JP2007216863A - 自動車の吸音構造 - Google Patents

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Chie Fukuhara
千絵 福原
Satoshi Murakami
聡 村上
Kenichi Yamamoto
研一 山本
Naoko Yorozu
菜穂子 萬
Hidetoshi Yamamoto
秀俊 山本
Eiji Murasawa
英治 村澤
Takanobu Kamura
孝信 加村
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Abstract

【課題】容易に実施することができ、しかも効率よくロードノイズを吸収すること。
【解決手段】車体2との間で、車室3外に吸音空間S1を形成する板材10を設ける。吸音空間S1内に配置される吸音材50を設ける。板材10は、少なくともその外郭の一部に沿い、車体2に対して固定される固定部11と、固定部11と連続する部位であって、低周波の波動によって微振動可能な可撓性を有する振動部12とを有する。吸音材50は、振動部12に面した位置に配置されている。
【選択図】図11

Description

本発明は自動車の吸音構造に関し、特に、自動車の走行中における車室への騒音の伝播を吸音材で低減する自動車の吸音構造に関する。
従来、自動車の走行中に生じる騒音が車室に伝播するのを緩和するために、自動車には、種々の吸音対策が講じられてきた。その方策のひとつとして、車両のルーフ(屋根)部の構造を工夫することによって騒音の抑制を図るものが知られている。例えば特許文献1には、ルーフに吸音材と反射板とを交互に設置することにより、高周波域(800Hzを超える周波数域)の吸音性能に優れた吸音材を用いながらも低周波域の吸音性能を向上し、250Hz付近のロードノイズを低減するルーフ構造が示されている。また、吸音材として、特許文献2には、500Hz以下の低周波領域の騒音を吸収する吸音材が開示されている。なお、本明細書では、吸音材の吸音性能を評価するに当たり、吸音材の剛性をヤング率で評価している。ヤング率は、非特許文献1〜3に開示されている技術に基づいて計測した数値である。その方法では、試験材料を棒状に加工し、一端を加振器に取り付けてつり下げ、両端にピックアップを設けて振動加速度を測定し、測定された振動加速度から伝達関数を求めてヤング率を演算する。加振器は、パワーアンプを介してサウンドカードに接続されている。他方、各ピックアップは、チャージアンプを介して前記サウンドカードに接続されている。サウンドカードは、コンピュータに接続されている。コンピュータには、サウンドカードの出力(振動加速度)に基づいて、伝達関数を求め、得られた伝達関数からヤング率を演算するプログラムがインストールされている。
特開2005−247267号公報 特開2001−306080号公報 中川博 「音響材料について(2)」(Online)インターネット<URL:http://www.noe.jp/news/21/21meca2.html> L.Kelders, W.Lauriks, etc. "Experimental Study of the Dynamic Elastic Moduli of Porous Materials", 11th International FASE Symposium, pp15-17 T.Pritz, etc. "Transfer Function Method for Investigating the Complex Mudulous of Acoustic Materials: Rod-Like Specimen", Journal of Sound and Vibration (1982) 81 (3) ,pp359-376
ところで、ロードノイズと呼称される騒音は、比較的でこぼこな道を車両が走行している際に、車室の空気に伝播する80〜800Hzの音である。そのようなロードノイズを効率よく吸収するに当たり、特許文献1に記載された発明では、ロードノイズに基づく粒子速度が高速となる部位に反射部を設けているので、比較的効果的にロードノイズの解消に寄与するものの、前記粒子速度の分布が高速となる部位を車種毎に特定する必要があり、実施が困難であった。
また、特許文献2では、特定周波数を吸収する繊維材を採用しているが、現実には、そのような特定周波数を効率的に吸収する繊維材を製造することは困難であり、実施されるに至っていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、容易に実施することができ、しかも効率よくロードノイズを吸収することのできる自動車の吸音構造を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、車体に設けられる吸音材を備えた自動車の吸音構造において、前記車体の所定部位に沿った輪郭を有し、且つ前記車体との間で車室外に吸音空間を形成する板材を設け、前記板材は、少なくともその外郭の一部に沿い、車体に対して固定される固定部と、固定部と連続する部位であって、低周波の波動によって微振動可能な可撓性を有する振動部とを有し、前記吸音材は、前記吸音空間内の当該振動部に面した位置に配置されていることを特徴とする自動車の吸音構造である。この態様では、板材が、車体に対し、その所定部位の輪郭に沿って固定されるとともに、固定された板材が、車体との間で、当該車体の車室の外側に吸音空間を形成する。そして、この吸音空間が形成されることにより、車室に伝播する低周波の騒音による粒子速度が、当該吸収空間内において、板材に沿って波形に分布することになる。これは、本件発明者が鋭意研究の結果、見出した現象であり、このような粒子速度の分布の変化により、低周波の騒音を吸音空間内に配置された吸音材によって効果的に防止することが可能になる。しかも、板材のうち、吸音材に対向する部位は、比較的低周波の騒音によって振動する振動部として構成されている。この振動部を構成することにより、前記吸音空間内に分布する粒子速度が増大することも本件発明者の研究により見出された。このため、低周波の騒音を振動部に面して配置された吸音材によって効果的に防止することが可能になる。本発明において、「板材が車体に固定される」とは、車体、特にボディシェルに直接固定される場合を含む他、他の部材(例えばインナパネル)を介して間接的に固定される場合をも含む概念である。また、「低周波の波動」とは、ロードノイズに対応した周波数の波動であり、例えば、約1Hzから約800Hzの範囲のものである。
好ましい態様において、前記吸音材は、板材に対して直交する方向に沿って並ぶ繊維材を含んでいる。この態様では、吸音空間内において、板材沿いに分布する粒子速度を効果的に低減することが可能になる。すなわち吸音効果は、粒子速度の腹の部分に生じるエネルギーを吸収することが効果的であるが、本件発明者が鋭意研究の結果、波形に分布した粒子速度の振幅方向に沿って吸音材を配置することにより、粒子速度のエネルギー吸収効果が高まることが見出された。従って、板材に対して直交する方向に沿って並ぶ繊維材を吸音材に設けることにより、板材に沿うように分布が変化した粒子速度が効果的に低減し、吸音効果が高くなるという利点がある。
好ましい態様において、前記板材の少なくとも振動部は、当該板材の面に沿って配向された繊維材で形成されている。この態様では、高周波の騒音によって粒子速度が分布する方向に対して、振動部を直交させることになるので、振動部による高周波の騒音抑制効果も奏することが可能になる。
好ましい態様において、前記板材の振動部は、少なくとも固定部の面密度と同等以上の面密度に設定されている。この態様では、高周波の騒音を板材自身によって吸収する性能をも高めることが可能となる。
好ましい態様において、前記固定部は、板材の全周にわたって形成されているものである。
好ましい態様において、前記固定部は、当該板材に固定される補機類が配置される部位に形成されている、前記可撓部よりも剛性の高いものである。この態様では、固定部が高い剛性を有しているので、補機類の取付強度が向上する。また、固定部の剛性を高めることにより、振動部の可撓性を相対的高めることができ、より大きな低周波の波動による振動や騒音を防止することが可能になる。「補機類」は、板材の態様に応じて種々のものが例示される。例えば、板材がドアモジュールの場合、ウィンドレギュレータ、ドアスピーカー等がある。また、板材がドアトリムの場合、ドアインサイドハンドル、グリップハンドル、ウィンド操作部材(例えばパワーウィンドスイッチ、手動式回転ハンドル)等がある。さらに、板材がルーフトリムの場合、当該ルーフトリムに固定されるルームミラー、サンバイザ、スイッチ、ルームランプ、アシストグリップ等がある。加えて、板材がアンダーカバーの場合、種々のダクト等がある。例えば、エンジンアンダカバーの場合、排気管やマフラー、エンジンルーム内の熱気を排出する排出ダクト等がある。
前記固定部が当該板材に固定される補機類が配置される部位に形成されている、前記可撓部よりも剛性の高い態様において、前記板材は、車室の天井面を内装するルーフトリムであり、このルーフトリムの厚みを、800Hzを超える比較的高周波の騒音を吸収可能な厚みに設定されるとともに、前記振動部の前記吸音空間側には、車室側に窪んで吸音材を収容する凹部が形成されている。この態様では、充分な厚みを持たせることにより、ルーフトリム自身に高周波の騒音をも吸収させる機能を持たせることができるとともに、吸音材を配置しにくい箇所にも比較的厚みのある吸音材を配置し、振動部の振動によって面方向沿いに分布する低周波の粒子速度を効果的に吸収することが可能になる。
好ましい態様において、前記ルーフトリムは、前記凹部が、圧縮成型によって形成された成型品である。この態様では、振動部の面密度(質量)を固定部と同等に維持した状態で凹部を形成することができるので、凹部を形成しているにも拘わらず、高周波の騒音に対しても振動部自身による高い吸音性能を良好に発揮することが可能になる。
以上説明したように、本発明は、振動部を設けることによって、低周波の波動が生じた際、その粒子速度の分布を吸音材に沿わせて吸収させることができるので、実施される車種に拘わらず、ロードノイズ等の吸収を容易且つ効率的にという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の一形態に係る自動車の吸音構造を採用した自動車1の平面図であり、図2は図1の断面略図である。
各図を参照して、本実施形態に係る自動車の吸音構造においては、自動車1の車体2に車室3が区画されており、この車室3を内装するためのルーフトリム10が設けられている。また、ドア8内には、樹脂製のドアモジュール本体20が配設されている。さらに車体2の下部に設けられたアンダボディ(サブフレーム)7には、車室3の下方に配置されるフロアアンダカバー30やエンジンルーム4の下方に配置されるエンジンアンダカバー40が固定されている。これら、ルーフトリム10、ドアモジュール本体20、フロアアンダカバー30、エンジンアンダカバー40、並びに後述するドアトリム8dは、本実施形態において、本発明の板材を構成する部材の一例である。これら板材8d、10、20、30、40は、それぞれ車体2のボディシェル(図示せず)に固定される外装材(ルーフパネル5、アウタパネル6、アンダボディ7)の間で吸音空間S1、S2(図10参照)、S3、S4を区画しており、各空間S1〜S4内には、吸音材50が配置されている。なお、各図において、2aは車体2を構成するクロスメンバである。
図3は、自動車1の吸音構造の要部としてのルーフトリム10を示す全体図であり、図4から図7は、それぞれ図3の矢視断面図である。
図3ないし図7を参照して、車室3の天井部分を内装するルーフトリム10は、ルーフパネル5との間に空間S1を区画しており、その所要部分には、補機類60が配置されている。補機類60の具体的な部材としては、外周部分に配置されたルームミラー61、サンバイザ62、アシストグリップ63と、運転席3aの中央と後部席3bの中央とに対応する部位に配置されたルームランプ64である。これらの補機類60自身は、公知のものと同様であり、その詳細は省略するが、各断面図である図4から図6に示すように、各補機類60は、空間S1内に配置されたレーン65または、クロスメンバ2aに対し、ルーフトリム10とともに固定されている。また、ルーフトリム10の後部外周部分は、図3および図7に示すように、複数のファスナ2fによって固定されている。
ここで、図3に示すように、ルーフトリム10のうち、各補機類60が配置されている部位は、比較的厚みのある固定部11として比較的高い剛性を持たせているとともに、残余の部位は、固定部11よりも薄い振動部12として比較的高い可撓性を持たせている。図示の例では、固定部11を略「田」の字状に形成し、振動部12を囲繞する形状を呈している。なお各図において、2b、2cは、ウェザストリップ、2dは、サンバイザ62をルーフトリム10とともにクロスメンバに共締めする固定具である。
図8は、自動車1の吸音構造の要部としてのルーフトリム10および吸音材50の断面部分拡大図である。
図8を参照して、ルーフトリム10は、車室3に面する表皮10aと、ルーフパネル5に面する裏皮10bと、両者間に積層されたウレタン10cと、ウレタン10cと各皮10a、10b間に積層された複数の(図8では2層に簡略化している)繊維材10dとで構成されている。
表皮10aおよび裏皮10bは、何れも不織布で構成されているが、図示の実施形態においては、表皮10aおよび裏皮10bの表面に、何れも比較的通気性の低い樹脂シートが貼着されている。このため、比較的波長λの長い波動がルーフトリム10に伝播されると、粒子速度SPVが増大しやすくなっている。また、ルーフトリム10を構成する繊維材10dは、加熱処理によって塑性変形するガラス繊維材であり、この繊維材10dを用いることによって、ルーフトリム10の形状を維持するようにしている。ここで本実施形態においては、繊維材10dの繊維の方向を当該ルーフトリム10の面方向に沿って配向している。このため、後述するように、高周波の騒音に対し、ルーフトリム10自身が吸音性能を発揮することが可能になる。
固定部11は、上述した各補機類60が取り付けられる関係上、比較的高い剛性(例えばヤング率で1.4E+05(N/m2)〜1.9E+05(N/m2))に設定されている。また、このような設定により、搭乗者がルーフトリム10を触った際、違和感を受けることが少なくなる。
これに対し、振動部12は、後述するように低周波(約1Hzから約800Hz)で微振動を起こすように、比較的高い可撓性(例えばヤング率で8.0E+04(N/m2)〜1.1E+04(N/m2))に設定されている。
本実施形態では、振動部12の可撓性を高めるために、ルーフパネル5側が窪む凹部10eを振動部12に形成している。なお、固定部11と振動部12の剛性の尺度としてのヤング率は、背景技術欄にて紹介した非特許文献1〜3に開示されている技術に基づいて、得られた伝達関数から算出した場合の数値である。
この凹部10eは、ルーフトリム10の成型時にプレス加工によって目付(従って面密度)を変更せずに形成されている。このため本実施形態では、面密度と可撓性の高い振動部12が構成されている。ルーフトリム10の好ましい面密度としては、例えば0.6Kg/m2から0.9Kg/m2程度が望ましい。なお、振動部12の変形例として、固定部11を構成する部位よりも振動部12を構成する部位の繊維材10dを減らすことによって、可撓性を高めるようにしてもよい。
吸音材50は、フェルト等の天然繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成繊維を積層して構成された積層体である。ここで、本実施形態では、吸音材50を構成する繊維材51の配向を、ルーフトリム10の面に対して直交する方向に設定し、図において上下方向の繊維層を形成している。
図9は自動車1の吸音構造の一例としてのドア8の断面図である。
図9を参照して、このドア8は、車体2を構成するインナパネル8aと、このインナパネル8aの車室3側に固定されるドアモジュール本体20と、インナパネル8aの外側に配置されて、インナパネル8aを外装するドアカバー8cと、ドアモジュール本体20を覆った状態でインナパネル8aの内側を内装するドアトリム8dとを有している。
ドアモジュール本体20は、基本的には周知の素材で構成されており、図2の破線を境として、インナパネル8aに固定される固定部21と、ドア8を閉じたときに、約15Hzから100Hzで振動して放射音を出すために必要充分な剛性を有する振動部22とを形成している。そして、図9に示すように、振動部22に面する位置には、当該ドアモジュール本体20と直交する配向で繊維材51が積層された吸音材50が配置されており、自動車1の走行時において、微振動するように構成されている。
図10は図1の実施形態に係る自動車1の底面を示す概略図である。
図10を参照して、自動車1のサブフレームには、フロアアンダカバー30並びにエンジンアンダカバー40が固定されている。各アンダカバー30、40もまた、それぞれ図10の破線を境として、固定部31、41と振動部32、42を形成している。そして、周知の方法により、固定部が前記サブフレームの所要部位に固定されている。
各振動部32、42は、ドアモジュール本体20の振動部22と同様に、約15Hzから100Hzで振動して放射音を出す仕様に構成されている。
次に、本実施形態に係る自動車の吸音構造の作用について説明する。
図11は図1の実施形態においてロードノイズを吸収するプロセスを説明する説明図である。
図2および図11を参照して、自動車1が比較的でこぼこの道を走行している場合、自動車1が路面から受ける振動(ロードノイズ)L/Nがタイヤ9から図略のサスペンションを経由して自動車1の車体2に伝播する。この振動は、比較的波長の長い低周波の波動であるため、従来は、吸音材50では吸収し得ず、互いに共鳴することによって、図11の仮想線で示すような粒子速度の分布を招来し、搭乗者が振動またはノイズとして不快感を受けるものであった。しかるに本実施形態では、板材としてのルーフトリム10、ドアモジュール本体20、フロアアンダカバー30、エンジンアンダカバー40によって所定の吸音空間S1〜S4が形成されることにより、図8で示すように、車体2に伝播した振動による粒子速度SPVの分布を当該板材(図8では、ルーフトリム10の例)の面方向に変化させることが可能になる。この結果、吸音材50によって、ロードノイズL/Nを効果的に低減することが可能になる。しかも、板材としてのルーフトリム10、ドアモジュール本体20、フロアアンダカバー30、エンジンアンダカバー40には、それぞれ振動部12、22、32、42が形成されている。このため本実施形態では、これら振動部12、22、32、42によって粒子速度SPVが増大されることになる。
次に、図8、図11で示した作用を裏付ける実験結果について説明する。なお、以下に示す実験結果は、何れもルーフトリム10についてなされたものである。
図12はルーフトリム10とルーフパネル5との間に形成される空間S1に吸音材を配設した場合におけるルーフトリム10の種類と、音の吸音代および空気の粒子速度SPVの分布との関係を調べるための自動車1のレイアウト図である。なお、ここで吸音代とは、音エネルギーの吸収量をいい、吸収材に入る音の強さをIi、吸収材から反射された音の強さをIr、とすると、
吸収代=Ii−Ir
で評価される物理量をいう。
図12を参照して、今回の実験では、運転席3aおよび後部席3bに集音マイクSW1を配置して、吸音代を検出する音量観測点としているとともに、吸音空間S1内において、各席3a、3bの真上にセンサSW2を配置して、粒子速度SPVの分布を検出する粒子速度分布観測点としている。なお、吸音代は、各集音マイクSW1の検出値を合計したものであり、粒子速度SPVの分布は、各センサSW2の検出値における水平方向の粒子速度SPVを合計したものである。
図13はルーフトリム10の素材の通気性と音の吸音代との関係を示すグラフである。
図13を参照して、同図に示すデータは、図12に集音マイクSW1およびセンサSW2を配設した状態で、通気性のよいルーフトリム10と通気性の悪いルーフトリム10とで吸音代がどのように変化するか調べた結果である。図示の通り、通気性のないルーフトリム10を用いた場合には、通気性のあるルーフトリム10を用いたときよりも、音の吸音代が大きく、水平方向に分布する粒子速度SPVも増大することがわかった。
図13の実験結果は、おおよそ次のような理由によると考えられる。まず、ルーフトリム10が非通気性であると、車室3内の音波がルーフトリム10に衝突した際、空気の粒子がルーフトリム10を振動させる。このルーフトリム10の振動により、空間S1にある空気に振動が伝播して、水平方向に分布する粒子速度SPVが増大するものと推察される。また、一般に、空気の粒子速度が高いほど、吸音材50による吸音効果が高いことが知られている。従って、ルーフトリム10が通気性を有していないときは、通気性を有している場合に比べ、空間S1内に配置された吸音材に衝突する空気の粒子の粒子速度SPVが増大するため、吸音効果が高まるものと考えられる。
さらに本件発明者は、ルーフトリム10の種類と、空間S1内の粒子速度SPVとの関係をより詳細に検討した。
図14は、低周波領域におけるルーフトリム10の有無による粒子速度SPVの分布の相違を検証したグラフであり、図15はルーフトリム10の通気性による粒子速度SPVの分布の相違を検証したグラフである。
図14を参照して、ルーフトリム10が存在する場合、ルーフトリム10がない場合に比べて、低中周波数における水平方向に分布する粒子速度SPVが増大することがわかった。
また、図15に示すように、ルーフトリム10の通気性がない場合、通気性が高い場合に比べて、低中周波数における水平方向に分布する粒子速度SPVが増大することがわかった。
これらの知見から、相対的に低周波数の音を空間S1内で効率よく吸収するためには、ルーフトリム10の通気性を可及的に低減することが有効であることがわかった。
次に、本件発明者は、ルーフトリム10の遮音性の要件を見直すために、ルーフトリム10単体について、種々のデータを採取した。
図16から図18は、表1に示すサンプルを用いて、ルーフトリム10の厚み、剛性、面密度の相違による高周波騒音の吸音代を調べた実験結果を示すグラフである。
Figure 2007216863
まず図16を参照して、表1の各材料について、表2に示す厚みの観点からデータを採取した。
Figure 2007216863
その結果、厚みに関しては、ウレタン成型厚が厚い方が、高周波騒音に関しては、吸音代が高いことがわかった。そのため、本実施形態では、ルーフトリム10の厚みを8t〜8.5tに厚く設定している(通常は3t程度)。
次に、図17を参照して、表1の各材料について、面密度の観点からデータを採取した。この結果、面密度の高い材料ほど、高周波での吸音代が高いことが確認された。従って、可撓性を高めるために、さらには、吸音材50を配置するために、振動部12、22、32、42の厚みを変更する必要がある場合においても、面密度を維持することが好ましいことが確認された。
次に、図18を参照して、表1の各材料について、剛性の観点からデータを採取した。この結果、高周波騒音に関しては、剛性の相違が吸音代に与える影響が小さいことがわかった。これらの実験結果から、低周波の騒音を防止するためには、ルーフトリム10の振動部12の可撓性を高めればよく、また、ルーフトリム10の振動部12の可撓性を高めたとしても、高周波騒音の吸収性能が低下しないことが確認された。
次に、吸音材50についての実験結果を説明する。
図19は、吸音材50についてなされた実験結果の説明図であり、(A)は吸音材の繊維材の方向が、粒子速度SPVが分布する方向に対して垂直であるタイプ1の場合、(B)は吸音材の繊維材の方向が、粒子速度SPVが分布する方向に対して垂直であるタイプ2の場合、(C)は、吸音代と周波数との関係において、タイプ1とタイプ2とを比較したデータを示すグラフである。
図19(C)から明らかなように、タイプ1は、周波数の如何に拘わらず、タイプ2よりも吸音代が高いことがわかった。これはおよそ次のような理由によると考えられる。
一般に、空間内に分布する粒子速度SPVの腹の部分は、節の部分よりもエネルギーが高いから、当該粒子速度SPVの腹の部分が吸音材50に分布すると、吸音代が向上することが知られている。この観点から、タイプ1では、粒子速度SPVの全部分が吸音材50の繊維材内に分布するので、吸音材50の繊維材による吸音代が高くなるのに対し、タイプ2では、繊維材の間にも粒子速度SPVが分布するため、吸音代がタイプ1に比べて低減するものと推察される。この知見により、吸音代を高めるためには、吸音材50の繊維材の方向が、粒子速度SPVの分布する方向に対して交差する方向であることが好ましいことがわかった。
そして、上述したように、板材(例えばルーフトリム10)を設けることにより、粒子速度SPVの分布は、空間S1内において、板材の面方向に沿うとともに、各板材に振動部12、22、32、42を設けることにより、粒子速度SPVは、吸音空間S1内にて水平方向に増大することになる。従って、図8で示したように、ルーフトリム10の面方向に対して直交する方向に吸音材50の繊維材を配向することにより、極めて効果的に吸音代を向上させることが可能となるのである。
図20は吸音材50の剛性と吸音代との関係を示すグラフである。
図20を参照して、このグラフに示す実験は、種々の車種において、吸音材50の剛性を変更し、吸音代の変化を調べたものである。図20から明らかなように、何れの車種No.1〜No.4においても、剛性が低いほど、吸音代が高くなることがわかった。この結果から、吸音材50についても、比較的可撓性の高い素材を採用することが好ましいことがわかる。
次に、上述した知見から、吸音構造として、好ましい組み合わせを検討した実験結果について説明する。
図21は表3の仕様に基づいて、吸音代を調べた結果を示すグラフである。
Figure 2007216863
また図21において、(A)はロードノイズ、(B)は、比較的周波数の低い風音の吸音代をそれぞれ実験した結果である。
図21(A)(B)から明らかなように、ロードノイズ、風音の双方において、吸音材50がない場合(仕様1、2)とある場合(仕様3、4)では、吸音効果が格段に異なることがわかった。さらに、ルーフトリム10の仕様に関し、可撓性の高い試験材(仕様3)の方が、剛性の高い試験材(仕様4)よりも吸音代が高いことがわかった。また、比較的周波数の高い風音についても、厚みをある程度持たせておけば、高周波数のノイズであっても、比較的良好が吸音性能を発揮することがわかった。
以上説明したように、本実施形態においては、板材としてのルーフトリム10、ドアモジュール本体20、フロアアンダカバー30、およびエンジンアンダカバー40が、車体2に対し、その所定部位の輪郭に沿って固定されるとともに、固定された板材8d、10、20、30、40が、車体2との間で、当該車体2の車室3の外側に吸音空間S1、S2、S3、S4を形成する。そして、そして、この吸音空間S1〜S4が形成されることにより、図8に示したように車室3に伝播する低周波の騒音による粒子速度SPVが、当該吸収空間S1〜S4内において、板材に沿って波形に分布することになる。このような粒子速度SPVの分布の変化により、低周波の騒音を吸音空間S1〜S4内に配置された吸音材50によって効果的に防止することが可能になる。しかも、板材8d、10、20、30、40のうち、吸音材50に対向する部位は、比較的低周波の騒音によって振動する振動部12、22、32、42として構成されている。この振動部12、22、32、42を構成することにより、前記吸音空間S1〜S4内に分布する粒子速度SPVが増大するため、低周波の騒音を振動部に面して配置された吸音材50によって効果的に防止することが可能になる。上述したように、本実施形態において、「板材8d、10、20、30、40が車体2に固定される」とは、車体2、特にボディシェルに直接固定される場合を含む他、他の部材(例えばインナパネル8a)を介して間接的に固定される場合をも含む概念である。
また、本実施形態では、前記吸音材50は、板材8d、10、20、30、40に対して直交する方向に沿って並ぶ繊維材51を含んでいる。このため本実施形態では、板材8d、10、20、30、40沿いに分布する粒子速度SPVを効果的に低減することが可能になる。すなわち吸音効果は、粒子速度SPVの腹の部分に生じるエネルギーを吸収することが効果的であるが、図19で示したように、本件発明者が鋭意研究の結果、波形に分布した粒子速度SPVの振幅方向に沿って吸音材50を配置することにより、粒子速度SPVのエネルギー吸収効果が高まることが見出された。従って、板材8d、10、20、30、40に対して直交する方向に沿って並ぶ繊維材51を吸音材50に設けることにより、板材8d、10、20、30、40に沿うように分布が変化した粒子速度SPVが効果的に低減し、吸音効果が高くなるという利点がある。
また、本実施形態では、ルーフトリム10の振動部12は、通気性の低い素材10cを含んでいる。このため本実施形態では、低周波の波動がルーフトリム10に伝播した際、振動部12がより振動しやすくなるため、伝播した波動の粒子速度SPVは、よりルーフトリム10の面に沿って分布し、これによって吸音材50による吸音効果や振動吸収効果を高めることが可能になる。
また、本実施形態では、前記板材8d、10、20、30、40の少なくとも振動部12、22、32、42は、当該板材8d、10、20、30、40の面に沿って配向された繊維材51で形成されている。このため本実施形態では、高周波の騒音によって粒子速度SPVが分布する方向に対して、振動部12、22、32、42を直交させることになるので、振動部12、22、32、42による高周波の騒音抑制効果も奏することが可能になる。
また、本実施形態では、前記板材8d、10、20、30、40の振動部12、22、32、42は、少なくとも固定部11の面密度と同等以上の面密度に設定されている。このため本実施形態では、高周波の騒音を板材8d、10、20、30、40自身によって吸収する性能をも高めることが可能となる。
また、本実施形態では、前記固定部11は、板材8d、10、20、30、40の全周にわたって形成されているものである。
また、本実施形態では、前記固定部11は、当該ルーフトリム10に固定される補機類(ルームミラー61、サンバイザ62、アシストグリップ63、ルームランプ64等)60が配置される部位に形成されている、可撓部12よりも剛性の高いものである。このため本実施形態では、搭乗者の手が触れやすい部位は、固定部11が高い剛性を有しているので、搭乗者がルーフトリム10に接した際、違和感を受けることがない。他方、固定部11の剛性を高めることにより、振動部12、22、32、42の可撓性を相対的高めることができ、より大きな低周波の波動による振動や騒音を防止することが可能になる。なお本実施形態では、具体的には図示していないが、補機類60としては、上述したもの以外にも、板材8d、10、20、30、40の態様に応じて種々のものが例示される。例えば、板材がドアモジュール20の場合、ウィンドレギュレータ、ドアスピーカー等がある。また、板材がドアトリム8dの場合、ドアインサイドハンドル、グリップハンドル、ウィンド操作部材(例えばパワーウィンドスイッチ、手動式回転ハンドル)等がある。さらに、板材がルーフトリム10の場合、当該ルーフトリム10に固定されるルームミラー、スイッチ、アシストグリップ等が上述した実施形態の補機類60以外に例示される。加えて、板材がアンダーカバー30、40の場合、種々のダクト等がある。例えば、エンジンアンダカバーの場合、排気管やマフラー、エンジンルーム内の熱気を排出する排出ダクト等がある。
また、本実施形態では、前記板材は、車室3を内装するルーフトリム10であり、このルーフトリム10の厚みを、800Hzを超える比較的高周波の騒音を吸収可能な厚み(例えば、8t)に設定するとともに、前記振動部12の前記吸音空間S1側には、車室3側に窪んで吸音材50を収容する凹部10eが形成されている。このため本実施形態では、充分な厚みを持たせることにより、ルーフトリム10自身に高周波の騒音をも吸収させる機能を持たせることができるとともに、吸音材50を配置しにくい箇所にも比較的厚みのある吸音材50を配置し、振動部12、22、32、42の振動によって面方向沿いに分布する低周波の粒子速度SPVを効果的に吸収することが可能になる。
また、本実施形態では、前記ルーフトリム10は、前記凹部10eが、圧縮成型によって形成された成型品である。このため本実施形態では、振動部12の面密度(質量)を固定部11と同等に維持した状態で凹部10eを形成することができるので、凹部10eを形成しているにも拘わらず、高周波の騒音に対しても振動部12自身による高い吸音性能を発揮することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態では、振動部12、22、32、42を設けることによって、低周波の波動が生じた際、その粒子速度SPVの分布を吸音材50に沿わせて吸収させることができるので、実施される車種に拘わらず、ロードノイズ等の吸収を容易且つ効率的にという顕著な効果を奏する。
上述した実施形態は本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
例えば、ルーフトリム10を製造するに当たり、ルーフトリム10と吸音材50とを一体的に成型することが可能である。
図22は本発明の別の実施の形態に係る自動車の吸音構造の要部を示すものであり、(A)は成型前の分解断面略図、(B)は成型後の断面略図である。
図22(A)に示すように、表皮10aと裏皮10bとの間に樹脂シート10cと繊維材10dとを複数積層し、要部に吸音材50を構成する繊維材51を介在させて一体成型することにより、図22(B)に示すような吸音材50を含むルーフトリム10を成型することが可能である。
或いは図23に示すように、積層される繊維材10dの目付を積層部位によって変更することにより、振動部12を構成するようにしてもよい。図23は本発明のさらに別の実施の形態に係る自動車の吸音構造の要部としてのルーフトリム10の断面部分拡大図である。
図22、図23の何れの形態においても、繊維材10dは、図8で示したものと同様に、ルーフトリム10の面方向に沿って繊維が配向されており、これによって、ルーフトリム10自身が高周波の騒音を吸収できるようになっている。
また、板材8d、10、20、30、40の素材としては、特に振動部の通気性が低く設定されたものが好ましい。
その他、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
図1は本発明の実施の一形態に係る自動車の吸音構造を採用した自動車の平面図である。 図1の断面略図である。 ルーフトリムを示す全体図である。 自動車の吸音構造の要部としてのルーフトリムおよび吸音材の断面部分拡大図である。 自動車の吸音構造の要部としてのルーフトリムおよびドアの断面部分拡大図であり、(A)はドアを開いた状態、(B)はドアを閉じた状態を示している。 自動車の吸音構造の要部としてのルーフトリムのルームランプの取付構造を示す断面部分拡大図である。 自動車の吸音構造の要部としてのルーフトリムの後部固定構造を示す断面部分拡大図である。 自動車の吸音構造の要部としてのルーフトリムおよび吸音材の断面部分拡大図である。 自動車の吸音構造の一例としてのドアの断面略図である。 図1の実施形態に係る自動車の底面略図である。 図1の実施形態においてロードノイズを吸収するプロセスを説明する説明図である。 ルーフトリムとルーフパネルとの間に形成される空間に吸音材を配設した場合におけるルーフトリムの種類と、音の吸音代および空気の粒子速度の分布との関係を調べるための自動車のレイアウト図である。 ルーフトリムの素材の通気性と音の吸音代との関係を示すグラフである。 低周波領域におけるルーフトリムの有無による粒子速度SPVの分布の相違を検証したグラフである。 ルーフトリムの通気性による粒子速度の分布の相違を検証したグラフである。 表1に示すサンプルを用いて、ルーフトリムの厚み、剛性、面密度の相違による高周波騒音の吸音代を調べた実験結果を示すグラフである。 表1に示すサンプルを用いて、ルーフトリムの厚み、剛性、面密度の相違による高周波騒音の吸音代を調べた実験結果を示すグラフである。 表1に示すサンプルを用いて、ルーフトリムの厚み、剛性、面密度の相違による高周波騒音の吸音代を調べた実験結果を示すグラフである。 吸音材についてなされた実験結果の説明図であり、(A)は吸音材の繊維材の方向が、粒子速度が分布する方向に対して垂直であるタイプ1の場合、(B)は吸音材の繊維材の方向が、粒子速度が分布する方向に対して垂直であるタイプ2の場合、(C)は、吸音代と周波数との関係において、タイプ1とタイプ2とを比較したデータを示すグラフである。 吸音材の剛性と吸音代との関係を示すグラフである。 表3の仕様に基づいて、吸音代を調べた結果を示すグラフである。 本発明の別の実施の形態に係る自動車の吸音構造の要部を示すものであり、(A)は成型前の分解断面略図、(B)は成型後の断面略図である。 本発明のさらに別の実施の形態に係る自動車の吸音構造の要部としてのルーフトリムの断面部分拡大図である。
符号の説明
1 自動車
2 車体
3 車室
3a 運転席
3b 後部席
4 エンジンルーム
5 ルーフパネル
6 アウタパネル
7 アンダボディ
8 ドア
10 ルーフトリム(板材の一例)
10d 繊維材
10e 凹部
11 固定部
12 振動部
20 ドアモジュール(板材の一例)
21 固定部
22 振動部
30 フロアアンダカバー(板材の一例)
31 固定部
32 振動部
40 エンジンアンダカバー(板材の一例)
50 吸音材
51 繊維材
60 補機類
S1〜S4 吸音空間
SPV 粒子速度
SW1 集音マイク
SW2 センサ

Claims (8)

  1. 車体に設けられる吸音材を備えた自動車の吸音構造において、
    前記車体の所定部位に沿った輪郭を有し、且つ前記車体との間で車室外に吸音空間を形成する板材を設け、
    前記板材は、少なくともその外郭の一部に沿い、車体に対して固定される固定部と、固定部と連続する部位であって、低周波の波動によって微振動可能な可撓性を有する振動部とを有し、
    前記吸音材は、前記吸音空間内の当該振動部に面した位置に配置されている
    ことを特徴とする自動車の吸音構造。
  2. 請求項1記載の自動車の吸音構造において、
    前記吸音材は、板材に対して直交する方向に沿って並ぶ繊維材を含んでいることを特徴とする自動車の吸音構造。
  3. 請求項1または2記載の自動車の吸音構造において、
    前記板材の少なくとも振動部は、当該板材の面に沿って配向された繊維材で形成されていることを特徴とする自動車の吸音構造。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の自動車の吸音構造において、
    前記板材の振動部は、少なくとも固定部の面密度と同等以上の面密度に設定されていることを特徴とする自動車の吸音構造。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の自動車の吸音構造において、
    前記固定部は、板材の全周にわたって形成されているものであることを特徴とする自動車の吸音構造。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の自動車の吸音構造において、
    前記固定部は、当該板材に固定される補機類が配置される部位に形成されている、前記可撓部よりも剛性の高いものであることを特徴とする自動車の吸音構造。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の自動車の吸音構造において、
    前記板材は、車室の天井面を内装するルーフトリムであり、このルーフトリムの厚みを比較的高周波の騒音を吸収可能な厚みに設定するとともに、
    前記振動部の前記吸音空間側には、車室側に窪んで吸音材を収容する凹部が形成されていることを特徴とする自動車の吸音構造。
  8. 請求項7記載の自動車の吸音構造において、
    前記ルーフトリムは、前記凹部が、圧縮成型によって形成された成型品であることを特徴とする自動車の吸音構造。
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