JP2008290642A - 吸音材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で吸音特性に優れた吸音材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】有機繊維不織布(A)の片面に、極細繊維不織布(B)を湿気硬化型樹脂(C)を用いて接着し、積層一体化してなる吸音材であって、有機繊維不織布(A)は、繊度が1.7〜14dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維からなり、目付け重量が40〜150g/mであり、および極細繊維不織布(B)は、主成分として繊度が0.5dtex以下のポリオレフィン繊維からなり、目付け重量が3〜18g/mであることを特徴とする吸音材およびその製造方法などを提供した。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸音材およびその製造方法に関し、より詳細には、軽量で吸音特性に優れた自動車内装用などに好適な吸音材およびその製造方法に関する。
従来から、電気製品、建築用壁材、車両などに吸音材が用いられている。特に、自動車などの車外加速騒音やアイドル車外音、排気音などを防止する目的で、車外のエンジンルームやマフラー周り、車内の天井材や床材などを、吸音性のある遮蔽カバーで覆う仕様が設定されつつある。
また、自動車などの車両用防音材として用いる場合は、吸音性と遮音性のほかに、環境問題への対応と燃費向上の観点から、車体の軽量化を図るために軽量な素材が要望されている。
そのため、近年では、不織布を用いた種々の吸音材が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
具体的には、極細繊維を含む不織布は、優れた吸音特性や遮蔽性などの特性があるものの、強度が弱かったり、形態安定性が悪いなどの問題があり、その改善のために、別の不織布と積層複合化した各種不織布の積層品などが吸音材として用いられ、例えば、特許文献1では、目付200〜1000g/m、厚さ5〜30mmの不織布の少なくとも片面に、目付30〜100g/m、厚さ30〜300μm、通気量10〜50cc/cm/secの湿式不織布または長繊維不織布を貼り合わせた吸音材が開示され、また、特許文献2では、熱圧着された熱可塑性合成繊維不織布からなる表面材と合成繊維不織布からなる裏面材との接合不織布であって、該表面材の厚みが0.03〜1mm、平均みかけ密度が0.3g/cm以上および目付けが20〜250g/mであり、該裏面材の厚みが5〜45mmおよび平均みかけ密度が0.1g/cm以下であり、さらに前記接合不織布の厚みが5〜50mm、目付けが100〜1000g/mおよび周波数4000Hzの吸音率が50%以上であることを特徴とする吸音材が開示され、さらに、特許文献3では、メルトブローン極細繊維と難燃性短繊維を一体化して得られた難燃性メルトブローン不織布シートと、シート材料とを接着したことを特徴とするメルトブローン不織布積層防音シート材料が開示され、また、特許文献4には、繊維径が6ミクロン以下の極細繊維を含有する目付が30〜200g/mの不織布と、繊維径が7〜40ミクロンで目付が50〜2000g/mの短繊維不織布とを流体交絡法またはニードルパンチ法により一体化した吸音材が開示され、さらに、特許文献5では、繊維径が6ミクロン以下の極細繊維を含み目付が20〜100g/mのメルトブローン不織布と、繊維径が7〜40ミクロンで目付が50〜2000g/m、厚みが5〜30mmの基布入り短繊維不織布とが積層一体化されてなることを特徴とする軽量吸音材が開示されている。
しかしながら、上記提案されたものは、性能は向上しているものの、未だ十分でなく、軽量で吸音特性に優れた吸音材が強く要望されているのが、実状である。
特開2007−86505号公報 特開2006−28709号公報 特開平06−212546号公報 特開2001−279567号公報 特開2002−161464号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、軽量で吸音特性に優れた吸音材およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、各種不織布の積層品である吸音材について、基層となる素材に、繊度が特定の顕在捲縮タイプのポリエステル繊維からなる不織布を用いることにより、軽量化しても嵩高性を確保した上で、目付け重量も確保し、さらに、基層に貼着する素材に、繊度が特定のポリオレフィン繊維からなる極細繊維不織布を用いることにより、軽量化が図られ、しかも吸音特性に優れた吸音材が得られることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、有機繊維不織布(A)の片面に、極細繊維不織布(B)を湿気硬化型樹脂(C)を用いて接着し、積層一体化してなる吸音材であって、有機繊維不織布(A)は、繊度が1.7〜14dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維からなり、目付け重量が40〜150g/mであり、および極細繊維不織布(B)は、主成分として繊度が0.5dtex以下のポリオレフィン繊維からなり、目付け重量が3〜18g/m以下であることを特徴とする吸音材が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、湿気硬化型樹脂(C)の接着使用量が1〜8g/mであることを特徴とする吸音材が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、吸音材の密度が45kg/m以下であることを特徴とする吸音材が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、吸音材の総厚みが4〜40mmであり、極細繊維不織布(B)の厚みが0.05〜0.40mmであることを特徴とする吸音材が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、次の工程(I)〜(III)を含むことを特徴とする第1〜4のいずれかの発明に係る吸音材の製造方法が提供される。
工程(I):繊度が1.7〜14dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維から、ケミカルボンド法により有機繊維不織布(A)を作製する工程。
工程(II):繊度が0.5dtex以下のポリオレフィン繊維から、メルトブロー法により極細繊維不織布(B)を作製する工程。
工程(III):工程(I)で得られた有機繊維不織布(A)の片面に、工程(II)で得られた極細繊維不織布(B)を湿気硬化型樹脂(C)をエアー圧で糸状にしたものを用いて、積層一体化する工程。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明に係る吸音材を少なくとも一部に用いられていることを特徴とする車両用内装材が提供される
本発明の吸音材は、上述のような構成により、軽量化しても吸音特性に優れ、特に中高温域において優れた吸音特性が得られるという効果を発揮する。そのため、自動車などの車両用防音材として、好適に用いることができる。
本発明の吸音材は、有機繊維不織布(A)の片面に、極細繊維不織布(B)を湿気硬化型樹脂(C)を用いて接着し、積層一体化してなる吸音材であって、有機繊維不織布(A)は、繊度が1.7〜14dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維からなり、目付け重量が40〜150g/mであり、および極細繊維不織布(B)は、主成分として繊度が0.5dtex以下のポリオレフィン繊維からなり、目付け重量が3〜18g/mであることを特徴とするものである。
以下に項目毎に詳細に説明する。
1.有機繊維不織布(A)
本発明に係る有機繊維不織布(A)は、繊度が1.7〜14dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維からなり、通常、ケミカルボンド法により形成される。また、ケミカルボンド法以外のサーマルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、あるいはステッチボンド法でもよい。
ポリエステル繊維としては、繊度が1.7〜14dtexの顕在捲縮タイプであれば、特に限定されず、通常、不織布を構成する繊維材料として用いられるポリエステルであればよく、例えば、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート(PET)、主たる繰り返し単位がブチレンテレフタレートであるポリブチレンテレフタレ−トや、主たる繰り返し単位がトリメチレンテレフタレートであるポリトリメチレンテレフタレートを主体とする繊維、酸成分としてイソフタル酸等を共重合した低融点ポリエステル繊維、又はハードセグメントとソフトセグメントを有するブロック共重合ポリエステル繊維などが挙げられる。
また、繊度が1.7〜14dtexの顕在捲縮タイプの繊維としては、顕在捲縮を有し、繊度が1.7〜14dtexの繊維であって、その中でも2.2〜6.6dtexの繊維が好ましい。その捲縮形状は、山/谷状のいわゆるジグザグ型、U型、スパイラル型等のいずれであっても良い。また顕在捲縮タイプの繊維には、低融点ポリエステル繊維などを含む融着タイプ、中実タイプに対して繊維中心に空洞がある中空タイプも含む。顕在捲縮を有する繊維を使用することにより、嵩高い不織布を作製することができる。また、繊度が1.7dtex未満であれば、繊度が高い繊維に比べて嵩高度合いが低いため、軽量化を測りつつ、嵩高な不織布を作製し難い。一方、繊度が14dtex超でも、嵩高な不織布を作製することは可能だが、通気度が高くなり吸音特性が悪くなるおそれがある。
さらに、本発明に係る有機繊維不織布(A)は、目付け重量が40〜150g/mである。目付け重量が40g/m未満であれば、嵩高な不織布を作製するのが困難になる。一方、目付け重量が150g/mを超えた場合でも、吸音特性に優れた吸音材を得ることは可能だが、吸音材全体の重量が重くなり、吸音材としての用途が限られ、好ましくない。
また、本発明に係る有機繊維不織布(A)は、その厚みについて、特に限定されないが、好ましくは厚みが4〜40mmである。厚みが4mm未満であれば、吸音特性に優れた吸音材を提供することが困難になり、一方、40mmを超えても、吸音特性に優れた吸音材を得ることは可能だが、吸音材としての用途が限られ、好ましくない。
さらに、本発明に係る有機繊維不織布(A)は、特に限定されないが、JIS L1096に基づいて測定される通気度が800cc/cm・sec以下であることが望ましい。通気度が800cc/cm・secを超えると、吸音特性が悪くなるおそれがある。
2.極細繊維不織布(B)
本発明の吸音材は、上記有機繊維不織布(A)の片面に、極細繊維不織布(B)を湿気硬化型樹脂(C)を用いて接着し、積層一体化してなるものである。
極細繊維不織布(B)は、主成分として繊度が0.5dtex以下のポリオレフィン繊維からなり、特に限定されるものではないが、溶融したポリマーに加熱高速ガス流体を吹き当てることにより、溶融ポリマーを引き伸ばして極細繊維化し、捕集してシートとする、いわゆるメルトブロー法により製造されたものが好ましい。
ポリオレフィン繊維としては、繊度が0.5dtex以下であれば、特に限定されず、通常、メルトブローで不織布化が可能なポリオレフィン繊維が用いられ、そのポリオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1などのα―オレフィンの単独重合体、あるいはこれらα−オレフィンの2種類以上のランダムあるいはブロック共重合体が挙げられる。中でもポリプロピレン(PP)としては、ポリプロピレン単独重合体、又はエチレン・プロピレン系共重合体などであり、そのエチレン含量については特に特定されない。また、ポリエチレン(PE)としても、特に限定されなく、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のいずれもメルトブローで不織布化が可能なものは使用できる。
また、本発明に係る極細繊維不織布(B)の繊度は、好ましくは0.0002〜0.5dtexであり、繊度が0.5dtexを超えると、吸音特性が悪くなるおそれがある。
さらに、目付け重量が3〜18g/mである。目付け重量が18g/mを超えたものでも吸音特性に優れた吸音材を得られるが、軽量化が困難になる。一方、目付け重量が3g/m未満では、吸音特性が悪くなるおそれがある。
また、本発明に係る極細繊維不織布(B)は、その厚みについて、特に限定されないが、好ましくは厚みが0.05〜0.4mmである。厚みが0.05mm未満であれば、吸音特性が悪くなるおそれがあり、一方、厚みが0.4mm超えたものでも吸音特性に優れた吸音材を得ることは可能だが、軽量化が困難になる。
さらに、本発明に係る極細繊維不織布(B)は、特に限定されないが、JIS L1096に基づいて測定される通気度が3〜60cc/cm/secであることが望ましい。通気度が60cc/cm/secを超えると、吸音特性が悪くなるおそれがある。また、通気度が3cc/cm/sec未満の場合でも、吸音特性が悪くなるおそれがある。
3.湿気硬化型樹脂(C)
本発明において、上記の有機繊維不織布(A)と極細繊維不織布(B)とを積層一体化する方法として、湿気硬化型樹脂(C)を用いて、接合又は接着するものである。
湿気硬化型樹脂(C)は、湿気硬化型接着剤とも言われるものであり、本発明では、同義として扱うものである。
湿気硬化型樹脂(C)としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を使用することができ、好ましくは、ウレタン樹脂であり、そのウレタン樹脂としては、ポリイソシアネートとポリオールとからなるウレタンプレポリマー樹脂や湿気硬化ウレタン系接着剤を挙げることができ、湿気硬化型ホットメルト接着剤でもよい。さらに、湿気硬化型樹脂(C)として、湿気硬化型熱溶融ウレタン・シリコーン共重合体樹脂も例示できる。
この湿気硬化型樹脂(C)を用いることにより、通常、用いられるバインダー樹脂が不織布間の界面で皮膜を形成し、吸音性が低下するなどの問題もあったが、吸音性が低下しないという効果が得られる。
4.吸音材およびその製造方法
本発明の吸音材の密度は、特に限定されないが、軽量化を図るため、好ましくは45kg/m以下、更に好ましくは12kg/m以下である。
また、本発明の吸音材は、目付け重量について、吸音材として十分な吸音性能が得られれば特に限定されるものではないが、好ましくは30〜300g/mであり、更に好ましくは40〜180g/mである。目付け重量が30g/mよりも低い場合には、吸音材の強度が低くなり、用途によっては使用することが難しい場合がある。また、目付け重量が300g/mよりも高い場合には、吸音材全体の重量が重くなり、吸音材としての用途が限られ、さらに製造コストも高くなる方向にあり、好ましくない。
本発明の吸音材は、通気度について、吸音材として十分な吸音性能が得られれば特に限定されるものではないが、5〜50cc/cm/secであることが好ましい。通気度が5cc/cm/sec未満の場合には、加工性が劣る可能性があり好ましくない。一方、通気度が50cc/cm/secを超える場合には、吸音性能が低下する方向にあるため、好ましくない。
また、本発明の吸音材の厚みは、特に限定されないが、4〜40mmであることが望ましい。
さらに、本発明の吸音材は、吸音特性、特に中高音域での吸音特性に優れるために、周波数4000〜5000Hzの吸音率が好ましくは80%以上である。
本発明の吸音材は、次の工程(I)〜(III)で製造されることが望ましい。
工程(I):繊度が1.7〜14dtex、好ましくは2.2〜6.6dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維から、ケミカルボンド法により有機繊維不織布(A)を作製する工程。
工程(II):繊度が0.5dtex以下のポリオレフィン繊維から、メルトブロー法により極細繊維不織布(B)を作製する工程。
工程(III):工程(I)で得られた有機繊維不織布(A)の片面に、工程(II)で得られた極細繊維不織布(B)を湿気硬化型樹脂(C)をエアー圧で糸状にしたものを用いて、積層一体化する工程。
上記の工程(III)において、有機繊維不織布(A)と極細繊維不織布(B)の間に用いる湿気硬化型樹脂(C)の使用量は、特に限定されないが、1〜8g/mであることが望ましい。有機繊維不織布(A)と極細繊維不織布(B)とを接着または接合する際に用いる湿気硬化型樹脂(C)の使用量が1g/m未満であると、接着強度が弱く、剥がれやすくなる。一方、使用量が8g/mを超えると、接着効果が飽和するとともに、総目付け重量が高くなり、吸音材全体の重量が重くなって、好ましくない。
また、湿気硬化型樹脂(C)の使用方法としては、特に限定されないが、硬化反応前の溶融した湿気硬化型樹脂(C)を有機繊維不織布(A)にエアー圧で糸状に散布し、極細繊維不織布(B)と貼り合わせを行う。常温の湿気で湿気硬化型樹脂(C)を硬化させることで一定の剥離強力を得ることができる。
また、一般的にはニードルパンチを用い有機繊維不織布(A)と極細繊維不織布(B)と貼り合わせする方法があるが、基布に穴あきによる通気度アップなどのダメージをもたらす可能性が高い。しかし、本発明において、湿気硬化型樹脂(C)を使用することにより、吸音特性を維持したまま、有機繊維不織布(A)と極細繊維不織布(B)と貼り合わせた吸音材を提供できる。
5.吸音材の用途
本発明の吸音材は、軽量化しても吸音特性に優れ、特に中高温域において優れた吸音特性が得られるため、(i)自動車などの車両用防音材として、特に、天井材、ダッシュボード下部、カーペット部などの自動車内装用部材などに好適に用いることができる。
また、本発明において、車両とは、自動車、電車、飛行機、船、二輪車、ヘリコプター、潜水艦等のことである。
さらに、本発明の吸音材は、上記車両用以外に、(ii)掃除機、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、電子レンジ、オーブンレンジ、エアコン、ヒーター、オーディオ、テレビ、ミシン、コピー機、電話機、ファクシミリ、パソコン、ワープロ等の電気製品、(iii)壁紙、床材、畳、天井材、屋根下材、ハウスラップ、断熱材等の建築資材、(iv)高速道路防音壁、新幹線防音壁、トンネル用遮水シート、線路地盤補強材等の土木資材などに、好適に用いることができる。
以下に本発明を実施例で説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた試験方法は以下の通りである。
(1)不織布の目付け重量:試料長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、水分平衡状態の重さを測定し、1m当たりに換算して求めた。
(2)不織布の通気度:フラジール型通気度試験機を用い、JIS L1096−1979の「一般織物試験方法」に準拠し、傾斜型気圧計は1.27cmに固定して通気度を計測した。
(3)密度:目付け重量(g/m)を厚み(mm)で割った値を求めて、kg/mに単位換算して、求めた。
(4)厚み:厚み測定器((株)ミツトヨ製、商品名ABSOLUTE ID−C1012C)を用いて、2.94cN/cm荷重で5箇所測定し、その平均値を求めた。
(5)吸音率:ISO 10534−2(音響−インピーダンス管の吸音率及びインピーダンスの測定)に定める伝達関数法に準じて測定した。
[実施例1]
有機繊維不織布(A)として、ケミカルボンド法により繊度が2.75dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維から、目付け重量が80g/m、厚みが10mm、通気度が400cc/cm/secである不織布(I)を作製した。
一方、極細繊維不織布(B)として、メルトブローン法により繊度が0.19dtexのポリプロピレン(PP)繊維から、目付け重量が18g/m、厚みが0.21mm、通気度が39cc/cm/secである不織布(II)を作製した。
次に、不織布(I)と不織布(II)の両者を、湿気硬化型樹脂(C)として、ポリウレタン系の接着剤6.0g/mを用いて、接着させ、密度が10.4kg/m、目付け重量が104g/m、総厚みが10.2mm、通気度が39cc/cm/secである吸音材(I)を作製した。
この作製した吸音材(I)について、上記の吸音試験を実施し、吸音率を測定した。吸音率は良好である。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
有機繊維不織布(A)として、実施例1で作製した不織布(I)を用いた。
一方、極細繊維不織布(B)として、メルトブローン法により繊度が0.12dtexのポリプロピレン(PP)繊維から、目付け重量が16g/m、厚みが0.24mm、通気度が35cc/cm/secである不織布(II)を作製した。
次に、不織布(I)と不織布(II)の両者を、湿気硬化型樹脂(C)として、ポリウレタン系の接着剤6.0g/mを用いて、接着させ、密度が10.2kg/m、目付け重量が102g/m、総厚みが10.2mm、通気度が35cc/cm/secである吸音材(II)を作製した。
この作製した吸音材について、上記の吸音試験を実施し、吸音率を測定した。吸音率は良好である。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
有機繊維不織布(A)として、実施例1で作製した不織布(I)を用いた。
一方、極細繊維不織布(B)として、メルトブローン法により繊度が0.10dtexのポリプロピレン(PP)繊維から、目付け重量が12g/m、厚みが0.20mm、通気度が37cc/cm/secである不織布(II)を作製した。
次に、不織布(I)と不織布(II)の両者を、湿気硬化型樹脂(C)として、ポリウレタン系の接着剤6.0g/mを用いて、接着させ、密度が9.6kg/m、目付け重量が98g/m、総厚みが10.2mm、通気度が38cc/cm/secである吸音材(III)を作製した。
この作製した吸音材について、上記の吸音試験を実施し、吸音率を測定した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
吸音材(IV)として、実施例1で作製した不織布(I)を用い、上記の吸音試験を実施し、吸音率を測定した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
有機繊維不織布(A)として、実施例1で作製した不織布(I)を用いた。
一方、極細繊維不織布(B)として、スパンボンド法により繊度が7.24dtexのポリエステル(PET)繊維から、目付け重量が35g/m、厚みが0.11mm、通気度が52.9cc/cm/secである不織布(II)を作製した。
次に、不織布(I)と不織布(II)の両者を、湿気硬化型樹脂(C)として、ポリウレタン系の接着剤6.0g/mを用いて、接着させ、密度が12.5kg/m、目付け重量が115g/m、総厚みが10.1mm、通気度が49.4cc/cm/secである吸音材(V)を作製した。
この作製した吸音材について、上記の吸音試験を実施し、吸音率を測定した。評価結果を表1に示す。
[比較例3] 市販品の吸音材を用いて吸音試験を実施し、吸音率を測定した。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
有機繊維不織布(A)として、サーマルボンド法により繊度が10.16dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維から、目付け重量が260.0g/m、厚みが4.0mm、通気度が235cc/cm/secである不織布(I)を作製した。
一方、極細繊維不織布(B)のかわりに、目付け重量が16.6g/m、厚みが0.12mm、通気度が0cc/cm/secであるポリエステルフィルムを使用した。
次に、不織布(I)とポリエステルフィルムの両者を、ポリエステル系パウダー18g/mを用いて、接着させ、密度が73.65kg/m、目付け重量が294.6g/m、総厚みが4.0mm、通気度が0cc/cm/secである吸音材(VI)を作製した。
この作製した吸音材(VI)について、上記の吸音試験を実施し、吸音率を測定した。評価結果を表1に示す。
[比較例5]
吸音材(VII)として、実施例1で作製した不織布(II)を用い、上記の吸音試験を実施したが、基布厚みが薄く、吸音率を測定できなかった。
Figure 2008290642
表1から明らかなように、実施例1〜3の吸音材は、比較例1、2、4に比べて、測定周波数2000〜5000Hzの範囲で、吸音特性(吸音率)が優れていることが明示される。また、実施例1〜3の吸音材は、比較例3の市販品の吸音材に比べて、軽量であるにもかかわらず、吸音特性が同等であることも、明らかであり、軽量で吸音特性に優れている。
本発明の吸音材は、軽量で吸音特性に優れているため、自動車内装用などに好適に用いることができ、また、自動車内装用ばかりでなく、掃除機などの電気製品、建築用壁材などの広い用途範囲で使用できる。
本発明の実施例および比較例における吸音材の吸音特性を示す図である。

Claims (6)

  1. 有機繊維不織布(A)の片面に、極細繊維不織布(B)を湿気硬化型樹脂(C)を用いて接着し、積層一体化してなる吸音材であって、
    有機繊維不織布(A)は、繊度が1.7〜14dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維からなり、目付け重量が40〜150g/mであり、および極細繊維不織布(B)は、主成分として繊度が0.5dtex以下のポリオレフィン繊維からなり、目付け重量が3〜18g/mであることを特徴とする吸音材。
  2. 湿気硬化型樹脂(C)の接着使用量が1〜8g/mであることを特徴とする請求項1に記載の吸音材。
  3. 吸音材の密度が45kg/m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音材。
  4. 吸音材の総厚みが4〜40mmであり、極細繊維不織布(B)の厚みが0.05〜0.40mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸音材。
  5. 次の工程(I)〜(III)を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音材の製造方法。
    工程(I):繊度が1.7〜14dtexの顕在捲縮タイプのポリエステル繊維から、ケミカルボンド法により有機繊維不織布(A)を作製する工程。
    工程(II):繊度が0.5dtex以下のポリオレフィン繊維から、メルトブロー法により極細繊維不織布(B)を作製する工程。
    工程(III):工程(I)で得られた有機繊維不織布(A)の片面に、工程(II)で得られた極細繊維不織布(B)を湿気硬化型樹脂(C)をエアー圧で糸状にしたものを用いて、積層一体化する工程。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音材を少なくとも一部に用いられていることを特徴とする車両用内装材。
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