JP2946474B2 - ビススチリル化合物及び電子写真感光体 - Google Patents

ビススチリル化合物及び電子写真感光体

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JP2946474B2
JP2946474B2 JP7568591A JP7568591A JP2946474B2 JP 2946474 B2 JP2946474 B2 JP 2946474B2 JP 7568591 A JP7568591 A JP 7568591A JP 7568591 A JP7568591 A JP 7568591A JP 2946474 B2 JP2946474 B2 JP 2946474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビススチリル化合物及び
電子写真感光体に関し、特に、キャリア発生物質とキャ
リア輸送物質とを含有する感光層を有する電子写真感光
体として好適なビススチリル化合物と電子写真感光体に
関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、電子写真感光体としては、セレン、
酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導電体
を主成分として含有する感光体が広く知られていた。し
かし、これらは熱安定性、耐久性等の特性が必ずしも満
足しうるものではなく、さらに製造上、取扱い上にも問
題があった。
【0003】一方、有機光導電性化合物を主成分とする
感光層を有する感光体は、製造が比較的容易であるこ
と、安価であること、取り扱いが容易であること、また
一般にセレン感光体に比べて熱安定性が優れている。こ
うした有機光導電体化合物としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールがよく知られており、これと2,4,7−
トリニトロ−9−フルオレノン等のルイス酸とから形成
される電荷移動錯体を主成分とする感光層を有する感光
体がすでに実用化されている。
【0004】また一方、光導電体のキャリア発生機能と
キャリア輸送機能とをそれぞれ別個の物質に分担させる
積層タイプあるいは単層タイプの機能分離型感光層を有
する感光体が知られている。例えば、無定形セレン薄層
から成るキャリア発生層とポリ−N−ビニルカルバゾー
ルを主成分として含有するキャリア輸送層とからなる感
光層を有する感光体が、すでに実用化されている。
【0005】しかし、ポリ−N−ビニルカルバゾール
は、可とう性に欠け、その被膜は固くて脆く、ひび割れ
や膜剥離を起こしやすく、これを用いた感光体は、耐久
性が劣っている。そこで、可塑剤を添加してこの欠点を
改善すると、電子写真プロセスにおいて残留電位が大き
くなり、繰り返し使用に伴ってその残留電位が蓄積さ
れ、次第にかぶりが大きくなり、複写画像を損ねてしま
う。
【0006】また、低分子の有機光導電性化合物は、一
般に被膜形成能を有しないため、適当なバインダーと併
用され、バインダーの種類、組成比等を選択することに
より、被膜の物性あるいは感光特性をある程度制御しう
る点では好ましいが、バインダーに対して高い相溶性を
有する有機光導電化合物の種類は限られている。現実に
電子写真感光体の感光層の構成に用い得るバインダーの
種類は少ない。
【0007】たとえば、米国特許3,189,447 号に記載の
2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾールは、電子写真感光体の感光層
の材質として常用されるバインダー、たとえばポリエス
テル、ポリカーボネートとの相溶性が低い。すなわち、
電子写真特性を整えるために必要とする割合で混合して
感光層を形成すると、温度50℃以上でオキサジアゾール
の結晶が析出するようになり、電荷保持力および感度等
の電子写真特性が低下する欠点を有する。
【0008】これに対し、米国特許3,820,989 号に記載
のジアリールアルカン誘導体は、バインダーに関する相
溶性の問題は少ないが、光に対する安定性が小さく、こ
れを帯電・露光が繰り返し行われる反復転写式電子写真
の感光体に使用すると、この感光層の感度が次第に低下
するという欠点を有する。
【0009】また、米国特許3,274 ,000号、特公昭47−
36428 号にはそれぞれ異なった型のフェノチアジン誘導
体が記載されているが、いずれも感光度が低くかつ反復
使用時の安定性が小さい欠点があった。
【0010】また、特開昭58−65440 号、同58−190953
号、同63−149652号に記載されているスチルベン化合物
は電荷保持力および感度は比較的良好であるが、反復使
用時による耐久性において満足できるものではない。
【0011】これに対し、特開昭60−175052号、同60−
174749号、同62−120346号、同64−32265 号、特開平1
−106069号、同1−93746 号、同1−274154号のような
ジスチルベン化合物をキャリア輸送物質として用いた感
光体は、上記の欠点をほぼ解決した感光体であるが、複
写機やプリンター等に組み込み、反復使用した時の耐久
性においては満足できるものではない。
【0012】特に、次の4点が問題になっていた。 1)線速の速い高速の複写機において、帯電・露光・除
電のサイクルが短くなるため、繰り返し複写時に残留電
位が大きく上昇してしまう。
【0013】2)複写機の場合、繰り返し複写した場合
に、ベタ黒部に白い小さい点状の画像欠陥(白ポチと呼
ぶ)が発生してしまう。
【0014】3)反転現像のプリンターの場合、低温で
露光電位(VL )が上昇し、また繰り返し使用で帯電電
位(VH )が低下するという欠陥が見つかっている。
【0015】4)白色部に黒い小さい点状の画像欠陥
(黒斑点と呼ぶ)が発生しやすくなる。
【0016】このように、電子写真感光体を作成する上
で実用的に満足すべき特性を有するキャリア輸送物質は
まだ見い出されていないのが現状である。
【0017】
【発明の目的】本発明の目的は、複写機、プリンター等
にも使用できる高感度で高耐久な電子写真感光体用のキ
ャリア輸送物質として好適な化合物及び電子写真感光体
を提供することにある。
【0018】さらに、本発明の他の目的は、以下の
(1)〜(4)の通りである。
【0019】(1)線速の速い高速の複写機において、
帯電・露光・除電を繰り返しても、残留電位が上昇しな
い感光体用のキャリア発生物質として好適な化合物及び
電子写真感光体を提供すること。
【0020】(2)複写機に組み込み使用した場合、繰
り返し使用しても、ベタ黒部に白い小さい点状の画像欠
陥(白ポチと呼ぶ)が発生しない感光体用のキャリア輸
送物質として好適な化合物及び感光体を提供すること。
【0021】(3)反転現像のプリンターに組込み使用
した場合に、繰り返し使用しても、低温で露光電位(V
L )が上昇せず、また繰り返し使用で帯電電位(VH )
が低下しない感光体用のキャリア輸送物質として好適な
化合物及び電子写真感光体を提供すること。
【0022】(4)白色部に黒い小さい点状の画像欠陥
(黒斑点と呼ぶ)が発生しない感光体用のキャリア輸送
物質として好適な化合物及び電子写真感光体を提供する
こと。
【0023】
【発明の構成及びその作用効果】即ち、本発明は、下記
一般式〔I〕で表されるビススチリル化合物及びこのビ
ススチリル化合物を含有する電子写真感光体に係るもの
である。
【化3】 {但し、この一般式〔I〕中、R1 、R2 は水素原子、
メチル基であって、R1 、R2 はいずれか一方が常にメ
チル基であるが同時にメチル基となることはない。Ar
1 、Ar2 は置換基を有していてもよいアリール基であ
る。}
【0024】本発明による上記一般式の化合物におい
て、上記の置換基としては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチルなどのアルキル基;メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシなどのアルコキシ基;弗素、塩素、臭素、沃素
などのハロゲン原子;ジエチルアミンなどのジアルキル
アミン基;ジエチルフェニルアミンなどのジアラルキル
アミノ基;ジフェニルアミンなどのジアリールアミノ
基;オキシカルボニルメチルなどのエステル基;フェノ
キシ基;フェニル基;シアノ基;カルボニルエチル基な
どのアシル基;ヒドロキシ基;トリフルオロメチル基等
が挙げられる。但し、置換基として上記に例示したもの
に限られるわけではない。
【0025】本発明の上記一般式〔I〕の化合物は、下
記A〜Cの特徴を有するものであり、電子写真感光体の
キャリア輸送物質として好適である。
【0026】(A).置換基を分子中に有するビススチ
リル化合物であるため、感度及び耐久性が向上し、しか
も帯電電位の変動が小さくなるため、複写機やプリンタ
ー等に組み込んで繰り返し使用した場合、白ポチ・黒斑
点・かぶり・濃度低下等の画像欠陥や画像不良が発生し
ない良好な画像が得られる。
【0027】(B).しかも、高速の複写機やプリンタ
ー等に組み込み、繰り返し使用した場合、残留電位も小
さくなるため、画像欠陥や画像不良が発生しない良好な
画像が得られる。 (C).ビススチリル化合物であるから、合成も容易で
ある。
【0028】上記一般式〔I〕の具体的化合物No. 1〜
100 は後記においてまとめて例示した。
【0029】次に、一般式〔I〕の化合物の合成例を説
明するが、その合成処方の概略を後記に示した。
【0030】(合成例 1 :例示化合物4の合成)m−
トルイジン(関東化学社製)(1モル比)とヨウドベン
ゼン(東京化成社製)(2.5 モル比)に炭酸カリウム
(関東化学社製)(2モル比)と銅粉(関東化学社製)
(0.2 モル比)を加え、内温190 〜210 ℃で50時間反応
し、後処理後にカラム精製して、m−メチルトリフェニ
ルアミンを収率85%で得た(ウルマン反応)。
【0031】m−メチルトリフェニルアミン(1モル
比)にN,N−ジメチルホルムアルデヒド(関東化学社
製)(4モル比)とオキシ塩化リン(和光純薬工業社
製)(3モル比)を加え、内温70〜90℃で24時間反応
し、後処理後カラム精製して、N,N−ビス(4−ホル
ミル−フェニル)−3−メチルアニリンを収率56%で
得た(ビルスマイヤー反応)。
【0032】ホスホン酸ジエチル体の合成は既知の方
法に従い、以下のように行った。メタノール(関東化学
社製)中に4−メチルベンゾフェノン(アルドリッチ社
製)(1モル比)を入れ、ソデュムボロハイドライド
(関東化学社製)(0.5 モル比)を加えて、内温10〜20
℃で5時間反応し、後処理後にカラム精製して、ヒドロ
キシ体を収率95%で得た(還元反応)。
【0033】トルエン(和光純薬工業社製)中にヒドロ
キシ体(1モル比)を入れ、チオニルクロライド(東
京化成社製)(1.2 モル比)を加えて、内温10〜20℃で
2時間反応し、後処理後に、クロル体を収率95%で得
た(置換反応)。
【0034】クロル体(1モル比)に亜リン酸トリエ
チル(関東化学社製)(1.2 モル比)を加えて、内温14
0 〜160 ℃で10時間反応し、後処理後に蒸留精製して、
ホスホン酸ジエチル体を収率93%で得た(ホスホン酸
ジエチル化反応)。
【0035】CTMの合成は、上記のようにして得た化
合物を原料として、以下のように行った。N,N−(4
−ホルミル−フェニル)−3−メチルアニリン 9.68
g(0.033 モル)と1−(P−トリル),1−フェニル
メチルホスホン酸ジエチル 21.0 g(0.066 モル)と
を、トルエン(和光純薬工業社製)50mlに溶解した。ナ
トリウムメトキサイド(関東化学社製)3.6 g(0.066
モル)をトルエン50mlに入れ、氷冷下、内温を25℃以下
に保ちながら、この液を前記の液に加えた。
【0036】その後、室温で3時間攪拌した。水100ml
を加え、トルエン層を水洗し、次いで、硫酸ナトリウム
(関東化学社製)でトルエン層から水を除き、溶媒を留
去し、得られた残留物をシリカカラム精製し、目的とす
る例示化合物4を黄白色結晶として収率64%で13.5g
(0.021 モル)得た。
【0037】融点は 96 −103 ℃、元素分析値は以下の
通りであった。 C(炭素) H(水素) N(窒素) 測定値(%) : 91.3911 6.4201 2.1555 計算値(%) : 91.4063 6.4183 2.1754 例示化合物4のIRデータ(図1にスペクトルあり) 1490, 1500cm-1
【0038】(合成例2 :例示化合物1の合成)合成例
1で、4−メチルベンゾフェノンをベンゾフェノンに替
えたほかは、合成例1と同様にして合成し、例示化合物
1を黄白色結晶として収率88%で17.8g(0.029 mol )
得た。
【0039】融点は102 −108 ℃、元素分析は以下の通
りであった。 C(炭素) H(水素) N(窒素) 測定値(%) : 91.6442 6.0498 2.2731 計算値(%) : 91.6659 6.0560 2.2745 例示化合物1のIRデータ(図2にスペクトルあり) 1495, 1503cm-1
【0040】(合成例3 :例示化合物7の合成)合成例
1で、4−メチルベンゾフェノンを4,4′−ジメチル
ベンゾフェノンに替えたほかは、合成例1と同様にして
合成し、例示化合物7を黄白色結晶として収率75%で1
6.8g(0.025 mol )得た。
【0041】融点は113 −120 ℃、元素分析は以下の通
りであった。 C(炭素) H(水素) N(窒素) 測定値(%) : 91.1660 6.7488 2.0832 計算値(%) : 91.1651 6.7504 2.0846
【0042】(合成例4 :例示化合物13の合成)合成例
1で、4−メチルンゾフェノンを4−エチルベンゾフェ
ノンに替えたほかは、合成例1と同様にして合成し、例
示化合物13を黄白色結晶として収率78.8%で17.5g(0.
026 mol )得た。
【0043】融点は101 −104 ℃、元素分析は以下の通
りであった。 C(炭素) H(水素) N(窒素) 測定値(%) : 91.1659 6.7458 2.0838 計算値(%) : 91.1651 6.7504 2.0846
【0044】(合成例5 :例示化合物19の合成)合成
例1で、4−メチルベンゾフェノンを4−メトキシベン
ゾフェノンに替えたほかは、合成例1と同様にして合成
し、例示化合物19を黄白色結晶として収率75.8%で16.9
g(0.025 mol )得た。
【0045】融点は98−99℃、元素分析は以下の通りで
あった。 C H N O (炭素) (水素) (窒素) (酸素) 測定値(%) : 87.0773 6.1138 2.0711 ── 計算値(%) : 87.0787 6.1144 2.0724 4.7345
【0046】(合成例6 :例示化合物26の合成)合成
例1で、4−メチルベンゾフェノンを4−クロルベンゾ
フェノンに替えたほかは、合成例1と同様にして合成
し、例示化合物26を黄白色結晶として収率60.6%で13.7
g(0.020 mol )得た。
【0047】融点は100 −103 ℃、元素分析は以下の通
りであった。 C H N Cl (炭素) (水素) (窒素) (塩素) 測定値(%) : 82.2039 5.4212 2.0367 ─── 計算値(%) : 82.2044 5.4307 2.0396 10.3253
【0048】(合成例7 :例示化合物41の合成)合成
例1で、m−トルイジンをo−トルイジンに、4−メチ
ルベンゾフェノンをベンゾフェノンに替えたほかは、合
成例1と同様にして合成し、例示化合物41を黄白色結晶
として収率57.6%で11.7g(0.019 mol )得た。
【0049】融点は96−99℃、元素分析は以下の通りで
あった。 C(炭素) H(水素) N(窒素) 測定値(%) : 91.6662 6.0561 2.2741 計算値(%) : 91.6659 6.0560 2.2745 例示化合物41のIRデータ(図3にスペクトルあり) 1500cm-1
【0050】(合成例8 :例示化合物44の合成)合成例
1で、m−トルイジンをo−トルイジンに替えたほか
は、合成例1と同様にして合成し、例示化合物44を黄白
色結晶として収率78.8%で16.7g(0.026mol )得た。
【0051】融点は103 −105 ℃、元素分析は以下の通
りであった。 C(炭素) H(水素) N(窒素) 測定値(%) : 91.4065 6.4180 2.1755 計算値(%) : 91.4063 6.4183 2.1754 例示化合物44のIRデータ(図4にスペクトルあり)
1500cm-1
【0052】(合成例9 :例示化合物66の合成)合成例
1で、m−トルイジンをo−トルイジンに、4−メチル
ベンゾフェノンを4−クロルベンゾフェノンに替えたほ
かは、合成例1と同様にして合成し、例示化合物66を黄
白色結晶として収率69.7%で15.8g(0.023 mol)得
た。
【0053】融点は101 −104 ℃、元素分析は以下の通
りであった。 C H N Cl (炭素) (水素) (窒素) (塩素) 測定値(%) : 82.2039 5.4308 2.0392 ── 計算値(%) : 82.2044 5.4307 2.0396 10.3253
【0054】上記した一般式〔I〕の化合物をキャリ
ア輸送物質として含有する電子写真感光体は、図5〜図
10に示した形態をとることができる。
【0055】即ち、図6では、導電性支持体1上にキャ
リア発生物質を主成分とするキャリア発生層2と、本発
明に基くキャリア輸送物質を主成分として含有するキャ
リア輸送層3との積層体より成る感光層4を設ける。図
7及び図8に示すように、感光層4は、導電性支持体1
上に設けた中間層5を介して設けてもよい。
【0056】このように感光層4を二層構成としたとき
に優れた電子写真特性を有する感光体が得られる。
【0057】又、本発明においては、図9及び図10に示
すように、キャリア発生物質をキャリア輸送物質を主成
分とする層6中に分散せしめて成る感光層4を導電性支
持体1上に直接、或いは中間層5を介して設けてもよ
い。
【0058】又、本発明においては、図8の仮想線のご
とく、最外層として保護層7を設けてもよい。
【0059】本発明における一般式〔I〕化合物は、そ
れ自体では被覆形成能が乏しいので、種々のバインダを
組合せて感光層が形成される。
【0060】ここに用いられるバインダとしては任意の
ものを用いることができるが、疎水性で誘電率が高く、
電気絶縁性フィルム形成性高分子重合体を用いるのが好
ましい。
【0061】このような高分子重合体としては、例えば
次のものを挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0062】(P−1) ポリカーボネート (P−2) ポリエステル (P−3) メタクリル樹脂 (P−4) アクリル樹脂 (P−5) ポリ塩化ビニル (P−6) ポリ塩化ビニリデン (P−7) ポリスチレン (P−8) ポリビニルアセテート (P−9) スチレン−ブタジエン共重合体 (P−10) 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体 (P−11) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (P−12) 塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体 (P−13) シリコーン樹脂 (P−14) シリコーン−アルキッド樹脂 (P−15) フェノールホルムアルデヒド樹脂 (P−16) スチレン−アルキッド樹脂 (P−17) ポリ−N−ビニルカルゾール (P−18) ポリビニルブチラール (P−19) ポリビニルフォルマール
【0063】これらバインダ樹脂は、単独であるいは2
種以上の混合物として用いることができる。
【0064】本発明において併用して使用可能なCTM
としては、特に制限はないが、例えばオキサゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チア
ジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール
誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、
ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾ
ン化合物、ピラゾリン誘導体、アミン誘導体、オキサゾ
ロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾ
ール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、
アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベ
ン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−
ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等であ
る。
【0065】本発明において用いられるCTMとしては
光照射時発生するホールの支持体側への輸送能力が優れ
ている外、本発明の用いられる後記の有機系顔料との組
合わせに好適なものが好ましい。
【0066】本発明に基く感光層のキャリア発生層に用
いられるキャリア発生物質としては、次のようなものが
挙げられる
【0067】(1)モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリ
スアゾ色素などのアゾ系色素 (2)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリ
レン系色素 (3)インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ系色素 (4)アンスラキノン、ピレンキノンおよびフラバンス
ロン類などの多環キノン類 (5)キナクリドン系色素 (6)ビスベンゾイミダゾール系色素 (7)インダスロン系色素 (8)スクエアリリウム系色素 (9)シアニン系色素 (10)アズレニウム系色素 (11)トリフェニルメタン系色素 (12)アモルファスシリコン (13)金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなど
のフタロシアニン系顔料 (14)セレン、セレン−テルル、セレン−砒素 (15)CdS、CdSe (16)ピリリウム塩色素、チアピリリウム塩色素 などが挙げられ、単独あるいは2種以上の混合物として
用いることもできる。
【0068】本発明に基く電子写真感光体においては、
CGMとしてフルオレノン系ビスアゾ顔料、フルオレニ
リデン系ビスアゾ顔料、多環キノン顔料等の有機系顔料
が用いられることが好ましい。特に後記に示す一般式
〔F1 〕のフルオレノン系ビスアゾ顔料、フルオレニリ
デン系ビスアゾ顔料、多環キノン顔料を本発明に用いる
と、感度、耐久性及び画質等の点で著しいく改良された
効果を示す。
【0069】後記に本発明に使用可能なフルオレノン系
ビスアゾ顔料に具体例(F1 −1〜F1 −24)を挙げる
が、これによって限定されるものではない。
【0070】本発明に使用可能な後記一般式〔F1 〕で
表されるフルオレノン系ビスアゾ顔料は、公知の方法に
より容易に合成され、例えば特願昭62−304862号等の方
法により合成される。
【0071】本発明に使用可能なフルオレニリデン系ビ
スアゾ顔料は後記一般式〔F2 〕で表される。
【0072】一般式〔F2 〕で示される本発明に有効な
ビスアゾ顔料の具体例としては、例えば後記の構造式で
示されるもの(F2 −1〜F2 −7)を挙げることがで
きるが、これによって本発明に使用可能なビスアゾ顔料
が限定されるものではない。
【0073】本発明に使用可能な多環キノン顔料は、後
記の下記一般式〔Q1 〕〜〔Q3 〕で表される。
【0074】後記の下記一般式〔Q1 〕〜〔Q3 〕で示
される本発明に使用可能な多環キノン顔料の具体例を後
記に示すが、これに限定されるものではない。
【0075】一般式〔Q1 〕で示されるアントアントロ
ン顔料の具体的化合物例(Q1 −1〜Q1 −6)を挙げ
ると後記の通りである。
【0076】一般式〔Q2 〕で示されるジベンズピレン
キノン顔料の具体的化合物例(Q2 −1〜Q2 −5)を
挙げると後記の通りである。
【0077】一般式〔Q3 〕で示されるピラントロン顔
料の具体的化合物例(Q3 −1〜Q 3 −4)を挙げると
後記の通りてある。
【0078】本発明に使用可能な一般式〔Q1 〕〜〔Q
3 〕で表される多環キノン顔料は、公知の方法により容
易に合成できる。
【0079】本発明に使用できる無金属フタロシアニン
系顔料としては、光導電性を有する無金属フタロシアニ
ン及びその誘導体すべてが使用可能であるが、例えばα
型、β型、τ、τ′型、η、η′型、Χ型、及び特開昭
62−103651号で述べた結晶形及びその誘導体等を使用で
きる。特にτ, Χ, K/R−Χ型を使用することが望ま
しい。
【0080】Χ型無金属フタロシアニンについては米国
特許3,357,989 号に記載があり、τ型無金属フタロシア
ニンについては特開昭58−182639号に記載がある。
【0081】K/R−X型は特開昭62−103651号にある
ように、CuKα、1.541 ÅのX線に対するブラッグ角
度(2θ±0.2 度)において、7.7, 9.2, 16.8, 17.5,
22.4, 28.8度に主要なピークを有し、且つ9.2 度のピー
ク強度に対して16.8度のピーク強度比が0.8 〜1.0 であ
り、また22.4度に対する28.8度のピーク強度比が0.4以
上である事を特徴とするフタロシアニンである。
【0082】本発明で使用可能なオキシチタニルフタロ
シアニンは、後記の一般式〔TP〕で表される。
【0083】本発明に使用可能なものとしては以下で示
す特許で公開された結晶型の異なるものが知られてい
る。例えば特開昭61−239248号、同62−670943号、同62
−272272号、同63−116158号又は同64−17066 号、特開
平2−28265 号、同2−215860号等が挙げられる。
【0084】本発明に使用可能な有機系顔料の分散媒と
してはメチルエチルケトン等、公知の分散媒がある。
【0085】本発明において、感光層には一種又は二種
以上の公知の電子受容性物質を含有せしめることができ
る。電子受容性物質の添加割合は、重要比で本発明に用
いられる有機系顔料 :電子受容性物質=100 :0.01〜20
0 、好ましくは100 :0.1 〜100 である。また、電子受
容性物質の添加割合は重要比で全CTM :電子受容性物
質=100 :0.01〜100 、好ましくは100 :0.1 〜50であ
る。
【0086】又、本発明の感光層中にはCGM(キャリ
ア発生物質)の電荷発生機能を改善する目的で有機アミ
ン類を添加することができ、特に2級アミンを添加する
のが好ましい。これらの化合物は特開昭59−218447号、
同62−8160号に記載されている。
【0087】又、感光層においては、オゾン劣化防止の
目的で例えば特開昭63−18354 号の酸化防止剤の添加す
ることができる。酸化防止剤の添加量はCTM100 重量
部に対して0.1 〜100 重量部、好ましくは1〜50重量
部、特に好ましくは5〜25重量部である。
【0088】又、本発明に基く感光体には、その他、必
要により感光層を保護する目的で紫外線吸収剤等を含有
してもよく、また感色性補正の染料を含有してもよい。
【0089】感光層と支持体との間に中間層を設けてよ
いが、この中間層は接着層又はブロッキング層等として
機能するものである。
【0090】本発明において感光層を図5のように2層
構成としたとき、CGL(キャリア発生層)は、導電性
支持体もしくはCTL(キャリア輸送層)上に直接ある
いは必要に応じて接着層もしくはブロッキング層などの
中間層を設けた上に、次の方法によって形成することが
できる。
【0091】(1) 真空蒸着法
【0092】(2) CGMを適当な溶剤に溶解した溶
液を塗布する方法
【0093】(3) CGMをボールミル、サンドグラ
インダ等によって分散媒中で微細粒子状として必要に応
じて、バインダと混合分散して得られる分散液を塗布す
る方法。
【0094】即ち具体的には、真空蒸着、スバッタリッ
グ、CVD等の気相堆積法あるいはディッピング、スプ
レィ、ブレード、ロール法等の塗布方法が任意に用いら
れる。
【0095】このようにして形成されるCGLの厚さ
は、0.01μm〜5μmであることが好ましく、更に好ま
しくは0.05μm〜3μmである。
【0096】また、CTLについても、CGLと同様の
方法で形成することができる。CTLの厚さは、必要に
応じて変更し得るが、通常5μm〜60μmであることが
好ましい。
【0097】このCTLにおける組成割合は、本発明の
CTM1重量部に対してバインダ0.1 〜5重量部とする
のが好ましいが、微粒子状のCGMを分散せしめた感光
層4を形成する場合は、CGM1重量部に対してバイン
ダを5重量部以下の範囲で用いることが好ましい。また
CGLをバインダ中分散型のものとして構成する場合に
は、CGM1重量部に対してバインダを5重量部以下の
範囲で用いることが好ましい。
【0098】本発明の電子写真感光体は以上のような構
成であって、後述する実施例からも明らかなように、帯
電特性、感度特性、画像形成特性等に優れており、特に
繰り返し使用したときにも疲労劣化が少なく、耐用性が
優れたものである。
【0099】更に、本発明の電子写真感光体は電子写真
複写機のほか、レーザ、ブラウン管(CRT)、発光ダ
イオード(LED)を光源とするプリンタの感光体など
の応用分野にも広く用いることができる。また、本発明
は、そうした感光体以外にも、EL(エレクトロルミネ
ッセンス)にも適用可能である。
【0100】〔実施例〕以下、本発明の実施例を具体的
に説明するが、これにより本発明の実施態様が限定され
るものではない。
【0101】実施例1 ε−アミノ−カプロン酸、アジピン酸及びN−(β−ア
ミノエチル)ピペラジンの比率が1:1:1のモノマー
組成で共重合されたポリアミド30gを、50℃に加熱した
800 mlのメタノールEL規格(関東化学社製)200 mlに
加えた。その後、直径80mmのアルミニウムドラム上へ浸
漬塗布し、0.6 μm厚の中間層を形成した。
【0102】次に、CGMとしてフルオレノン系ビスア
ゾ顔料(例示化合物F1 −23)20g及びバインダーとし
てポリビニルブチラール樹脂エスレックBX−1(積水
化学社製)10gをメチルエチルケトン(関東化学社製
EL規格)1000mlへ溶解し、サンドミルにて24時間ミリ
ングを行い、CGL塗布液を得た。これを上記中間層上
に浸漬塗布して0.2 μm厚のCGLを形成した。
【0103】その後、CTMとして例示化合物1140 g
とポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ−200 」(三菱
ガス化学株式会社製)165gを1,2−ジクロロエタン
特級(関東化学社製)1000mlへ溶解させ、CTL塗工液
を得た。
【0104】これを上記CGL上に浸漬塗布液、100 ℃
で1時間乾燥し、23μm厚のCTLを形成した。このよ
うにして、中間層−CGL−CTLを順次積層して成る
感光体1を作成した。
【0105】実施例2〜10 実施例1でCGM、CTMを下記表−1のような例示化
合物とした以外は実施例1と同様にして感光体2〜10を
作成した。
【0106】比較例1〜2 下記表−1のうように、実施例1のCTMを後記の比較
化合物(1)〜(2)とした以外は実施例1と同様にし
て比較感光体を作成した。
【0107】実施例11 中間層の形成は実施例1と同様に行った。
【0108】CGMとして、多環キノン系顔料(例示化
合物;Q1 −3)20gおよびバインダーとしてポリカー
ボネート樹脂C−1300(帝人化成社製)10gを1,2−
ジクロロエタン特級(関東化学社製)へ溶解し、ボール
ミルにて30時間ミリングを行いCGL塗工液を得た。こ
れを上記中間層上に浸漬塗布して0.6 μm厚のCGLを
形成した。
【0109】次いで、実施例1と同様にCTLを積層
し、感光体11を作成した。
【0110】実施例12〜20 実施例11で、CTMを下記表−2のような例示化合物と
した以外は実施例1と同様にして感光体12〜20を作成し
た。
【0111】比較例3〜4 下記表−2のように、実施例11でCTMを比較化合物
(1)〜(2)とした以外は実施例11と同様にして比較
感光体3〜4を作成した。
【0112】実施例21 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水
化学社製)12gをエチルエチルケトン1000mlに溶解しさ
せた後、CGMとして例示化合物Q1 −3;5.7 g、例
示化合物F1 −23;0.5 gを混合し、サンドグラインダ
ーで12時間分散した。
【0113】これを実施例1で記した中間層上に浸漬
し、CGLを形成、更に例示化合物3のCTMを用いて
実施例1と同様にしてCTLを形成し、感光体21を作成
した。
【0114】実施例22〜30 実施例11で、CGM、CTMを下記表−3のような例示
化合物とした以外は実施例1と同様にして感光体22〜30
を作成したた。
【0115】比較例5〜6 下記表−3のように、実施例21でCTMを比較化合物
(1)〜(2)とした以外は実施例21と同様にして比較
感光体5〜6を作成した。
【0116】実施例31 実施例1で用いたポリアミド50gを50℃に加熱した800
mlのメタノールEL規格(関東化学社製)へ投入し、溶
解させた。室温まで冷却後、1−ブタノール特級(関東
化学社製)200 mlを加えた。その後、直径80mmのアルミ
ニウムドラム上へ浸漬塗布し、0.5 μmの中間層を形成
した。
【0117】次に、CGMとしていτ型無金属フタロシ
アニン(τ−Pc)40gをシリコーン樹脂「KR−524
0」(固形分20%)(信越化学社製)200 gを溶解した
メチルエチルケトンEL規格(関東化学社製)2000mlに
加えて、サンドグラインダーにて4時間分散させ、CG
L塗工液を得た。これを上記中間層上に浸漬塗布して0.
4 μm厚のCGLを形成した。
【0118】その後、例示化合物8 135gとポリカーボ
ネート「ユーピロンZ−200 」(三菱ガス化学株式会
社)165 gを1,2−ジクロルエタン特級(関東化学社
製)1000mlへ溶解させ、CTL塗工液を得た。これを上
記CGL上に浸漬塗布後、100℃で1時間乾燥を行い、2
2μm厚のCTLを得た。中間層、CGL及びCTLの
順に積層して成る感光体を作成した。
【0119】実施例32〜40 実施例31で、CTMを下記表−4のような例示化合物と
した以外は実施例31と同様にして感光体32〜40を作成し
た。
【0120】比較例7〜8 下記表−4のように、実施例31でCTMを比較化合物
(1)〜(2)とした以外は実施例31と同様にして比較
感光体を作成した。
【0121】実施例41 CGMにX型無金属フタロシアニン(X−Pc)、CT
Mに例示化合物22を用いた以外は、実施例1と同様にし
て中間層−CGL−CTLを順次積層して成る感光体を
作成した。
【0122】実施例42〜50 実施例41で、CTMを下記表−5のような例示化合物と
した以外は実施例41と同様にして感光体42〜50を作成し
た。
【0123】比較例9〜10 下記表−5のように、実施例41でCTMを比較化合物
(1)〜(2)とした以外は実施例41と同様にして比較
感光体を作成した。
【0124】実施例51 CGMにY型オキシチタニウムフタロシアニン(Y−T
iOPC)〔電子写真学会誌 250(2) 29(2) ,1990〕、
CTMに例示化合物12を用いた以外は、実施例1と同様
にして中間層−CGL−CTLを順次積層し成る感光体
を作成した。
【0125】実施例52〜60 実施例51で、CTMを下記表−6のような例示化合物と
した以外は実施例51と同様にして感光体52〜60を作成し
た。
【0126】比較例11〜12 下記表−6のように実施例51でCTMを比較化合物
(1)〜(2)とした以外は実施例51と同様にして比較
感光体を作成した。
【0127】実施例61 CGMにフルオレニリデン系アゾCGMを用いた以外
は、実施例1と同様にして中間層−CGL−CTLを順
次積層して成る感光体を作成した。
【0128】実施例62〜70 実施例61でCGM、CTMを下記表−7のような例示化
合物とした以外は実施例61と同様にして比較感光体62〜
70を作成した。
【0129】下記表−7のように、実施例61でCTMを
比較化合物(1)〜(2)とした以外は実施例61と同様
にして比較感光体を作成した。
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】(評価例1)コニカ社製の複写機U−Bi
x5076の改造機(帯電極は負帯電に変更、露光量4.65l
ux)を用い、線速を240、330 、440 mm/secと3
段階に代え、2万回帯電・露光を繰り返した時の残留電
位Vrを測定した。結果は下記表−8〜10に示した通り
で、本発明のCTMを用いた感光体は比較化合物を用い
た感光体より、線速を早くした時に残留電位が大きくな
らず、優れた高速性を示した。なお、初期白紙電位(V
w)は表−8〜10の通りであった。
【0141】(評価例2)評価例1で用いたものと同一
のコニカ社製複写機U−Bix5076の改造機を用い、A
4の再生紙を使って10万回の連続コピーテストを行っ
た。結果は下記表−11〜13に示したとおりで、本特許の
化合物を用いた感光体は10万回まで良好な画像であった
が、比較感光体を用いた感光体は2〜3万回でベタ黒部
に数個の白ポチが発生した。尚、白ポチの評価は、A4
ベタ黒画像上に発生した白ポチの数を目視で数えた。結
果は表−11〜13に示した。
【0142】(評価例3)コニカ社製のデジタルコピー
U−Bix8028を用い、常温(25℃)及び低温(10℃)
において、未露光部電位VH 、露光部電位VL を測定し
た。結果は下記表14〜17に示した。
【0143】(評価例4)評価例3で用いたものと同一
のコニカ社製のデジタルコピーU−Bix8028に、現像
器を装てんし、数回画像出しを行い、複写画像の白地部
分の黒斑点を評価した。結果は下記表−18〜21に示し
た。
【0144】尚、黒斑点の評価は、画像解析装置「オム
ニコン 300 型」(島津製作所製)を用いて黒斑点の粒
径と個数を測定し、φ(径)0.05mm以上の黒斑点が1cm
2 当たり何個あるかにより判定した。黒斑点評価の判定
基準は、下表に示す通りである。
【0145】 尚、黒斑点判定の結果が◎、○であれば実用になる
が、△は実用に適さないことがあり、×である場合は実
用に適さない。
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】上述したように、本発明に基く電子写真感
光体は、複写機やプリンター等に組み込んで繰り返し使
用した場合、高感度で、白ポチ・黒斑点・かぶり・濃度
低下等の画像欠陥や画像不良が発生しない良好な画像が
得られる。
【0175】また、本発明に基く電子写真感光体は、高
速の複写機やプリンター等に組み込み繰り返し使用して
も、残留電位が小さく、画像欠陥や画質不良が発生しな
い良好な画像が得られる。
【0176】実施例71 次に、上記の例とは異なり、本発明をEL(エレクトロ
ルミネッセンス)に適用した実施例を述べる。
【0177】ガラス基板上に形成された透明電極(イン
ジウム−錫酸化物層)上に、電荷注入層として500 Åの
厚さに例示化合物44を蒸着し、次いで、8−キノリノー
ルAl錯体(Alq3 )を有機蛍光層として600 Åの厚
さ蒸着し、さらにその上に、負電極としてマグネシウム
/銀合金を蒸着した。
【0178】得られた有機薄膜ELの発光特性を調べた
ところ、0.04mW/cm2 の発光が4mA/cm2 で得られた。
発光色は黄緑色であった。
【0179】
【化4】
【0180】
【化5】
【0181】
【化6】
【0182】
【化7】
【0183】
【化8】
【0184】
【化9】
【0185】
【化10】
【0186】
【化11】
【0187】
【化12】
【0188】
【化13】
【0189】
【化14】
【0190】
【化15】
【0191】
【化16】
【0192】
【化17】
【0193】
【化18】
【0194】
【化19】
【0195】
【化20】
【0196】
【化21】
【0197】
【化22】
【0198】
【化23】
【0199】
【化24】
【0200】
【化25】
【0201】
【化26】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基くキャリア輸送物質の一例のIRス
ペクトル図である。
【図2】本発明に基くキャリア輸送物質の他の例のIR
スペクトル図である。
【図3】本発明に基くキャリア輸送物質の他の例のIR
スペクトル図である。
【図4】本発明に基づくキャリア輸送物質の更に他の例
のIRスペクトル図である。
【図5】本発明に基く電子写真感光体の一例の断面図で
ある。
【図6】本発明に基く電子写真感光体の他の例の断面図
である。
【図7】本発明に基く電子写真感光体の他の例の断面図
である。
【図8】本発明に基く電子写真感光体の他の例の断面図
である。
【図9】本発明に基く電子写真感光体の他の例の断面図
である。
【図10】本発明に基く電子写真感光体の更に他の例の断
面図である。
【符号の説明】 1 支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 5 中間層 6 キャリア発生物質及びキャリア輸送物質を含有す
る層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光井 昭造 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 鈴木 眞一 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 佐々木 収 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 滝沢 喜夫 東京都八王子市石川町2970番地 コニカ 株式会社内 (72)発明者 大柴 武雄 東京都八王子市石川町2970番地 コニカ 株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−93746(JP,A) 特開 昭60−174749(JP,A) 特開 平1−274154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 313 CAPLUS(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕で表されるビススチリ
    ル化合物。 【化1】 {但し、この一般式〔I〕中、R1 、R2 は水素原子、
    メチル基であって、R1 、R2 はいずれか一方が常にメ
    チル基であるが同時にメチル基となることはない。Ar
    1 、Ar2 は置換基を有していてもよいアリール基であ
    る。}
  2. 【請求項2】 下記一般式〔I〕で表されるビススチリ
    ル化合物を含有する電子写真感光体。 【化2】 {但し、この一般式〔I〕中、R1 、R2 は水素原子、
    メチル基であって、R1 、R2 はいずれか一方が常にメ
    チル基であるが同時にメチル基となることはない。Ar
    1 、Ar2 は置換基を有していてもよいアリール基であ
    る。}
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