JP6521826B2 - 無線受信装置 - Google Patents

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Description

この発明は、FM(Frequency Modulation)変調されたステレオ放送波を受信して復調する無線受信装置に関するものである。
ラジオ、テレビ、あるいは携帯電話等の無線受信装置において、放送局あるいは基地局から送信された電波が、建物または地形等の障害物によって反射および回折し、複数の経路から同じ電波を受信するマルチパスノイズによる受信品質の劣化が問題となる。
特に、車両等の移動体に搭載される無線受信装置は、移動に伴い受信状態が時々刻々と変化する。このため、受信状態に応じて適切な制御を行い、マルチパスノイズを抑制することが重要な設計事項になる。
マルチパスノイズ等の外来ノイズが混入すると、FM波の左チャンネルの音声信号と右チャンネルとの音声信号の分離(セパレーション)が正しく行われず、ステレオ歪みと呼ばれる弊害が発生する。このステレオ歪みを低減するために、従来の無線受信装置は、マルチパスノイズ検出時にセパレーション量を小さくしてステレオ音声からモノラル音声に近づける、ノイズSRC(Separation Ratio Control)などと呼ばれる機能を備えている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、マルチパスノイズが頻繁に検出される場合、ステレオ音声とモノラル音声の頻繁な切り替えによって音質が頻繁に変化する。音質の頻繁な変化を防止するために、従来の無線受信装置は、ステレオ音声とモノラル音声を切り替える際にある程度の時定数を設定し、滑らかに切り替えていた(例えば、特許文献2参照)。
また、マルチパスノイズが混入すると、音声信号上の高周波成分が増加し、耳障りなノイズ音となる。このノイズ音を低減するために、従来の無線受信装置は、マルチパスノイズ検出時に高周波成分を減衰させる、ノイズHCC(High Cut Control)などと呼ばれる機能を備えている。マルチパスノイズが頻繁に検出される場合、音声信号上の高周波成分が頻繁に増減することによって音質が頻繁に変化してしまう。
特開平9−186666号公報 特開2006−121296号公報
従来の無線受信装置は以上のように構成されているので、ノイズSRCが動作してセパレーション量が最大であるステレオ音声の状態から、一気に、セパレーション量が最小であるモノラル音声の状態に切り替わった場合、急激なセパレーション量の変化により音質の変化が大きくなり、聴取者に与える音質の違和感も大きくなるという課題があった。
同様に、ノイズHCCが動作して急激に高周波成分が減衰した場合も音質の変化が大きくなり、聴取者に与える音質の違和感も大きくなるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ノイズを抑制するときに生じる音質の変化を小さくすることを目的とする。
この発明に係る無線受信装置は、FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部と、受信状態判定部により判定された受信状態に対応する第1セパレーション量を決定するセパレーション制御部と、セパレーション制御部により決定された第1セパレーション量に基づいて最小セパレーション量を設定し、セパレーション制御部に対して指示するセパレーション量設定部とを備える。セパレーション制御部は、第1セパレーション量よりも後に受信状態に応じて決定した第2セパレーション量を最小セパレーション量以上に調整した調整セパレーション量で、ステレオ放送波の音声信号を各チャンネルに分離する。
この発明によれば、セパレーション量設定部はセパレーション制御部により決定されたセパレーション量に基づいて最小セパレーション量を設定し、セパレーション制御部はセパレーション量を最小セパレーション量以上に調整して音声信号を分離するようにしたので、ノイズ抑制効果を抑え、音質の変化を小さくすることができる。
この発明の実施の形態1に係る無線受信装置の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る無線受信装置における主要部の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る無線受信装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1において、セパレーション量の変化とマルチパスノイズの検出結果とを示すグラフである。 実施の形態1において、セパレーション量の変化とマルチパスノイズの検出結果とを示すグラフである。 この発明の実施の形態2に係る無線受信装置における主要部の構成例を示すブロック図である。 実施の形態2に係る無線受信装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2において、高周波成分の減衰量の変化とマルチパスノイズの検出結果とを示すグラフである。 実施の形態2において、高周波成分の減衰量の変化とマルチパスノイズの検出結果とを示すグラフである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る無線受信装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、無線受信装置1は、アンテナ2と、チューナ3と、DSP(Digital Signal Processor)4と、アンプ5と、スピーカ6と、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)7と、入力装置8と、出力装置9とを備えている。
アンテナ2は、FM変調されたステレオ放送波を受信し、RF(Radio Frequency)信号をチューナ3へ出力する。チューナ3は、アンテナ2からのRF信号をIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、隣接チャンネル波などの不要成分を除去した後、DSP4へ出力する。DSP4は、チューナ3からのIF信号に対してデジタル信号処理を行い、音声信号としてアンプ5へ出力する。アンプ5は、DSP4からの音声信号を増幅し、スピーカ6へ出力する。スピーカ6は、アンプ5からの音声信号を音波として放射する。
マイコン7は、DSP4のデジタル信号処理を監視し、DSP4がデジタル信号処理を行う際に用いる値を設定してDSP4へ出力する。デジタル信号処理とは、例えば上述したノイズSRCおよびノイズHCCなどを含む。DSP4およびマイコン7によるノイズSRCおよびノイズHCCに関して、詳細は後述する。
また、マイコン7は、入力装置8からユーザの操作内容を受け付け、その操作内容に応じて無線受信装置1の各部を制御する。また、マイコン7は、無線受信装置1が現在受信している放送局の情報などを、出力装置9へ出力する。
入力装置8は、例えばディスプレイ上に配置されたタッチパネル、または無線受信装置1の筐体に設けられたボタンなどである。入力装置8は、タッチパネルなどに対するユーザの操作を受け付けて、その操作内容をマイコン7へ出力する。ユーザは、入力装置8を操作することにより、マイコン7に対して受信する放送局の選択などを指示する。
出力装置9は、例えばディスプレイである。出力装置9は、無線受信装置1が現在受信している放送局の情報などをマイコン7から受け取って表示する。
なお、無線受信装置1は、スピーカ6、入力装置8および出力装置9を備えている構成であってもよいし、外部に設置されているものを使用する構成であってもよい。
また、図1に示す無線受信装置1においては、音声ソースとしてチューナ3のみを備える構成にしたが、チューナ3以外にも、例えばディスク再生装置などの音声ソースを備える構成にしてもよい。
図2は、無線受信装置1の主要部であるDSP4およびマイコン7の内部構成例を示すブロック図である。図2では、DSP4およびマイコン7が備える機能のうち、ノイズSRCおよびノイズHCCに関する機能を図示している。
DSP4は、AD(Analog Digital)変換部41と、FM復調部42と、セパレーション制御部43と、ハイカット制御部44と、DA変換部45と、受信状態判定部46とを備えている。受信状態判定部46は、マルチパスノイズ検出部47または隣接妨害検出部48の少なくとも一方を備えている。
マイコン7は、セパレーション量設定部71またはセパレーション時定数設定部72の少なくとも一方を備えている。
DSP4は、チューナ3からのIF信号をデジタル信号に変換するAD変換部41、そのIF信号を音声信号に復調するFM復調部42、受信状態に対応するセパレーション量を決定しそのセパレーション量を最小セパレーション量以上に調整した値を用いて音声信号を左チャンネルと右チャンネルに分離するセパレーション制御部43、音声信号の高周波成分を減衰させるハイカット制御部44、音声信号をアナログ信号に変換するDA変換部45、およびステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部46の各機能を実現するための処理回路である。
FM復調部42、セパレーション制御部43、ハイカット制御部44および受信状態判定部46の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、不図示のメモリに格納される。DSP4は、不図示のメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。即ち、無線受信装置1は、DSP4により実行されるときに、IF信号を音声信号に復調するステップ、受信状態に対応するセパレーション量を決定しそのセパレーション量を最小セパレーション量以上に調整した値を用いて音声信号を左右チャンネルに分離するステップ、音声信号の高周波成分を減衰させるステップ、およびステレオ放送波の受信状態を判定するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するための不図示のメモリを備える。また、このプログラムは、FM復調部42、セパレーション制御部43、ハイカット制御部44および受信状態判定部46の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
マイコン7は、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に基づいて最小セパレーション量を設定するセパレーション量設定部71、および音声信号を分離するときにセパレーション量を切り替える時定数をセパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に基づいて設定するセパレーション時定数設定部72の各機能を実現するための処理回路である。
セパレーション量設定部71およびセパレーション時定数設定部72の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、不図示のメモリに格納される。マイコン7は、不図示のメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。即ち、無線受信装置1は、マイコン7により実行されるときに、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に基づいて最小セパレーション量を設定するステップ、および音声信号を分離するときにセパレーション量を切り替える時定数をセパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に基づいて設定するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するための不図示のメモリを備える。また、このプログラムは、セパレーション量設定部71およびセパレーション時定数設定部72の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
なお、実施の形態1においては、DSP4とマイコン7をそれぞれ独立した回路として構成したが、DSP4とマイコン7の各機能を備えた一つの集積回路として構成してもよい。
次に、DSP4およびマイコン7の詳細を説明する。
AD変換部41は、チューナ3からのIF信号をデジタル信号に変換し、FM復調部42および受信状態判定部46へ出力する。FM復調部42は、AD変換部41からのIF信号を復調し、音声信号をセパレーション制御部43へ出力する。
受信状態判定部46は、AD変換部41からのIF信号を用いて、アンテナ2で受信したステレオ放送波の受信状態を判定し、判定結果をセパレーション制御部43およびハイカット制御部44へ出力する。この受信状態判定部46は、アンテナ2で受信したステレオ放送波に対するマルチパスノイズまたは隣接妨害ノイズ等のノイズの混入量が多い場合に受信状態が悪いと判定し、混入量が少ない場合に受信状態が良いと判定する。
マルチパスノイズ検出部47は、AD変換部41からのIF信号を用いて、アンテナ2で受信したステレオ放送波に混入しているマルチパスノイズを検出する。受信状態判定部46は、マルチパスノイズ検出部47により検出されたマルチパスノイズ量に基づいて、受信状態を判定する。
隣接妨害検出部48は、AD変換部41からのIF信号を用いて、アンテナ2で受信したステレオ放送波に混入している隣接妨害ノイズを検出する。受信状態判定部46は、隣接妨害検出部48により検出された隣接妨害ノイズ量に基づいて、受信状態を判定する。
なお、受信状態判定部46は、マルチパスノイズ検出部47または隣接妨害検出部48のいずれか一方の検出結果に基づいて受信状態を判定してもよいし、両方の検出結果に基づいて受信状態を判定してもよい。
セパレーション制御部43は、受信状態判定部46から受信状態の判定結果を受け取り、この判定結果に対応するセパレーション量を決定する。このセパレーション制御部43は、受信状態が悪い場合、つまりマルチパスノイズ等が多い場合、セパレーション量を小さくし、受信状態が良い場合、つまりマルチパスノイズ等が少ない場合、セパレーション量を大きくする。例えば、セパレーション量を0%〜100%の百分率で表す場合、セパレーション量が0%のとき、分離後の左右チャンネルの音声信号はモノラル音声となり、セパレーション量が100%のとき、分離後の左右チャンネルの音声信号はステレオ音声となる。セパレーション量の切り替えにより、マルチパスノイズ等の混入によるステレオ歪みが抑制できる。
また、セパレーション制御部43は、マイコン7のセパレーション量設定部71から最小セパレーション量の指示を受け付け、セパレーション量を最小セパレーション量以上に調整する。以下では、調整後のセパレーション量を「調整セパレーション量」と呼ぶ。即ち、セパレーション制御部43は、受信状態の判定結果に対応するセパレーション量を決定し、このセパレーション量が最小セパレーション量以上であればそのまま調整セパレーション量として用いる。一方、決定したセパレーション量が最小セパレーション量未満である場合、セパレーション制御部43は、決定したセパレーション量ではなく、最小セパレーション量を調整セパレーション量として用いる。そして、セパレーション制御部43は、調整セパレーション量を用いて、FM復調部42からの音声信号を右チャンネルと左チャンネルとに分離し、ハイカット制御部44へ出力する。
さらに、セパレーション制御部43は、セパレーション時定数設定部72から時定数の指示を受け付け、その時定数で音声信号を分離する。例えばセパレーション量100%から0%へ変化するとき、つまりステレオ音声からモノラル音声へ切り替えるとき、時定数が大きければ切り替えにかかる時間が長くなり、時定数が小さければ切り替えにかかる時間が短くなる。
ハイカット制御部44は、受信状態判定部46から受信状態の判定結果を受け取り、この判定結果に対応する減衰量を決定する。このハイカット制御部44は、受信状態が悪い場合、つまりマルチパスノイズ等が多い場合、減衰量を大きくし、受信状態が良い場合、つまりマルチパスノイズ等が少ない場合、減衰量を小さくする。例えば、減衰量を0%〜100%の百分率で表す場合、減衰量が100%のときに音声信号の高周波成分が完全に除去され、減衰量が0%のときは音声信号の高周波成分が減衰されずそのまま残る。減衰量の切り替えにより、マルチパスノイズ等混入時に音声信号上に高周波成分として現れるノイズ音が抑制できる。
そして、ハイカット制御部44は、セパレーション制御部43から左右チャンネルに分離された各音声信号を受け取り、決定した減衰量で各音声信号の高周波成分を減衰させ、DA変換部45へ出力する。なお、減衰させる高周波成分の周波数帯域は、予めハイカット制御部44に設定されているものとする。
DA変換部45は、ハイカット制御部44からの音声信号をアナログ信号に変換して、アンプ5へ出力する。
マイコン7は、セパレーション制御部43からセパレーション量を取得する。
セパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が大きい場合は大きい最小セパレーション量を設定し、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が小さい場合は小さい最小セパレーション量を設定する。そして、セパレーション量設定部71は、設定した最小セパレーション量を、セパレーション制御部43に対して指示する。
このセパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43が決定したセパレーション量に応じて最小セパレーション量を設定することにより、セパレーション制御部43におけるノイズSRCの最大効果量を制御する。
セパレーション時定数設定部72は、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が大きい場合は大きい時定数を設定し、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が小さい場合は小さい時定数を設定する。そして、セパレーション時定数設定部72は、設定した時定数を、セパレーション制御部43に対して指示する。
次に、図3のフローチャートを用いて、マイコン7のセパレーション量設定部71およびセパレーション時定数設定部72の動作を説明する。マイコン7は、図3のフローチャートに示された処理を、予め定められた周期で繰り返す。
ステップST1において、マイコン7は、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量を、当該セパレーション制御部43から取得する。
ステップST2において、セパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量と予め定められた閾値(例えば、80%)とを比較する。セパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が予め定められた閾値以上である場合(ステップST2“YES”)、ステップST3へ進み、セパレーション制御部43から取得したセパレーション量が予め定められた閾値未満である場合(ステップST2“NO”)、ステップST5へ進む。
ステップST3において、セパレーション量設定部71は、最小セパレーション量を、予め定められた最小セパレーション量A(例えば、20%)に設定する。そして、セパレーション量設定部71は、設定した最小セパレーション量Aを、セパレーション制御部43に対して指示する。
ステップST4において、セパレーション時定数設定部72は、セパレーション制御部43が音声信号を分離するときにセパレーション量を切り替える時定数を、予め定められた時定数Cに設定する。そして、セパレーション時定数設定部72は、設定した時定数Cを、セパレーション制御部43に対して指示する。
ステップST5において、セパレーション量設定部71は、最小セパレーション量を、予め定められた最小セパレーション量B(例えば、0%)に設定する。そして、セパレーション量設定部71は、設定した最小セパレーション量Bを、セパレーション制御部43に対して指示する。最小セパレーション量Bは、最小セパレーション量Aより小さい値とする。また、最小セパレーション量A,Bは、閾値以下とする。
ステップST6において、セパレーション時定数設定部72は、セパレーション制御部43が音声信号を分離するときにセパレーション量を切り替える時定数を、予め定められた時定数Dに設定する。そして、セパレーション時定数設定部72は、設定した時定数Dを、セパレーション制御部43に対して指示する。時定数Dは、時定数Cより小さい値とする。
ここで、図4に、セパレーション制御部43におけるセパレーション量の変化と、受信状態判定部46におけるマルチパスノイズ等の検出結果とを示す。
図4(a)は、セパレーション制御部43において、最小セパレーション量を用いたセパレーション量の調整を行わない場合の例を示すグラフである。一方、図4(b)は調整を行った場合の例を示すグラフである。
図4(a)において、時刻t0でマルチパスノイズ等が検出された場合、セパレーション制御部43は、マルチパスノイズ量に対応して0%のセパレーション量を決定する。そして、セパレーション制御部43は、決定したセパレーション量0%を用いて音声信号を分離する。この場合、時刻t0においてセパレーション量が100%から0%へ一気に変化することになる。そのため、音質の変化量が大きく、聴取者に与える違和感も大きい。
図4(b)において、時刻t1では、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量が100%であって閾値(例えば、80%)以上であるため、セパレーション量設定部71は、大きい最小セパレーション量A(例えば、20%)を設定する。
時刻t2においてマルチパスノイズ等が検出された場合、セパレーション制御部43は、マルチパスノイズ量に対応して0%のセパレーション量を決定したとする。セパレーション制御部43は、最小セパレーション量A未満である0%のセパレーション量を却下し、最小セパレーション量A20%を調整セパレーション量として用いて、音声信号を分離する。
調整後のセパレーション量20%を用いて音声信号を分離した場合、時刻t2においてセパレーション量が100%から20%へ変化することになり、図4(a)の調整なしの場合に比べて、セパレーション量の変化量が小さい。そのため、音質の変化量を小さくでき、聴取者に与える違和感も小さくできる。
また、図4(b)の時刻t3では、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量が60%であって閾値未満であるため、セパレーション量設定部71は、最小セパレーション量Aより小さい値である最小セパレーション量B(例えば、0%)を設定する。
この時刻t3の直後にマルチパスノイズ等が検出された場合、セパレーション制御部43は、マルチパスノイズ量に対応して0%のセパレーション量を決定したとする。0%のセパレーション量は、最小セパレーション量Bと同値であるため、セパレーション制御部43は、0%を調整セパレーション量として用いて音声信号を分離する。
時刻t3においてセパレーション量が一気に60%から0%に変化したとしても、100%から0%に変化する場合などに比べてセパレーション量の変化は小さい。そのため、音質の変化量が小さく、違和感も小さい。
図5に、セパレーション制御部43におけるセパレーション量の変化と、受信状態判定部46におけるマルチパスノイズ等の検出結果とを示す。
時刻t1では、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量が100%であって閾値(例えば、80%)以上であるため、セパレーション時定数設定部72は、大きい時定数Cを設定する。
時刻t2においてマルチパスノイズ等が検出された場合、セパレーション制御部43は、時定数Cに従い、セパレーション量を100%から20%へ緩やかに変化させながら音声信号を分離する。そのため、図4(a)の時刻t0に比べて、図5の時刻t2以降では音質の変化が緩やかになり、聴取者に与える違和感を小さくできる。
また、図5の時刻t3では、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量が60%であって閾値未満であるため、セパレーション時定数設定部72は時定数Cより小さい値である時定数Dを設定する。
この時刻t3においてマルチパスノイズ等が検出された場合、セパレーション制御部43は、時定数Dに従い、セパレーション量を60%から0%へ急激に変化させながら音声信号を分離する。セパレーション量の変化量が小さい場合は音質の変化が小さいため、セパレーション量の変化が急激であっても聴取者に与える違和感は小さい。
なお、上記説明では、マイコン7により最小セパレーション量と時定数の両方を設定したが、いずれか一方のみ設定してもよい。
また、上記説明では、セパレーション量設定部71は、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に応じて2段階の最小セパレーション量A,Bを設定したが、3段階以上の最小セパレーション量を設定してもよい。
同様に、セパレーション時定数設定部72は、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に応じて2段階の時定数C,Dを設定したが、3段階以上の時定数を設定してもよい。
以上より、実施の形態1によれば、無線受信装置1は、FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部46と、受信状態判定部46により判定された受信状態に対応するセパレーション量を決定し、当該セパレーション量を最小セパレーション量以上に調整した調整セパレーション量で、ステレオ放送波の音声信号を各チャンネルに分離するセパレーション制御部43と、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に基づいて最小セパレーション量を設定してセパレーション制御部43に対して指示するセパレーション量設定部71とを備える構成である。これにより、セパレーション制御部43がマルチパスノイズ等を抑制するときに生じる音質の変化を小さくすることができる。
また、実施の形態1によれば、無線受信装置1は、セパレーション制御部43により決定されたセパレーション量に基づいて、音声信号を分離するときにセパレーション量を切り替える時定数を設定し、セパレーション制御部43に対して指示するセパレーション時定数設定部72を備える構成である。これにより、セパレーション制御部43がマルチパスノイズ等を抑制するときに生じる音質の変化を小さくすることができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1ではノイズSRCにおいて音声信号をチャンネルごとに分離するときのセパレーション量または時定数の少なくとも一方を変更する構成を説明したが、実施の形態2ではノイズHCCにおいて音声信号の高周波成分を減衰させるときの減衰量または時定数の少なくとも一方を変更する構成を説明する。
実施の形態2に係る無線受信装置1は、図1に示した無線受信装置1と図面上の構成は同じであるため、以下では図1を援用する。
図6は、実施の形態2に係る無線受信装置1におけるマイコン7の内部構成例を示すブロック図である。マイコン7は、ハイカット制御部44により決定された減衰量に基づいて最大減衰量を設定する減衰量設定部73、および音声信号の高周波成分を減衰させるときに減衰量を切り替える時定数をハイカット制御部44により決定された減衰量に基づいて設定する減衰時定数設定部74の各機能を実現するための処理回路である。
減衰量設定部73および減衰時定数設定部74の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、不図示のメモリに格納される。マイコン7は、不図示のメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。即ち、無線受信装置1は、マイコン7により実行されるときに、ハイカット制御部44により決定された減衰量に基づいて最大減衰量を設定するステップ、および音声信号の高周波成分を減衰させるときに減衰量を切り替える時定数をハイカット制御部44により決定された減衰量に基づいて設定するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するための不図示のメモリを備える。また、このプログラムは、減衰量設定部73および減衰時定数設定部74の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
なお、実施の形態2においては、DSP4とマイコン7をそれぞれ独立した回路として構成したが、DSP4とマイコン7の各機能を備えた一つの集積回路として構成してもよい。
また、マイコン7は、減衰量設定部73または減衰時定数設定部74の少なくとも一方を備えていればよい。
次に、実施の形態2におけるDSP4およびマイコン7の詳細を説明する。
AD変換部41、FM復調部42、DA変換部45および受信状態判定部46は上記実施の形態1と同様の処理を行う。
セパレーション制御部43は、受信状態判定部46から受信状態の判定結果を受け取り、この判定結果に対応するセパレーション量を決定する。そして、セパレーション制御部43は、FM復調部42から受け取った音声信号を、決定したセパレーション量で分離してハイカット制御部44へ出力する。
ハイカット制御部44は、受信状態判定部46から受信状態の判定結果を受け取り、この判定結果に対応する減衰量を決定する。
また、ハイカット制御部44は、マイコン7の減衰量設定部73から最大減衰量の指示を受け付け、減衰量を最大減衰量以下に調整する。以下では、調整後の減衰量を「調整減衰量」と呼ぶ。即ち、ハイカット制御部44は、受信状態の判定結果に対応する減衰量を決定し、この減衰量が最大減衰量未満であればそのまま調整減衰量として用いる。一方、決定した減衰量が最大減衰量以上である場合、ハイカット制御部44は、決定した減衰量ではなく、最大減衰量を調整減衰量として用いる。そして、ハイカット制御部44は、調整減衰量を用いて、セパレーション制御部43からの右チャンネルの音声信号と左チャンネルの音声信号の各高周波成分を減衰し、DA変換部45へ出力する。
さらに、ハイカット制御部44は、減衰時定数設定部74から時定数の指示を受け付け、その時定数で音声信号の高周波成分を減衰する。例えば減衰量0%から100%へ変化するとき、時定数が大きければ変化にかかる時間が長くなり、時定数が小さければ変化にかかる時間が短くなる。
マイコン7は、ハイカット制御部44から減衰量を取得する。
減衰量設定部73は、ハイカット制御部44から取得した減衰量が大きい場合は大きい最大減衰量を設定し、ハイカット制御部44から取得した減衰量が小さい場合は小さい最大減衰量を設定する。そして、減衰量設定部73は、設定した最大減衰量を、ハイカット制御部44に対して指示する。
この減衰量設定部73は、ハイカット制御部44が決定した減衰量に応じて最大減衰量を設定することにより、ハイカット制御部44におけるノイズHCCの最大効果量を制御する。
減衰時定数設定部74は、ハイカット制御部44から取得した減衰量が大きい場合は小さい時定数を設定し、ハイカット制御部44から取得した減衰量が小さい場合は大きい時定数を設定する。そして、減衰量設定部73は、設定した時定数を、ハイカット制御部44に対して指示する。
次に、図7のフローチャートを用いて、マイコン7の減衰量設定部73および減衰時定数設定部74の動作を説明する。マイコン7は、図7のフローチャートに示された処理を、予め定められた周期で繰り返す。
ステップST21において、マイコン7は、ハイカット制御部44により決定された減衰量を、当該ハイカット制御部44から取得する。
ステップST22において、減衰量設定部73は、ハイカット制御部44から取得した減衰量と予め定められた閾値(例えば、20%)とを比較する。減衰量設定部73は、ハイカット制御部44から取得した減衰量が予め定められた閾値以上である場合(ステップST22“YES”)、ステップST23へ進み、ハイカット制御部44から取得した減衰量が予め定められた閾値未満である場合(ステップST22“NO”)、ステップST25へ進む。
ステップST23において、減衰量設定部73は、最大減衰量を、予め定められた最大減衰量E(例えば、100%)に設定する。そして、減衰量設定部73は、設定した最大減衰量Eを、ハイカット制御部44に対して指示する。
ステップST24において、減衰時定数設定部74は、ハイカット制御部44が音声信号の高周波成分を減衰させるときに減衰量を切り替える時定数を、予め定められた時定数Gに設定する。そして、減衰時定数設定部74は、設定した時定数Gを、ハイカット制御部44に対して指示する。
ステップST25において、減衰量設定部73は、最大減衰量を、予め定められた最大減衰量F(例えば、80%)に設定する。そして、減衰量設定部73は、設定した最大減衰量Fを、ハイカット制御部44に対して指示する。最大減衰量Fは、最大減衰量Eより小さい値とする。また、最大減衰量E,Fは、閾値以上とする。
ステップST26において、減衰時定数設定部74は、ハイカット制御部44が音声信号の高周波成分を減衰させるときに減衰量を切り替える時定数を、予め定められた時定数Hに設定する。そして、減衰時定数設定部74は、設定した時定数Hを、ハイカット制御部44に対して指示する。時定数Hは、時定数Gより大きい値とする。
ここで、図8に、ハイカット制御部44における減衰量の変化と、受信状態判定部46におけるマルチパスノイズ等の検出結果とを示す。
図8(a)は、ハイカット制御部44において、最大減衰量を用いた減衰量の調整を行わない場合の例を示すグラフである。一方、図8(b)は調整を行った場合の例を示すグラフである。
図8(a)において、時刻t0でマルチパスノイズ等が検出された場合、ハイカット制御部44は、マルチパスノイズ量に対応して100%の減衰量を決定する。そして、ハイカット制御部44は、決定した減衰量100%を用いて音声信号の高周波成分を減衰させる。この場合、時刻t0において減衰量が0%から100%へ一気に変化することになる。そのため、音質の変化量が大きく、違和感に与える違和感も大きい。
図8(b)において、時刻t1では、ハイカット制御部44により決定された減衰量が0%であって閾値(例えば、20%)未満であるため、減衰量設定部73は、最大減衰量F(例えば、80%)を設定する。
時刻t2においてマルチパスノイズ等が検出された場合、ハイカット制御部44は、マルチパスノイズ量に対応して100%の減衰量を決定したとする。ハイカット制御部44は、最大減衰量F以上である100%の減衰量を却下し、最大減衰量Fの80%を調整減衰量として用いて、高周波成分を減衰させる。
調整後の減衰量80%を用いて高周波成分を減衰させた場合、時刻t2において減衰量が0%から80%へ変化することになり、図8(a)の調整なしの場合に比べて、減衰量の変化量が小さい。そのため、音質の変化量を小さくでき、聴取者に与える違和感も小さくできる。
また、図8(b)の時刻t3では、ハイカット制御部44により決定された減衰量が40%であって閾値以上であるため、減衰量設定部73は、最大減衰量Fより大きい値である最大減衰量E(例えば、100%)を設定する。
この時刻t3の直後にマルチパスノイズ等が検出された場合、ハイカット制御部44は、マルチパスノイズ量に対応した100%の減衰量を決定したとする。100%の減衰量は、最大減衰量Eと同値であるため、ハイカット制御部44は、100%を調整減衰量として用いて高周波成分を減衰させる。
時刻t3において減衰量が一気に40%から100%に変化したとしても、0%から100%に変化する場合などに比べて減衰量の変化は小さい。そのため、音質の変化量が小さく、違和感も小さい。
図9に、ハイカット制御部44における減衰量の変化と、受信状態判定部46におけるマルチパスノイズ等の検出結果とを示す。
時刻t1では、ハイカット制御部44により決定された減衰量が0%であって閾値(例えば、20%)未満であるため、減衰時定数設定部74は、大きい時定数Hを設定する。
時刻t2においてマルチパスノイズ等が検出された場合、ハイカット制御部44は、時定数Hに従い、減衰量を0%から80%へ緩やかに変化させながら音声信号の高周波成分を減衰させる。そのため、図8(a)の時刻t0に比べて、図9の時刻t2以降では音質の変化が緩やかになり、聴取者に与える違和感を小さくできる。
また、図9の時刻t3では、ハイカット制御部44により決定された減衰量が40%であって閾値以上であるため、減衰時定数設定部74は時定数Hより小さい値である時定数Gを設定する。
この時刻t3においてマルチパスノイズ等が検出された場合、ハイカット制御部44は、時定数Gに従い、減衰量を40%から100%へ急激に変化させながら音声信号の高周波成分を減衰させる。減衰量の変化量が小さい場合は音質の変化が小さいため、減衰量の変化が急激であっても聴取者に与える違和感は小さい。
なお、上記説明では、マイコン7により最大減衰量と時定数の両方を設定したが、いずれか一方のみ設定してもよい。
また、上記説明では、減衰量設定部73は、ハイカット制御部44により決定された減衰量に応じて2段階の最大減衰量E,Fを設定したが、3段階以上の最大減衰量を設定してもよい。
同様に、減衰時定数設定部74は、ハイカット制御部44により決定された減衰量に応じて2段階の時定数G,Hを設定したが、3段階以上の時定数を設定してもよい。
以上より、実施の形態2によれば、無線受信装置1は、FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部46と、受信状態判定部46により判定された受信状態に対応する減衰量を決定し、当該減衰量を最大減衰量以下に調整した調整減衰量で音声信号の高周波成分を減衰させるハイカット制御部44と、ハイカット制御部44により決定された減衰量に基づいて最大減衰量を設定してハイカット制御部44に対して指示する減衰量設定部73とを備える構成である。これにより、ハイカット制御部44がマルチパスノイズ等を抑制するときに生じる音質の変化を小さくすることができる。
また、実施の形態2によれば、無線受信装置1は、ハイカット制御部44により決定された減衰量に基づいて、高周波成分を減衰されるときに減衰量を切り替える時定数を設定し、ハイカット制御部44に対して指示する減衰時定数設定部74を備える構成である。これにより、ハイカット制御部44がマルチパスノイズ等を抑制するときに生じる音質の変化を小さくすることができる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
無線受信装置1がセパレーション量設定部71、セパレーション時定数設定部72、減衰量設定部73および減衰時定数設定部74の各機能のうち、少なくとも1つの機能を備える構成であれば、セパレーション制御部43またはハイカット制御部44によるマルチパスノイズ抑制時の音質の変化を小さくすることができる。
また、本発明に係る無線受信装置1は、ノイズSRCまたはノイズHCCによるマルチパスノイズ抑制時の音質の変化を小さくするようにしたので、ステレオ放送波の受信状況が時々刻々と変化する移動体用の無線受信装置に用いるのに適している。移動体は、車両に限定されるものではなく、人、鉄道、船舶または航空機等を含む。
1 無線受信装置、2 アンテナ、3 チューナ、4 DSP、5 アンプ、6 スピーカ、7 マイコン、8 入力装置、9 出力装置、41 AD変換部、42 FM復調部、43 セパレーション制御部、44 ハイカット制御部、45 DA変換部、46 受信状態判定部、47 マルチパスノイズ検出部、48 隣接妨害検出部、71 セパレーション量設定部、72 セパレーション時定数設定部、73 減衰量設定部、74 減衰時定数設定部。

Claims (11)

  1. FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部と、
    前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する第1セパレーション量を決定するセパレーション制御部と、
    前記セパレーション制御部により決定された第1セパレーション量に基づいて最小セパレーション量を設定し、前記セパレーション制御部に対して指示するセパレーション量設定部とを備え
    前記セパレーション制御部は、前記第1セパレーション量よりも後に前記受信状態に応じて決定した第2セパレーション量を前記最小セパレーション量以上に調整した調整セパレーション量で、前記ステレオ放送波の音声信号を各チャンネルに分離する無線受信装置。
  2. 前記セパレーション量設定部は、前記セパレーション制御部により決定された第1セパレーション量が小さくなるに従って、同じかあるいはより小さい最小セパレーション量を設定することを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。
  3. 前記セパレーション制御部により決定された第1セパレーション量に基づいて、音声信号を分離するときに当該第1セパレーション量を切り替える時定数を設定し、前記セパレーション制御部に対して指示するセパレーション時定数設定部を備え
    前記セパレーション制御部は、前記第1セパレーション量を前記時定数に従って変化させながら前記ステレオ放送波の音声信号を各チャンネルに分離することを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。
  4. 前記セパレーション時定数設定部は、前記セパレーション制御部により決定された第1セパレーション量が小さくなるに従って、同じかあるいはより小さい時定数を設定することを特徴とする請求項3記載の無線受信装置。
  5. 前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する第1減衰量を決定するハイカット制御部と、
    前記ハイカット制御部により決定された第1減衰量に基づいて最大減衰量を設定し、前記ハイカット制御部に対して指示する減衰量設定部とを備え
    前記ハイカット制御部は、
    前記第1減衰量よりも後に前記受信状態に応じて決定した第2減衰量を前記最大減衰量以下に調整した調整減衰量で、前記ステレオ放送波の音声信号に含まれる高周波成分を減衰させることを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。
  6. 前記減衰量設定部は、前記ハイカット制御部により決定された第1減衰量が小さくなるに従って、同じかあるいはより小さい最大減衰量を設定することを特徴とする請求項5記載の無線受信装置。
  7. 前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する減衰量を決定し、当該減衰量で、前記ステレオ放送波の音声信号に含まれる高周波成分を減衰させるハイカット制御部と、
    前記ハイカット制御部により決定された減衰量に基づいて、高周波成分を減衰させるときに減衰量を切り替える時定数を設定し、前記ハイカット制御部に対して指示する減衰時定数設定部とを備えることを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。
  8. 前記減衰時定数設定部は、前記ハイカット制御部により決定された減衰量が小さくなるに従って、同じかあるいはより大きい時定数を設定することを特徴とする請求項7記載の無線受信装置。
  9. FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部と、
    前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応するセパレーション量を決定し、当該セパレーション量で、前記ステレオ放送波の音声信号を各チャンネルに分離するセパレーション制御部と、
    前記セパレーション制御部により決定されたセパレーション量に基づいて、音声信号を分離するときにセパレーション量を切り替える時定数を設定し、前記セパレーション制御部に対して指示するセパレーション時定数設定部とを備え
    前記セパレーション時定数設定部は、前記セパレーション制御部により決定されたセパレーション量が小さくなるに従って、同じかあるいはより小さい時定数を設定する無線受信装置。
  10. FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部と、
    前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する第1減衰量を決定するハイカット制御部と、
    前記ハイカット制御部により決定された第1減衰量に基づいて最大減衰量を設定し、前記ハイカット制御部に対して指示する減衰量設定部とを備え
    前記ハイカット制御部は、
    前記第1減衰量よりも後に前記受信状態に応じて決定した第2減衰量を前記最大減衰量以下に調整した調整減衰量で、前記ステレオ放送波の音声信号に含まれる高周波成分を減衰させる無線受信装置。
  11. FM変調されたステレオ放送波の受信状態を判定する受信状態判定部と、
    前記受信状態判定部により判定された受信状態に対応する減衰量を決定し、当該減衰量で、前記ステレオ放送波の音声信号に含まれる高周波成分を減衰させるハイカット制御部と、
    前記ハイカット制御部により決定された減衰量に基づいて、高周波成分を減衰させるときに減衰量を切り替える時定数を設定し、前記ハイカット制御部に対して指示する減衰時定数設定部とを備える無線受信装置。
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