JP3498085B1 - 超軽量な防音材 - Google Patents

超軽量な防音材

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JP3498085B1
JP3498085B1 JP2003084707A JP2003084707A JP3498085B1 JP 3498085 B1 JP3498085 B1 JP 3498085B1 JP 2003084707 A JP2003084707 A JP 2003084707A JP 2003084707 A JP2003084707 A JP 2003084707A JP 3498085 B1 JP3498085 B1 JP 3498085B1
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亨 井上
雅樹 石川
洋平 石川
宗平 松山
秀行 森
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株式会社タケヒロ
豊田紡織株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】人の会話に係る周波数帯の騒音レベルを低減す
ることで、車室内での会話明瞭度を効率よく改善する。 【解決手段】このダッシュサイレンサ1は、空気層を持
った吸音層2と、非通気性の共振層3と、吸音層2と非
通気性の共振層3とを接着する接着層4の3層構造から
構成され、吸音層2は厚さ1〜50mm、密度0.02〜
0.10g/cm3であり、、好ましくは0.03〜0.
08g/cm3の軽量な吸音層と、該吸音層と接着層を介し
て接着する目付量は200g/m2以下、好ましくは10
0g/m2以下非通気性の共振層とからなり前記接着層の
前記吸音層と非通気性の共振層のその接着強度が剥離幅
25mmで180度の剥離にて1〜20N/25mm、好ま
しくは3〜10N/25mmである接着面積を前記吸音層
と非通気性の共振層の全界面に対して、50〜100
%、好ましくは80%〜100%の面積で接着された超
軽量な防音材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンルームな
どの非車室内側における騒音を車室内に伝播しないよう
にする超軽量な防音材に関し、特に、軽量な構造にし
て、車室内への騒音を吸収できる超軽量な防音材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特表2000−516175 車両においてノイズ低減と断熱とをもたらすよう、特
に、フロア遮音や端部壁遮音やドアカバーや屋根内側カ
バーにおいて、吸音性かつ遮音性かつ振動減衰性かつ断
熱性のカバーを形成するための多機能キット(41)で
あって、少なくとも1つの面状車体パーツ(11)と、
複数層からなるノイズ低減アセンブリパッケージ(4
2)と、を具備してなり、前記アセンブリパッケージ
は、少なくとも1つのポーラスなスプリング層(13)
とりわけ開放ポアを有したフォーム層を備え、前記アセ
ンブリパッケージ(42)と前記面状車体パーツとの間
には、空気層(25)が設けられ、遮音性と吸音性と振
動減衰性とを最適に組み合わせるのに好適であるような
超軽量キット(41)を形成するために、前記多層アセ
ンブリパッケージ(42)は、重量層を有していないア
センブリパッケージであって、微小ポーラスを有した硬
質層(14)とりわけ開放ポアを有したファイバ層また
はファイバ/フォーム複合体層を備え、前記硬質層(1
4)は、Rt=500Nsm-3〜Rt=2500Nsm-3
いう空気流に対しての総抵抗を有し、とりわけ、Rt=
900Nsm-3〜Rt=2000Nsm-3という空気流に
対しての総抵抗を有し、および、mF=0.3kg/m2
mF=2.0kg/m2という単位面積あたりの重量を有
し、とりわけ、mF=0.5kg/m2〜mF=1.6kg/
m2という単位面積あたりの重量を有していることを特徴
とするキットである。この発明によるキットの利点は、
今日自動車産業において好んで使用されているような、
薄いスチールシートまたは軽量アルミニウムシートまた
は有機シートに対して応用した場合に、特に明瞭であ
る。本発明によるキットのさらなる利点は、使用されて
いるポーラススプリング層の熱伝導度が極度に小さいこ
とにある。このため、このようなキットは、良好な音響
特性(すなわち、遮音効果)を示しつつも、良好な断熱
性をも有している。
【0003】
【特許文献2】特開2001−347899 車両用の防音材10であって、車室内側100より順
に、第1の通気性吸音層20、非通気性遮音層30、第
2の通気性吸音層40の順に積層されており、かつ第1
の通気性吸音層20の車室内側には非通気層を有せず、
第2通気性吸音層40の反車室内側にも非通気層を有し
ないことを特徴とし、防音材を通過し車室内側に漏れた
騒音を再吸収するとともに、エンジンルーム外から車室
内に進入してくる騒音も吸収できる防音材を提供するこ
と、かつ、軽量化も考慮した防音材を提供するものであ
る。
【0004】
【特許文献3】特開2002−220009 車体パネル(10)の室内面側に添装される自動車用イ
ンシュレータ(20)であって、このインシュレータ
(20)は、繊維成形体をベースとした吸音層(21)
の単層から構成され、車体パネル(10)を通じて吸音
層(21)内に侵入する騒音を吸音するとともに、吸音
層(21)を透過した透過騒音が車室内のパネル(4
0)内面で反射して、再度表面側から吸音層(21)内
に再帰し、該反射騒音を吸音できる通気型インシュレー
タとして構成されていることを特徴とし、吸音層(2
1)の表裏面のうち少なくとも一方面に、吸音層(2
1)の面密度より高密度に設定された高密度繊維集合体
からなる表皮層(22)が積層されている。また、吸音
層(21)の表裏面のうち少なくとも一方面の全面、あ
るいは一部に発泡樹脂シート材からなる表皮層(27)
が積層されている。これにより、従来の遮音層を廃止す
ることにより、軽量化が図れるとともに、インストルメ
ントパネル40内の音圧上昇を抑え車室内の静粛性を高
める。
【0005】
【特許文献4】特開2002−347194 積層品は、スキン剥離強度が20N/cm以下であり、L
値が60以下であるポリオレフィン系樹脂発泡体と、厚
さが5mm以上、密度が50kg/cm3以下の嵩高性不織
布とを一体成形してなる積層体であって、該積層体の目
付が3kg/m2以下であることを特徴とするものであ
る。これにより、軽量、かつリサイクル性に優れ、成形
加工が容易で外観美麗な積層品を提供できる。
【0006】通気抵抗を利用した表皮層と吸音層の組み
合わせのダッシュサイレンサーが提案されている。従来
からの遮音構造と、特許文献1の構造と透過損失と吸音
力を比較すると以下の通りである。ここで、低周波数と
は1/3オクターブバンド中心周波数で315Hz以下
であり、中周波数は400〜1600Hzで、高周波数
は2000Hz以上である。ここで従来の遮音タイプ構
造(図12参照、以下「図12の構造」という)と、特
許文献1の構造(図13参照、以下「図13の構造」と
いう)と透過損失と吸音力を比較すると以下の通りであ
る。図12の構造のダッシュサイレンサーの総目付量は
6.0kg/m2であり、図13の構造の現状利用されてい
る実効目付量は2.0kg/m2である。これらの製品は自
動車ボディパネルに取り付けられている。このボディパ
ネルの目付量は6.2kg/m2である。図14(a)の透
過損失のグラフから図13の構造では非通気性の表皮層
とパネルで二重壁構造となり、更に、中間に通気抵抗の
ある吸音材を利用することで重量則以上の透過損失を得
ることができる。但し、ゴムシートの目付量が高い為、
低い周波数で大きな透過共鳴が発生し透過損失が大幅に
低下する。図14(a)の透過損失のグラフから図13
の構造では通気の表皮層とパネルで二重壁構造となるが
表皮層が通気するため、高周波数での音漏れが発生し、
重量則以下の透過損失しか得られない。遮音性では図1
3の構造では十分な透過損失を得ることができない。図
14(b)の吸音率のグラフから図12の構造では低周
波数に強い表皮共振による吸音率が向上する周波数が発
生するが、中周波数及び高周波数側で吸音率がほとんど
ない。図14(b)の吸音率のグラフから図12の構造
では通気抵抗の高い表皮層による表皮共振と背後の吸音
層の吸音力を利用して中周波数から高周波数にかけ吸音
力を得ている。実際の自動車静粛性への影響はダッシュ
サイレンサー部では、ダッシュパネルから入射する直接
音より、自動車各部より入射し、反射する間接音が多い
ため、従来構造と比較して特許文献1は大幅に透過損失
は低下しているが、中周波数からの比較的高い吸音力で
車室内の吸音力を向上され、ほぼ同等の車室内の静粛性
を確保する事ができる。更に製品重量で大幅に軽量化で
きるため、最近のダッシュパネル構造として利用されて
きた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両構
造によっては直接音の影響が大きい自動車もあり、この
図13の構造では透過損失が不足し(図14(a)参
照)、車室内の静粛性が確保できないことがある。ま
た、実際の製品は凹凸があり、吸音層の厚さが1〜30
mmも変化する。これにより、高周波数では吸音層の吸音
力を利用している特許文献1の図13の構造では吸音層
の厚さ低減により、吸音力は低下する。更に、吸音層は
厚さ30〜50mmのフェルトを成形して生産されるた
め、薄肉部では通気抵抗が一般面より低下して、十分な
吸音力を得ることができない。本来、特許文献1の構造
のダッシュサイレンサーは吸音力で車室内の静粛性を確
保している為、これにより十分な性能を発揮することが
できなくなるおそれがある。
【0008】また従来の防音材は車室外からの透過音を
低減することを目的にしており、幅広い周波数で良い吸
音力を得ることができるが、車室内の反射音を吸音する
対策が十分ではなく、1/3オクターブバンド中心周波
数で800Hz〜1600Hzが会話明瞭度に重要であ
りこの会話明瞭度の観点から比較的高い1000Hz近
辺の周波数の吸音が不十分である。特許文献2では、図
15に示す通り、1000Hz以上の周波数の吸音は吸
音材の吸音力を利用することから、吸音材の厚さが薄く
なると吸音率が低下する傾向がある。図13の構造の防
音材は車室内での反射音を吸音する機能があるが吸音周
波数の制御の方策が明確でない。特許文献3、4の従来
の防音材では吸音部と表層の界面の拘束状態、表皮部の
通気量で吸音特性、遮音特性が大きく影響されることを
見過ごしている。実際の製品では複雑な形状で界面の接
着強度も必要となり、設計条件と異なる吸音・遮音特性
となるおそれがある。また、狭いスペースでの利用がで
きないおそれがある。
【0009】したがって、本発明は、ボディパネルから
入射する直接音に対する遮音性向上、つまり、透過損失
が低い中周波数からの透過損失の向上を目的とし、実際
の製品の凹凸で吸音層が薄肉化しても十分吸音力を確保
する、つまり、中周波数(特に人の会話に係る周波数帯
の騒音レベル範囲を含む)から高周波数へかけての吸音
力向上を目的とし、従来、315〜800Hzの吸音力
が上がりにくい周波数での吸音力向上を目的とし、更
に、ダッシュサイレンサの軽量化を目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段及び効果】上記諸課題に鑑
み、本発明者は吸音層と非通気性の共振層との間の界面
における接着状態に着目することにより、本発明はなさ
れたものである。請求項1記載の発明は、図1に示す通
り、厚さが1〜50mm、密度が0.01〜0.2g/c
m3、好ましくは0.03〜0.08g/cm3の軽量な吸音
層と、該吸音層と接着層を介して接着する、目付量は2
00g/m2以下、好ましくは100g/m2以下の非通気性
の共振層と、からなり、前記吸音層と非通気性の共振層
に対する前記接着層の接着強度が剥離幅25mmで180
度の剥離にて1〜20N/25mm、好ましくは3〜10
N/25mmに設定され、前記接着層を前記吸音層と非通
気性の共振層の全界面に対して、50〜100%、好ま
しくは80%〜100%の面積で接着させ、前記吸音層
が自動車ボディーと接合され、前記非通気性の共振層は
車室内側に設置される超軽量な防音材である。この剥離
方法は「JIS K6854 図4:180度剥離」に類似
し、剥離速度:200mm/分で行う。前記非通気性の
共振層と吸音層との界面は前記接着層によって十分な接
着力で接着されており、前記吸音層と前記非通気性の共
振層とをその界面で共振させることで吸音することを特
徴とする防音材である。ここでJIS L1018 8.3.3.1 編地
の通気性による「フラジール形試験機」及びこの結果に
相関性が極めて高い通気性試験機を用い測定するもので
あり、非通気性とは、その通気量が設備の最低測定能力
以下である0.1cm3/cm2・sec以下であるもの
をいう。前記吸音層は空気層を持つことが好ましい。こ
こで全界面とは前記非通気性の共振層と吸音層とが接着
可能な全ての界面をいう。全界面の面積は、例えば、非
通気の共振層、吸音層の片面の面積をそれぞれS1、S2
とすると、S1=S2の場合なら、全界面の面積S=S1
=S2となり、S1>S2の場合なら、S=S2、S1<S2の
場合なら、S=S1である。剥離とは先の接着された吸
音層と非通気の共振層が所定の測定条件で剥がされるこ
とを言う。このときの剥離状態は、材料の表層破壊(た
とえばフェルトの表層破壊)、接着剤の界面剥離(たと
えば全ての接着剤が吸音層側について剥離する)、接着
剤の凝集剥離(たとえば吸音層と非通気の共振層の双方
に残りながら接着剤自体が糸を引くように剥離され
る)、またはこの材料の表層破壊と、接着剤の界面剥離
と、接着剤の凝集剥離とが複合した状態で剥離すること
をいう。
【0011】本発明者は非通気性の共振層と吸音層との
界面の状態を示す剥離強度と接着層の接着面積が吸音性
に影響することを見出し本発明に至ったものである。本
発明による超軽量な防音材の原理は、非通気性の共振層
と吸音層との界面での共振現象による吸音である。非通
気性の共振層と吸音層との間にある接着層の利用によっ
て、界面において吸音する音の周波数を制御することが
でき、室内の音は非通気性の共振層と吸音層の膜共振で
吸音されるのである。
【0012】非通気共振フィルム層の配置構成として
は、吸音層の全周に亘り設けても良く、また、吸音層の
表面側、裏面側のいずれか一方面に設けるものである。
【0013】吸音層と、この吸音層に対して車室内に近
い側に非通気性の共振層(具体的には非通気性の薄いフ
ルム層または超軽量な非通気性の発泡層を形成すること
が好ましい。吸音層及び接着層は非通気性又は通気性の
材質である。吸音層は、吸音性があれば通気性、非通気
性は関係がない。例えばウレタンモールド品の中には非
通気性のものもある。
【0014】非通気性の共振層は、車両の音振特性等に
より、全面、あるいは部分的に設けても良いが、吸音層
の表面側、あるいは裏面側のどちらか一方に形成する必
要がある。
【0015】非通気の共振層と吸音層との接着部の面積
は50〜100%、特に80%以上が好ましい。全面接
着でも部分接着でもよい。例えば、吸音層と非通気性の
共振層とは、接着層によって連続的に接着されているこ
とが好ましいが、1〜50ドット/cm2に相当する点接
着で接合してもよいし、糸状に接着されていることでも
よい。また、接着フィルムを利用した場合、全面接着で
もよい。
【0016】接着強度は、剥離幅25mmで180度の剥
離にて1〜20N/25mm、好ましくは3〜10N/2
5mmである。
【0017】非通気性の共振層は、非通気性の材質であ
る。例えば、樹脂発泡体又は樹脂フィルム等である。吸
音層は非通気性又は通気性の材質であり、例えば、熱可
塑性フェルトであり、化繊反毛材、PET繊維をバイン
ダー繊維でフェルト化したものである。接着層は非通気
性又は通気性の材質であり、例えば、エチレンビニルア
セテート(以下EVAと略す)、ウレタン系接着剤等で
ある。
【0018】請求項2記載の発明は、前記非通気性の共
振層の構造は発泡体またはフィルム体であり、前記発泡
体の場合は、厚さ1〜7mm、好ましくは2〜3mm、前記
フィルムの場合は厚さ10〜200μm、好ましくは2
0〜100μmであることを特徴とする請求項1の超軽
量な防音材である。請求項1の吸音層は非通気性または
通気性の低密度の吸音特性を持っているが、請求項1の
非通気性の共振層は低い音または振動エネルギーで振動
を容易にする為、十分軽量である必要があるからであ
る。
【0019】非通気性の共振層の目付量は200g/m2
以下、好ましくは100g/m2以下である。非通気性の
共振層の密度は、発泡体であるときには、0.02〜
0.1g/cm3、好ましくは、0.03〜0.06g/cm3
であり、フィルムであるときには、0.9〜1.2g/c
m3、好ましくは、0.9〜1.0g/cm3である。非通気
性の共振層の厚さは、発泡体であるときには、1〜7m
m、好ましくは2〜3mmであり、非通気性の共振層がフ
ィルムであるときには、10〜200μm、好ましくは
20〜100μmである。非通気性の共振フィルム層の
材質は、オレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)等のポリエステル系フィルム、ポ
リウレタン系樹脂フィルム又はそれらの複合体から構成
することが好ましい。非通気独立共振発泡体は、ポリプ
ロピレン発泡体(以下、PPFという)、ポリエチレン
発泡体(以下、PEFという)等のオレフィン系発泡体
が好ましい。
【0020】請求項3記載の発明は、前記吸音層の初期
圧縮反発力は2〜200g/cm/cm2、好ましくは20〜
100g/cm/cm2であることを特徴とする請求項1又は
2の超軽量な防音材である。
【0021】吸音層の厚さは1〜50mm、特に好ましく
は5〜40mmであり、その密度が0.01〜0.2g/
cm3、特に0.03〜0.08g/cm3であることが好ま
しい。吸音層の材質は、熱可塑性フェルト、ポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETと略す)等のポリエス
テル系フェルト、ウレタンモールド品、ウレタン発泡の
スラブ品、車両廃材からのリサイクル材(以下、RSP
Pと略す)等が好ましい。
【0022】吸音層の目付量は500〜2000g/
m2、好ましくは1000〜1600g/m2である。
【0023】吸音層の初期圧縮反発力は2〜200g/c
m/cm2、好ましくは、20〜100g/cm/cm2である
が、ここでいう初期圧縮反発力の測定方法は、図2に示
す通り、吸音層をφ100mmの円柱に打ち抜き、上面か
ら荷重(ΔW)を加えた時の圧縮量(ΔD)をテンシロン
等にて連続的に測定することである。このとき、荷重と
圧縮量の関係線から圧縮量が5mm以内の初期圧縮反発力
(F)を次式で求める。圧縮量5mm以内の荷重から算出
するのは、非通気性の共振層の共振による吸音層へ与え
る変形量が微細量であるからである。なお、78.5cm
2はφ100mmの円の面積である。
【式1】 F=(ΔW/ΔD)/78.5 [g/cm/cm2] ここで吸音層の圧縮反発力は制振材の弾性率に関わる値
である。従来、防音材の一種であるフェルト材は制振材
の一種である。制振材料は振動エネルギーを吸収し熱エ
ネルギーに変換する制振効果を示す特性として損失係数
ηがある。この損失係数ηは以下の式で計算される。
【式2】
【0024】本発明によれば、会話明瞭度を改善させる
ため、1000〜1600Hzでの吸音力が特に良好で
ある。これは前記吸音層がその厚さを連続的に任意に変
化させるからである。この範囲での周波数でのシート共
振による吸音力の向上を効果的に得ることができ、車室
内の良好な静粛性が得られる。超軽量な防音材の厚さが
薄くなってもシートの共振現象を利用している為、高い
吸音率を得ることができる。
【0025】従来の吸音材に対し非通気性の共振層の大
幅な重量低減が可能になる。これは前記非通気性の共振
層の目付量は200g/m2以下、好ましくは100g/m2
以下、前記非通気性の共振層の構造は発泡体またはフィ
ルム体であり、前記発泡体の場合は、厚さ1〜7mm、好
ましくは2〜3mm、前記フィルムの場合は厚さ10〜2
00μm、好ましくは20〜100μmとしたからであ
る。例えば、目付量は、遮音タイプでは4000〜10
000g/m2であり、吸音タイプでは500〜2000
g/m2であるが、本発明は目付量が非通気性の共振層で
は200g/m2以下である。
【0026】
【0027】なお、接着層の厚みは、1〜100μm、
好ましくは5〜50μmが好ましい。接着層の目付量は
5〜200g/m2、好ましくは10〜100g/m2が好ま
しい。接着層の密度は任意であることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の超軽量な防音材に
係るダッシュサイレンサ1についての好適な実施形態に
ついて図面を参照して説明する。なお、超軽量な防音材
の物性の一覧図表は図3に記載してある。このダッシュ
サイレンサ1は、図1に示す通り、熱可塑性フェルトで
は通気度が10〜50cm3/cm2・secでモールド
したものであり、ウレタン発泡体(フォーム)では10
cm3/cm2・sec以下の通気度を持つ吸音層2と、
非通気性の共振層3との2層構造であるが、吸音層2と
非通気性の共振層3の間にそれらを接着する接着層4が
形成されている。吸音層2と非通気性の共振層3とをそ
の界面で共振させることで吸音するものである。ここ
で、通気度については、JIS L1018 8.3.3.1 編地の通気
性による「フラジール形試験機」及びこの結果に相関性
が極めて高い通気性試験機を用い測定する。図4のダッ
シュパネル10は、エンジンルームEと車室Rとを区画
する鉄製パネル15上に室内面に沿ってダッシュサイレ
ンサ1が添装されているものである。ダッシュサイレン
サ1は、燃費効率及び取付作業性を高めるために、製品
重量を大幅に超軽量化するとともに、超軽量化しても充
分な吸音特性を備えるように構成されている。
【0029】この吸音層2は、ダッシュパネル10の面
形状に沿って成形されている。吸音層2の厚さは50mm
以下であり、目付量が500〜2000g/m2、好まし
くは、1000〜1600g/m2、その厚さは5mm〜4
0mmが実用上好ましく、任意の厚さに成形される。その
密度は0.01〜0.2g/cm3、好ましくは0.03
〜0.08g/cm3、初期圧縮反発力は2〜200g/cm
/cm2、好ましくは、20〜100g/cm/cm2である。
ただし、局部的に厚さが1mmまで圧縮成形される場合
は、この部分の密度は0.5g/cm3と極めて高くな
り、吸音性能が低下するがこの部分の遮音について重量
則分は確保できる。
【0030】吸音層2は、通気性又は非通気性の材質で
ある。熱可塑性フェルトが好ましい。化繊反毛材、PE
T繊維をバインダー繊維でフェルト化したものである。
吸音層2は、熱可塑性フェルト(PP系バインダー繊維
30%に化繊反毛品70%を混ぜたもの)、PPフェル
ト(PP系バインダー繊維20%にPP繊維80%を混
ぜたもの)、PETフェルト(PET系バインダー繊維
30%にPET繊維を混ぜたもの)であり、繊維は一般
に0.5d〜13dを用いる。高い吸音性が必要な場合は
特に0.2〜1dの繊維を20〜40%配合することが
好ましい。所定の圧縮反発力を確保する為に13dの太
い繊維を利用、更に30dの中空繊維を利用することが
好ましい。例えば、再生PET繊維に低融点PET樹脂
をバインダとして混入し、コンベアベルト上でマット状
に集積したものを加熱処理後、プレス加工により所望の
マット状に成形され、この原反マットを加熱軟化させた
後、所望の金型形状をもつコールドプレス成形金型によ
りダッシュパネル10の面形状に沿った所望の形状に成
形されるものである。バインダとして熱硬化性樹脂を含
浸させたものでは、ホットプレス成形を使用して所要形
状に成形される。バインダとして熱可塑性樹脂でも熱硬
化性樹脂でも良く、吸音特性に優れた繊維集合体から構
成されれば、材質や成形工法は特に限定するものではな
い。
【0031】図4に示す通り、吸音層2が50mm以下の
範囲で厚さを任意に変化させてあることでダッシュサイ
レンサ1の厚みも変化している。ランダムに吸音層2の
厚みを変更することで、トータルでみると315〜40
00Hzの広い周波数の範囲の音を吸音できる。
【0032】非通気性の共振層3は、吸音層2に対して
車室R側に形成したものである。この非通気性の共振層
3は、主として、吸音層2と膜共振することで、車室R
の音を吸音するものである。非通気性の共振層3は、非
通気共振フィルム層又は非通気独立共振発泡体である。
この非通気性の共振層3は、非通気性の共振層の目付量
は200g/m2以下、好ましくは100g/m2以下であ
る。非通気性の共振層の厚さは、発泡体であるときに
は、1〜7mm、好ましくは2〜3mmであり、非通気性の
共振層がフィルムであるときには、10〜200μm、
好ましくは20〜100μmである。非通気性の共振層
の密度は、発泡体であるときには、0.02〜0.1g
/cm3、好ましくは、0.03〜0.06g/cm3であ
り、フィルムであるときには、0.9〜1.2g/cm3
好ましくは、0.9〜1.0g/cm3である。非通気性の
共振層3の材質は、オレフィン系樹脂フィルム、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系フ
ィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム又はそれらの複合
体である。非通気共振発泡体は、ポリプロピレン発泡体
(以下、PPFという)、ポリエチレン発泡体(以下、
PEFという)等のオレフィン系発泡体である。例え
ば、非通気性の共振層3の材質として、発泡率30倍、
厚さ2mmのポリプロピレン系発泡品、発泡率30倍、厚
さ3mmのポリエチレン系発泡品、厚さ50μmのオレフ
ィン系フィルム、厚さ30μmのポリアミド系フィル
ム、厚さ70μmのウレタンフィルム等が例示できる。
【0033】接着層4の目付量は5〜200g/m2、好
ましくは10〜100g/m2である。接着層4の厚み
は、1〜100μm、好ましくは5〜50μmである。密
度は接着剤の一般的な値でよい。接着層4の接着強度は
1〜20N/25mm、好ましくは3〜10N/25mmで
ある。接着面積率は50%から100%、好ましくは8
0%〜100%である。全面接着でも部分接着でもよ
い。例えば、吸音層2と非通気性の共振層3とは、接着
層によって連続的な接着されてもよし、1〜50ドット
/cm2に相当する点接着で接合してもよいし、糸状に接
着されていることでもよい。また、接着フィルムを利用
した場合、全面接着でもよい。接着層4の材質は、EV
A系、ウレタン系、クロロプレンラテックス(CR)
系、スチレン−ブタジエン系重合体(SBR)系、アク
リル系、オレフィン系等の樹脂を採択する。但し、非通
気性の共振層3を十分、吸音層2で制振するために、所
定の接着力が確保できない材質の使用は望ましくない。
たとえば、凝集力の低い接着剤がそれである。防振動性
を付加するような接着剤は望ましくない。接着剤が液状
の時はスプレーガン、ロールコーターで塗布する。接着
剤がフィルムまたは接着パウダーの時は加熱、圧着す
る。
【0034】吸音層2と非通気性の共振層3の成形工法
としては、防音材の抄造工法はカート機による積層、ま
たはランダム抄造機を利用するが、非通気性の共振層3
との接着面はなるべく平滑に仕上げることが好ましい。
これは接着面積を確実に確保するためであり、これによ
り非通気性の共振層3を効率よく強制することができ
る。カード機による場合、コンベア状に繊維素を散布し
てマット状に集積して、吸音層3の原反マットを作成し
た後、非通気性の共振層3の接合面にホットメルトパウ
ダーを付着させて加熱処理を行ない、ホットメルトを溶
融した状態で予めマット状に形成された非通気性の共振
層3を積層してコールドプレス成形により一体化すれば
良い。また、ウレタン樹脂発泡による非通気性の共振層
3との同時接着をおこなってもよく、さらに、ウレタン
樹脂発泡型に、ウレタン系塗料または樹脂を塗布後、ウ
レタン樹脂を注入し発泡させることで、吸音層2と非通
気性の共振層3を同時に形成することも可能である。
【0035】ボディパネルから入射する直接音に対する
遮音性向上、つまり、透過損失が低い中周波数からの透
過損失の向上の課題については、ボデーパネルの目付量
に比べ、大幅に軽量にした非通気性の共振層3を表皮層
として利用し、パネルと非通気性の共振層3の間に通気
抵抗のある吸音層2を設けた。更に従来技術ではなかっ
た非通気性の共振層3と吸音層2の界面の制御(接着層
4による接着力の制御)を行ったものである。非通気性
の共振層3の目付を大幅に下げ200g/m2以下にした
ので、これにより、透過共鳴の周波数が高い方の他に低
い方にも出現する(図5(a)(b)参照)。また2
重層構造による透過損失の向上が認められる(図5
(a)参照)。
【0036】実際の製品の凹凸で吸音層が薄肉化しても
十分吸音力を確保する、つまり、中周波数から高周波数
へかけての吸音力向上の課題について、部品の立て付
け、スペースの影響で吸音層2が薄くなっても、吸音層
2と非通気性の共振層3との膜共振を利用することで高
い吸音率を確保できる。共振層の目付量を50g/m2
した場合、吸音層2と共振周波数frとの関係は次の表
1の通りになる。
【表1】 車室R内での音は拡散入射であり、非通気性の共振層3
は軽量で剛性が低い為、共振は微少な範囲で独立して発
生している。この為、例えば吸音層2の厚さLの値が3
0〜5mmに変化したとき、共振周波数は1531〜37
50Hzで変化し、図6(a),(b)に示す通り、吸
音率は幅広い範囲で確保され、非通気層のない吸音層と
は異なり、高い吸音力を確保することができる。ここ
で、一般的なバネ・マス系の振動モデルを考えた場合、
吸音層2の空気バネと、吸音層2と非通気性の共振層3
の総質量による機械的バネを利用したときの共振周波数
の式は、通常のバネ振動の式においてバネ定数にあたる
k=ρ・C 2/Lとすることにより、共振周波数frが
式1で算出される。ただし、frは共振周波数(H
z)、ρは空気密度(1.2Kg/m3)、Cは音速(3
40m/s)、mは非通気性の共振層3の目付量(g/
m2)、Lは吸音層の厚さ(mm)である。
【式3】
【0037】従来、250〜500HZの吸音力があが
りにくい周波数での吸音力向上の課題について、非通気
性の共振層3を吸音層2に十分接着することで、吸音層
2のマスが加わり非通気性の共振層3単品の共振周波
数が高い周波数側に出現するほかに、前記接着により
周波数側にも出現し(図7(a)(b)参照)、吸音
層2の強制力で共振による透過損失の低下量が減少する
(図7(a)(b)参照)。吸音層2の空気バネと、
吸音層2と非通気性の共振層3の総質量によるバネマス
で315〜630Hzで共振が発生し、この周波数の吸
音率が向上する(図7(a)(b)参照)。
【0038】この構造ではダッシュサイレンサ1とパネ
ル(ここでは鉄製パネル15)との2重壁効果で重量則
以上の透過損失を得ることができる。更にこの効果を悪
化させる透過共鳴の周波数を表皮層(非通気性の共振層
3)を極めて軽量にすることで透過損失が十分高い周波
数領域で発生させ更に表皮層3が極めて軽量であること
と表皮層3と吸音層2の接着力を制御し、十分な接着力
と接着面積を確保することから吸音層の制振性により透
過共鳴により透過損失の低下量を低減している(図7
(a)参照)。一方、吸音特性は非通気の共振層3が極
めて軽く更に吸音層2の厚さを50mm以下に制御する
ことで、共振周波数が315〜4000Hzで制御で
き、高い吸音率を得ることができる。高い方の周波数で
ある1250Hz近辺で非通気性の共振層3単品による
共振が発生し、また、非通気性の共振層3は、吸音層2
と、十分な接着力と接着面積で接着されているため、吸
音層2の一部の質量を利用したバネ・マス系の共振が
い方の周波数である315〜630Hzで発生し、吸音
性が向上する(図7(b)参照)。この構成のダッシュ
サイレンサー1の非通気の共振層3は、従来の表皮層と
比べ目付量が十分軽量でありながら、ダッシュパネル1
から入射する直接音(ここではエンジンルームEからの
音)を十分遮音し、さらに他部位(ここではエンジンル
ームE以外の部分)から入射し車室R内で反射する間接
音を吸音する効果がある。
【0039】
【実施例】実施例と比較例のデータ比較を行ったのでこ
れを図8及び図10に示す。比較例の構成は、接着層4
の接着面積が20%の場合であり、接着層4の接着面積
が100%であることと相違する点を除き、実施例と同
じものを用いた。ダッシュサイレンサ1の厚みが22m
m、吸音層2の厚みが20mm、非通気共振層3の厚みが
2mm、接着層4の厚みが50μmである。実施例のダッ
シュサイレンサ1は、非通気性の共振層3がポリプロピ
レン発泡体(PPF)で、発泡率30倍、比重0.03
1g/cm3、厚み2mm、目付62g/m2であり、吸音層
2が熱可塑性フェルト(ポリエステル化繊と雑綿を利用
した一般的なもの)、比重0.06g/cm3、厚み20m
m、目付1200g/m2であり、接着層の接着面積は9
0%である。水溶性EVA系接着剤を、非通気性の共振
層3としての発泡率30倍で厚さ2mmのポリプロピレン
発泡体に50g/m2塗布し、熱可塑性フェルトまたはニ
ードルパンチを行ったフェルトからなる吸音層2と圧力
1kg/cm2で60秒間圧縮する。乾燥が遅い場合は加熱
することで約30秒間の圧締でよい。接着後の接着強度
は2〜8N/25mm で、界面のほぼ90%が接着して
いる。剥離状態は吸音層2の熱可塑フェルトの表層破壊
である。ここでニードルパンチを行ったフェルトはそう
でないフェルトに対し表層破壊強度が高くなりこの為、
接着強度は5〜10N/25mm と高くなる。
【0040】図8は、防音材1の1/3オクターブバン
ドの周波数VS透過損失の特性図表である。この透過損
失の測定は、JIS A 1409によるが、試験体が1
0m2ではなく、1m2でおこなったものである。図9は測
定室の平面図であり、スピーカ20とマイクロフォン3
1〜36が配置され、防音材1の試験体が各部屋の壁に
配置される。図9において、接着層の接着面積が90%
である場合と、接着面積が20%である場合と比較する
と、接着面積が90%の場合、400Hz以上の周波数
範囲において接着面積が20%である場合より透過損失
の上昇が認められる。これにより車室外から車室内に侵
入する騒音を低減できる。さらにニードルパンチを行っ
たフェルトはそうでないフェルトに対し表層破壊強度が
高く、すなわち接着強度が5〜10N/25mm とな
り、図には示されていないが400Hz以上の周波数範
囲において、さらに1〜3dB、透過損失が高くなる。
【0041】図10は、防音材1の1/3オクターブバ
ンドの周波数VS吸音率の特性図表である。この吸音率
の測定は、JIS A 1416(残響室吸音)による
が、試験体が10m2ではなく、1m2でおこなったっもの
である。図11は測定室の平面図であり、スピーカ40
とマイクロフォン51〜53が配置され、測定室の床に
遮音用含浸不織布1の試験体及び鉄板15が配置され
る。図10において、接着層の接着面積が90%である
場合と、接着面積が20%である場合とを比較すると、
接着面積が90%の場合、630Hz〜1600Hzの
周波数範囲において、接着力と接着面積により非通気性
の共振層が拘束され、防振・制振され、吸音率の多少の
低減が認められるが、吸音率は0.6以上はあるので車
室内の騒音を吸音できる。比較例では非通気性の共振層
により吸音率は上昇する。630Hz〜1600Hzの
周波数以外の範囲では、接着面積が90%の場合、接着
力と接着面積により非通気性の共振層と吸音層による共
振現象によって、接着面積が20%の場合よりも吸音率
が上昇する。これにより、この周波数領域で車室内の騒
音を接着面積が20%の場合より低減できる。更に40
0〜500Hz付近の周波数で非通気性の共振層と吸音
層の相互からなる共振周波数により、吸音率0.7を得
ることができ、中周波数での車室内の騒音低減に役に立
っている。
【0042】本実施形態によれば、非通気性の共振層3
が柔軟な薄層よりなること等により、車室R内の音がこ
の非通気性の共振層3に干渉し、吸音層2と非通気性の
共振層3とが薄膜振動を行っており、これは非通気性の
共振層3と吸音層2との界面での共振現象による吸音で
ある。また、非通気性の共振層3と吸音層2との間にあ
る接着層3の利用によって、界面において吸音する音の
周波数を制御することができる。
【0043】以上説明した通り、本実施形態によれば、
会話明瞭度を改善させるため、1000〜1600Hz
での吸音力が特に良好である。非通気共振シ−ト層の目
付量を200g/m2以下、吸音層の厚さを1〜50mmで
変化させることで、この範囲での周波数でのシート共振
による吸音力の向上を効果的に得ることができ、車室内
の良好な静粛性が得られる。防音材1の厚さが薄くなっ
てもシートの共振現象を利用している為、高い吸音率を
得ることができる。従来の防音材に対し非通気性の共振
層の大幅な重量低減が可能になる。
【0044】以上、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の
形態を採り得るものである。また、本発明の技術的思想
を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができ
るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術
的範囲に含まれることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防音材の断面図である。
【図2】初期圧縮反発力の測定方法を示す説明図であ
る。
【図3】本発明実施形態の防音材の物性を示す一覧図表
である。
【図4】本発明の防音材が適用されるダッシュサイレン
サが適用されるダッシュパネルの断面図である。
【図5】(a)(b)は、それぞれ、本発明実施形態の
ダッシュサイレンサと図12の構造と図13の構造につ
いての周波数に対する透過損失、及び周波数に対する吸
音率との関係を示すグラフである。
【図6】(a)(b)は、本発明実施形態のダッシュサ
イレンサの周波数に対する吸音率との関係を示すグラフ
である。
【図7】(a)(b)は、それぞれ、本発明実施形態の
ダッシュサイレンサについての、接着層が十分である場
合と不十分である場合を比較するための、周波数に対す
る透過損失、及び周波数に対する吸音率との関係を示す
グラフである。
【図8】ダッシュサイレンサの実施例と比較例の周波数
VS透過損失を示すグラフである。
【図9】透過損失の測定装置の平面図である。
【図10】ダッシュサイレンサの実施例と比較例の周波
数VS吸音率を示すグラフである。
【図11】吸音率の測定装置の平面図である。
【図12】従来からの遮音構造の説明図である。
【図13】特許文献1の遮音構造の説明図である。
【図14】(a)(b)は、それぞれ、特許文献1の遮
音構造の吸音材の周波数と透過損失との関係を示すグラ
フ、及び従来からの遮音構造の吸音材の周波数と吸音率
との関係を示すグラフである。
【図15】特許文献1の周波数と吸音率との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1…ダッシュサイレンサ 2…吸音層 3…非通気
性の共振層 4…接着層 10…ダッシュパネル E…エンジン
ルーム R…車室 15…鉄製パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 洋平 愛知県安城市和泉町北大木4番地14 株 式会社タケヒロ内 (72)発明者 松山 宗平 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 森 秀行 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (56)参考文献 特開2002−283482(JP,A) 特開2001−47545(JP,A) 特開2001−347899(JP,A) 特開2002−220009(JP,A) 特開2002−347194(JP,A) 特開 平10−203268(JP,A) 特開2002−178397(JP,A) 特開2002−36969(JP,A) 特開 平10−100299(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 13/08 G10K 11/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さが1〜50mm、密度が0.01〜0.
    2g/cm3、好ましくは0.03〜0.08g/cm3の軽量
    な吸音層と、 該吸音層と接着層を介して接着する、目付量は200g
    /m2以下、好ましくは100g/m2以下の非通気性の共
    振層と、からなり、 前記吸音層と非通気性の共振層に対する前記接着層の接
    着強度が剥離幅25mmで180度の剥離にて1〜20N
    /25mm、好ましくは3〜10N/25mmに設定され、 前記接着層を前記吸音層と非通気性の共振層の全界面に
    対して、50〜100%、好ましくは80%〜100%
    の面積で接着させ 前記吸音層が自動車ボディーと接合され、前記非通気性
    の共振層は車室内側に設置される 超軽量な防音材。
  2. 【請求項2】前記非通気性の共振層の構造は発泡体また
    はフィルム体であり、 前記発泡体の場合は、厚さ1〜7mm、好ましくは2〜3
    mm、 前記フィルムの場合は厚さ10〜200μm、好ましく
    は20〜100μmであることを特徴とする請求項1の
    超軽量な防音材。
  3. 【請求項3】前記吸音層の初期圧縮反発力は2〜200
    g/cm/cm2、好ましくは20〜100g/cm/cm2である
    ことを特徴とする請求項1又は2の超軽量な防音材
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