JP6817802B2 - リアクトルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性粉末と樹脂からなるコアと、コイルとを備えたリアクトルの製造方法に関する。
OA機器、太陽光発電システム、自動車、無停電電源など様々な用途にリアクトルが用いられている。リアクトルは、例えば、出力系への高調波電流の流出を防止するフィルタや、電圧を昇降させる電圧昇降用コンバータなどに用いられる。
リアクトルには、用途に合わせて透磁率、インダクタンス値、鉄損などの磁気特性が求められる。例えば、電圧昇降用のコンバータに用いられるリアクトルは、エネルギー変換効率の向上が求められるため、エネルギー損失である鉄損が小さいことが求められる。
また、様々な用途に対応するため、リアクトルに用いられるコアを任意の形状に成型したいという要望もある。このような要望に応えるリアクトルとして、メタルコンポジットコアと呼ばれるタイプのコアを備えたものがある。
メタルコンポジットコア(以下、単にMCコアともいう。)は、金属磁性粉末と樹脂とを混ぜた材料を所定形状に成型して固化させてなるコアである。従来のMCコアは、その材料がスラリー状であり、容器に当該材料を流し込みやすく、所定の形状を形成できる成型性に利点がある。
特開2012− 33727号公報
MCコアは、フラットな磁気特性を有している。すなわち、MCコアは、フェライトコアに比べて磁気飽和しにくく、コイルに流す電流を増大させても、透磁率が低下しにくい特性がある。つまり、言い換えると、MCコアは、初透磁率、すなわち、コイルに電流を流していない時の透磁率が低い傾向にあるという特性がある。
ところで、透磁率を高めようとする技術として、MCコア製造過程において、外部から磁界を印加してMCコア内の磁性粉末の配向を揃える技術が知られている(特許文献1)。
このような従来技術では、別途、電流経路を形成するための導電部材を設置して、当該導電部材を通電することにより磁界を発生させ、MCコアの材料に対し、外部から磁界を印加する。このような導電部材は、例えば、MCコアの材料を入れた容器の外側に設けられており、所望の配向にするために当該導電部材の設置位置を移動させる必要がある。
しかし、当該導電部材の設置条件の制約上から、実際に配向させたい向きに磁束を発生させることが難しい。そのため、実際に配向させたい向きと導電部材により発生する磁束の向きとが不一致となり、初透磁率を高める効果が得られない場合があった。
本発明の目的は、初透磁率の高いコアを備えたリアクトルを得ることのできるリアクトルの製造方法を提供することにある。
また、本発明のリアクトルの製造方法は、磁性粉末及び樹脂を含むコアと、前記コアに装着されたコイルとを備えたリアクトルの製造方法であって、下記の構成を備えたことを特徴とする。
(1)前記磁性粉末に対して3〜5wt%の樹脂を混合する混合工程。
(2)前記混合工程で得た混合物を所定の容器に入れて成型する成型工程。
(3)前記成型工程で得た成型体に前記コイルを構成する導線を巻回する巻回工程。
(4)前記導線が巻回された前記成型体中の前記樹脂を硬化させる硬化工程。
(5)前記硬化工程時に前記導線に通電し、前記成型体に磁界を印加する磁界印加工程。
(6)前記成型工程では、前記混合物を押圧して所定の形状に成型する加圧工程を含む。
本発明によれば、初透磁率の高いコアを備えたリアクトルを得ることのできるリアクトルの製造方法を提供することができる。
実施形態に係るリアクトルの製造方法を説明するためのフローチャートである。 成型工程及び加圧工程を説明するための図である。 磁界を印加する場合と印加しない場合の樹脂量に対する初透磁率のグラフである。 樹脂量に対する透磁率の変化率のグラフである。 磁界に対する初期のインダクタンス値の変化率のグラフである。 樹脂量3wt%として硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値のグラフである。 樹脂量3wt%として硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値の変化率を示すグラフである。 樹脂量4wt%として硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値のグラフである。 樹脂量4wt%として硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値の変化率を示すグラフである。 樹脂量5wt%として硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値のグラフである。 樹脂量5wt%として硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値の変化率を示すグラフである。
[1.実施形態]
[1−1.構成]
本実施形態のリアクトルは、コアと、コイルとを備える。コアは、磁性粉末と樹脂とを含み構成されたメタルコンポジットコアである。磁性粉末と樹脂とを混合した粘土状の混合物を、所定の容器に充填し、加圧することでコアを所定の形状とすることができる。コアの形状は、例えば、トロイダル状コア、I型コア、U型コア、θ型コア、E型コア、EER型コアなど、種々の形状とすることができる。
磁性粉末としては、軟磁性粉末が使用でき、特に、Fe粉末、Fe−Si合金粉末、Fe−Al合金粉末、Fe−Si−Al合金粉末(センダスト)、又はこれら2種以上の粉末の混合粉などが使用できる。Fe−Si合金粉末としては、例えば、Fe−6.5%Si合金粉末、Fe−3.5%Si合金粉末を使用できる。軟磁性粉末の平均粒子径(D50)は20μm〜150μmが好ましい。なお、本明細書において「平均粒子径」とは、特に断りがない限り、D50、すなわちメジアン径を指すものとする。
磁性粉末は、平均粒子径の異なる2種類以上の磁性粉末から構成しても良い。この場合、磁性粉末は、第1の磁性粉末と、第1の磁性粉末より平均粒子径の小さい第2の磁性粉末とから構成し、その重量比率は、第1の磁性粉末:第2の磁性粉末=80:20〜60:40とすることが好ましい。この範囲とすることで密度が向上し、透磁率も向上するともに、鉄損を小さくすることができる。
第1の磁性粉末の平均粒子径は100μm〜200μm、第2の磁性粉末は、3μm〜10μmが好ましい。第1の磁性粉末同士の隙間に平均粒子径の小さい第2の磁性粉末が入り込み、密度及び透磁率の向上と低鉄損化を図ることができるからである。
第1の磁性粉末及び第2の磁性粉末は、球形であることが好ましい。第1の磁性粉末の円形度は、0.93以上であり、第2の磁性粉末の円形度は、0.95以上であることが好ましい。第1の磁性粉末同士の隙間が少なくなり、かつ、当該隙間により多くの第2の磁性粉末が入り込み易くなり、密度及び透磁率の向上を図ることができるからである。
なお、第1の磁性粉末と第2の磁性粉末の種類は同じでも良いし、異なっていても良い。異なる場合は3種以上であっても良い。3種類以上の粉末により磁性粉末を構成する場合、各種類で平均粒子径を異ならせても良い。
第1の磁性粉末は、粉砕分を用いることが好ましい。第2の磁性粉末は、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、水・ガスアトマイズ法により製造されるものを使用できるが、特に、水アトマイズ法によるものが好ましい。理由は、水アトマイズ法はアトマイズ時に急冷するため、粉末が結晶化しにくいからである。
樹脂は、磁性粉末を混合され、磁性粉末を保持する。磁性粉末が平均粒子径の異なる種類の粉末で構成される場合、各粉末を均質に混合した状態で保持する。樹脂としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂が使用できる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂などが使用できる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、アクリレート系、エポキシ系の樹脂を使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミドやフッ素樹脂などの耐熱性に優れた樹脂を使用することが好ましい。硬化剤を添加することにより硬化するエポキシ樹脂は、硬化剤の添加量などによってその粘度を調整できることから、本発明に適している。熱可塑性のアクリル樹脂やシリコーン樹脂も使用可能である。
樹脂は、磁性粉末に対して3〜5wt%含有されていることが好ましい。樹脂の含有量が3wt%より少ないと、磁性粉末の接合力が不足し、コアの機械的強度が低下する。また、樹脂の含有量が5wt%より多いと、第1の磁性粉末間に形成された樹脂が入り込み、その隙間を第2の磁性粉末が埋めることができなくなるなど、コアの密度が低下し、初透磁率が低下する。
樹脂の粘度は、磁性粉末との混合時において50〜5000mPa・sであることが好ましい。粘度が50mPa・s未満であると、混合時において樹脂が磁性粉末に絡みつくことがなく、容器内で磁性粉末と樹脂とが分離しやすくなり、コアの密度又は強度にバラツキが生じる。粘度が5000mPa・sを超えると、粘度が高くなりすぎ、例えば、第1の磁性粉末間に形成された樹脂が入り込み、その隙間を第2の磁性粉末が埋めることができなくなるなど、コアの密度が低下し、透磁率が低下する。
樹脂には、粘度調整材料として、SiO、Al、Fe、BN、AlN、ZnO、TiOなどを使用することができる。粘度調整材料としてのフィラーの平均粒子径は、第2の磁性粉末の平均粒子径以下、好ましくは第2の磁性粉末の平均粒子径の1/3以下が良い。フィラーの平均粒子径が大きいと、得られたコアの密度が低下するからである。また、樹脂には、Al、BN、AlNなどの高熱伝導率材料を添加することができる。
コアの見かけ密度の、磁性粉末の真密度に対する割合は、76.47%超であることが好ましく、77.5%以上であると更に好ましい。当該割合が76.47%超であると、透磁率を高くすることができる。逆に、当該割合が76.47%以下であると、低密度により低透磁率となる。
コイルは、絶縁被覆が施された導線であり、線材として銅線やアルミニウム線を用いることができる。コイルは、コアの少なくとも一部に導線が巻き回されて形成され或いは装着されており、コアの少なくとも一部の周囲に配置される。コイルの巻き方や線材の材料、形状は特に限定されない。
[1−2.リアクトルの製造方法]
本実施形態に係るリアクトルの製造方法について、図面を参照しつつ説明する。本リアクトルの製造方法は、図1に示すように、(1)混合工程、(2)成型工程、(3)加圧工程、(4)硬化工程、及び(5)磁界印加工程を備える。
(1) 混合工程
混合工程は、磁性粉末と樹脂とを混合する工程である。磁性粉末が、平均粒子径の異なる2種類の磁性粉末から構成される場合には、混合工程は、第1の磁性粉末と、第1の磁性粉末より平均粒子径の小さい第2の磁性粉末とを混合し、磁性粉末を構成する磁性粉混合工程と、磁性粉末に対して3〜5wt%の樹脂を添加し、磁性粉末と樹脂とを混合する樹脂混合工程とを有する。
各混合工程の混合は、所定の混合器を用いて自動で、又は手動で行うことができる。各混合工程の混合時間は、適宜設定することができ、特に限定されるものではないが、例えば2分間とする。
このような混合工程により、磁性粉末と樹脂との混合物(以下、複合磁性材料ともいう)を得ることができる。なお、混合工程は、成型工程において複合磁性材料を成型するための容器に、磁性粉末と樹脂とを充填して混合しても良い。これにより、複合磁性材料を容器に移し替える必要がなく、製造工数を削減することができる。
(2) 成型工程
成型工程は、複合磁性粉末を所定形状の容器に入れて所定の形状に成型する工程である。成型工程では、複合磁性粉末とともにコイルを入れて成型しても良い。
容器としては、製造するコアの形状に合わせて各種の形状のものを使用する。コイルを入れる場合には、容器は、上方からコイルを挿入できるよう、上面開口型の箱型や皿形の容器を使用する。成型工程で使用する容器は、そのままコアとコイルとを収容するリアクトルの外装ケースとして使用することもできる。当該容器を外装ケースとして使用すれば、複合磁性粉末の硬化後に容器を取り出す必要がない利点がある。容器を外装ケースとして使用しない場合には、1つの容器で複数のリアクトルを製造するようにしても良い。すなわち、容器の底部に複数の凹部を形成しておき、当該凹部に複合磁性材料及びコイルを入れることにより、複数のリアクトルを製造するようにしても良い。このようにすることで、複数のリアクトルに対し、一度の成型工程で済むので、製造効率を向上させることができる。
成型工程に使用する容器としては、その全部又は一部を樹脂成型品によって構成することができる。容器を樹脂製にすることにより、製造コストを削減することができ、かつ、MCコアの任意の形状とできる利点を活かすことができる。すなわち、樹脂は、比較安価な材料であるため、容器を製造するコストを抑えることができるとともに、射出成型等により、任意の形状のコアを形成することができる。樹脂成型品の材料としては、例えば、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、BMC(バルクモールディングコンパウンド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等を用いることができる。
また、容器の全部又は一部を、アルミニウム、マグネシウムなどの熱伝導性の高い金属で構成しても良い。後述するように、加圧工程において複合磁性材料を温めやすくなるからである。
(3) 加圧工程
加圧工程は、成型工程時に、複合磁性材料を押圧部材で押圧する工程である。容器に入れられた粘土状の複合磁性材料を、押圧部材で押圧することにより、容器の形状に複合磁性材料を押し広げるとともに、複合磁性材料に含まれていた空隙を減少させ、見かけ密度、初透磁率及び初期のインダクタンス値を向上させる。初期のインダクタンス値とは、本発明により得られたリアクトルのコイルに電流を流していない時、すなわち硬化工程中の印加磁界が0(kA/m)の時のインダクタンス値である。
容器にコイルを入れない場合は、当該工程により、複合磁性材料が容器内部の形状となる。すなわち、複合磁性材料から構成された所定の形状の成型体を得ることができる。
容器にコイルを入れる場合は、図2に示すように、容器内に複合磁性材料を入れて、押圧部材により容器の形状に複合磁性材料を押し広げる。その後、複合磁性材料を押圧したことによりできたスペースにコイルを挿入し、さらに複合磁性材料を充填し、コイルとともに複合磁性材料を押圧部材により上から押圧する。或いは、容器内に複合磁性材料を入れ、その後、コイルをその内外周を含めて当該複合磁性材料に埋設し、コイルとともに複合磁性材料を上から押圧するようにしても良い。このように、コイルとともに複合磁性材料を押圧することにより、複合磁性材料に含まれていた空隙を減少させ、見かけ密度及び透磁率を向上させることができる。なお、コイルが存在する部分は避けて、複合磁性材料のみを押圧するようにしても良い。このように、当該工程により、コイルを含んだ所定形状の複合磁性材料の成型体を得ることができる。
このように、加圧工程は、複合磁性材料を押圧部材で押圧して、当該材料を容器の形状としても良く、この場合は、加圧工程を、加圧工程及び成型工程と捉えることができる。
複合磁性材料を押圧する圧力は、6.3kg/cm以上であることが好ましい。この値未満であれば、押圧する圧力が小さく、見かけ密度を向上させる効果が小さい。また、当該値以上であっても、15.7kg/cm以下であることが好ましい。この値を超えて押圧しても、見かけ密度を向上させる効果が小さいからである。また、この値を超えて応圧すると、樹脂のみが押圧されて、磁性粉末間の絶縁性が悪化するからである。
複合磁性材料を押圧する時間は、樹脂の含有量や粘性によって適宜変更することができる。例えば、10秒とすることができる。
加圧工程は、容器又は複合磁性材料を押圧する押圧部材を常温(例えば25℃)よりも高い温度にして行っても良い。容器又は押圧部材の温度を上げることにより、樹脂が温められ、柔らかくなる。そのため、容器内の隙間に複合磁性材料が流れ込み易くなり、成型性を向上させることができるとともに、複合磁性材料中の空隙に当該材料が流れ込み易くなり、見かけ密度を向上させることができる。容器又は複合磁性材料を押圧する押圧部材の温度は、複合磁性材料に含まれる樹脂の軟化点より高くすると良い。効果的に樹脂を柔らかくすることができるからである。加圧工程は、容器又は複合磁性材料を押圧する押圧部材の温度を保持したまま行っても良い。
また、加圧工程は、容器又は押圧部材の温度を上げておく他、複合磁性材料自体を温めておいて当該複合磁性材料を押圧するようにしても良い。容器又は複合磁性材料を押圧する押圧部材の温度を保持し、かつ、複合磁性材料自体を温めておいて押圧するようにしても良い。
(4) 硬化工程
硬化工程は、成型工程で得た成型体中の樹脂を硬化させる工程である。成型体中の樹脂の乾燥により硬化させる場合、乾燥雰囲気は、大気雰囲気とすることができる。乾燥時間は、樹脂の種類、含有量、乾燥温度等に応じて適宜変更可能であり、例えば、1時間〜4時間とすることができるが、これに限定されない。乾燥温度は、樹脂の種類、含有量、乾燥時間等に応じて適宜変更可能であり、例えば、85℃〜150℃とすることができるが、これに限定されない。なお、乾燥温度は、乾燥雰囲気の温度である。
また、樹脂の硬化は、乾燥に限られず、樹脂の種類によって硬化方法は異なる。例えば、樹脂が熱硬化性樹脂であれば、熱を加えることにより樹脂を硬化させ、樹脂が紫外線硬化性樹脂であれば、成型体に紫外線を照射させることで樹脂を硬化させる。
硬化工程は、所定の温度で所定時間成型体を硬化させる工程を複数回繰り返しても良い。また、例えば、樹脂の乾燥により硬化させる場合、複数回繰り返す毎に、乾燥温度又は乾燥時間を異ならせても良い。
(5) 磁界印加工程
磁界印加工程は、硬化工程時に複合磁性材料からなる成型体が備えるコイルを通電し、当該成型体に磁界を印加する工程である。成型体にコイルが埋設されている場合は、当該コイルを通電する。成型体を得た後、当該成型体に導線を巻回してコイルを構成する場合は、当該コイルを通電する。
磁界印加工程は、成型体中の樹脂が固化するまでに行えば良く、磁界印加工程は、硬化工程前に行っても良い。また、磁界印加工程は、硬化工程を複数回行う場合には、その硬化工程間に行っても良い。
磁界印加工程により、成型体中の磁性粉末が、印加された磁界の向きに揃うこととなり、配向性を有する結果、初透磁率の高いコアを得ることができる。すなわち、磁界印加工程は、硬化工程の間、成型体に磁界を印加する手段として、リアクトルとして備えるコイルを用いるものであるため、リアクトル製品自身が発生させる磁束の向きに配向性を有するため、リアクトル製品自身が発生させる磁束と磁性粉末の配向が一致する。
この配向性の一致の程度は、磁性粉末の磁化容易軸が、リアクトルが備えるコイルにより発生する磁束の向き(磁力線の方向)と一致していることが望ましいが、磁化容易軸が磁力線に対して45°程度まで傾いていても良い。このように、磁界印加工程により、初透磁率の高いコアを得ることができる。
成型体に印加する磁界は、2kA/m以上であることが好ましい。後述の実施例で示すように、L0値飽和増加率の半分以上のL0値増加の効果が得られるからである。L0値飽和増加率とは、下記の式(5)に基づき得られるL0値の変化率であり、式(5)中のL0(H)は、硬化中の印加磁界を、L0値の向上が飽和する磁界を印加して得たリアクトルの初期インダクタンス値である。
また、第2の磁性粉末が励磁されると、磁性粉末中の結晶粒の磁化方向が揃う効果があり、第2の磁性粉末を励磁することで直流重畳特性が向上する。
また、励磁して配向された複合磁性材料からなるコアを備えたリアクトルは、渦電流損失が低下し、コアから発生する熱が低くなる効果があると考えられる。
[1−3.作用・効果]
(1)本実施形態のリアクトルの製造方法は、磁性粉末及び樹脂を含むコアと、前記コアに装着されたコイルとを備えたリアクトルの製造方法であって、磁性粉末に対して3〜5wt%の樹脂を混合する混合工程と、混合工程で得た混合物とコイルとを所定の容器に入れて成型する成型工程と、成型工程で得た成型体中の樹脂を硬化させる硬化工程と、硬化工程時に成型体のコイルを通電し、成型体に磁界を印加する磁界印加工程と、を備えるようにした。
これにより、初透磁率の高いコアを備えたリアクトルを得ることができる。すなわち、従来のMCコアでは、磁性粉末に対する樹脂の添加量が5wt%超であったのに対し、3〜5wt%とすることで、密度及び初透磁率を向上させることができる。さらに、硬化工程時にリアクトル自身が備えるコイルに通電することにより、当該コイルにより発生する磁束の向きに成型体中の磁性粉末を配向させるようにしたので、配向させたい向きに配向させることができるので、初透磁率を向上させることができる。
(2)磁界印加工程は、前記磁界を2kA/m以上とした。これにより、磁界印加工程により得られる初期インダクタンス値向上効果の大半を得ることができる。
(3)成型工程時に、前記混合物を押圧する加圧工程を備えるようにした。これにより、コアの密度を向上させることができる。
(4)加圧工程は、容器又は前記混合物を押圧する部材を常温よりも高い温度にして行うようにした。これにより、当該混合物である複合磁性材料中の樹脂が温められ、柔らかくなる。そのため、容器内の隅々までに複合磁性材料が流れ込み易くなり、成型性を向上させることができるとともに、複合磁性材料中の空隙に当該材料が流れ込み易くなり、密度を向上させることができる。
(5)加圧工程は、常温よりも高い温度に温めた前記混合物を前記容器に入れて行うようにした。これにより、上記(4)と同様の作用効果を得ることができる。
(6)磁性粉末は、平均粒子径の異なる2種類の磁性粉末を混合してなるようにした。特に、磁性粉末は、第1の磁性粉末と、第1の磁性粉末より平均粒子径の小さい第2の磁性粉末とが混合されてなり、磁性粉末における第1の磁性粉末の添加量が60〜80wt%、第2の磁性粉末が20〜40wt%とした。
これにより、第1の磁性粉末同士の隙間に第2の磁性粉末が入り込み、密度及び透磁率の向上と低鉄損化を図ることができる。
(7)第1の磁性粉末は、平均粒子径を20〜150μmとし、第2の磁性粉末は、平均粒子径を5〜20μmとした。これにより、コアの密度、透磁率が向上し、鉄損を小さくすることができる。
(8)樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、又はアクリル樹脂とした。これにより、複合磁性材料を粘土状にすることができ、取扱い容易となり、生産性を向上させることができる。
[1−4.実施例]
本発明の実施例を、表1〜表3及び図3〜図9を参照して、以下に説明する。
(1)測定項目
測定項目は、密度、透磁率、鉄損、及びインダクタンス値(L値)である。作製された各コアのサンプルに対して、φ2.6mmの銅線で40ターンの巻線を施してリアクトルを作製した。各コアのサンプルの形状は、外径35mm、内径20mm、高さ11mmのトロイダル形状とした。また、作製したリアクトルの透磁率、鉄損及びインダクタンス値を下記の条件で算出した。
<密度>
コアの密度は、見かけ密度である。すなわち、各コアのサンプルの外径、内径、及び高さを測り、これらの値からサンプルの体積(cm)を、π×(外径−内径)×高さに基づき算出した。そして、サンプルの質量を測定し、測定した質量を算出した体積で除してコアの密度を算出した。
<透磁率及び鉄損>
透磁率及び鉄損の測定条件は、周波数20kHz、最大磁束密度Bm=30mTとした。透磁率は、鉄損Pcv測定時に最大磁束密度Bmを設定したときの振幅透磁率とした。鉄損については、磁気計測機器であるBHアナライザ(岩通計測株式会社:SY−8232)を用いて算出した。この算出は、鉄損の周波数曲線を次の(1)〜(3)式で最小2乗法により、ヒステリシス損係数、渦電流損失係数を算出することで行った。
Pcv=Kh×f+Ke×f…(1)
Phv =Kh×f…(2)
Pev =Ke×f…(3)
Pcv:鉄損
Kh :ヒステリシス損係数
Ke :渦電流損係数
f :周波数
Phv:ヒステリシス損失
Pev:渦電流損失
<インダクタンス値>
インダクタンス値は、作製されたコアのサンプルに1次巻線(20ターン)を施し、20kHz、1.0Vの条件下でインピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー社:4294A)を使用することで、測定した。
なお、本実施例において、各粉末の平均粒子径と円形度は、下記装置を用いて3000個の平均値をとったものであり、ガラス基板上に粉末を分散して、顕微鏡で粉末写真を撮り一個毎自動で画像から測定した。
会社名:Malvern
装置名:morphologi G3S
比表面積は、BET法により測定した。
(2)サンプルの作製方法
コアのサンプルは、下記のように、(a)印加磁界の有無、(b)印加磁界の大きさ、(c)加圧工程の有無の観点から作製した。これらの作製方法と、その結果について下記に順に示す。
(a) 印加磁界の有無
まず、混合工程として、平均粒径123μmのFe−6.5%Si合金粉末(円形度0.943)と、平均粒径5.1μmのFe−6.5%Si合金粉末(円形度0.908)を重量比率70:30でV型混合機にて30分混合して磁性粉末を構成した。そして、アルミカップに当該磁性粉末を入れ、当該磁性粉末に対して、表1に示す条件でエポキシ樹脂を添加し、2分間ヘラを用いて手動で混合した。これにより、磁性粉末と樹脂との混合物である複合磁性材料を得た。
次に、混合工程で得た複合磁性材料を、トロイダル形状の空間を有する樹脂製の容器に充填し、油圧プレス機を用いて容器内の複合磁性材料を600Nのプレス圧(面圧9.4kg/cm)で10秒間押圧し、トロイダル形状の成型体を作製した。この押圧の間、容器の温度は25℃に保った。
その後、得られた成型体に対し、上記の銅線を40ターン巻回してコイルを形成し、元となるリアクトルを作製した。
そして、当該リアクトルを大気中にて、85℃で2時間乾燥させ、その後120℃で1時間乾燥させ、さらに150℃で4時間乾燥させて樹脂を硬化し、サンプルとなるトロイダルコアを作製した。その際、各温度における乾燥時間中4.85kA/mとなるようにコイルに通電し、実施例1〜5のサンプルを得た。実施例1〜5の違いは樹脂の添加量であり、それぞれ3.0〜5.0wt%である。また、樹脂の硬化中に磁界を印加しないで作製したトロイダルコイルを作製し、比較例1〜5のサンプルを得た。
Figure 0006817802
図3は、磁界を印加する場合と印加しない場合の樹脂量に対する初透磁率のグラフである。表1及び図3に示すように、各樹脂量において、硬化工程中に磁界を印加した方が、初透磁率が向上していることが分かる。
図4は、樹脂量に対する透磁率の変化率のグラフである。表1及び図4に示す「変化率」は、各樹脂量における磁界印加ありの場合と磁界印加なしの場合の初透磁率μ0の変化率であり、式(4)で算出して得た値である。当該変化率は、磁界を印加した効果の度合いを示す。
変化率=μ0(H)/μ0(0)−1…(4)
μ0(H):磁界印加ありの場合の初透磁率
μ0(0):磁界印加なしの場合の初透磁率
図4に示すように、変化率は樹脂量が多くなる程大きくなっている。樹脂量が多くなる程、印加された磁界により磁性粉末が配向しやすくなるためである。樹脂量が3.3〜5.0wt%の範囲で変化率が10%以上であり、初透磁率が向上する効果が高いことが分かる。
(b) 印加磁界の大きさ
樹脂量をそれぞれ3wt%、4wt%、5wt%とし、印加磁界を表2の通りとして、樹脂量及び印加磁界以外を上記(a)と同様の工程としてリアクトルのサンプルを作製した。そして、各サンプルに対して、上記「(1)測定項目」で示したように、インダクタンス値を測定した。また、測定したインダクタンス値L0から式(5)に基づき、L0値変化率を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0006817802
L0値変化率=L0(H)/L0(0)−1…(5)
L0(H):硬化工程中の各印加磁界Hで作製したリアクトルの初期インダクタンス値
L0(0):硬化工程中の印加磁界を0として作製したリアクトルの初期インダクタンス値
図5は、硬化工程中の印加磁界に対するL0値変化率のグラフであり、表2をグラフ化したものである。表2及び図5に示すように、L0値変化率は、樹脂量が多い程大きくなる傾向にあることが分かる。L0値変化率は、磁界の小さな領域で上がりやすく、磁界の大きな領域で上がりにくくなっている。すなわち、印加磁界が10kA/m前後でL0値向上が飽和し始める。
表3は、各樹脂量についてのL値飽和増加率とL値飽和増加率の半価磁界を示す表である。L値飽和増加率とは、硬化工程中の印加磁界を14.56kA/mとして作製したサンプルのL0値変化率であり、L値飽和増加率の半価磁界とは、L値飽和増加率の半分のL0値変化率が得られる、硬化工程中の印加磁界の値である。
Figure 0006817802
表3、図5に示すように、樹脂量3wt%の時は、印加磁界が3.0kA/m以上で十分なL0値の向上効果が得られる。樹脂量4〜5wt%の時は、印加磁界が2kA/m以上で十分なL0値の向上効果が得られることが分かった。これらのことから、印加磁界は2kA/m以上とすることで、硬化中の磁界印加による効果が飽和するときの半分以上のL0値変化率を得ることができる。
(c) 加圧工程の有無
複合磁性材料を押圧する場合と、しない場合とで、樹脂量3〜5wt%において、下記の通りサンプルを作製し、得られる初期インダクタンス値(L0)の違いについて調べた。
(c-1) 樹脂量3wt%の場合
<加圧工程あり>
樹脂量を磁性粉末に対して3wt%とし、上記(a)と同様の工程でリアクトルのサンプルを作製した。但し、硬化工程時の印加磁界は、表4に示す通りとした。
<加圧工程なし>
樹脂量を磁性粉末に対して3wt%とし、上記(a)と同様の工程でリアクトルのサンプルを作製した。但し、複合磁性材料のプレスはしていない。すなわち、混合工程で得た複合磁性材料を、トロイダル形状の空間を有する樹脂製の容器に充填し、プレスしないでトロイダル形状の成型体を作製した。この間、容器の温度は25℃に保った。
Figure 0006817802
次に、作製したサンプルに対し、加圧工程ありの場合と、加圧工程なしの場合とで、それぞれ初期のインダクタンス値(L0)を算出した。また、算出したインダクタンス値(L0)からその変化率を式(5)に基づいて算出した。その結果を表4及び図6、7に示す。
図6は、硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値のグラフである。図6に示すように、L0は、加圧工程ありの方が高いことが分かった。これは、複合磁性材料をプレスすることで、当該材料中の空隙が押し潰され、空隙の数が減少し、或いは、空隙の大きさが小さくなったことにより、コアの見かけ密度が向上する結果、初透磁率が向上することが要因であると考えられる。
図7は、硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値の変化率を示すグラフである。図7に示すように、硬化工程中の印加磁界が5kA/m程度までの低い方では加圧工程の有無に違いは見られないが、これより磁界が高くなると、加圧工程ありの方が、L0の変化率が高くなることが分かった。特に、9.27kA/m以上となると、加圧工程による効果が顕著に現れることが分かる。
(c-2) 樹脂量4wt%の場合
加圧工程ありの場合となしの場合でサンプルを作製する工程は、樹脂量を4wt%とする以外は、上記の(c-1)樹脂量3wt%の場合と同じである。また、上記(c-1)と同様に初期のインダクタンス値(L0)を算出した。算出したインダクタンス値(L0)からその変化率を式(5)に基づいて算出した。その結果を表5及び図8、9に示す。
Figure 0006817802
図8は、硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値のグラフである。図8に示すように、L0は、加圧工程ありの方が高いことが分かった。これは、複合磁性材料をプレスすることで、当該材料中の空隙が押し潰され、空隙の数が減少し、或いは、空隙の大きさが小さくなったことにより、コアの見かけ密度が向上する結果、初透磁率が向上することが要因であると考えられる。
図9は、硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値の変化率を示すグラフである。図9に示すように、L0の変化率においても、加圧工程ありの方が変化率が高くなることが分かった。
(c-3) 樹脂量5wt%の場合
加圧工程ありの場合となしの場合でサンプルを作製する工程は、樹脂量を5wt%とする以外は、上記の(c-1)樹脂量3wt%の場合と同じである。また、上記(c-1)と同様に初期のインダクタンス値(L0)を算出した。算出したインダクタンス値(L0)からその変化率を式(5)に基づいて算出した。その結果を表6及び図10、11に示す。
Figure 0006817802
図10は、硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値のグラフである。図11は、硬化工程中の各印加磁界で作製したリアクトルの初期インダクタンス値の変化率を示すグラフである。図10、11に示すように、初期インダクタンス値とその変化率は、共に加圧工程ありの方が加圧工程なしと比べて、高くなっていることが分かる。ただし、その差は小さい。これは、樹脂量が多くなったことにより、複合磁性材料中に占める樹脂の割合が高くなり、加圧して見かけ密度が向上したことによる初透磁率向上の効果を相殺するものと考えられる。
図11に示すように、L0の変化率は、硬化工程中の印加磁界が高くなる程、加圧工程ありの方が、加圧工程なしの場合と比べて高くなっていることが分かる。これは、樹脂量が多く含まれることにより、印加された磁界によって磁性粉末の配向性が揃いやすいことが要因であると考えられる。
(d) 樹脂の粘度測定
本実施例において使用した樹脂の粘度について、説明する。本実施例に使用した樹脂の粘度は、次のように複合磁性材料状に載せた分銅の沈み込みの深さを測定することにより、樹脂の粘度とした。
すなわち、まず、樹脂の添加量を表7に示す条件とし、上記(a)の混合工程と同様にして複合磁性材料を作製した。次に、得られた複合磁性材料を、直径5mmのアルミニウム製の容器に厚さが3mmになるように投入し、その複合磁性材料の上の中央にJIS標準の10gの分銅を載せた。そして、分銅を載せてから10秒経過後、分銅を取り除き、分銅の重みで形成された複合磁性材料の凹みの深さを測定した。その結果を表7に示す。
Figure 0006817802
表7に示すように、樹脂の添加量が多くなる程、凹みの深さが深くなっており、複合磁性材料の粘性が低く、分銅が沈み込みやすくなっていることが分かる。
[3.他の実施形態]
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、実施形態では、リアクトルにコイルを設ける方法として、成型工程においてコイルを容器に入れ、複合磁性材料に埋設する方法を説明したが、予め複合磁性材料からなる所定形状の成型体を成形しておき、当該成型体にコイルを構成する導線を巻回する巻回工程を備える方法を採用しても良い。

Claims (8)

  1. 磁性粉末及び樹脂を含むコアと、前記コアに装着されたコイルとを備えたリアクトルの製造方法であって、
    前記磁性粉末に対して3〜5wt%の樹脂を混合する混合工程と、
    前記混合工程で得た混合物を所定の容器に入れて成型する成型工程と、
    前記成型工程で得た成型体に前記コイルを構成する導線を巻回する巻回工程と、
    前記導線が巻回された前記成型体中の前記樹脂を硬化させる硬化工程と、
    前記硬化工程時に前記導線に通電し、前記成型体に磁界を印加する磁界印加工程と、
    を備え、
    前記成型工程では、前記混合物を押圧して所定の形状に成型する加圧工程を含むこと、
    を特徴とするリアクトルの製造方法。
  2. 前記磁界印加工程は、前記磁界が2kA/m以上であること、
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトルの製造方法。
  3. 前記加圧工程は、前記混合物を押圧する部材又は前記容器を常温よりも高い温度に保って行うこと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトルの製造方法。
  4. 前記加圧工程は、常温よりも高い温度に温めた前記混合物を前記容器に入れて行うこと、
    を特徴とする請求項1〜の何れかに記載のリアクトルの製造方法。
  5. 前記磁性粉末は、平均粒子径の異なる2種類の磁性粉末を混合してなること、
    を特徴とする請求項1〜の何れかに記載のリアクトルの製造方法。
  6. 前記磁性粉末は、第1の磁性粉末と、前記第1の磁性粉末より平均粒子径の小さい第2の磁性粉末とが混合されてなり、
    前記磁性粉末における前記第1の磁性粉末の添加量が60〜80wt%、前記第2の磁性粉末が20〜40wt%であること、
    を特徴とする請求項1〜の何れかに記載のリアクトルの製造方法。
  7. 前記第1の磁性粉末は、平均粒子径が100μm〜200μmであり、
    前記第2の磁性粉末は、平均粒子径が3μm〜10μmであること、
    を特徴とする請求項に記載のリアクトルの製造方法。
  8. 前記樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、又はアクリル樹脂であること、
    を特徴とする請求項1〜の何れかに記載のリアクトルの製造方法。
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