JP2955497B2 - ステレオ受信機 - Google Patents

ステレオ受信機

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JP2955497B2
JP2955497B2 JP7224168A JP22416895A JP2955497B2 JP 2955497 B2 JP2955497 B2 JP 2955497B2 JP 7224168 A JP7224168 A JP 7224168A JP 22416895 A JP22416895 A JP 22416895A JP 2955497 B2 JP2955497 B2 JP 2955497B2
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  • Signal Processing (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)
  • Stereo-Broadcasting Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、周波数変調ステレ
オ放送などを受信するステレオ受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】周波数変調(以後、「FM」と略称す
る)ステレオ放送などにおいては、放送を受信している
ときに、突発的に発生する雑音であるマルチパス雑音が
混入することがある。マルチパス雑音とは、送信アンテ
ナから受信アンテナに直接到達する直接波および送信ア
ンテナから発信された電波が物体で反射されて受信アン
テナに至る反射波など、複数の長さの異なる伝送路を介
して伝送された信号を、同時に受信アンテナで受信した
際に発生する雑音である。
【0003】マルチパス雑音を低減する手法としては、
マルチパス発生時にステレオ放送のチャネルの分離度を
小さくする手法がある。チャネルの分離度とは、ステレ
オ放送を伝送する際に、左または右のチャネルの信号
が、右または左のチャネルの信号に漏れて混合される度
合いである。分離度を低下させるほど、伝送された信号
から復調され再生される音声の雑音レベルは低下する。
また再生された音声は、聴取者にはモノラル音声に近い
音声として聴取される。
【0004】マルチパス雑音のように突発的に発生する
雑音を軽減するためには、雑音発生と同時に分離度を減
少させる必要がある。また、分離度を低下させるほど、
聴取者には音声はモノラル音声として聞こえる。これに
よって、聴取者に良好なステレオ放送を提供するには、
雑音がなくなった後には速やかに分離度を増加させてス
テレオ放送に戻す必要がある。
【0005】マルチパス雑音が間欠的に発生するたびに
分離度を低下させると、聴取者には再生された音声の音
象、定位、および左右のスピーカ出力などが間欠的に変
化するように聴取される。よって、その都度音揺れ感な
どが感じられ、ステレオ音声がモノラル音声に切換わっ
たように聴取される。したがって、ステレオ放送を聴取
する際に違和感が生じる。
【0006】このように、再生された音声の変化を低減
させるために、頻度の高いマルチパス雑音が発生したと
きだけ分離度を低下するようにする手法が考えられてい
る。図17〜図19は、頻度の高いマルチパス雑音が発
生したときだけ分離度を低下させる手法を用いた場合に
おいて、マルチパス雑音の発生タイミングと分離度の変
化との関係を示すグラフである。
【0007】このような手法において用いられる分離度
制御手段は、たとえば積分回路を有し、マルチパス雑音
が発生すると、その雑音の発生回数に応じて、積分回路
のコンデンサが充電される。マルチパス雑音が発生しな
くなると、コンデンサは放電を開始する。分離度制御手
段では、積分回路からの出力が予め定めるレベル以上で
あるときに分離度を低下させるよう制御する。
【0008】雑音密度、すなわち単位時間内の雑音の発
生回数が小さい場合、図17(1)に示すように、マル
チパス雑音が積分回路のコンデンサの放電が終了した後
に次のマルチパス雑音が単発で発生している。このよう
な間欠的な雑音が混合している場合には、図17(2)
の実線1に示すように、分離度は低下されず、常に最大
の値Maxを保つ。
【0009】また雑音密度が中程度である場合、図18
(1)に示すように、たとえば2〜3回の雑音が発生し
た後に、雑音の発生が一旦終了しコンデンサが放電さ
れ、コンデンサの放電が終了する前に次の2〜3回のマ
ルチパス雑音が発生する。このときには、図18(2)
の実線2に示すように2〜3回の雑音の発生が複数回繰
返され、コンデンサが十分充電された時刻t1から分離
度が低減される。このとき分離度は、0dBに近い値で
ある値S1まで低下される。2〜3回の雑音の発生が終
了すると、時刻t2から時刻t3までの時間をかけて、
分離度は徐々に最大値Maxまで復帰する。
【0010】さらにまた雑音密度が大きい場合、図19
(1)に示すように、多数の雑音が短時間に継続して発
生する。このときには、図19(2)の実線3で示すよ
うに、積分回路のコンデンサが、雑音発生からすぐに十
分充電され、時刻t4から分離度が低減される。多数の
雑音の発生が終了すると、時t5から時刻t6までの間
に低下された分離度が徐々に最大値Maxまで復帰され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、多数
の雑音が連続して発生した場合だけ、すなわち雑音密度
の大きいマルチパス雑音が発生したときだけ分離度を低
下させるようにすると、単発的に発生する雑音や、2〜
3回など予め定める密度の値に達しない雑音密度で発生
するマルチパス雑音を軽減することが困難になる。ま
た、図18(1)および図18(2)に示すように、予
め定める密度の値以下の雑音密度で発生するマルチパス
雑音を低減させる場合には、雑音が発生してから分離度
が低下されるまでの時間であるアタックタイムが、図1
9(1)および図19(2)に示す雑音が多数継続して
発生する場合よりも長くなる。
【0012】また、マルチパス雑音を軽減するときに
は、分離度を0dB近傍まで低下させている。この低下
した分離度を元の最大の状態Maxに復帰させるときに
は、分離度を徐々に増加させて、緩やかに復帰させる。
これは、分離度を急激に変化させることによって、音声
がモノラル音声からステレオ音声に急に切換わっている
と聴取者に感じさせることを防止するためである。
【0013】図18(1)および図18(2)に示すよ
うに、雑音密度が中程度である場合などには、雑音を低
減させるために分離度を低下させていた時間、すなわち
時刻t1から時刻t2までの間の時間よりも、分離度を
低下させた状態から最大の状態に戻すリリースタイム、
すなわち時刻t2から時刻t3までの時間が長くなる。
したがって、雑音を低減させるために分離度を低下させ
ておくべき時間よりも、分離度を元に戻す時間のほうが
長い。したがって、雑音を低減させるための時間以上に
分離度が低下させる時間が長くなる。
【0014】本発明の目的は、聴取者が放送を聴取する
際に、再生された音声から違和感を感じさせず、かつ速
やかにマルチパス雑音を低減させることができるステレ
オ受信機を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、受信信号を受
信する受信手段と、受信手段の出力に応答し、受信信号
を復調する復調手段と、復調手段の出力を分離度制御信
号に基づいて演算し、その分離度制御信号のレベルに対
応する分離度で、復調された受信信号を左右チャネル毎
の音声信号に分離して導出するチャネル分離手段と、受
信手段の出力に応答し、受信信号の電界強度を検出し
て、電界強度が小さくなるほど分離度を小さくするよう
にチャネル分離手段を制御する分離度制御信号を出力す
る電界強度検出手段と、受信手段の出力に応答し、受信
信号から雑音信号を抽出する雑音抽出手段と、雑音抽出
手段の出力に応答し、雑音密度を計測する雑音密度計測
手段と、雑音密度計測手段の出力に応答し、雑音密度が
高いほど、複数の段階的にまたは連続的に、前記分離度
を小さく設定するようにチャネル分離手段を制御する分
離度制御信号を出力する分離度制御手段と、雑音抽出手
段において雑音が抽出されないときは、電界強度検出手
段から出力される分離度制御信号をチャネル分離手段に
与え、雑音が抽出されるときは、分離度制御手段から出
力される分離度制御信号をチャネル分離手段に与える切
換え手段とを含み、前記分離度制御手段は、分離度を小
さくするようにチャネル分離手段を制御した後に、受信
信号から雑音信号が抽出されなくなると、時間経過伴っ
て分離度を大きくして戻すように制御し、時間経過に伴
って大きくする分離度の時間変化率は、雑音密度が小さ
くなるほど小さく設定されることを特徴とするステレオ
受信機である。本発明に従えば、ステレオ受信機は、受
信手段において受信されたFMステレオ放送の放送波な
どを復調手段で復調し、復調された受信信号から左右チ
ャネル毎の音声信号を分離して、ステレオ放送を再生す
る。左右チャネル毎の音声信号は、復調手段の後段に設
けられるチャネル分離手段において、復調された受信信
号を後述する分離度制御信号に基づいて演算して分離さ
れる。分離度制御信号は、受信信号の電界強度の強弱、
または受信信号の雑音の重畳の有無に基づいて出力され
る。電界強度に基づく分離度制御信号は、電界強度検出
手段から、当該検出手段において検出された電界強度に
基づいて生成されて出力される。当該分離度制御信号
は、電界強度が小さくなるほど分離度を小さくするよう
にチャネル分離手段を制御する信号である。受信信号に
重畳された雑音は、雑音抽出手段において受信信号から
抽出される。雑音の原因としては、マルチパス妨害など
が挙げられる。マルチパス妨害によって生じるマルチパ
ス雑音は、突発的に発生し、受信信号の電界強度を瞬間
的に低減させるような雑音である。ステレオ放送を受信
し復調するステレオ受信機において、再生される音響か
らマルチパス雑音のように突発的に発生する雑音を低減
する手法としては、受信信号から左右の音声信号を分離
する分離度を低下させる手法がある。分離度を低下させ
ることは、左右チャネルの音声信号が異なるステレオ音
声を、左右チャネルから同一の音声信号が出力されるモ
ノラル音声に近付けることと等価である。雑音抽出手段
において雑音が抽出されると、雑音密度計測手段によっ
て、予め定める時間内に発生するマルチパス雑音の数、
すなわち雑音密度が計測される。分離度制御手段は、こ
の雑音密度に基づいた分離度制御信号を生成する。雑音
密度に基づいた分離度制御信号は、雑音密度が大きいほ
ど分離度が小さく設定されるような信号である。ステレ
オ放送では、左右チャネルの音声信号を加算した和信号
と、左右チャネルの音声信号を減算して差を求めた差信
号とが、それぞれ受信信号の変調周波数の低域側および
高域側に含まれる。チャネル分離回路では、和信号と差
信号とから左右両チャネルの音声信号を求めるに当たっ
て、和信号に対する差信号のレベルの割合を小さくする
ほど、変調周波数の高域側に含まれ易い雑音を低減させ
ることができる。マルチパス雑音などは特に高域側に含
まれ易いので、分離度を低下させることによってマルチ
パス雑音を低減させることができる。電界強度に基づい
た分離度制御信号と、雑音密度に基づいた分離度制御信
号とは、雑音の有無に応じてどちらか一方の信号が、切
換手段によってチャネル分離手段に与えられる。雑音抽
出手段において雑音が抽出されないときは、電界強度に
基づいた分離度制御信号がチャネル分離手段に与えら
れ、受信信号の電界強度の変化に伴って、分離度が変動
する。雑音が抽出されたときには、雑音密度に基づいた
分離度制御信号がチャネル分離手段に与えられ、雑音密
度が大きくなるほど、分離度が小さく設定される。これ
によって、雑音が抽出された時に、左右チャネルの分離
度を減少させて、再生される雑音を軽減させることがで
きる。かつ、雑音抽出時の分離度は、雑音密度に対応し
て設定することができる。また分離度が減少した後、受
信信号から雑音信号が抽出されなくなると、分離度は、
時間変化に伴って大きくされ、減少前のレベルに戻され
る。戻し時の分離度の時間変化率は、雑音密度に応じて
決定される。これによって、雑音密度が低い場合、雑音
を軽減している時間よりもリリースタイムのほうが長く
なることが防止される。
【0016】また本発明は、受信信号を受信する受信手
段と、受信手段の出力に応答し、受信信号を復調する復
調手段と、復調手段の出力を分離度制御信号に基づいて
演算し、その分離度制御信号のレベルに対応する分離度
で、復調された受信信号を左右チャネル毎の音声信号に
分離して導出するチャネル分離手段と、受信手段の出力
に応答し、受信信号の電界強度を検出して、電界強度が
小さくなるほど分離度を小さくするようにチャネル分離
手段を制御する分離度制御信号を出力する電界強度検出
手段と、受信手段の出力に応答し、受信信号から雑音信
号を抽出する雑音抽出手段と、雑音抽出手段の出力に応
答し、雑音密度を計測する雑音密度計測手段と、雑音密
度計測手段の出力に応答し、雑音密度が高いほど、複数
の段階的にまたは連続的に、前記分離度を小さく設定す
るようにチャネル分離手段を制御する分離度制御信号を
出力する分離度制御手段と、雑音抽出手段において雑音
が抽出されないときは、電界強度検出手段から出力され
る分離度制御信号をチャネル分離手段に与え、雑音が抽
出されるときは、分離度制御手段から出力される分離度
制御信号をチャネル分離手段に与える切換え手段とを含
み、前記チャネル分離手段は、雑音信号が抽出され、前
記雑音密度が予め定める密度以上であるときは、分離度
を予め定める値未満に設定し、雑音信号が抽出され、前
記雑音密度が予め定める密度未満であるときは、分離度
を約10dBに設定し、前記予め定める値は、雑音を充
分に低減させることができる値に設定され、前記分離度
制御手段は、分離度を小さくするようにチャネル分離手
段を制御した後に、受信信号から雑音信号が抽出されな
くなると、時間経過伴って分離度を大きくして戻すよう
に制御し、時間経過に伴って大きくする分離度の時間変
化率は、雑音密度が小さくなるほど小さく設定されるこ
とを特徴とするステレオ受信機である。本発明に従え
ば、前記チャネル分離手段は、雑音密度に基づいた分離
度制御信号が与えられると、分離度を複数の段階的に低
下させる。雑音密度が予め定める密度以上であるとき
は、分離度は、雑音を充分に低減させることができる値
に設定される。雑音密度が予め定める密度未満であると
きは分離度は約10dBに設定される。ステレオ放送の
チャネルの分離度は、低下させるほど再生される音声か
ら雑音を低減させることができる。また、チャネルを分
離させるほど、左右のチャネルの音声信号に反対側のチ
ャネルの音声信号が混入され、再生される音声がモノラ
ル音声に近付く。したがって、雑音が発生した場合、特
に雑音密度が大きく多数の雑音が短時間に発生している
場合には、分離度を雑音を充分に低減することができる
値まで低減させることが好ましい。このような分離度の
値は、たとえば4dB以下の値である。このように4d
B以下に低下された分離度で音声信号が分離され再生さ
れた音声は、モノラル音声に近い。モノラル音声とステ
レオ音声とでは、音の音象、定位および左右のスピーカ
出力音圧が異なる。したがって、雑音が発生するたびに
分離度をたとえば4dB以下の予め定める値まで低減さ
せると、聴取者には、ステレオ音声とモノラル音声とが
頻繁に切換わっているように感じられ、違和感を生じ
る。雑音密度が予め定める密度よりも低い場合、雑音は
間欠的または短時間にしか生じていないので、分離度を
約10dBまで低下させるだけで、雑音は充分に低減さ
れる。約10dBまで分離度を低下させた場合、聴取者
には、ステレオ音声がモノラル音声に近付いたことが感
じとりにくく、ステレオ音声を聴取していると感じるス
テレオ感の大幅な変化を感じない。ゆえに、雑音密度が
大きく雑音が多数発生したときだけ、分離度を予め定め
る値未満に設定してステレオ音声をモノラル音声に極力
近付けて、雑音低減を図る。雑音密度が小さいときは、
分離度を雑音が充分に軽減され、かつステレオ感を保つ
ことができるレベルまで低下させて、左右両チャネルの
音声信号を分離する。これによって、雑音が発生するた
びに、頻繁にステレオ音声がモノラル音声に近付き、聴
取者に音ユレ感を感じさせることを防止することができ
る。
【0017】また前記分離度制御手段は、雑音が発生し
分離度を低下させた後に、雑音が発生しなくなると、分
離度を時間経過に伴い徐々に大きくし、雑音発生前の分
離度に戻す。分離度を大きくする時間変化率は、雑音密
度に応じて決定される。前述したように、雑音を低減さ
せるために分離度を低下させると、ステレオ音声が音の
音象や定位などが異なるモノラル音声に近付く。分離度
を一旦低下させ再生される音声をモノラル音声に近付け
た後に、分離度を雑音発生前の値まで戻す場合、分離度
を低いレベルから急激に戻すと、聴取者は音象や定位の
差などによって再生された音声に対して音ユレ感を感じ
る。雑音発生時には、分離度は発生した雑音の雑音密度
に基づいて決定される値まで低下されている。たとえば
雑音密度が予め定める密度よりも小さいときは、分離度
は約10dBまで低下されている。このとき、聴取者に
は分離度の低下によるステレオ音声の変化が感じられて
いない。したがって、約10dBまで低下された分離度
を急激に雑音発生前の分離度に戻しても、聴取者には音
ユレ感がほとんど感じられない。これによって、雑音が
抽出されなくなってから、低下された分離度を元の分離
度に戻すまでの時間であるリリースタイムを、雑音密度
に応じて短縮することができる。したがって、雑音密度
が低いときに雑音を軽減している時間よりもリリースタ
イムのほうが長くなり、ステレオ音声をその間提供する
ことができなくなっていたことを防止することができ
る。
【0018】また本発明は、前記分離度の時間変化率
は、雑音密度が前記予め定める密度以上であるときは、
前記予め定める値未満に設定された分離度を受信信号の
電界強度に対応して定められる分離度に戻すまでに必要
なリリースタイムが、約1秒以上となるように設定され
ることを特徴とする。本発明に従えば、雑音密度が予め
定める密度以上であり、分離度が雑音を充分低減するこ
とができる低い値に設定されているときは、分離度を戻
すリリースタイムが約1秒となるように、分離度の時間
変化率を設定する。前述したように、分離度が雑音を充
分低減することができる低い値、たとえば4dB以下に
設定されたとき、聴取者は再生された音声がモノラル音
声に近いと感じている。ゆえにこのようなときには、分
離度を徐々に大きくしてステレオ音声をモノラル音声と
が急激に切換わると感じられないようにする必要があ
る。このときに、雑音が抽出されなくなってから雑音抽
出前の分離度に戻るまでに次の雑音が検出されないとし
た場合のリリースタイムを1秒以上と設定する。このよ
うな条件をみたすリリースタイムとなるように、分離度
を増加させる時間変化率を決定すると、モノラル音声が
ステレオ音声に切換わったなどと感じるような音ユレ感
を極力減少させることができる。
【0019】また本発明は、受信信号を受信する受信手
段と、受信手段の出力に応答し、受信信号を復調する復
調手段と、復調手段の出力を分離度制御信号に基づいて
演算し、その分離度制御信号のレベルに対応する分離度
で、復調された受信信号を左右チャネル毎の音声信号に
分離して導出するチャネル分離手段と、受信手段の出力
に応答し、受信信号の電界強度を検出して、電界強度が
小さくなるほど分離度を小さくするようにチャネル分離
手段を制御する分離度制御信号を出力する電界強度検出
手段と、受信手段の出力に応答し、受信信号から雑音信
号を抽出する雑音抽出手段と、雑音抽出手段の出力に応
答し、雑音密度を計測する雑音密度計測手段と、雑音密
度計測手段の出力に応答し、雑音密度が高いほど、複数
の段階的にまたは連続的に、前記分離度を小さく設定す
るようにチャネル分離手段を制御する分離度制御信号を
出力する分離度制御手段と、雑音抽出手段において雑音
が抽出されないときは、電界強度検出手段から出力され
る分離度制御信号をチャネル分離手段に与え、雑音が抽
出されるときは、分離度制御手段から出力される分離度
制御信号をチャネル分離手段に与える切換え手段とを含
み、前記雑音密度計測手段は、前記雑音抽出手段からの
雑音を充電または放電する積分時定数が相互に異なる複
数の積分回路と、各積分回路の積分出力を個別的にレベ
ル弁別し、その弁別レベルが同一である複数のレベル弁
別回路とを有し、前記分離度制御手段は、各レベル弁別
手段の出力に応答し、積分時定数が大きい積分回路に対
応するレベル弁別手段の出力が得られるときに、分離度
を、積分時定数が小さい積分回路に対応するレベル弁別
手段の出力が得られるときと比較して小さくするように
チャネル分離手段を制御することを特徴とするステレオ
受信機である。本発明に従えば、前記雑音密度計測手段
には、複数の積分回路とレベル弁別回路が含まれる。各
積分回路は、雑音抽出手段から出力される雑音信号を積
分して、積分結果に対応する積分出力を出力する。レベ
ル弁別回路は、各積分回路の積分出力を個別的にレベル
弁別して、積分出力が弁別レベルに至ったか否かを判定
した出力を分離度制御回路に与える。各積分回路におい
て雑音を充電または放電する積分時定数は相互に異な
る。各レベル弁別手段の弁別レベルは、対応する積分回
路の積分時定数に拘わらず等しい。このように、各積分
回路の積分時定数が異なるので、同じ雑音信号が各積分
回路に与えられた場合、積分時定数の小さな回路よりも
積分時定数の大きな回路のほうが、積分出力のレベルの
増加率が小さい。ゆえに、雑音発生時から積分出力が予
め定める弁別レベルに至るまでの時間は、積分時定数が
大きいほど長くなる。ゆえに、単位時間内に雑音が多く
抽出されていたり、発生間隔の短い雑音が抽出されたと
きは、積分出力は、積分時定数の小さな回路から順次弁
別レベルに達する。すなわち、与えられた雑音信号の雑
音密度が大きいほど、積分時定数の大きな積分回路の積
分出力が弁別レベルに達する。したがって、分離度制御
手段は、積分時定数の大きな積分回路の出力が弁別レベ
ルに達すると、積分時定数の小さな積分回路の積分出力
が弁別レベルに達した場合と比較して、分離度を小さく
するように、チャネル分離手段を制御する。これによっ
て、複数の積分回路とレベル弁別手段とを用いた簡単な
構成の回路によって、雑音密度を計測することができ
る。かつ、各レベル弁別手段は弁別レベルが等しいの
で、同一の構成の回路を用いて構成することができる。
【0020】また本発明は、雑音が存在しないときにお
ける前記各積分回路の放電または充電時定数は、雑音が
抽出されたときにおける充電または放電時定数が大きい
ほど大きく選ばれることを特徴とする。本発明に従え
ば、前記複数の積分回路の時定数の相互関係は、雑音が
存在しない場合と雑音が抽出される場合とにおいて等し
い。雑音によって充電される積分回路であれば、充電時
定数が他の積分回路よりも大きければ、放電時定数も他
の積分回路よりも大きい。たとえば、積分回路が雑音に
よって充電される場合、各積分回路からの出力は、雑音
信号が与えられると、時定数の小さな回路から順に所望
の弁別レベルに達する、雑音信号が与えられなくなる
と、時定数の小さな回路から順に弁別レベル以下に低下
する。すなわち、雑音密度が小さい場合には、時定数の
小さな積分回路から積分出力のだけが弁別レベルに達
し、雑音が抽出されなくなると、積分出力はすぐに弁別
レベル以下に低下する。また、雑音密度が大きい場合に
は、時定数の小さな回路に次いで時定数の大きな回路の
積分出力も弁別レベルに達し、雑音が抽出されなくなる
と、積分出力は雑音密度が小さい場合よりも遅く弁別レ
ベル以下に低下する。
【0021】また本発明は、受信信号を受信する受信手
段と、受信手段の出力に応答し、受信信号を復調する復
調手段と、復調手段の出力を分離度制御信号に基づいて
演算し、その分離度制御信号のレベルに対応する分離度
で、復調された受信信号を左右チャネル毎の音声信号に
分離して導出するチャネル分離手段と、受信手段の出力
に応答し、受信信号の電界強度を検出して、電界強度が
小さくなるほど分離度を小さくするようにチャネル分離
手段を制御する分離度制御信号を出力する電界強度検出
手段と、受信手段の出力に応答し、受信信号から雑音信
号を抽出する雑音抽出手段と、雑音抽出手段の出力に応
答し、雑音密度を計測する雑音密度計測手段と、雑音密
度計測手段の出力に応答し、雑音密度が高いほど、複数
の段階的にまたは連続的に、前記分離度を小さく設定す
るようにチャネル分離手段を制御する分離度制御信号を
出力する分離度制御手段と、雑音抽出手段において雑音
が抽出されないときは、電界強度検出手段から出力され
る分離度制御信号をチャネル分離手段に与え、雑音が抽
出されるときは、分離度制御手段から出力される分離度
制御信号をチャネル分離手段に与える切換え手段とを含
み、前記雑音密度計測手段は、前記雑音抽出手段からの
雑音を充電または放電する積分時定数が同一である複数
の積分回路と、各積分回路の積分出力を個別的にレベル
弁別し、その弁別レベルが相互に異なる複数のレベル弁
別回路とを有し、前記分離度制御手段は、各レベル弁別
手段の出力に応答し、弁別レベルが大きいレベル弁別手
段の出力が得られるときに、分離度を、弁別レベルが小
さいレベル弁別手段の出力が得られるときと比較して小
さくするようにチャネル分離手段を制御することを特徴
とするステレオ受信機である。本発明に従えば、前記雑
音密度計測手段には、雑音信号を積分する積分回路と、
積分回路の積分出力をレベル弁別する複数のレベル弁別
手段とが含まれる。積分回路の積分時定数は、積分回路
が複数の場合にはどの回路も同一の値を有する。また、
レベル弁別回路の弁別レベルは、相互に異なる。たとえ
ば積分回路の積分時定数が雑音を充電する充電時定数で
あるとき、当該積分回路に雑音信号を与えると、雑音の
発生間隔が短いときほど、また雑音の発生数が多いとき
ほど雑音出力は増加する。すなわち、雑音密度が大きい
ほど、積分出力が増加する。ゆえに、この積分回路の積
分出力を弁別レベルが異なる複数のレベル弁別回路でレ
ベル弁別すると、雑音信号の雑音密度が大きいほど、大
きな弁別レベルを有するレベル弁別回路からの出力を得
る。また、積分回路の積分出力は時間経過とともに増加
するので、レベル弁別回路からの出力は、弁別レベルの
小さな回路から順次分離度制御回路に与えられる。した
がって、分離度制御手段は、積分回路からの出力が弁別
レベルに達すると、弁別レベルが大きいほど分離度を小
さくするように、チャネル分離手段を制御する。これに
よって、積分回路とレベル弁別手段とを用いた簡単な構
成の回路によって、雑音密度を計測することができる。
かつ、積分回路は時定数が等しいので、単一の積分回路
の出力をレベル弁別手段で判定する構成としてもよい。
また、同一の構成の積分回路を複数用いて構成すること
もできる。
【0022】また本発明は、前記各レベル弁別手段は、
積分回路の出力に応答し、前記弁別レベル以上であると
きには一方レベルの信号を出力し、前記弁別レベル未満
であるときには、他方レベルの信号を出力するスイッチ
ング手段を有し、分離度制御手段は、各レベル弁別手段
から一方レベルの信号が得られたときに、分離度を、一
方レベルの信号を出力しているレベル弁別手段のうち、
弁別レベルまたは対応する積分回路の積分時定数が最も
大きいレベル弁別手段に対応した値とするようにチャネ
ル分離手段を制御することを特徴とする。本発明に従え
ば、前記各レベル弁別手段は一方レベルの信号および他
方レベルの信号のいずれか一方を出力するスイッチング
手段を有する。このスイッチング手段は、雑音を充電ま
たは放電する積分回路の積分出力が各弁別レベル以上で
あるときには、一方レベルの信号を出力し、弁別レベル
未満であるときは、他方レベルの信号を出力する。すな
わち一方レベルの信号は、雑音密度が予め定める密度以
上であることを示す。他方レベルの信号は、雑音密度が
予め定める密度未満であることを示す。分離度制御手段
や切換え手段は、各スイッチング手段から出力される一
方レベルまたは他方レベルの信号から、受信信号の雑音
密度の情報を得る。雑音密度の大小は、積分回路の積分
時定数の大小、またはレベル弁別手段の弁別レベルの大
小のいずれかに対応して判定される。また、雑音密度が
大きいほど、レベル弁別手段からの出力タイミングが遅
くなる。分離度制御手段は、複数のレベル弁別手段のス
イッチング手段から一方レベルの信号が与えられた場
合、各レベル弁別手段で判定される雑音密度のうち、最
も大きな密度に併せて分離度を設定する。すなわち、弁
別レベルが等しい計測手段であれば積分時定数の大きな
回路に対応したレベル弁別手段からの出力に応じて、分
離度を設定する。積分時定数の等しい計測手段であれ
ば、弁別レベルの大きなレベル弁別手段からの出力に応
じて、分離度を設定する。これによって、雑音が発生す
ると分離度は雑音密度の小さい場合に対応した値から、
大きい場合に対応した値に順次低下する。ゆえに、たと
えば複数の異なる時定数の積分回路を用いて雑音密度を
測定する場合、雑音発生から分離度を低下させるまでの
時間であるアタックタイムは、常に最も時定数の小さい
回路によって規定される。また、雑音発生が終了する
と、積分回路の出力は雑音密度が小さいほど早く低下す
る。これによって、判定される雑音密度が大きい回路ほ
ど長く一方レベルの信号を分離度制御手段に与え続け
る。したがって雑音発生終了後の分離度は、一方レベル
の信号を出力したレベル弁別手段によって制御される。
このように、それぞれ個別の雑音密度の値の判定を行う
複数のレベル弁別手段からの出力にしたがって、分離度
制御手段を制御することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
あるステレオ受信機11の電気的構成を示すブロック図
である。
【0024】アンテナ12で受信された受信信号は、同
調回路13において、受信すべき希望波の周波数付近の
信号成分だけが強調され、さらに高周波増幅回路14で
増幅された後、混合回路15に入力される。この混合回
路15に関連して、局部発振回路16が設けられてい
る。局部発振回路16は、電圧制御型発振器などで実現
され、フェイズロックループ(以下、「PLL」と略称
する)回路17からのチューニング電圧に対応した周波
数の局部発振信号を出力する。
【0025】PLL回路7は、分周器、基準信号源、比
較器、およびフィルタを備えて構成されている。分周器
は、マイクロコンピュータなどで実演される制御回路1
8から入力される電気記号波の周波数に対応した分周比
Nで、局部発振信号を分周する。基準信号源は、予め定
める基準周波数の基準信号を発生する。PLL回路7で
は、基準信号と分周された局部発振信号との位相を比較
器で比較して、誤差出力を発生させる。発生された誤差
出力は、フィルタによって、直流電圧に平滑化され、チ
ューニング電圧として局部発振回路6および同調回路3
に与えられる。したがって、前記受信周波数を変化する
ときには、制御回路18は分周比Nの値を変化させ、局
部発振信号をその分周比Nで分周した信号と、基準信号
との位相差が0となるようにチューニング電圧が変化す
る。これによって希望波の安定した受信が可能となる。
【0026】混合回路15は、上述のようにして得られ
た発振信号と、受信信号とを混合して中間周波数信号を
得る。得られた中間周波数信号は、音声信号が含まれる
周波数成分だけを濾波することができる狭帯域フィルタ
19を介して中間周波増幅回路20に与えられる。狭帯
域フィルタ19の濾波帯域幅は、たとえばFM放送を受
信するときには、180kHz程度に選ばれる。
【0027】中間周波増幅回路20で増幅された中間周
波信号は、周波数弁別回路21に与えられて、周波数弁
別が行われ、音声信号が復調される。復調された音声信
号は、チャネル分離回路22において、後述するように
定められる分離度に応じて、左右各チャネル毎の音声信
号にステレオ分離が行われた後、トーン制御回路23に
与えられる。
【0028】トーン制御回路23は、たとえば各チャネ
ル毎にローパスフィルタと加算器、および2つの乗算器
を備えて構成される。トーン制御回路23では、入力さ
れた音声信号のローパスフィルタを介する成分とバイパ
スラインを介する成分との割合を任意に調整することが
できる。ローパスフィルタを介する成分が大きくなるこ
とは、音声信号の高域成分が減衰されてゆくことと等価
である。このトーン制御回路23からの出力は、増幅回
路24で増幅された後、スピーカ25に与えられ、音響
として出力される。
【0029】中間周波増幅回路20からの出力は、ライ
ン31を介してSメータ回路32に与えられる。Sメー
タ回路32は、アンテナ12で受信された受信信号の受
信電界強度に対応した電圧を出力する。この出力電圧
を、Sメータ電圧と称する。また、受信信号の電界強度
は、中間周波増幅回路20からの出力をAM(振幅変
調)検波して求めても良い。
【0030】Sメータ回路32の出力は、導線であるラ
イン33を介して分離度制御回路34に与えられる。ラ
イン33には、抵抗R1が介在されている。また、ライ
ン33の抵抗R1と分離度制御回路34とで区分された
ライン部分35と接地ラインとの間には、コンデンサC
1が介在されている。抵抗R1とコンデンサC1とは、
時定数回路36を構成する。時定数回路36は、Sメー
タ回路32の出力の瞬間的な微少な動きに対応して分離
度制御回路34が稼動するのを防止するために設けられ
ている。時定数回路36の時定数τ1は、Sメータ回路
32の出力の瞬間的な変動の時間よりも大きく設定され
ている。
【0031】図2は、Sメータ回路32の具体的構成を
示す回路図である。Sメータ回路32には、図3に示す
中間周波増幅回路20からの出力信号37が与えられ
る。出力信号37は、受信信号を周波数変換した信号波
形37aの一部に、雑音信号37bが重畳されたもので
ある。この出力信号は、ライン31を介してダイオード
D1に与えられる。ダイオードD1からの出力はライン
38を介して増幅回路39に与えられる。ライン38と
接地ラインとの間には、コンデンサC2が介在されてい
る。中間周波増幅回路20から与えられた出力信号は、
ダイオードD1およびコンデンサC2から成る回路にお
いて平滑化され、増幅回路39において予め定めるレベ
ルに増幅された後に、トランジスタT1のベース端子に
与えられる。トランジスタT1のコレクタ端子には、図
示しないバッテリから予め定めるレベル+Bの電圧が与
えられている。トランジスタT1のエミッタ端子には、
ライン33,41が接続されている。またライン33,
41と接地ラインとの間には、抵抗R2が介在されてい
る。
【0032】Sメータ回路32は、中間周波増幅回路2
0から与えられる出力信号の電界強度に対応したSメー
タ電圧の信号をライン33,41に導出する。図4は、
中間周波増幅回路20から与えられる出力信号の電界強
度と、Sメータ回路32から出力されるSメータ電圧と
の関係を示す図である。中間周波増幅回路20からの出
力信号の電界強度と、Sメータ回路32からの出力のS
メータ電圧とは、実線40に示すように比例している。
【0033】Sメータ回路32からの出力は、時定数回
路36の他に、ライン41を介してマルチパス検出回路
42にも与えられる。マルチパス検出回路42は、アン
テナ12において受信された受信信号に重畳されて受信
された雑音成分を検出する。
【0034】図5は、マルチパス検出手段42の具体的
な構成を示す回路図である。ライン41はコンデンサC
3の一方端子に接続される。コンデンサC3の他方端子
は、抵抗R3,R4の一方端子およびトランジスタT2
のベース端子に接続される。抵抗R3の他方端子はバッ
テリに接続され、予め定める電圧B+が印加されてい
る。抵抗R4の他方端子は接地されている。
【0035】トランジスタT2のコレクタ端子には、抵
抗R5を介して予め定める電圧VCが印加されている。
トランジスタT2のエミッタ端子は、抵抗R6を介して
接地されている。トランジスタT2のエミッタ端子と抵
抗R4の一方端子とには、コンデンサC4の一方端子が
接続される。コンデンサC4の他方端子には、ダイオー
ドD5の順方向入力側の一方端子およびダイオードD3
の順方向出力側の一方端子とがそれぞれ接続される。ト
ランジスタD3の順方向入力側の他方端子は接地されて
いる。トランジスタT2の順方向出力側の他方端子は、
ライン45,46に接続されている。
【0036】マルチパス検出回路42では、まずコンデ
ンサC3および抵抗R4からなるフィルタにおいて、S
メータ回路32からの出力の低域成分を除去する。次い
で、その低域成分が除去された出力を抵抗R3〜R5、
トランジスタT2およびコンデンサC4から成る増幅整
流回路において出力信号を増幅整流して、雑音信号を抽
出する。最後に、ダイオードD2,D3からなる全波整
流回路において全波整流して、第1および第2積分回路
45,46に出力する。
【0037】マルチパス検出回路42のトランジスタT
2は、Sメータ回路32から出力された出力信号に含ま
れる雑音が小さなレベルの雑音であっても抽出できるよ
うに設定される。すなわち、トランジスタT2は小さな
レベルの雑音であっても、容易に飽和するように設定さ
れている。したがって、マルチパス検出回路42から出
力される雑音信号は、雑音の有無だけを示す信号であ
り、雑音の大きさ、すなわち受信信号の電界強度の大き
さは無視される。このように、マルチパス検出回路42
は、受信信号から雑音成分だけを抽出する。
【0038】マルチパス雑音はまた、周波数弁別回路2
1からの出力信号をフィルタで濾波して低域成分を除去
し増幅整流した後に、雑音成分を抽出するように検波し
て、検出しても良い。たとえばFM放送受信機などにお
いて、復調された音声信号に重畳されたノイズ成分を除
去するノイズキャンセル回路が備えられている場合、当
該回路においてノイズを検出するために備えられるフィ
ルタや増幅整流回路と、マルチパス雑音を検出するため
の回路とを兼用するようにしてもよい。
【0039】マルチパス検出回路42からの出力は、ラ
イン45,46を介して第1および第2積分回路47,
48に与えられる。図6は、積分回路47,48および
波形整形用のトランジスタT3,T4の具体的構成を示
す回路図である。第1積分回路47では、ライン45に
は抵抗R7,R8が直列に接続される。抵抗R7と抵抗
R8とを直列に接続するライン51と接地ラインとの間
には、コンデンサC6が介在されている。抵抗R8の抵
抗R7と接続された一方端子と反対側の他方端子は、波
形整形用のトランジスタT3のベース端子に接続され
る。抵抗R8とトランジスタT3のベース端子との間を
接続するライン52と接地ラインとの間には抵抗R9が
介在されている。
【0040】第2積分回路48は、第1積分回路47と
類似の構成を有する。ライン46は、抵抗R11,12
とライン54を介して直列に接続される。ライン54と
接地ラインとの間にはコンデンサC1が介在される。ま
た抵抗R12の抵抗R11と接続される側の一方端子と
反対側の他方端子は、波形整形用のトランジスタT4の
ベース端子とライン55を介して接続される。ライン5
5と接地ラインとの間には、抵抗R13が介在される。
【0041】第1積分回路の47の抵抗R7とコンデン
サC6とは、充電時定数τ2を有する時定数回路57を
構成する。第2積分回路47の抵抗R11とコンデンサ
C8とは、充電時定数τ3を有する時定数回路58を構
成する。第1積分回路47の抵抗R8,R9および第2
積分回路48の抵抗R12,R13は、それぞれ積分回
路47,48の放電時定数を調整するための抵抗であ
る。
【0042】時定数回路57,58の充電時定数は、そ
れぞれ抵抗の抵抗値とコンデンサの静電容量との乗算で
求められる。以後、抵抗Rn(nは整数)の抵抗値を
「rn」と表す。また、コンデンサCn(nは整数)の
静電容量を「cn」で表す。時定数τ2,τ3は、以下
の式で表される。
【0043】 τ2=r7・c6 …(1) τ3=r11・c8 …(2) 時定数回路57の時定数τ2は、時定数回路58の時定
数τ3よりも大きく設定される。
【0044】 τ2>τ3 …(3) また、積分回路47,48の放電時定数τ2a,τ3a
は、以下の式で表される。
【0045】 τ2a=(r8+r9)・c6 …(4) τ3a=(r12+r13)・c8 …(5) 第1積分回路47の放電時定数τ2aは第2積分回路4
8の放電時定数τ3aよりも大きい。また、充電時定数
τ2,τ3は、放電時定数τ2a,τ3aよりも大き
い。たとえば、第1積分回路47において、充電時定数
τ2は、3msecに設定され、放電時定数は0.3m
secに設定される。
【0046】波形整形用のコンデンサT3およびT4の
ベース端子には、それぞれ第1および第2積分回路4
7,48からの出力が与えられる。すなわち、第1およ
び第2積分回路47,48において、マルチパス検出回
路42から与えられたパルス状の雑音信号によってコン
デンサC6が充電され、予め定める電圧レベルまで充電
されると、トランジスタT3,T4がオン状態となり、
トランジスタT3,T4のエミッタ端子からコレクタ端
子に電流が流れる。トランジスタT3,T4のエミッタ
端子は、それぞれ接地されている。トランジスタT3,
T4のコレクタ端子は、それぞれ、分離度制御回路34
からの出力をトランジスタT3,T4に与えるように接
続されている。
【0047】再び図1を参照する。分離度制御回路34
は、抵抗R15〜R18,ダイオードD6,D7および
コンデンサC10を含んで構成される。Sメータ回路3
2と抵抗R15は、ライン33、時定数回路36および
ライン部分35を介して接続される。抵抗R15〜R1
8は、順に直列に接続される。
【0048】抵抗R15,R16間には、ダイオードD
6の順方向入力側の一方端子p2が介在されて接続され
る。ダイオードD6の順方向出力側の他方端子p1と接
地ラインとの間にはコンデンサC10が介在される。ま
た、ダイオードD6の順方向出力側の他方端子p1とコ
ンデンサC10との接続部分には、前述したトランジス
タT3のコレクタ端子がライン61を介して接続されて
いる。
【0049】抵抗R16,R17間には、ダイオードD
7の順方向入力側の一方端子p4が介在されて接続され
ている。ダイオードD7の順方向出力側の他方端子p3
は、ライン62を介して前述したトランジスタT4のエ
ミッタ端子に接続されている。抵抗R17の抵抗R16
およびダイオードD7と接続されている一方端子と反対
側の他方端子には、ライン63が接続される。ライン6
3は、後述するように、分離度制御回路34から出力さ
れるSメータ電圧から制御電圧を生成し、チャネル分離
手段22内の係数乗算回路に与える。ライン63と接地
ラインとの間に抵抗R18が介在される。
【0050】図7は、チャネル分離回路22の具体的構
成を示すブロック図である。チャネル分離回路22は、
周波数弁別回路21において復調された受信信号から、
左右チャネル毎の音声信号を分離する。分離度は、左ま
たは右チャネルの発生信号が右または左チャネルに漏洩
して右または左チャネルの発生信号に混入する度合いを
示す。分離度は次式で表される。
【0051】
【数1】
【0052】「R」「L」は、それぞれ右チャネルおよ
び左チャネルの音声信号を示す。「ΔR」,「ΔL」
は、それぞれ左チャネルへ漏洩した右チャネルの音声信
号、右チャネルへ漏洩した左チャネルの音声信号を示
す。
【0053】チャネル分離回路22には、周波数弁別回
路21からライン66を介して右チャネルと左チャネル
との音声信号が加算されて構成される和信号(L+R)
が与えられる。また、周波数弁別回路21からライン6
7を介し、左信号から右信号を減算した差信号(L−
R)が与えられる。
【0054】和信号(L+R)は、係数乗算回路68に
おいて係数k1が乗算された後に、加算器69に与えら
れる。また和信号(L+R)は、ライン70を介して減
算器71に与えられる。
【0055】差信号(L−R)は、係数乗算回路72に
おいて係数k1が乗算された後に減算器71に与えられ
る。また差信号(L−R)は、ライン73を介して加算
器69にもまた与えられる。
【0056】係数乗算回路68,72は分離度制御回路
34とライン63を介して接続され、制御されている。
係数乗算回路68,72は、係数k1の値を分離度制御
回路34からの制御電圧に応じて決定し、差信号および
和信号に乗算する。
【0057】加算器69では、係数k1が乗算された和
信号[k1(L+R)〕と差信号(L−R)とが加算さ
れ、その出力が、ライン74を介してトーン制御回路2
3に与えられる。減算器71では、和信号(L+R)か
ら係数k1を乗算した差信号〔k1(L−R)〕が減算
され、その出力がライン75を介してトーン制御回路2
3に与えられる。すなわち、トーン制御回路23にはラ
イン74,75を介してそれぞれ以下に示す信号が与え
られる。
【0058】 (k1+1)L+(k1−1)R …(4) (k1−1)L+(k1+1)R …(5) 「R」「L」は、それぞれ右チャネルおよび左チャネル
の音声信号を示す。係数k1は、分離度制御回路34か
らライン63を介して与えられる制御電圧に比例して決
定される値であり、分離度と対応するものである。図8
は、係数k1と制御電圧との関係を示すグラフである。
実線77に示すように、制御電圧が0〜V0までの間
は、係数k1は制御電圧に比例して大きくなる。制御電
圧が予め定める電圧V0以上となると、係数k1は1に
保たれる。係数k1は、0〜1の間のいずれかの値をと
る。
【0059】すなわち、係数k1が1であるときには、
ライン74,75からはそれぞれ左および右チャネルの
音声信号だけが出力される。係数k1が0であるときに
は、ライン74,75からは、左チャネルの音声信号か
ら右チャネルの音声信号を減算した信号および右チャネ
ルの音声信号から左チャネルの音声信号を減算した信号
が出力される。係数k1が0以上1未満の値であるとき
には、係数に応じて、左チャネルおよび右チャネルに係
数に応じた割合だけ右チャネルおよび左チャネルの音声
信号が混入した状態の信号が出力される。
【0060】以上のような回路構成によって、マルチパ
ス雑音が発生してしていないときには、Sメータ回路3
2からの出力に基づいてチャネル分離回路22の係数乗
算回路68,72が制御される。またマルチパス雑音が
発生しているときには、マルチパス雑音が所定時間内に
発生した数、すなわち雑音密度に基づいて係数乗算回路
の係数の値を制御する。
【0061】図9は、マルチパス検出回路42から分離
度制御回路34までの各回路の出力を示す波形図であ
る。図9(1)の実線81はマルチパス検出回路42か
ら出力される雑音信号である。雑音信号は、雑音成分の
有無を示すパルス信号である。
【0062】マルチパス検出回路42は、受信信号内に
雑音が重畳されていることを検出すると、雑音信号のレ
ベルをローレベルからハイレベルに切換える。
【0063】図9(2)は、第1および第2積分回路4
7,48からの出力信号のレベルを示す。実線83は、
第1積分回路47からの出力信号のレベルを示す。2点
鎖線84は、第2積分回路48からの出力信号のレベル
を示す。
【0064】第1および第2積分回路47,48は、マ
ルチパス検出回路42において雑音が検出され始めた時
刻、すなわち図9(1)の雑音信号の最初のパルスの立
上がり時刻t11から充電を開始する。マルチパス検出
回路42において雑音が検出されなくなる時刻、すなわ
ち図9(1)の雑音信号の最後のパルスの立上がり時刻
t12において充電を終了し、放電に移る。
【0065】第2積分回路48の充電時定数τ3は、第
1積分回路47の充電時定数τ2よりも小さい。したが
って、第2積分回路48の出力信号のレベルは、第1積
分回路47の出力信号のレベルよりも速く、時刻t13
で予め定めるオン電圧V1に達する。また、第2積分回
路48の放電時定数τ3aは、第1積分回路47の放電
値定数τ2aよりも小さい。したがって、時刻t12に
おいて積分回路47,48のコンデンサC6,C8が放
電に移ると、第2積分回路48からの出力のレベルは、
第1積分回路47からの出力のレベルよりも早くオン電
圧V1以下に低下する。
【0066】したがって、第2積分回路48からの出力
は、時刻t13から時刻t14までの間、オン電圧V1
よりも高いレベルを保つ。第1積分回路47からの出力
は、時刻t15から時刻t16までの間、オン電圧V1
以上のレベルを保つ。
【0067】積分回路47,48からの出力のレベルが
オン電圧V1以上のレベルからオン電圧V1以下のレベ
ルに切換わる時刻t14,t16は、雑音が抽出されな
くなった時刻t12よりも遅い。かつ、第2積分回路4
8のオン電圧の切換わり時刻t14は、第1積分回路4
7のオン電圧V1の切換わり時刻t16よりも速く、か
つ雑音が抽出されなくなる時刻t12にほぼ等しい。
【0068】第1および第2積分回路47,48からの
出力がオン電圧V1以上のレベルを有するときに、トラ
ンジスタT3,T4が電流を通過させないオフ状態から
電流を通過させるオン状態に切換わる。
【0069】図9(3)および図9(4)は、トランジ
スタT3,T4のオフ状態およびオン状態の切換わりタ
イミングを示す波形図である。図9(3)の実線86
は、トランジスタT3のオフ状態およびオン状態の切換
わりタイミングを示す。図9(4)の実線87は、トラ
ンジスタT4のオフ状態およびオン状態の切換わりタイ
ミングを示す。図9(3)および図9(4)において、
レベルがローレベルであるときにトランジスタはオフ状
態であるとする。またレベルがハイレベルであるときに
トランジスタはオン状態であるとする。
【0070】トランジスタT3,T4のオン状態とオフ
状態との切換えは、第1および第2積分回路47,48
からの出力に対応している。すなわち、時刻t15で第
1積分回路47からの出力のレベルがオン電圧V1未満
からオン電圧V1以上に切換わると、時刻t15でトラ
ンジスタT3はオフ状態からオン状態に切換わる。時刻
t15から時刻t16の間トランジスタT3はオン状態
を保つ。時刻t16で第1積分回路47からの出力のレ
ベルがオン電圧V1以上からオン電圧V1未満に切換わ
ると、トランジスタT3はオン状態からオフ状態に切換
わる。
【0071】同様に時刻t13において第2積分回路4
8からの出力がオン電圧V1未満からオン電圧V1以上
に切換わると、トランジスタT4は、オフ状態からオン
状態に切換わる。時刻t13から時刻t14までの間ト
ランジスタT4はオン状態を保つ。時刻t14で第2積
分回路48からの出力のレベルがオン電圧V1以上から
オン電圧V1未満に切換わると、トランジスタT4はオ
ン状態からオフ状態に切換わる。すなわち、トランジス
タT3はトランジスタT4よりも遅くオフ状態からオン
状態に切換わり、オン状態からオフ状態に切換わる。
【0072】トランジスタT3,T4がオン状態になる
と、分離度制御回路34において、ダイオードD6,D
7に順方向電流が流れる。図9(5)は、ダイオードD
6の順方向出力側の端子P1および順方向入力側の端子
P3での電圧のレベルを示す図である。また、図9
(6)は、ダイオードD7の順方向出力側の一方端子P
3と順方向入側の他方端子P4の電圧のレベルを示す波
形図である。
【0073】雑音が検出されていないとき、他方端子P
2,P4には、Sメータ回路32から出力されたSメー
タ電圧を抵抗R15〜R18において分圧した電圧であ
る電圧V3,V4が与えられている。図9(5)および
図9(6)の2点鎖線88,89はダイオードD6,D
7の順方向出力側の一方端子P1,P3の電圧レベルを
示す。図9(5)および図9(6)の実線91,92
は、それぞれダイオードD6,D7の順方向入力側の他
方端子P2,P4の電圧のレベルを示す。
【0074】トランジスタT3がオン状態になると、一
方端子P1の電圧レベルは、たとえば0V近傍まで低下
し、ダイオードD6が電流が流れるオン状態に切換わ
る。したがって他方端子P2の電圧レベルは、ダイオー
ドD6の順方向電圧によって定められる電圧V5まで低
下する。
【0075】トランジスタT3がオン状態からオフ状態
に切換わると、一方端子P1の電圧レベルは雑音が重畳
されていない状態のレベルに戻ろうとする。このとき
に、端子P1に接続されたコンデンサC10が放電を開
始する。したがって、一方端子P1の電圧レベルは、ト
ランジスタT3はオン状態からオフ状態に切換わった時
刻t16からコンデンサC10の放電に伴って徐々に電
圧レベルが上昇し、時刻t17で、元の電圧レベルに復
帰する。
【0076】ダイオードD6の他方端子P2の電圧のレ
ベルは、一方端子P1の電圧レベルの変化にほぼ遅延な
く変化する。したがって、他方端子P2の電圧レベル
は、時刻t15でSメータ回路32から出力された信号
の電圧レベルから強制的に予め定める電圧レベルV5に
低下される。時刻t16でトランジスタT3がオフ状態
となると、すなわち、第1積分回路47において雑音が
抽出されなくなったと判定されると、他方端子P2の電
圧のレベルは時間経過に伴って徐々に増加する。
【0077】トランジスタT4がオン状態に切換わる
と、ダイオードD7の一方端子P3はほぼ遅延なくほぼ
0V近くまで電圧レベルが低下する。一方端子P3の電
圧のレベルが0V近くまで低下すると、ダイオードD7
に電流が流れる状態となる。したがってダイオードD7
の他方端子P4の電圧のレベルは、ダイオードD7の順
方向電圧によって定められる電圧V5に強制的に低下さ
れて規制される。トランジスタT4がオン状態からオフ
状態に切換わると一方端子P3の電圧のレベルは元の電
圧レベルに復帰する。これによってダイオードD7に順
方向電流が流れなくなり、他方端子P4の電圧レベルは
Sメータ回路32から出力された信号で規定されるレベ
ルV4に即座に復帰する。
【0078】このように、第1積分回路47からの出力
によって、分離度制御回路34の抵抗R15と抵抗R1
6との間の点である他方端子P2の電圧のレベルが制御
される。同様に、抵抗R16と抵抗R17との間の点で
あるダイオードD7の他方端子P4の電圧のレベルが、
第2積分回路48からの出力によって制御される。この
ように、分離度制御回路34において、ダイオードD
6,D7の他方端子P2,P4の電圧のレベルを第1お
よび第2積分回路47,48の時定数に応じたタイミン
グで制御する。
【0079】これによって、チャネル分離回路22の係
数乗算回路68,72に与えられる制御電圧がマルチパ
ス雑音の有無およびマルチパス雑音の所定時間内の発生
回数、すなわち雑音密度に応じて制御される。
【0080】マルチパス雑音が検出されないとき、マル
チパス検出回路42からの出力は常にローレベルを保
つ。したがって、第1および第2積分回路47,48か
らの出力はオン電圧V1に達せず、トランジスタT3,
T4はオフ状態を保つ。ゆえに、ダイオードD6,D7
の他方端子P2,P4での電圧のレベルは、Sメータ回
路32からの出力によって規制されるレベルを保つ。ゆ
えに、Sメータ回路32からの出力の電圧レベルV11
は、抵抗R15〜R18によって分圧され、電圧レベル
V12aの制御電圧に変換されて、ライン63を介しチ
ャネル分離回路22の係数乗算回路68,72に与えら
れる。
【0081】
【数2】
【0082】したがって、チャネル分離回路22では、
受信信号の電界強度に対応して、受信信号の感度が大き
いとき、すなわちSメータ回路32からの出力の電圧レ
ベルV11が大きいときには、分離度をチャネル分離回
路22で定める最大の分離度に設定する。受信信号の感
度が小さくなるとSメータ回路32からの出力の電圧レ
ベルV11が低下し、チャネル分離回路22は、与えら
れた制御信号に対応するように分離度を小さくする。
【0083】マルチパス雑音が発生している場合には、
マルチパス検出回路42では、マルチパス雑音のレベル
に拘わらず、マルチパスの有無だけを検出する。マルチ
パス雑音が検出されると、マルチパス雑音の発生時にレ
ベルがハイレベルになるようなパルス信号が第1積分回
路47および第2積分回路48に与えられる。
【0084】マルチパス雑音の雑音密度が低いとき、す
なわち、予め定める所定時間内のマルチパス雑音の数が
少なかったり、マルチパス雑音の間隔が大きく開いてい
る場合には、第2積分回路48の出力レベルがオン電圧
V1に達し、第1積分回路47の出力レベルはオン電圧
V1に達しない。
【0085】たとえば、前述した図9(2)において、
時刻t11から時刻t21までマルチパス雑音が発生
し、時刻t21から時刻t12までのマルチパス雑音が
発生していないとする。このとき、第1積分回路47の
時定数τ2は、第2積分回路48の時定数τ3よりも大
きい。したがって、第1積分回路47からの出力はオン
電圧V1に達しず、第2積分回路48の出力のレベルだ
けが、オン電圧V1に達している。したがって、トラン
ジスタT3はオフ状態を保ち、トランジスタT4はオン
状態に切換わる。
【0086】これによって、分離度制御回路34の中で
ダイオードD6に電流が流れ、他方端子P2の電圧レベ
ルはSメータ回路32から出力される出力電圧によって
規定される。また、トランジスタT4はオン状態に切換
わるので、ダイオードD7の一方端子P3の電圧のレベ
ルが0V近くまで低下し、ダイオードD7に順方向電流
が流れる。したがって、ダイオードD7の他方端子P4
の電圧のレベルは、Sメータ回路32からの出力に拘わ
らず、ダイオードD7の順方向電圧によって規定される
電圧レベルV5に保たれる。ゆえに、分離度制御回路3
4から出力される制御電圧V12bは、次式によって表
される。
【0087】
【数3】
【0088】制御電圧V12bは、チャネル分離回路2
2において、受信信号の感度が良好であるときの最大の
分離度Maxから、分離度が約10dBに低下するよう
に定められる。抵抗R17,R18の抵抗値r17,r
18は、ダイオードD7の順方向電圧によって規定され
る電圧V5が、チャネル分離回路22において、分離度
を10dBにするように制御することができる制御電圧
に変換されるように定められる。
【0089】また時刻t12が経過し、マルチパス雑音
が発生しなくなると、トランジスタT4はオン状態から
オフ状態に切換わり、ダイオードD7には順方向電流が
流れなくなる。これによって他方端子P4の電圧レベル
は、Sメータ回路32から出力される信号のSメータ電
圧によって規定される状態に即座に戻る。
【0090】したがって、図10(1)に示すようにマ
ルチパス雑音が単発的に間隔を開けて発生したり、図1
1(1)に示すように時間W11内にマルチパス雑音が
数回発生する程度の雑音密度であるときには、図10
(2)および図11(2)に示すように、雑音が発生す
ると分離度は最大値Maxから約10dBまで即座に低
下する。また雑音が検出されなくなると、約10dBか
ら最大値Maxまで即座に戻る。
【0091】したがって、受信信号から雑音信号が検出
された時刻t11から分離度が低下しはじめるまでの時
刻であるアタックタイムは、第2積分回路48の出力レ
ベルがオン電圧V1に達するまでの時間で規定される。
すなわち、第2積分回路48の時定数が大きいほど、ア
タックタイムは短くなる。
【0092】分離度を最大値Maxから10dBまで低
下させた場合、ステレオ受信器11からの再生されたス
テレオ放送を聴取している聴取者には、ステレオ放送の
左右チャネルに反対側のチャネルの音声信号が混入し、
モノラル放送に近くなるようなステレオ感の大幅な変化
は感じないので、音揺れ感などが生じない。単発的なマ
ルチパス雑音や、雑音密度の低いマルチパス雑音では、
分離度を10dB程度まで減少させれば、十分に雑音低
減を図ることができる。
【0093】ゆえに、単発的なマルチパス雑音または雑
音密度の低いマルチパス雑音が発生した場合には、分離
度を10dB程度まで低下させ雑音がなくなるとほぼ瞬
間的に復帰させて、分離度が低下している時間を短縮す
ることができる。したがって、聴取者には音揺れ感など
が生じないままマルチパス雑音を低減させるとともに、
ステレオ放送を提供する時間を長くすることができる。
雑音密度が低い場合とは、2〜3ミリ秒間に数回のマル
チパス雑音が発生する程度の密度である場合である。
【0094】マルチパス雑音の雑音密度が大きい場合、
マルチパス検出回路42からは、図9(1)に示すよう
な時刻t11から時刻t12間に複数回の雑音を検出し
た雑音信号が、第1および第2積分回路47,48に与
えられる。
【0095】第2積分回路48は時刻t13においてオ
ン電圧V1に達し、トランジスタT4は時刻t13でオ
ン状態となり、ダイオードD7に順方向電流が流れ、他
方端子P4の電圧のレベルが所定のレベルV5に規定さ
れる。したがって、Sメータ回路32からの出力の電圧
レベルに拘わらず、チャネル分離回路22には、制御電
圧V12bが与えられる。
【0096】時刻t15に至って第1積分回路47から
の出力がオン電圧V1に達すると、トランジスタT3が
オン状態となり、ダイオードD6に順方向電流が流れ、
他方端子P2の電圧のレベルが予め定める電圧のレベル
V5に規定される。このとき、ダイオードD7の他方端
子P4の電圧のレベルは、ダイオードD6の他方端子B
2の電圧のレベルよりも低いレベルに規定される。した
がって、この時にチャネル分離回路22に与えられる制
御電圧V12cは、次式で規定される。
【0097】
【数4】
【0098】制御電圧V12cは、チャネル分離回路2
2において分離度をたとえば4dB以下になるように制
御する電圧の大きさを有する。4dB以下に分離度を低
下させることによって、チャネル分離回路において分離
度を制御することによって雑音を軽減する能力が最大と
なる。また、4dB以下まで分離度を低下させると、聴
取者の聴感上左右チャネルに音声が分離していることを
感じない。したがって、分離度4dB以下に低下させた
ときは、分離度を元の最大値Maxまで復帰させる場合
には、ステレオ放送とモノラル放送とが切換わったよう
に感じられ音揺れ感が生じる。したがって、この場合に
は、分離度を時間経過において徐々に増加させる。
【0099】時刻t12以後、雑音が検出されない場合
には、第1および第2積分回路47,48は時刻t12
から放電を開始する。第1および第2積分回路47,4
8の放電時定数は、第1積分回路の放電時定数の方が第
2積分回路48の放電時定数よりも大きく、放電が緩や
かに進む。したがって、時刻t12から放電を開始した
場合に、第2積分回路48からの出力のほうが早くオン
電圧V1に達する。ゆえに、トランジスタT4の方がト
ランジスタT3よりも早くオン状態からオフ状態に切換
わる。
【0100】トランジスタT4がオン状態からオフ状態
に切換わったとき、トランジスタT3はまだオン状態を
保っている。したがって、ダイオードD7に順方向電流
が流れるまたは流れないに拘わらず、チャネル分離回路
22に与えられる制御電圧は、ダイオードD6の他方端
子P2の電圧のレベルによって規定される。したがっ
て、分離度の復帰動作は、第1積分回路47の放電時定
数およびコンデンサC10の静電容量c10などによっ
て規定される。
【0101】第1積分回路47の出力のレベルが時刻t
16においてオン電圧V1以下に至ると、トランジスタ
T3はオン状態からオフ状態に切換わる。トランジスタ
T16がオフ状態になると、前述したようにダイオード
T6の順方向出力側の一方端子P1の電圧のレベルは、
コンデンサC10の放電によって規定される。したがっ
て、雑音が検出されなくなる時刻t12から電圧のレベ
ルがSメータ回路32からの出力によって規定されるレ
ベルV3に復帰する時刻t18までの時間であるリリー
スタイムW15は、雑音密度が低い場合のリリース時間
W16と比較して極めて長い。雑音密度が高い場合のリ
リースタイムW15は1秒以上の時間、たとえば2秒に
設定される。
【0102】以上のような動作によって、図12(1)
に示すように所定時間W18の間に多数のマルチパス雑
音が検出された場合においては、図12(2)に示すよ
うに分離度は雑音が検出されてからすぐ最大値Maxか
ら10dBまで低下される。次いで、時刻t15で第2
積分回路47の出力がオン電圧V1に達すると、分離度
はさらに4dB以下まで低下される。時刻t12におい
て雑音が検出されなくなると、分離度は、コンデンサC
10の放電によって制御される時間変化率で徐々に増加
し、予め定めるリリースタイムW15が経過すると、最
大の分離度Maxまで戻る。このように雑音密度が高い
ときには、分離度は0dB近くまで低下され、雑音が検
出されなくなると時間経過に伴って徐々に元の分離度ま
で復帰する。時間W18はたとえば数100ミリ秒であ
り、数100ミリ秒間に多数のマルチパス雑音が検出さ
れたときに、雑音密度が高いと判断する。
【0103】このように本実施形態のステレオ受信器1
1では、マルチパス雑音が検出されないとき、マルチパ
ス雑音が検出されかつ雑音密度が低いとき、およびマル
チパス雑音が検出されかつ雑音密度が高いときの3つの
状態に応じて、それぞれ分離度を制御する。
【0104】本実施形態では、マルチパス雑音の雑音密
度が予め定める雑音密度以上であるか否かであるかは、
時定数の異なる2つの積分回路の出力が所定の電圧レベ
ルに達したか否かで判定している。すなわち、雑音密度
が低い場合には、時定数の小さな第2積分回路48だけ
の出力がオン電圧V1に出し、時定数の大きい第1積分
回路47からの出力がオン電圧V1に達しない。この場
合に、雑音密度が低いと判断され、分離度が10dBに
規定される。また、第1積分回路47からの出力がオン
電圧V1に達すると、雑音密度が高いと判断されて分離
度は4dB以下に規定される。
【0105】雑音を軽減する場合にはマルチパス雑音が
検出されてからすぐ分離度が低下されることが好まし
い。トランジスタT3,T4は、雑音密度が予め定める
密度以上であるか否かを判断するための回路である。第
1積分回路47からの出力がトランジスタT3をオン状
態にするオン電圧がV1に達するまでの時間W20は、
第2積分回路48の出力がオン電圧V1に達するまでの
時間W12よりも長い。ゆえに、マルチパス雑音が発生
すると雑音密度の大小に拘わらず雑音が検出された時刻
から時間W12が経過すると分離度は10dBまで低下
される。
【0106】したがって、時定数の異なる積分回路を並
列的に作動させると、時定数の小さな積分回路から、順
次トランジスタをオン状態にすることのできるレベルの
出力が出力されることになる。ゆえに、積分回路のよう
な容易な回路を複数並列に作動させることによって、常
に雑音が発生してから分離度は低下するまでのアタック
タイムを最も時定数の小さな積分回路によって規定する
ことができる。ゆえに、常にアタックタイムを短く規定
することができる。
【0107】図13は、本実施形態のステレオ受信器1
1において、Sメータ電圧と分離度との関係を示す図で
ある。マルチパス雑音が発生していないときは、Sメー
タ電圧と分離度とは実線101に示すようにSメータ電
圧の上昇に伴って分離度が増加する。すなわち、受信信
号の電界強度が予め定めるレベル以上である時期は、最
大の分離度Maxで左右チャネルの音声信号が分離され
る。Sメータ電圧が予め定める電圧未満になると、分離
度はSメータ電圧に応じて低下する。
【0108】マルチパス雑音が発生した場合、分離度は
Sメータ電圧に拘わらず実線102,103で示す予め
定めるレベル、たとえば雑音密度が予め定める密度より
も高い場合には実線103で示す4dB以下のレベル、
雑音密度が予め定める密度未満である時には実線102
で示す10dB程度の分離度に保たれる。
【0109】また図14は、雑音密度が予め定める密度
よりも高い場合において、分離度と時間経過との関係を
示すグラフである。実線105に示すように、雑音が検
出されてから時間W12が経過すると時刻t12におい
て分離度は最大値Maxから10dBまで低下される。
次いで、時刻t12から時刻t15に至ると、さらに1
0dBから4dBまで低下される。したがって、雑音が
検出されてから分離度が最大値よりも低下されはじめる
時間であるアタックタイムは、常に時定数の小さい第2
積分回路48の出力レベルによって規定される。
【0110】図15は、雑音密度とリリースタイムとの
関係を示すグラフである。前述したように、分離度を最
大値Maxから10dBまで低下させた場合には、聴取
者がステレオ感が損なわれたとは感じていない。したが
って、分離度を10dBまで低下させている場合、すな
わち雑音密度が予め定める密度αに達しない場合には、
リリースタイムは極めて短い時間とする。また、雑音密
度が予め定める所定密度α以上である場合には、分離度
が4dBまで低下される。このときには、聴取者はステ
レオ放送がモノラル放送に切換わっていると感じている
ので、モノラル放送からステレオ放送に急激に切換わり
音揺れ感があると感じさせることを防止するために、リ
リースタイムは1秒以上の長い時間を取る。
【0111】このように本実施形態のステレオ受信器1
1ではマルチパス雑音の有無およびマルチパス雑音の雑
音密度の大小に応じて、ステレオ放送の分離度をどこま
で低下させるかを規定する。また分離度を低下したレベ
ルに応じて、分離度を元の最大値に復帰させるリリース
タイムを決定する。
【0112】本実施形態のステレオ受信器11では、雑
音密度に応答して分離度を複数の段階的に低下させてい
る。他の実施形態として、図16の実線108に示すよ
うに雑音密度が所定密度αに至るまでは、分離度を雑音
密度に応じて連続的に変化させ、所定密度以上になった
ときには、分離度を4dB以下に低下させるようにして
もよい。またこのとき、分離度は最大値Maxから10
dBまで徐々に連続的に低下される。
【0113】雑音密度が所定の密度αよりも低いとき
は、分離度は最大の値Maxから最大10dBまでの間
の値まで低下させることが好ましい。分離度の最大値か
ら10dBまでの間に分離度を低下させた場合には、聴
取者には分離度を低下させたことによってステレオ放送
がモノラル放送に換わったという違和感が感じられな
い。したがって、この場合には、分離度を短時間で急激
に元の最大の分離度まで復帰させた場合にもステレオ放
送とモノラル放送が急激に切換わったという音揺れ感を
生じない。
【0114】また、雑音密度が所定の密度α以上である
場合には、雑音を軽減する能力が最大となる4dB以下
まで分離度を低下させることが好ましい。また、この場
合には、聴取者はステレオ放送がモノラル放送に近く左
右のチャネルの音声信号に反対のチャネルの音声信号が
混入していることは感じられ、ステレオ放送がモノラル
放送のに近い状態で聴取されている。このときは、時間
をかけて徐々に分離度を上昇させ、ステレオ放送とモノ
ラル放送が急激に切換わり音揺れ感が生じることを防止
する。
【0115】以上のように本実施形態のステレオ受信機
では、マルチパス雑音の有無および雑音密度に応じて、
分離度の低下量やリリースタイムを設定する。したがっ
て、特に雑音密度が小さい場合において、雑音発生のた
びに再生された音声がステレオ音声からモノラル音声に
切換わって聴取者に違和感を感じさせたり、必要以上の
長い時間再生される音声がモノラル音声に近付いていた
りすることを防止することができる。
【0116】また、本実施形態のステレオ受信機11で
は、雑音密度を時定数の異なる複数の積分回路を用いて
計測している。分離度は、計測される積分出力が予め定
めるレベル以上に至ると、該当する積分回路に対応した
値に設定される。雑音密度の計測は、この手法に限らず
他の手法をもちいてもよい。たとえば、積分回路の時定
数は等しく、トランジスタのベース電圧などレベル弁別
手段の複数の弁別レベルが異なるように設定する。積分
回路の出力が各弁別レベルを越えたときに、当該レベル
に対応する雑音密度に至ったと判定し、分離度制御手段
は、当該レベルに対応した分離度を設定するようにして
もよい。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、ステレオ受信機では、
受信信号を受信し復調して、分離度に応じて左右チャネ
ルの音声信号を分離し、各チャネルの音声を再生する。
チャネルの分離度は、受信信号の電界強度に応じて変更
される。かつ、受信信号に突発的な雑音が重畳されてい
る場合には、電界強度の有無に拘わらず、雑音信号の雑
音密度に応じて変更される。
【0118】これによって、雑音密度が小さく雑音が離
散的に発生している場合と、雑音密度が大きく雑音が恒
常的に多数発生している場合とにおいて、分離度をそれ
ぞれの場合に応じた値に設定することができる。したが
って、雑音の発生回数や発生間隔などに応答して、発生
した雑音を低減することができ、かつ出来る限りステレ
オ感を保つことができる程度の分離度で、音声信号を分
離することができる。したがってステレオ音声がモノラ
ル音声に頻繁に切換わったと、聴取者が感じることを防
止することができる。また、雑音低減のために分離度を
低下させた後に分離度を低下前の値まで復帰させるとき
には、時間経過に伴って値を大きくする。分離度を低下
した状態から元に戻すまでのリリースタイムは、雑音密
度が小さくなり低下した状態の分離度が大きくなるほど
短くなる。低下した状態の分離度が大きいほどステレオ
感が保たれ、復帰させるときの音声の音象や定位の変化
が小さい。これによって、短時間で復帰させても、ステ
レオ音声とモノラル音声との切換わりなどの違和感が小
さくなる。ゆえに、分離度を低下させておく時間が雑音
密度に応じて短くなり、ステレオ音声を出力する時間が
長くなる。したがって雑音を低減させ、かつ再生する音
声のステレオ感を保つことができる。
【0119】また本発明によれば、雑音密度が予め定め
る密度以上であるときは、分離度を0dB近くまで低下
させて、ステレオ音声がモノラル音声に近付いても、雑
音を充分に低減することを優先する。また雑音密度が予
め定める密度未満であり、雑音の発生回数が少ないとき
は、約10dBまで分離度を低下させて、ステレオ感を
保ったまま、雑音を低減させる。これによって、雑音の
発生が離散的であり、発生回数が少ない場合などにおい
て、雑音を低減させてかつステレオ感を失わないように
することができる。したがって、低密度で発生する雑音
を音声の音象や定位の変化なしに、違和感なく低減する
ことができる。
【0120】
【0121】
【0122】また本発明によれば、前記分離度のリリー
スタイムは、ステレオ音声が極力アナログ音声に近付く
まで分離度を低下させた場合には、1秒以上に設定され
ることが好ましい。このように長い時間をかけて徐々に
分離度を上昇させると、聴取者には、アナログ音声に極
力近付いた音声が音象や定位の大きな変化がないままス
テレオ音声に戻ったと感じられ、違和感が生じない。ゆ
えに、雑音が多数発生する状態においても、ステレオ放
送を良好に再生し聴取することができる。
【0123】また本発明によれば、雑音密度は、積分時
定数の異なる複数の積分回路からの出力が、予め定める
弁別レベルに至ったか否かを判定することで計測され
る。各積分回路の積分出力をレベル弁別するレベル弁別
手段の弁別レベルは等しい。ゆえに、複数のレベル弁別
手段を同一の構成の回路を複数組み合わせて構成するこ
とができる。また、積分時定数の大きな積分回路の出力
が弁別レベルに至るには、雑音密度の大きな雑音が必要
である。したがって、積分時定数が大きな回路からの出
力があるほど、分離度を小さくする。ゆえに、積分回路
やトランジスタのような簡単な構成からなる計測手段を
用いて、雑音密度を計測し分離度を決定することができ
る。したがって、雑音密度計測手段の構成を簡略化する
ことができる。
【0124】また本発明によれば、雑音密度は、積分回
路からの出力が、予め定める複数の弁別レベルのうちの
いずれのレベル以上であるか否かを判定することで計測
される。積分回路の積分時定数は等しい。ゆえに積分回
路を単一とし、または同一の構成の回路を複数組合わせ
て構成することができる。また、積分回路からの出力が
大きな弁別レベル以上に至るには、雑音密度の大きな雑
音が必要である。したがって、積分回路からの出力が大
きくなるほど、分離度を小さくする。ゆえに、積分回路
やトランジスタのような簡単な構成からなる計測手段を
用いて、雑音密度を計測し分離度を決定することができ
る。したがって、雑音密度計測手段の構成を簡略化する
ことができる。
【0125】また本発明によれば、前記複数の積分回路
の時定数の相互関係は、雑音が存在しない場合と雑音が
抽出される場合とにおいて等しい。すなわち、雑音が抽
出されるときは、小さい雑音密度を計測するための積分
回路の積分出力は、大きな雑音密度を計測するための積
分回路の積分出力よりも早いタイミングで弁別レベル以
上に至る。また、逆に雑音が発生しなくなると、小さい
雑音密度を計測するための積分回路の積分出力は、大き
な雑音密度を計測するための積分回路の積分出力よりも
早いタイミングで弁別レベル以下に戻る。
【0126】また本発明によれば、前記各レベル弁別手
段は、一方及び他方レベルの信号を出力して、雑音密度
が当該手段で判定される密度以上または未満であるかを
示す。分離度制御手段は、複数のレベル弁別手段から雑
音密度が当該弁別手段の弁別レベル以上出あることを示
す一方レベルの信号を得ると、そのうち最も密度の大き
い弁別レベルに対応して分離度を設定する。
【0127】前述したように、積分回路の出力レベルに
基づいて分離度を設定する場合では、積分回路の積分時
定数が異なるとき、弁別レベルが異なるときの両方にお
いて、大きい雑音密度を示す一方レベルの信号が出力さ
れるタイミングが遅い。ゆえに、受信信号の雑音密度の
値は、予め設定される弁別レベルを満たすことを、多数
の弁別レベルのうち低弁別レベルから順次判定され、信
号が出力される。したがって、雑音発生から分離度の低
下が始まるまでのアタックタイムは、常に低い弁別レベ
ルの積分回路の出力に基づいて決定される。したがっ
て、上述した簡単な構成の回路において、アタックタイ
ムを常に一定にすることができる。ゆえに、マルチパス
雑音が発生すると、常に短時間で分離度を低下させ始め
る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるステレオ受信機1
1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】Sメータ回路32の具体的な構成を示す回路図
である。
【図3】Sメータ回路32に与えられる中間周波増幅回
路20からの出力信号を示す波形図である。
【図4】中間周波増幅回路20から与えられる出力信号
の電界強度と、Sメータ回路32から出力されるSメー
タ電圧との関係を示す図である。
【図5】マルチパス検出回路42の具体的な構成を示す
回路図である。
【図6】積分回路47,48および波形整形用のトラン
ジスタT3,T4の具体的な構成を示す回路図である。
【図7】チャネル分離回路22の具体的構成を示すブロ
ック図である。
【図8】係数乗算回路68,72で決定される係数k1
と制御電圧との関係を示すグラフである。
【図9】マルチパス検出回路42から分離度制御回路3
4までの各回路の出力を示す波形図である。
【図10】雑音密度が小さい場合において、雑音発生タ
イミングと分離度の変化との関係を示すグラフである。
【図11】雑音密度が中程度の場合において、雑音発生
タイミングと分離度の変化との関係を示すグラフであ
る。
【図12】雑音密度が高い場合において、雑音発生タイ
ミングと分離度の変化との関係を示すグラフである。
【図13】Sメータ電圧と分離度との関係を示す図であ
る。
【図14】雑音密度が予め定める密度よりも高い場合に
おいて、分離度と時間経過との関係を示すグラフであ
る。
【図15】雑音密度とリリースタイムとの関係を示すグ
ラフである。
【図16】雑音密度と分離度との関係を示すグラフであ
る。
【図17】従来技術のステレオ受信機における雑音密度
が小さい場合の雑音発生タイミングと分離度の変化との
関係を示すグラフである。
【図18】従来技術のステレオ受信機における雑音密度
が中程度の場合の雑音発生タイミングと分離度の変化と
の関係を示すグラフである。
【図19】従来技術のステレオ受信機における雑音密度
が大きい場合の雑音発生タイミングと分離度の変化との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11 ステレオ受信器 12 アンテナ 13 同調回路 14 高周波増幅回路 15 混合回路 16 局部発振器 17 PLL 18 制御回路 19 狭帯域フィルタ 20 中間周波増幅回路 21 周波数弁別回路 22 チャネル分離回路 23 トーン制御回路 24 増幅回路 25 スピーカ 32 Sメータ回路 34 分離度制御回路 42 マルチパス検出回路 47 第1積分回路 48 第2積分回路 T3,T4 トランジスタ D6,D7 ダイオード R15,R16,R17,R18 抵抗 G10 コンデンサ 68,72 係数乗算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04H 5/00 H04B 1/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号を受信する受信手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号を復調する復調手段
    と、 復調手段の出力を分離度制御信号に基づいて演算し、そ
    の分離度制御信号のレベルに対応する分離度で、復調さ
    れた受信信号を左右チャネル毎の音声信号に分離して導
    出するチャネル分離手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号の電界強度を検出し
    て、電界強度が小さくなるほど分離度を小さくするよう
    にチャネル分離手段を制御する分離度制御信号を出力す
    る電界強度検出手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号から雑音信号を抽出
    する雑音抽出手段と、雑音抽出手段の出力に応答し、雑
    音密度を計測する雑音密度計測手段と、 雑音密度計測手段の出力に応答し、雑音密度が高いほ
    ど、複数の段階的にまたは連続的に、前記分離度を小さ
    く設定するようにチャネル分離手段を制御する分離度制
    御信号を出力する分離度制御手段と、 雑音抽出手段において雑音が抽出されないときは、電界
    強度検出手段から出力される分離度制御信号をチャネル
    分離手段に与え、雑音が抽出されるときは、分離度制御
    手段から出力される分離度制御信号をチャネル分離手段
    に与える切換え手段とを含み、 前記分離度制御手段は、分離度を小さくするようにチャ
    ネル分離手段を制御した後に、受信信号から雑音信号が
    抽出されなくなると、時間経過伴って分離度を大きくし
    て戻すように制御し、 時間経過に伴って大きくする分離度の時間変化率は、雑
    音密度が小さくなるほど小さく設定されることを特徴と
    するステレオ受信機。
  2. 【請求項2】 受信信号を受信する受信手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号を復調する復調手段
    と、 復調手段の出力を分離度制御信号に基づいて演算し、そ
    の分離度制御信号のレベルに対応する分離度で、復調さ
    れた受信信号を左右チャネル毎の音声信号に分離して導
    出するチャネル分離手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号の電界強度を検出し
    て、電界強度が小さくなるほど分離度を小さくするよう
    にチャネル分離手段を制御する分離度制御信号を出力す
    る電界強度検出手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号から雑音信号を抽出
    する雑音抽出手段と、雑音抽出手段の出力に応答し、雑
    音密度を計測する雑音密度計測手段と、 雑音密度計測手段の出力に応答し、雑音密度が高いほ
    ど、複数の段階的にまたは連続的に、前記分離度を小さ
    く設定するようにチャネル分離手段を制御する分離度制
    御信号を出力する分離度制御手段と、 雑音抽出手段において雑音が抽出されないときは、電界
    強度検出手段から出力される分離度制御信号をチャネル
    分離手段に与え、雑音が抽出されるときは、分離度制御
    手段から出力される分離度制御信号をチャネル分離手段
    に与える切換え手段とを含み、 前記チャネル分離手段は、 雑音信号が抽出され、前記雑音密度が予め定める密度以
    上であるときは、分離度を予め定める値未満に設定し、 雑音信号が抽出され、前記雑音密度が予め定める密度未
    満であるときは、分離度を約10dBに設定し、 前記予め定める値は、雑音を充分に低減させることがで
    きる値に設定され、前記分離度制御手段は、分離度を小
    さくするようにチャネル分離手段を制御した後に、受信
    信号から雑音信号が抽出されなくなると、時間経過伴っ
    て分離度を大きくして戻すように制御し、 時間経過に伴って大きくする分離度の時間変化率は、雑
    音密度が小さくなるほど小さく設定されることを特徴と
    するステレオ受信機。
  3. 【請求項3】 前記分離度の時間変化率は、雑音密度が
    前記予め定める密度以上であるときは、前記予め定める
    値未満に設定された分離度を受信信号の電界強度に対応
    して定められる分離度に戻すまでに必要なリリースタイ
    ムが、約1秒以上となるように設定されることを特徴と
    する請求項1または2記載のステレオ受信機。
  4. 【請求項4】 受信信号を受信する受信手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号を復調する復調手段
    と、 復調手段の出力を分離度制御信号に基づいて演算し、そ
    の分離度制御信号のレベルに対応する分離度で、復調さ
    れた受信信号を左右チャネル毎の音声信号に分離して導
    出するチャネル分離手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号の電界強度を検出し
    て、電界強度が小さくなるほど分離度を小さくするよう
    にチャネル分離手段を制御する分離度制御信号を出力す
    る電界強度検出手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号から雑音信号を抽出
    する雑音抽出手段と、雑音抽出手段の出力に応答し、雑
    音密度を計測する雑音密度計測手段と、 雑音密度計測手段の出力に応答し、雑音密度が高いほ
    ど、複数の段階的にまたは連続的に、前記分離度を小さ
    く設定するようにチャネル分離手段を制御する分離度制
    御信号を出力する分離度制御手段と、 雑音抽出手段において雑音が抽出されないときは、電界
    強度検出手段から出力される分離度制御信号をチャネル
    分離手段に与え、雑音が抽出されるときは、分離度制御
    手段から出力される分離度制御信号をチャネル分離手段
    に与える切換え手段とを含み、 前記雑音密度計測手段は、 前記雑音抽出手段からの雑音を充電または放電する積分
    時定数が相互に異なる複数の積分回路と、 各積分回路の積分出力を個別的にレベル弁別し、その弁
    別レベルが同一である複数のレベル弁別回路とを有し、 前記分離度制御手段は、各レベル弁別手段の出力に応答
    し、積分時定数が大きい積分回路に対応するレベル弁別
    手段の出力が得られるときに、分離度を、積分時定数が
    小さい積分回路に対応するレベル弁別手段の出力が得ら
    れるときと比較して小さくするようにチャネル分離手段
    を制御することを特徴とするステレオ受信機。
  5. 【請求項5】 雑音が存在しないときにおける前記各積
    分回路の放電または充電時定数は、雑音が抽出されたと
    きにおける充電または放電時定数が大きいほど大きく選
    ばれることを特徴とする請求項4記載のステレオ受信
    機。
  6. 【請求項6】 受信信号を受信する受信手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号を復調する復調手段
    と、 復調手段の出力を分離度制御信号に基づいて演算し、そ
    の分離度制御信号のレベルに対応する分離度で、復調さ
    れた受信信号を左右チャネル毎の音声信号に分離して導
    出するチャネル分離手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号の電界強度を検出し
    て、電界強度が小さくなるほど分離度を小さくするよう
    にチャネル分離手段を制御する分離度制御信号を出力す
    る電界強度検出手段と、 受信手段の出力に応答し、受信信号から雑音信号を抽出
    する雑音抽出手段と、雑音抽出手段の出力に応答し、雑
    音密度を計測する雑音密度計測手段と、 雑音密度計測手段の出力に応答し、雑音密度が高いほ
    ど、複数の段階的にまたは連続的に、前記分離度を小さ
    く設定するようにチャネル分離手段を制御する分離度制
    御信号を出力する分離度制御手段と、 雑音抽出手段において雑音が抽出されないときは、電界
    強度検出手段から出力される分離度制御信号をチャネル
    分離手段に与え、雑音が抽出されるときは、分離度制御
    手段から出力される分離度制御信号をチャネル分離手段
    に与える切換え手段とを含み、 前記雑音密度計測手段は、 前記雑音抽出手段からの雑音を充電または放電する積分
    時定数が同一である複数の積分回路と、 各積分回路の積分出力を個別的にレベル弁別し、その弁
    別レベルが相互に異なる複数のレベル弁別回路とを有
    し、 前記分離度制御手段は、各レベル弁別手段の出力に応答
    し、弁別レベルが大きいレベル弁別手段の出力が得られ
    るときに、分離度を、弁別レベルが小さいレベル弁別手
    段の出力が得られるときと比較して小さくするようにチ
    ャネル分離手段を制御することを特徴とするステレオ受
    信機。
  7. 【請求項7】 前記各レベル弁別手段は、 積分回路の出力に応答し、予め定める弁別レベル以上で
    あるときには一方レベルの信号を出力し、予め定める弁
    別レベル未満であるときには、他方レベルの信号を出力
    するスイッチング手段を有し、 分離度制御手段は、各レベル弁別手段から一方レベルの
    信号が得られたときに、分離度を、一方レベルの信号を
    出力しているレベル弁別手段のうち、弁別レベルまたは
    対応する積分回路の積分時定数が最も大きいレベル弁別
    手段に対応した値とするようにチャネル分離手段を制御
    することを特徴とする請求項4または6記載のステレオ
    受信機。
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