JP6349019B1 - メルトブローン不織布及びその用途ならびにその製造方法 - Google Patents

メルトブローン不織布及びその用途ならびにその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6349019B1
JP6349019B1 JP2017181965A JP2017181965A JP6349019B1 JP 6349019 B1 JP6349019 B1 JP 6349019B1 JP 2017181965 A JP2017181965 A JP 2017181965A JP 2017181965 A JP2017181965 A JP 2017181965A JP 6349019 B1 JP6349019 B1 JP 6349019B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
melt blown
blown nonwoven
melt
sound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017181965A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019056190A (ja
Inventor
与弘 宮田
与弘 宮田
政之 渡邊
政之 渡邊
小菅 一彦
一彦 小菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
O Well Corp
Original Assignee
O Well Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by O Well Corp filed Critical O Well Corp
Priority to JP2017181965A priority Critical patent/JP6349019B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6349019B1 publication Critical patent/JP6349019B1/ja
Priority to PCT/JP2018/035123 priority patent/WO2019059360A1/ja
Publication of JP2019056190A publication Critical patent/JP2019056190A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04HMAKING TEXTILE FABRICS, e.g. FROM FIBRES OR FILAMENTARY MATERIAL; FABRICS MADE BY SUCH PROCESSES OR APPARATUS, e.g. FELTS, NON-WOVEN FABRICS; COTTON-WOOL; WADDING ; NON-WOVEN FABRICS FROM STAPLE FIBRES, FILAMENTS OR YARNS, BONDED WITH AT LEAST ONE WEB-LIKE MATERIAL DURING THEIR CONSOLIDATION
    • D04H3/00Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length
    • D04H3/005Synthetic yarns or filaments
    • D04H3/007Addition polymers
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04HMAKING TEXTILE FABRICS, e.g. FROM FIBRES OR FILAMENTARY MATERIAL; FABRICS MADE BY SUCH PROCESSES OR APPARATUS, e.g. FELTS, NON-WOVEN FABRICS; COTTON-WOOL; WADDING ; NON-WOVEN FABRICS FROM STAPLE FIBRES, FILAMENTS OR YARNS, BONDED WITH AT LEAST ONE WEB-LIKE MATERIAL DURING THEIR CONSOLIDATION
    • D04H3/00Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length
    • D04H3/08Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length characterised by the method of strengthening or consolidating
    • D04H3/16Non-woven fabrics formed wholly or mainly of yarns or like filamentary material of substantial length characterised by the method of strengthening or consolidating with bonds between thermoplastic filaments produced in association with filament formation, e.g. immediately following extrusion

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】軽量で、厚みがあり、均一性、リサイクル性に優れ、吸音材用途に好適なメルトブローン不織布及びその製造方法、ならびに、それを用いて構成される500〜2000Hzまでの中周波数域あるいは2000Hz以上の高周波数域で良好な吸音性を有する吸音材を提供する。【解決手段】平均繊維径が0.7〜4.0μm、2.0μm超の繊維径積算頻度が5%以上の範囲にあるプロピレン系樹脂繊維からなり、JIS L 1913:2010に準じて測定した、通気量が1〜50cc/cm2・secで、保水率が200%以下であることを特徴とするメルトブローン不織布、及びそれを有する吸音材である。メルトブローン装置において、紡糸ノズルから吐出した溶融プロピレン系樹脂とそれを集積するスクリーン担持体上との間隔を45cm以上とすることを特徴とする前記メルトブローン不織布の製造方法である。【選択図】図6

Description

本発明は、軽量で厚みがあり、均一性及びリサイクル性に優れ、かつ吸音性に優れるメルトブローン不織布、及びその用途、ならびにその製造方法に関する。
従来から吸音材としては、フェルトなどが使用されているが、周波数の低い帯域の音波に対する吸音性能が劣る問題点がある。目付や厚さを増加することが対策として挙げられるが、重量が重くなるあるいは吸音材を配置するために多くのスペースが必要になる問題がある。
車両用吸音材は車両のエンジンルームやダッシュボードなどに配置されるものである。軽量性を備えた車両用吸音材としては、ポリエステル繊維などの熱可塑性繊維と芯鞘型繊維を混綿し、熱成形したポリエステル系不織布などが知られている。これらの車両用吸音材は、高周波数域(2000Hz以上)で吸音率が高いものである。しかし、ロードノイズやエンジン放射音などを原因とする中周波数域(500〜2000Hz)で吸音率が高いものを得ようとすると、不織布の厚みを増加させたり目付量を増加させたりする必要がある。
自動車用途に適した吸音材として、特許文献1には、厚さ10〜30mmのポリエステル系不織布の片面に、1.0dtex(約10μm)以下の極細繊維で構成され、目付が10〜100g/mで、通気度が5〜50cc/cm・secであるポリプロピレン樹脂メルトブローン不織布を貼り合せた吸音材が提案されている。しかし、メルトブローン不織布単独では高吸音性能を得ることは不可能であり、背後空気層を持たせることにより高吸音性を得ることができる旨が記載されている。
一方、特許文献2には、ポリエステル(PBT)樹脂メルトブローン繊維を、低融点ポリエチレンテレフタレートからなる鞘部分を有する芯鞘型バインダー繊維の繊維流に合流するように吹き付けて、混合ウエブ(目付が50〜250g/m)を作製し、この混合ウエブを押圧して、厚み0.5mmの通気抵抗膜とすることが提案されている。
また、特許文献3には、ポリプロピレン樹脂メルトブローン繊維が紡糸された直後のウエブ(比重0.91g/cm)に合流するように、ポリエチレンテレフタレート(芯材)とポリエチレンテレフタレート系コポリマー(鞘材)との芯鞘型バインダー繊維(比重1.38g/cm)を混合させて、目付が597g/mのウエブを作製した後、この混合ウエブを加熱圧縮した不織布ウエブ(厚み1.8mm)が提案されている。この吸音材は、800Hz〜1000Hzの周波数域における音に対する吸音率に優れることが記載されている。
しかし、特許文献2、3に記載された吸音材は、メルトブローン不織布の厚みが2mm以下と薄い。ポリプロピレンとポリエステルの混合ウエブを含むものであるため、リサイクル性が劣る問題点がある。
ところで、メルトブローン不織布は、紡糸ノズルから吐出した溶融樹脂を空気ノズルから噴出される加熱空気により延伸し、得られた前記樹脂の極細繊維をスクリーン担持体上に集積させることにより製造される。一般的なメルトブローン不織布の特徴として、溶融樹脂吐出時に生じる繊維の融着による太繊維の発生や、延伸切れに起因するポリマー球の発生を少量に抑えて紡糸することが難しい点が挙げられる。かかる情況に鑑みて、均一性が高く、高性能となり得るメルトブローン不織布が切望されている。
特許文献4には、数平均繊維径が1μm以下の極細メルトブローン不織布を製造する際に、ダイと吸引ロールとの間隔を30〜100mmの範囲内に設定することが開示されている。この方法では、溶融樹脂は1,000〜2,000g/10分のメルトフローレート(MFR)を有するポリプロピレンが好ましく、1,000g/10分未満であると、吐出繊維同士が融着しやすくなって繊維径分布が広くなり、繊維切れも起こりやすくなり、2,000g/10分を超えると、繊維が短くなり不織布の強度が低下することが記載されている。しかし、この方法では、厚みのある、中周波数域での吸音率が高い不織布を製造できない。
また、特許文献5には、MFR1,300g/10分のポリプロピレンを溶融樹脂に用いて、平均繊維径0.56μmの極細繊維を製造する装置が開示されているが、製造された不織布の特性に言及していない。
特開2003−049351号公報(特許請求の範囲、段落[0012]、実施例等) 特開2009−057663号公報(特許請求の範囲、段落[0061]等) 特開2015−212442号公報(特許請求の範囲、段落[0006]、[0065]等) 特許第5905400号公報(特許請求の範囲、段落[0021]等) 特開2014−088639号公報(特許請求の範囲、段落[0021]等)
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、軽量で、厚みがあり、均一性及びリサイクル性に優れ、吸音材用途に好適なメルトブローン不織布を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のメルトブローン不織布を用いた吸音材であって、500〜2000Hzまでの中周波数域で良好な吸音性を有する吸音材を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のメルトブローン不織布を用いた吸音材であって、2000Hz以上の高周波数域で良好な吸音性を有する吸音材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、メルトブローン装置を用いたメルトブローン不織布の製造について鋭意検討を行った結果、メルトフローレート値の大きいプロピレン系樹脂を原料樹脂に用い、紡糸ノズルと、ノズルから吐出した溶融樹脂を集積するスクリーン担持体との間隔を広くし、ノズルから吐出した溶融樹脂の一部または全部を、空気中で切断させてスクリーン担持体上に集積することにより、従来では得られなかった厚み5〜10mm以上のメルトブローン不織布が得られること、更には、当該メルトブローン不織布は吸音率が良好であり、吸音材として好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) メルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)が2,000g/10分以上のプロピレン系樹脂原料から製造されるメルトブローン不織布であって、
平均繊維径が0.7〜4.0μm、2.0μm超の繊維径積算頻度が5%以上の範囲にあるプロピレン系樹脂繊維からなり、
JIS L 1913:2010(フラジール形法)に準じて測定した通気量が1〜15cc/cm・secであり、かつ、
JIS L 1913:2010に準じて測定した保水率が200%以下であることを特徴とするメルトブローン不織布。
(2)荷重0.13g/cmの条件下で測定された厚みが5〜50mmである前記(1)に記載のメルトブローン不織布。
(3)目付が100〜1,000g/m、密度が0.01〜0.04g/cmであり、かつ、KESに従い測定された圧縮荷重−圧縮歪み曲線の直線性であるLC値が0.3〜0.6である前記(1)または(2)に記載のメルトブローン不織布。
(4)KESに従い測定された圧縮レジリエンスであるRC値が30〜50%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のメルトブローン不織布。
(5)KESに従い測定された圧縮仕事量であるWC値が5〜30N・m/mである前記(1)〜(4)のいずれかに記載のメルトブローン不織布。
(6)JIS L 1913:2010(カンチレバー法)に準じて測定した長手(たて)方向及び幅(よこ)方向の剛軟度が、それぞれ60mm以上である前記(1)〜(5)のいずれかに記載のメルトブローン不織布。
)前記(1)〜()のいずれかに記載のメルトブローン不織布を有することを特徴とする吸音材。
)車両用である前記()に記載の吸音材。
)溶融プロピレン系樹脂を、幅方向に直線一列に間隔を置いて配置された多数の直径200μm以下の孔径を有する紡糸ノズル列から吐出し、前記ノズル列の両側に設けられた熱風を噴出する空気ノズルにより、前記紡糸ノズルから吐出した溶融プロピレン系樹脂を前記空気ノズルから噴出する加熱空気により延伸し、前記ノズル列と対向して配置された随伴気流を吸引するスクリーン担持体上に吹き飛ばすと共に集積して極細繊維不織布を製造するメルトブローン装置において、前記紡糸ノズル列先端と前記スクリーン坦持体上との間隔を45cm以上とすることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載のメルトブローン不織布の製造方法。
10)前記直径200μm以下の孔径が同一径である前記()に記載のメルトブローン不織布の製造方法。
本発明のメルトブローン不織布は、軽量で、厚みがあって、均一性に優れている。プロピレン系樹脂のみを用いているためリサイクル性にも優れている。このメルトブローン不織布は、保水率が低く、吸音率などの特性に優れているため、メルトブローン不織布のみで、または、フェルトやスパンボンド不織布などの他の材料と積層することにより、吸音材として利用することができる。車両用吸音材などとして用いた場合には、保水率が低いため、雨水が侵入しても安定した吸音性が得られるだけでなく、カビ・菌が原因の悪臭が発生し難い。
平均繊維径が比較的小さいメルトブローン不織布を用いた吸音材は、500〜2000Hz前後の中周波数域で良好な吸音性を有するため、中周波数の音を吸音したい部位に使用する車両用吸音材などとして好適である。繊維径が比較的大きいメルトブローン不織布を用いた吸音材は、高周波数域で良好な吸音性を有するため、高周波数域の音を吸音したい部位に使用する車両材吸音材などとして好適である。
本発明のメルトブローンン不織布の製造方法は、従来のメルトブローン装置において、紡糸ノズル列先端と坦持体上との間隔を広げるだけなので、厚みのある不織布を容易に製造することができる。
実施例1で得たメルトブローン不織布の繊維径分布を示す図である。 実施例3で得たメルトブローン不織布の繊維径分布を示す図である。 実施例5で得たメルトブローン不織布の繊維径分布を示す図である。 実施例7で得たメルトブローン不織布の繊維径分布を示す図である。 比較例1で得たメルトブローン不織布の繊維径分布を示す図である。 平均繊維径が異なるメルトブローン不織布について、垂直入射吸音率測定結果を示す図である。 メルトブローン不織布とスパンボンド不織布を積層した吸音材の垂直入射吸音率測定結果を示す図である(実施例9)。 音の入射面の違いによる吸音材の垂直入射吸音率測定結果を示す図である(実施例10)。 メルトブローン不織布とスパンボンド不織布を積層した吸音材の垂直入射吸音率測定結果を示す図である(実施例11)。 吸音材の垂直入射吸音率測定結果を示す図である(実施例12)。 実施例1で得たメルトブローン不織布の電子顕微鏡写真である。 実施例3で得たメルトブローン不織布の電子顕微鏡写真である。 実施例5で得たメルトブローン不織布の電子顕微鏡写真である。 実施例7で得たメルトブローン不織布の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得たメルトブローン不織布の電子顕微鏡写真である。
本発明のメルトブローン不織布は、溶融プロピレン系樹脂を、幅方向に直線一列に間隔を置いて配置された多数の小を有する紡糸ノズル列から吐出し、前記ノズル列の両側に設けられた熱風を噴出する空気ノズルにより、前記紡糸ノズルから吐出した溶融プロピレン系樹脂を前記空気ノズルから噴出する加熱空気により延伸し、前記ノズル列と対向して配置された随伴気流を吸引するスクリーン担持体上に吹き飛ばすと共に集積して極細繊維不織布を製造するメルトブローン装置において、前記紡糸ノズル列先端と前記スクリーン坦持体上との間隔を45cm以上とすることにより得られる。
前記メルトブローン装置としては、公知の装置であって良い。例えば、特開2014−088639号公報の図1及び図2などに記載されている極細繊維不織布の製造装置は好ましい例である。
前記間隔は45〜90cmの範囲が好ましく、50〜80cmの範囲がより好ましい。前記間隔を45cm以上とすることにより、平均繊維径が0.7μm〜4.0μmの範囲で、かつ厚みのあるメルトブローン不織布を得ることができる。一方、前記間隔を90cm以下とすることにより、吐出した溶融プロピレン系樹脂がスクリーン担持体上に堆積するまでの間に延伸切れを起こして繊維が極端に短くなったり、不織布強度が極端に低下したりするのを防止することができる。
前記メルトブローン装置において、ノズル孔径は、直径200μm以下が好ましく、より好ましくは100〜200μmである。メルトブローン不織布の均一性を保持する観点からは、多数の小が同一径であることが好ましい。
紡糸ノズル列からの吐出方向は特に限定されない。例えば、水平方向(横方向)、垂直方向などであって良い。メルトブローン不織布の目付及び均一性を保持できる点からは垂直方向が好ましい。
プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体などが挙げられる。その中でも、プロピレンの単独重合体が好ましい。
プロピレン系樹脂は、メルトフローレート(MFR)(ISO1133に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定)が1,300g/10分以上であることが好ましい。より好ましくは1,500g/10分以上であり、特に好ましくは2,000/10分以上、3,000g/10分以下である。
なお、溶融プロピレン系樹脂中には、本発明による効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、安定剤、顔料、染料、難燃剤などが含まれていても良い。
本発明のように、メルトフローレートの大きいプロピレン系樹脂を用いることにより、紡糸ノズルから吐出した溶融プロピレン系樹脂が、スクリーン担持体上に吹き飛ばされるまでの間に延伸切れを起こし易くなり、切断された極細繊維不織布が集積された厚みのあるメルトブローン不織布が得られる。
上記の方法で製造される本発明のメルトブローン不織布は、平均繊維径が0.7〜4.0μm、2.0μm超の繊維径積算頻度が5%以上の範囲にあるプロピレン系樹脂繊維からなることが重要である。平均繊維径が前記範囲外になると、特に中周波数域における吸音率が低下する傾向が見られる。平均繊維径が前記範囲内にある場合でも、2.0μmを超える繊維径の積算頻度が5%未満の場合は、中高周波数域において安定した吸音性が得られ難くなる。2.0μmを超える繊維径の積算頻度は10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。一方、2.0μm超の繊維径積算頻度が高くなり過ぎると、不織布の均一性が損なわれる恐れがあるため、50%以下であることがより好ましい。
メルトブローン不織布の平均繊維径は、好ましくは1.0〜4.0μmの範囲であり、より好ましくは1.0〜3.0μmの範囲である。平均繊維径が1.0μm以上であると通気量及び低保水率を確保し易くなることで、施工性、耐久性が向上し、3.0μm以下であると中高周波数域において高い吸音性を示すようになる。
本発明のメルトブローン不織布は、平均繊維径により音の吸収帯域が異なる点に特徴を有している。即ち、平均繊維径が1.0μm〜3.0μmの範囲にある場合は、中高周波数域において高い吸音率を示す。平均繊維径が3.0μm〜4.0μmの範囲にある場合は、中周波数域における吸音率は低いが、高周波数域において高い吸音率を示す。また、平均繊維径が0.7μm以上1.0μm未満の範囲にある場合は、中周波数域においてのみ高い吸音率を示し、高周波数域における吸音率は低い。本発明のメルトブローン不織布の吸音率が上記の挙動を示す理由は明らかではないが、以下のように推察される。
音波が固体壁にて反射されたときに定在波が形成され、固体壁からλ/4 (λ=音の波長)の位置で音波のエネルギーが最大値を示すので、λ/4の厚みをもった不織布を配置すれば、特に垂直入射の場合に効果的に吸音されると言われている。
一方、比較例3では、後記の図6及び図9に示されるように、吸音材の厚みを増やしていくと、周波数の低い方の吸音率が高くなってくる。この現象は、従来の固体壁で完全反射して形成される定在波の最大振幅の位置まで、空気振動を熱エネルギーに変換する材料があれば吸音されることで、概略説明される。
(参考資料1)Journal of the Korean Physical Society, Vol.50, No.4, April 2007, pp.1044-1051“Sound Absorption of Micro-Perforated Panel”
(参考資料2)繊維学会誌(Received 13 May, 2005; Accepted)“Studies on the Sound Absorption Properties of Paper Attached to Non-woven Fabric and the Specific Role of the Paper in Sound Absorption”
上記した特徴より、本発明のメルトブローン不織布は、中周波数域、中高周波数域及び高周波数域で良好な吸音性を有する吸音材となり得るため、ニーズに応じて種々吸音材を提供することができる。
また、本発明のメルトブローン不織布は、JIS L 1913:2010に準じて測定した通気量(フラジール形法)が、1〜50cc/cm・secの範囲であることが好ましい。より好ましくは1〜30cc/cm・sec、さらに好ましくは1〜15cc/cm・secの範囲である。通気量が50cc/cm・secを超えると吸音率が低下する。一方、通気量が1cc/cm・sec未満では、風の通過性が悪くなるため通過時の抵抗(圧損)が高くなる。
この特性により、本発明のメルトブローン不織布は、吸音材用途に好適なものとなる。
また、本発明のメルトブローン不織布の特徴は、JIS L 1913:2010に準じて測定した保水率が200%以下である。より好ましくは100%以下、さらに好ましくは50%以下である。一般的なメルトブローン不織布のように、前記紡糸ノズル列先端と前記スクリーン坦持体上との間隔が45cm未満の場合は、ノズルから吐出された溶融プロピレン系樹脂が切断されることなく連続糸として担持体上に集積される。そのため、保水性の高いメルトブローン不織布が得られる。一方、本発明のメルトブローン不織布は、一部または全部が非連続糸(いわゆる短繊維)であるため、一般的なメルトブローン不織布に比して保水率が低い。
この特性により、本発明のメルトブローン不織布を用いた吸音材は、雨水や泥水の滞留を抑制でき、吸音材の劣化、吸音率の低下、吸音材内部のカビ・細菌の発生・増殖を抑制できる。かかる特性を利用すれば、各種フィルター類、断熱材などにも好適に用いることができる。
本発明のメルトブローン不織布は、荷重0.13g/cmの条件下で測定された厚みが、5〜50mmであることが好ましい。より好ましくは10〜50mm、さらに好ましくは15〜40mmである。厚みが不足すると吸音率が低下する傾向がある。一方、厚みが厚くなるほど吸音率は高くなるが、生産性が低下し経済性が悪化する。
メルトブローン不織布の目付及び密度は、目付が100〜1,000g/m、密度が0.01〜0.04g/cmであることが好ましい。目付は、より好ましくは150〜800g/m、さらに好ましくは200〜700g/mである。目付が100g/m以上であると、吸音率が良好になる傾向がある。また、目付が1,000g/m以下であると、生産性が著しく悪化することがない。
本発明のメルトブローン不織布は、KESに従い測定された圧縮荷重−圧縮歪み曲線の直線性であるLC値が0.3〜0.6の範囲にあることが好ましい。LC値は、その値が小さいほど、圧縮初期のつぶれ易さが良好であることを意味する。即ち、均一性の高い不織布が形成されている。前記LC値は、より好ましくは0.4〜0.5の範囲である。これにより、潰れ易く、圧縮し易い、より高密度状態が作り出し易い。
同様にKESによる評価から、圧縮仕事量であるWC値や圧縮レジリエンスであるRC値を得ることができる。メルトブローン不織布のWC値が5〜30N・m/mの範囲であると、高密度状態である不織布が容易に得られる。より好ましくは、10〜20N・m/mの範囲である。また、メルトブローン不織布のRC値が30〜50%であると、吸音性、均一性が良好となる。より好ましくは、40〜50%である。
本発明のメルトブローン不織布は、JIS L 1913:2010に準じて測定したカンチレバー法による長手(たて)方向及び幅(よこ)方向の剛軟度が60mm以上であることが好ましい。即ち、たて方向とよこ方向の剛軟度の差が非常に小さい。このことは、メルトブローン不織布の均一性が良好であることを示す。カンチレバー法による長手(たて)方向及び幅(よこ)方向の剛軟度は、より好ましくは70mm以上、さらに好ましくは80mm以上である。
本発明のメルトブローン不織布は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の不織布、フェルト、布帛(織物、編物)、フィルム、紙等の材料と積層して用いても良い。積層は、メルトブローン不織布の片面だけでも良く、両面でも良い。同一または異なる平均繊維径を有するメルトブローン不織布を2枚上重ねて積層しても良い。積層する場合の積層順や積層数は特に制限されない。
本発明のメルトブローン不織布を他の材料と積層する場合は、ニードルパンチ、ウォータージェットパンチ等の機械交絡法、接着剤による接着法、熱融着法、熱エンボス、超音波接着、接着樹脂によるシンター接着法、熱接着シートによる接着法、縫合法など種々の公知の方法を採用することができる。接着法は点接着、部分接着、全面接着など適宜な方法を用いて良い。
上記他の材料なかでも、他の不織布やフェルトと積層することが、本発明のメルトブローン不織布の特性を活かせる点で好ましい。他の不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、ウォータージェットパンチ不織布、メルトブローン不織布、サーマルボンド不織布などが挙げられる。他の不織布やフェルトの厚さは特に限定されず、薄いものであれば0.01〜2mm(より好ましくは0.05〜1mm)程度のものが良い。厚いものであれば2〜30mm(より好ましくは5〜20mm)程度のものが良い。
他の不織布やフェルトの素材(原料樹脂)としては、リサイクル性を考慮するとプロピレン系樹脂が好ましい。本発明のメルトブローン不織布と同一樹脂で構成されていると、例えば車両用として大量に使用される吸音材のリサイクルが容易となり、他素材を使った場合に必要となる分解作業が不要となることで、リサイクル性が向上する。
本発明のメルトブローン不織布は、熱処理、ロール加工、賦形加工などの二次加工を施して用いても良い。
本発明のメルトブローン不織布を有する本発明の吸音材は、その目的や用途に合せて公知の方法を適用して適宜な厚さ、大きさ、形状等に加工することにより、種々用途に用いることができる。
例えば、車両(自動車、貨車、航空機など)や船舶の内装材、外装材などに好適に使用することができる。例えば、自動車のエンジンルームの内装材や外装材、天井材、リアパッケージ、ドアトリム、ダッシュボードなどの内装材などが挙げられる。その他、建物の壁材、冷蔵庫、掃除機、エアコンなどの電化製品などに用いることができる。
本発明のメルトブローン不織布は、吸音材以外の用途にも用いることができる。ポリプロピレン系樹脂を素材としていることから、耐薬品性に優れているので、微粒子捕集機能が要求される、例えばエアコン、空気清浄機、自動車用などのエアフィルター;電極間の絶縁性に優れているので、例えば電池セパレータ;濾過フィルター;油吸着材;断熱材;紙おむつなどが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における各特性値の測定方法は次の通りである。
[繊維径及び積算頻度]
メルトブローン不織布について、(株)日立製作所製電子顕微鏡S−3400を用いて倍率5,000倍の写真を撮影した。任意に100本を選び、その繊維の幅(直径)を測定し、平均径と2.01μm以上の繊維径積算頻度を百分率にて算出した。
[厚さ(製造時)]
スケールを用い、荷重が0.13g/cm時の厚さを測定した。
[目付]
JIS L 1913:2010 一般不織布試験方法 6.2 単位面積当たりの質量(g/m)(ISO法)。試験片の大きさ:200×250mm。試験片の枚数:3枚。
[引張強さ及び伸び率]
JIS L 1913:2010 一般不織布試験方法 6.3.1 引張強さ及び伸び率(ISO法)標準時。定速伸長形引張試験機使用(ロードセル定格:50N)。
引張速度:100mm/min
つかみ間隔:200mm
測定回数:5回。
[引裂強さ]
JIS L 1913:2010 一般不織布試験方法 6.4.3 引裂強さ シングルタング法(JIS法)。定速伸長形引張試験機使用(ロードセル定格:500N)。
引張速度:200mm/min
つかみ間隔:100mm
測定回数:5回。
[剛軟度]
JIS L 1913:2010 一般不織布試験方法 6.7.3 剛軟度 41.5°カンチレバー法(ISO法)により全平均の曲げ長さ(mm)を測定。測定回数:6回。
[通気性]
JIS L 1913:2010 一般不織布試験方法 6.8.1 通気性(JIS法) フラジール形法。測定回数:3回。
[吸水性]
JIS L 1913:2010 一般不織布試験方法 6.9.2 吸水性(JIS法)保水率。水温:21.0℃。測定枚数:3枚。保水率は次式により算出。
保水率(%)={(m−m)/m}×100
:試験片の標準状態での質量(mg)
:試験片を湿潤し、水を滴り落とした後の質量(mg)
[圧縮特性試験]
KES-G5 ハンディー圧縮試験機(カトーテック株式会社)使用。
圧縮速度:0.5cm/sec
加圧面積:2cm
圧縮上限荷重:4,900N/m
測定回数:5回。
[熱伝導率]
KES-F7 精密迅速熱物性測定装置(カトーテック株式会社)使用。
熱板(BT−box)の設定温度:30℃
冷却ベースの設定温度:20.0℃
BT−Boxの熱板面積:25cm
測定回数:3回。熱伝導率は次式により算出。
熱伝導率(k)=W×D/A×△T
W:BT−boxの熱流量(W)
D:試料の厚さ(cm)
A:BT−boxの熱板面積(cm2)
△T=(BT−boxの温度)−(冷却ベースの温度)
[吸音率]
JIS A 1405−2 垂直入射吸音率測定器(ブリュエルケアージャパン社製)により実施。
(実施例1)
熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体(MFR:2,000g/10分)(ASTMD1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定)を用い、小ノズルとしてノズル径0.15mmφのメルトブローン用紡糸ノズルを装着したメルトブローン不織布製造装置を用い、押出し温度260℃、紡糸ノズルの両側から吹き出す加熱エア(温度:270℃)を用いて、ホットエア圧力0.6kg/m、エア量360Nm/h、吐出量3.8kg/hで細化・固化した後、この繊維を紡糸ノズルからの距離78cmでスクリーン担体上に集積し、厚さ13.5mmのメルトブローン不織布を得た。
メルトブローン不織布の繊維径分布を図1、電子顕微鏡写真を図11に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で吐出時間を長くし、厚さ19.8mmのメルトブローン不織布を得た。
(実施例3)
実施例1において、ホットエア圧力を0.4kg/m、エア量300Nm/hに変更した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ16.0mmのメルトブローン不織布を得た。
メルトブローン不織布の繊維径分布を図2、電子顕微鏡写真を図12に示す。
(実施例4)
実施例3と同様の方法で吐出時間を長くし、厚さ19.4mmのメルトブローン不織布を得た。
(実施例5)
実施例1において、ホットエア圧力を0.3kg/m、エア量260Nm/hに変更した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ12.5mmのメルトブローン不織布を得た。
メルトブローン不織布の繊維径分布を図3、電子顕微鏡写真を図13に示す。
(実施例6)
実施例5と同様の方法で吐出時間を長くし、厚さ21.9mmのメルトブローン不織布を得た。
(実施例7:参照例
熱可塑性樹脂をプロピレン単独重合体(MFR:1,300g/10分)(測定条件は実施例1と同じ)に変更した以外は、実施例3と同様の方法で厚さ8.7mmのメルトブローン不織布を得た。
メルトブローン不織布の繊維径分布を図4、電子顕微鏡写真を図14に示す。
(実施例8:参照例
熱可塑性樹脂をプロピレン単独重合体(MFR:1,300g/10分)(測定条件は実施例1と同じ)に変更した以外は、実施例5と同様の方法で吐出時間を長くし、厚さ16.3mmのメルトブローン不織布を得た。
(比較例1)
実施例1において、ホットエア圧力を0.2kg/m、エア量を200Nm/hに変更した以外は、実施例1と同様の方法で吐出時間を長くし、厚さ20.6mmのメルトブローン不織布を得た。
メルトブローン不織布の繊維径分布を図5、電子顕微鏡写真を図15に示す。
(比較例2)
市販のメルトブローン不織布を用いた。実測した厚さは12.3mmであった。
(比較例3)
比較例2に用いたメルトブローン不織布を2枚積層した。実測した厚さは22.8mmであった。
上記試験条件ならびに製造されたメルトブローン不織布の特性を表1に示す。
(メルトブローン不織布の吸音率)
実施例2、4、6、8で得た平均繊維径が異なるメルトブローン不織布(厚さ約16〜22mm)、及び比較例1、3で得たメルトブローン不織布(厚さ約21〜23mm)について、吸音率を測定した。測定はメルトブローン不織布部分を音源側にして取り付けて行った。結果を図6に示す。
図6の結果から、実施例1のメルトブローン不織布(平均繊維径1.44μm)は、中高周波数域における吸音率が良好であった。
実施例4(平均繊維径2.40μm)及び実施例6(平均繊維径3.82μm)のメルトブローン不織布は、中周波数域での吸音率は実施例2に比べると低いが、中周波数域から高周波数域まで吸音率が高い値を示した。
実施例8のメルトブローン不織布(MFR1,300g/10分のPP樹脂使用、平均繊維径1.82μm)は、中周波数域における吸音率が良好であったが、3000Hz以降の高周波数の吸音率が劣っていた。
比較例1(平均繊維径6.79μm)及び比較例3のメルトブローン不織布は、中周波数域における吸音率が劣っていた。
図6の結果より、平均繊維径が0.7〜4.0μmの範囲のメルトブローン不織布は、中周波数域での吸音性に優れていることが分かる。
(実施例9)
実施例2、4、6及び比較例3のメルトブローン不織布と、厚さ0.15mmのスパンボンド不織布との積層体(吸音材)の吸音率を測定した。積層は接着剤なし(非接着)、接着剤あり(低融点樹脂をばらまいた後、熱接着させたもの)の2種について試験した。測定はメルトブローン不織布部分を音源側にして取り付けて行った。結果を図7に示す。
図7の結果から、実施例2のメルトブローン不織布(平均繊維径1.44μm)は、接着の有無にかかわらず、中周波数域における吸音率が良好であった。実施例4(平均繊維径2.40μm)及び実施例6(平均繊維径3.82μm)のメルトブローン不織布は、中周波数から高周波数域における吸音率が安定していた。
(実施例10)
実施例2及び比較例3のメルトブローン不織布と、厚さ0.15mmのスパンボンド不織布との積層体(吸音材)の吸音率を測定した。積層は接着剤ありとした。結果を図8に示す。
図8の結果から、実施例2で製造したメルトブローン不織布を積層した吸音材は、比較例3のメルトブローン不織布を積層した吸音材に比べ、中周波数域での吸音率が良好であった。メルトブローン不織布を音源側に配置することにより中周波数域における吸音率が高くなる傾向を示した。
(実施例11)
実施例1、3、5及び比較例2のメルトブローン不織布(厚さ約10mm)と、厚さ0.15mmのスパンボンド不織布との積層体(吸音材)の吸音率を測定した。積層は、実施例9と同様、接着剤ありなしの2種とした。測定はメルトブローン不織布部分を音源側にして取り付けて行った。結果を図9に示す。
図9の結果から、実施例1、3、5で製造したメルトブローン不織布を積層した吸音材は、接着剤ありなしに拘わらず中周波数から高周波数域における吸音性が良好であった。同じ厚みの比較例2のメルトブローン不織布を積層した吸音材に比べて、中周波数から高周波数域における吸音性に優れていた。
図7及び図9の結果から、本発明のメルトブローン不織布は、ある程度の厚みを持たせることで、中周波数域で優れた吸音性を示すことが分かる。
(実施例12)
実施例1、実施例7で得たメルトブローン不織布と、厚さ10mmのフェルトとの積層体(吸音材)、厚さ10mmのフェルトを2枚積層し厚み20mmとしたもの、及び比較例3の吸音材の吸音率を測定した。測定はメルトブローン不織布部分を音源側にして取り付けて行った。結果を図10に示す。
図10の結果から、実施例1で作製したメルトブローン不織布は、実施例7及び比較例3のメルトブローン不織布に比べて、中周波数域から高周波数域における吸音率が良好であった。
本発明のメルトブローン不織布及びそれを有する吸音材は、車両用吸音材をはじめ、各種用途に利用することができる。

Claims (10)

  1. メルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)が2,000g/10分以上のプロピレン系樹脂原料から製造されるメルトブローン不織布であって、
    平均繊維径が0.7〜4.0μm、2.0μm超の繊維径積算頻度が5%以上の範囲にあるプロピレン系樹脂繊維からなり、
    JIS L 1913:2010(フラジール形法)に準じて測定した通気量が1〜15cc/cm・secであり、かつ、
    JIS L 1913:2010に準じて測定した保水率が200%以下であることを特徴とするメルトブローン不織布。
  2. 荷重0.13g/cmの条件下で測定された厚みが5〜50mmである請求項1に記載のメルトブローン不織布。
  3. 目付が100〜1,000g/m、密度が0.01〜0.04g/cmであり、かつ、KESに従い測定された圧縮荷重−圧縮歪み曲線の直線性であるLC値が0.3〜0.6である請求項1または2に記載のメルトブローン不織布。
  4. KESに従い測定された圧縮レジリエンスであるRC値が30〜50%である請求項1〜3のいずれかに記載のメルトブローン不織布。
  5. KESに従い測定された圧縮仕事量であるWC値が5〜30N・m/mである請求項1〜4のいずれかに記載のメルトブローン不織布。
  6. JIS L 1913:2010(カンチレバー法)に準じて測定した長手(たて)方向及び幅(よこ)方向の剛軟度が、それぞれ60mm以上である請求項1〜5のいずれかに記載のメルトブローン不織布。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のメルトブローン不織布を有することを特徴とする吸音材。
  8. 車両用である請求項に記載の吸音材。
  9. 溶融プロピレン系樹脂を、幅方向に直線一列に間隔を置いて配置された多数の直径200μm以下の孔径を有する紡糸ノズル列から吐出し、前記ノズル列の両側に設けられた熱風を噴出する空気ノズルにより、前記紡糸ノズルから吐出した溶融プロピレン系樹脂を前記空気ノズルから噴出する加熱空気により延伸し、前記ノズル列と対向して配置された随伴気流を吸引するスクリーン担持体上に吹き飛ばすと共に集積して極細繊維不織布を製造するメルトブローン装置において、前記紡糸ノズル列先端と前記スクリーン坦持体上との間隔を45cm以上とすることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のメルトブローン不織布の製造方法。
  10. 前記直径200μm以下の孔径が同一径である請求項に記載のメルトブローン不織布の製造方法。
JP2017181965A 2017-09-22 2017-09-22 メルトブローン不織布及びその用途ならびにその製造方法 Expired - Fee Related JP6349019B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017181965A JP6349019B1 (ja) 2017-09-22 2017-09-22 メルトブローン不織布及びその用途ならびにその製造方法
PCT/JP2018/035123 WO2019059360A1 (ja) 2017-09-22 2018-09-21 メルトブローン不織布及びその用途ならびにその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017181965A JP6349019B1 (ja) 2017-09-22 2017-09-22 メルトブローン不織布及びその用途ならびにその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6349019B1 true JP6349019B1 (ja) 2018-06-27
JP2019056190A JP2019056190A (ja) 2019-04-11

Family

ID=62706247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017181965A Expired - Fee Related JP6349019B1 (ja) 2017-09-22 2017-09-22 メルトブローン不織布及びその用途ならびにその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6349019B1 (ja)
WO (1) WO2019059360A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021066997A (ja) * 2021-01-27 2021-04-30 エム・テックス株式会社 ナノファイバー集積体

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102574822B1 (ko) * 2021-05-26 2023-09-04 타피러스 컴퍼니 리미티드 멜트블로우 부직포 및 이를 포함하는 필터
CN117230572A (zh) * 2023-09-18 2023-12-15 浙江杰上杰新材料股份有限公司 一种高端装备用中低频段吸音功能性纳米纤维的制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000148157A (ja) * 1998-09-07 2000-05-26 Toray Ind Inc 吸音材
JP2013147771A (ja) * 2012-01-20 2013-08-01 Mitsui Chemicals Inc メルトブローン不織布、その用途、及びその製造方法
JP2014059537A (ja) * 2012-08-22 2014-04-03 Kureha Ltd 吸音材用複合不織布
JP2017066575A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 繊維集合体及び吸音材
JP2017515010A (ja) * 2014-05-07 2017-06-08 バイアックス ファイバーフィルム 不織ウェブ
WO2017110057A1 (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 繊維集合体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000148157A (ja) * 1998-09-07 2000-05-26 Toray Ind Inc 吸音材
JP2013147771A (ja) * 2012-01-20 2013-08-01 Mitsui Chemicals Inc メルトブローン不織布、その用途、及びその製造方法
JP2014059537A (ja) * 2012-08-22 2014-04-03 Kureha Ltd 吸音材用複合不織布
JP2017515010A (ja) * 2014-05-07 2017-06-08 バイアックス ファイバーフィルム 不織ウェブ
JP2017066575A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 繊維集合体及び吸音材
WO2017110057A1 (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 繊維集合体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021066997A (ja) * 2021-01-27 2021-04-30 エム・テックス株式会社 ナノファイバー集積体
JP7105508B2 (ja) 2021-01-27 2022-07-25 エム・テックス株式会社 ナノファイバー集積体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019056190A (ja) 2019-04-11
WO2019059360A1 (ja) 2019-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2889407B1 (en) Melt-blown nonwoven fabric and use thereof
JP4855557B1 (ja) 発泡成形用不織布積層体
JP5863474B2 (ja) メルトブローン不織布、その用途、及びその製造方法
EP3579224A1 (en) Laminate sound-absorbing material including ultrafine fiber
KR102601130B1 (ko) 적층 흡음재
JP2006047628A (ja) 吸音断熱材
JP6349019B1 (ja) メルトブローン不織布及びその用途ならびにその製造方法
KR20200088443A (ko) 부직포, 및 이것을 표피재로서 이용한 복합 흡음재
KR20200102448A (ko) 적층 흡음재
JP2018169555A (ja) 極細繊維を含む積層吸音材
JP6646267B1 (ja) 積層吸音材
JP2006285086A (ja) 吸音断熱材
JP2016137636A (ja) 多層成形用シート及びシート成形体
JP6774042B2 (ja) 積層吸音材
JP3972296B2 (ja) 吸音材及び車両用内装材
JP2019151963A (ja) 積層不織布および吸音材
JP2008290642A (ja) 吸音材およびその製造方法
US20220410525A1 (en) Layered sound-absorbing material
JP2018146942A (ja) 極細繊維を含む積層吸音材
JP6642810B2 (ja) 積層吸音材
WO2023190398A1 (ja) 吸音材
JP2023154570A (ja) 吸音材、吸音方法及び吸音材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180529

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6349019

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees