JP3730395B2 - 吸音材構造及び吸音材の製造方法 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエンジン等の騒音を低減させるべく遮音用パネルの音源側に装備される、吸音材構造及び吸音材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば自動車のエンジン等の周辺には、その騒音を低減させるべく吸音材を取り付けるのが一般的である。
ここで、図6は自動車のエンジンの騒音を低減させるべく取り付ける吸音材の一般的な取付部位を示す模式図である。
【0003】
図6に示すように、自動車のエンジン(音源)周辺には、エンジン10の騒音を低減させるべく複数箇所に吸音材11が取り付けられている。これらの吸音材11は、一般に、遮音用パネルとしてのカバー部品、例えばエンジンカバー12,エンジンアンダーカバー13等に取り付けられたり、車体パネルにフードインシュレータ14,ダッシュインシュレータ15等として取り付けられたりしている。なお、図6中、符号16はインストルメントパネルを示している。
【0004】
このうち、エンジンカバー12を例に説明すると、このエンジンカバー12は、図7に示すように、エンジンカバー本体12Aのエンジン10側(音源側)の表面に吸音材11を取り付けた構造になっている。
ここで、吸音材11は、多孔質材からなり、例えば粗毛フェルトやポリウレタンフォーム等で構成される。この吸音材11には、図8に示すように、飛散防止,形状保持,耐水性等の確保のため、その表側表面及び裏側表面に表皮材17,17が貼り付けられている。なお、表皮材17は、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)不織布,アルミ箔等によって構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の吸音材11では、その吸音率は、図9に示すように、周波数2KHz付近の領域で高くなっている。つまり、従来の吸音材11では、周波数2KHz付近の領域のエンジン騒音を低減できるようになっている。
【0006】
一方、エンジン音は、図10に示すように、一般に周波数2KHz以下の領域のものが多く、特に周波数1KHz付近の領域のものが最も多い。
このため、従来の吸音材11では、周波数2KHz以下の領域のものが多いエンジン音によって生ずるエンジンの騒音を十分に低減させることができないという課題がある。
【0007】
エンジンの騒音を低減させる技術としては、例えば、実公平7−8320号公報,特開平8−30277号公報,特開平8−207833号公報等に開示された技術がある。
しかしながら、いずれの技術もエンジン音の周波数特性を考慮してエンジンの騒音を低減させようとしたものではなく、上述の課題を解決しうるものではない。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、音源の周波数に応じて吸音率を向上させ、騒音を確実に低減できるようにした、吸音材構造及び吸音材の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の吸音材構造では、遮音用パネルの音源側に装備される吸音材にヘルムホルツ型共鳴器構造を形成する。吸音材は多孔質材からなる吸音材本体に表皮材及びフィルム材を積層して形成される。ヘルムホルツ型共鳴器構造は、吸音材にプレス加工によって凹部として形成された容積室と、容積室に連通し吸音材の音源側に開口する穴として形成された直管部とからなる。また、容積室と直管部の表面に多孔質材を被覆して通気を遮断するフィルム材を装着する。このように構成されるヘルムホルツ型共鳴器構造によって音源側からの音を吸収する。
【0010】
請求項2記載の本発明の吸音材の製造方法では、遮音用パネルの音源側に装備される多孔質材からなる吸音材の製造方法であって、吸音材本体に表皮材及びフィルム材を積層して吸音材を形成する工程と、吸音材を型に挟んでプレス加工し、吸音材に容積室を構成する凹部を形成する工程と、凹部に穴あけ加工を施して、容積室に連通し、吸音材の音源側に開口する直管部を構成する穴を形成する工程と、直管部の内周面に通気を遮断できるフィルム材を装着する工程とを備え、多孔質材を被覆して通気を遮断するフィルム材が装着されているヘルムホルツ型共鳴器構造の吸音材を製造する。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の一実施形態にかかる吸音材構造について、図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる吸音材構造は、例えば自動車のエンジン(音源)の騒音を低減させるべく自動車のエンジン周辺に配設されるエンジンカバー(遮音用パネル)に取り付けられる吸音材に適用される(図6参照)。
【0012】
本実施形態にかかる吸音材1は、図1に示すように、表皮材2と、吸音材本体3と、フィルム材4Aとから構成されており、この吸音材1はカバー部品としてのエンジンカバー5に貼り付けられている。なお、この吸音材1の厚さTは約15mm程度である。
このうち、表皮材2は、飛散防止,形状保持,耐水性等の確保のために吸音材1のエンジン側(音源側)の表面に貼り付けられるものであり、例えばPET不織布,アルミ箔等によって構成される。
【0013】
吸音材本体3は、多孔質材からなり、例えば粗毛フェルトによって構成される。
フィルム材4Aは、多孔質材からなる吸音材本体3を被覆して通気を遮断するものであり、例えばPET不織布,ポリプロピレン(PP)等によって構成される。このフィルム材4Aは、吸音材本体3の表面に装着され、吸音材1にヘルムホルツ型共鳴器構造8の容積室6が形成された箇所では、この容積室6の内壁面を被覆する。また、吸音材1がエンジンカバー5に貼り付けられたら、吸音材本体3とエンジンカバー5との間に介装される。
【0014】
エンジンカバー5は、例えばポリアミド(PA),ポリプロピレン等によって構成される。なお、ここでは、吸音材1をエンジンカバー5に貼り付けているが接着しても良い。
また、このように構成される吸音材1には、ヘルムホルツ型共鳴器構造8が形成されている。
【0015】
このヘルムホルツ型共鳴器構造8は、吸音材1の内部に設けられた容積室(共鳴室)6と、容積室6に連通し吸音材1のエンジン側に開口する直管部7とから構成される。
このうち、容積室6は、容積Vの空間として形成され、その内部が空気層になっている。また、直管部7は、直径d,長さLの穴として形成される。なお、吸音材1の厚さTが約15mmという条件下では、容積Vは約15cm3 以下、直径dは約5mm以下、長さLは約2mm以上に設定するのが好ましい。
【0016】
また、この直管部7の内周面には、多孔質材からなる吸音材本体3を被覆して通気を遮断するフィルム材4Bが装着されている。このフィルム材4Bは、上述のフィルム材4Aと同様に、例えばPET不織布,ポリプロピレン等によって構成される。
ここで、ヘルムホルツ型共鳴器構造8では、図2の概略図に示すように、音速をc、直管部7の横断面積をS、直管部7の長さをL、容積室6の容積をVとして、共鳴周波数fが次式により求められる。
【0017】
共鳴周波数f=(c/2π)・(S/LV)1/2
このようなヘルムホルツ型共鳴器構造8では、吸音材1に形成される容積室6の数や直管部7としての穴のサイズを変えることで、共鳴周波数を任意に設定できるようになっている。これにより、吸音材1の吸音性能を示す吸音率を任意に調整できることになる。
【0018】
次に、吸音材1へのヘルムホルツ型共鳴器構造8の形成方法について、図3を参照しながら説明する。
まず、図3(A)に示すように、吸音材本体3に表皮材2及びフィルム材3を積層して吸音材1を形成する。
次いで、図3(B)に示すように、吸音材1を型9A,9Bに挟んでプレス加工し、図3(C)に示すように、吸音材1に容積室6を構成する凹部を形成する。
【0019】
そして、図3(D)に示すように、凹形状に成形された吸音材1に穴あけ加工を施して直管部7を構成する穴を形成した後、図3(E)に示すように、穴あけ加工によって表出した吸音材本体3の表面、即ち直管部7としての穴の内周面に、多孔質材からなる吸音材本体3を被覆して通気を遮断できるようにフィルム材4Bを装着するとともに、カバー部品としてのエンジンカバー5を、例えば接着剤又は両面テープ等を用いて貼り付けて、吸音材1にヘルムホルツ型共鳴器構造8を形成する。
【0020】
本実施形態にかかる吸音材構造は、上述のように構成されるため、以下のような作用,効果がある。
吸音材本体3が例えば粗毛フェルトによって構成され、表皮材2が例えばPET不織布,アルミ箔等によって構成されるため、従来の吸音材と同様に、この材料自体の機能による吸音性能が発揮される。この場合、吸音率は、図4(A)に示すように、周波数2KHz付近の領域で高くなる。
【0021】
また、吸音材1にヘルムホルツ型共鳴器構造8が形成されているため、このヘルムホルツ型共鳴器構造8を構成する容積室6内の空気層の共鳴による吸音性能が発揮される。この場合、ヘルムホルツ型共鳴器構造8の容積室6の容積V、直管部7の断面積S(即ち、直径d)、長さLの適当な設定によって、吸音率は、図4(B)に示すように、周波数1KHz付近の領域で高くなるようにすることができる。
【0022】
そして、これらが組み合わされると双方の吸音性能が発揮され、その吸音率を、図4(C)に示すように、周波数1KHz付近の領域、及び周波数2KHz付近の領域で高くすることができるため、エンジン騒音のエネルギーを確実に吸収することができ、エンジン騒音の低減効果を増すことができる。
したがって、本実施形態にかかる吸音材構造によれば、図5中、実線Bで示す従来の吸音材の吸音率に対して、図5中、実線Aで示すように、エンジン音の周波数のうち最も多い周波数1KHz付近の領域における吸音率を向上させることができ、これにより、エンジンの騒音が確実に低減されるという利点がある。
【0023】
また、ヘルムホルツ型共鳴器構造8の数や配置状況や各ヘルムホルツ型共鳴器構造8の容積室6や直管部7のサイズを変えることで共鳴周波数を任意に設定でき、エンジン音の周波数に応じて吸音率を向上させることができるため、エンジン音等の音源の周波数特性が異なる場合であってもエンジン等から生ずる騒音を確実に低減させることができるという利点がある。
【0024】
なお、上述の本実施形態にかかる吸音材構造では、自動車のエンジン騒音を低減させるための吸音材1として説明しているが、これに限られるものではなく、広く車両や乗物等の騒音を発生するもの全般に適用しうるものである。
また、上述の本実施形態にかかる吸音材構造では、吸音材を遮音用パネルとしてのエンジンカバーに取り付けられるものとして説明しているが、これに限られるものではなく、エンジンアンダーカバーに取り付けられるものにも適用しうるし、また、車体パネルに取り付けられるフードインシュレータやダッシュインシュレータ等に適用することもできる。
【0025】
また、上述の本実施形態にかかる吸音材構造では、吸音材1の穴あけ加工によって表出した直管部7としての穴の内周面には、多孔質材からなる吸音材本体3を被覆して通気を遮断するフィルム材4Bを装着するようにしているが、表出した吸音材本体3の表面を通気性のないものとすれば良い。
また、本実施形態と同様に、吸音材本体3を多孔質材により形成しながら、直管部7の内周面の通気を遮断するフィルム材4Bを省略することも考えられる。この場合、完全なヘルムホルツ型共鳴器構造8とはならないが、ヘルムホルツ型共鳴器構造8に近い吸音効果をより低コストで実現できる。
【0026】
また、上述の本実施形態にかかる吸音材構造では、吸音材本体3が溶融樹脂の入っている粗毛フェルトにより構成されるため、吸音材1に容積室6を構成する凹部を成形するのにプレス加工を行なうようにしているが、吸音材本体3をポリウレタンフォームにより構成した場合は、吸音材1に予め容積室6を形成する凹部を成形しておくこともできる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1,2記載の本発明の吸音材構造及び吸音材の製造方法によれば、ヘルムホルツ型共鳴器構造が形成されており、また、吸音材が多孔質材からなる吸音材本体に表皮材及びフィルム材を積層して形成され、ヘルムホルツ型共鳴器構造が、吸音材にプレス加工によって凹部として形成された容積室と、容積室に連通し吸音材の音源側に開口する穴として形成された直管部とからなり、さらに、容積室と直管部の表面に多孔質材を被覆して通気を遮断するフィルム材が装着されているため、音源の周波数に応じて必要な周波数域の吸音率を向上させることができ、これにより、音源からの騒音を確実に低減できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造の全体構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造のヘルムホルツ型共鳴器構造を説明するための模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造のヘルムホルツ型の共鳴器構造の形成方法を説明するための図であり、(A)は表皮材,吸音材,フィルム材を積層して吸音材を形成する工程、(B)はプレス加工工程、(C)は吸音材に容積室を構成する凹部を形成する工程、(D)は吸音材に直管部としての穴を形成する工程、(E)は吸音材にカバー部材としてのエンジンカバーを貼り付ける工程をそれぞれ示している。
【図4】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造による効果を説明するための図であり、(A)は吸音材の材料特性による吸音率、(B)は吸音材のヘルムホルツ型共鳴器構造による吸音率、(C)は吸音材による全体の吸音率をそれぞれ示している。
【図5】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造による効果を説明するための図である。
【図6】一般的な吸音材の取付位置を示す模式図である。
【図7】従来のエンジンカバーに取り付けられた吸音材を示す模式的断面図である。
【図8】従来の吸音材構造を示す模式的断面図である。
【図9】従来の吸音材構造による吸音率を説明するための図である。
【図10】一般的な自動車のエンジン音の周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 吸音材
2 表皮材
3 吸音材本体
4A,4B フィルム材
5 エンジンカバー(遮音用パネル)
6 容積室
7 直管部
8 ヘルムホルツ型共鳴器構造
10 エンジン(音源)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエンジン等の騒音を低減させるべく遮音用パネルの音源側に装備される、吸音材構造及び吸音材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば自動車のエンジン等の周辺には、その騒音を低減させるべく吸音材を取り付けるのが一般的である。
ここで、図6は自動車のエンジンの騒音を低減させるべく取り付ける吸音材の一般的な取付部位を示す模式図である。
【0003】
図6に示すように、自動車のエンジン(音源)周辺には、エンジン10の騒音を低減させるべく複数箇所に吸音材11が取り付けられている。これらの吸音材11は、一般に、遮音用パネルとしてのカバー部品、例えばエンジンカバー12,エンジンアンダーカバー13等に取り付けられたり、車体パネルにフードインシュレータ14,ダッシュインシュレータ15等として取り付けられたりしている。なお、図6中、符号16はインストルメントパネルを示している。
【0004】
このうち、エンジンカバー12を例に説明すると、このエンジンカバー12は、図7に示すように、エンジンカバー本体12Aのエンジン10側(音源側)の表面に吸音材11を取り付けた構造になっている。
ここで、吸音材11は、多孔質材からなり、例えば粗毛フェルトやポリウレタンフォーム等で構成される。この吸音材11には、図8に示すように、飛散防止,形状保持,耐水性等の確保のため、その表側表面及び裏側表面に表皮材17,17が貼り付けられている。なお、表皮材17は、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)不織布,アルミ箔等によって構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の吸音材11では、その吸音率は、図9に示すように、周波数2KHz付近の領域で高くなっている。つまり、従来の吸音材11では、周波数2KHz付近の領域のエンジン騒音を低減できるようになっている。
【0006】
一方、エンジン音は、図10に示すように、一般に周波数2KHz以下の領域のものが多く、特に周波数1KHz付近の領域のものが最も多い。
このため、従来の吸音材11では、周波数2KHz以下の領域のものが多いエンジン音によって生ずるエンジンの騒音を十分に低減させることができないという課題がある。
【0007】
エンジンの騒音を低減させる技術としては、例えば、実公平7−8320号公報,特開平8−30277号公報,特開平8−207833号公報等に開示された技術がある。
しかしながら、いずれの技術もエンジン音の周波数特性を考慮してエンジンの騒音を低減させようとしたものではなく、上述の課題を解決しうるものではない。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、音源の周波数に応じて吸音率を向上させ、騒音を確実に低減できるようにした、吸音材構造及び吸音材の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の吸音材構造では、遮音用パネルの音源側に装備される吸音材にヘルムホルツ型共鳴器構造を形成する。吸音材は多孔質材からなる吸音材本体に表皮材及びフィルム材を積層して形成される。ヘルムホルツ型共鳴器構造は、吸音材にプレス加工によって凹部として形成された容積室と、容積室に連通し吸音材の音源側に開口する穴として形成された直管部とからなる。また、容積室と直管部の表面に多孔質材を被覆して通気を遮断するフィルム材を装着する。このように構成されるヘルムホルツ型共鳴器構造によって音源側からの音を吸収する。
【0010】
請求項2記載の本発明の吸音材の製造方法では、遮音用パネルの音源側に装備される多孔質材からなる吸音材の製造方法であって、吸音材本体に表皮材及びフィルム材を積層して吸音材を形成する工程と、吸音材を型に挟んでプレス加工し、吸音材に容積室を構成する凹部を形成する工程と、凹部に穴あけ加工を施して、容積室に連通し、吸音材の音源側に開口する直管部を構成する穴を形成する工程と、直管部の内周面に通気を遮断できるフィルム材を装着する工程とを備え、多孔質材を被覆して通気を遮断するフィルム材が装着されているヘルムホルツ型共鳴器構造の吸音材を製造する。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の一実施形態にかかる吸音材構造について、図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる吸音材構造は、例えば自動車のエンジン(音源)の騒音を低減させるべく自動車のエンジン周辺に配設されるエンジンカバー(遮音用パネル)に取り付けられる吸音材に適用される(図6参照)。
【0012】
本実施形態にかかる吸音材1は、図1に示すように、表皮材2と、吸音材本体3と、フィルム材4Aとから構成されており、この吸音材1はカバー部品としてのエンジンカバー5に貼り付けられている。なお、この吸音材1の厚さTは約15mm程度である。
このうち、表皮材2は、飛散防止,形状保持,耐水性等の確保のために吸音材1のエンジン側(音源側)の表面に貼り付けられるものであり、例えばPET不織布,アルミ箔等によって構成される。
【0013】
吸音材本体3は、多孔質材からなり、例えば粗毛フェルトによって構成される。
フィルム材4Aは、多孔質材からなる吸音材本体3を被覆して通気を遮断するものであり、例えばPET不織布,ポリプロピレン(PP)等によって構成される。このフィルム材4Aは、吸音材本体3の表面に装着され、吸音材1にヘルムホルツ型共鳴器構造8の容積室6が形成された箇所では、この容積室6の内壁面を被覆する。また、吸音材1がエンジンカバー5に貼り付けられたら、吸音材本体3とエンジンカバー5との間に介装される。
【0014】
エンジンカバー5は、例えばポリアミド(PA),ポリプロピレン等によって構成される。なお、ここでは、吸音材1をエンジンカバー5に貼り付けているが接着しても良い。
また、このように構成される吸音材1には、ヘルムホルツ型共鳴器構造8が形成されている。
【0015】
このヘルムホルツ型共鳴器構造8は、吸音材1の内部に設けられた容積室(共鳴室)6と、容積室6に連通し吸音材1のエンジン側に開口する直管部7とから構成される。
このうち、容積室6は、容積Vの空間として形成され、その内部が空気層になっている。また、直管部7は、直径d,長さLの穴として形成される。なお、吸音材1の厚さTが約15mmという条件下では、容積Vは約15cm3 以下、直径dは約5mm以下、長さLは約2mm以上に設定するのが好ましい。
【0016】
また、この直管部7の内周面には、多孔質材からなる吸音材本体3を被覆して通気を遮断するフィルム材4Bが装着されている。このフィルム材4Bは、上述のフィルム材4Aと同様に、例えばPET不織布,ポリプロピレン等によって構成される。
ここで、ヘルムホルツ型共鳴器構造8では、図2の概略図に示すように、音速をc、直管部7の横断面積をS、直管部7の長さをL、容積室6の容積をVとして、共鳴周波数fが次式により求められる。
【0017】
共鳴周波数f=(c/2π)・(S/LV)1/2
このようなヘルムホルツ型共鳴器構造8では、吸音材1に形成される容積室6の数や直管部7としての穴のサイズを変えることで、共鳴周波数を任意に設定できるようになっている。これにより、吸音材1の吸音性能を示す吸音率を任意に調整できることになる。
【0018】
次に、吸音材1へのヘルムホルツ型共鳴器構造8の形成方法について、図3を参照しながら説明する。
まず、図3(A)に示すように、吸音材本体3に表皮材2及びフィルム材3を積層して吸音材1を形成する。
次いで、図3(B)に示すように、吸音材1を型9A,9Bに挟んでプレス加工し、図3(C)に示すように、吸音材1に容積室6を構成する凹部を形成する。
【0019】
そして、図3(D)に示すように、凹形状に成形された吸音材1に穴あけ加工を施して直管部7を構成する穴を形成した後、図3(E)に示すように、穴あけ加工によって表出した吸音材本体3の表面、即ち直管部7としての穴の内周面に、多孔質材からなる吸音材本体3を被覆して通気を遮断できるようにフィルム材4Bを装着するとともに、カバー部品としてのエンジンカバー5を、例えば接着剤又は両面テープ等を用いて貼り付けて、吸音材1にヘルムホルツ型共鳴器構造8を形成する。
【0020】
本実施形態にかかる吸音材構造は、上述のように構成されるため、以下のような作用,効果がある。
吸音材本体3が例えば粗毛フェルトによって構成され、表皮材2が例えばPET不織布,アルミ箔等によって構成されるため、従来の吸音材と同様に、この材料自体の機能による吸音性能が発揮される。この場合、吸音率は、図4(A)に示すように、周波数2KHz付近の領域で高くなる。
【0021】
また、吸音材1にヘルムホルツ型共鳴器構造8が形成されているため、このヘルムホルツ型共鳴器構造8を構成する容積室6内の空気層の共鳴による吸音性能が発揮される。この場合、ヘルムホルツ型共鳴器構造8の容積室6の容積V、直管部7の断面積S(即ち、直径d)、長さLの適当な設定によって、吸音率は、図4(B)に示すように、周波数1KHz付近の領域で高くなるようにすることができる。
【0022】
そして、これらが組み合わされると双方の吸音性能が発揮され、その吸音率を、図4(C)に示すように、周波数1KHz付近の領域、及び周波数2KHz付近の領域で高くすることができるため、エンジン騒音のエネルギーを確実に吸収することができ、エンジン騒音の低減効果を増すことができる。
したがって、本実施形態にかかる吸音材構造によれば、図5中、実線Bで示す従来の吸音材の吸音率に対して、図5中、実線Aで示すように、エンジン音の周波数のうち最も多い周波数1KHz付近の領域における吸音率を向上させることができ、これにより、エンジンの騒音が確実に低減されるという利点がある。
【0023】
また、ヘルムホルツ型共鳴器構造8の数や配置状況や各ヘルムホルツ型共鳴器構造8の容積室6や直管部7のサイズを変えることで共鳴周波数を任意に設定でき、エンジン音の周波数に応じて吸音率を向上させることができるため、エンジン音等の音源の周波数特性が異なる場合であってもエンジン等から生ずる騒音を確実に低減させることができるという利点がある。
【0024】
なお、上述の本実施形態にかかる吸音材構造では、自動車のエンジン騒音を低減させるための吸音材1として説明しているが、これに限られるものではなく、広く車両や乗物等の騒音を発生するもの全般に適用しうるものである。
また、上述の本実施形態にかかる吸音材構造では、吸音材を遮音用パネルとしてのエンジンカバーに取り付けられるものとして説明しているが、これに限られるものではなく、エンジンアンダーカバーに取り付けられるものにも適用しうるし、また、車体パネルに取り付けられるフードインシュレータやダッシュインシュレータ等に適用することもできる。
【0025】
また、上述の本実施形態にかかる吸音材構造では、吸音材1の穴あけ加工によって表出した直管部7としての穴の内周面には、多孔質材からなる吸音材本体3を被覆して通気を遮断するフィルム材4Bを装着するようにしているが、表出した吸音材本体3の表面を通気性のないものとすれば良い。
また、本実施形態と同様に、吸音材本体3を多孔質材により形成しながら、直管部7の内周面の通気を遮断するフィルム材4Bを省略することも考えられる。この場合、完全なヘルムホルツ型共鳴器構造8とはならないが、ヘルムホルツ型共鳴器構造8に近い吸音効果をより低コストで実現できる。
【0026】
また、上述の本実施形態にかかる吸音材構造では、吸音材本体3が溶融樹脂の入っている粗毛フェルトにより構成されるため、吸音材1に容積室6を構成する凹部を成形するのにプレス加工を行なうようにしているが、吸音材本体3をポリウレタンフォームにより構成した場合は、吸音材1に予め容積室6を形成する凹部を成形しておくこともできる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1,2記載の本発明の吸音材構造及び吸音材の製造方法によれば、ヘルムホルツ型共鳴器構造が形成されており、また、吸音材が多孔質材からなる吸音材本体に表皮材及びフィルム材を積層して形成され、ヘルムホルツ型共鳴器構造が、吸音材にプレス加工によって凹部として形成された容積室と、容積室に連通し吸音材の音源側に開口する穴として形成された直管部とからなり、さらに、容積室と直管部の表面に多孔質材を被覆して通気を遮断するフィルム材が装着されているため、音源の周波数に応じて必要な周波数域の吸音率を向上させることができ、これにより、音源からの騒音を確実に低減できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造の全体構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造のヘルムホルツ型共鳴器構造を説明するための模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造のヘルムホルツ型の共鳴器構造の形成方法を説明するための図であり、(A)は表皮材,吸音材,フィルム材を積層して吸音材を形成する工程、(B)はプレス加工工程、(C)は吸音材に容積室を構成する凹部を形成する工程、(D)は吸音材に直管部としての穴を形成する工程、(E)は吸音材にカバー部材としてのエンジンカバーを貼り付ける工程をそれぞれ示している。
【図4】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造による効果を説明するための図であり、(A)は吸音材の材料特性による吸音率、(B)は吸音材のヘルムホルツ型共鳴器構造による吸音率、(C)は吸音材による全体の吸音率をそれぞれ示している。
【図5】本発明の一実施形態にかかる吸音材構造による効果を説明するための図である。
【図6】一般的な吸音材の取付位置を示す模式図である。
【図7】従来のエンジンカバーに取り付けられた吸音材を示す模式的断面図である。
【図8】従来の吸音材構造を示す模式的断面図である。
【図9】従来の吸音材構造による吸音率を説明するための図である。
【図10】一般的な自動車のエンジン音の周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 吸音材
2 表皮材
3 吸音材本体
4A,4B フィルム材
5 エンジンカバー(遮音用パネル)
6 容積室
7 直管部
8 ヘルムホルツ型共鳴器構造
10 エンジン(音源)
Claims (2)
- 遮音用パネルの音源側に装備される吸音材において、
多孔質材からなる吸音材本体に表皮材及びフィルム材を積層して形成された該吸音材にプレス加工によって凹部として形成された容積室と、該容積室に連通し該吸音材の該音源側に開口する穴として形成された直管部とからなるヘルムホルツ型共鳴器構造が形成されると共に、前記容積室と前記直管部の表面に該多孔質材を被覆して通気を遮断するフィルム材が装着されている
ことを特徴とする、吸音材構造。 - 遮音用パネルの音源側に装備される多孔質材からなる吸音材の製造方法であって、
吸音材本体に表皮材及びフィルム材を積層して前記吸音材を形成する工程と、
前記吸音材を型に挟んでプレス加工し、該吸音材に容積室を構成する凹部を形成する工程と、
前記凹部に穴あけ加工を施して、前記容積室に連通し、前記吸音材の前記音源側に開口する直管部を構成する穴を形成する工程と、
前記直管部の内周面に通気を遮断できるフィルム材を装着する工程とを備え、
前記多孔質材を被覆して通気を遮断するフィルム材が装着されているヘルムホルツ型共鳴器構造の吸音材を製造することを特徴とする、吸音材の製造方法。
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