JP2006121295A - 受信装置および受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モノラルからステレオへの復帰時間を簡易な構成によって適切に調整することによって、コストを削減しつつ、違和感が少なくかつ聴取品位の良好な音声を聴取することができる受信装置および受信方法を提供すること。
【解決手段】 モノラルからステレオへの復帰時間を調整する調整回路12を有し、当該調整回路12が、マルチパスノイズ検出回路10の検出信号に時定数を付加する複数の時定数付加回路13,14と、これら時定数付加回路13,14によって時定数が付加された複数の信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を選択して調整信号として出力する調整信号出力回路15とを備えたこと。
【選択図】 図1

Description

本発明は、受信装置および受信方法に係り、特に、FM受信時にマルチパスノイズを検出した場合において、音域(特にL−R領域)を復調する際に発生する歪みを低減するのに好適な受信装置および受信方法に関する。
従来から、FMステレオ受信においては、送信アンテナから受信アンテナまでの経路が異なる電波を受信アンテナで同時に受信することによって発生するマルチパスノイズにより、当該受信した電波を元に形成されるステレオ・コンポジット信号におけるL−R領域を復調する際に歪みが発生することが問題となっていた。
そこで、このような歪みを低減するために、従来から、マルチパスノイズを検出した場合には、ステレオによる復調からモノラルによる復調に切換えて分離度を低減することが行われていた。
また、その場合には、マルチパスノイズが検出されなくなったら、モノラルによる復調からステレオによる復調に復帰させるようになっていた。
さらに、従来は、前述のようにステレオとモノラルとの切り替えを行うにあたり、マルチパスノイズが頻繁に検出される場合におけるステレオとモノラルとの頻繁な切換えによって聴取者に音の違和感を与えることを防止するために、モノラルからステレオへの復帰の際に、ある程度の時定数を設定するようになっていた。
これにより、例えば、移動体受信装置のようにマルチパスノイズが頻繁に検出される受信装置においては、モノラルからステレオへの復帰を時定数分の時間をかけて行うことによって違和感の少ない復調が可能とされていた。
しかしながら、モノラルからステレオへの復帰の際に時定数を設定することは、連続した高頻度のマルチパスノイズに対しては有効に作用するものの、単発のマルチパスノイズのように低頻度のマルチパスノイズが検出された場合に、同様の長さの時定数を設定すると、モノラルによる復調の時間が長くなり、却って聴取品位が落ちる結果となっていた。
そこで、このような問題に有効に対処すべく、これまでにも、モノラルからステレオへの復帰の際の時定数を、マルチパスノイズの発生頻度に応じて切換えるための発明(例えば、特許文献1、2、3参照)が提案されていた。
特許第2983609号公報 特開平9−186666号公報 特開2004−129162号公報
然るに、前述のように、マルチパスノイズの発生頻度に応じてモノラルからステレオへの復帰の時定数を切換える場合、マルチパスノイズの発生頻度を計数するためのカウンタや、時定数を切換えるための切換手段等の回路要素が必要となり、構成が複雑になるといった問題が生じてしまう。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、モノラルからステレオへの復帰時間を簡易な構成によって適切に調整することによって、コストを削減しつつ、違和感が少なくかつ聴取品位が良好な音声を復調することができる受信装置および受信方法を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明に係る受信装置の特徴は、受信信号に混入されたマルチパスノイズを検出するマルチパスノイズ検出回路を有し、前記マルチパスノイズ検出回路による検出結果に基づいてステレオの分離度を制御可能とされた受信装置であって、前記ステレオの分離度の制御の際にモノラルからステレオへの復帰時間を調整する調整回路を有し、かつ、当該調整回路は、前記マルチパスノイズ検出回路の検出信号に時定数を付加する複数の時定数付加回路と、これら複数の時定数付加回路によって時定数が付加された複数の信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を選択し、この選択した信号を前記復帰時間を調整するための調整信号として出力する調整信号出力回路とを備え、前記調整信号出力回路から出力された調整信号に相当する時定数にしたがって前記モノラルからステレオへの復帰時間を調整する点にある。
そして、このような構成によれば、複数の時定数付加回路によって、マルチパスノイズの検出信号に時定数を付加し、調整信号出力回路によって、時定数が付加された複数の信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を選択して調整信号として出力し、出力された調整信号に相当する時定数にしたがってモノラルからステレオへの復帰時間を調整することが可能となる。
また、本発明に係る受信方法の特徴は、受信信号に混入されたマルチパスノイズを検出し、このマルチパスノイズの検出結果に基づいてステレオの分離度を制御する受信方法であって、マルチパスノイズの検出信号に複数の時定数を個別に付加し、これら複数の時定数が個別に付加されてなる複数の信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を選択し、この選択した信号を、モノラルからステレオへの復帰時間を調整する調整信号として出力し、この出力した調整信号に相当する時定数にしたがって前記モノラルからステレオへの復帰時間を調整する点にある。
そして、このような方法によれば、時定数が付加された複数の信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を調整信号として選択して出力し、出力された調整信号に相当する時定数にしたがってモノラルからステレオへの復帰時間を調整することが可能となる。
本発明に係る受信装置によれば、複数の時定数付加回路によって、マルチパスノイズの検出信号に時定数を付加し、調整信号出力回路によって、時定数が付加された複数の信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を選択して調整信号として出力し、出力された調整信号に相当する時定数にしたがってモノラルからステレオへの復帰時間を調整することができる結果、モノラルからステレオへの復帰時間を簡易な構成によって適切に調整することによって、コストを削減しつつ、違和感が少なくかつ聴取品位が良好な音声を復調することができる。
本発明に係る受信方法によれば、時定数が付加された複数の信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を調整信号として選択して出力し、出力された調整信号に相当する時定数にしたがってモノラルからステレオへの復帰時間を調整することができる結果、モノラルからステレオへの復帰時間を簡便な方法によって適切に調整することによって、コストを削減しつつ、違和感が少なくかつ聴取品位が良好な音声を復調することができる。
以下、本発明に係る受信装置について、図1乃至図5を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態における受信装置1は、受信アンテナ2を有しており、この受信アンテナ2により、図示しない送信アンテナからのFMの送信信号が受信されるようになっている。
受信アンテナ2の出力側には、同調回路3が接続されており、この同調回路3において、受信すべき所望の周波数付近の信号成分が強調されて出力されるようになっている。
また、受信装置1は、局部発振回路4を有しており、この局部発振回路4から出力される局部発振信号と同調回路3からの出力信号とが混合されることによって、中間周波数信号が生成されるようになっている。
同調回路3および局部発振回路4の出力側には、中間周波数増幅回路5が接続されており、この中間周波数増幅回路5には、前記中間周波数信号が入力されるようになっている。
中間周波数増幅回路5は、入力された中間周波数信号を増幅して出力するようになっている。
中間周波数増幅回路5の出力側には、FM検波回路7が接続されており、このFM検波回路7には、中間周波数増幅回路5から出力された信号が入力されるようになっている。
そして、FM検波回路7は、入力された信号から音声信号(L+R信号およびL−R信号を含んだステレオ・コンポジット信号)だけを取り出して出力するようになっている。
FM検波回路7の出力側には、FM検波回路7によって検波された音声信号におけるL+R信号とL−R信号との混合量を制御するブレンド制御回路8が接続されており、このブレンド制御回路8には、FM検波回路7から出力された音声信号が入力されるようになっている。
そして、ブレンド制御回路8は、入力された音声信号を分離度(セパレーション量)に応じて左右各チャンネルの音声信号に分離した後に出力するようになっている。
ブレンド制御回路8の出力側には、L/R信号出力回路9が接続されており、このL/R信号出力回路9には、ブレンド制御回路8から出力された左右各チャンネルの音声信号が入力されるようになっている。
そして、L/R信号出力回路9は、入力された左右各チャンネルの音声信号を適正なレベルで出力するようになっている。
また、受信装置1は、FM検波回路7の出力側に、マルチパスノイズ検出回路10を有しており、このマルチパスノイズ検出回路10は、FM検波回路7によって取り出された音声信号におけるSメータ成分等に基づいて、マルチパスノイズを検出し、検出結果を検出信号として出力するようになっている。
そして、本実施形態においては、マルチパスノイズ検出回路10の検出結果に基づいてステレオの分離度を制御するようになっている。さらに、この分離度の制御に際して、モノラルからステレオへの復帰時間を調整するようになっている。
すなわち、本実施形態における受信装置1は、マルチパスノイズ検出回路10の出力側であって、ブレンド制御回路8の入力側に、モノラルによる復調からステレオによる復調への復帰時間を調整する調整回路12を有している。
この調整回路12は、マルチパスノイズ検出回路10の出力側に、互いに並列に接続された第1時定数付加回路13と第2時定数回路14との2個の時定数付加回路13,14を有しており、これら第1および第2時定数付加回路13,14には、マルチパスノイズ検出回路10から出力された検出信号が入力されるようになっている。
第1時定数付加回路13は、図2の上図に示すように高頻度のマルチパスノイズが検出された場合には、図2の下図における実線に示すように、また、図3の上図に示すように低頻度のマルチパスノイズが検出された場合には、図3の下図における実線に示すように、検出信号に対して、例えば立下げ/復帰の比率が10msec/10msecの特性の時定数を付加するようになっている。
そして、第1時定数付加回路13は、時定数を付加した信号を出力するようになっている。
また、第2時定数付加回路14は、図2の上図に示すように高頻度のマルチパスノイズが検出された場合には、図2の下図における破線に示すように、また、図3の上図に示すように低頻度のマルチパスノイズが検出された場合には、図3の下図における破線に示すように、検出信号に対して、例えば立下げ/復帰の比率が200msec/5secの特性の時定数を付加するようになっている。
そして、第2時定数付加回路14は、時定数を付加した信号を出力するようになっている。
なお、時定数付加回路13,14の個数は、本実施形態のように2個に限る必要はなく、3個以上であってもよい。
さらに、調整回路12は、第1および第2時定数付加回路13,14の出力側に、調整信号出力回路15を有しており、この調整信号出力回路15には、第1時定数付加回路13から出力された信号と、第2時定数付加回路14から出力された信号とが入力されるようになっている。
そして、調整信号出力回路15は、第1および第2時定数付加回路13,14から入力された時定数が付加された2つの信号の中からマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号、換言すれば前記2つの信号の中から分離度が低い側(モノラル側)の値をとる信号を選択し、選択した信号を調整信号として出力するようになっている。
具体的な例としては、高頻度のマルチパスノイズが検出された場合には、図2の下図に対応する調整信号として、図4の下図における実線に示すような調整信号が出力される。
また、低頻度のマルチパスノイズが検出された場合には、図3の下図に対応する調整信号として、図5の下図における実線に示すような調整信号が出力される。
なお、図4および図5においては、前記時定数が付加された2つの信号のうち、任意の時刻において電圧値の低い方の信号がマルチパスノイズの検出量の増加側の信号として選択されている(ボトムホールド)。しかし、これに限らず、前記時定数が付加された2つの信号のうち、任意の時刻において電圧値の高い方の信号をマルチパスノイズの検出量の増加側の信号として選択するようにしてもよい(ピークホールド)。
また、時定数付加回路を3個以上設ける場合には、各時定数付加回路によって時定数が付加された信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号が調整信号として選択されることになる。
調整信号出力回路15の出力側には、前述したブレンド制御回路8が接続されており、このブレンド制御回路8に調整信号出力回路15から出力された調整信号が入力されるようになっている。
そして、ブレンド制御回路8は、入力された調整信号に基づいて、ステレオの分離度を制御するようになっている。
したがって、マルチパスノイズの検出が高頻度になされる場合には、図4に示すように、ステレオ−モノラル間の変動を抑えつつ従来(図4の下図における破線部)と比べてステレオ領域を十分に確保することができるようになっている。
逆に、マルチパスノイズの検出が低頻度の場合には、図5に示すように、従来(図5の下図における破線部)と比べて不要なモノラル領域を小さくして聴取品位を向上させることができるようになっている。
次に、本発明に係る受信方法の実施形態について説明する。
なお、本実施形態における受信方法は、前述した受信装置を用いて実行することができる。
すなわち、本実施形態においては、送信アンテナからの送信信号を受信アンテナ2によって受信した後、同調回路3によって受信すべき所望の信号成分のみを強調させた後に出力し、続いて、出力した信号を局部発振回路4から出力された局部発振信号と混合させて中間周波数信号にする。
そして、この中間周波数信号を中間周波数増幅回路5に入力するとともに、この中間周波数増幅回路5において中間周波数信号を増幅した後にFM検波回路7に出力する。
次いで、FM検波回路7において、中間周波数増幅回路5から出力された信号から音声信号を取り出してブレンド制御部8およびマルチパスノイズ検出回路10にそれぞれ出力する。
次いで、マルチパスノイズ検出回路10によって、例えば音声信号におけるSメータ成分から、マルチパスノイズを検出し、検出結果を検出信号として第1時定数付加回路13および第2時定数付加回路14にそれぞれ出力する。
そして、第1時定数付加回路13により、マルチパスノイズ検出部10から出力された検出信号に対して、図2の下図における実線および図3の下図における実線に示すような特性の時定数を付加するとともに、この時定数を付加した信号を調整信号出力回路15に出力する。
また、このとき、第2時定数付加回路14により、マルチパスノイズ検出部10から出力された検出信号に対して図2の下図における破線および図3の下図における破線に示すような特性の時定数を付加するとともに、この時定数を付加した信号を調整信号出力回路15に出力する。
次いで、調整信号出力回路15により、第1および第2時定数付加回路13,14から出力された時定数が付加された2つの信号の中からマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を選択し、選択した信号を調整信号としてブレンド制御回路8に出力する。
そして、ブレンド制御回路8は、調整信号出力回路15から出力された調整信号に基づいて、音声信号の分離度を制御しつつ、FM検波回路7から出力された音声信号を左右に分離してL/R信号出力回路9に出力する。
最後に、L/R信号出力回路9によって左右の各音声信号を適正なレベルで音声出力する。
このとき、調整回路12によってモノラルからステレオへの復帰時間が好適な値に調整されていることによって、マルチパスノイズによる影響が低減された違和感の少ない高品質の音声を出力することができる。
したがって、本実施形態によれば、第1時定数付加回路13、第2時定数付加回路14および調整信号出力回路15からなる簡易な構成によって、モノラルからステレオへの復帰時間を適切に調整して、コストを削減しつつ、違和感が少なくかつ聴取品位の良好な音声を聴取することができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態において、第1時定数付加回路13、第2時定数付加回路14へ出力される検出信号は一種類であるが、これに限る必要はなく、例えば、各時定数付加回路に固有のマルチパスノイズ検出回路を備え、各マルチパスノイズ検出回路の検出感度を個別に設定するようにしてもよい。
本発明に係る受信装置の実施形態を示すブロック図 本発明に係る受信装置および受信方法の実施形態において、高頻度のマルチパスノイズの検出状態およびその際に第1ならびに第2時定数付加回路によって付加される時定数の特性を示すグラフ 本発明に係る受信装置および受信方法の実施形態において、低頻度のマルチパスノイズの検出状態およびその際に第1ならびに第2時定数付加回路によって付加される時定数の特性を示すグラフ 図2に対応する調整信号を示すグラフ 図3に対応する調整信号を示すグラフ
符号の説明
1 受信装置
10 マルチパスノイズ検出回路
12 調整回路
13 第1時定数付加回路
14 第2時定数付加回路
15 調整信号出力回路

Claims (2)

  1. 受信信号に混入されたマルチパスノイズを検出するマルチパスノイズ検出回路を有し、前記マルチパスノイズ検出回路による検出結果に基づいてステレオの分離度を制御可能とされた受信装置であって、
    前記ステレオの分離度の制御の際にモノラルからステレオへの復帰時間を調整する調整回路を有し、かつ、当該調整回路は、
    前記マルチパスノイズ検出回路の検出信号に時定数を付加する複数の時定数付加回路と、
    これら複数の時定数付加回路によって時定数が付加された複数の信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を選択し、この選択した信号を前記復帰時間を調整するための調整信号として出力する調整信号出力回路と
    を備え、前記調整信号出力回路から出力された調整信号に相当する時定数にしたがって前記モノラルからステレオへの復帰時間を調整すること
    を特徴とする受信装置。
  2. 受信信号に混入されたマルチパスノイズを検出し、このマルチパスノイズの検出結果に基づいてステレオの分離度を制御する受信方法であって、
    マルチパスノイズの検出信号に複数の時定数を個別に付加し、
    これら複数の時定数が個別に付加されてなる複数の信号の中から最もマルチパスノイズの検出量の増加側の値をとる信号を選択し、この選択した信号をモノラルからステレオへの復帰時間を調整する調整信号として出力し、
    この出力した調整信号に相当する時定数にしたがって前記モノラルからステレオへの復帰時間を調整すること
    を特徴とする受信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017076858A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 三菱電機株式会社 無線受信装置

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