JP2935033B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JP2935033B2 JP63210976A JP21097688A JP2935033B2 JP 2935033 B2 JP2935033 B2 JP 2935033B2 JP 63210976 A JP63210976 A JP 63210976A JP 21097688 A JP21097688 A JP 21097688A JP 2935033 B2 JP2935033 B2 JP 2935033B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、単
に「感光材料」ということもある)の処理方法に関し、
更に詳しくは超迅速処理の自動現像機における搬送性を
改良できるハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
に関する。
[発明の背景] 例えばカラー写真処理では、撮影済のカラーネガフィ
ルムを現像してネガ画像を作り、このネガ画像をカラー
ペーパーに焼き付けることによりネガ画像に基づくポジ
加増を得ている。
このようなカラー写真の現像処理は、従来から大きな
写真処理所に集めて大量の集中処理が行われてきたが、
集配コストが嵩むとともに処理時間を要する等の問題点
がある。
一方、現像処理は水洗水を用いない無水洗処理の実用
化によって、水洗水を供給したり、排水するための配管
が不要になったことから、電源さえあればいかなる場所
でも、カラー写真の現像処理が可能になった。更に現像
処理の迅速化技術によって所謂ミニラボやマイクロラボ
等による処理の分散化が急速に進み、撮影済のフィルム
を店頭まで持っていくと、その待ち時間内での現像処理
ができるようになった。
また一方では、カラーコピーやビデオプリンターのよ
うなオフィスマシンにカラー写真の現像処理を導入する
ことが可能となった。
従来カラーコピーやビデオプリンター等において、イ
ンクジェット或いは熱転写方式等が採用されているが、
露光装置を備えた感光材料処理装置によって、感光材料
にコピーするようにすると高画質で、しかも装置が安価
である等の利点がある。
ところで、前記のようなミニラボやマイクロラボ、ま
た上記したような感光材料によるカラーコピー店では、
待ち時間を短縮させ、同じ大きさの自動現像機での処理
能力を増加させるために、迅速処理の開発が望まれてい
る。
しかも、迅速処理が自動現像機自体を新しくしなくて
はならないタイプではなく、現在ある自動現像機に少し
手を加えるだけで済む迅速処理を望んでいる。このため
の改造は一般に、感光材料の搬送スピードを増加するこ
とで対応している。発色現像工程、漂白定着工程、安定
化処理工程等の処理工程は、これにより迅速化される
が、問題として残るのは乾燥工程である。当然、搬送ス
ピードを増加させることにより、乾燥時間は短くなり、
乾燥温度のアップ、空気循環ファンの能力0アップ等に
よる対策を行うが、迅速乾燥は乾燥する過程でのローラ
ーガイド等と感光材料がくっつきを起こすジャムトラブ
ルを引き起し易くしている。
また、迅速化により、従来と同じ能力であれば、装置
サイズは処理槽を中心に考えると大幅に小型化するメリ
ットがある。しかし、槽の幅は感光材料の物性により、
曲げられる半径が決っており、1槽の大きさは一定以下
にはならない。
このため、従来の無水洗安定化処理は3槽以上からな
り、自動現像機を小型化するために障害となっており、
水洗を実質的に行わないで、1槽で安定化出来る1槽安
定化処理の開発が望まれている。
しかし、本発明者等が検討した結果、無水洗安定化処
理の1槽化と迅速化を同時に行うと、特にジャムトラブ
ルを起し易くなり、重大な問題であることが判った。
[発明の目的] 従って本発明の第1目的は、上記欠点を解決し、迅速
処理が可能な、ジャムトラブルに対して大幅改良効果の
あるハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を提供
することにある。
本発明の第2の目的は、従来の自動現像機を迅速タイ
プに改造しても問題なく処理出来るハロゲン化銀カラー
写真感光材料の処理方法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明者等は前記問題点を解決すべく鋭意研究をした
結果、本発明に至った。即ち、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料を発色現像工程、漂白定着工程、引き続いて安
定化処理工程で処理するハロゲン化銀カラー写真感光材
料の処理方法において、前記感光材料のハロゲン化銀乳
剤層に用いられるハロゲン化銀粒子が塩化銀を少なくと
も95モル%含み、前記安定化処理工程が1槽であって、
かつ30秒以下2秒以上であり、該安定化処理工程に用い
られる処理液がCa,Mg,Ba,Al,Zn,Ni,Bi,Sn,Zrから選ばれ
る少なくとも1種の金属塩を1リットル当り1×10-3
3×10-1モル含有することを特徴とするハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料の処理方法によって上記目的が達成さ
れることを見い出した。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明に使用するCa,Mg,Ba,Al,Zn,Ni,Bi,Sn,Zrから選
ばれる金属塩は、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、炭
酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機塩、酢酸塩、クエン酸
塩、サリチル酸塩等の有機酸塩又は水溶性キレート剤と
して供給できる。使用量は、安定化液1当り1×10-3
〜3×10-1モルの範囲である。また、上記金属塩を2種
以上併用することも好ましい方法である。
また、安定化浴処理時間は30秒以下2秒以上で処理す
ることである。
本発明において、安定化浴処理時間とは、被処理感光
材料が安定化浴の安定化液に触れてから乾燥工程に入る
までの時間をいい、乾燥工程に入る前に、液処理工程が
ある場合は、該液処理工程の液に触れるまでの時間をい
う。
本発明の1槽安定化処理工程に用いられる安定化液及
び安定化剤キットセットは、ハロゲン化銀を用いるカラ
ー写真感光材料ならばいずれの感光材料に対しても使用
できるが、好ましくは、カラーペーパー、ダイレクトポ
ジペーパー、ダイレクトポジフィルム用に使用すること
が効果が大きく有効に作用する。
本発明の安定化浴は、漂白定着液による処理の後、直
ちに安定化処理してしまい、実質的に水洗処理を行わ
ず、色素画像を安定化させるための処理浴であり、水洗
水量を大幅に削減し、安定化液そのものを安定化した処
理浴である。
本発明の安定化液には防バイ剤を含有することが好ま
しく、好ましく用いられる防バイ剤としては、ヒドロキ
シ安息香酸エステル化合物、フェノール系化合物、チア
ゾール系化合物、ピリジン系化合物、グアニジン系化合
物、カーバメイト系化合物、モルホリン系化合物、四級
ホスホニウム系化合物、アンモニウム系化合物、尿素系
化合物、イソキサゾール系化合物、プロパノールアミン
系化合物、スルファミド系化合物、アミノ酸系化合物、
活性ハロゲン放出化合物及びベンツトリアゾール系化合
物である。
前記ヒドロキシ安息香酸エステル化合物は、ヒドロキ
シ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピ
ルエステル、ブチルエステル等があるが、好ましくはヒ
ドロキシ安息香酸のn−ブチルエステル、イソブチルエ
ステル、プロピルエステルであり、より好ましくは前記
ヒドロキシ安息香酸エステル3種の混合物である。
防バイ剤として好ましく用いられるフェノール系化合
物は、アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、
カルボン酸基、アミノ基、フェニル基等を置換基として
有してもよい化合物であり、好ましくはオルトフェニル
フェノールおよびオルトシクロヘキシフェノール、フェ
ノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、クレゾ
ール、グアヤコール、アミノフェノールである。特に好
ましくはオルトフェニルネガフェノールが本発明に好ま
しく用いられる。
チアゾール系化合物は、五員環に窒素原子及びイオウ
原子を持つ化合物であり、好ましくは1,2−ベンツイソ
チアゾリン3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン
3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン3−オ
ン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン3−
オン、2−クロロ−4−チアゾリン−ベンツイミダゾー
ルである。
ピリジン系化合物は具体的には、2,6−ジメチルピリ
ジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ソジウム−2−ピ
リジンチオール−!−オキサイド等があるが、好ましく
はソジウム−2−ピリジンチオール−1−オキサイドで
ある。
グアニジン系化合物は具体的には、シクロヘキシジ
ン、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、ドデシル
グアニジン塩酸塩等があり、好ましくはドデシルグアニ
ジン及びその塩である。
カーバメイト系化合物は具体的には、メチル−1−
(ブチルカーバモイル)−2−ベンツイミダゾールカー
バメイト、メチルイミダゾールカーバメイト等がある。
モルホリン系化合物は具体的には、4−(2−ニトロ
ブチル)モルホリン、4−(3−ニトロブチル)モルホ
リン等がある。
四級ホスホニウム系化合物は、テトラアルキルホスホ
ニウム塩、テトラアルコキシホスホニウム塩等がある
が、好ましくは、テトラアルキスホスホニウム塩であ
り、更に具体的な好ましい化合物はトリ−n−ブチル−
テトラデシルホスホニウムクロライド、トリーフェニル
・ニトロフェニルホスホニウムクロライドである。
四級アンモニウム系化合物は具体的には、ベンザルコ
ニウム塩、ベンゼトニウム塩、テトラアルキルアンモニ
ウム塩、アルキルピリジウム塩等があり、具体的にはド
デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデ
シルジメチルアンモニウムクロライド、アウリルピリジ
ニウムクロライド等がある。
尿素系化合物は具体的には、N−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−N′−(4−クロロフェニル)尿素、N−
(3−トリフルオロメチル)−N′−(4−クロロフェ
ニル)尿素等がある。
イソオキサゾール系化合物は具体的には、3−ヒドロ
キシ−5−メチル−イソオキサゾール等がある。
プロパノールアミノ系化合物は、n−プロパノール類
とイソプロパノール類があり、具体的にはDL−2−ベン
ジルアミノ−1−プロパノール、3−ジエチルアミノ−
1−プロパノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−
1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、イ
ソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,
N−ジメチル−イソプロパノール−アミン等がある。
スルファミド系化合物としては、o−ニトロベンゼン
スルファミド、p−アミノベンゼンスルファミド、4−
クロロ−3,5−ジニトロベンゼンスルファミド、α−ア
ミノ−p−トルエンスルファミド等がある。
アミノ酸系化合物は具体的にはN−ラウリル−β−ア
ラニンがある。
ベンツトリアゾール系化合物は具体的には下記のもの
が挙げられる。
なお上記防バイ剤の中で本発明においで好ましく用い
られる化合物はフェノール系化合物、チアゾール系化合
物、ピリジン系化合物、グアニジン系化合物、四級アン
モニウム系化合物、活性ハロゲン放出化合物、ベンツト
リアゾール系化合物である。更に、特に好ましくは液保
存性の上からフェノール系化合物、チアゾール系化合
物、活性ハロゲン放出化合物及びベンツトリアゾール系
化合物である。
安定化液への防バイ剤の添加量は、安定化液1リット
ル当り0.001g以下では色素画像の安定効果を奏さず、ま
た50gを越える量では、コスト的に好ましくないく、更
に色素画像の保存安定性を向上するため、0.001〜50gの
範囲で用いられ、好ましくは0.005〜10gの範囲で使用さ
れる。
本発明においては安定化液には、本発明の効果をより
効率的に達成するためキレート剤を含有させることが好
ましい。
本発明に好ましく用いられるキレート剤としてはポリ
ヒドロキシ化合物系キレート剤、カルボン酸系キレート
剤、リン酸系キレート剤がある。なかでもリン酸系キレ
ート剤を使用することが特に好ましく、下記一般式[B
−I]〜[B−V]で示される化合物が好ましい。
一般式[B−I] MmPmO3m 一般式[B−II] Mn+2PnO3n+1 一般式[B−I]、[B−II]においてMは水素原子
又はアルカリ金属原子を表し、mは3〜6の整数、nは
2〜20の整数を表す。
一般式[B−III] (式中、Eはアルキレン基、シクロアルキレン基、フェ
ニレン基、−R5−O−R5−、−R5−O−R5−O−R5−又
は−R5−Z−R5−を表す。Zは を表す。R1〜R6はそれぞれアルキレン基を表す。A1〜A3
はそれぞれ−PO3M2を表し、A4及びA5はそれぞれ水素原
子、水酸基または−PO3M2を表す。Mは水素原子または
アルカリ金属原子を表す。) 一般式[B−IV] (式中、R7はアルキル基、アリール基または含窒素6員
環基を表す。Mは水素原子またはアルカリ金属原子を表
す。) 一般式[B−V] (式中、R8,R9及びR10はそれぞれ水素原子、水酸基、−
COOM、−PO3M2またはアルキル基を表し、B1,B2及びB3
それぞれ水素原子、水酸基、−COOM、−PO3M2または を表す。Jは水素原子、アルキル基、−C2H4OHまたは−
PO3M2を表す。Mは水素原子またはアルカリ金属原子を
表し、n及びmそれぞれ0または1で表す。) 一般式[B−III]において、Eで表されるアルキレ
ン基としては、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐
のアルキレン基が好ましく、例えばメチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、より好ま
しくは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、置換基を
有するものも含む。Eで表されるシクロアルキレン基と
しては、例えばシクロヘキシレン基が挙げられる。また
R1〜R6で表されるアルキレン基としては、炭素数1〜3
のアルキレン基が好ましく、例えばメチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基が挙げられ、より好ましくは、炭素
数1〜2のアルキレン基であり、置換基を有するものも
含む。Mで表される金属原子としては、例えばナトリウ
ム、カリウム等の原子が挙げられる。
一般式[B−IV]において、R7で表されるアルキル基
は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、置
換基を有するものも含み、置換基としては、例えば水酸
基、アルコキシ基(例えばメトキシ基)、COOMまたは−
PO3M2が挙げられる。R7で表されるアリール基としては
フェニル基が好ましく、上記アルキル基で挙げた置換基
を有するものも含む。R7で表される含窒素6員環基とし
ては、例えばピリジン基が挙げられる。
一般式[B−V]において、R8〜R10で表されるアル
キル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好まし
く、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等が挙げられる。またJで表されるアルキル基として
は、上記R8〜R10で表されるアルキル基と同様の基が挙
げられる。
以下、本発明に好ましく用いられる一般式[B−
I]、[B−II]、[B−III]、[B−IV]及び[B
−V]で示されるキレート剤の具体例を示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
[例示キレート剤] 上記本発明に好ましく用いられるキレート剤は1種を
単独で用いても2種以上併用して用いてもよく、本発明
の安定化液1当り、0.01〜100gで用いることが好まし
く、より好ましくは0.05〜50gであり、特に好ましくは0
1〜20gである。
上記キレート剤は安定化液の補充液においては亜鉛イ
オンとキレートしていることが好ましく、上記キレート
剤は亜鉛塩に対してモル等モル以上添加することが好ま
しい。
上記キレート剤において、本発明に最も好ましいもの
は、一般式[B−V]で示されるキレート剤である。
本発明においては、安定化液のpHは本発明をより効果
的に達成するためには、好ましくは4.0〜10.0の範囲で
あり、更に好ましくはpH4.5〜9.5の範囲であり、特に好
ましくはpH4.5〜8.5の範囲である。本発明においては安
定化液に含有することができるpH調整剤は、一般に知ら
れているアルカリ剤または酸剤のいかなるものも使用で
きる。
本発明においては、安定化液には有機酸塩(クエン
酸、酢酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸等)、pH調整
剤(リン酸塩、ホウ酸塩、塩酸、硫酸塩等)を任意に用
いることができる。
また、本発明の安定化液には、得られる色素画像にお
ける未露光部自地部分の改良のために蛍光増白剤を含有
させることが好ましい。本発明に用いる蛍光増白剤とし
ては、トリアジニルスチルベン系化合物が好ましい。
本発明の安定化液にはさらに以下のアンモニウム系化
合物を含有させることができる。
これらのアンモニウム系化合物は各種の無機化合物の
アンモニウム塩によって供給されるが、具体的には水酸
化アンモニウム、臭化アンモニウム、炭酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、次亜リン酸アンモニウム、リン
酸アンモニウム、亜リン酸アンモニウム、フッ化アンモ
ニウム、酸性フッ化アンモニウム、フルオロホウ酸アン
モニウム、ヒ酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、
フッ化水素アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸
アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、五ホウ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、アジピ
ン酸アンモニウム、ラウリントリカルボン酸アンモニウ
ム、安息香酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウ
ム、クエン酸アンモニウム、ジエチルジチオカルバミン
酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、リンゴ酸水素アン
モニウム、シュウ酸水素アンモニウム、フタル酸アンモ
ニウム、酒石酸水素アンモニウム、チオ硫酸アンモニウ
ム、亜硫酸アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸アン
モニウム、エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウ
ム、乳酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、マレイ
ン酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、フタル酸ア
ンモニウム、ピクリン酸アンモニウム、ピロリジンジチ
オカルバミン酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウ
ム、コハク酸アンモニウム、スルファニル酸アンモニウ
ム、酒石酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウ
ム、2,4,6−トリニトロフェノールアンモニウム等であ
る。これらアンモニウム系化合物の中でも特にキレート
剤のアンモニウム塩が本発明の効果を達成する上で好ま
しい。
アンモニウム系化合物の添加量は安定液1当り1.0
×10-5モル以上が好ましく、より好ましくは安定液化1
当り0.001モル〜5.0モルの範囲であり、更に好ましく
は0.002〜1.0モルの範囲である。
本発明において安定化液による安定化浴への補充量
が、処理する感光材料の単位面積当たりを基準として、
漂白定着液の漂白定着浴から安定化浴への持ち込み量の
1.5〜30倍であるとき本発明の効果が有利に発揮され、
2〜20倍であるとき効果がより顕著である。持ち込み量
は感光材料の種類、自動現像機の搬送速度、搬送方式、
感光材料表面のスクイズ方式等により異なるが、カラー
ペーパーの場合通常、持ち込み量は25ml/m2〜100ml/m2
である。
従って、この範囲の持ち込み量に対して本発明の効果
がより顕著である補充量は50ml/m2〜2000ml/m2の範囲に
あり、特に効果が顕著な補充量は75ml/m2〜900ml/m2
範囲にある。
カラーフィルム(ロールフィルム)の場合、通常持ち
込み量は50ml/m2〜110ml/m2であり、この持ち込み量に
対する本発明の効果がより顕著である補充量は100ml/m2
〜3.0ml/m2の範囲にあり、特に効果が顕著な補充量は15
0ml/m2950ml/m2の範囲にある。
本発明の安定化液は、通常上記補充方式で用いられ
る。そして安定化液の補充液は一度に大量に調製され、
経時保存して用いられることが多いため、安定化液にお
ける沈澱防止技術を補充液にも適用することにより、さ
らにコストメリットも付加される。
本発明において安定化液による処理温度は、15℃〜60
℃が好ましく、より好ましくは20℃〜45℃の範囲がよ
い。
本発明においては、安定化処理の後には水洗処理を必
要としないが、極く短時間でのホルマリン、活性剤等を
含む水切浴等によるリンス、表面洗浄などは必要に応じ
て任意に行うことはできる。
本発明において、発色現像後、漂白定着液で処理する
とは、通常の発色現像液による処理後の漂白定着浴の使
用による工程を指す。即ち本発明は発色現像後、漂白定
着浴で処理した後の1槽安定化液での処理の問題を解決
したものである。
次に、発色現像処理について説明する。
本発明に好ましく用いられる発色現像処理は通常20℃
〜80℃の範囲で行われ、好ましくは30℃〜50℃の範囲で
処理される。
現像が行われる発色現像のpHは一般に8以上、好まし
くは9.5以上である。
現像はpH緩衝剤、現像抑制剤、かぶり防止剤、軟水化
のための錯体形成剤、保存剤、現像促進剤、競合カプラ
ー、かぶり剤、補助的現像剤化合物及び粘度調整剤の存
在下に行うことができる;リサーチ・ディスクロージャ
ー(Research Disclosure)17544、1978年12月、セクシ
ョンXXI、インダストリアル・オポチュニティーズ社(I
ndustrial Oppotunities Ltd.)、(Homewell Havant,H
ampshire,GrentBritain発行、及びウルマンズ・エンチ
クロペディ・デル・テクニッシェン・ヘミイ(Ullmans
Enzyklpudie der technisehen Chemie)、4版、18巻、
1979年の特に451頁452及び463〜465頁参照。適当な現像
液組成はブラント・ハイスト(Grant Haist)、モダー
ン・ホトグラフィック・プロセシング(Modern Photogr
aphic Processing)、ジョーン・ワイリーアンド・サン
ズ(John Willey and Sans)、1973、Vol.1及び2に与
えられている。
本発明に好ましく用いらる発色現像液に用いられる特
に有用な発色現像主薬はN,N′−ジアルキル−p−フェ
ニレンジアミン系化合物であり、アルキル基及びフェニ
ル基は任意の置換基で置換されていてもよい。その中で
も特に有用な化合物としては、N,N′−ジエチル−p−
フェニレンジアミン塩酸塩、N−メチル−p−フェニレ
ンジアミン塩酸塩、N,N′−ジメチル−p−フェニレン
ジアミン塩酸塩、2−アミノ−5−(N−エチル−N−
ドデシル−N−ドデシルアミノ)−トルエン硫酸塩、N
−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3−
メチル−4−アミノアニリン硫酸塩、N−エチル−N−
β−ヒドロキシエチル−3−メチル−4−アミノアニリ
ン硫酸塩、4−アミノ−3−メチル−N,N′−ジエチル
アニリン硫酸塩、4−アミノ−N−(2−メトキシエチ
ル)−N−エチル−3−メチルアニリン−p−トルエン
スルホネートなどを挙げることができる。
その他の適当な発色現像主薬は例えばジャーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Amer.Chem.
Soc)73、3100(1951)に記載されている。また、白黒
現像主薬物質も加えて用いることができる。
特に好ましい一態様によれば、発色現像液は次式の発
色現像主薬を含有する。
これら、発色現像主薬は、通常発色現像液1当たり
5×10-3モル〜2×10-1モルの範囲で使用することが好
ましいが、迅速処理の観点から発色現像液1当たり1.
0×10-2モル〜2×10-1モルの範囲がより好ましい。
また、前記発色現像主薬は単独であるいは2種以上併
用して、また所望により白黒現像主薬例えばフェニド
ン、4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル
−3−ピラゾリドンやメトール等と併用して用いてもよ
い。
また、本発明に好ましく用いられる発色現像液に下記
一般式[I]で示される化合物を含有せしめる際に、と
りわけ本発明の効果を良好に奏するばかりでなく、発色
現像液槽の液面の結晶折出についても良好となり、別な
る効果も奏するため、本発明のより好ましい態様の一つ
として挙げられる。
一般式[I] 式中、R1及びR2はそれぞれアルキル基又は水素原子を
表す。但しR1及びR2の両方が同時に水素原子であること
はない。またR1及びR2は環を形成してもよい。
一般式[I]において、R1及びR2は同時に水素原子で
はないそれぞれアルキル基または水素原子を表すが、R1
及びR2で表されるアルキル基は、同一でも異なってもよ
く、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。R1
及びR2のアルキル基は置換基を有するものも含み、ま
た、R1及びR2は結合して環を構成してもよく、例えばピ
ペリジンやモルホリンの如き複素環を構成してもよい。
一般式[I]で示されるヒドロキシルアミン系化合物
の具体的化合物は、米国特許3,287,125号、同3,293,034
号及び同3,287,124号等に記載されているが、以下に特
に好ましい具体的例示化合物を示す。
これら化合物は、通常遊離のアミン、塩酸塩、硫酸
塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、リン酸
塩、酢酸塩等の形で用いられる。
発色現像液中の本発明の一般式[I]で示される化合
物の濃度は、通常0.2g/〜50g/、好ましくは0.5g/
〜30g/、さらに好ましくは1g/〜15g/である。
また、これに一般式[I]で示される化合物と、従来
より用いられているヒドロキシルアミンを組み合わせて
用いることもできる。
本発明に係わる発色現像液には、下記一般式[D]で
示される化合物を含有する際に、発色現像液の空気酸化
に対しても改良効果を示すため、より好ましく用いられ
る。
一般式[D] 式中、R21は炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、R
22及びR23は各々水素原子、炭素数1〜6アルキル基、
炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、ベンジル基又は 式を示し、上記式のn1は1〜6の整数、X′及びY′は
各々水素原子、炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素
数2〜6のヒドロキシアルキル基を示す。
前記一般式[D]で示される化合物の好ましい具体例
は次の通りである。
(D−1)エタノールアミン、 (D−2)ジエタノールアミン、 (D−3)トリエタノールアミン、 (D−4)ジ−イソプロパノールアミン、 (D−5)2−メチルアミノエタノール、 (D−6)2−エチルアミノエタノール、 (D−7)2−ジメチルアミノエタノール、 (D−8)2−ジエチルアミノエタノール、 (D−9)1−ジエチルアミノ−2−プロパノール、 (D−10)3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、 (D−11)3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、 (D−12)イソプロピルアミノエタノール、 (D−13)3−アミノ−1−プロパノール、 (D−14)2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、 (D−15)エチレンジアミンテトライソプロパノール、 (D−16)ベンジルジエタノールアミン、 (D−17)2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,
3−プロパンジオール。
これら、前記一般式[D]で示される化合物は、本発
明の目的の効果の点から、発色現像液1当り1g〜100g
の範囲で好ましく用いられ、より好ましくは2g〜30gの
範囲で用いられる。
本発明の処理方法において、発色現像液の補充量は感
光材料1m2当り10ml〜500mlの範囲、とりわけ特に20ml〜
400mlの範囲が好ましく、最も好ましくは30ml〜300mlの
範囲である。
本発明の漂白定着工程に用いられる漂白定着液として
は、カラーペーパーないしカラーフィルム等の処理に用
いられている漂白定着液を特別の制限なく用いることが
でき、漂白剤としては有機酸第2鉄錯塩(特公昭54−38
895号公報記載、特表昭55−500704号公報記載、特開昭5
6−52748号公報記載、同59−149358号公報記載)を用い
ることが好ましい。また定着剤としては例えば、チオ硫
酸塩(特開昭57−185435号公報記載)、チオシアン酸塩
(英国特許第565,135号明細書記載、特開昭54−137143
号公報記載)、ハロゲン化物(特開昭52−130639号公報
記載)、チオエーテル(ベルギー国特許第626,970号明
細書記載)、チオ尿素(英国特許第1,189,416号明細書
記載)などを用いることができる。
本発明によって処理される感光材料のハロゲン化銀乳
剤層に用いられるハロゲン化銀粒子は、塩化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀が用いられるが、本発明においては塩化
銀を少なくとも95モル%含むことが必須構成要件であ
り、その中でも、実質的に塩化銀であることが好まし
く、臭化物、沃化物は極く微量であることが好ましい。
とりわけ、塩化銀が95モル%以上の際に、本発明の目
的の効果を良好に奏し、更に迅速性という点で好ましく
用いられる。特に好ましくは98モル%以上である。特別
な場合には青感光層が臭化物30モル%含むハロゲン化銀
であって他の2層例えば、緑感光層と赤感光層は塩化物
99モル%程度であることも好ましい実施態様の一つであ
る。ハロゲン化銀は好ましくはコアシェル粒子であり2
重層構造を有しているものである。
本発明によって処理される感光材料に用いられる前記
塩化銀が少なくとも90モル%からなるハロゲン化銀粒子
を含有するハロゲン化銀乳剤層はカラーカプラーを含有
する。これらカラーカプラーは発色現像主薬酸化生成物
と反応して非拡散性染料を形成する。カラーカプラーは
有利には非拡散性形態で感光性層中またはそれに密に隣
接して合体される。
かくして赤感光性層は例えばシアン部分カラー画像を
生成する非拡散性カラーカプラー、一般にフェノールま
たはαナフトール系カプラーを含有することができる。
緑感光性層は例えばマゼンタ部分カラー画像を生成する
少なくとも一つの非拡散性カラーカプラー、通常5−ピ
ラゾロン系のカラーカプラー及びピラゾロトリアゾール
系カプラーを含むことができる。青感光性層は例えば黄
部分カラー画像を生成する少なくとも一つの非拡散性カ
ラーカプラー、一般に開鎖ケトメチレン基を有するカラ
ーカプラーを含むことができる。カラーカプラーは例え
ば6−、4−または2−当量カプラーであることができ
る。
本発明によって処理される感光材料においては、とり
わけ2当量カプラーが好ましい。
適当なカプラーは例えば次の刊行物に開示されてい
る:アグファの研究報告(Mitteilunglnausden Forschu
ngslaboratorien der Agfa)、レーフェルクーゼン/ミ
ュンヘン(Leverkusen/Munchen)、Vol.III.p.111(196
1)中ダブリュー・ベンツ(W.Pelz)による「カラーカ
プラー」(Farbkuppler);ケイ・ベンタカタラマン
(K.Venkataraman)、「ザ・ケミストリー・オブ・・シ
ンセティック・ダイズ」(The Chemirsry of Synthetic
Dyes)、Vol.4、341〜387、アカデミック・プレス(Ac
ademic Press)、「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグ
ラフィック・プロセス」(The Theory of the Photogra
phic Process)、4版、353〜362頁;及びリサーチ・デ
ィスクロージャー(Research Disclosure)No.17643.セ
クションVII。
本発明においては、とりわけ特開昭63−106655号明細
書、26頁に記載されるが如き一般式[M−1]で示され
るマゼンタカプラー(これらの具体的例示マゼンタカプ
ラーとしては特開昭63−106655号明細書、29〜34頁記載
のNo.1〜No.77が挙げられる。)、同じく34頁に記載さ
れている一般式[C−I]又は[C−II]で示されるシ
アンカプラー(具体的例示シアンカプラーとしては、同
明細書、37〜42頁に記載の(C′−1)〜(C′−82)
(C″−1)〜(C″−36)が挙げられる)、同じく20
頁に記載されている高速イエローカプラー(具体的例示
シアンカプラーとして、同明細書21〜26頁に記載の
(Y′−1)〜(Y′−39)が挙げられる)を本発明に
よって処理される感光材料に組合せて用いることが本発
明の目的の効果の点から好ましい。
本発明においては、被処理感光材料、特に高塩化銀感
光材料に含窒素復素環メルカプト化合物を組合せて用い
る際には、本発明の目的の効果を良好に奏するばかりで
なく、発色現像液中の漂白定着液が混入した際に生じる
写真性能への影響を、極めて軽微なものにするという別
なる効果を奏するため、本発明においてはより好ましい
態様として挙げることができる。
これら含窒素復素環メルカプト化合物の具体例として
は、特開昭63−106655号明細書、42〜45頁記載の(I′
−1)〜(I′−87)が挙げられる。
本発明における塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン
化銀乳剤は常法(例えば材料の一定または加速送給によ
る単一流入または二重流入)によって調整されうる。pA
gを調整しつつ二重流入法による調整方法が特に好まし
い:リサーチ・ディスクロージャーNo.17643、セクショ
ンI及びII参照。
ハロゲン化銀乳剤は化学的に増感することができる。
アリルイソチオシアネート、アリルチオ尿素もしくはチ
オサルフェートの如き硫黄含有化合物が特に好ましい。
還元剤もまた化合物増感奏剤として用いることができ、
それらは例えばベルギー特許493,464号及び同568,687号
記載の如き錫化合物、及び例えばベルギー特許547,323
号によるジエチレントリアミンの如きポリアミンまたは
アミノメチルスルフィン酸誘導体である。金、白金、パ
ラジウム、イリジウム、ルテニウムまたロジウムの如き
貴金属及び貴金属化合物もまた適当な増感剤である。こ
の化学的増感法はツァイトシュリフト・フェア・ビッセ
ンシャフトリッヘ・フォトグラフィ(Z.Wiss,Photo)4
6、65〜72(1951)のアール・コスロフスキー(R.Kosio
vsky)の論文に記載されている;また上記リサーチ・デ
ィスクロージャーNo.17643、セクションIIIも参照。
ハロゲン化銀乳剤は光学的に公知の方法、例えばニュ
ートロシアニン、塩基性もしくは酸性カルボシアニン、
ローダシアニン、ヘミシアニンの如き普通のポリメチン
染料、スチリル染料、オキソノール及び類似物を用い
て、増感することができるエフ・エム・ハマー(F.M.Ha
mer)の「シアニン・ダイズ・アンド・リレーテッド・
コンパウンズ」(The Cyanine Dyes and related Compo
unds)(1964)ウルマンズ・ヘミィ(Ullmanns Enzyklp
adie der technischen Chemie)4版、18巻、431頁及び
その次、及び上記リサーチ・ディスクロージャーNo.176
43、セクションIV参照。
ハロゲン化銀乳剤には常用のかぶり防止剤及び安定剤
を用いることができる。アザインデンは特に適当な安定
剤であり、テトラー及びペンターアザインデンが好まし
く、特にヒドロキシル基またはアミノ基で置換されてい
るものが好ましい。この種の化合物は例えばビア(Bir
r)の論文、ツァイトシュリフト・フェア・ビッセンシ
ャフトリッヘ・フォトグラフィ(Z.Wiss.Photo)47、19
52、p.2〜58、及び上記リサーチ・ディスクロージャーN
o.17643、セクションIVに示されている。
感光材料の成分は通常の公知方法によって含有させる
ことができる;例えば米国特許2,322,027号、同2,533,5
14号、同3,689,271号、同3,764,336号及び同3,765,897
号参照。感光材料の成分、例えばカプラー及びUV吸収剤
はまた荷電されたラテックスの形で含有させることもで
きる;独国特許出願公開2,541,274号及び欧州特許出願1
4,921号参照。成分またはポリマーとして感光材料中に
固定することができる;例えば独国特許出願公開2,044,
992号、米国特許3,370,952号及び同4,080,211号参照。
感光材料の支持体として通常の支持体を用いることが
でき、それは例えばセルロースエステル例えばセルロー
スアセテートの支持体及びポリエステルの支持体であ
る。紙の支持体もまた適当であり、そしてこれらは例え
ばポリオレフィン、特にポリエチレンまたはポリプロピ
レンで被覆することができる;これに関して上記リサー
チ・ディスクロージャーNo.17643、セクションV VI参
照。
通常の親水性フィルム形成剤を感光材料の層のための
保護コロイドまたは結合剤として用いることができ、そ
れらは例えばプロテイン特にゼラチン、アルギン酸また
はそのエステル、アミドもしくは塩の如き誘導体、カル
ボキシメチルセルロース及びセルロースサルフェートの
如きセルロース誘導体、澱粉もしくはその誘導体または
親水性合成結合剤である;また上記リサーチ・ディスク
ロージャー17643、セクションIXに示されている結合剤
も参照できる。
支持体上に設ける写真感光材料の層は普通の方法、例
えばエポキサイド、複素環エチレンイミンまたはアクリ
ロイル型硬膜剤を用いて硬化することができる。更に、
写真構成層は独国特許出願公開2,218,009号に従う方法
によって硬化して高温操作に適するカラー写真感光材料
をつくることができる。また上記の層はジアジン、トリ
アジンまたは1,2−ジヒドロキノリン系の硬化剤または
ビニルスルホン型の硬化剤で硬化することもできる。そ
の他の適当な硬化剤は独国特許出願公開2,439,551号、
同2,225,230号及び同2,317,672号及び上記リサーチ・デ
ィスクロージャー17643、セクションXIに開示されてい
る。
[発明の効果] 本発明によれば、迅速処理が可能な、ジャムトラブル
に対して大幅改良効果のある感光材料の処理方法を提供
でき、さらに従来の自動現像機を迅速タイプに改造して
も問題なく処理できる感光材料の処理方法を提供するこ
とができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する
が、本発明の実施の態様がこれらに限定されるものでは
ない。
実施例 1 ポリエチレンコート紙支持体上に下記の各層を該支持
体側より順次塗布し、感光材料を作製した。
なお、ポリエチレンコート紙としては、平均分子量10
0,000、密度0.95のポリエチレン200重量部と平均分子量
2,000、密度0.80のポリエチレン20重量部を混合したも
のにアナターゼ型酸化チタンを6.7重量%添加し、押し
出しコーテイング法によって重量165g/m2の上質紙表面
に厚み0.035mmの被覆層を形成させ、裏面にはポリエチ
レンのみによって厚み0,040mmの被覆層を設けたものを
用いた。この支持体表面のポリエチレン被覆面上にコロ
ナ放電による前処理を施こした後、下記各層を順次塗布
した。
第1層: 臭化銀0.5モル%を含む塩臭化銀乳剤からなる青感性
ハロゲン化銀乳剤層で該乳剤はハロゲン化銀1モル当り
ゼラシン340gを含み、ハロゲン化銀1モル当り表1の増
感色素2.4×10-4モルを用いて増感され(溶媒としてイ
ソプロピルアルコールを使用)、ジブチルフタレートに
溶解して分散させた2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノ
ン200mg/m2及びイエローカプラーとして下記構造の[Y
−1]をハロゲン化銀1モル当り2.1×10-1モル含み、
銀量300mg/m2になるように塗布されている。
第2層: ジブチルフタレートに溶解して分散されたジ−t−オ
クチルハイドロキノン310mg/m2、紫外線吸収剤として2
−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロル−ベンゾトリアゾール及び2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−5−クロル−ベンゾトリアゾールの混合物(1:1:
1:1)200mg/m2を含有するゼラチン層でゼラチン2000mg/
m2になるように塗布されている。
第3層: 臭化銀0.5モル%を含む塩臭化銀乳剤からなる緑感性
ハロゲン化銀乳剤層で該乳剤はハロゲン化銀1モル当り
ゼラチン460gを含み、ハロゲン化銀1モル当り下記構造
の増感色素[I]2.5×10-4モルを用いて増感され、ジ
ブチルフタレートとトリクレジルホスフェート2:1より
なる溶剤に溶解した2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノ
ン及びマゼンタカプラーとして下記構造の[M−1]を
ハロゲン化銀1モル当り1.5×10-1モル含有し、銀量240
mg/m2となるように塗布されている。なお、酸化防止剤
として2,2,4−トリメチル−6−ラウリルオキシ−7−
t−オクチルクロマンをカプラー1モル当り0.30モル添
加した。
第4層: ジオクチルフタレートに溶解し分散されたジ−t−オ
クチルハイドロキノン25mg/m2及び紫外線吸収剤として
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ
−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチ
ルフェニル)−5′−クロル−ベンゾトリアゾール及び
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−5−クロル−ベンゾトリアゾールの混合物
(2:1.5:1.5:2)500mg/m2を含有するゼラチン層であ
り、ゼラチン2000mg/m2になるように塗布されている。
第5層: 臭化銀0.4モル%を含む塩臭化銀乳剤からなる赤感性
ハロゲン化銀乳剤層で、該乳剤はハロゲン化銀1モル当
りゼラチン500gを含み、ハロゲン化銀1モル当り下記構
造の増感色素[II]2.5×10-4モルを用いて増感され、
ジブチルフタレートに溶解し分散された2,5−ジ−t−
ブチルハイドロキノン160mg/m2及びシアンカプラーとし
て下記構造の[C−1]をハロゲン化銀1モル当り3.5
×10-1モル含有し、銀量290mg/m2になるように塗布され
ている。
第6層: ゼラチン層であり、ゼラチンを1000mg/m2となるよう
に塗布されている。
各感光性乳剤層(第1、3、5層)に用いたハロゲン
化銀乳剤は特公昭46−7772号公報に記載されている方法
で調製し、それぞれチオ硫酸ナトリウム5水和物を用い
て化学増感し、安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデン(ハロゲン化銀1モル
当り2.5g)、硬膜剤としてビス(ビニルスルホニルメチ
ル)エーテル(ゼラチン1g当り12mg)及び塗布助剤とし
てサポニンを含有せしめた。
実験1 上記感光材料に階段露光を与え下記の処理工程と発色
現像液、漂白定着液と表1の安定化液(タンク液および
補充液)を使用して1時間の連続処理を自動現像機で行
ない、乾燥工程におけるカラーペーパーのジャムトラブ
ルの発生した回数を測定した。結果を表2に示す。
処理液組成 [発色現像タンク液] トリエタノールアミン 10ml 亜硫酸カリウム 0.2g 塩化ナトリウム 1.5g 炭酸カリウム 32.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メ
タンスルホンアミドエチル)−アニリン硫酸塩 5.5g 蛍光増白剤(ジアミノスチルベン系) 1.0g ジエチルヒドロキシルアミン 5.0g ジエチレントリアミンペンタ酢酸 3.0g 臭化カリウム 2mg 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸−ナ
トリウム塩 0.2g 水を加えて全量を1とし、KOHとH2SO4でpH10.15と
する。
[発色現像補充液] 発色現像タンク液の3−メチル−4−アミノ−N−エ
チル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−アニ
リン硫酸塩の量を7.0g/とし、臭化カリウムをゼロと
し、pH値を10.60とする。
[漂白定着タンク液及び補充液] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水
塩 60g エチレンジアミンテトラ酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 140ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH5.8に調整すると共に
水を加えて全量を1とする。
表2より明らかなように1槽安定化処理で迅速化を行
うとジャムトラブルの起こる回数が多くなり問題である
のに対し、本発明の安定液による処理方法ではジャムト
ラブルが改良され、本発明が極めて有効であることが判
かる。
実験2 実験1の安定化液No.2と安定化液No.7についてpH3.5
〜11.5と変化させ実験1と同じ実験を行った。
結果を表3に示した。
表3より明らかなように本発明の安定化液は特にpH4.
5〜8.5の範囲が好ましいことが判かる。
実験3 実験1の安定化液を下記表4に変えて、実験1と同じ
実験を行った。
結果を表5に示す。
表5から明らかなように、本発明では安定化液に金属
塩と併用してキレート剤を添加することが好ましい。
安定化液No.17のキレート剤に代えて、例示キレート
剤No.(4)、(8)、(13)、(21)、(27)、(3
9)を用いたところ、同様の結果が得られた。
また、安定化液No.17の金属塩ZnCl2に代えてCaCl2、N
gSO4、BaCl2、AlCl3、NiSO4、Sn(SO4をそれぞれ0.
02mol/用いたところ、同様の結果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 酒井 進 審判官 江藤 保子 審判官 鐘尾 みや子 (56)参考文献 特開 昭63−85628(JP,A) 特開 昭62−3251(JP,A) 特開 昭60−239751(JP,A) 特開 昭61−28942(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀カラー写真感光材料を発色現
    像工程、漂白定着工程、引き続いて安定化処理工程で処
    理するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法にお
    いて、前記感光材料のハロゲン化銀乳剤層に用いられる
    ハロゲン化銀粒子が塩化銀を少なくとも95モル%含み、
    前記安定化処理工程が1槽であって、かつ30秒以下2秒
    以上であり、該安定化処理工程に用いられる処理液がC
    a,Mg,Ba,Al,Zn,Ni,Bi,Sn,Zrから選ばれる少なくとも1
    種の金属塩を1リットル当り1×10-3〜3×10-1モル含
    有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料の処理方法。
  2. 【請求項2】安定化処理工程に用いられる処理液がpH4.
    5〜8.5であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン
    化銀カラー写真感光材料の処理方法。
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