JP3930484B2 - 超軽量な防音材 - Google Patents

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本発明は、エンジンルームなどの非車室内側における騒音等を車室内に伝播しないようにする超軽量な防音材に関し、特に、軽量な構造にして、車室内への騒音を吸収できる超軽量な防音材に関する。
特許文献1に示すとおり、車両においてノイズ低減と断熱とをもたらすよう、特に、フロア遮音や端部壁遮音やドアカバーや屋根内側カバーにおいて、吸音性かつ遮音性かつ振動減衰性かつ断熱性のカバーを形成するための多機能キット(41)であって、少なくとも1つの面状車体パーツ(11)と、複数層からなるノイズ低減アセンブリパッケージ(42)と、を具備してなり、前記アセンブリパッケージは、少なくとも1つのポーラスなスプリング層(13)とりわけ開放ポアを有したフォーム層を備え、前記アセンブリパッケージ(42)と前記面状車体パーツとの間には、空気層(25)が設けられ、遮音性と吸音性と振動減衰性とを最適に組み合わせるのに好適であるような超軽量キット(41)を形成するために、前記多層アセンブリパッケージ(42)は、重量層を有していないアセンブリパッケージであって、微小ポーラスを有した硬質層(14)とりわけ開放ポアを有したファイバ層またはファイバ/フォーム複合体層を備え、前記硬質層(14)は、Rt=500Nsm-3〜Rt=2500Nsm-3という空気流に対しての総抵抗を有し、とりわけ、Rt=900Nsm-3〜Rt=2000Nsm-3という空気流に対しての総抵抗を有し、および、mF=0.3kg/m2〜mF=2.0kg/m2という単位面積あたりの重量を有し、とりわけ、mF=0.5kg/m2〜mF=1.6kg/m2という単位面積あたりの重量を有していることを特徴とするキットである。この発明によるキットの利点は、今日、自動車産業において好んで使用されているような、薄いスチールシートまたは軽量アルミニウムシートまたは有機シートに対して応用した場合に、特に明瞭である。本発明によるキットのさらなる利点は、使用されているポーラススプリング層の熱伝導度が極度に小さいことにある。このため、このようなキットは、良好な音響特性(すなわち、遮音効果)を示しつつも、良好な断熱性をも有している。
特許文献2に示すとおり、車両用の防音材10であって、車室内側100より順に、第1の通気性吸音層20、非通気性遮音層30、第2の通気性吸音層40の順に積層されており、かつ第1の通気性吸音層20の車室内側には非通気層を有せず、第2通気性吸音層40の反車室内側にも非通気層を有しないことを特徴とし、防音材を通過し車室内側に漏れた騒音を再吸収するとともに、エンジンルーム外から車室内に進入してくる騒音も吸収できる防音材を提供すること、かつ、軽量化も考慮した防音材を提供するものである。
特許文献3に示すとおり、車体パネル(10)の室内面側に添装される自動車用インシュレータ(20)であって、このインシュレータ(20)は、繊維成形体をベースとした吸音層(21)の単層から構成され、車体パネル(10)を通じて吸音層(21)内に侵入する騒音を吸音するとともに、吸音層(21)を透過した透過騒音が車室内のパネル(40)内面で反射して、再度表面側から吸音層(21)内に再帰し、該反射騒音を吸音できる通気型インシュレータとして構成されていることを特徴とし、吸音層(21)の表裏面のうち少なくとも一方面に、吸音層(21)の面密度より高密度に設定された高密度繊維集合体からなる表皮層(22)が積層されている。また、吸音層(21)の表裏面のうち少なくとも一方面の全面、あるいは一部に発泡樹脂シート材からなる表皮層(27)が積層されている。これにより、従来の遮音層を廃止することにより、軽量化が図れるとともに、インストルメントパネル40内の音圧上昇を抑え車室内の静粛性を高める。
特許文献4に示すとおり、積層品は、スキン剥離強度が20N/cm以下であり、L値が60以下であるポリオレフィン系樹脂発泡体と、厚さが5mm以上、密度が50kg/cm3以下の嵩高性不織布とを一体成形してなる積層体であって、該積層体の単位面積当りの重量が3kg/m2以下であることを特徴とするものである。これにより、軽量、かつリサイクル性に優れ、成形加工が容易で外観美麗な積層品を提供できる。
通気抵抗を利用した表皮層と吸音層の組み合わせのダッシュサイレンサーが提案されている。
従来からの遮音構造と、特許文献1の構造と透過損失と吸音力を比較すると以下の通りである。ここで、低周波数とは1/3オクターブバンド中心周波数で315Hz以下であり、中周波数は400〜1600Hzで、高周波数は2000Hz以上である。
ここで従来の遮音タイプ構造(図27参照、以下「図27の構造」という)と、特許文献1の構造(図28参照、以下「図28の構造」という)と透過損失と吸音力を比較すると以下の通りである。
図27の構造のダッシュサイレンサーの単位面積当りの重量は6.0kg/m2であり、図28の構造の現状利用されている実効単位面積当りの重量は2.0kg/m2である。これらの製品は自動車ボディパネルに取り付けられている。
このボディパネルの単位面積当りの重量は6.2kg/m2である。
図29(a)の透過損失のグラフから図27の構造では非通気性の表皮層とパネルで二重壁構造となり、更に、中間に通気抵抗のある吸音材を利用することで重量則以上の透過損失を得ることができる。但し、ゴムシートの単位面積当りの重量が高い為、低い周波数で大きな透過共鳴が発生し透過損失が大幅に低下する。
図29(a)の透過損失のグラフから図28の構造では通気の表皮層とパネルで二重壁構造となるが表皮層が通気するため、高周波数での音漏れが発生し、重量則以下の透過損失しか得られない。遮音性では図28の構造では十分な透過損失を得ることができない。
図29(b)の吸音率のグラフから図27の構造では低周波数に強い表皮共振による吸音率が向上する周波数が発生するが、中周波数及び高周波数側で吸音率がほとんどない。
図29(b)の吸音率のグラフから図28の構造では通気抵抗の高い表皮層による表皮共振と背後の吸音層の吸音力を利用して中周波数から高周波数にかけ吸音力を得ている。
実際の自動車静粛性への影響はダッシュサイレンサー部では、ダッシュパネルから入射する直接音より、自動車各部より入射し、反射する間接音が多いため、従来構造と比較して特許文献1は大幅に透過損失は低下しているが、中周波数からの比較的高い吸音力で車室内の吸音力を向上され、ほぼ同等の車室内の静粛性を確保することができる。更に製品重量で大幅に軽量化できるため、最近のダッシュパネル構造として利用されてきた。
特表2000−516175 特開2001−347899 特開2002−220009 特開2002−347194 特開2002−67826 特開2003−19930
しかしながら、車両構造によっては直接音の影響が大きい自動車もあり、この図28の構造では透過損失が不足し(図29(a)参照)、車室内の静粛性が確保できないことがある。また、実際の製品は凹凸があり、吸音層の厚さが1〜30mmも変化する。これにより、高周波数では吸音層の吸音力を利用している特許文献1の図28の構造では吸音層の厚さ低減により、吸音力は低下する。更に、吸音層は厚さ30〜50mmのフェルトを成形して生産されるため、薄肉部では通気抵抗が一般面より低下して、十分な吸音力を得ることができない。本来、特許文献1の構造のダッシュサイレンサーは吸音力で車室内の静粛性を確保している為、これにより十分な性能を発揮することができなくなるおそれがある。
また従来の防音材は車室外からの透過音を低減することを目的にしており、幅広い周波数で良い吸音力を得ることができるが、車室内の反射音を吸音する対策が十分ではなく、図30に示す通り、1/3オクターブバンド中心周波数で800Hz〜1600Hzが会話明瞭度に重要でありこの会話明瞭度の観点から比較的高い1000Hz近辺の周波数の吸音が不十分である。
特許文献2では、図31に示す通り、1000Hz以上の周波数の吸音は吸音材の吸音力を利用することから、吸音層の厚さが薄くなると吸音率が低下する傾向がある。
図28の構造の防音材は車室内での反射音を吸音する機能があるが吸音周波数の制御の方策が明確でない。
特許文献3、4の従来の防音材では吸音部と表層の界面の拘束状態、表皮部の通気量で吸音特性、遮音特性が大きく影響されることを見過ごしている。実際の製品では複雑な形状で界面の接着強度も必要となり、設計条件と異なる吸音・遮音特性となるおそれがある。また、狭いスペースでの利用ができないおそれがある。
さらに、特許文献5、6の従来の防音材では、前記特許文献1と同様の問題がある。
したがって、本発明は、車体パネルから入射する直接音に対する遮音性向上、つまり、透過損失が低い中周波数からの透過損失の向上を目的とし、実際の製品の凹凸で吸音層が薄肉化しても十分吸音力を確保する、つまり、中周波数(特に人の会話に係る周波数帯の騒音レベル範囲を含む)から高周波数へかけての吸音力向上を目的とし、従来、315〜800Hzの吸音力が上がりにくい周波数での吸音力向上を目的とし、更に、吸音材の軽量化を目的とするものである。
上記諸課題に鑑み、本発明者は吸音層と通気性の共振層との間の界面における接着状態に着目するとともに通気性の共振層を極めて軽量化し、吸音層を高密度の吸音材と低密度の吸音材の2層構造にするか、或いは室内側に吸音層を設けるかにより透過損失と吸音率を周波数制御することで車外からの騒音を遮音しながら車室内の吸音を確保することで、車室内の静粛性を向上させる。
請求項1記載の発明は、厚さが1〜100mm、密度が0.01〜0.2g/cm3、好ましくは0.03〜0.08g/cm3の軽量な吸音層と、該吸音層と接着層を介して接着する、単位面積当りの重量は10〜280g/m、好ましくは100〜200g/mの通気性の共振層と、からなり、前記吸音層と通気性の共振層に対する前記接着層の接着強度が剥離幅25mmで180度の剥離にて1〜20N/25mm、好ましくは3〜10N/25mmに設定され、前記接着層を前記吸音層と通気性の共振層の全界面に対して、50〜100%、好ましくは80%〜100%の面積で接着させ、前記吸音層が車体パネル側に配置され、前記通気性の共振層は車室内側に設置されることを特徴とする超軽量な防音材である。
前記の剥離方法は「JIS K6854 図4:180度剥離」に類似し、剥離速度200mm/分で行う。
前記通気性の共振層と吸音層との界面は前記接着層によって十分な接着力で接着されており、前記吸音層と前記通気性の共振層とをその界面で共振させることで吸音することを特徴とする防音材である。ここでJIS L1018 8.3.3.1編地の通気性による「フラジール形試験機」及びこの結果に相関性が極めて高い通気性試験機を用い測定するものであり、通気性とは、その通気量が設備の最低測定能力以上である0.1cm3/cm2・sec以上であるものをいう。前記吸音層は空気層を持つことが好ましい。
本発明者は通気性の共振層と吸音層との界面の状態を示す剥離強度と接着層の接着面積が吸音性に影響することを見出し本発明に至ったものである。本発明による超軽量な防音材の原理は、通気性の共振層と吸音層との界面での共振現象による吸音である。通気性の共振層と吸音層との間にある接着層の利用によって、界面において吸音する音の周波数を制御することができ、車室内の音は通気性の共振層と吸音層の膜共振で吸音されるのである。
通気性の共振層の配置構成としては、吸音層の全周に亘り設けても良く、また、吸音層の表面側、裏面側のいずれか一方面に設けるものである。
吸音層と、この吸音層に対して車室内に近い側に通気性の共振層(具体的には通気性の薄いフィルム層または超軽量な通気性の発泡層)を形成することが好ましい。吸音層及び接着層は通気性の材質である。吸音層は、吸音性があれば通気性、非通気性は関係がない。例えばウレタンモールド品の中には通気性のものもある。
通気性の共振層は、車両の音振特性等により、吸音層のどちらか一方に形成する必要があるが、全面、あるいは部分的に設けても良い。
通気性の共振層と吸音層との接着部の面積は50〜100%、特に80%以上が好ましい。全面接着でも部分接着でもよい。例えば、吸音層と通気性の共振層とは、接着層によって連続的に接着されていることが好ましいが、1〜50ドット/cm2に相当する。点接着で接合してもよいし、糸状に接着されていることでもよい。また、接着フィルムを利用した場合、全面接着でもよい。
接着強度は、剥離幅25mmで180度の剥離にて1〜20N/25mm、好ましくは3〜10N/25mmである。
通気性の共振層は、通気性の材質である。例えば、樹脂発泡体又は樹脂フィルム等である。吸音層は通気性の材質であり、例えば、熱可塑性フェルトであり、化繊反毛材、PET繊維をバインダー繊維でフェルト化したものである。接着層は通気性の材質であり、例えば、エチレンビニルアセテート(以下EVAと略す)、ウレタン系接着剤等である。共振層の通気度は、8.0〜1.0cm3/cm2・sec、好ましくは5.0〜2.5cm3/cm2・secである。
請求項2記載の発明の前記吸音層は、高密度吸音層と低密度吸音層の複層体に形成されることを特徴とする請求項1の超軽量な防音材である。
請求項3記載の発明は、前記高密度吸音層の密度は0.05〜0.20g/cm3、厚さが2〜70mmの範囲であり、前記低密度吸音層の密度は0.01〜0.10g/cm3、厚さが2〜70mmの範囲である請求項2の超軽量な防音材である。
請求項4記載の発明は、前記高密度吸音層の初期圧縮反発力が30〜600N、好ましくは50〜300Nで、前記低密度吸音層の初期圧縮反発力が5〜300N、好ましくは10〜100Nであり、少なくとも前記高密度吸音層の初期圧縮反発力は前記低密度吸音層の1.2〜40倍であり、前記吸音層の厚さにおける高密度吸音層の占める厚さは20〜80%であり、少なくとも前記高密度吸音層の初期圧縮反発力は低密度吸音層の1.5〜5倍であり、吸音層の厚さにおける高密度吸音層の占める厚さは40〜60%である請求項2又は3の超軽量な防音材である。
ここで、初期圧縮反発力と高密度吸音層の厚さは、バネマス系振動におけるバネの所に影響を与える。つまり、初期圧縮反発力が高い高密度吸音層は接着層による接着で通気性の共振層の剛性を向上させ、共振周波数を高周波側へ移動する。また、高密度吸音層と低密度吸音層の剛性差が適度でないと高周波側と低周波側の共振が目的とする周波数に発生しなくなるおそれがある。
吸音層に使用されている吸音材の初期圧縮反発力の測定方法はφ100mm、厚さ20mmの円柱状に吸音材をトリミングしたものを試料とする。
図1に示すように先の試料に上面から荷重を加え、5mm圧縮した時の反発力をテンシロン等の荷重測定装置で測定する。この時の荷重速度は50mm/分とする。測定の参考値に2.5mm圧縮時と7.5mm圧縮時も同時に測定する。
図1は、初期圧縮反発力の測定方法である。φ100mmの円柱状にカットした吸音材に荷重を加え、圧縮する。
図2は、初期圧縮反発力の測定結果である。PET(ポリエステル)フェルト、RSPP(シュレッタ゛ータ゛ストを原料とした再生防音材料)、PUF(ポリウレタンフォーム)についての測定結果である。ここで吸音層の圧縮反発力は制振材の弾性率に関わる値である。従来、防音材の一種であるフェルト材は制振材の一種である。制振材料は振動エネルギーを吸収し熱エネルギーに変換する。制振効果を示す特性として損失係数ηがある。この損失係数ηは以下の式で計算される。
Figure 0003930484
前記吸音層において高密度吸音層及び低密度吸音層は2層の個別材料による複層体もしくは単一材料で高密度側と低密度側のように密度勾配がある材料であることが好ましい。
前記吸音層において高密度吸音層及び低密度吸音層が2層の個別材料による複層体は、個別の高密度と低密度の吸音材の2層の組み合わせであることが好ましい。また単一材料で高密度側と低密度側のように密度勾配がある材料は、通気性の共振層側に高密度側が接着層で接着されていれば2層の場合と同じ効果が得られる。
前記高密度吸音層の片面が前記共振層に前記接着層を介して接着されるとともに、前記低密度吸音層の片面が前記高密度吸音層の前記共振層と反対側の片面に別の接着層を介して接着されるか、若しくは積層されてもよいし、又は、単一材料で高密度側と低密度側のように密度勾配を設けたものでも良い。
吸音層の材質は、熱可塑性フェルト、ポリエチレンテレフタレート等のPET系フェルト、ウレタンモールド品、ウレタン発泡のスラブ品、RSPP等が好ましい。
請求項5記載の発明は、前記吸音層は単層であり、密度は0.02〜0.20g/cm3、厚さが2〜70mmであることが好ましい。吸音層は単一材料であることが好ましい。
請求項6記載の発明は、前記吸音層の初期圧縮反発力は2〜200N、好ましくは20〜100Nであることが好ましい。
請求項7記載の発明は、前記接着層で接着されていない前記通気性の共振層の車室内側の面に第2吸音層を接合させ、前記第2吸音層は密度0.01〜0.2g/cm3で厚さが1〜20mmであり、好ましくは密度0.05〜0.15g/cm3で厚さが4〜10mmであることを特徴とする請求項1乃至5いずれかの超軽量な防音材である。
第2吸音層が通気性の共振層の上に拘束されていればよく、非接着で単純に積層した状態(例えば、ファスナ(図示略)で第2吸音層と共振層と吸音層を一緒にダッシュパネル、又はフロア等の車体パネルに固定する場合)、20〜100mmピッチのドット接着等の局部的接着、接着層による全面接着でもよい。第2吸音層と共振層の接着強度は、剥離幅25mmで180度の剥離にて0.1〜20N/25mm、好ましくは3〜10N/25mmである。第2吸音層は通気性の共振層の片面の全面に設置する場合と、必要に応じ車室内騒音の反射が高い部位に設置する場合などがある。第2吸音層は単層又は複層いずれでもよい。複層の吸音層の積層は接着での積み重ねでもよい。複数の吸音層の接合は、接着剤、接着フィルム、機械的な接合、例えばニードルパンチ等の機械的穿孔力による接合でもよい。
請求項8記載の発明は、前記第2吸音層は、単層又は複層であることが好ましい。
請求項9記載の発明は、前記第2吸音層が複層であり、その下層が共振層と接着されるか、又は、上層と下層とが機械的穿孔力により積み重ねられることが好ましい。より具体的には、下層がフィルム共振層と接着されるか、又は、フィルムである上層と、フェルトである下層とがニードルパンチにより積み重ねられることが好ましい。
請求項10記載の発明は、前記通気性の共振層の構造は発泡体またはフィルム体であり、前記発泡体の場合は、厚さ1〜7mm、好ましくは2〜3mmであり、前記フィルムの場合は厚さ10〜600μm、好ましくは20〜300μmである請求項1乃至8いずれかの超軽量な防音材である。
吸音層は通気性の低密度の吸音特性を持っているが、通気性の共振層は低い音または振動エネルギーで振動を容易にする為、十分軽量である必要があるからである。
通気性共振フィルム層の材質は、オレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル(PET)系フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム又はそれらの複合体から構成することが好ましい。通気性独立共振発泡体は、ポリプロピレン発泡体(以下、PPFという)、ポリエチレン発泡体(以下、PEFという)等のオレフィン系発泡体が好ましい。
請求項11記載の発明は、前記通気性の共振層の通気度は、8.0〜1.0cm 3 /cm 2 ・secである。
本発明によれば、会話明瞭度を改善させるため、1000〜1600Hzでの吸音力が特に良好である。これは前記吸音層がその厚さを連続的に任意に変化させるからである。この範囲での周波数でのシート共振による吸音力の向上を効果的に得ることができ、車室内の良好な静粛性が得られる。超軽量な防音材の厚さが薄くなってもシートの共振現象を利用している為、高い吸音率を得ることができる。
従来の吸音材に対し通気性の共振層の大幅な重量低減が可能になる。これは前記通気性の共振層の単位面積当りの重量は10〜280g/m、好ましくは100〜200g/m、前記通気性の共振層の構造は発泡体またはフィルム体であり、前記発泡体の場合は、厚さ1〜7mm、好ましくは2〜3mm、前記フィルムの場合は厚さ10〜600μm、好ましくは20〜300μmとしたからである。
例えば、単位面積当りの重量は、遮音タイプでは4000〜10000g/m2であり、吸音タイプでは500〜2000g/m2であるが、本発明は単位面積当りの重量が通気性の共振層では200g/m2以下である。
なお、接着層の厚みは、1〜100μm、好ましくは5〜50μmが好ましい。接着層の単位面積当りの重量は5〜200g/m2、好ましくは10〜100g/m2が好ましい。接着層の密度は任意であることが好ましい。
ここで全界面とは前記通気性の共振層と吸音層とが接着可能な全ての界面をいう。全界面の面積は、例えば、通気性の共振層、吸音層の片面の面積をそれぞれS1、S2とすると、S1=S2の場合なら、全界面の面積S=S1=S2となり、S1>S2の場合なら、S=S2、S1<S2の場合なら、S=S1である。剥離とは先の接着された吸音層と通気性の共振層が所定の測定条件で剥がされることを言う。このときの剥離状態は、材料の表層破壊(たとえばフェルトの表層破壊)、接着剤の界面剥離(たとえば全ての接着剤が吸音層側について剥離する)、接着剤の凝集剥離(たとえば吸音層と通気性の共振層の双方に残りながら接着剤自体が糸を引くように剥離される)、またはこの材料の表層破壊と、接着剤の界面剥離と、接着剤の凝集剥離とが複合した状態で剥離することをいう。
以下、本発明の超軽量な防音材に係る実施形態1〜6について図面を参照して説明する。
実施形態1のダッシュサイレンサ1は、図3に示す通り、熱可塑性フェルトでは通気度が10〜50cm3/cm2・secでモールドし、ウレタン発泡体(フォーム)では10cm3/cm2・sec以下の通気度を持つ吸音層2と、通気性の共振層3との2層構造である。吸音層2と通気性の共振層3の間にそれらを接着する接着層4が形成されている。吸音層2と通気性の共振層3とをその界面で共振させることで吸音するものである。
図4のダッシュパネル10は、車室外(エンジンルーム)と車室内とを区画する鉄製パネルであって、車室内面側に沿ってダッシュサイレンサ1が添装されている。ダッシュサイレンサ1は、燃費効率及び取付作業性を高めるために、製品重量を超軽量化するとともに、超軽量化しても充分な吸音特性を備えるように構成されている。
図4は実施形態1のダッシュサイレンサ1である。車室内、通気性の共振層3、接着層4、吸音層2、車のボディであるダッシュパネル10、車室外の順番に配置されている。吸音層2がダッシュパネル10側に配置され、通気性の共振層3は車室内側に設置される。吸音層2はダッシュパネル10に接合されている。それらの間に嵩上げ材等を介装させることもある。
吸音層2は、ダッシュパネル10の面形状に沿って成形されている。吸音層2の厚さは50mm以下、好ましくは、5mm〜40mmであり、任意の厚さに成形される。単位面積当りの重量が500〜2000g/m2、好ましくは、1000〜1600g/m2である。吸音層2の密度は0.01〜0.2g/cm3、好ましくは、0.03〜0.08g/cm3である。吸音層2の初期圧縮反発力は、2〜200N、好ましくは、20〜100Nである。ただし、局部的に厚さが1mmまで圧縮成形される場合は、この部分の密度は0.5g/cm3と極めて高くなり、吸音性能が低下するがこの部分の遮音について重量則分は確保できる。
吸音層2は、通気性の材質である。熱可塑性フェルトが好ましい。化繊反毛材、PET繊維をバインダー繊維でフェルト化したものである。例えば、再生PET繊維に低融点PET樹脂をバインダとして混入し、コンベアベルト上でマット状に集積したものを加熱処理後、プレス加工により所望のマット状に成形され、この原反マットを加熱軟化させた後、所望の金型形状をもつコールドプレス成形金型によりダッシュパネル10の面形状に沿った所望の形状に成形されるものである。バインダとして熱硬化性樹脂を含浸させたものでは、ホットプレス成形を使用して所要形状に成形される。バインダとして熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも良く、吸音特性に優れた繊維集合体から構成されれば、材質や成形工法は特に限定するものではない。
図4に示す通り、吸音層2が50mm以下の範囲で厚さを任意に変化させてあることでダッシュサイレンサ1の厚みも変化している。
ランダムに吸音層2の厚みを変更することで、トータルでみると315〜4000Hzの広い周波数の範囲の音を吸音できる。
通気性の共振層3は、吸音層2に対して車室内側に形成したものである。この通気性の共振層3は、主として、吸音層2と膜共振することで、車室内の音を吸音するものである。通気性の共振層3は、共振フィルム層又は独立共振発泡体である。この通気性の共振層3は、単位面積当りの重量は200g/m2以下、好ましくは100g/m2以下である。通気性の共振層の厚さは、発泡体であるときには、1〜7mm、好ましくは2〜3mmであり、通気性の共振層がフィルムであるときには、10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。通気性の共振層の密度は、発泡体であるときには、0.02〜0.1g/cm3、好ましくは、0.03〜0.06g/cm3であり、フィルムであるときには、0.9〜1.2g/cm3、好ましくは、0.9〜1.0g/cm3である。
通気性の共振層3の材質は、オレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム又はそれらの複合体である。通気性の共振発泡体は、ポリプロピレン発泡体(以下、PPFという)、ポリエチレン発泡体(以下、PEFという)等のオレフィン系発泡体である。
接着層4の単位面積当りの重量は5〜200g/m2、好ましくは10〜100g/m2である。接着層4の厚みは、1〜100μm、好ましくは5〜50μmである。密度は接着剤の一般的な値でよい。接着層4の接着強度は1〜20N/25mm、好ましくは3〜10N/25mmである。接着面積率は50%から100%、好ましくは80%〜100%である。全面接着でも部分接着でもよい。例えば、吸音層2と通気性の共振層3とは、接着層によって連続的に接着されてもよいし、1〜50ドット/cm2に相当する点接着で接合してもよいし、糸状に接着されていることでもよい。また、接着フィルムを利用した場合、全面接着でもよい。接着層4の材質は、EVA系、ウレタン系、クロロプレンラテックス(CR)系、スチレン−ブタジエン系重合体(SBR)系、アクリル系、オレフィン系等の樹脂を採択する。但し、通気性の共振層3を十分、吸音層2で強制するために、所定の接着力が確保できない材質の使用は望ましくない。共振層の通気度は、1.0〜8.0cm3/cm2・sec、好ましくは2.5〜5.0cm3/cm2・secである。
吸音層2と通気性の共振層3の成形工法としては、防音材の抄造工法はカード機による積層、またはランダム抄造機を利用するが、通気性の共振層3との接着面はなるべく平滑に仕上げることが好ましい。これは接着面積を確実に確保するためであり、これにより通気性の共振層3を効率よく強制することができる。
ダッシュパネル10から入射する直接音に対する遮音性向上、つまり、透過損失が低い中周波数からの透過損失の向上の課題については、ダッシュパネル10の単位面積当りの重量に比べ、大幅に軽量にした通気性の共振層3を表皮層として利用し、パネル10と通気性の共振層3の間に通気抵抗のある吸音層2を設けた。更に従来技術ではなかった通気性の共振層3と吸音層2の界面の制御(接着層4による接着力の制御)を行ったものである。通気性の共振層3の単位面積当りの重量を大幅に下げ200g/m2以下にしたので、これにより、透過共鳴の周波数が高い方の他に低い方にも出現する(図5(a)(b)(1)参照)。また2重層構造による透過損失の向上が認められる(図5(a)(3)参照)。
実際の製品の凹凸で吸音層2が薄肉化しても十分吸音力を確保する、つまり、中周波数から高周波数へかけての吸音力向上の課題について、部品の立て付け、スペースの影響で吸音層2が薄くなっても、吸音層2と通気性の共振層3との膜共振を利用することで高い吸音率を確保できる。共振層の単位面積当りの重量を50g/m2とした場合、吸音層2の厚さと共振周波数frとの関係は次の表1の通りになる。
Figure 0003930484
車室内での音は拡散入射であり、通気性の共振層3は軽量で剛性が低い為、共振は微少な範囲で独立して発生している。この為、例えば吸音層2の厚さLの値が30〜5mmに変化したとき、共振周波数は1531〜3750Hzで変化し、図6(a),(b)に示す通り、吸音率は幅広い範囲で確保され、高い吸音力を確保することができる。
ここで、一般的なバネ・マス系の振動モデルを考えた場合、吸音層2の空気バネと、吸音層2と通気性の共振層3の総質量による機械的バネを利用したときの共振周波数の式は、通常のバネ振動の式においてバネ定数にあたるk=ρ・C2/Lとすることにより、共振周波数fが式2で算出される。ただし、frは共振周波数(Hz)、ρは空気密度(1.2Kg/m3)、Cは音速(340m/s)、mは通気性の共振層3の単位面積当りの重量(g/m2)、Lは吸音層の厚さ(mm)である。
Figure 0003930484
従来、250〜500Hzの吸音力があがりにくい周波数での吸音力向上の課題について、通気性の共振層3を吸音層2に十分接着することで、吸音層2のマスが加わり通気性の共振層3単品の共振周波数が高周波数側へ移動するほかに、前記接着により低周波数側にも出現し(図7(a)(b)(4)参照)、吸音層2の強制力で共振による透過損失の低下量が減少する(図7(a)(b)(5)参照)。吸音層2の空気バネと、吸音層2と通気性の共振層3の総質量によるバネマスで315〜630Hzで共振が発生し、この周波数の吸音率が向上する(図7(a)(b)(6)参照)。
この構造ではダッシュサイレンサ1とパネル10(ここでは鉄製パネル)との2重壁効果で重量則以上の透過損失を得ることができる。更にこの効果を悪化させる透過共鳴の周波数を表皮層(通気性の共振層3)を極めて軽量にすることで透過損失が十分高い周波数領域で発生させ更に表皮層である通気性の共振層3が極めて軽量であることと通気性の共振層3と吸音層2の接着力を制御し、十分な接着力と接着面積を確保することから吸音層の制振性による透過共鳴により透過損失の低下量を低減している(図7(a)参照)。一方、吸音特性は通気性の共振層3が極めて軽く更に吸音層2の厚さを50mm以下に制御することで、共振周波数が315〜4000Hzで制御でき、高い吸音率を得ることができる。高い方の周波数である中周波数領域(640〜1250Hz)で通気性の共振層3単品による共振が発生し、また、通気性の共振層3は、吸音層2と、十分な接着力と接着面積で接着されているため、吸音層2の一部の質量を利用したバネ・マス系の共振が低い方の周波数である315〜630Hzで発生し、吸音性が向上する(図7(b)参照)。この構成のダッシュサイレンサ1の通気性の共振層3は、従来の表皮層と比べ単位面積当りの重量が十分軽量でありながら、ダッシュパネル10から入射する直接音(ここではエンジンルームからの音)を十分遮音し、さらに他部位(ここではエンジンルーム以外の部分)から入射し車室内で反射する間接音を吸音する効果がある。
実施形態1によれば、通気性の共振層3が柔軟な薄層よりなること等により、車室内の音がこの通気性の共振層3に干渉し、吸音層2と通気性の共振層3とが薄膜振動を行っており、これは通気性の共振層3と吸音層2との界面での共振現象による吸音である。また、通気性の共振層3と吸音層2との間にある接着層4の利用によって、界面において吸音する音の周波数を制御することができる。本実施形態1によれば、会話明瞭度を改善させるため、1000〜1600Hzでの吸音力が特に良好である。通気性共振シ−ト層の単位面積当りの重量10〜500g/m2と吸音層2の厚さを1〜50mm以下で変化させることで、この範囲での周波数でのシート共振による吸音力の向上を効果的に得ることができ、車室内の良好な静粛性が得られる。ダッシュサイレンサ1の厚さが薄くなってもシートの共振現象を利用している為、高い吸音率を得ることができる。従来の防音材に対し通気性の共振層の大幅な重量低減が可能になる。
(実施例1)
実施例と比較例のデータ比較を行ったのでこれを図8及び図9に示す。比較例の構成は、接着層4の接着面積が20%の場合であり、接着層4の接着面積が90%であることと相違する点を除き、実施例と同じものを用いた。ダッシュサイレンサ1の厚みが22mm、吸音層2の厚みが20mm、通気性共振層3の厚みが2mm、接着層4の厚みが50μmである。ダッシュサイレンサ1は、通気性の共振層3がポリプロピレン発泡体(PPF)で、発泡率30倍、比重0.031g/cm3、厚み2mm、単位面積当りの重量62g/m2であり、吸音層2が熱可塑性フェルト(ポリエステル化繊と雑綿を利用した一般的なもの)、比重0.06g/cm3、厚み20mm、単位面積当りの重量1200g/m2であり、接着層の接着面積は90%である。水溶性EVA系接着剤を、通気性の共振層3としての発泡率30倍で厚さ2mmのポリプロピレン発泡体に50g/m2塗布し、熱可塑性フェルトまたはニードルパンチを行ったフェルトからなる吸音層2と圧力1kg/cm2で60秒間圧縮する。乾燥が遅い場合は加熱することで約30秒間の圧締でよい。接着後の接着強度は2〜8N/25mm で、界面のほぼ90%が接着している。剥離状態は吸音層2の熱可塑フェルトの表層破壊である。ここでニードルパンチを行ったフェルトはそうでないフェルトに対し表層破壊強度が高くなりこの為、接着強度は5〜10N/25mmと高くなる。
図8において、接着層の接着面積が90%である場合と、接着面積が20%である場合と比較すると、接着面積が90%の場合、400Hz以上の周波数範囲において接着面積が20%である場合より透過損失の上昇が認められる。これにより車室外から車室内に侵入する騒音を低減できる。さらにニードルパンチを行ったフェルトはそうでないフェルトに対し表層破壊強度が高く、すなわち接着強度が5〜10N/25mmとなり、図には示されていないが400Hz以上の周波数範囲において、さらに1〜3dB、透過損失が高くなる。
図9において、接着層の接着面積が90%である場合と、接着面積が20%である場合とを比較すると、接着面積が90%の場合、630Hz〜1600Hzの周波数範囲において、接着力と接着面積により通気性の共振層が拘束され、防振・制振され、吸音率の多少の低減が認められるが、吸音率は0.6以上はあるので車室内の騒音を吸音できる。比較例では通気性の共振層により吸音率は上昇する。630Hz〜1600Hzの周波数以外の範囲では、接着面積が90%の場合、接着力と接着面積により通気性の共振層と吸音層による共振現象によって、接着面積が20%の場合よりも吸音率が上昇する。これにより、この周波数領域で車室内の騒音を接着面積が20%の場合より低減できる。更に400〜500Hz付近の周波数で通気性の共振層と吸音層の相互からなる共振周波数により、吸音率0.7を得ることができ、中周波数での車室内の騒音低減に役に立っている。
図10(a)は実施形態2のダッシュサイレンサ201である。実施形態1のダッシュサイレンサ1と同様の構造を備えるので、説明は援用する。異なる構成は、吸音層202は密度が異なる高密度吸音層202a、低密度吸音層202bとから構成され、吸音層202a及び202bがダッシュパネル10側に配置され、通気性の共振層203は車室内側に設置されることである。低密度吸音層202bはダッシュパネル10に接合されている。
高密度吸音層202aは通気性の共振層203に前記接着層204を介し接着されている。高密度吸音層202aの密度は0.05〜0.20g/cm3であり、厚さが2mm〜30mmの範囲である。低密度吸音層202bは、通気性の共振層203と反対側の高密度吸音層202aの面に密度が0.01〜0.10g/cm3で厚さが2〜30mmの範囲で接着層202cを介して接着されている。高密度吸音層202aの初期圧縮反発力が30〜400Nで低密度吸音層202bの初期圧縮反発力が0.5〜200Nであり、少なくとも高密度吸音層202aの初期圧縮反発力は低密度吸音層の1.2〜40倍であり、吸音層202の厚さにおける高密度吸音層202aの占める厚さは20〜80%である。好ましくは高密度吸音層202aの初期圧縮反発力が200〜300Nで低密度吸音層202bの初期圧縮反発力が50〜100Nであり、少なくとも高密度吸音層202aの初期圧縮反発力は低密度吸音層202bの1.5〜5倍であり吸音層202の厚さにおける高密度吸音層202aの占める厚さは40〜60%である。
吸音層202において高密度吸音層202a及び低密度吸音層202bは2層の個別材料による複層体もしくは単一材料で高密度側と低密度側のように密度勾配がある材料である。
なお、吸音層202、通気性の共振層203、接着層204の材質等は実施形態1と同様である。
図10(a)に示す実施形態2のダッシュサイレンサ201において、吸音層202を異密度の2層である高密度吸音層202a及び低密度吸音層202bにする場合と、吸音層202を非異密度にする場合との周波数VS透過損失の比較を図11に示す。吸音層202を異密度の高密度吸音層202a及び低密度吸音層202bの2層構造にすることで中周波数(640〜1250Hz)以上で更に透過損失が大幅に改善される。
図12に、図3構造と図10a構造(第2吸音層が無い場合)の場合、図17構造と図10b構造(第2吸音層がある場合)において、第1吸音層が異密度と非異密度であることを比較するときの周波数VS吸音率を示すグラフである。実施形態1は吸音層が非異密度の場合、中周波数領域(640〜1250Hz)だけが著しく高い吸音率を示している。一方、第1吸音層が異密度である場合、315Hz〜4000Hzの幅広い周波数で高い吸音率を得ている。実施形態2では、中周波数領域(640〜1250Hz)の特定の周波数を持つ騒音だけでなく、幅広く吸音可能になる。実施形態2では400Hzと1600Hzの周波数の間では、実施形態1の非異密度の場合よりも吸音率は低下し、共振周波数のピークが明確に現れることが判る。これは実施形態2では、接着層204を介して通気性の共振層203と高密度吸音層202aの剛性の影響を受けているからである。この剛性が高くなると高い周波数へ共振周波数は移行することになる。また低周波数側の共振周波数は実施形態2も、同様に低周波数領域(125〜500Hz)である。これは吸音層202の異密度差による剛性差に影響はなく、通気性の共振層203と吸音層202の質量の総和のマスと吸音層202のバネによるバネマス系振動による。
図13は、接着層204があり更に吸音層202が異密度の2層からなる図10(a)の構造のとき、通気性の共振層203の質量を変化させた場合の周波数VS吸音率の比較を示すグラフである。図13のデータは第2吸音層306がないデータであり、図13は通気性の共振層3の質量を変化させた場合の高周波側に発生する吸音率のピーク周波数の変化を示している。しかし、この現象は第2吸音層306の有無に関わらず発生する。したがって、図13は第2吸音層306がある場合、第2吸音層306が無い場合の両方に適用される。通気性の共振層303の質量により、高周波数側の共振周波数が変化する。通気性の共振層3の質量は60g/m2であるとき、1250Hzの共振周波数が発生するがこれは発泡体で厚みが2〜3mmであり、フィルムで20〜100μに相当する。通気性の共振層3の質量が300g/m2であるとき、1000Hzの共振周波数が発生し、通気性の共振層3の質量が2000g/m2であるとき、315Hzの共振周波数が発生する。通気性の共振層3の質量が重くなると共振周波数が低周波数へ移行してしまい目的とする周波数の吸音ができなくなる。
図10(a)に示す実施形態2のダッシュサイレンサ201、すなわち、吸音層202が異密度で接着層204を介して共振層203がある超軽量な防音材においては、1つは、吸音層202の空気バネと、通気性の共振層203と吸音層202の総和の質量(マスともいう)による振動と、他は、吸音層202の空気バネと通気性の共振層203の剛性によるバネと、通気性の共振層203のマスによる振動とが発生する。この吸音層202の空気バネと、通気性の共振層203と吸音層202の総和のマスによる振動は、図15(第2吸音層306がなしの折れ線参照)で低周波数領域(125〜500Hz)に吸音率のピークとして発生している。更に、吸音層202の空気バネと通気性の共振層203の剛性によるバネと、通気性の共振層203のマスによる振動は、図15(第2吸音層306がなしの折れ線参照)で高周波数領域(1600〜6400Hz)に吸音率のピークとして発生している。この高周波数に発生する吸音率のピークはコインシデンスの影響を受ける。これは通気性の共振層203と高密度吸音層202aの接着層204による通気性の共振層203の剛性が影響する。
(実施例2)
実施例2は実施例1の吸音層を異密度にしたものであり、他は同様である。高密度吸音層202aは密度0.100g/cm3、厚さ10mm、単位面積当りの重量1000g/cm2、初期圧縮反発力200N、熱可塑性フェルト(PETをバイダとし化繊反毛とPE繊維とをフェルトとしたもの)、低密度吸音層202bは、密度0.04g/cm3,厚さ10mm、単位面積当りの重量400g/cm2、初期圧縮反発力50N、材質は綿繊維フェルトとする。接着層204の接着力は5N/25mmである。高密度吸音層202aと低密度吸音層202bとをPET系フェルトとしニードルパンチで積層してもよい。
図10(b)に示す実施形態3のダッシュサイレンサ301は、実施形態2のダッシュサイレンサ201と同様の構造を備える上、実施形態2の通気性の共振層203の車室内側の面に車室内側接着層305及び第2吸音層306を付加したものである。通気性の共振層303は車室内側接着層305(厚みは任意でよく、例えば20μm〜100μm程度でよい)を介して軽量な第2吸音層306と接着されている。この第2吸音層306は、密度0.01〜0.1g/cm3で厚さが1〜10mmであり、好ましくは密度0.02〜0.04g/cm3で厚さが4〜6mmである。
実施形態3のダッシュサイレンサ301で付加する第2吸音層306は、車室内側の高周波の吸音性を改善するために設定されている。図14乃至図16に第2吸音層306の効果と接合状態による通気性の共振層303への影響を示す。図14は第2吸音層306の付加による透過損失への影響を示し、図15及び図16は第2吸音層306の付加による吸音率への影響を示す。図14の透過損失については、(1)(2)の場合は(3)よりも改善するが、(1)の方が(2)よりも若干優れる。また、図15の吸音率は第2吸音層306がない場合であり、通気性の共振層303はそれ自体、拘束が少ない状態で共振する。これにより高周波領域(1600〜6400Hz)で共振し、高い吸音率を示す。同時に低周波数領域(125〜500Hz)で共振が発生している。通気性の共振層303が吸音性の無い材料で拘束される場合には、吸音率は矢印に示す通り高周波数領域(1600〜6400Hz)で低下する。これに対し、第2吸音層306を通気性の共振層303の上に付加すると、図16に示す通り、表皮部である共振層303が第2吸音層306で拘束され高周波数領域の吸音ピークは低下するが、第2吸音層306自体の吸音性が付加され、通気性の共振層303が吸音性のない材料で拘束される場合に対して、中周波数(640〜1250Hz)〜高周波数(1600〜6400Hz)の吸音率が向上する。
図10(b)に示す実施形態3のダッシュサイレンサ301において、車室内側接着層305及び第2吸音層306がある超軽量な防音材においては、1つは、第1吸音層302の空気バネと、第2吸音層306と通気性の共振層303と第1吸音層302の総和のマスによる振動が発生する。これは図16(第2吸音層306がある折れ線)で低周波数領域(125〜500Hz)に吸音率のピークとして発生している。更に吸音層302の空気バネと第2吸音層306と通気性の共振層303のマスによる振動とがある。これは図16(第2吸音層306で共振層303を拘束する折れ線参照)で高周波数領域(1600〜6400Hz)に吸音率のピークとして発生している。このモデルも同様にコインシデンスの影響を受ける。
吸音層302の異密度化による影響は高密度吸音層302aのコインシデンスへの影響にみられ、高周波数側の吸音率のピークに影響する。
(実施例3)
実施例3は実施例2に第2吸音層306を付加し100mmドットピッチで共振層303に接着したものであり、第2吸音層は、密度0.04g/cm3,厚さ5mm、単位面積当りの重量200g/cm2、初期圧縮反発力50N、材質は熱可塑性フェルト(PETをバイダとし化繊反毛とPE繊維とをフェルトとしたもの)とする。
実施形態4のダッシュサイレンサ401について図17を参照して説明する。この実施形態4は実施形態3の第1吸音層302を密度均一の単層の第1吸音層402とし(密度均一で複数層の場合も適用できる)、他は実施形態3と同様であるので、部品番号を400番台とし共通する要素は説明を援用する。図17において、車室内、第2吸音層406、接着層405、通気性の共振層403、接着層404、第1吸音層402、車室外(エンジンルーム等)の順番で配置されていて、第1吸音層402が車のボディであるダッシュパネル10に固定され、第2吸音層406が車室内に面している。このダッシュサイレンサ401において接着層404が無いときは通気性の共振層403がマスとなり第1吸音層402がバネとなったバネマス系の単一の振動モデルが発生する。つまり、単純な通気性の共振層403の膜共振が中周波数領域(640〜1250Hz)で発生している。これに対して、接着層404がある場合は、先に説明した中周波数領域(640〜1250Hz)の通気性の共振層403の膜共振と同時に、低周波数領域(125〜500Hz)で共振が発生している。先に説明した通気性の共振層403と第1吸音層402のマスと第1吸音層402のバネによるバネマス系が発生していることがわかる。
図18は接着層404の透過損失への効果を示す。図18より接着層404がある時は無いときに比べ透過損失は低周波数領域(125〜500Hz)以上で向上している。図19は、接着層404の吸音率への効果を示す。図19より吸音率は接着層404がないと中周波数領域(640〜1250Hz)だけが、著しく高い吸音率を示しているが、接着層404があると低周波数領域(125〜500Hz)から高周波数領域(1600〜6400Hz)の幅広い周波数で高い吸音率を得ている。これにより中周波数領域(640〜1250Hz)の特定の周波数を持つ騒音だけでなく、幅広く吸音可能である。この原理は共振周波数が接着層404が無いときは通気性の共振層による中周波数領域(640〜1250Hz)の共振しか発生していないが、接着層404があると、この中周波数領域(640〜1250Hz)の共振と同時に低周波数領域(125〜500Hz)にも共振が発生することによる。
(実施例4)
実施例4は実施例3の第1吸音層302を単層としたものであり、第1吸音層402は、密度0.04g/cm3,厚さ5mm、単位面積当りの重量200g/cm2、初期圧縮反発力50N、材質は熱可塑性フェルト(PETをバイダとし化繊反毛とPE繊維とをフェルトとしたもの)とする。
図20に示す実施形態5のフロアサイレンサ501は、車室外と車室内とを区画する鉄製フロアパネル510に固定され、車室内面側に沿って添装されている。フロアサイレンサ501は、燃費効率及び取付作業性を高めるために、製品重量を超軽量化するとともに、超軽量化しても充分な吸音特性を備えるように構成されているフロアサイレンサ501である。車室内、表皮/バッキング層507、複層に構成される第2吸音層506、通気性の共振層503、接着層504、吸音層502、車のボディであるフロアパネル510、車室外の順番に配置されている。吸音層502がフロアパネル510側に配置され、通気性の共振層503は車室内側に設置される。吸音層502はフロアパネル510に接合されている。
実施形態5のフロアサイレンサ501は、実施形態4のダッシュサイレンサ401と物性範囲は一部が共通するので、説明は援用する。物性範囲が変更される点を説明すると、吸音層502の厚みは、5mm〜100mm、通気性の共振層503の単位面積当りの重量が10〜280g/m、好ましくは100〜200g/mである。共振層503がフィルムである場合、厚みが10〜600μ、好ましくは20〜300μである。第2吸音層506の密度は0.01〜0.2好ましくは0.05〜0.15g/m3である。
表皮/バッキング層507は、表皮材とバッキング材、例えばポリエチレン、またはEVA、SBRから構成されている。第2吸音層506は単層または複層で構成される。例えば、図20では第2吸音層506は上層506aと、下層506bとからなる複層で構成されている。
上層506aの上面は表皮/バッキング層507とは接着層508を介して接合され、上層506aの下面は下層506bと接着または載せた状態で接されている。下層506bはフェルトを圧縮したハードシートであり、下層506bの下面が通気共振層503に接着されている。上層506aは材料の吸音性による高周波吸音力の向上と下層506bの弾性共振による高周波吸音力向上の増強を図る。下層506bと吸音層502により、下層506bの剛体共振による中周波吸音力向上と、下層506bの弾性共振による高周波吸音力向上を図る。下層506bと通気性の共振層503により、下層506bのマスを使用して遮音性の向上を図る。
(実施例5−1)
実施例5−1は図20にて表皮/バッキング層507の単位面積当りの重量が350g/m2、上層506aがフェルトで厚みが5〜15mm、下層506bがハードシート層で厚みが2〜5mm、フィルム層503で厚みが300μ、接着層504の材質はオレフィン系接着剤、フェルト層502は熱可塑性ポリエステル、アクリル、綿繊維等が混紡されたフェルトで厚みが10mm、嵩上げ材509はPPまたはPE系のビーズ発泡品、またはRSPPの圧縮成形品で厚みが5〜50mmであるモールド品である。フィルム付きのハードシート層の単位面積当りの重量は350g/m2である。
図21(a)は、比較例1のフロアサイレンサ501aの構造を示す。フロアサイレンサ501aは、上から、表皮/PEバッキング層507d、ハードシート層506e、フェルト層503f、嵩上げ材509aとから構成されている。バッキング層507dとハードシート層506eとフェルト層503fは予め接着され一体化しているときが多いが、車両組み付け上509a層は別体化されて居るときもある。この構造ではパッキング層507dでの車外騒音の遮音性効果はあるが室内吸音は殆どない。
図21(b)は比較例2の図28構造を適用したフロアサイレンサ501bの構造を示す。フロアサイレンサ501bは、上から表皮/PEバッキング層507g、ハードシート層506h、フェルト層503i、嵩上げ材509bとから構成されている。図21(c)は実施形態5のフロアサイレンサ501´の具体例の構造を示す。この構造はハードシートの通気量を制御することで、室内吸音を確保しながら、車外騒音の遮音性を確保している。ただし、通気性があるため、遮音性の効果は少ない。フロアサイレンサ501´は、上から、表皮/バッキング層507´、ハードシート層506´、フィルム層(通気性の共振層)503´、接着層504´、フェルト層502´、嵩上げ材509´とから構成されている。ハードシート層506´とフィルム層(通気性の共振層)503´とはほぼ全面接着されている。この構造も室内吸音を確保しながら、車外騒音の遮音性を確保しているが、弾性共振と剛体共振をさらに利用できる為、さらに良い吸音率の確保と通気性フィルムによる高い遮音性を確保できる。
図22(a)に示す通り、実施形態5の透過損失は比較例1、2より向上している。特に比較例2に対して向上している。図22(b)に示す通り、具体例の吸音率は比較例1、2より向上している。特に比較例1に対して向上している。これはフィルム層503の寄与による。
実施形態5の変更形態として、図20にてフェルトである上層506aを小孔をあけた非通気性のフィルム(厚み30〜400μ、好ましくは200μ、材質はPE、PP等オレフィン系)とし、ハードシートである下層506bをフェルトとする構造がある。上層506aと下層506bとをニードルでパンチしてある。この孔空きフィルムの有無よる効果の差異を図23(a)(b)に示す。フィルム有り、フイルム無しともに透過損失及び吸音率は向上している。図23(a)の透過損失は、0.8mmの鉄板の透過損失を0dBとしたときの値で示している。
(実施例5−2)
実施例5−2は表皮/バッキング層507の単位面積当りの重量が350g/m2、上層506aが非通気性のフィルムで厚みが200μ、ハードシート層506(熱可塑性フェルトの圧縮成形品、厚み5mm)、フィルム層503(PE系フィルム、厚み300μ)、接着層504(オレフィン系接着剤)、フェルト層502(主にポリエステル繊維による熱可塑性フェルト)の厚みが10mm、嵩上げ材509(PPビーズ発泡モールド品)の厚みが5〜40mmである。フィルム付きのハードシート層506の単位面積当りの重量は350g/m2である。
図24は実施形態6のフロアサイレンサ601を示す。実施形態5のフロアサイレンサ501と概ね構造は共通し、吸音層602が高密度吸音層602a、低密度吸音層602bから構成されている点が異なるだけである。実施形態3のダッシュサイレンサ301の高密度吸音層302a、302bとは物性範囲が一部共通しているので、説明は援用する。物性が変更される点は、高密度吸音層602aの厚さが2mm〜70mm、低密度吸音層602bは厚さが2〜70mmの範囲であり、高密度吸音層602aの初期圧縮反発力が30〜600N、好ましくは50〜300N、低密度吸音層602bの初期圧縮反発力が5〜300N、好ましくは10〜100Nである。
(実施例6)
実施例6は実施例5−1の吸音層を高密度吸音層と低密度吸音層で構成したものである。高密度吸音層602aは密度0.100g/cm3、厚さ100mm、単位面積当りの重量1000g/cm2、初期圧縮反発力300N、熱可塑性フェルト(PETをバイダとし化繊反毛とPE繊維とをフェルトとしたもの)、低密度吸音層602bは、密度0.04g/cm3,厚さ100mm、単位面積当りの重量400g/cm2、初期圧縮反発力100N、材質は綿繊維フェルトとする。接着層604の接着力は5N/25mmである。高密度吸音層602aと低密度吸音層602bとをPET系フェルトとしニードルパンチで積層してもよい。
ここで、通気度については、JIS L1018 8.3.3.1編地の通気性による「フラジール形試験機」及びこの結果に相関性が極めて高い通気性試験機を用い測定する。
この透過損失の測定は、JIS A 1409によるが、試験体が10m2ではなく、1m2でおこなったものである。図25は測定室の平面図であり、スピーカ20とマイクロフォン31〜36が配置され、ダッシュサイレンサ1などの試験体が各部屋の壁に配置される。
この吸音率の測定は、JIS A 1416(残響室吸音)によるが、試験体が10m2ではなく、1m2でおこなったものである。図26は測定室の平面図であり、スピーカ40とマイクロフォン51〜53が配置され、測定室の床にダッシュサイレンサ1などの試験体が配置される。
以上、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得るものである。また、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。
初期圧縮反発力の測定方法の説明図である。 初期圧縮反発力の測定結果の一覧図表である。 本発明実施形態1の基本構造を示す説明図である。 本発明の防音材が適用されるダッシュサイレンサ1が適用されるダッシュパネルの断面図である。 (a)(b)は、それぞれ、本発明実施形態のダッシュサイレンサ1と図27の構造と図28の構造についての周波数VS透過損失、及び周波数VS吸音率との関係を示すグラフである。 (a)(b)は、本発明実施形態のダッシュサイレンサ1の周波数VS吸音率との関係を示すグラフである。 (a)(b)は、それぞれ、本発明実施形態のダッシュサイレンサについての、接着層が十分である場合と不十分である場合を比較するための、周波数VS透過損失、及び周波数VS吸音率との関係を示すグラフである。 ダッシュサイレンサ1の1/3オクターブバンドの周波数VS透過損失の特性図表である。 ダッシュサイレンサ1の1/3オクターブバンドの周波数VS吸音率の特性図表である。 (a)は、本発明実施形態2(吸音層が異密度の2層からなる場合)の基本構造を示す説明図、(b)は、本発明実施形態3(通気性の共振層に第2吸音層を設ける場合)の基本構造を示す説明図である。 第2吸音層6がない場合で吸音層2を異密度の2層にする場合と2層にしない場合を比較するための周波数VS透過損失を示すグラフである。 第2吸音層6がない場合で吸音層2を異密度の2層にする場合と2層にしない場合を比較するための周波数VS吸音率を示すグラフである。 接着層があり更に吸音層が異密度のときの周波数VS吸音率を示すグラフである。 第2吸音層付加の有無及び接合状態による周波数VS透過損失を示すグラフである。 第2吸音層がない場合と、吸音性の無い材料で拘束する場合の周波数VS吸音率を示すグラフである。 第2吸音層がある場合と、吸音性の無い材料で拘束する場合の周波数VS吸音率を示すグラフである。 本発明実施形態4(吸音層が単独層の場合)の基本構造を示す説明図である。 実施形態4の周波数VS透過損失を示すグラフである。 実施形態4の周波数VS吸音率を示すグラフである。 実施形態5の基本構造を示す説明図である。 (a)は比較例1の基本構造を示す説明図、(b)は比較例2の基本構造を示す説明図、(c)は実施形態5の具体例の基本構造を示す説明図である。 (a)は図21(a)〜(c)の各構造の周波数VS透過損失、(b)は図21(a)〜(c)の各構造の周波数VS吸音率を示すグラフである。 (a)は実施形態6とフィルム層無しの構造の周波数VS透過損失、(b)は同じく周波数VS吸音率を示すグラフである。 実施形態6の基本構造を示す説明図である。 透過損失の測定装置の平面図である。 吸音率の測定装置の平面図である。 従来からの遮音構造の説明図である。 特許文献1の遮音構造の説明図である。 (a)(b)は、それぞれ、特許文献1の遮音構造の吸音材の周波数と透過損失との関係を示すグラフ、及び従来からの遮音構造の吸音材の周波数と吸音率との関係を示すグラフである。 車室内の騒音レベルを示すグラフである。 特許文献2の周波数と吸音率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1,101,201,301,401…ダッシュサイレンサ 10…ダッシュパネル
501,601,501a,501b…フロアサイレンサ
2,102,202,302,402,502,602…吸音層
202a,302a,602a…高密度吸音層
202b,302b,602b…低密度吸音層
202c,302c…接着層
3,103,203,303,403,503,603…通気性の共振層
4,104,204,304,404,504,604…接着層
305,405,505,605…接着層
306,406,506,606…第2吸音層
510…フロアパネル
503f,503i…フェルト層
506a…上層
506e,506h…ハードシート層
506b…下層
507,507d,507g…表皮/バッキング層
508…接着層
509,509a,509b…嵩上げ材

Claims (11)

  1. 厚さが1〜100mm、密度が0.01〜0.2g/cm3、好ましくは0.03〜0.08g/cm3の軽量な吸音層と、
    該吸音層と接着層を介して接着する、単位面積当りの重量は10〜280g/m、好ましくは100〜200g/mの通気性の共振層と、からなり、
    前記吸音層と通気性の共振層に対する前記接着層の接着強度が剥離幅25mmで180度の剥離にて1〜20N/25mm、好ましくは3〜10N/25mmに設定され、
    前記接着層を前記吸音層と通気性の共振層の全界面に対して、50〜100%、好ましくは80%〜100%の面積で接着させ、
    前記吸音層が車体パネル側に配置され、前記通気性の共振層は車室内側に設置されることを特徴とする超軽量な防音材。
  2. 前記吸音層は、高密度吸音層と低密度吸音層の複層体に形成されることを特徴とする請求項1の超軽量な防音材。
  3. 前記高密度吸音層の密度は0.05〜0.20g/cm3、厚さが2〜70mmの範囲であり、
    前記低密度吸音層の密度は0.01〜0.10g/cm3、厚さが2〜70mmの範囲である請求項2の超軽量な防音材。
  4. 前記高密度吸音層の初期圧縮反発力が30〜600N、好ましくは50〜300Nで、前記低密度吸音層の初期圧縮反発力が5〜300N、好ましくは10〜100Nであり、
    少なくとも前記高密度吸音層の初期圧縮反発力は前記低密度吸音層の1.2〜40倍であり、前記吸音層の厚さにおける高密度吸音層の占める厚さは20〜80%であり、
    少なくとも前記高密度吸音層の初期圧縮反発力は低密度吸音層の1.5〜5倍であり、
    吸音層の厚さにおける高密度吸音層の占める厚さは40〜60%である請求項2又は3の超軽量な防音材。
  5. 前記吸音層は単層であり、密度は0.02〜0.20g/cm3、厚さが2〜70mmである請求項1の超軽量な防音材。
  6. 前記吸音層の初期圧縮反発力は2〜200N、好ましくは20〜100Nであることを特徴とする請求項5の超軽量な防音材。
  7. 前記接着層で接着されていない前記通気性の共振層の車室内側の面に第2吸音層を接合させ、
    前記第2吸音層は密度0.01〜0.2g/cm3で厚さが1〜20mmであり、好ましくは密度0.05〜0.15g/cm3で厚さが4〜10mmであることを特徴とする請求項1乃至6いずれかの超軽量な防音材。
  8. 前記第2吸音層は単層又は複層である請求項7の超軽量な防音材。
  9. 前記第2吸音層が複層であり、その下層が共振層と接着されるか、又は、上層と下層とが機械的穿孔力により積み重ねられる請求項7又は8いずれかの超軽量な防音材。
  10. 前記通気性の共振層の構造は発泡体またはフィルム体であり、
    前記発泡体の場合は、厚さ1〜7mm、好ましくは2〜3mmであり、
    前記フィルムの場合は厚さ10〜600μm、好ましくは20〜300μmである請求項1乃至9いずれかの超軽量な防音材。
  11. 前記通気性の共振層の通気度は、8.0〜1.0cm 3 /cm 2 ・secである請求項1乃至10いずれかの超軽量な防音材。
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