JPH06315016A - ラジオ受信機のノイズ低減回路 - Google Patents

ラジオ受信機のノイズ低減回路

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JPH06315016A
JPH06315016A JP10317493A JP10317493A JPH06315016A JP H06315016 A JPH06315016 A JP H06315016A JP 10317493 A JP10317493 A JP 10317493A JP 10317493 A JP10317493 A JP 10317493A JP H06315016 A JPH06315016 A JP H06315016A
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signal
circuit
separation
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JP10317493A
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Hirohisa Suzuki
裕久 鈴木
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラジオ受信機におけるノイズを効果的に低減
する。 【構成】 ROM28には、Sメータ24出力およびA
C成分検出器30からのデータとそのときに最適なセパ
レーションの関係を示すデータが記憶されている。そこ
で、マイクロコンピュータ26は、Sメータ24および
AC成分検出器20の出力に応じてマルチプレクス回路
22におけるセパレーションの程度を決定し、これにつ
いてのデジタルデータをマルチプレクス回路22に供給
する。マルチプレクス回路22には供給されるデジタル
データをアナログデータに変換しL−R信号のレベルを
調整することでセパレーションを制御し、ノイズを低減
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車載用ラジオ受信機な
ど受信信号レベルの変化が大きいラジオ受信機における
ノイズ低減、特に受信状態に応じてステレオ信号のセパ
レーションを制御してノイズを低減するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、FM放送においてはステレオ
放送がなされており、ラジオ受信機はFM放送波の受信
の際に、左側のL信号と、右側のR信号を分離して再生
できるようになっている。現在のFM放送は、パイロッ
トトーン方式を利用しており、1つの電波の中にL+R
信号と、L−R信号が含まれており、L+R信号のみを
再生することでモノラルとしての再生も可能になってい
る。そして、このFM放送波の周波数スペクトルは図1
7のようになっており、パイロット信号の周波数は19
kHzであり、L−R信号は38kHzの副搬送波抑圧
振幅変調したものである。
【0003】このように、FM放送波においては、L−
R信号が高周波数側にある。また、FM復調後のノイズ
は三角雑音と呼ばれるように、周波数が高くなるほど大
きくなる。このため、ノイズを低減するためには、L−
R信号のレベルを小さくすればよい。そこで、従来のラ
ジオ受信機には、SNC(ステレオノイズコントロー
ル)が設けられており、これによって希望局信号のレベ
ルが低い場合に、L−R信号の減衰量を大きくして、ノ
イズの低減を図っている。ここで、このようにL−R信
号を減衰すると、左右ステレオ信号の分離度が悪くな
る。すなわち、LRの分離は、 (L+R)+(L−R)=2L (L+R)−(L−R)=2R という加算処理を利用して行っているため、L−R信号
を減衰すれば、LチャンネルにR信号が、Rチャンネル
にL信号が漏れ、分離度が悪化する。
【0004】このように、SNCにおいては、受信状態
の良い時にはステレオ再生を行い、受信状態が悪化した
時に左右のセパレーションを悪化させ、ノイズの発生を
抑制している。
【0005】また、車載ラジオにおいてはその走行に伴
い、多重電波伝搬に起因するマルチパスノイズの影響を
受ける。このマルチパスノイズに対しても、上述の三角
雑音の場合と同様に高周波数帯域の信号を抑圧すること
で、ノイズを減少することができる。また、マルチパス
ノイズが発生すると希望局信号のレベルが小さくなり、
この希望局の周波数の雑音が相対的に大きくなる。そこ
で、従来の装置では、SNCによるステレオの左右のセ
パレーションを制御し、マルチパスノイズの影響を減少
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、従来のSNC
は、L−R信号の信号レベルをSメータからの出力に応
じて直線的に変更していた。すなわち、希望局信号のレ
ベルを検出するSメータの出力を1つのトランジスタの
ベースに入力し、このトランジスタに流れる電流量に応
じてL−R信号のレベルを決定していた。
【0007】ところが、ノイズ除去に最適なL−R信号
の減衰度とSメータの出力との関係は、必ずしも簡単な
関係ではなく、またラジオ受信機の特性によって最適な
L−R信号の減衰度も変化する。さらに、マルチパスノ
イズに対する応答も必ずしも画一的で良いわけではな
い。
【0008】従って、従来の装置では、最適なL−R信
号の減衰によるノイズの低減が図れないという問題点が
あった。
【0009】本発明は、上記問題点を解決することを課
題としてなされたものであり、最適なL−R信号の減衰
を得られるラジオ受信機のノイズ低減回路を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステレオ放送
を受信し得るラジオ受信機のノイズ低減回路であって、
L+R信号とL−R信号を加算し、L信号およびR信号
を取り出すステレオ分離回路と、L−R信号を減衰する
減衰回路と、希望局信号のレベルとL−R信号の減衰量
の関係を示すデジタルデータを記憶する記憶部と、希望
局信号の受信レベルを検出する希望局信号レベル検出回
路と、検出された希望局信号レベルに基づいて、記憶部
に記憶されているデータを読み出し、これに基づいて上
記減衰回路における減衰量を制御する制御手段と、を有
することを特徴とする。
【0011】また、本発明は、ステレオ放送を受信し得
るラジオ受信機のノイズ低減回路であって、L+R信号
とL−R信号を加算し、L信号およびR信号を取り出す
ステレオ分離回路と、L−R信号を減衰する減衰回路
と、希望局信号のAC信号のレベルとL−R信号の減衰
量の関係を示すデジタルデータを記憶する記憶部と、希
望局信号のAC信号レベルを検出するAC信号レベル検
出回路と、検出された希望局信号レベルに基づいて、記
憶部に記憶されているデータを読み出し、これに基づい
て上記減衰回路における減衰量を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0012】
【作用】このように、本発明においては、受信レベルと
L−Rの減衰量の関係についてのデータをデジタルデー
タとして記憶している。そして、検出した受信レベルに
基づいて記憶しているデータを読み出しL−Rの減衰量
を決定し、このデジタルデータに基づいてL−R信号の
減衰を制御する。
【0013】また、本発明においては、AC成分とL−
Rの減衰量の関係についてのデータをデジタルデータと
して記憶している。そして、検出したAC成分の大きさ
に基づいて記憶しているデータを読み出しL−Rの減衰
量を決定し、このデジタルデータに基づいてL−R信号
の減衰を制御する。
【0014】このように、L−R信号の減衰をデジタル
データによって制御する。従って、装置の特性に応じて
きめ細かな設定を行うことができ、好適なノイズ除去を
達成することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。図1は、全体構成を示すブロック図であ
り、FM放送電波はアンテナ10で受信され、RF回路
12に入力される。RF回路12は、RF信号を増幅
し、混合回路14に入力する。混合回路14は、増幅さ
れたRF信号と局部発振回路の出力信号を混合し、常に
一定の中間周波数のIF信号を得ると共に、セラミック
フィルタによって中間周波数の以外の周波数成分を除去
する。このようにして得られた狭帯域のIF信号は検波
回路18に入力され、検波される。検波回路18の出力
は、ノイズキャンセラー20に入力され、パルスノイズ
が除去される。
【0016】そして、ノイズキャンセラー20の出力
は、マルチプレクス回路22に入力され、左信号Lと右
信号Rが分離されて出力される。すなわち、FM放送は
L+R信号とL−R信号を有しており、マルチプレクス
回路22はこのL+R信号とL−R信号の加減算によっ
て、L信号とR信号を取り出す。ここで、L−R信号は
39kHzの副搬送波を変調しているため、加減算の前
にこの復調も行う。そして、このようにして得たL信号
およびR信号をスピーカ等の出力手段に供給して、ステ
レオ音声出力を行う。
【0017】また、検波回路18において得られた希望
局の信号レベルはSメータ24において検出される。そ
して、このSメータの検出値がマイクロコンピュータ2
6に供給される。マイクロコンピュータ26は、このS
メータ24の検出値に応じて、マルチプレクス回路22
における動作を制御し、ノイズをコントロールする。マ
ルチプレクス回路22におけるノイズコントロールに
は、ステレオの分離度を制御するSNC(ステレオノイ
ズコントロール)と高周波成分をカットするHCC(ハ
イカットコントロール)があり、SNCはSメータ24
の検出値が所定値以下になったときに動作を開始し、徐
々にセパレーションを悪化させる。そして、HCCは、
Sメータ24の検出値がモノラルに移行する値よりさら
に小さくなったときに、動作を開始し、高周波成分をカ
ットする。
【0018】さらに、本実施例では、Sメータ24の検
出信号中のAC成分のレベルを検出するAC成分検出回
路30を有している。このSメータ24の検出信号中の
AC成分が大きくなるということは、希望局信号の受信
状態が悪化したことを示しており、車載ラジオ受信機に
おいては、マルチパスノイズの影響である場合が多い。
そこで、マイクロコンピュータ26は、Sメータ24の
出力に応じて、SNCおよびHCCを制御する。
【0019】図2にマルチプレクス回路22の構成を示
す。このように、ノイズキャンセラー20からの出力
は、L+R回路32、L−R回路34、およびハイカッ
トL+R回路36に入力される。そして、L+R回路3
2は、入力信号の内のL+R信号を選択し出力する。
【0020】L−R回路34は、L−R信号に入力され
てくる38kHzの信号を掛け算することによって、L
−R信号を復調する。なお、38kHzの信号は、PL
L回路で再生されたものであり、入力信号の副搬送波と
同期のとれたものである。
【0021】ここで、L−R回路34は、D/A変換器
から入力される信号に基づいて、出力されるL−R信号
のレベルを変更する手段を有しており、マイクロコンピ
ュータ26の出力信号によって、L−R回路34の出力
信号レベルが変更される。すなわち、38kHzの副搬
送波を変調するL−R信号に38kHzの信号を乗算し
復調する際の前記38kHzの信号のレベルをマイクロ
コンピュータ26からの信号に応じて変更することによ
り、復調されるL−R信号のレベルを変更する。なお、
レベル変更の方法は、単なる増幅率の変更など各種の手
段が採用可能である。
【0022】一方、マイクロコンピュータ26は、予め
記憶しているマップ等に基づいて、Sメータ24で検出
した希望局信号の受信レベルに応じて、SNCにおける
分離度(Sep)を変更する。すなわち、Sメータ24
において検出した希望局信号レベルが小さい場合には、
L−R信号のレベルを小さくし、セパレーションを悪化
させ、モノラルに近い再生にしてノイズを除去する。そ
して、モノラルにしてもノイズが多いという、Sメータ
24の出力が非常に小さい場合には、HCCを動作さ
せ、高周波成分をカットする。
【0023】ここで、マイクロコンピュータ26は、ラ
ジオ受信機の信号処理を行うチューナICとは、別に設
けられており、SNC,HCCだけでなく、ラジオ受信
機の各種の動作を制御する。インターフェース38は、
マイクロコンピュータ26と所定のバスによって接続さ
れており、マイクロコンピュータ26の出力であるセパ
レーション制御データは、インターフェース38を介
し、D/A変換器36に供給され、ここでアナログデー
タに変換され、L−R回路34に供給される。
【0024】L+R回路32とハイカットL+R回路3
6の出力は、加算器40、42において加算される。こ
こで、ハイカットL+R回路36の出力信号はL+R信
号の高周波成分がカットされたものであるため、ハイカ
ット動作が開始され、ハイカットL+R回路36の出力
成分の割合が多くなると加算器40、42の出力は、高
周波成分が抑圧されたものになる。
【0025】また、加算器40、42の出力は、L−R
回路34からの出力が入力される加算器44および減算
器46に入力される。そして、この加算器44におい
て、L+R+L−R=2Lの処理を行い、L信号を取り
出し、減算器46において、L+R−(L−R)=2R
の処理を行い、R信号を取り出し、これらを出力端4
8、50から出力する。そして、例えばL−R信号をL
+R信号の1/2に減衰することによって、出力端48
に得られる信号は、1.5L+0.5Rとなり、出力端
50に得られる信号は、1.5R+0.5Lとなる。さ
らに、L−R信号が0になれば、出力端48、50から
の出力は共にL+Rとなり、モノラル再生になる。
【0026】例えば、図3に示すように、Sメータ24
の出力が所定値以下になった場合にSNCによってL−
R信号を減衰し始める。これによって三角雑音が減少さ
れ、ノイズの抑圧が計れる。そして、Sメータ24出力
が所定値以下になった場合には、モノラル再生になる。
Sメータ24出力が、このモノラル再生となった値より
低い場合には、SNCによるノイズ除去は行えない。そ
こで、HCCにより信号の高周波数帯域をカットするこ
とで、ノイズの減少を図る。このHCCによる制御(ハ
イカットL+R回路36の制御)もマイクロコンピュー
タ26からの信号をインターフェース38、D/A変換
器52を介し、ハイカットL+R回路36に供給するこ
とによって行う。また、ハイカットL+R回路36にお
ける減衰も通常の方法が採用可能である。
【0027】このように、本実施例によれば、マイクロ
コンピュータ26からの信号によって、SNC、HCC
におけるノイズ除去を任意のものに設定することができ
る。従って、これらの特性を所定のものに設定すること
ができ、好適なノイズ除去を行うことができる。
【0028】ここで、Sメータ24の出力に対し、SN
CにおけるL−Rの減衰量をどのように設定するか、ま
たHCCにおけるハイカット量をどのように設定するか
は、予めROM28に記憶されている。すなわち、後述
するような方法によって、特性を調べ、この結果が記憶
されている。そこで、このROM28に記憶されている
データに基づいて、好適なSNC、HCCの制御を行う
ことができる。
【0029】さらに、本実施例においては、AC成分検
出回路30からの検波出力のAC成分レベルについての
信号がマイクロコンピュータ26に供給されている。そ
して、このAC成分のレベルと、SNCのL−R信号の
減衰またはHCCによるハイカットについての関係もR
OM28に記憶されている。そこで、マイクロコンピュ
ータ26はAC成分検出回路30からの信号に応じて、
ROM28から対応するデータを読み出し、SNCまた
はHCCについての所定の制御が行われる。
【0030】なお、Sメータ24出力からAC成分を検
出を行うAC成分検出回路30は、後述するように、S
メータ24出力の出力経路にDCカット用のコンデンサ
と、積分回路から構成されている。そこで、コンデンサ
によって交流成分を取り出した後、これを積分すること
によってAC成分のレベルを検出する。また、アンテナ
10、マイクロコンピュータ26、ROM28以外は、
チューナICに内蔵される。
【0031】次に、ROM28に記憶されるデータにつ
いて、その内容および記憶の方法について説明する。ま
ず、図4に示すように、マルチプレクス用信号発生回路
60およびパソコン62およびACボルトメータ64、
66を設ける。マルチプレクス用信号発生回路60は、
マルチプレクス回路22への入力信号を発生する。この
信号の特性はパソコン60が決定し、例えばLのみRの
みの信号を発生する。そして、この状態でマイクロコン
ピュータ26が、L−R信号の減衰率を変化させる信号
を出力する。これによって、セパレーション制御データ
に応じたL信号レベルおよびR信号レベルをACボルト
メータ64、66により検出することができ、マイクロ
コンピュータ28の出力とステレオのセパレーションの
関係を調べることができる。
【0032】そして、例えば図5に示すように、マイク
ロコンピュータ26の出力であるセパレーション制御デ
ータと、ステレオのセパレーション(Sep)の関係が
求められる。この図の例では、マイクロコンピュータ2
6の出力データがMである場合にセパレーションが最大
となる。これは、この点において、L−R信号の大きさ
がL+R信号の大きさと同一となったものと考えられ
る。そして、このようなテストの結果によりセパレーシ
ョンをどの程度にセットしたいかに応じてセパレーショ
ン制御データを決定できる。
【0033】図6に示した例では、FM信号発生回路6
4およびSメータ24の出力をデジタルデータに変換す
るA/D変換器66を有している。そして、FM信号発
生回路64からのFM信号をパソコン64で順次変更
し、これによって各種電界をチューナICに入力する。
そして、この時のSメータ24の出力信号のレベルをA
/D変換器66、デコーダ38を介し、マイクロコンピ
ュータ26、パソコン62に取り込む。これによって、
希望局信号の電界レベルとSメータ24の出力の関係を
調べることができ、図7のような関係を得ることができ
る。また、この時Sメータ24の出力電圧は、デジタル
データとして認識され、両者には図8に示す関係があ
る。そこで、パソコン62は、図9に示すような電界強
度とSメータ24の出力電圧の関係をデジタルデータ
(Sメータデータ)として認識することができる。そし
て、この関係についてのデータをROM28に記憶す
る。
【0034】ここで、電界強度(アンテナ10において
受信される希望局の信号レベルに等しい)とステレオの
左右のセパレーションの関係を図10のように設定する
場合を考える。この場合には、図9の電界強度とSメー
タデータの関係と、図5のセパレーション制御データと
セパレーションの関係から、電界強度とセパレーション
の関係を図11のようなSメータデータとセパレーショ
ン制御データの関係に変換し、これをROM28に記憶
する。
【0035】そこで、ラジオの動作時においては、マイ
クロコンピュータ26がSメータ24の出力をSメータ
データとして取り込み、ROMに記憶されている図11
の関係からセパレーション制御データを得て、これを出
力する。このセパレーション制御データはデコーダ3
8、D/A変換器36を介しマルチプレクス回路22に
供給され、L−R信号のレベルが調整され、セパレーシ
ョンが調整される。これによって、図10に示す電界強
度とセパレーションの関係が得られ、好適なノイズ低減
が図られる。
【0036】次に、マルチパスノイズについての対策に
ついて説明する。図12に示すように、チューナICは
コンデンサ70、アンプ72、抵抗74aおよびコンデ
ンサ74bからなる積分器74、A/D変換器を有して
いる。そして、Sメータ24の出力は、コンデンサ70
によってDC成分がカットされてアンプ72に供給さ
れ、ここでAC成分が増幅される。アンプ72の出力に
積分器74が接続されているため、ここでAC成分がD
Cに変換され、Sメータ出力のAC成分の大きさの信号
が得られる。そして、この積分された信号がA/D変換
器76でデジタルデータに変換される。このため、マイ
クロコンピュータ26およびパソコン62において、S
メータ24の出力におけるAM成分のレベルを認識する
ことができる。
【0037】一方、この例では、信号発生器として、F
M信号発生器64の他にAC信号発生器78を有してい
る。そこで、FM信号をAM変調して、出力信号にAC
成分を重畳することができる。そして、パソコン62に
よってAC成分を制御することによって、AC成分の大
きさとアンプ72から出力される電圧(実際には、これ
がA/D変換されたデータ)の関係が図13に示すよう
に得られる。
【0038】そして、AC成分が多いということは、希
望局信号のレベルが低く、マルチパスノイズが発生して
いることを示しており、AC成分の増加に伴い、セパレ
ーションを低下させるべきである。そこで、図14に示
すように、AC成分の増加に応じてセパレーションが低
下するように制御する。すなわち、ROM28に記憶さ
れている電界強度とセパレーションの関係にさらにAC
成分の大きさのファクターを追加し、同一電界強度であ
っても、AC成分が大きい場合には、セパレーションを
低下させる。このため、ROM28は、セパレーション
制御データを得るためのマップを3次元のマップとして
記憶する。そして、動作時には、Sメータ出力およびA
C成分の大きさからセパレーション制御データを読み出
し、これによってセパレーションを制御する。
【0039】このようにして、マルチパスノイズにより
希望局信号が低下した場合に、これをAC成分の増加と
して検出し、これに応じたセパレーションの制御を行う
ことができる。
【0040】さらに、セパレーションが急激に変化する
と、音の特性が変化し、聞き手に違和感を与える。そこ
で、図15に示すようにSメータ24の出力電圧が実線
のように変化した場合に、セパレーションを図15の破
線で示すように制御する。この処理は所定のプログラム
によって可能である。一方、この処理は、Sメータ24
の出力自体を破線のように鈍らせてもよい。この場合
は、Sメータ24の出力を所定の時定数の積分器で積分
するとよい。このように、セパレーションを図15の破
線のように制御することによって、セパレーションの変
化を緩やかにすることができ、出力音声を違和感のない
ものにできる。
【0041】また、マルチパスノイズは、車両の走行に
伴い短時間だけ希望局信号のレベルが落ちるものであ
る。従って、このマルチパスノイズによって、図16に
実線で示すように、AC成分のピークが生じる。そし
て、このようなマルチパスノイズにそのまま追従してセ
パレーションを制御すると、違和感が生じる。そこで、
図16に破線で示すように、セパレーションをAC成分
の立上がりに対してはすぐに追従して低下させるが、セ
パレーションの復帰はゆっくりとなるように制御する。
このような制御により出力音声を違和感のないものにで
きる。なお、このような制御は、マイクロコンピュータ
26のプログラムによって行うのが好適である。
【0042】また、温度特性の補償も同様の手法によっ
て行うことができる。すなわち、温度のパラメータを追
加して制御を行うことによって、温度の補正を行うこと
ができ、回路の温度補償も行うことができる。
【0043】ROM28に記憶するデータの作成は、S
NCによるノイズカットについてのみ記載したが、HC
Cによるノイズカットにおけるデータも同様に得ること
ができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るラジ
オ受信機のノイズ低減回路によれば、デジタルデータに
よってノイズ低減を制御する。従って、装置の特性に応
じてきめ細かな設定を行うことができ、好適なノイズ除
去を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】マルチプレクス回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】Sメータ出力とノイズレベルの関係を示す特性
図である。
【図4】セパレーションの制御特性測定のための構成を
示すブロック図である。
【図5】セパレーション制御データとセパレーションの
関係を示す特性図である。
【図6】Sメータの出力と電界強度の関係を測定するた
めの構成を示すブロック図である。
【図7】電界強度とSメータ出力の関係を示す特性図で
ある。
【図8】Sメータ電圧とそのデジタル電圧(Sメータデ
ータ)の関係を示す特性図である。
【図9】電界強度とSメータデータの関係を示す特性図
である。
【図10】目標となる電界強度とセパレーションの関係
を示す特性図である。
【図11】セパレーション制御データとSメータデータ
の関係を示す特性図である。
【図12】AC成分測定のための構成を示すブロック図
である。
【図13】AC成分とこれに応じた電圧の関係を示す特
性図である。
【図14】電界強度およびAC成分に対するセパレーシ
ョンの関係を示す特性図である。
【図15】Sメータ電圧とセパレーションの時間変化を
示す特性図である。
【図16】AC成分とセパレーションの時間変化を示す
特性図である。
【図17】FM放送波と三角雑音の周波数特性を示す図
である。
【符号の説明】
18 検波回路 22 マルチプレクス回路 24 Sメータ 26 マイクロコンピュータ 28 ROM 30 AC成分検出回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステレオ放送を受信し得るラジオ受信機
    のノイズ低減回路であって、 L+R信号とL−R信号を加算し、L信号およびR信号
    を取り出すステレオ分離回路と、 L−R信号を減衰する減衰回路と、 希望局信号の受信レベルとL−R信号の減衰量の関係を
    示すデジタルデータを記憶する記憶部と、 希望局信号の受信レベルを検出する希望局信号レベル検
    出回路と、 検出された希望局信号レベルに基づいて、記憶部に記憶
    されているデータを読み出し、これに基づいて上記減衰
    回路における減衰量を制御する制御手段と、 を有することを特徴とするラジオ受信機のノイズ低減回
    路。
  2. 【請求項2】 ステレオ放送を受信し得るラジオ受信機
    のノイズ低減回路であって、 L+R信号とL−R信号を加算し、L信号およびR信号
    を取り出すステレオ分離回路と、 L−R信号を減衰する減衰回路と、 希望局信号のAC信号のレベルとL−R信号の減衰量の
    関係を示すデジタルデータを記憶する記憶部と、 希望局信号のAC信号レベルを検出するAC信号レベル
    検出回路と、 検出された希望局信号レベルに基づいて、記憶部に記憶
    されているデータを読み出し、これに基づいて上記減衰
    回路における減衰量を制御する制御手段と、 を有することを特徴とするラジオ受信機のノイズ低減回
    路。
JP10317493A 1993-04-28 1993-04-28 ラジオ受信機のノイズ低減回路 Pending JPH06315016A (ja)

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