JPH09226480A - 自動車用サイレンサーパッド - Google Patents

自動車用サイレンサーパッド

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JPH09226480A
JPH09226480A JP8034074A JP3407496A JPH09226480A JP H09226480 A JPH09226480 A JP H09226480A JP 8034074 A JP8034074 A JP 8034074A JP 3407496 A JP3407496 A JP 3407496A JP H09226480 A JPH09226480 A JP H09226480A
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直重 神田
Kazuyuki Yamaguchi
和之 山口
Hiroshi Kawase
寛 川瀬
Shinji Ota
信次 太田
Masaharu Mimaki
正治 三牧
Yutaro Kasai
勇太郎 笠井
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Toyota Auto Body Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量であるだけでなく、面圧を加えてもへた
りが少なく回復力に優れ、かつ振動絶縁の効果を維持し
ながら吸音性が向上しているという利点を有し、軽量
性、制振性、遮音性に優れた自動車用複合制振防音材を
得るに好適な自動車用サイレンサーパッドを提供する。 【解決手段】 熱可塑性合成樹脂からなる主繊維(A)
とバインダー繊維(B)とを混綿ウエッブ化したものを
上面に、バインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)とを
混綿ウエッブ化したものを下面に配置した後、シート面
に対してほぼ垂直に配向させ、かつ繊維同士を熱融着し
てなるシート状の繊維構造体からなり、該繊維構造体の
密度が0.020〜0.055g/cm3、動バネ定数
が0.1×106〜0.5×106N/mであることを特
徴とする自動車用サイレンサーパッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用複合制振
防音材(制振材、遮音材、吸音材の組み合わされた防音
材)に好ましく用いられるサイレンサーパッドに関す
る。
【0002】
【背景技術】自動車の複合制振防音材には、従来より反
毛フェルトや各種の繊維からなるシート状構造体がサイ
レンサーパッドとして用いられていた。近年、自動車に
は燃費向上と快適さが求められている。快適さの一つに
静粛性があるが、これは一般的に使用する防音材の重量
が増すほど向上するとされている。しかし、重量が増す
と燃費の向上は達成できなくなる。そこで、軽量であっ
ても防音効果の大きい防音材が望まれている。自動車の
車室内の防音材は使用部位により、基本的には2種類に
分けられる。1つはドア、天井、ダッシュボードパネル
のように面圧の殆ど加わらない部位に用いる防音材と、
フロアパネルのように面圧の加わる部位に用いる防音材
である。
【0003】本出願人は、主繊維として、結晶性ポリプ
ロピレンを、そしてバインダー繊維として、モノマーの
主成分がプロピレンである低融点重合体からなる鞘成分
と、結晶性ポリプロピレンである高融点重合体からなる
芯成分とを複合させてなる鞘芯型複合繊維を用い、これ
ら繊維をシート面に対して平行に配列してなるサイレン
サーパッドが、面圧が殆ど加わらない部位に用いる防音
材として、従来のアスファルト系シート(制振材)の代
りに好適に用いられることを見い出し、このサイレンサ
ーパッドについて特許出願している(特願平5−306
863号明細書、特開平7−160269号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
許出願のサイレンサーパッドは、パッド(シート状の繊
維構造体の一種)を形成している繊維の殆どがシート面
に対して平行に配向しているため、軽量化と静粛性の向
上には効果があるが、これをこのまま面圧の加わる自動
車用複合制振防音材に用いると、シートが徐々にへたっ
てしまい密度が大きくなるとともに、バネ定数も大きく
なり結局振動絶縁の効果がなくなってしまうという問題
があった。
【0005】また一般にシートのへたりによる密度の増
大やバネ定数の増大を防止し、振動絶縁の効果を維持し
ようとすると、繊維構造体の剛性を上げる必要がある。
しかしながら、この繊維構造体の剛性を上げると、吸遮
音性能が低下してしまうという新たな問題点が生ずるこ
とになる。
【0006】従って本発明の目的は、軽量性、静粛性な
どの長所を有するとともに、上記特許出願に記載のサイ
レンサーパッドの欠点を解消し、面圧の加わる自動車用
複合制振防音材に用いても、シートのへたりによる密度
の増大やバネ定数の増大がなく、振動絶縁の効果が維持
されるとともに、より高い吸遮音性能を有する自動車用
サイレンサーパッドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1のサイレンサーパッド(I)は、熱可塑性合成
樹脂からなる主繊維(A)とバインダー繊維(B)と細
繊化繊維(C)とをシート面に対してほぼ垂直に配向さ
せ、かつ繊維同士を熱融着してなるシート状の繊維構造
体からなり、該繊維構造体の密度が0.010〜0.0
50g/cm3、動バネ定数が0.1×106〜0.5×
106N/mであることを特徴とする。
【0008】また上記目的を達成する第2のサイレンサ
ーパッド(II)は、熱可塑性樹脂からなる主繊維(A)
とバインダー繊維(B)とをシート面に対してほぼ垂直
に配向させてなる繊維構造体を上層に配置し、この下層
にバインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)を混綿ウエ
ッブ化して複層させた後、繊維同士を熱融着して一体化
させたシート状の繊維構造体からなり、該繊維構造体の
密度が0.020〜0.050g/cm3、動バネ定数
が0.1×106〜0.5×106N/mであることを特
徴とする。
【0009】さらに本発明の目的を達成する第3のサイ
レンサーパッド(III)は、熱可塑性樹脂からなる主繊
維(A)とバインダー繊維(B)とを混綿ウエッブ化し
たものを上面に、バインダー繊維(B)と細繊化繊維
(C)とを混綿ウエッブ化したものを下面に配置した
後、シート面に対してほぼ垂直に配向させ、かつ繊維同
士を熱融着してなるシート状の繊維構造体からなり、該
繊維構造体の密度が0.020〜0.055g/c
3、動バネ定数が0.1×106〜0.5×106N/
mであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の自動車用サイレンサーパッド(I),(II),
(III)は、いずれも熱可塑性樹脂からなる主繊維
(A)とバインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)とか
らなり、バインダー繊維(B)は、主繊維(A)の成分
である熱可塑性合成樹脂よりも融点が20℃以上低い熱
可塑性樹脂を鞘成分とし、主繊維(A)と同種の熱可塑
性樹脂を芯成分とする鞘芯型複合繊維を用いるのが好ま
しい。その理由は、繊維構造体をバインダー繊維(B)
の鞘成分の融点以上でかつ芯成分の融点未満の温度に加
熱することにより、容易に繊維同士が熱融着するからで
ある。このような主繊維(A)とバインダー繊維(B)
との好適な組み合わせとしては、主繊維(A)が結晶性
ポリプロピレンである場合には、バインダー繊維(B)
は、モノマーの主成分がプロピレンである低融点共重合
体を鞘成分とし、結晶性ポリプロピレンからなる高融点
重合体を芯成分とする鞘芯型複合繊維がよい。
【0011】また細繊化繊維(C)は、主繊維(A)の
繊度の1/50〜1/5の繊度を有し、主繊維(A)と
同種の熱可塑性樹脂成分からなるものが好ましい。その
理由は、細繊化繊維(C)の繊度が主繊維(A)の繊度
の1/5を超えると、繊維径が太くてパッドを通過する
空気の抵抗を高めることが出来なくなり、その結果、音
のエネルギーを効率よく吸収できなくなる。また細繊化
繊維(C)の繊度が主繊維(A)の繊度の1/50未満
では、繊維構造体を製造する際の混綿性が著しく低下
し、この結果、通常のカード機では歩留まりが悪くな
り、工業的な生産が困難となる。
【0012】主繊維(A)とバインダー繊維(B)と細
繊化繊維(C)との好適な組み合せとしては、主繊維
(A)が結晶性ポリプロピレンである場合には、バイン
ダー繊維(B)は、モノマーの主成分がプロピレンであ
る低融点共重合体を鞘成分とし、結晶性ポリプロピレン
からなる高融点重合体を芯成分とする鞘芯型複合繊維が
よく、細繊化繊維(C)は、結晶性ポリプロピレンがよ
い。
【0013】また主繊維(A)が融点200℃以上の高
融点ポリエステルである場合には、バインダー繊維
(B)は、主繊維(A)と同種の高融点ポリエステルを
芯成分とし、芯成分の融点より20℃以上低い融点を有
する低融点コポリエステルを鞘成分とする鞘芯型複合繊
維がよく、細繊化繊維(C)は、主繊維(A)と同種の
融点200℃以上の高融点ポリエステルがよい。融点が
200℃以上である高融点ポリエステルとしては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
が好適に用いられる。低融点コポリエステルとしては、
テレフタル酸からなる酸成分とエチレングリコール、プ
ロピレングリコールまたはブチレングリコールからなる
グリコール成分との重縮合物であるポリエステルの酸成
分側および/またはグリコール成分側に共重合成分を入
れたものであり、酸成分側の共重合成分としては、イソ
フタル酸、トリメリット酸、アジピン酸等のカルボン酸
が挙げられ、グリコール成分側の共重合成分としては、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポ
リオールが挙げられる。
【0014】なお、上記主繊維(A)、バインダー繊維
(B)および細繊化繊維(C)には、必要に応じて着色
剤、難燃剤、消臭剤、抗菌剤、安定剤などの各種の添加
剤を含有することができる。
【0015】本発明の自動車用サイレンサーパッド
(I)においては、上記主繊維(A)とバインダー繊維
(B)と細繊化繊維(C)とが折り畳まれた状態でシー
ト面に対してほぼ垂直に配向し、かつ繊維同士が熱融着
している。
【0016】ここに主繊維(A)とバインダー繊維
(B)と細繊化繊維(C)とがほぼ垂直に配向している
とは、次のような状態を意味する。すなわち主繊維
(A)、バインダー繊維(B)および細繊化繊維(C)
には捲縮が付与されている為、弛緩し屈曲しているの
で、真っ直ぐな繊維がシート面に対して垂直方向に平行
に配列していることを意味しているのではなく、繊維の
配列方向がシート面に対して垂直方向に比較的揃ってい
ることを意味する。主繊維(A)とバインダー繊維
(B)と細繊化繊維(C)とがほぼ垂直に配向している
状態の具体例を図1に示す。
【0017】図1に示す折り畳み単層型パッドの製造方
法の一例としては、主繊維(A)とバインダー繊維
(B)と細繊化繊維(C)とを混綿し、カード機にかけ
て得られるウェッブを波型に折り畳んだ後、熱風融着す
る方法が挙げられる。
【0018】本発明の自動車用サイレンサーパッド(I
I)においては、上記主繊維(A)とバインダー繊維
(B)とをシート面に対してほぼ垂直に配向させてなる
繊維構造体を上層に配置し、この下層にバインダー繊維
(B)と細繊化繊維(C)とを混綿ウエッブ化して複層
させた後、繊維同士が熱融着している。図2および図3
に本発明の折り畳み複層型サイレンサーパッド(II)の
代表例を示す。
【0019】図2および図3に示す折り畳み複層型サイ
レンサーパッド(II)の製造方法の一例としては、主繊
維(A)とバインダー繊維(B)を混綿し、カード機に
かけて得られるウエッブを波型に折り畳んだ後、この下
層にバインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)を混綿
し、カード機にかけてシート状にしたウエッブを複層さ
せて、熱風融着する方法がある。
【0020】本発明の自動車用サイレンサーパッド(II
I)においては、熱可塑性合成樹脂からなる主繊維
(A)とバインダー繊維(B)とを混綿ウエッブ化した
ものを上面に、バインダー繊維(B)と細繊化繊維
(C)とを混綿ウエッブ化したものを下面に配置した
後、シート面に対してほぼ垂直に配向させ、かつ繊維同
士が熱融着している。
【0021】図4および図5に本発明の積層折り畳み型
パッド(III)の代表例を示す。図4および図5に示す
積層折り畳み型パッド(III)の製造方法の一例として
は、主繊維(A)とバインダー繊維(B)を混綿し、カ
ード機にかけてシート状のウエッブとした後、この下面
にバインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)を混綿し、
カード機にかけてシート状にしたウエッブを積層させた
後、波型に折り畳んで熱風融着する方法がある。
【0022】図6は、本発明のパッド(III)の一態様
である積層折り畳み複層型パッドの断面図を示し、この
積層折り畳み複層型パッドの製造方法の一例としては、
図4に示す積層折り畳み型パッドの下層にさらに、バイ
ンダー繊維(B)と細繊化繊維(C)を混綿し、カード
機にかけてシート状のウエッブを複層させて、熱風融着
する方法がある。
【0023】上述のように本発明のサイレンサーパッド
(I)においては、主繊維(A)とバインダー繊維
(B)とともに細繊化繊維(C)を混綿した後にほぼ垂
直に配向させることは重要な構成要件である。
【0024】また本発明のサイレンサーパッド(II)お
よび(III)においては、主繊維(A)とバインダー繊
維(B)からなる振動絶縁層に、細繊化繊維(C)とバ
インダー繊維(B)からなる吸音層を上、下層に複層し
たり、上、下面に積層させることは、重要な構成要件で
あり、この構成要件によりシートのへたりによる密度の
増大やバネ定数の増大がなく、振動絶縁の効果を維持し
ながら、パッドの目付を上げることなく、吸音性能を向
上させることが出来る。
【0025】本発明において、単層構造のパッド(I)
ではパッドの目付を上げることにより、吸音性能は向上
できるが、さらに吸音性能を上げるために、目付を50
g/m2以下とした細繊化繊維からなる不織布、もしく
は厚さ100μm以下のフィルムをパッド表面に貼り合
せることもでき、またパッドの片面もしくは両面を熱ロ
ール等で溶融させて高密度にすることもできる。なお、
サイレンサーパッド(II)及び(III)においても同様
の手段を講ずることができる。
【0026】さらに主繊維および細繊化繊維の断面形状
については、円形以外の異形断面とすることにより、さ
らに吸音性能を上げることができる。ここで言う異形断
面とは、扁平、三角形等の凸多角形やY型、十字型、星
型等のような凹多角形の断面が含まれる。
【0027】本発明の自動車用サイレンサーパッド
(I)、(II)および(III)を構成する繊維複合体に
おいて、その動バネ定数は0.1×106〜0.5×1
6N/mに限定される。その理由は、0.5×106
/mを超えると10〜20mmの厚さのパッドでは共振
ピークを低下させることができず、パッド層をさらに厚
くする必要が生じ車内空間が狭くなるという問題が発生
する。一方、動バネ定数が0.1×106N/m未満と
なると、実質的には密度が非常に小さく、パッド自体が
安定して製造できるレベルにない上に、他の材料と組み
合わせて防音材とする加工工程でも支障をきたすからで
ある。
【0028】本発明の自動車用サイレンサーパッドを構
成する繊維複合体の密度は、サイレンサーパッド(I)
の場合、0.010〜0.050g/cm2、サイレン
サーパッド(II)の場合、0.020〜0.050g/
cm2、サイレンサーパッド(III)の場合、0.020
〜0.055g/cm2に限定される。その理由は固体
振動を減衰する作用において、パッドの密度が防音性能
に及ぼす効果は、密度が小さいほど振動減衰効果は大き
いのではあるが、パッド(I)、(II)および(III)
において繊維複合体の密度がそれぞれの下限未満では密
度が小さすぎて、そのような低密度のパッドを安定して
製造することが出来なくなるからであり、一方、密度が
それぞれの上限を超えるとパッドの動バネ定数が0.5
×106N/mを超えてしまい、振動減衰効果が出ない
からである。さらに繊維複合体の密度は、パッド(I)
の場合、0.015〜0.040g/cm2、パッド(I
I)の場合、0.025〜0.040g/cm2、パッド
(III)の場合、0.025〜0.045g/cm2であ
るのが好ましい。
【0029】バインダー繊維(B)の混合率[B/(A
+B+C)]については、混合率を低くすると、熱融着
における接着点が非常に少なく、動バネ定数の小さいパ
ッドが得られるが、でき上がったパッドは、繊維の毛羽
が発生し易く、強度も低いため防音材として他の素材と
組み合わせる工程で支障が出る。一方、混合率を増すと
接着点の数が増すためパッドの強力は上がるが、動バネ
定数も大きくなる。さらに、バインダー繊維は主繊維と
違って2成分からなる複合繊維であるためコストも上昇
する。従って、混合率は加工時の操作性を考慮して出来
るだけ少なくするのが望ましい。
【0030】細繊化繊維(C)の混合率[C/(A+B
+C)]については、混合率を低くすると、十分な吸音
性能が得られなくなり、混合率を増すと、繊維構造体の
剛性が不足し、へたり防止性の効果が低下するととも
に、密度が高くなってしまうため、振動絶縁性が低下し
てしまう。従って、細繊化繊維(C)の混合率は20〜
60%であることが望ましい。
【0031】次に主繊維(A)の繊度(DA)とバイン
ダー繊維(B)の繊度(DB)について、DBが一定でD
Aが大きくなると熱融着点の数が少なくなるので、パッ
ドの強サは低下し、DAが一定でDBが小さくなると熱接
着点の数が増えるので、パッドの強サは向上するが密度
が高くなる。
【0032】細繊化繊維(C)の繊度(DC)と主繊維
(A)の繊度(DA)の比率(デニール比:DC/DA
において、1/5を超えると、吸音性を十分に付与する
ことがとができないという問題がある。また1/50未
満では、繊維の混合が十分にできなくなって、混綿不良
となる問題がある。従って好ましい比率は1/50〜1
/5であり、更に好ましくは1/30〜1/8である。
【0033】以上述べてきたように、パッドの構成(密
度、バインダー繊維(B)混合率[B/(A+B+
C)]、細繊化繊維混合率[C/(A+B+C)])、
主繊維の繊度(DA)、バインダー繊維の繊度(DB)、
細繊化繊維の繊度(DC)とパッドの性能(動バネ定
数、振動レベル、強サ、復元性、吸音性)との関係をま
とめると表1のようになる。
【0034】
【表1】
【0035】本発明の自動車用サイレンサーパッド
(I)、(II)および(III)は、ポリ塩化ビニルシー
ト、フロアカーペットなどを組み合せることにより、軽
量、静粛性に優れるとともに、制振性、防音性に優れた
自動車用複合制振防音材を得ることができる。
【0036】
【実施例】以下本発明を実施例に従い詳細に説明する
が、その前に各種の測定方法について記す。
【0037】1.密度 パッド重量[g]÷パッド見掛け体積[cm3] なお、パッド見掛け体積[cm3]の算出においては、
パッドの厚さとして後記の6.回復率(耐へたり性)で
求めた初期厚さを採用した。
【0038】2.動バネ定数 厚さ10mmのアルミ板を基板とし、これを加振用治具
に固定する。基板上にパッドを載せ、更にその上に同じ
サイズのポリ塩化ビニルシート(3kg/m2)を載せ
る。加振機にて加振用治具全体をランダム加振し、ポリ
塩化ビニルシートの中央及びアルミ板に取り付けた加速
度ピックアップにて一次共振点の周波数を計測し、次式
により動バネ定数(k)を算出した。 k=(2πf)2 ×m[N/m] f:一次共振点の周波数[Hz] m:ポリ塩化ビニルシートの面重量[kg・m-2
【0039】3.振動レベルの測定方法 厚さ1.6mmの綱板を基板とし、これを加振用治具に
固定する。この基板上に試料の防音材を載置し、加振機
にて加振用治具全体をランダム加振する。加振用治具及
び防音材の表皮層に取り付けた加速度ピックアップにて
一次共振点の周波数での表皮層の振度レベル(dB)を
計測した。
【0040】4.平均吸音率の測定方法 JIS A 1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測
定法」における定在波法 (主管にはA管を使用した。)に基づいて、測定を行な
った。具体的には250〜2000Hzの周波数範囲
で、1/3オクターブごとの周波数(250、315、
400、500、630、800、1000、125
0、1600、2000Hzの10点の周波数)におい
て、主管内にできる定在波の音圧の極大値と極小値の比
(定在波比:n)を測定し、次式により周波数毎の吸音
率(α0)を算出した。その算出した周波数毎の吸音率
を足し算し、10で割った値を平均吸音率とした。 α0=[4/(n+1/n−2)]×100
【0041】5.引張強サ 20℃、65%RHの雰囲気で幅50mm、チャック間
隔100mm、引張速度200mm/分で測定した。な
お、折り畳み型パッドについては図1に示すようにMD
方向およびCD方向を定めた。
【0042】6.回復率(耐へたり性) 300×300×15mmの試験片を平らな台上に置
き、直径200mmの円形加圧板にて試験片の上面から
押さえ、前荷重として、4.9N(0.5kgf)をか
けた時の、厚さを測定し、これを初期厚さとする。
【0043】次に、円形加圧板で、147N(15kg
f)の荷重を50℃、95%RHの雰囲気中で11時間
かけ、次に荷重を取り除き1時間後の厚さを測定し、下
式より回復率(%)を求める。 回復率(%)=(荷重解放1時間後の厚み)/(初期厚
み)×100
【0044】実施例1(ポリプロピレン系折り畳み単層
型パッド) 主繊維(A)、バインダー繊維(B)および細繊化繊維
(C)として下記のものを用いた。 主繊維(A) 単一型ポリプロピレン繊維 原料:出光石油化学(株)製 Y2000GP(ホモポ
リマー) 繊維長76mm、単糸25de、捲縮数10個/インチ バインダー繊維(B) 鞘芯型複合繊維 鞘部原料:昭和電工(株)製 TD750(エチレン−
プロピレン2元ランダムコポリマー) 芯部原料:出光石油化学(株)製 Y2000GP(ホ
モポリマー) 繊維長51mm、単糸4de、捲縮数15個/インチ 細繊化繊維(C) 単一型ポリプロピレン繊維 原料:UBEポリプロ RS1238(ホモポリマー) 繊維長51mm、単糸2de、捲縮数20個/インチ
【0045】主繊維(A)とバインダー繊維(B)と細
繊化繊維(C)とを(A)/(B)/(C)の混合比が
32.5/35/32.5となるように混綿し、カード
機にかけて目付55g/m2の均一なウェッブを作製し
た。次に、このウェッブを波型に折り畳み、このウェッ
ブを熱風温度145℃、滞留時間1分の条件で熱風融着
機に通して主繊維とバインダー繊維と細繊化繊維とを熱
融着させ、目付500g/m2、厚さ20mm、密度
0.025g/cm3のパッドを得た。得られた折り畳
み単層型パッドの斜視図を図1に示す。また得られた折
り畳み単層型パッドの諸性能を表2および表3に示す。
表2および表3より、動バネ定数(E′)は0.18×
106N/m、振動レベルは19.6dB、回復率63
%、平均吸音率20%であり、制振性、耐へたり性を維
持しながら吸音性に優れていることが明らかとなった。
なおMD引張強サは5.5kg/5cmであり、この程
度の強サがあれば、他の材料と組み合せて複合制振防音
材とする工程で支障をきたさないことも明らかとなっ
た。
【0046】実施例2(ポリプロピレン系折り畳み単層
型パッド) 折り畳み単層型パッドの目付を750g/cm2とした
こと以外は実施例1と同様にして折り畳み単層型パッド
を得た。このパッドの諸性能を表2および表3に示す。
表2および表3より目付を上げることにより、吸音性能
と耐へたり性が向上できることがわかった。
【0047】実施例3(ポリプロピレン系折り畳み複層
型パッド) 本実施例で得られる折り畳み複層型パッドの斜視図を図
2に、断面図を図3に示す。
【0048】まず実施例1と同様に主繊維(A)および
バインダー繊維(B)を混合比65/35となるように
混綿し、カード機にかけて目付30g/m2の均一なウ
エッブを作製した後、波型に折り畳んで目付250g/
2に調製し、低バネ振動絶縁層1ABとした。次に実施
例1と同一のバインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)
を混合比50/50となるように混綿し、カード機にか
けて目付500g/cm2の均一なウエッブを作製し、
シート状にしたものを吸音層1BCとした。
【0049】上記の低バネ振動絶縁層1ABを上層に配置
し、吸音層1BCを下層に複層させた後、このウエッブを
熱風温度145℃、滞留時間1分の条件で熱風融着機に
通して主繊維とバインダー繊維および細繊化繊維を熱融
着させ、目付750g/m2、厚さ25mm、密度0.
030g/cm3 のパッドを得た。得られた折り畳み複
層型パッドの上層部の密度は0.017g/cm3で、
下層部の密度は0.050g/cm3であり、両層は完
全に融着していた。また得られた折り畳み複層パッドの
諸性能を表2および表3に示す。表2および表3より、
動バネ定数(E’)は0.17×106N/m、振動レ
ベルは18.8dB、回復率は78%、平均吸音率34
%であり、制振性、耐へたり性を維持しながら、吸音性
能に優れていることが明らかとなった。なおMD引張強
サは7.2kg/5cmであり、他の材料と組み合せて
複合制振防音材とする工程で問題となることはなかっ
た。
【0050】実施例4(ポリプロピレン系積層折り畳み
型パッド) 本実施例で得られる折り畳み複層型パッドの斜視図を図
4に、断面図を図5に示す。
【0051】まず実施例1と同一の主繊維(A)および
バインダー繊維(B)を混合比65/35となるように
混綿し、カード機にかけて目付80g/m2の均一なウ
エッブを作製したものを低バネ振動絶縁層1ABとした。
次に実施例1と同一のバインダー繊維(B)と細繊化繊
維(C)を混合比50/50となるように混綿し、カー
ド機にかけて目付160g/m2の均一なウエッブを作
製したものを吸音層1B Cとした。
【0052】上記の低バネ振動層1ABを上面に、そして
吸音層1BCを下面に積層させてシート状にした後、この
積層ウエッブを波型に折り畳み、該ウエッブを熱風温度
145℃、滞留時間1分の条件で熱風融着機に通して主
繊維とバインダー繊維および細繊化繊維を熱融着させ、
目付750g/m2、厚さ25mm、密度0.030g
/cm3のパッドを得た。得られた積層折り畳み型パッ
ドにおける吸音層は高密度(0.050g/cm3)で
あり、かつシート面に対してほぼ垂直に配向して、完全
に融着しているため、耐へたり性をさらに向上させるこ
とができる。得られた積層折り畳みパッドの諸性能を表
2および表3に示す。表2および表3より、動バネ定数
(E’)は0.11×106N/m、振動レベルは1
1.0dB、回復率は82%、平均吸音率27%であ
り、制振性、耐へたり性および吸音性能に優れているこ
とが明らかとなった。なおMD引張強サは5.8kg/
5cmであり、この程度の強サがあれば、他の材料と組
み合せて複合制振防音材とする工程で支障をきたさない
ことも明らかとなった。
【0053】実施例5(ポリプロピレン系積層折り畳み
複層型パッド) 本実施例で得られる折り畳み複層型パッドの断面図を図
6に示す。
【0054】まず実施例1と同一の主繊維(A)および
バインダー繊維(B)を混合比65/35となるように
混綿し、カード機にかけて目付80g/m2の均一なウ
エッブを作製したものを低バネ振動絶縁層1ABとした。
次に実施例1と同一のバインダー繊維(B)と細繊化繊
維(C)を混合比50/50となるように混綿し、カー
ド機にかけて目付80g/m2の均一なウエッブを作製
したものを第1の吸音層1BCとした。該低バネ振動層1
ABを上面に、そして第1吸音層1BCを下面に積層させて
シート状にした後、この積層ウエッブを目付500g/
2で波型に折り畳んだものを上層にし、さらに実施例
1と同一のバインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)を
混合比50/50となるように混綿し、カード機にかけ
て目付250g/m2の均一なウエッブを作製しシート
状にした第2の吸音層2BCを下層として複層させた後、
該ウエッブを熱風温度145℃、滞留時間1分の条件で
熱風融着機に通して主繊維とバインダー繊維および細繊
化繊維を熱融着させ、目付750g/m2、厚さ25m
m、密度0.030g/cm3のパッドを得た。得られ
た積層折り畳み型パッドの諸性能を表2および表3に示
す。表2および表3より、動バネ定数(E’)は0.1
4×106N/m、振動レベルは13.5dB、回復率
は80%、平均吸音率38%であり、制振性、耐へたり
性および吸音性能に優れていることが明らかとなった。
【0055】比較例1 細繊化繊維(C)の代わりに主繊維(A)を用いたこと
以外は、実施例1と同様にして折り畳み単層型パッドを
作製した。得られた折り畳み単層型パッドの諸性能を表
2および表3に示す。表2および表3より、動バネ定数
(E’)は0.13×106N/m、振動レベルは1
2.2dB、回復率は63%、平均吸音率11%であ
り、制振性および耐へたり性は良好であるが、吸音性能
は十分でないことがわかる。
【0056】比較例2 細繊化繊維(C)の代わりに主繊維(A)を用いたこと
以外は、実施例3と同様にして折り畳み単層型パッドを
作製した。得られた折り畳み複層型パッドの諸性能を表
2および表3に示す。表2および表3より、制振性およ
び耐へたり性は維持しているが、平均吸音率は14%と
十分でないことがわかる。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明の自動車用サ
イレンサーパッドは、軽量であるだけでなく、面圧を加
えてもへたりが少なく回復力に優れ、かつ振動絶縁の効
果を維持しながら吸音性が向上しているという利点を有
する。そして、このサイレンサーパッドを用いて軽量
性、制振性、遮音性に優れた自動車用複合制振防音材、
例えばダッシュパネル、フロアパネルなどに使用して有
用な複合制振防音材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のサイレンサーパッドの一例
を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例3のサイレンサーパッドを示す
斜視図である。
【図3】本発明の実施例3のサイレンサーパッドを示す
断面図である。
【図4】本発明の実施例4のサイレンサーパッドを示す
斜視図である。
【図5】本発明の実施例4のサイレンサーパッドを示す
断面図である。
【図6】本発明の実施例5のサイレンサーパッドを示す
断面図である。
【符号の説明】
1 サイレンサーパッド 1AB 低バネ振動絶縁層 1BC 第1吸音層 2BC 第2吸音層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】また一般にシートのへたりによる密度の増
大やバネ定数の増大を防止しようとすると、繊維構造体
の剛性を上げる必要がある。しかしながら、この繊維構
造体の剛性を上げると、振動絶縁の効果が低下し、低周
波域の遮音性能が低下してしまうという新たな問題点が
生ずることになる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】本発明の自動車用サイレンサーパッドを構
成する繊維複合体の密度は、サイレンサーパッド(I)
の場合、0.010〜0.050g/cm3、サイレン
サーパッド(II)の場合、0.020〜0.050g/
cm3、サイレンサーパッド(III)の場合、0.020
〜0.055g/cm3に限定される。その理由は固体
振動を減衰する作用において、パッドの密度が防音性能
に及ぼす効果は、密度が小さいほど振動減衰効果は大き
いのではあるが、パッド(I)、(II)および(III)
において繊維複合体の密度がそれぞれの下限未満では密
度が小さすぎて、そのような低密度のパッドを安定して
製造することが出来なくなるからであり、一方、密度が
それぞれの上限を超えるとパッドの動バネ定数が0.5
×106N/mを超えてしまい、振動減衰効果が出ない
からである。さらに繊維複合体の密度は、パッド(I)
の場合、0.015〜0.040g/cm3、パッド(I
I)の場合、0.025〜0.040g/cm3、パッド
(III)の場合、0.025〜0.045g/cm3であ
るのが好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】次に主繊維(A)の繊度(DA)とバイン
ダー繊維(B)の繊度(DB)について、DBが一定でD
Aが大きくなると熱融着点の数が少なくなるので、パッ
ドの強サは低下し、DAが一定でDBが小さくなると熱接
着点の数が増えるので、パッドの強サは向上するが、バ
ネ定数が大きくなり、振動絶縁性が低下する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【表1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】3.振動レベルの測定方法 厚さ1.6mmの綱板を基板とし、これを加振用治具に
固定する。この基板上に試料の防音材を載置し、加振機
にて加振用治具全体をランダム加振する。加振用治具及
び防音材の表皮層に取り付けた加速度ピックアップにて
一次共振点の周波数での表皮層の振動レベル(dB)を
計測した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 11/16 G10K 11/16 D 11/162 A (72)発明者 川瀬 寛 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 (72)発明者 太田 信次 岐阜県岐阜市薮田西2丁目1番1号 宇部 日東化成株式会社内 (72)発明者 三牧 正治 岐阜県岐阜市薮田西2丁目1番1号 宇部 日東化成株式会社内 (72)発明者 笠井 勇太郎 岐阜県岐阜市薮田西2丁目1番1号 宇部 日東化成株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂からなる主繊維(A)
    とバインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)とをシート
    面に対してほぼ垂直に配向させ、かつ繊維同士を熱融着
    してなるシート状の繊維構造体からなり、該繊維構造体
    の密度が0.010〜0.050g/cm3、動バネ定
    数が0.1×106〜0.5×106N/mであることを
    特徴とする自動車用サイレンサーパッド。
  2. 【請求項2】 バインダー繊維(B)が、主繊維(A)
    の成分である熱可塑性合成樹脂よりも融点が20℃以上
    低い熱可塑性樹脂を鞘成分とし、主繊維と同種の熱可塑
    性樹脂を芯成分とする鞘芯型複合繊維であり、細繊化繊
    維(C)が、主繊維(A)の繊度に対して1/50〜1
    /5の繊度を有し、主繊維(A)と同種の熱可塑性樹脂
    成分からなる請求項1に記載の自動車用サイレンサーパ
    ッド。
  3. 【請求項3】 主繊維(A)が、結晶性ポリプロピレン
    であり、バインダー繊維(B)が、モノマーの主成分が
    プロピレンである低融点共重合体を鞘成分とし、高結晶
    性ポリプロピレンからなる高融点重合体を芯成分とする
    鞘芯型複合繊維であり、細繊化繊維(C)が、主繊維
    (A)の繊度の1/50〜1/5の繊度を有する結晶性
    ポリプロピレン繊維である請求項1または2に記載の自
    動車用サイレンサーパッド。
  4. 【請求項4】 主繊維(A)が、融点200℃以上のポ
    リエステル繊維からなり、バインダー繊維(B)が、低
    融点コポリエステルを鞘成分とし、主繊維と同種の高融
    点ポリエステルを芯成分とする鞘芯型複合繊維であり、
    細繊化繊維(C)が、主繊維(A)の繊度の1/50〜
    1/5の繊度を有し、融点200℃以上のポリエステル
    繊維である請求項1または2に記載の自動車用サイレン
    サーパッド。
  5. 【請求項5】 熱可塑性合成樹脂からなる主繊維(A)
    とバインダー繊維(B)とをシート面に対してほぼ垂直
    に配向させてなる繊維構造体を上層に配置し、この下層
    にバインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)を混綿ウエ
    ッブ化して複層させた後、繊維同士を熱融着して一体化
    させたシート状の繊維構造体からなり、該繊維構造体の
    密度が0.020〜0.050g/cm3、動バネ定数
    が0.1×106〜0.5×106N/mであることを特
    徴とする自動車用サイレンサーパッド。
  6. 【請求項6】 バインダー繊維(B)が、主繊維(A)
    の成分である熱可塑性樹脂よりも融点が20℃以上低い
    熱可塑性樹脂を鞘成分とし、主繊維と同種の熱可塑性樹
    脂を芯成分とする鞘芯型複合繊維であり、細繊化繊維
    (C)が、主繊維(A)の繊度に対して1/50〜1/
    5の繊度を有し、主繊維(A)と同種の熱可塑性樹脂成
    分からなる請求項5に記載の自動車用サイレンサーパッ
    ド。
  7. 【請求項7】 主繊維(A)が、結晶性ポリプロピレン
    であり、バインダー繊維(B)が、モノマーの主成分が
    プロピレンである低融点共重合体を鞘成分とし、高結晶
    性ポリプロピレンからなる高融点重合体を芯成分とする
    鞘芯型複合繊維であり、細繊化繊維(C)が、主繊維
    (A)の繊度の1/50〜1/5の繊度を有する結晶性
    ポリプロピレン繊維である請求項5または6に記載の自
    動車用サイレンサーパッド。
  8. 【請求項8】 主繊維(A)が、融点200℃以上のポ
    リエステル繊維からなり、バインダー繊維(B)が、低
    融点コポリエステルを鞘成分とし、主繊維と同種の高融
    点ポリエステルを芯成分とする鞘芯型複合繊維であり、
    細繊化繊維(C)が、主繊維(A)の繊度の1/50〜
    1/5の繊度を有し、融点200℃以上のポリエステル
    繊維である請求項5または6に記載の自動車用サイレン
    サーパッド。
  9. 【請求項9】 熱可塑性合成樹脂からなる主繊維(A)
    とバインダー繊維(B)とを混綿ウエッブ化したものを
    上面に、バインダー繊維(B)と細繊化繊維(C)とを
    混綿ウエッブ化したものを下面に配置した後、シート面
    に対してほぼ垂直に配向させ、かつ繊維同士を熱融着し
    てなるシート状の繊維構造体からなり、該繊維構造体の
    密度が0.020〜0.055g/cm3、動バネ定数
    が0.1×106〜0.5×106N/mであることを特
    徴とする自動車用サイレンサーパッド。
  10. 【請求項10】 バインダー繊維(B)が、主繊維
    (A)の成分である熱可塑性合成樹脂よりも融点が20
    ℃以上低い熱可塑性樹脂を鞘成分とし、主繊維と同種の
    熱可塑性樹脂を芯成分とする鞘芯型複合繊維であり、細
    繊化繊維(C)が、主繊維(A)の繊度に対して1/5
    0〜1/5の繊度を有し、主繊維(A)と同種の熱可塑
    性樹脂成分からなる請求項9に記載の自動車用サイレン
    サーパッド。
  11. 【請求項11】 主繊維(A)が、結晶性ポリプロピレ
    ンであり、バインダー繊維(B)が、モノマーの主成分
    がプロピレンである低融点共重合体を鞘成分とし、高結
    晶性ポリプロピレンからなる高融点重合体を芯成分とす
    る鞘芯型複合繊維であり、細繊化繊維(C)が、主繊維
    (A)の繊度の1/50〜1/5の繊度を有する結晶性
    ポリプロピレン繊維である請求項9または10に記載の
    自動車用サイレンサーパッド。
  12. 【請求項12】 主繊維(A)が、融点200℃以上の
    ポリエステル繊維からなり、バインダー繊維(B)が、
    低融点コポリエステルを鞘成分とし、主繊維と同種の高
    融点ポリエステルを芯成分とする鞘芯型複合繊維であ
    り、細繊化繊維(C)が、主繊維(A)の繊度の1/5
    0〜1/5の繊度を有し、かつ融点200℃以上のポリ
    エステル繊維である請求項9または10に記載の自動車
    用サイレンサーパッド。
  13. 【請求項13】 さらに下層に、バインダー繊維(B)
    と細繊化繊維(C)とを混綿ウエッブ化した層が積層さ
    れている請求項9〜12のいずれか一項に記載の自動車
    用サイレンサーパッド。
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