JPH10126359A - ステレオ受信機 - Google Patents

ステレオ受信機

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JPH10126359A
JPH10126359A JP8295894A JP29589496A JPH10126359A JP H10126359 A JPH10126359 A JP H10126359A JP 8295894 A JP8295894 A JP 8295894A JP 29589496 A JP29589496 A JP 29589496A JP H10126359 A JPH10126359 A JP H10126359A
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JP
Japan
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stereo
signal
separation
phase
circuit
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JP8295894A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Takagi
良明 高木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検波回路部の低域通過フィルタにおけるステ
レオ信号の位相遅れを補正してステレオ分離度の高いス
テレオ放送受信機を提供すること。 【解決手段】 同調回路1により選局されたFMラジオ
放送信号からFM検波回路2でベースバンド信号を検波
して後,低域通過フィルタ3を通して53kHz以下の
帯域に濾波し,濾波した信号からステレオ復調回路4に
おいてステレオ音声信号を抽出して位相補正回路5に入
力し,位相補正回路5においてステレオ音声信号の右チ
ャンネルの音声信号と左チャンネルの音声信号の位相が
等しくなるように補正した後,ステレオ分離度調整回路
6で補正して分離度を向上することを特徴とする.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステレオ放送を受
信して復調するステレオ受信機に関し、特に、復調後の
ステレオ音声信号の分離度を改善する手段を有するステ
レオ受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のステレオ受信機において
は、ステレオ分離度を高くするため、種々の改良が行な
われてきた。その1例として、図6及び図7に示すよう
なFMステレオ放送受信機があった。図6は従来のFM
ステレオ放送を受信処理するFMステレオ放送受信機の
構成を示すブロック図、図7は図6に示すステレオ分離
度調整回路の詳細な回路図である。
【0003】まず、図6を参照して、従来のFMステレ
オ放送受信機の構成を説明する。図6において、61は
希望する周波数(放送局)に同調して選局する同調回
路、62は同調回路の出力を検波してベースバンド信号
に変換するFM検波回路、63は検波出力の低周波成分
を通過させる低域通過フィルタ、64は低域通過フィル
タの出力を2チャンネルのステレオ信号(左チャンネル
の音声信号と右チャンネルの音声信号)に分離するステ
レオ復調回路、65はステレオ復調回路の分離度を改善
するステレオ分離度調整回路である。
【0004】次に、図6を参照して、上記従来のFMス
テレオ放送受信機の動作について詳細に説明する。ま
ず、同調回路61によって選局されたFMステレオ信号
はFM検波回路62に入力されてベースバンド信号に変
換される。そのベースバンド信号は低域通過フィルタ6
3に入力されて53kHz以下の帯域に濾波される。低
域通過フィルタ63の出力はステレオ復調回路64に入
力されてステレオ音声信号が抽出される。ステレオ復調
回路64の出力はステレオ分離度調整回路65に入力さ
れて分離度が高くなるよう補正される。
【0005】ここで、図7を参照して、上記従来のFM
ステレオ放送受信機に使用されているステレオ分離度調
整回路65について詳細に説明する。図7において、7
1は入力した左チャンネル信号と右チャンネル信号とを
混合する加算器、72及び73はそれぞれ左チャンネル
信号及び右チャンネル信号を2倍にする掛算器(図では
掛ける符号を*で表示、以下同じ)、74は加算器71
で混合された信号を(1−α)倍する掛算器、75及び
76はそれぞれ掛算器72及び73の出力から掛算器7
4の出力を減算する減算器、77及び78はそれぞれ減
算器75及び76の出力を1/4α倍する掛算器であ
る。尚、αは高域の減衰量を示す。
【0006】同じく、図7を参照して、このように構成
されたステレオ分離度調整回路の動作について説明す
る。ステレオ分離度調整回路65に入力されたLch
(左チャンネル)及びRch(右チャンネル)の信号は
それぞれ掛算器72及び73を通して2倍にされ、それ
ぞれ減算器75及び76に入力される。一方、左チャン
ネル及び右チャンネル信号は加算器71で混合してモノ
ラル信号が生成され、掛算器74で(1−α)倍され、
モノラル信号として減算器75及び76の他の入力に入
力される。
【0007】減算器75及び76に入力された左チャン
ネル及び右チャンネル信号は、加算器71で混合され
(1−α)倍にされたモノラル信号がそれぞれ減算され
(すなわち、ステレオのクロストーク成分が除去され)
て後、それぞれ掛算器77及び78で1/4α倍され
て、分離度が改善された左チャンネル及び右チャンネル
信号として出力される。このように、上記従来のステレ
オ受信機においても、受信した信号の分離度を高くする
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のステレオ受信機においては、低域通過フィルタの周
波数位相特性が平坦でない場合、下記〔数1〕に示すよ
う、コンポジット信号Stには高域の位相遅れτが入っ
てしまうため、ステレオ分離度調整回路で除去できるク
ロストーク成分の量が減少し、分離度が劣化してしまう
という問題があった。位相遅れは、特に、高域で大きく
なるため、高域の分離度が著しく劣化するという問題が
あった。
【0009】
【数1】
【0010】従って、第1の発明は、上記従来の問題を
解決するためになされたもので、ステレオ復調回路とス
テレオ分離度調整回路との間に、位相補正手段を設けて
左または右チャンネル信号の位相遅れを除去することに
より、ステレオ分離度の劣化を防止し、ステレオ分離度
の高いステレオ放送受信機を提供することを目的とす
る。
【0011】第2の発明は、上記従来の問題を解決する
ためになされたもので、構造が簡単な位相補正手段を使
用して、低域通過フィルタの周波数位相特性を改善する
ようにしたことにより、ステレオ分離度の劣化を防止
し、ステレオ分離度の高い安価なステレオ放送受信機を
提供することを目的とする。
【0012】第3の発明は、上記従来の問題を解決する
ためになされたもので、位相補正手段の調整を簡略化す
ることにより、調整簡単にしてステレオ分離度の劣化を
防止し、ステレオ分離度の高い安価なステレオ放送受信
機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるステレ
オ放送受信機は、同調回路で受信したラジオ放送信号か
ら受信信号を検波してベースバンド信号を出力し、ベー
スバンド信号から復調しようとするアナログ信号(また
はディジタル信号)を低域通過フィルタを通して濾波
し、低域通過フィルタの出力をステレオ復調回路で復調
し、復調されたステレオ音声信号を位相補正手段によっ
て右チャンネルの音声信号と左チャンネルの音声信号の
位相が等しくなる(望ましくは等しく合わせる)ように
補正してからステレオ分離度調整回路に入力して、右及
び左チャンネルの音声信号の分離度を高めるようにした
ものである。
【0014】第1の発明によれば、位相補正手段を使用
して、右チャンネルの音声信号と左チャンネルの音声信
号の位相を等しくするように補正してから、ステレオ分
離度調整回路に入力して分離度を高めるようにしたこと
により、ステレオ分離度調整回路におけるステレオ分離
度の劣化を防止し、ステレオ分離度のよいステレオ放送
受信機が得られる。また、位相補正手段はそこで処理さ
れる信号の帯域が音声帯域であるから、ハードウェアで
実現するかわりに、DSP(ディジタル信号プロセッ
サ)ソフトウェアで実現することもできる。
【0015】第2の発明によるステレオ放送受信機は、
同調回路で受信したラジオ放送信号から受信信号を検波
してベースバンド信号を出力し、ベースバンド信号から
復調しようとするアナログ信号(またはディジタル信
号)を低域通過フィルタを通して濾波し、低域通過フィ
ルタの出力をステレオ復調回路で復調し、復調されたス
テレオ音声信号を1次のフィルタで構成されその周波数
位相特性が低域通過フィルタの周波数位相特性と逆特性
となるように調整された位相補正手段によって右チャン
ネルの音声信号と左チャンネルの音声信号の位相が等し
くなるように補正してからステレオ分離度調整回路に入
力して分離度を高めるようにしたものである。
【0016】第2の発明によれば、位相補正手段の回路
構成を単純な1次フィルタを使用して構成し、低域通過
フィルタの周波数位相特性を改善して左及び右チャンネ
ル音声信号の位相を等しく合わせるようにしたことによ
り、ステレオ分離度の劣化を防止し、ステレオ分離度の
よい安価なステレオ放送受信機が得られる。
【0017】第3の発明によるステレオ放送受信機は、
同調回路で受信したラジオ放送信号から受信信号を検波
してベースバンド信号を出力し、ベースバンド信号から
復調しようとするアナログ信号(またはディジタル信
号)を低域通過フィルタを通して濾波し、低域通過フィ
ルタの出力をステレオ復調回路で復調し、復調されたス
テレオ音声信号をあらかじめ周波数が決められた(本発
明の実施の形態では略10kHz)テスト信号で自動的
に最適化された1次のフィルタで構成された位相補正手
段によって右チャンネルの音声信号と左チャンネルの音
声信号の位相が等しくなるように補正してからステレオ
分離度調整回路に入力するようにしたものである。
【0018】また、本発明(第3の発明)によるステレ
オ放送受信機は、製造工程において、ステレオ分離度調
整回路から出力された左及び右チャンネル音声信号の分
離度が分離度測定手段で測定され、その結果が制御信号
として位相補正手段に入力され、入力したステレオ音声
信号を分離度が最大となるように補正するよう位相補正
手段の補正を自動的に調整して設定するようにしたもの
である。
【0019】第3の発明によれば、製造工程において、
入力したステレオ音声信号の分離度が最適となるよう位
相補正手段をその補正が最適となるよう簡単に自動調整
するようにしたことにより、調整簡単にステレオ分離度
の劣化を防止し、ステレオ分離度が最適且つ安価なステ
レオ放送受信機が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ステレオ放送を受信する同調回路と、同調回路から
入力したFM信号を検波してベースバンド信号を出力す
るFM検波回路と、ベースバンド信号から復調に必要な
信号を濾波する低域通過フィルタと、低域通過フィルタ
の出力を復調してステレオ音声信号を出力する復調回路
と、復調回路から入力したステレオ音声信号の位相を補
正する位相補正手段と、位相補正手段で補正したステレ
オ音声信号の分離度を補正するステレオ分離度調整回路
からなり、位相補正手段において、右チャンネルの音声
信号と左チャンネルの音声信号の位相を等しく合わせる
ように補正するようにしたものであり、低域通過フィル
タの周波数位相特性が平坦でない場合に生じる左及び右
チャンネルの音声信号の位相遅れによるステレオ分離度
の劣化を防止し、ステレオ分離度を改善できるという作
用を有する。
【0021】本発明の請求項2に記載の発明は、前記位
相補正手段を1次のフィルタによって構成するようにし
たものであり、部品点数を削減した位相補正手段によ
り、安価に、左及び右チャンネルの音声信号の位相遅れ
によるステレオ分離度の劣化を防止し、ステレオ分離度
を改善できるという作用を有する。
【0022】本発明の請求項3に記載の発明は、前記ス
テレオ受信機が前記ステレオ分離度調整回路において分
離されたステレオ音声信号の分離度を測定する分離度測
定手段を含み、テスト信号を使用してその分離度を測定
し、その分離度に応じて前記位相補正手段の補正を自動
調整するようにしたものであり、ステレオ受信機の製造
過程における工数を削減して、安価に、左及び右チャン
ネルの音声信号の位相遅れによるステレオ分離度の劣化
を防止し、ステレオ分離度を改善できるという作用を有
する。
【0023】本発明の請求項4に記載の発明は、前記使
用するテスト信号は周波数が略10kHzであるように
したものであり、製造過程における位相補正手段の簡単
な自動調整により、ステレオ受信機の製造過程における
工数を削減して、安価に、左及び右チャンネルの音声信
号の位相遅れによるステレオ分離度の劣化を防止し、ス
テレオ分離度を改善できるという作用を有する。
【0024】以下、添付図面、図1乃至図5に基づき第
1乃至第3の発明の実施の形態について詳細に説明す
る。図1は第1の発明の実施の形態におけるFMステレ
オ放送を受信して被変調信号を抽出するFMステレオ放
送受信機の構成を示すブロック図、図2は第2の発明の
実施の形態における位相補正手段の構成を示す回路構成
図、図3は第3の発明の実施の形態におけるFMステレ
オ放送受信機の自動調整手段の構成を示すブロック図、
図4は図2に示す位相補正手段の周波数位相特性と低域
通過フィルタの周波数位相特性とを対比して示すグラフ
図、図5は図3に示す位相補正手段において位相調整前
と位相調整前後のFMステレオ放送受信機の分離度を示
すグラフ図である。
【0025】まず、図1を参照して、第1の発明の一実
施の形態におけるFMステレオ放送受信機の構成につい
て詳細に説明する。図1において、1は希望する周波数
(放送局)に同調してそのFMラジオ放送信号を受信す
る同調回路、2は受信したFMステレオ信号を検波して
ベースバンド信号を出力するFM検波回路、3は検波出
力の低周波成分を通過させる低域通過フィルタ、4は低
域通過フィルタの出力を2チャンネルのステレオ信号に
分離するステレオ復調回路、5は右チャンネルの音声信
号と左チャンネルの音声信号の位相が等しくなるように
補正する位相補正手段、6はステレオ復調回路の分離度
を改善するステレオ分離度調整回路である。
【0026】同じく、図1を参照して、本発明の一実施
の形態におけるFMステレオ放送受信機の動作について
詳細に説明する。まず、同調回路1によって選局された
FMステレオ信号はFM検波回路2に入力されてベース
バンド信号に変換される。そのベースバンド信号は低域
通過フィルタ3に入力されて53kHz以下の帯域に濾
波される。低域通過フィルタ3の出力はステレオ復調回
路4に入力されてステレオ音声信号(右チャンネル及び
左チャンネル音声信号)が抽出される。
【0027】ステレオ復調回路4の出力は位相補正手段
5に入力されて右チャンネルの音声信号と左チャンネル
の音声信号の位相が等しくなるように補正された後に、
ステレオ分離度調整回路6に入力されて、右チャンネル
の音声信号と左チャンネルの音声信号の分離度が高くな
るよう補正される。尚、図1には、ステレオ音声信号の
右チャンネル信号及び左チャンネル信号はともに位相補
正手段5に入力され出力されるように描かれているが、
位相補正手段5は右チャンネル信号か左チャンネル信号
のどちらかを接続して、接続されない方のチャンネルの
位相に合わせるようにすればよい。また、上記位相補正
手段5における補正の程度は予め固定してもよく、また
はディジタルフィルタ等を使用する場合など、タップ係
数を変更して随時変更するようにしてもよい。
【0028】位相補正手段5は、本発明に適用するもの
としては、音声信号の振幅特性を変化させずに位相特性
のみを変化させる特性を有するものであればよく、本実
施の形態では、例えば、アナログフィルタかまたはディ
ジタルフィルタを用いて構成すればよい。このようにし
て、位相補正が行われた信号をステレオ分離度調整回路
に入力すると、ステレオ信号のクロストーク成分を有効
に除去することができる。
【0029】上記のように、本発明の実施の形態によれ
ば、低域通過フィルタの周波数位相特性が平坦でない場
合に生じる位相遅れτによる分離度の劣化を、左右チャ
ンネルの音声信号の位相を合わせる(最適には等しく)
ことによって防止することができる。
【0030】次に、第2の発明の一実施の形態における
FMステレオ放送受信機の構成について詳細に説明す
る。但し、同調回路1、FM検波回路2、低域通過フィ
ルタ3、ステレオ復調回路4、ステレオ分離度調整回路
6については、上記第1の発明の一実施の形態における
ものと同様のため、更に詳細な説明は省略する。従っ
て、以下、図2を参照して、本実施の形態におけるFM
ステレオ放送受信機に適用される位相補正手段の構成に
ついてのみ詳細に説明する。図2に示す位相補正手段は
1次のフィルタで構成され、FMステレオ放送受信機の
構成要素として、図1に示す位相補正手段5に対応する
ものである。
【0031】図2において、21は入力した左チャンネ
ルかまたは右チャンネルの音声信号をk倍に増幅する第
1の増幅器、23は入力した音声信号を遅延する第1の
遅延装置、24はこの位相補正手段の出力を遅延する第
2の遅延装置、22は第2の遅延装置の出力を−k倍に
増幅する第2の増幅器、25は第1の増幅器の出力と第
1の遅延装置23の出力と第2の増幅器22の出力とを
加算する加算機である。
【0032】次に、第2の発明の一実施の形態における
FMステレオ放送受信機の動作について説明する。但
し、位相補正手段以外の各回路については、上記第1の
発明の一実施の形態におけるものと同様のため、FMス
テレオ放送受信機の動作としてもやはり同様であるか
ら、更に詳細な説明は省略する。従って、以下、図2を
参照して、本実施の形態における位相補正手段の動作に
ついてのみ詳細に説明する。
【0033】位相補正手段に入力された信号は、第1の
増幅器21においてk倍された後に加算器25に入力さ
れる。また、位相補正手段に入力された信号は分岐して
第1の遅延装置23に入力し遅延して加算器25に入力
される。加算器25の出力はこの位相補正手段の出力と
なる。また、加算器25の出力は第2の遅延装置24に
で遅延され、第2の増幅器22で−k倍された後に、再
度加算機25に入力される。
【0034】図2に示す位相補正手段の周波数位相特性
の例を図4に示す。図4において、低域通過フィルタの
周波数位相特性は破線で表し、位相補正手段の周波数位
相特性は実線で表す。横軸は周波数を表し、縦軸は位相
を表す。
【0035】図2に示す位相補正手段の周波数位相特性
は第1の増幅器および第2の増幅器の増幅率を制御する
パラメータkによって制御することができ、図4に示す
ように、低域通過フィルタの周波数位相特性の逆特性に
最も近い特性となるように設定される。それによって、
第1の発明の一実施の形態における場合と同様、左及び
右チャンネル音声信号の位相が合わせられることにな
り、低域通過フィルタの周波数位相特性が平坦でない場
合に生じる位相遅れτによって生じる分離度の劣化を防
止することができる。
【0036】以上のように、本実施の形態においては、
構成が簡単な位相補正手段を使用して、第1の発明の一
実施の形態における場合と同様、左及び右チャンネル音
声信号の位相を等しく合わせることにより、位相遅れτ
によって生じる分離度の劣化を防止することができるF
Mステレオ放送受信機を低いコストで提供することがで
きる。
【0037】次に、図3を参照して、第3の発明の一実
施の形態におけるFMステレオ放送受信機の構成につい
て詳細に説明する。図3において、31は位相補正手段
の補正を調整する際のテスト信号を発生するテスト信号
発生器、32はFMステレオ放送受信機が受信しうるよ
うテスト信号を変調するFMステレオ変調器、33は位
相補正手段の補正の調整対象となるFMステレオ放送受
信機である。
【0038】また、331は希望する周波数(放送局)
に同調してそのFMラジオ放送信号を受信する同調回
路、332は受信したFMステレオ信号を検波してベー
スバンド信号を出力するFM検波回路、333は検波出
力の低周波成分を通過させる低域通過フィルタ、334
は低域通過フィルタの出力を2チャンネルのステレオ信
号に分離するステレオ復調回路、335は右チャンネル
の音声信号と左チャンネルの音声信号の位相が等しくな
るように補正する位相補正手段である。
【0039】更に、336はステレオ復調回路の分離度
を改善するステレオ分離度調整回路、337はステレオ
分離度調整回路336の出力の分離度を測定し、その結
果に基づく制御信号を位相補正手段335に出力してそ
の補正を調整する分離度測定手段である。すなわち、位
相補正手段335において行われる補正の調整は、調整
の結果、位相補正手段335から出力されたステレオ音
声信号のステレオ分離度調整回路336における分離度
が最適となるように制御される。
【0040】次に、図3を参照して、第3の発明の一実
施の形態におけるFMステレオ放送受信機の動作につい
て詳細に説明する。まず、FMステレオ放送受信機33
が放送局からFMステレオ信号を受信した場合について
説明し、その後に位相補正手段335の調整動作につい
て説明する。最初、受信したラジオ信号からFMステレ
オ放送受信機33内部の同調回路331によって選局さ
れたFMステレオ信号は、FM検波回路332に入力さ
れてベースバンド信号に変換される。そのベースバンド
信号は低域通過フィルタ333に入力されて53kHz
以下の帯域に濾波される。
【0041】低域通過フィルタ333の出力は、ステレ
オ復調回路334に入力されてステレオ音声信号が抽出
される。ステレオ復調回路334の出力は、位相補正手
段335に入力されて右チャンネルの音声信号と左チャ
ンネルの音声信号の位相が等しくなるように補正された
後に、ステレオ分離度調整回路336に入力されて分離
度が高くなるよう補正される。尚、ステレオ分離度調整
回路336の構成及び動作は、図7に示す従来例を適用
することができるため、その再度の説明は省略する。
【0042】次に、FMステレオ放送受信機33の製造
工程において、テスト信号により、本発明の実施の形態
における分離度測定手段337を使用して、位相補正手
段335の補正を自動的に調整し設定する調整動作につ
いて説明する。まず、この実施の形態による例として、
略10kHzのテスト信号をテスト信号発生器31によ
って生成し、生成されたテスト信号はFMステレオ変調
器32に入力されてFM変調される。FMステレオ変調
器32の出力をFMステレオ放送受信機33に入力し
て、以下で説明するように、位相補正手段335の補正
の自動調整に使用される。
【0043】FMステレオ変調器32から受信した略1
0kHzのテスト信号は、放送局からのFMステレオ信
号の受信の場合と同様に、FMステレオ放送受信機33
の同調回路331に受信され、位相補正手段335を介
してステレオ分離度調整回路336に入力される。ステ
レオ分離度調整回路336のテスト信号の出力は分離度
測定手段337に入力され、その分離度が測定される。
分離度測定手段337で測定された分離度は、対応する
制御信号として位相補正手段335に入力される。
【0044】位相補正手段335の位相補正の大きさを
決定するパラメータkは〔式2〕で表され、〔式2〕に
おいてθを変化させることにより、ステレオ分離度調整
回路336における分離度が最大となるようθを自動制
御する。尚、分離度の測定は、一方のチャンネルにのみ
テスト信号を入力し他方のチャンネルに対するクロスト
ークが最小の点を分離度最大の点と判断するよう構成す
ることができる。
【0045】
【数2】
【0046】図5に位相補正手段の補正調整前と調整後
のFMステレオ放送受信機の分離度を示す。図5におい
て、横軸はテスト信号発生器の出力信号の周波数であ
り、縦軸は分離度である。補正調整前の特性を破線で示
し、10kHzのテスト信号によって調整後の特性を実
線で示す。図5より、10kHzのテスト信号で調整を
行うことによって、10kHz以外の周波数に対しても
良好な分離度が得られることがわかる。尚、本発明の実
施の形態では、テスト信号の周波数を10kHzとした
が、10kHz近傍の周波数のみでなく、例えば、10
kHz±5kHz程度の周波数によっても、十分目的を
達成することができる。
【0047】このように、本実施の形態によれば、位相
補正手段による左右チャンネル信号の補正によりその位
相を合わせることによって、位相遅れτによる分離度の
劣化を有効に防止することができると共に、位相補正手
段の補正の調整を1つのテスト信号について実施すれば
よく、位相補正手段の製造工程を単純にすることによ
り、低コストのFMステレオ放送受信機を提供すること
ができる。
【0048】以上説明した各回路、位相補正手段及び分
離度測定手段はハードウェアで構成されるよう説明し、
それぞれ目的の効果を達成することはできるが、ソフト
ウェアによっても容易に構成することができ、その目的
を達成することができる。また、以上各実施の形態の説
明はFMステレオ放送受信機について行なったが、それ
のみでなく他の如何なる変調方式の受信機についても適
用することができる。
【0049】
【発明の効果】第1の発明によるステレオ受信機は、以
上説明したように構成し、特に、右チャンネルの音声信
号と左チャンネルの音声信号の位相が等しくなるよう補
正するようにしたことにより、低域通過フィルタの周波
数位相特性が平坦でない場合に生じる左右両チャンネル
の音声信号の位相遅れによるステレオ分離度の劣化を防
止し、ステレオ分離度を最適にすることができる。
【0050】第2の発明によるステレオ受信機は、以上
説明したように構成し、特に、左右チャンネルの音声信
号の位相を補正する位相補正手段を1次のフィルタによ
って構成するようにしたことにより、構成簡単で安価な
位相補正手段により、ステレオ分離度の劣化を防止し、
ステレオ分離度を最適にすることができる。
【0051】第3の発明によるステレオ受信機は、以上
説明したように構成し、特に、位相補正手段の補正の調
整を略10kHzのテスト信号のみを用いて自動的に行
うようにしたことにより、簡単、迅速且つ安価に調整し
うる位相補正手段により、ステレオ分離度の劣化を防止
し、ステレオ分離度を最適にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施の形態におけるFMステレオ
放送を受信して被変調信号を抽出するFMステレオ放送
受信機の構成を示すブロック図
【図2】第2の発明の実施の形態における位相補正手段
の構成を示す回路構成図
【図3】第3の発明の実施の形態におけるFMステレオ
放送受信機の自動調整手段の構成を示すブロック図
【図4】図2に示す位相補正手段の周波数位相特性と低
域通過フィルタの周波数位相特性とを対比して示すグラ
フ図
【図5】図3に示す位相補正手段において位相調整前と
位相調整前後のFMステレオ放送受信機の分離度を示す
グラフ図
【図6】従来のFMステレオ放送を受信処理するFMス
テレオ放送受信機の構成を示すブロック図
【図7】図6に示すステレオ分離度調整回路の詳細な回
路図
【符号の説明】
1、331、61 同調回路 2、332、62 FM検波回路 3、333、63 低域通過フィルタ 4、334、64 ステレオ復調回路 5、335 位相補正手段 6、336、65 ステレオ分離度調整回路 21 第1の増幅器 22 第2の増幅器 23 第1の遅延装置 24 第2の遅延装置 25 加算器 31 テスト信号発生器 32 FMステレオ変調器 33 FMステレオ放送受信機 71 加算器 72、73 掛算器(*2) 74 掛算器(*1−α) 75、76 減算器 77、78 掛算器(*1/4α) 337 分離度測定手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステレオ放送を受信する同調回路と、同調
    回路から入力したFM信号を検波してベースバンド信号
    を出力するFM検波回路と、ベースバンド信号から復調
    に必要な信号を濾波する低域通過フィルタと、低域通過
    フィルタの出力を復調してステレオ音声信号を出力する
    復調回路と、復調回路から入力したステレオ音声信号の
    位相を補正する位相補正手段と、位相補正手段で補正し
    たステレオ音声信号の分離度を補正するステレオ分離度
    調整回路からなり、位相補正手段において、右チャンネ
    ルの音声信号と左チャンネルの音声信号の位相を合わせ
    るように補正することを特徴とするステレオ受信機。
  2. 【請求項2】前記位相補正手段は1次のフィルタによっ
    て構成することを特徴とする請求項1記載のステレオ受
    信機。
  3. 【請求項3】前記ステレオ受信機は前記ステレオ分離度
    調整回路において分離されたステレオ音声信号の分離度
    を測定する分離度測定手段を含み、テスト信号を使用し
    てその分離度を測定し、その分離度に応じて前記位相補
    正手段の補正を自動調整するようにしたことを特徴とす
    る請求項1または2記載のステレオ受信機。
  4. 【請求項4】前記使用するテスト信号は周波数が略10
    kHzであることを特徴とする請求項3記載のステレオ
    受信機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006121529A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Pioneer Electronic Corp D級増幅装置、増幅制御プログラム及び情報記録媒体
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