JP6521826B2 - 無線受信装置 - Google Patents
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Description
特に、車両等の移動体に搭載される無線受信装置は、移動に伴い受信状態が時々刻々と変化する。このため、受信状態に応じて適切な制御を行い、マルチパスノイズを抑制することが重要な設計事項になる。
さらに、マルチパスノイズが頻繁に検出される場合、ステレオ音声とモノラル音声の頻繁な切り替えによって音質が頻繁に変化する。音質の頻繁な変化を防止するために、従来の無線受信装置は、ステレオ音声とモノラル音声を切り替える際にある程度の時定数を設定し、滑らかに切り替えていた(例えば、特許文献2参照)。
同様に、ノイズHCCが動作して急激に高周波成分が減衰した場合も音質の変化が大きくなり、聴取者に与える音質の違和感も大きくなるという課題があった。
図1は、この発明の実施の形態1に係る無線受信装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、無線受信装置1は、アンテナ2と、チューナ3と、DSP(Digital Signal Processor)4と、アンプ5と、スピーカ6と、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)7と、入力装置8と、出力装置9とを備えている。
出力装置9は、例えばディスプレイである。出力装置9は、無線受信装置1が現在受信している放送局の情報などをマイコン7から受け取って表示する。
また、図1に示す無線受信装置1においては、音声ソースとしてチューナ3のみを備える構成にしたが、チューナ3以外にも、例えばディスク再生装置などの音声ソースを備える構成にしてもよい。
DSP4は、AD(Analog Digital)変換部41と、FM復調部42と、セパレーション制御部43と、ハイカット制御部44と、DA変換部45と、受信状態判定部46とを備えている。受信状態判定部46は、マルチパスノイズ検出部47または隣接妨害検出部48の少なくとも一方を備えている。
マイコン7は、セパレーション量設定部71またはセパレーション時定数設定部72の少なくとも一方を備えている。
AD変換部41は、チューナ3からのIF信号をデジタル信号に変換し、FM復調部42および受信状態判定部46へ出力する。FM復調部42は、AD変換部41からのIF信号を復調し、音声信号をセパレーション制御部43へ出力する。
セパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が大きい場合は大きい最小セパレーション量を設定し、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が小さい場合は小さい最小セパレーション量を設定する。そして、セパレーション量設定部71は、設定した最小セパレーション量を、セパレーション制御部43に対して指示する。
このセパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43が決定したセパレーション量に応じて最小セパレーション量を設定することにより、セパレーション制御部43におけるノイズSRCの最大効果量を制御する。
ステップST2において、セパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量と予め定められた閾値(例えば、80%)とを比較する。セパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が予め定められた閾値以上である場合(ステップST2“YES”)、ステップST3へ進み、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が予め定められた閾値未満である場合(ステップST2“NO”)、ステップST5へ進む。
図4(a)は、セパレーション制御部43において、最小セパレーション量を用いたセパレーション量の調整を行わない場合の例を示すグラフである。一方、図4(b)は調整を行った場合の例を示すグラフである。
時刻t2においてマルチパスノイズ等が検出された場合、セパレーション制御部43は、マルチパスノイズ量に対応して0%のセパレーション量を決定したとする。セパレーション制御部43は、最小セパレーション量A未満である0%のセパレーション量を却下し、最小セパレーション量A20%を調整セパレーション量として用いて、音声信号を分離する。
調整後のセパレーション量20%を用いて音声信号を分離した場合、時刻t2においてセパレーション量が100%から20%へ変化することになり、図4(a)の調整なしの場合に比べて、セパレーション量の変化量が小さい。そのため、音質の変化量を小さくでき、聴取者に与える違和感も小さくできる。
この時刻t3の直後にマルチパスノイズ等が検出された場合、セパレーション制御部43は、マルチパスノイズ量に対応して0%のセパレーション量を決定したとする。0%のセパレーション量は、最小セパレーション量Bと同値であるため、セパレーション制御部43は、0%を調整セパレーション量として用いて音声信号を分離する。
時刻t3においてセパレーション量が一気に60%から0%に変化したとしても、100%から0%に変化する場合などに比べてセパレーション量の変化は小さい。そのため、音質の変化量が小さく、違和感も小さい。
時刻t1では、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量が100%であって閾値(例えば、80%)以上であるため、セパレーション時定数設定部72は、大きい時定数Cを設定する。
時刻t2においてマルチパスノイズ等が検出された場合、セパレーション制御部43は、時定数Cに従い、セパレーション量を100%から20%へ緩やかに変化させながら音声信号を分離する。そのため、図4(a)の時刻t0に比べて、図5の時刻t2以降では音質の変化が緩やかになり、聴取者に与える違和感を小さくできる。
この時刻t3においてマルチパスノイズ等が検出された場合、セパレーション制御部43は、時定数Dに従い、セパレーション量を60%から0%へ急激に変化させながら音声信号を分離する。セパレーション量の変化量が小さい場合は音質の変化が小さいため、セパレーション量の変化が急激であっても聴取者に与える違和感は小さい。
また、上記説明では、セパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に応じて2段階の最小セパレーション量A,Bを設定したが、3段階以上の最小セパレーション量を設定してもよい。
同様に、セパレーション時定数設定部72は、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に応じて2段階の時定数C,Dを設定したが、3段階以上の時定数を設定してもよい。
上記実施の形態1ではノイズSRCにおいて音声信号をチャンネルごとに分離するときのセパレーション量または時定数の少なくとも一方を変更する構成を説明したが、実施の形態2ではノイズHCCにおいて音声信号の高周波成分を減衰させるときの減衰量または時定数の少なくとも一方を変更する構成を説明する。
図6は、実施の形態2に係る無線受信装置1におけるマイコン7の内部構成例を示すブロック図である。マイコン7は、ハイカット制御部44により決定された減衰量に基づいて最大減衰量を設定する減衰量設定部73、および音声信号の高周波成分を減衰させるときに減衰量を切り替える時定数をハイカット制御部44により決定された減衰量に基づいて設定する減衰時定数設定部74の各機能を実現するための処理回路である。
また、マイコン7は、減衰量設定部73または減衰時定数設定部74の少なくとも一方を備えていればよい。
AD変換部41、FM復調部42、DA変換部45および受信状態判定部46は上記実施の形態1と同様の処理を行う。
セパレーション制御部43は、受信状態判定部46から受信状態の判定結果を受け取り、この判定結果に対応するセパレーション量を決定する。そして、セパレーション制御部43は、FM復調部42から受け取った音声信号を、決定したセパレーション量で分離してハイカット制御部44へ出力する。
また、ハイカット制御部44は、マイコン7の減衰量設定部73から最大減衰量の指示を受け付け、減衰量を最大減衰量以下に調整する。以下では、調整後の減衰量を「調整減衰量」と呼ぶ。即ち、ハイカット制御部44は、受信状態の判定結果に対応する減衰量を決定し、この減衰量が最大減衰量未満であればそのまま調整減衰量として用いる。一方、決定した減衰量が最大減衰量以上である場合、ハイカット制御部44は、決定した減衰量ではなく、最大減衰量を調整減衰量として用いる。そして、ハイカット制御部44は、調整減衰量を用いて、セパレーション制御部43からの右チャンネルの音声信号と左チャンネルの音声信号の各高周波成分を減衰し、DA変換部45へ出力する。
減衰量設定部73は、ハイカット制御部44から取得した減衰量が大きい場合は大きい最大減衰量を設定し、ハイカット制御部44から取得した減衰量が小さい場合は小さい最大減衰量を設定する。そして、減衰量設定部73は、設定した最大減衰量を、ハイカット制御部44に対して指示する。
この減衰量設定部73は、ハイカット制御部44が決定した減衰量に応じて最大減衰量を設定することにより、ハイカット制御部44におけるノイズHCCの最大効果量を制御する。
ステップST22において、減衰量設定部73は、ハイカット制御部44から取得した減衰量と予め定められた閾値(例えば、20%)とを比較する。減衰量設定部73は、ハイカット制御部44から取得した減衰量が予め定められた閾値以上である場合(ステップST22“YES”)、ステップST23へ進み、ハイカット制御部44から取得した減衰量が予め定められた閾値未満である場合(ステップST22“NO”)、ステップST25へ進む。
図8(a)は、ハイカット制御部44において、最大減衰量を用いた減衰量の調整を行わない場合の例を示すグラフである。一方、図8(b)は調整を行った場合の例を示すグラフである。
時刻t2においてマルチパスノイズ等が検出された場合、ハイカット制御部44は、マルチパスノイズ量に対応して100%の減衰量を決定したとする。ハイカット制御部44は、最大減衰量F以上である100%の減衰量を却下し、最大減衰量Fの80%を調整減衰量として用いて、高周波成分を減衰させる。
調整後の減衰量80%を用いて高周波成分を減衰させた場合、時刻t2において減衰量が0%から80%へ変化することになり、図8(a)の調整なしの場合に比べて、減衰量の変化量が小さい。そのため、音質の変化量を小さくでき、聴取者に与える違和感も小さくできる。
この時刻t3の直後にマルチパスノイズ等が検出された場合、ハイカット制御部44は、マルチパスノイズ量に対応した100%の減衰量を決定したとする。100%の減衰量は、最大減衰量Eと同値であるため、ハイカット制御部44は、100%を調整減衰量として用いて高周波成分を減衰させる。
時刻t3において減衰量が一気に40%から100%に変化したとしても、0%から100%に変化する場合などに比べて減衰量の変化は小さい。そのため、音質の変化量が小さく、違和感も小さい。
時刻t1では、ハイカット制御部44により決定された減衰量が0%であって閾値(例えば、20%)未満であるため、減衰時定数設定部74は、大きい時定数Hを設定する。
時刻t2においてマルチパスノイズ等が検出された場合、ハイカット制御部44は、時定数Hに従い、減衰量を0%から80%へ緩やかに変化させながら音声信号の高周波成分を減衰させる。そのため、図8(a)の時刻t0に比べて、図9の時刻t2以降では音質の変化が緩やかになり、聴取者に与える違和感を小さくできる。
この時刻t3においてマルチパスノイズ等が検出された場合、ハイカット制御部44は、時定数Gに従い、減衰量を40%から100%へ急激に変化させながら音声信号の高周波成分を減衰させる。減衰量の変化量が小さい場合は音質の変化が小さいため、減衰量の変化が急激であっても聴取者に与える違和感は小さい。
また、上記説明では、減衰量設定部73は、ハイカット制御部44により決定された減衰量に応じて2段階の最大減衰量E,Fを設定したが、3段階以上の最大減衰量を設定してもよい。
同様に、減衰時定数設定部74は、ハイカット制御部44により決定された減衰量に応じて2段階の時定数G,Hを設定したが、3段階以上の時定数を設定してもよい。
無線受信装置1がセパレーション量設定部71、セパレーション時定数設定部72、減衰量設定部73および減衰時定数設定部74の各機能のうち、少なくとも1つの機能を備える構成であれば、セパレーション制御部43またはハイカット制御部44によるマルチパスノイズ抑制時の音質の変化を小さくすることができる。
Claims (11)
- FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部と、
前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する第1セパレーション量を決定するセパレーション制御部と、
前記セパレーション制御部により決定された第1セパレーション量に基づいて最小セパレーション量を設定し、前記セパレーション制御部に対して指示するセパレーション量設定部とを備え、
前記セパレーション制御部は、前記第1セパレーション量よりも後に前記受信状態に応じて決定した第2セパレーション量を前記最小セパレーション量以上に調整した調整セパレーション量で、前記ステレオ放送波の音声信号を各チャンネルに分離する無線受信装置。 - 前記セパレーション量設定部は、前記セパレーション制御部により決定された第1セパレーション量が小さくなるに従って、同じかあるいはより小さい最小セパレーション量を設定することを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。
- 前記セパレーション制御部により決定された第1セパレーション量に基づいて、音声信号を分離するときに当該第1セパレーション量を切り替える時定数を設定し、前記セパレーション制御部に対して指示するセパレーション時定数設定部を備え、
前記セパレーション制御部は、前記第1セパレーション量を前記時定数に従って変化させながら前記ステレオ放送波の音声信号を各チャンネルに分離することを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。 - 前記セパレーション時定数設定部は、前記セパレーション制御部により決定された第1セパレーション量が小さくなるに従って、同じかあるいはより小さい時定数を設定することを特徴とする請求項3記載の無線受信装置。
- 前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する第1減衰量を決定するハイカット制御部と、
前記ハイカット制御部により決定された第1減衰量に基づいて最大減衰量を設定し、前記ハイカット制御部に対して指示する減衰量設定部とを備え、
前記ハイカット制御部は、
前記第1減衰量よりも後に前記受信状態に応じて決定した第2減衰量を前記最大減衰量以下に調整した調整減衰量で、前記ステレオ放送波の音声信号に含まれる高周波成分を減衰させることを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。 - 前記減衰量設定部は、前記ハイカット制御部により決定された第1減衰量が小さくなるに従って、同じかあるいはより小さい最大減衰量を設定することを特徴とする請求項5記載の無線受信装置。
- 前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する減衰量を決定し、当該減衰量で、前記ステレオ放送波の音声信号に含まれる高周波成分を減衰させるハイカット制御部と、
前記ハイカット制御部により決定された減衰量に基づいて、高周波成分を減衰させるときに減衰量を切り替える時定数を設定し、前記ハイカット制御部に対して指示する減衰時定数設定部とを備えることを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。 - 前記減衰時定数設定部は、前記ハイカット制御部により決定された減衰量が小さくなるに従って、同じかあるいはより大きい時定数を設定することを特徴とする請求項7記載の無線受信装置。
- FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部と、
前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応するセパレーション量を決定し、当該セパレーション量で、前記ステレオ放送波の音声信号を各チャンネルに分離するセパレーション制御部と、
前記セパレーション制御部により決定されたセパレーション量に基づいて、音声信号を分離するときにセパレーション量を切り替える時定数を設定し、前記セパレーション制御部に対して指示するセパレーション時定数設定部とを備え、
前記セパレーション時定数設定部は、前記セパレーション制御部により決定されたセパレーション量が小さくなるに従って、同じかあるいはより小さい時定数を設定する無線受信装置。 - FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部と、
前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する第1減衰量を決定するハイカット制御部と、
前記ハイカット制御部により決定された第1減衰量に基づいて最大減衰量を設定し、前記ハイカット制御部に対して指示する減衰量設定部とを備え、
前記ハイカット制御部は、
前記第1減衰量よりも後に前記受信状態に応じて決定した第2減衰量を前記最大減衰量以下に調整した調整減衰量で、前記ステレオ放送波の音声信号に含まれる高周波成分を減衰させる無線受信装置。 - FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部と、
前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する減衰量を決定し、当該減衰量で、前記ステレオ放送波の音声信号に含まれる高周波成分を減衰させるハイカット制御部と、
前記ハイカット制御部により決定された減衰量に基づいて、高周波成分を減衰させるときに減衰量を切り替える時定数を設定し、前記ハイカット制御部に対して指示する減衰時定数設定部とを備える無線受信装置。
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