JP2949347B2 - 隔壁用吸音性防音材 - Google Patents

隔壁用吸音性防音材

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Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は隔壁用吸音性防音材に関する。
（従来の技術） 自動車例えば乗用車の室内に適度に低い騒音レベルを
生じるために、車室の好ましくはダッシュパネル−床区
域に防音被覆を設けることは公知である。またエンジン
ルーム側にも防音材を使用することが公知である。西ド
イツ特許出願公開明細書第3440701号によれば、このた
めに種々の面質量と種々の音響効果、例えば固体伝播音
減衰効果及び空気伝播音減衰効果を有する重質層を、場
合によってはエンジンルーム側空気伝播音吸収材とも組
合わせて使用する。上述の配列されたもの（配列品）は
基材、この場合は車体パネル即ち車室と騒音源を含むエ
ンジンルームとの間の隔壁に固着される。このために上
記配列品を熱溶融型接着剤により融着し、又は常法によ
り慣用の接着剤で接着することが必要である。いずれの
場合もたいてい機械的取付け具が更に必要である。
（発明が解決しようとする課題） この種の配列品は取付け法が面倒であるため費用がか
かる。更に構造に基づく寸法指定を守ることを考慮しな
ければならない。
このことから出発して、本発明の目的は有利な費用で
構造上の指定を守りながら、隔壁に対して所望の位置に
配設することができるように、吸音性防音材を形成する
ことである。
（課題を解決するための手段） この目的は、ポリプロピレン・ベース、ポリアミド・
ベース、及びポリウレタン・ベースからなる群から選ば
れる重質層（４）を有する隔壁用吸音性防音材（８）で
あって、該重質層（４）が、その両側に、表皮（２）、
（６）又はフィルム被覆を外側に向いた各面に備えた発
泡材層（３）、（５）を具備し、該防音材（８）が自立
性かつ熱形状安定性であり、隔壁（１）の至近に配設さ
れており、該重質層（４）の面質量が５ないし7kgm-2の
範囲内であり、音響緩衝材の働きをする発泡材層（３）
の厚さが約5mmであり、該重質層（４）が隔壁（１）か
ら０ないし7mmの間隔を有し、また隔壁（１）との接着
が不要であることを特徴とする隔壁用吸音性防音材によ
って達成される。
本発明は特許請求の範囲第２ないし７項記載の特徴に
よって更に改良される。
本発明にとって重要なのは、本発明に基づく配列品を
所定の位置に機械的に支持し又は取付ければ十分であ
り、補助的接着等は不要であることである。こうして極
めて低廉な組立が得られる。
本発明に基づく配列品は、扁平材特に金属薄板に面す
る薄い発泡材層とこれに続く重質層及びこの上に貼り合
わせ又は発泡（背面発泡）させた空気伝播音吸収材から
成る。張り合わせた吸音材も、発泡材層、例えば熱圧縮
成形発泡材であることが好ましい。この場合扁平材に面
する発泡材も、騒音源（エンジン）に面する発泡材も薄
いフィルムで覆われる。このフィルムは防湿材の役割を
すると共に音響効果も高める。このことは特に騒音源側
の発泡材の被覆に当てはまる。構造上の用件に起因し
て、この配列品の取付け奥行き（厚み）は一般に10ない
し30mm、好ましくは20ないし25mmに限られる。従って、
このような薄い配列品の音響効果もかなり限られてい
る。特に固体伝播音減衰特性の補助的利益をもたらす従
来慣用の融着工程を本発明に基づき廃止する場合がそう
である。従来はこの問題を克服するために別の方法を使
用しなければならなかった。例えば西ドイツ特許明細書
第3510932号によれば、扁平材に面する発泡材層は粘着
性に形成されている。ところが本発明においては、例え
ば接着による固着は不要である。本発明に基づく配列品
は固定ピン又はボルトにはめ込まれ、及び／又は、その
端縁側が把持されうる。
重質層が金属薄板に極めて密接しているが、扁平材側
の発泡材（弾性緩衝体）により扁平材から隔離されてい
るので、車両音響学上元来不都合な性質を持つ二重壁系
が生じることが認められる。共振周波数に関する同調の
周波数が近いために、エンジンの点火周波数に起因する
低周波数成分は、実際上いわゆる質量作用によってのみ
影響される。共振周波数より高い高周波領域では音響損
失が考えられる。それは車室内での会話の明瞭性の低下
となって表われる。重質層に対する弾性緩衝材の本発明
に基づく具体的配列品により、重質層と扁平材との間隔
により、また、接着即ち扁平材に対する固着を廃止する
ことにより、意外なことに上記の元来予想される欠点が
回避される。また、空気伝播音遮断配列品を、扁平材側
の被覆が扁平材に接触し得る程扁平材に近接して配設す
ることができ（必ずしも必要ではない）、そのために、
扁平材の条溝等を簡単な方法で平らにすることができる
ことがさらに重要である。一方では固有剛性、他方では
残留弾性のため、この配列品は上記の条溝のコースにお
おむね従っており、重質層と扁平材との間隔が（発泡材
の厚さ約5mmであるとき）7mmを越えない。
（実施例） 図面に示す実施例に基づいて本発明を詳述する。
本発明を自動車での使用に関して、特に自動車の車室
Ｉに対してエンジンＭが発生する騒音の吸音に関して説
明する。なお、自動車の車室Ｉと騒音源を含む空間との
間に扁平材として薄板１が設けられ、この車体薄板１は
通常0.8ないし1mmの厚さを有する。
それに続いて、第１図により騒音源Ｍを有する空間に
面して、本発明に基づいて形成された空気伝播音遮断配
列品（防音材）８が、密接して、又は、薄板１の条溝９
を埋めるためにギャップ７に相当する僅かな間隔を置い
て、設けられる。
この配列品８は、薄板１に面して、後続の発泡材３に
対する防湿材として作用しかつ薄板１側の厚さ約18ない
し20μｍのフィルム２を有する。また表皮、例えばポリ
ウレタン表皮を選んでもよい。
前述のように、好ましくは厚さ約5mmの発泡材層３が
このフィルム２に続く。これは、輪郭の補整のため及び
後続の重質層４の薄板１上でのがたつき騒音を回避する
ため、音響効果緩衝材として作用する切断発泡材又は成
形発泡材である。
前述のように、好ましくは５ないし7kgm-2の面質量の
重質層４がそれに続く。重質層はポリプロピレン・ベー
ス（EPDM−EVA）で製造することが好ましい。ここで示
す用途即ちエンジンルーム区域で使用する関係上、重質
層４は、130℃にまで及ぶ予想される温度負荷のもとで
自立性を失わないために、高い耐熱変形性を持たなけれ
ばならない。耐熱変形性が特に要求される場合は、重質
層４をポリアミド・ベース又はポリウレタンRIM（反応
射出成形）ベースで製造すればよい。その場合は、170
℃まで自立性が得られる。選ばれた材料ベースに基づい
て上記の重質層４は射出成形法又はRIM法で低廉に製造
され、こうして必要な固定用部材を重質層４自体の上に
取付けることができるという、別の利点が生まれる。
吸音性を有する別の発泡材層５が重質層４に続く。発
泡材層５は密度30kgm-3の切断発泡材から成ることが好
ましい。成形発泡材、又は密度が40kgm-3の領域にある
ならば、音響効果が極めて良い熱圧縮成形繊維材料、例
えば木綿繊維フリース、ガラス繊維、玄武岩等の岩綿等
も使用することもできる。実験結果が示すところでは、
150kgm-3までの密度を有する成形発泡材も使用できる
が、密度がそれを超えると吸音性が低下する。しかし遮
音が改善される。要するに発泡材層５の発泡材が軽量型
であれば、車室Ｉに対して内部騒音の改善即ち低下が現
われるのである。
騒音源即ち第１図のエンジンＭ側に、発泡材層５に続
いて面質量150kgm-2のポリエステルフリース又は厚さ25
μｍのポリウレタンフィルムの被覆６がある。
配列品８は図示しない固定ボルトを介して薄板１と結
合し、又は、その縁端側を締付けることができる。重要
なのは、配列品８と薄板１との接着が行なわれないの
で、多額の組立費が不要になることである。配列品８の
上述の構造によれば、射出成形法又はRIM法で重質層４
を製造し、２つの発泡材層３及び５の被着のために両側
に背面発泡処理を行なうことができる。この方式は特に
大量連続生産にとって有利である。重質層４を深絞り法
で製造し、熱圧縮成形発泡材層で発泡材層を得ることに
より、小規模連続生産を低廉にかつ同等の効果で実現す
ることができる。同様の音響特性を持つ繊維材料（フリ
ース）も同じく使用することができる。
（発明の効果） 本発明に基づく配列品は一般に騒音発生源と被保護室
との間の隔壁の防音に適している。自動車工業で自動車
のエンジンルーム側隔壁の防音のために特に有利であ
る。この強化されたエンジンルーム側の防音は、外部騒
音の減少のためにすべての利用可能面を利用すると共
に、内部騒音の減少のためになるべく軽量な内部絶縁を
得なければならないという、自動車工業の強い要求を満
足する。外部絶縁と内部絶縁の効果を互いに同調させな
ければならない。これは本発明において保証される。そ
の場合、意外なことに内部絶縁が弱くなるにつれて、先
行技術に比して改善された音響快適性が得られるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明の隔壁用吸音性防音材の１実施例の取付
け状態を示す説明線図、第２図は第１図の隔壁用吸音性
防音材のII部分の拡大断面図である。 １……薄板（隔壁） ２、６……表皮 ３、５……発泡材層 ４……重質層 ８……防音材 Ｍ……騒音源
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−251131（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−94860（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−101847（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−3854（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−186750（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−200297（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−15889（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−53265（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−175240（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−184835（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−35494（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−163002（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−102925（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−220542（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−41230（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−11947（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−265605（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−200297（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−11446（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−23399（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−45（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−148924（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−171929（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−113099（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−103755（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−39818（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−72440（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭45−34990（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B60R 13/08 G10K 11/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】ポリプロピレン・ベース、ポリアミド・ベ
    ース、及びポリウレタン・ベースからなる群から選ばれ
    る重質層（４）を有する隔壁用吸音性防音材（８）であ
    って、該重質層（４）が、その両側に、表皮（２）、
    （６）又はフィルム被覆を外側に向いた各面に備えた発
    泡材層（３）、（５）を具備し、該防音材（８）が自立
    性かつ熱形状安定性であり、隔壁（１）の至近に配設さ
    れており、該重質層（４）の面質量が５ないし7kgm-2の
    範囲内であり、音響緩衝材の働きをする発泡材層（３）
    の厚さが約5mmであり、該重質層（４）が隔壁（１）か
    ら7mmを越えない間隔を有し、また隔壁（１）との接着
    が不要であることを特徴とする隔壁用吸音性防音材。
  2. 【請求項２】騒音源（Ｍ）に向いた、吸音材の働きをす
    る発泡材層（５）が密度30kgm-3の熱圧縮成形された切
    断発泡材又は密度40kgm-3ないし150kgm-3の範囲の成形
    発泡材から成ることを特徴とする、請求項１に記載の防
    音材。
  3. 【請求項３】前記発泡材層（３）、（５）の少くとも一
    方が適当な音響特性を持つ繊維材料から成ることを特徴
    とする、請求項１又は２に記載の防音材。
  4. 【請求項４】前記隔壁（１）全面に亘って保持されるこ
    とを特徴とする、請求項１ないし３のいずれか１項に記
    載の防音材。
  5. 【請求項５】縁端側において隔壁（１）に対して保持さ
    れることを特徴とする、請求項１ないし３のいずれか１
    項に記載の防音材。
  6. 【請求項６】隔壁が自動車のエンジンルーム側隔壁（薄
    板１）であることを特徴とする、請求項１ないし５のい
    ずれか１項に記載の防音材。
  7. 【請求項７】隔壁が騒音発生体（騒音源Ｍ）と被保護室
    （Ｉ）との間に配設されていることを特徴とする、請求
    項１ないし５のいずれか１項に記載の防音材。
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