JP2699429B2 - 感光体 - Google Patents

感光体

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真通に使用する感光体に係り、N−
シアノイミン化合物を含有する感光層を有する新規な感
光体に関するものである。
[従来の技術] 従来、電子写真等に使用する感光体においては、感光
層を構成する材料として、セレン、硫化カドミウム、酸
化亜鉛等の無機光導電性材料が知られている。
これらの無機光導電性材料は数多くの利点、例えば暗
所で電荷の逸散が少ないこと、あるいは光照射によって
速やかに電荷を逸散できることなどの利点を持っている
反面、各種の欠点を持っている。例えば、セレン系感光
体では、製造条件が難しく、製造コストが高くつき、ま
た熱や機械的な衝撃に弱いため取り扱いに注意を要す
る。また、硫化カドミウム系感光体では、多湿の環境下
で安定した感度が得られない点や、増感剤として添加し
た色素がコロナ帯電による帯電劣化や露光による光退色
を生じるため、長期に渡って安定した特性を与えること
ができないという欠点を有している。
一方、感光層を構成する材料としてポリビニルカルバ
ゾールをはじめとする各種の有機光導電性ポリマーを用
いることも検討された。しかし、これらの有機光導電性
ポリマーは、前述の無機系光導電材料に比べ、成膜性、
軽量性などの点で優れているが、未だ充分な感度、耐久
性および環境変化による安定性の点では無機系光導電材
料に比べ劣っていた。
そこで、近年においては、これらの感光体の欠点や問
題を解決するため、種々の研究開発が行なわれ、光導電
性機能の電荷発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ別個
の物質に分担させるようにした機能分離型感光体が開発
された。この機能分離型感光体には電荷発生材料と電荷
輸送材料を単一層中に分散させた分散型の他に各材料を
別々の層に含有させて積層させた積層型が知られてい
る。
このような機能分離型感光体は、様々な物質の選択範
囲が広く、帯電特性、感度、残留電位、繰り返し特性、
耐刷性等の電子写真特性において、最良の物質を組合せ
ることができ、これによって高性能な感光体を提供する
ことができる。また、塗工で生産できるため、極めて生
産性が高く、安価な感光体を提供でき、しかも、電荷発
生材料を適当に選択することによって感光波長域を自在
にコントロールすることができる。例えば、電荷発生材
料としては、フタロシアニン顔料、シアニン顔料、多環
キノン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、インジゴ染
料、チオインジゴ染料、スクワリック酸メチン染料等の
有機顔料や染料、またセレン、セレン・砒素、セレン・
テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリ
コン等の無機材料を用いることができる。
しかし、このような機能分離型感光体であっても、依
然として静電特性全般を満足するものは容易に得られ
ず、感度に関してもまだ十分とは言えず、より一層感度
がよく、静電特性全般に優れた感光体が望まれるように
なった。
機能分離型感光体に使用される電荷輸送材としては、
ピドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、その他(例えば
特開昭63−70257号公報)等色々なものが提案されてい
る。
特開昭63−70257号公報には、下記式; で表わされる化合物を電荷輸送材とすることが開示され
ている。なお、この化合物は、本願が開示しようとする
化合物とは異なる。しかし、電荷輸送層中で輸送される
電荷としては正孔もしくは電子が考えられるが、電子輸
送能を有する電荷輸送材料としてはPVK(ポリビニルカ
ルバゾール)とTNF(トリニトロフルオレノン)の1:1混
合物が実用に供せられているのみであり、電荷輸送材と
しては正孔輸送性のものがほとんどである。導電性基板
上に電荷発生層と電荷輸送層をこの順に積層した積層型
の機能分離型感光体において正孔輸送性の電荷輸送材を
使用すると、感光体の帯電は負極性で使用しなければな
らず、オゾンの発生によって感光体が劣化するというよ
うな問題も生じた。
[発明が解決しようとする課題] この発明は以上のような事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、電子輸送性に優れ、ま
た、感光体の増感剤としての役割もはたすように新規な
電子輸送性材料を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は導電性支持体上に下記一般式[I]または
[II]で示される化合物を含有する感光層を有すること
を特徴とする感光体; [式中、R1〜R5は水素、アルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換スルホニル基
またはカルボン酸エステル基を表わし、nは0〜4の整
数を表わす;Zはベンゼン環と結合して環を形成する残基
で置換基を有してもよい。] ここで、上記一般式[I]または[II]で示されるN
−シアノイミン化合物は、その化合物自体は一部公知で
あり、Lie bigs.Anm.Chem.,1986,第142〜164頁、A.Aum
llerとS.Hnigの文献に記載された方法により容易に
製造することができる。
例えば、一般式[I]で表わされる化合物は、 上記のようにフェニレンジアミン化合物をアンモニウ
ムチオシアネートとともに塩酸溶液中で反応させて、ビ
スチオ尿素化合物を得、それを沸騰水中で酢酸鉛と水酸
化カリウムを添加することにより、ビスシアナミド化合
物を得、このビスシアナミド化合物をベンゼン中、二酸
化マンガン等の酸化物とともに反応させることにより得
られる。
一般式[II]で表わされる化合物は、 上記のようにカルボニル化合物とビス(トリメチルシ
リル)ガルボジイミドを四塩化チタンを触媒としてジク
ロルメタン等の不活性溶剤中で縮合させることによって
得られる。
本発明において、前記一般式[I]または[II]で示
されるN−シアノイミン化合物を光導電性材料の増感剤
として用いることにより、あるいは本発明のN−シアノ
イミン化合物の優れた電荷輸送能のみを利用し、これを
積層型機能分離型感光体の電荷輸送層に用いることによ
り、被覆性に優れ、電荷保持能、感度および残留電位等
の電子写真特性に優れた感光体を作製することができ
る。
本発明の一般式[I]で表わされる化合物としては、
以下のものが挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
一般式[II]で表わされる化合物としては、以下のも
のが挙げられるが、これに限定されるものではない。
これらのN−シアノイミン化合物は、単独で用いても
混合して用いてもよい。
本発明のN−シアノイミン化合物を用いた感光体の構
成例を第1図から第5図に模式的に示す。
第1図は、基体(1)上に光導電性材料(3)と電荷
輸送材料(2)を結着剤に配合した感光層(4)が形成
された分散型の感光体であり、電荷輸送材料として本発
明のN−シアノイミン化合物が用いられている。
第2図は、感光層として電荷発生層(6)と電荷輸送
層(5)を有する積層型感光体であり、電荷発生層
(6)の表面に電荷輸送層(5)が形成されている。電
荷輸送層(5)中に本発明のN−シアノイミン化合物が
配合されている。
第3図は、第2図と同様電荷発生層(6)と電荷輸送
層(5)を有する積層型感光体であるが、第2図とは逆
に電荷輸送層(5)の表面に電荷発生層が形成されてい
る。
第4図は、第1図の感光体の表面にさらに表面保護層
(7)を設けたものであり、感光層(4)は電荷発生層
(6)と電荷輸送層(5)に分離した積層型としてもよ
い。
第5図は、基体(1)と感光層(4)の間に中間層
(8)を設けたものであり、中間層(8)は接着性の改
善、塗工性の向上、基体の保護、基体からの光伝導電層
への電荷注入性改善のために設けることができる。中間
層としては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、カゼイン等を用いるとよい。こ
の態様の感光体も感光層を積層型としてもよい。
本発明のN−シアノイミン化合物は、光導電性材料の
増感剤として添加してもよい。また、電子供与性物質と
のCT錯体として用いてもよい。
導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を積層して
なり、前述した第2図の感光体と同様の構成である積層
型感光体は、導電性支持体上に電荷発生材料を真空蒸着
するか、適当な溶剤もしくは必要であれば、バインダー
樹脂を溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を
塗布、乾燥して電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送
材料としてN−シアノイミン化合物とバインダー樹脂と
を適当な溶剤に溶解させた溶液を塗布乾燥して電荷輸送
層を形成して得られる。このときの電荷発生層の厚みは
4μm以下、好ましくは2μm以下であり、電荷輸送層
の厚みは3〜30μm、好ましくは5〜20μmがよい。電
荷輸送層中のN−シアノイミン化合物の割合は前述した
ように、バインダー樹脂重1重量部に対し0.2〜2重量
部、好ましくは0.3〜1.2重量部とするのが好適である。
また、他の電荷輸送材を組み合わせてもよい。それ自体
バインダーとして使用できる高分子電荷輸送材料の場合
は、他のバインダーを使用しなくてもよい。感光体の構
成は、前述した第3図の感光体と同様に、導電性支持体
上に電荷輸送層を形成し、その上に電荷発生層を積層し
た構成でもよい。
N−シアノイミンの増感作用を利用して電荷発生層
(6)にN−シアノイミンを含有させてもよい。この場
合、N−シアノイミンの使用量は、光導電性材料に対し
て0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
0.01重量%より少ないと増感効果が充分に発揮されず、
20重量%より多いと帯電能が低下する等の問題が生じ
る。
本発明感光体の電荷発生材料あるいは光導電性材料と
して用いられるものは、ビスアゾ顔料、トリアリールメ
タン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサ
ンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリ
リウム系染料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、イン
ジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビス
ベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スク
アリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機物質
やセレン、セレン・テルル、セレン・ひ素、硫化カドミ
ウム、アモルファスシリコン等の無機物質が挙げられ
る。これ以外も、光吸収し極めて高い効率で電荷担体を
発生する材料であれば、いずれの材料であっても使用す
ることができる。
真空蒸着する場合は、たとえば無金属フタロシアニ
ン、チタニルフタロシアニン、アルミクロロフタロシア
ニンなどのフタロシアニン類が適している。
また、バインダーとして使用できるものは、電気絶縁
性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化
性樹脂や光硬化性樹脂、光導電性樹脂も全て使用するこ
とができる。適当なバインダー樹脂の例は、これに限定
されるものではないが、飽和ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリアリレー
ト、ポリカーボネート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、セルロースエステル、ポリイミド、スチロール樹脂
等の熱可塑性結着剤;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シ
リコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレ
ン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱
硬化結着剤;光硬化性樹脂;ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン等の
光導電性樹脂等である。これらは単独で、または組み合
わせて使用することができる。これら電気絶縁性樹脂は
単独で測定して1×1012Ω・cm以上の体積抵抗を有する
ことが望ましい。より好ましいものとしてはポリエステ
ル樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂である。
使用に適した溶剤としては四塩化炭素、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、クロロホルム、トリクロロエタン
等のハロゲン化脂肪族炭化水素、シクロヘキサノン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペ
ンタノン等のケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジメチル
ジオキサン等の環状エーテルあるいはそれらの混合溶媒
である。本発明のN−シアノイミン化合物は上記溶媒に
対する溶解性に優れており、塗工性および光感度に良好
な結果を与える。
また、本発明のN−シアノイミン化合物は、バインダ
ー樹脂に対する相溶性もよく、そのことは、光感度に良
好な結果をもたらす。
本発明の感光体はバインダーとともに、ハロゲン化パ
ラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタレン、
ジブチルフタレート、o−ターフェニルなどの可塑剤
や、クロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリ
ニトロ−9−フルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキノ
ン、テトラシアノキジメタン、テトラクロル無水フタル
酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感剤、メ
チルバイオレット、ローダミンB、シアニン染料、ピリ
リウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用してもよ
い。
このようにして形成される感光体は、前述した第4図
および第5図のように必要に応じて接着層、中間層、表
面保護層を有していてもよい。
中間層に用いられる材料としては、ポリイミド、ポリ
アミド、ニトロセルロース、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルアルコールなどのポリマーをそのまま、または
酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗化合物を分散さ
せたもの、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素な
どの蒸着膜等が適当である。
また、中間層の膜厚は、1μm以下が望ましい。
表面保護層に用いられる材料としては、アクリル樹
脂、ポリアリール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタ
ン樹脂などのポリマーをそのまま、または酸化スズや酸
化インジウムなどの低抵抗化合物を分散させたものなど
が適当である。また、有機プラズマ重合膜も使用でき
る。該有機プラズマ重合膜は、必要に応じて適宜酸素、
窒素、ハロゲン、周期律表の第III族、第V族原子を含
んでいてもよい。
また、表面保護層の膜厚は、5μm以下が望ましい。
以下のように本発明N−シアノイミン化合物は、容易
に製造可能で、それを含む感光体は、積層型としても分
散型としても使用でき、さらに、正帯電、負帯電いずれ
でも使用できる。また、種々の電荷発生材料およびバイ
ンダー樹脂との組み合わせが可能であり、場合にっては
感光層の増感剤として添加してもよく、また、他の電荷
輸送材料と組み合わせてもよい。したがって、本発明N
−シアノイミン化合物を含有する感光体は、極めて製造
容易で、感度が向上し、表面電位変化が少ないものとな
る。
以下に本発明を実施例を用いてさらに詳しく説明す
る。なお、実施例中「部」は特に断らない限り「重量
部」を意味する。
実施例1 下記化学式(A)で表わされるビスアゾ化合物 0.45部、ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績社
製)0.45部をシクロヘキサノン50部とともにサンドグラ
インダーにより分散させた。得られたビスアゾ化合物の
分散物を厚さ100μmのアルミ化マイラー上にフィルム
アプリケーターを用いて、乾燥膜厚が0.3g/m2となるよ
うに塗布した後、乾燥させた。このようにして得た電荷
発生層の上に下記化学式(B)で表わされるヒドラゾン
化合物70部、 およびN−シアノイミン化合物(18)0.1部およびポリ
カーボネート樹脂(K−1300、帝人化成社製)70部を1,
4−ジオキサン400部に溶解させた溶液を乾燥膜厚が16μ
mになるように塗布し、電荷輸送層を形成した。このよ
うにして、2層からなる感光層を有する感光体を得た。
実施例2〜3 実施例1において、N−シアノイミン化合物(18)の
代わりに、N−シアノイミン化合物(4)および(8)
を用いること以外は実施例1と同様の方法で感光体を作
製した。
実施例4 下記式(C)で表わされるペリレン化合物1部と PVK(ポリビニルカルバゾール)3部およびN−シアノ
イミン化合物(18)0.1部およびポリエステル樹脂0.2部
をトルエン/ジオキサン=1/1の混合溶剤50部ととも
に、ペイントコンディショナーで分散させた。この分散
液を厚さ100μmのアルミ化マイラー上に乾燥膜厚が10
μmとなるようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥させ
た。このようにして単層の感光体が得られた。
実施例5〜6 実施例4においてN−シアノイミン化合物(18)の代
わりにN−シアノイミン化合物(14)および(26)を用
いること以外は、実施例4と同様にして感光体を作製し
た。
実施例7 チタニルフタロシアニン0.3部、ポリビニルブチラー
ル0.3部をシクロヘキサノン150部とともにサンドグライ
ンダーで分散させた。この分散液を厚さ100μmのアル
ミ化マイラー上にフィルムアプリケーターを用いて乾燥
膜厚が0.3g/m2となるように塗布した後、乾燥させた。
このようにして得た電荷発生層の上にN−シアノイミン
化合物(23)1部、p−ジエチルアミノベンズアルデヒ
ド、N,N−ジフェニルヒドラゾン0.3部およびポリカーボ
ネート樹脂1部をジクロルメタン20部に溶解させた溶液
を乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、電荷輸送層を
形成した。このようにして、2層からなる感光層を有す
る感光体が得られた。
実施例8〜9 実施例7においてN−シアノイミン化合物(23)の代
わりにN−シアノイミン化合物(33)および(34)を用
いること以外は実施例7と全く同様にして感光体を作製
した。
実施例10 ポリビニルカルバゾール2部、N−シアノイミン化合
物(19)3.4部をテトラヒドロフラン16部に溶解させた
塗布液をアルミ化マイラー上にフィルムアプリケーター
を用いて乾燥膜厚が10μmとなるように塗布した後、乾
燥させた。このようにして単層の感光体を作製した。
比較例1 実施例1において、N−シアノイミン化合物を添加し
ないこと以外は実施例1と全く同様にして感光体を作製
した。
比較例2 実施例4において、N−シアノイミン化合物を添加し
ないこと以外は実施例1と全く同様にして感光体を作製
した。
比較例3 実施例7において、N−シアノイミン化合物の代わり
にアントラキノジメタンを用いたこと以外は実施例7と
同様に感光体を作製した。
得られた感光体を市販の電子写真複写機(ミノルタカ
メラ社製、EP−470Z)を用い、実施例1〜3、10は−6.
0KVでコロナ帯電し、実施例4〜9は複写機を正帯電用
に改造し、+6.0KVでコロナ帯電させ、電子写真特性を
調べた。初期表面電位をV0(V)、初期電位が半分にな
るのに要した露光量をE1/2(lux・sec)および1秒間暗
中に放置した時の初期電位の減衰率DDR1(%)および残
留電位VR(V)を測定した。その結果を表−1に示す。
発明の効果 本発明に係るN−シアノイミン化合物を用いた感光体
は、感度が良好であり、残留電位も低く、安定した繰り
返し特性を有する。
本発明に係るN−シアノイミン化合物は、バインダー
樹脂との相溶性も良く、増感剤や電荷輸送材として使用
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は本発明に係る感光体の模式図であっ
て、第1図、第4図、第5図は導電性支持体上に単一の
感光層を積層してなる分散型感光体の構造を示し、第2
図、第3図は導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層
を積層してなる積層型感光体の構造を示す。 1……導電性支持体、2……電荷輸送材料(増感材) 3……光導電性材料、4……感光層 5……電荷輸送層、6……光導電層 7……表面保護層、8……中間層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に下記一般式[I]または
    [II]で示される化合物を含有する感光層を有すること
    を特徴とする感光体; [式中、R1〜R5は水素、アルキル基、アルコキシ基、ハ
    ロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換スルホニル基ま
    たはカルボン酸エステル基を表わし、nは0〜4の整数
    を表わす;Zはベンゼン環と結合して環を形成する残基で
    置換基を有してもよい。]
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Cited By (1)

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