JP2867562B2 - 機能分離型感光体 - Google Patents

機能分離型感光体

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JP2867562B2 JP5312190A JP5312190A JP2867562B2 JP 2867562 B2 JP2867562 B2 JP 2867562B2 JP 5312190 A JP5312190 A JP 5312190A JP 5312190 A JP5312190 A JP 5312190A JP 2867562 B2 JP2867562 B2 JP 2867562B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は感光体、特に電荷発生層と電荷輸送層とを積
層した機能分離型感光体に関する。
従来の技術 感光体の感光層を構成する材料として、従来よりセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性材料が
知られている。
これらの光導電性材料は数多くの利点、例えば暗所で
適当な電位に帯電できること、暗所で電荷の散逸が少な
いこと、あるいは光照射によって速やかに電荷を散逸で
きることなどの利点をもっている反面、各種の欠点をも
っている。例えば、セレン系感光体では、製造する条件
がむづかしく、製造コストが高く、また熱や機械的な衝
撃に弱いため取り扱いに注意を要する。硫化カドミウム
系感光体や酸化亜鉛感光体では、多湿の環境下で安定し
た感度が得られない点や、増感剤として添加した色素が
コロナ帯電による帯電劣化や露光による光退色を生じる
ため、長期にわたって安定した特性を与えることができ
ない欠点を有している。
一方、ポリビニルカルバゾールをはじめとする各種の
有機光導電性ポリマーが提案されてきたが、これらのポ
リマーは、前述の無機系光導電材料に比べ、成膜性、軽
量性などの点で優れているが、未だ十分な感度、耐久性
および環境変化による安定性の点で無機系光導電材料に
比べ劣っている。
近年、これらの感光体の欠点や問題を解決するため、
種々の研究開発が行われているが、光導電性機能の電荷
発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ別個の物質に分担
させるように積層型あるいは分散型の機能分離型の感光
体が提案されている。このような機能分離型感光体は、
それぞれの物質の選択範囲が広く帯電特性、感度、残留
電位、繰り返し特性、耐刷性等の電子写真特性におい
て、最良の物質を組み合わせることによる高性能な感光
体を提供することができる。また、塗工で生産できるた
め、極めて生産性が高く、安価な感光体を提供でき、し
かも電荷発生材料を適当な選択することにより感光波長
域を自在にコントロールすることができる。例えば電荷
発生材料としては、フタロシアニン顔料、シアニン染
料、多環キノン顔料、ペリレン系顔料、インジゴ染料、
あるいは、スクェアリック酸メチン染料などの有機顔料
や染料が知られている。
一方、電荷輸送材料の中でも下記一般式[II] [式中、R5およびR6はそれぞれ水素原子、アルキル基、
アルコキシ基またはジアルキルアミノ基;mは1または2
の整数;Zは窒素原子に結合したフェニル基と結合して環
を形成する残基で、置換基を有してもよい] で表されるヒドラゾン化合物(以下、「ヒドラゾン化合
物[II]と呼ぶ)は耐光性に優れた化合物であり、特開
昭60−162259号公報にその一部が開示されている。
しかしながら、上記公報記載のヒドラゾン化合物は耐
光性の点では優れているものの、繰り返しにより残留電
位が上昇するという問題が発生する。さらに、なお一層
の感度の改良が望まれている。
発明が解決しようとする課題 本発明は以上の事実に鑑みて成されたものであり、そ
の目的とするところは、ヒドラゾン化合物[II]を使用
した機能分離型感光体において、その感光体が本来有す
る優れた電子写真特性を阻害することなく、より一層の
感度向上を達成し、かつ繰り返し使用による残留電位上
昇を生じない感光体を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明の目的は、電荷輸送材料として、ヒドラゾン化
合物[II]を他の特定のヒドラゾン化合物と組み合わせ
ることにより達成される。
すなわち、本発明は導電性基体上に電荷発生層と電荷
輸送層を設けた機能分離型感光体において、電荷輸送層
が下記一般式[I]で表されるヒドラゾン化合物と、下
記一般式[II]で表されるヒドラゾン化合物とを含有す
ることを特徴とする機能分離型感光体に関する: [式中、R1およびR2はそれぞれアルキル基、アラルキル
基またはアリール基;R3は水素原子、アルキル基、ヒド
ロキシル基、アルコキシ基またはアラルキルオキシ基;n
は1〜2の整数;R4はアルキル基、アラルキル基または
アリール基をあらわす]; [式中、R5およびR6はそれぞれ水素原子、アルキル基、
アルコキシ基またはジアルキルアミノ基;mは1または2
の整数、Zは窒素原子に結合したフェニル基と結合して
環を形成する残基で置換基を有してもよい]。
本発明においては、ヒドラゾン化合物[I]およびヒ
ドラゾン化合物[II]を含有する電荷輸送層を電荷発生
層と組み合わせて感光体とすることによって、均一で良
好な感度、帯電性および繰り返し特性をより保証し、か
つ周辺光や取り扱い時の光照射に対して劣化を効果的に
防止した感光体が得られる。
ヒドラゾン化合物[I]において、R1およびR2はそれ
ぞれ、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基
等のアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基、フェニ
ル基等のアリール基が好ましい。特にエチル基、プロピ
ル基、ベンジル基、フェニル基が好ましい。
R3は、水素原子、メチル基あるいはエチル基等のアル
キル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜7のアルコキシ
基、ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基が好まし
い。
nは1または2の整数を表わす。
R4は、メチル基あるいはエチル基等のアルキル基、ベ
ンジル基あるいはメトキシベンジル基等のアラルキル
基、フェニル基、メチルフェニル基あるいはナフチル基
等のアリール基が好ましい。
R3がアルキル基あるいはアルコキシ基等は感度、繰り
返し特性が改良に有効であり、また樹脂に対する相溶性
も良好となる。
好ましいヒドラゾン化合物の具体例としては、 ヒドラゾン化合物[II]においてR5およびR6は独立し
て、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ジ
アルキルアミノ基、特にメトキシ基、エトキシ基、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基
が好ましい。
Zは、窒素原子に結合したフェニル基と結合して環を
形成するエチレン基、トリメチレン基、フェニレン基等
で置換基を有してもよい。置換基としては、メチル基、
エチル基、メトキシ基あるいはエトキシ基等が挙げられ
る。
好ましいヒドラゾン化合物[II]の具体例としては、 などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明のヒドラゾン化合物[I]とヒドラゾン化合物
[II]は、導電性基体上に少なくとも電荷発生層および
電荷輸送層からなる感光体の電荷輸送層に適用する。
電荷輸送層は、ヒドラゾン化合物[I]とヒドラゾン
化合物[II]を結着樹脂に分散させて形成すればよく、
特にその形成方法は限定されるものではない。
ヒドラゾン化合物[I]およびヒドラゾン化合物[I
I]の添加量は結着樹脂100重量部に対し、10〜200重量
部、好ましくは20〜150重量部とするのが好適である。1
0重量部より少ない感度が低下し、200重量部より多いと
繰り返し特性の悪化や塗膜の欠損を招くことがある。
ヒドラゾン化合物[I]とヒドラゾン化合物[II]の
含有割合は、ヒドラゾン化合物[II]がヒドラゾン化合
物[I]1重量部に対して0.05〜21重量部の割合となる
ようにで使用される。ヒドラゾン化合物[II]の添加割
合が0.05重量部より少ないと光劣化等を引き起こすこと
があり、1重量部より多いと、特に繰り返し使用時に残
留電位の上昇を招く。
電荷輸送層の結着樹脂としては、飽和ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオ
ノマー)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポ
リカーボネート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セ
ルロースエステル、ポリイミド等の熱可塑性結着剤;エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹
脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性結着剤;光硬化
性樹脂;ポリN−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルアントラセン等の光導電性樹脂等が挙げ
られる。
これら電気絶縁性樹脂は単独で測定して、1×1014Ω
・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。
電荷輸送層は、公知の方法で形成すればよく、例えば
上記ヒドラゾン化合物[I]、[II]および結着樹脂等
を適当な溶剤に溶解あるいは分散した塗布液を塗布、乾
燥することにより形成される。その際、電荷輸送層の膜
厚は5〜50μm、好ましくは7〜30μm、より好ましく
は10〜20μmである。50μmより厚いと電荷輸送層に吸
収される光量が大きくなり感度低下を起こし、5μmよ
り薄いと充分な帯電電位が得られない。
本発明の感光体の電荷発生層は、例えば電荷発生材料
を真空蒸着するか、適当な溶剤もしくは必要があれば、
結着樹脂を溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布
液を塗布、乾燥して得られるが、かかる方法に限定され
るものではなく、公知の種々の方法で形成すればよい。
電荷発生層に使用可能な電荷発生材料としては、ビス
アゾ系顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染
料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系
色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、アゾ系顔
料、キナクリド系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔
料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔
料、インダスロン系顔料、スクアリウム塩系顔料、アズ
レン系色素、フタロシアニン系顔料等の有機物質や、セ
レン、セレン・テルル、セレン・砒素などのセレン合
金、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、酸化亜鉛、
アモルファスシリコン等の無機物質が挙げられる。これ
以外でも、光を吸収し極めて高い確率で電荷担体を発生
する材料であれば、いずれの材料であっても使用するこ
とができる。
上記電荷発生材料の中でも、フタロシアニン系顔料が感
度等の点で好ましく、特にr型無金属フタロシアニン、
X型無金属フタロシアニンおよび下記一般式[III]で
表わされるチタニルフタロシアニンが好ましい。
[式中、R7は水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、
ベンジルオキシ基、またはハロゲン原子を表わし、mは
1〜4の数字を表わす。] 本発明の感光体に用いられる導電性支持体としては、
銅、アルミニウム、銀、鉄、ニッケル等の箔ないしは板
をシート状またはドラム状にしたものが使用され、ある
いはこれらの金属をプラスチックフィルム等に真空蒸
着、無電解メッキしたもの、あるいは導電性ポリマー、
酸化インジウム、酸化錫等の導電性化合物の層を同じく
紙あるいはプラスチックフィルムなどの支持体上に塗布
もしくは蒸着によって設けられたものが用いられる。
また、本発明の感光体はバインダー樹脂とともに、ハ
ロゲン下パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナ
フタレン、ジプチルフタレート、O−ターフェニルなど
の可塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキノ
ン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フタ
ル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感剤、
メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染料、ピ
リリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用しても
よい。
本発明の感光体は導電性基体上に電荷発生層および電
荷輸送層をこの順に形成したもの、ありは導電性基体上
に電荷発生層および電荷輸送層をこの順に形成した構成
のものいずれの構成であってもよい。
本発明の感光体においては、必要に応じて適宜接着
層、中間層、表面保護層を有していてもよい。
本発明感光体は、長波長領域にも良好な感度を有する
ため、レーザービームプリンタ用感光体にも適用するこ
とができる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を説明す
る。
実施例1 r型無金属フタロシアニン1重量部、ポリビニルブチ
ラール樹脂(エスレックBM−2、積水化学社製)1重量
部およびシクロヘキサノン100重量部をボールミルポッ
トに入れて24時間分散し、感光塗液を得た。
これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、厚さ0.3
μmの電荷発生層を形成させた。
この電荷発生層上に、前記ヒドラゾン化合物[8]10
重量部、前記ヒドラゾン化合物[35]2重量部、ポリカ
ーボネート樹脂(パンライトK−1300;帝人化成社製)1
0重量部をテトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中
に溶解させた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸
送層を形成し、感光体を作製した。
こうして得られた感光体を市販の電子写真複写機(EP
−50;ミノルタカメラ社製)を用い、−6KVでコロナ帯電
させ、初期電位Vo(V)、初期電位を1/2にするために
要した露光量E1/2(lux・sec)、1秒間暗所に放置した
時の初期電位の減衰率DDR1(%)を測定した。
実施例2〜4 実施例1と同様の方法で同一の構成のもの、但し実施
例1で用いたヒドラゾン化合物[8]およびヒドラゾン
化合物[35]を表1に示す様に夫々変化させた感光体を
作製した。
こうして得られた感光体について、実施例1と同様の
方法でVo、E1/2、DDR1を測定した。
実施例5 r型無金属フタロシアニン1重量部、ポリビニルブチ
ラール樹脂(エスレックBX−1;積水化学社製)2重量部
およびテトラヒドロフラン100重量部をボールミルポッ
トに入れて24時間分散し、感光塗液を得た。
これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、厚さ0.4
μmの電荷発生層を形成させた。この電荷発生層上に前
記ヒドラゾン化合物[12]を8重量部、前記ヒドラゾン
化合物[37]を1重量部、ポリカーボネート樹脂(パン
ライトL−1250;帝人化成社製)10重量部をテトラヒド
ロフラン180重量部からなる溶媒中に溶解させた塗液を
塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸送層を形成し、感光
体を作製した。
得られた感光体について、実施例1と同様の方法でV
o、E1/2、DDR1を測定した。
実施例6 実施例5と同様の方法で同一の構成のもの、但し実施
例5で用いたヒドラゾン化合物[12]のかわりにヒドラ
ゾン化合物[2]を用いた感光体を作製した。
こうして得られた感光体について、実施例1と同様の
方法でVo、E1/2、DDR1を測定した。
比較例1 実施例1において、ヒドラゾン化合物[35]を添加し
なかったこと以外は実施例1と全く同様にして、感光体
を作製した。
得られた感光体について、実施例1と同様の方法でV
o、E1/2、DDR1を測定した。
比較例2 実施例1において、ヒドラゾン化合物[35]のかわり
に黄色色素アセトゾールイエローを1重量部添加する以
外は実施例1と全く同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体について、実施例1と同様の方法でV
o、E1/2、DDR1を測定した。
実施例7 前記一般式[III]においてR7が水素、mが1である
チタニルフタロシアニン1重量部、ポリエステル樹脂
(バイロン200;帝人化成社製)1重量部およびシクロヘ
キサノン100重量部をボールミルポットに入れて24時間
分散し、感光塗液を得た。
これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、厚さ0.2
μmの電荷発生層を形成させた。
この電荷発生層上に前記ヒドラゾン化合物[16]10重
量部、前記ヒドラゾン化合物[37]2重量部、ポリカー
ボネート樹脂(パンライトK−1300;帝人化成社製)10
重量部をテトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中
に溶解させた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸
送層を形成し、感光体を作製した。
こうして得られた感光体を市販の電子写真複写機(EP
−50;ミノルタカメラ社製)を用い、−6KVでコロナ帯電
させ、初期電位Vo(V)、初期電位を1/2にするために
要した露光量E1/2(lux・sec)、1秒間暗所に放置した
時の初期電位の減衰率DDR1(%)を測定した。
実施例8 第1図に示した蒸着装置によって電荷発生層を形成し
た。
図中(1)は真空槽、(2)基板ホルダー、(3)は
円筒基板、(4)はボート、(5)は排気ポンプ、
(6)は電極、(7)はシャッター回転治具、(8)は
シャッターを示す。
まず、一般式[III]においてR7が水素、mが1であ
るチタニルフタロシアニンを入れたボート(4)を電極
(6)に、Al円筒基板(3)を基板ホルダー(2)にそ
れぞれ取り付け、真空槽(1)内を排気ポンプ(5)に
より1×10-5Torr以下に減圧した。次に電極(6)を通
じてボート(4)に電流を流し、ボート温度400〜550℃
で5分間蒸着し、基板回転駆動装置(9)により回転し
ている基板(3)上に膜厚500Åの電荷発生層を形成し
た。なお、基板(3)上への蒸着量はシャッター回転治
具(7)によりシャッター(8)を開閉すること等によ
って調節することができる。
次に、この電荷発生層上に前記ヒドラゾン化合物
[7]10重量部、ポリカーボネート樹脂(PC−Z;三菱ガ
ス化学社製)10重量部およびヒドラゾン化合物[38]3
重量部をテトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中
に溶解させた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸
送層を形成し、感光体を作製した。
得られた感光体について、実施例7と同様の方法でV
o、E1/2、DDR1を測定した。
実施例9 X型無金属フタロシアニン1重量部、ポリエステル樹
脂(バイロン200;帝人化成社製)1重量部およびシクロ
ヘキサノン100重量部をボールミルポットに入れて24時
間分散し、感光塗液を得た。
これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、厚さ0.2
μmの電荷発生層を形成させた。
この電荷発生層上に前記ヒドラゾン化合物[2]7重
量部、ポリアリレート樹脂(ユーポリマーU−100;ユニ
チカ社製)10重量部、ヒドラゾン化合物[45]5重量部
をテトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中に溶解
させた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸送層を
形成し、感光体を作製した。
こうして得られた感光体を市販のレーザービームプリ
ンター(NC−1;ミノルタカメラ社製)を用い、−6KVで
コロナ帯電させ、初期電位Vo(V)、初期電位1/2にす
るために要した露光量E1/2(erg/cm2)、1秒間暗所に
放置した時に初期電位の減衰率DDR1(%)を測定した。
実施例10 X型無金属フタロシアニン1重量部、ポリスチレン樹
脂(分子量40000)2重量部およびテトラヒドロフラン1
00重量部をボールミルポットに入れて24時間分散し、感
光塗液を得た。これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥
し、厚さ0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に、この電荷発生層上に前記ヒドラゾン化合物[1
6]10重量部、ポリカーボネート樹脂(PC−Z;三菱ガス
化学社製)10重量部およびジスチリル化合物[40]1重
量部をテトラヒドロフラン180重量部からなる溶媒中に
溶解させた塗液を塗布、乾燥して厚さ15μmの電荷輸送
層を形成し、感光体を作製した。
得られた感光体について、実施例9と同様の方法でV
o、E1/2、DDR1を測定した。
実施例11 下記一般式で示されるアゾ系顔料 1重量部、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX1;
積水化学社製)2重量部およびテトラヒドロフラン100
重量部をサンドグラインダーにて24時間分散し、感光塗
液を得た。
これをアルミニウム基体上に塗布、乾燥し、厚さ0.3
μmの電荷発生層を形成させた。
この電荷発生層上に前述のヒドラゾン化合物[10]を
10重量部、ヒドラゾン化合物[22]を1重量部、ポリカ
ーボネート樹脂(ポリカーボネートZ;三菱ガス化学社
製)10重量部とテトラヒドロフラン100重量部からなる
塗布液を塗布し、乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形
成し、感光体を作製した。
得られた感光体について、実施例1と同様の方法でV
o、E1/2、DDR1を測定した。
実施例12〜15 実施例11と同様の方法で同一構成のもの、但し、実施
例11で用いたヒドラゾン化合物[10]の量と、ヒドラゾ
ン化合物[22]の量をそれぞれ表2の様に変化させた感
光体を作製した。
比較例3 実施例11において、ヒドラゾン化合物[10]10重量部
のみを用いること以外は実施例11と全く同様に感光体を
作製した。
比較例4 実施例11において、ヒドラゾン化合物[22]10重量部
のみを用いること以外は実施例11と全く同様にして感光
体を作製した。
得られた感光体について、実施例11と全く同様にして
Vo、E1/2、DDR1を測定した。
評価 以上、得られた感光体に対し測定したVo、E1/2、DDR1
の結果を表3に示す。
また、得られた感光体を複写機と同様の構成を有する
感光体テスター(第2図)に取り付け、電子写真特性の
測定を行なった。
すなわち、本発明に従い得られた感光体を感光体ドラ
ム(10)に取り付け、帯電器(11)で約−500Vに帯電
後、0.3秒後の感光体の初期表面電位(Vo′)、帯電
後、ハロゲンランプよりの白色光(12)で露光した後の
表面電位(Vi)および露光後、光イレーサ(14)で除電
した後の残留電位(Vr)をプローブ(13)によりそれぞ
れ測定した。
評価方法としては、光照射前の電子写真特性を測定し
た後、蛍光灯下500luxのところに10分間放置させ、照射
後繰り返し100回行なった後の電子写真特性の測定を行
い照射前後の帯電能の変化、および照射後繰り返し安定
性を調べた。結果を表4に示す。
以上の結果からわかるように、本発明の感光体は周辺
光等の前露光を受けた場合でも繰り返し使用時、残留電
位や表面電位の上昇による画像上のカブリ現象や、露光
直後における表面電位の低下による画像上の白抜け現象
が発生せず良好な画像を保つことができた。このことか
ら、本発明の感光体は製造時および使用時における光に
対する取り扱いが容易であり、あやまって周辺光を当て
た場合に生じる光疲労を極力おさえることができること
が確認された。
また、本発明の感光体は電荷保持能を低下させること
なく感度を向上させることができ、さらにLEDプリンタ
ーやLDプリンターに使用される場合、CT材料が光源に対
するフィルターとならず良好な特性を維持することがで
きるため好適である。
発明の効果 本発明に従い特定の組み合せのヒドラゾン化合物
[I]およびヒドラゾン化合物[II]を含有する電荷輸
送層と電荷発生層からなる感光層を有する感光体とする
ことにより、より感度に優れ、帯電性およ繰り返し使用
特性をより保証した感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は蒸着装置の概略構成を示す図である。 第2図は感光体テスターの概略構成を示す図である。 なお図中の記号は以下の通りである。 1:真空層、3:円筒基板 4:ボート、8:シャッター 10:感光体ドラム、11:帯電器 12:白色光、13:プローブ 14:イレーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−73360(JP,A) 特開 平2−22662(JP,A) 特開 昭59−50445(JP,A) 特開 昭60−162259(JP,A) 特開 昭63−174047(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 322 G03G 5/06 326

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層を
    設けた機能分離型感光体において、電荷輸送層が下記一
    般式[I]で表されるヒドラゾン化合物と、下記一般式
    [II]で表されるヒドラゾン化合物とを含有することを
    特徴とする機能分離型感光体; [式中、R1およびR2はそれぞれアルキル基、アラルキル
    基またはアリール基;R3は水素原子、アルキル基、ヒド
    ロキシル基、アルコキシ基またはアラルキルオキシ基;n
    は1〜2の整数;R4はアルキル基、アラルキル基または
    アリール基をあらわす]; [式中、R5およびR6はそれぞれ水素原子、アルキル基、
    アルコキシ基またはジアルキルアミノ基;mは1または2
    の整数、Zは窒素原子に結合したフェニル基と結合して
    環を形成する残基で置換基を有してもよい]。
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