JP2712655B2 - 機能分離型感光体 - Google Patents

機能分離型感光体

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JP2712655B2 JP27544489A JP27544489A JP2712655B2 JP 2712655 B2 JP2712655 B2 JP 2712655B2 JP 27544489 A JP27544489 A JP 27544489A JP 27544489 A JP27544489 A JP 27544489A JP 2712655 B2 JP2712655 B2 JP 2712655B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、特定のブタジエン化合物を電荷輸送層に含
有する機能分離型感光体に関する。
従来の技術 感光体の感光層を構成する材料として、従来よりセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性材料が
知られている。
これらの光導電性材料は数多くの利点、例えば暗所で
適当な電位に帯電できること、暗所で電荷の散逸が少な
いこと、あるいは光照射によって速やかに電荷を散逸で
きることなどの利点をもっている反面、各種の欠点をも
っている。例えば、セレン系感光体では、製造する条件
がむづかしく、製造コストが高く、また熱や機械的な衝
撃に弱いため取り扱いに注意を要する。硫化カドミウム
系感光体や酸化亜鉛感光体では、多湿の環境下で安定し
た感度が得られない点や、増感剤として添加した色素が
コロナ帯電による帯電劣化や露光による光退色を生じる
ため、長期にわたって安定した特性を与えることができ
ない欠点を有している。
一方、ポリビニルカルバゾールをはじめとする各種の
有機光導電性ポリマーが提案されてきたが、これらのポ
リマーは、前述の無機系光導電材料に比べ、成膜性、軽
量性などの点で優れているが、未だ十分な感度、耐久性
および環境変化による安定性の点で無機系光導電材料に
比べ劣っている。
近年、これらの感光体の欠点や問題を解決するため、
種々の研究開発が行われているが、光導電性機能の電荷
発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ別個の物質に分担
させるように積層型あるいは分散型の機能分離型の感光
体が提案されている。このような機能分離型感光体は、
各々の物質の選択範囲が広く帯電特性、感度、残留電
位、繰り返し特性、耐刷性等の電子写真特性において、
最良の物質を組み合わせることによる高性能な感光体を
提供することができる。また、塗工で生産できるため、
極めて生産性が高く、安価な感光体を提供でき、しかも
電荷発生材料を適当に選択することにより感光波長域を
自在にコントロールすることができる。例えば電荷発生
材料としては、フタロシアニン顔料、シアニン染料、多
環キノン顔料、ペリレン系顔料、インジゴ染料、チオイ
ンジゴ染料、あるいは、スクェアリック酸メチン染料な
どの有機顔料や染料が知られている。
また、電荷輸送材料としては、トリフェニルアミン、
ピラゾリン、スチルベン、ヒドラゾン、オキサジアゾー
ル、オキサトリアゾール、テトラフェニルブタジエン等
並びにこれらの誘導体等が知られている。
これらの中では、特開昭62-30255号公報、特開昭62-2
87257号公報に下記一般式[C]: [式中、R1〜R5は上記公報中に記載のものであり、
R1、R2、R3、R4はアルキル基、R5はそれぞれ置換基を有
してもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、複
素環基を表わす。]で表わされるブタジエン化合物が、
感度や帯電能等の諸特性に優れた電荷輸送材料として開
示されている。しかしながら、一般式[I]で表わされ
るブタジエン化合物を単独で用いた場合には、繰り返し
使用時での表面電位の低下、それに伴なう感度の変化な
どの問題点が充分に解決されておらず、しかも電荷輸送
材料の溶媒への溶解性が不充分になることがあり、製造
上問題を有することがあった。
発明が解決しようとする課題 本発明は以上の事実に鑑みて成されたものであり、そ
の目的とするところは、好ましいブタジエン化合物を使
用した機能分離型感光体において、その感光体が本来有
する優れた電子写真特性を阻害することなく、繰り返し
時発生する劣化を有効に防止し、かつ一層光感度、耐久
性等の諸特性に優れた感光体を提供することにある。
課題を解決するための手段 即ち、本発明は導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送
層を設けた機能分離型感光体において、電荷輸送層が下
記一般式[I]で表わされるブタジエン化合物と、下記
一般式[II]で表わされるブタジエン化合物とを含有す
ることを特徴とする機能分離型感光体に関するものであ
る。
一般式[I]: [式中、R1、R2、R3、R4はアルキル基、シクロアルキル
基;R5はそれぞれ置換基を有してもよいアルキル基、ア
ラルキル基、アリール基、複素環式基を表わす; R6は置換基を有してもよいアリール基を表わす]; 一般式[II]: [式中、R7、R8はアルキル基;R9は水素原子、アルキル
基、ジベンジルアミノ基、ジアリールアミノ基を表わ
す; R10はそれぞれ置換基を有してもよいアルキル基、ア
ラルキル基、アリール基、複素環式基を表わす; R11は置換基を有してもよいアリール基をR12、R13
水素原子あるいはアルキル基を表わす]。
電荷輸送層と電荷発生層を有する機能分離型感光体に
おいて、上記一般式[I]で示されるブタジエン化合物
(以下「ブタジエン化合物」[I]と呼ぶ)を含む電荷
輸送層を有する感光体は、良好な感度、電子写真特性を
示すが、電荷輸送層に高濃度に添加すると繰り返し使用
時に電荷保持能が低下するという問題が発生する。
これに対して、本発明者は上記一般式[I]で示され
るブタジエン化合物を含有する感光体の繰り返し使用時
での劣化を効果的に防止するとともに、光感度を有効に
維持する方法として、一般式[II]で示されるブタジエ
ン化合物(以下「ブタジエン化合物[II]」と呼ぶ)を
添加することを見出し、本発明に至った。
すなわち、ブタジエン化合物[II]を添加することに
よって、ブタジエン化合物[I]によって起こる繰り返
し時での電荷保持能の低下を有効に防止し、かつ、類似
の構造を有するブタジエン化合物[II]の添加によっ
て、ブタジエン化合物[I]の持つ優れた感度等の特性
を維持することが出来るのである。
ブタジエン化合物[I]とブタジエン化合物[II]と
の含有割合は、5/95〜95/5、好ましくは20/80〜80/20で
ある。
ブタジエン化合物[I]の添加量が5部よりも少ない
と、繰り返し時での電荷保持能の低下を効果的に防止す
ることが出来ず、95部よりも多いと感度が悪くなるため
である。
本発明においては、ブタジエン化合物[I]とブタジ
エン化合物[II]を含有する電荷輸送層を電荷発生層と
組み合わせて感光体とすることによって、均一で良好な
感度、帯電性および繰り返し特性をより保証した感光体
が得られる。
発明の感光体は、長波長域にも良好な感度を有するた
め、レーザープリンター用感光体にも適用することがで
きる。
ブタジエン化合物[I]において、R1、R2、R3、R4
しては、炭素数1〜5のアルキル基、特にメチル基、エ
チル基、プロピル基が好ましい。
R5はアルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基
等の置換基を有してもよいアルキル基、アラルキル基、
アリール基、複素環式基を表わし、特に、メチル基、フ
ェニル基、チオフェニル基が好ましく、置換基として
は、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が好
ましい。
R6はアルキル基、アルコキシ基等の置換基を有しても
よいアリール基である。
ブタジエン化合物[II]において、R7、R8としては、
炭素数1〜5のアルキル基、特にメチル基、エチル基、
プロピル基が好ましい。R9は水素、アルキル基、アルコ
キシ基、ジベンジルアミノ基、ジアリールアミノ基を表
わし、特に水素、メチル基、エチル基、メトキシ基、エ
トキシ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基が
好ましい。
R10はそれぞれ置換基を有してもよいアルキル基、ア
ラルキル基、アリール基、複素環式基を表わし、置換基
としてはアルキル基、アルコキシ基等がよい。
特に好ましい基としては、メチル基、フェニル基、チ
オフェニル基が挙げられ、置換基としてはメチル基、エ
チル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
R11は置換基を有してもよいアリール基で好ましいも
のとしては、フェニル基であり、置換基としてはメチル
基、エチル基等の低級アルキル基、メトキシ基、エトキ
シ基等の低級アルコキシ基、臭素、塩素等のハロゲン原
子が挙げられる。
好ましいブタジエン化合物[I]の具体例としては、 などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
好ましいブタジエン化合物[II]の具体例としては、 などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
本発明感光体における電荷輸送層は、ブタジエン化合
物[I]とブタジエン化合物[II]を結着樹脂に分散さ
せて形成する。
ブタジエン化合物[I]およびブタジエン化合物[I
I]の添加量は結着樹脂100重量部に対し、10〜200重量
部、好ましくは20〜150重量部とするのが好適である。1
0重量部より少ないと感度が低下し、200重量部より多い
と繰り返し特性の悪化や塗膜の欠損を招くことがある。
結着樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネ
ート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエ
ステル、ポリイミド等の熱可塑性結着剤;エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化
性アクリル樹脂等の熱硬化性結着剤;光硬化性樹脂;ポ
リN−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルアントラセン等の光導電性樹脂である。
これら電気絶縁性樹脂は単独で測定して、1×1014Ω
・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。
電荷輸送層の膜厚は5〜10μm、好ましくは7〜30μ
m、より好ましくは10〜20μmである。50μmより厚い
と電荷輸送層に吸収される光量が大きくなり感度低下を
起こし、5μmより薄いと充分な帯電電位が得られな
い。
本発明に適用される電荷発生層としては、特に制限さ
れることはなく、電荷発生物質の樹脂分散型、あるいは
蒸着型等、通常知られている構成、膜厚、製法を適用で
きる。すなわち、例えば使用可能な電荷発生材料として
は、ビスアゾ系顔料、トリアリールメタン系染料、チア
ジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シ
アニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、ア
ゾ系顔料、キナクリド系顔料、インジゴ系顔料、ペリレ
ン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール
系顔料、インダスロン系顔料、スクアリウム塩系顔料、
アズレン系色素、フタロシアニン系顔料等の有機物質
や、セレン、セレン・テルル、セレン・砒素などのセレ
ン合金、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、酸化亜
鉛、アモルファスシリコン等の無機物質が挙げられる。
これ以外でも、光を吸収し極めて高い確率で電荷担体を
発生する材料であれば、いずれの材料であっても使用す
ることができる。
上記電荷発生材料の中でも、フタロシアニン系顔料が
感度等の点で好ましく、特にτ型無金属フタロシアニ
ン、X型無金属フタロシアニンおよび下記一般式[II
I]で表わされるチタニルフタロシアニンが好ましい。
[式中、R6は水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、
ベンジルオキシ基、またはハロゲン原子を表わし、mは
1〜4の数字を表わす。] 本発明の感光体に用いられる導電性支持体としては、
銅、アルミニウム、銀、鉄、ニッケル等の箔ないしは板
をシート状又はドラム状にしたものが使用され、あるい
はこれらの金属を、プラスチックフィルム等に真空蒸
着、無電解メッキしたもの、あるいは導電性ポリマー、
酸化インジウム、酸化錫等の導電性化合物の層を同じく
紙あるいはプラスチックフィルムなどの支持体上に塗布
もしくは蒸着によって設けられたものが用いられる。
本発明の機能分離型感光体は、導電性支持体上に電荷
発生層および電荷輸送層を順次積層したものでもよい
し、導電性支持体上に電荷輸送層および電荷発生層を順
次積層したものいづれの構成であってもよい。
本発明の感光体においては、必要に応じて適宜接着
層、中間層、表面保護層を有していても良い。
また、電荷発生層および電荷輸送層にはバインダー樹
脂とともに、ハロゲン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニ
ル、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、O−タ
ーフェニルなどの可塑剤やクロラニル、テトラシアノエ
チレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシア
ノベンゾキノン、テトラシアノキノジメタン、テトラク
ロル無水フタル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸
引性増感剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シア
ニン染料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤
を使用してもよい。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を説明す
る。
実施例1 τ型無金属フタロシアニン1重量部、ポリビニルブチ
ラール樹脂(エスレックBM-2;積水化学社製)1重量部
およびシクロヘキサノン100重量部をボールミルポット
に入れて24時間分散し、感光塗液を得た。
これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、厚さ0.3
μmの電荷発生層を形成させた。
この電荷発生層上に、前記ブタジエン化合物[3]8
重量部、前記ブタジエン化合物[33]2重量部、ポリカ
ーボネート樹脂(パンライトK-1300;帝人化成社製)10
重量部をテトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中
に溶解させた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸
送層を形成し、感光体を作製した。
評価 こうして得られた感光体を市販の電子写真複写機EP-5
0(50φ);ミノルタカメラ社製)を用い、−6kvでコロ
ナ帯電させ、初期電子Vo(v)、初期電位を1/2にする
ために要した露光量E1/2(1ux・sec)1秒間暗所に放置
した時の初期電位の減衰率DDR1(%)を測定した。結果
を表3に示した。
さらに、感光体を複写機と同様の構成を有する感光体
テスター(第2図)に取り付け、電子写真特性の測定を
行った。
すなわち、本発明に従い、得られた感光体を感光体ト
ラム(10)に取り付け、帯電器(11)で−500Vに帯電
後、0.3秒後の感光体の初期表面電位(Vo)帯電後、ハ
ロゲンランプよりの白色光(12)で露光した後の表面電
位(Vi)および露光後、光イレーサ(14)で除電した後
の残留電位(Vr)をプローブ(13)によりそれぞれ測定
し、さらに上記工程を5000回繰り返した後のVo、Viおよ
びVrを測定し、繰り返し特性を調べた。結果を表4に示
した。
実施例2〜4 実施例1と同様の方法で同一の構成のもの、但し実施
例1で用いたブタジエン化合物[3]およびブタジエン
化合物[33]を表1に示す様に夫々変化させた感光体を
作製した。
こうして得られた感光体について、実施例1と同様の
方法で評価した。
実施例5 τ型無金属フタロシアニン1重量部、ポリビニルブチ
ラール樹脂(エスレックBX-1;積水化学社製)2重量部
およびテトラヒドロフラン100重量部をボールミルポッ
トに入れて24時間分散し、感光塗液を得た。
この感光塗液をアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、
厚さ0.4μmの電荷発生層を形成させた。この電荷発生
層上に前記ブタジエン化合物[5]を8重量部、前記ブ
タジエン化合物[22]を3重量部、ポリカーボネート樹
脂(パンライトL-1250;帝人化成社製)10重量部をテト
ラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中に溶解させた
塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸送層を形成
し、感光体を作製した。得られた感光体について、実施
例1と同様の方法で評価した。
実施例6 実施例5と同様の方法で同一の構成のもの、但し実施
例5で用いたブタジエン化合物[5]のかわりにブタジ
エン化合物[6]を用いた感光体を作製した。
こうして得られた感光体について、実施例1と同様の
方法で評価した。
比較例1 実施例1において、ブタジエン化合物[33]を添加せ
ずブタジエン化合物[3]を10重量部用いた以外は実施
例1と全く同様にして、感光体を作製した。得られた感
光体について、実施例1と同様の方法で評価した。
比較例2 実施例1において、ブタジエン化合物[33]のかわり
に下記ヒドラゾン化合物[A]を2重量部添加する以外
は実施例1と全く同様にして、感光体を作製した。得ら
れた感光体について、実施例1と同様の方法で評価し
た。
実施例7 前記一般式[III]においてR12が水素、mが1である
チタニルフタロシアニン1重量部、ポリエステル樹脂
(バイロン200;帝人化成社製)1重量部およびシクロヘ
キサノン100重量部をボールミルポットに入れて24時間
分散し、感光体を得た。
これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、厚さ0.2
μmの電荷発生層を形成させた。
この電荷発生層上に前記ブタジエン化合物[7]5重
量部、前記ブタジエン化合物[27]5重量部、ポリカー
ボネート樹脂(パンライトK-1300;帝人化成社製)10重
量部をテトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中に
溶解させた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸送
層を形成し、感光体を作製した。
こうして得られた感光体を実施例1と同様に評価し
た。
実施例8 第1図に示した蒸着装置によって電荷発生層を形成し
た。
図中(1)は真空槽、(2)基板ホルダー、(3)は
円筒基板、(4)はボート、(5)は排気ポンプ、
(6)は電極、(7)はシャッター回転治具、(8)は
シャッターを示す。
まず、一般式[III]においてR12が水素基、mが1で
あるチタニルフタロシアニンを入れたボート(4)を電
極(6)に、アルミニウム円筒基板(3)を基板ホルダ
ー(2)にそれぞれ取り付け、真空槽(1)内を排気ポ
ンプ(5)により1×10-5Torr以下に減圧した。次に電
極(6)を通じてボート(4)に電流を流し、ボート温
度400〜550℃で5分間蒸着し、基板回転駆動装置(9)
により回転している基板(3)上に膜厚500Åの電荷発
生層を形成した。なお、基板(3)上への蒸着量はシャ
ッター回転治具(7)によりシャッター(8)を開閉す
ること等によって調節することができる。
次に、この電荷発生層上に前記ブタジエン化合物[1
1]6重量部、ポリカーボネート樹脂PC-Z;三菱ガス化学
社製)10重量部及び、ブタジエン化合物[31]4重量部
をテトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中に溶解
させた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸送層を
形成し、感光体を作製した。得られた感光体について、
実施例1と同様の方法で評価した。
実施例9 X型無金属フタロシアニン1重量部、ポリエステル樹
脂(バイロン200;帝人化成社製)1重量部およびシクロ
ヘキサノン100重量部をボールミルポットに入れて24時
間分散し、感光塗液を得た。
これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、厚さ0.2
μmの電荷発生層を形成させた。
この電荷発生層上に前記ブタジエン化合物[13]7重
量部、ポリアリレート樹脂(ユーポリマーU-100;ユニチ
カ社製)10重量部、ブタジエン化合物[36]3重量部を
テトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中に溶解さ
せた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸送層を形
成し、感光体を作製した。
こうして得られた感光体を市販のレーザービームプリ
ンター(NC-1(50φ);ミノルタカメラ社製)を用い、
−6kvでコロナ帯電させ、初期電位Vo(v)、初期電位1
/2にするために要した露光量E1/2(erg/cm2)、1秒間
暗所に放置した時の初期電位の減衰率DDR1(%)を測定
し、繰り返し特性は実施例1で用いた感光体テスターに
より測定した。
実施例10 X型無金属フタロシアニン1重量部、ポリスチレン樹
脂(分子量40000)2重量部およびテトラヒドロフラン1
00重量部をボールミルポットに入れて24時間分散し、感
光塗液を得た。これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥
し、厚さ0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に、この電荷発生層上に前記ブタジエン化合物[1
2]8重量部、ポリカーボネート樹脂(PC-Z;三菱ガス化
学社製)10重量部及び、ブタジエン化合物[26]2重量
部をテトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中に溶
解させた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸送層
を形成し、感光体を作製した。得られた感光体につい
て、実施例9と同様の方法で評価した。
実施例11 下記一般式で示されるアゾ系顔料[B] 1重量部、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX-
1、積水化学(株)製)2重量部およびテトラヒドロフ
ラン100重量部をサンドグラインダーにて24時間分散
し、感光塗液を得た。
これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、厚さ0.3
μmの電荷発生層を形成させた。
この電荷発生層上に前述のブタジエン化合物[18]を
9重量部、ブタジエン化合物[40]を1重量部、ポリカ
ーボネート樹脂(ポリカーボネートZ;三菱ガス化学社
製)10重量部とテトラヒドロフラン100重量部からなる
塗布液を塗布し、乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形
成し、感光体を作製した。
得られた感光体について、実施例1と同様の方法で評
価した。
実施例12〜15 実施例11と同様の方法で同一構成のもの、但し、実施
例11で用いたブタジエン化合物[18]の量と、ブタジエ
ン化合物[40]の量を各々表2の様に変化させた感光体
を作製した。
比較例3 実施例11において、ブタジエン化合物[18]10重量部
のみを用いること以外は実施例11と全く同様に感光体を
作成し、評価した。
比較例4 実施例11において、ブタジエン化合物[40]10重量部
のみを用いること以外は実施例11と全く同様にして感光
体を作製し、評価した。
発明の効果 本発明の感光体は、電荷保持能を低下させることな
く、感度、繰り返し安定性を向上させることができ、高
い画像安定性を得ることができる。
また、本発明の感光体はレーザープリンター用感光体
にも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は蒸着装置の概略構成を示す図、第2図は感光体
テスターの概略構成を示す図である。 1……真空槽、10……感光体ドラム 3……円筒基板、11……帯電器 4……ボート、12……白色光 8……シャッター、13……電位測定プローブ 14……イレーサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 公幸 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (72)発明者 嶋田 有記 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (56)参考文献 特開 平3−129356(JP,A) 特開 平2−216159(JP,A) 特開 昭62−287257(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層を
    設けた機能分離型感光体において、電荷輸送層が下記一
    般式[I]で表されるブタジエン化合物と、下記一般式
    [II]で表されるブタジエン化合物とを含有することを
    特徴とする機能分離型感光体。 一般式[I]: [式中、R1、R2、R3、R4はアルキル基、シクロアルキル
    基;R5はそれぞれ置換基を有してもよいアルキル基、ア
    ラルキル基、アリール基、複素環式基を表わす; R6は置換基を有していてもよいアリール基を表わす]; 一般式[II]: [式中、R7、R8はアルキル基;R9は水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、ジベンジルアミノ基、ジアリールア
    ミノ基を表わす; R10はそれぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アラ
    ルキル基、アリール基、複素環式基を表わす; R11は置換基を有していてもよいアリール基を表わす; R12、R13は水素原子あるいはアルキル基を表わす]。
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