,このコイル1に形成される磁界方向に
沿って配向している。
第2図(a),(b),(c),及び(d)は第1図
のインダクタの製造工程の概略を示す図である。
第2図(a)のように,端子2,3を両端に接続したコ
イル1を第2図(b)に示すように成形型5にはめ込
み,第2図(c)のように,端子2,3間に直流電流Iを
重畳しながらエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる結
合剤を混合した磁性粉末6を充填成形し,加熱してフェ
ライト粉末からなる磁性粉末を結着させて成形型5から
外し,第2図(d)に示すインダクタが得られた。
第3図及び第4図は第1図に示したインダクタの動作
を模式的に示す図である。
第3図で示すように,インダクタは磁性粉末充填の際
に,コイル1に直流電流Iを流すことで,このコイル1
周囲に磁束Φが発生しその磁界により第4図に示すよう
に,磁性粉末6は磁化容易軸方向に配向し成形される。
従って,従来に比べてインダクション係数が約2倍と
なり,同等なインダクタンス及びインピーダンスを得る
ための巻回数が6回から4回に低減され,直流抵抗も2/
3となり,より小型化も実現された。
尚,本発明の実施例においては,磁性粉末としてフェ
ライト粉末を用いたが,磁性粉末であればフェライトに
限定されるものではない。また,この磁性粉末を結着す
る結合剤として,エポキシ樹脂等の熱硬化性結合剤を用
いたが,磁性粉末を結着するものであれば,ポリエチレ
ン等の熱可塑性樹脂でも良く,これら結合剤の種類には
限定されるものではない。
また,本発明の実施例で用いた端子付コイル及び成形
型等は,本発明の効果を得るためにはどの様な形状でも
良く,いずれも本発明の実施例と同様な効果が得られ
る。また,本発明の実施例では,特に触れてはいなかっ
たが,磁性粉末の充填密度を上げるため圧縮成形,押出
成形及び射出成形等の加圧成形を施しても一向に差し支
えなく,更に,成形金型として金属製のものを使用する
際も,端子間の電気的短絡が無いように絶縁処理が施さ
れ成形時のコイル1に電流が流れるならば,本発明の実
施例と同様の効果が得られることは明らかである。
更に,本発明の実施例のコイルは,空心コイルを用い
たが,コアを有するコイルでも,コア外部に磁束が漏れ
た場合において,本発明を実施することで,本発明の実
施例に同様な効果が得られる。
[発明の効果] 以上,説明したように,本発明によれば,より小型
で,かつより大きなインダクタンス及びインピーダンス
を有するインダクタ及びこのインダクタの製造方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の実施例のインダクタの構成を示
す図,第1図(b)は第1図(a)の磁性粉末粒子を説
明するための模式図,第2図(a),(b),(c),
(d)は第1図のインダクタの製造工程の概略を示す
図,第3図及び第4図は第1図に示したインダクタの動
作を模式的に示す図である。 図中,1……コイル,2・3……電極端子,4……磁性体ブロ
ック,5……直流電源,6……磁性粉末粒子。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性粉末を結合剤で固めた磁性体内に,コ
    イルを埋め込んでその両端子を前記磁性体外へ引き出し
    た構造のインダクタにおいて, 前記磁性粉末粒子の磁化容易軸方向は,前記コイルに直
    前電流を通電した際に形成する磁界の方向に沿って配向
    していることを特徴とするインダクタ。
  2. 【請求項2】磁性粉末と結合剤との混合粉末にコイルを
    埋め込んで成形するインダクタの製造方法において, 前記磁性粉末粒子の磁化容易軸方向を,前記コイルに通
    電して形成される磁界の向きに沿って配向させながら成
    形することを特徴とするインダクタの製造方法。
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