JP2816612B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JP2816612B2 JP3206213A JP20621391A JP2816612B2 JP 2816612 B2 JP2816612 B2 JP 2816612B2 JP 3206213 A JP3206213 A JP 3206213A JP 20621391 A JP20621391 A JP 20621391A JP 2816612 B2 JP2816612 B2 JP 2816612B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピラゾロアゾール系カプ
ラーもしくは5−ピラゾロン系ポリマーカプラーを用い
たハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理後の色画像保
存性を改良する処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以
下、単に感光材料)ということありは、一般に支持体上
に、青感色、緑感色及び赤感色のハロゲン化銀乳剤を持
ち、各乳剤層には、三種のカプラーがそれぞれの層の感
ずる色と補色の関係に発色させる、いわゆる減色法によ
り、色像を再現する。
【0003】一般にハロゲン化銀カラー写真感光材料の
色像形成処理の基本工程は、発色現像工程と脱銀工程で
ある。発色現像工程では発色現像主薬により露光された
ハロゲン化銀が還元されて銀を生ずるとともに、酸化さ
れた発色現像主薬は発色剤(カプラー)と反応して色素
画像を与える。次の脱銀工程においては、漂白剤と通称
される酸化剤の作用により、発色現像工程で生じた銀が
酸化され、しかるのち、定着剤と通称される銀イオンの
錯イオン形成剤によって溶解される。この脱銀工程を経
ることによって、カラー感光材料には色素画像のみがで
きあがる。通常は、これらの工程の後、水洗処理が行わ
れ、不要の処理液成分が除去される。カラーペーパーや
反転カラーペーパーの場合には、以上で処理が終了し乾
燥工程へと進むのが一般的であるが、カラーネガフィル
ムやカラー反転フィルムの処理においては、この他に安
定化工程が必要である。しかしながら、このようにして
得られた色素画像は、光や湿熱に対して必ずしも安定な
ものではない。
【0004】撮影材料では、マゼンタカプラーとして5
−ピラゾロン系カプラーが主流であり、その4当量5−
ピラゾロン系カプラーに対して安定液にホルマリンを含
有させ、処理後の感光材料中の残存カプラーに起因する
マゼンタ色素の暗熱保存時の褪色を防止している。しか
しながら、同じ5−ピラゾロン系カプラーにあってもポ
リマーカプラーに対してはその暗熱保存時の退色防止効
果は低減してしまうばかりか、光に対する堅牢性につい
ては効果がなかった。
【0005】また、マゼンタカプラーとして色再現性の
優れたピラゾロアゾール系カプラーの開発が急速に行わ
れている。例えば、米国特許第3,725,067号、
同第4,562,146号、同第4,607,002
号、同第4,675,280号、同第4,840,88
6号それに米国特許第4,621,046号、同第4,
659,652号、特開昭61−65243号、同61
−65245号、同61−65246号、同61−65
247号、同64−554号、同64−555号、同6
4−556号に記載されているピラゾロトリアゾール系
カプラー、特開昭60−33552号、同64−553
号に記載のピラゾロテトラゾール系カプラー、特開昭6
0−43659号、同64−555号に記載のピラゾロ
ピラゾール系カプラー等々を挙げることができる。
【0006】これらのカプラーは導入する置換基によっ
て、マゼンタからシアン領域に至る発色々像を与え、こ
れらの吸収スペクトルは、前述の5−ピラゾロン系カプ
ラーから得られる発色々像の吸収スペクトルにみられる
短波長側の第2吸収のピークがなく、しかも、青色光領
域の短波長側の吸光度が小さいという1つの大きな特長
を有している。したがって、色再現性において優れたカ
プラーであると言うことができる。
【0007】しかしながら、このピラゾロアゾール系カ
プラーにおいても処理して得られる光に対する色画像の
保存性、特にステインに関しては必ずしも満足されるも
のではない。ピラゾロアゾール系カプラーの色画像保存
性の改良に関しては数多くの提案がなされている。例え
ば、特開昭60−97353号、同60−262159
号、同62−92945号、特開平2−217845
号、米国特許第4,623,617号、同第4,67
5,275号、同第4,639,415号等に記載の化
合物を使用することができ、ステインの防止に関しても
例えば、特開昭62−143048号、同62−229
145号、同62−283338号等に記載の化合物を
使用することができる。これらの化合物の使用は確かに
退色防止やステイン防止に効果が認められるがこれら化
合物の感光材料への導入は感光材料の膜厚を増大し、鮮
鋭度を低下したりあるいは処理中に感光材料に取り込ま
れた処理用添加剤の洗い出しに時間を要したりして必ず
しも好ましい解決方法とは云い難い。
【0008】また、先に述べた5−ピラゾロン系カプラ
ーに対し有効であったホルマリンを含む処理液の使用
は、このピラゾロアゾール系カプラーには暗熱保存に対
しても光に対する堅牢性にも殆んど無効であった。
【0009】このように、5−ピラゾロン系カプラーが
マゼンタカプラーの主流をなしている現在の撮影材料で
は、上述の5−ピラゾロン系ポリマーカプラー及びピラ
ゾロアゾール系カプラーから得られる光に対する色画像
の退色防止効果をも有するホルマリンにかわる化合物の
開発が急務となった。
【0010】また、ホルマリンを使用する安定浴を使用
は、安定浴の調製の際や安定液の付着した感光材料の乾
燥の際にホルムアルデヒドの蒸気が発生するという問題
があり、日本産業衛生学会は人体に有害であるホルムア
ルデヒドの作業環境許容濃度として0.5ppmを勧告
している。このため、作業環境改善の観点から安定浴中
のホルマリン濃度の低減やホルマリン代替物への転換の
努力がなされて来ている。
【0011】ホルマリン代替物としては、例えば特開昭
63−244036号公報には、ヘキサメチレンテトラ
ミン系化合物が記載されている。この化合物を用いれ
ば、確かにホルムアルデヒド濃度、即ちホルマリン蒸気
圧は減少するが、本来の目的であるマゼンタ色素の暗熱
保存時の褪色防止能が不十分で室温でも数週間で顕著な
褪色が発生する。
【0012】また、特定の構造を有したN−メチロール
化合物も数多く提案されている。例えば、米国特許第
2,487,569号、同第2,629,660号のメ
ラミン化合物のN−メチロール化合物、米国特許第2,
579,435号の尿素、2−オキサプロピレン尿素の
N−メチロール化合物、米国特許第2,487,446
号、特公昭45−8506号のチオ尿素化合物のN−メ
チロール化合物、米国特許第2,579,436号、英
国特許第684,540号のヒダントイン化合物のN−
メチロール化合物、英国特許第908,136号のシア
ンジアミド化合物のN−メチロール化合物、米国特許第
3,801,322号特開昭61−35447号のグア
ニジン化合物のN−メチロール化合物、英国特許第1,
392,134号のモルホリン、ビウレット化合物のN
−メチロール化合物、特開平2−153348号のピロ
ール、ピロリジン、メチルアミン、グリシン、エチルカ
ルバメイトのN−メチロール化合物等が知られている。
またこれらの化合物の使用法に関しても、米国特許第
4,786,583号、同第4,859,574号、同
第4,921,779号、欧州公開特許第345,17
2号、同第395,442号等で提案されている。
【0013】しかしながら、これらの化合物はホルマリ
ンと比較してホルマリン蒸気圧が低減されるものは暗熱
保存時の画像保存性が悪く、逆に暗熱保存時の画像保存
性の改良されたものはホルマリン並みのホルマリン蒸気
圧であり、画像保存性の改良効果とホルマリン蒸気圧の
低減とを同時に満足させるものではなく、まして光に対
する色像堅牢性については効果が見い出されなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ピラ
ゾロアゾール系マゼンタカプラーもしくは5−ピラゾロ
ン系ポリマーカプラーから得られる色画像のステイン及
び光退色にかかわる色像の保存性の改良が満足できるも
のであって、しかもホルマリンに替り、ホルマリン蒸気
圧が低い色像保存性改良に有効なホルマリン代替物の開
発が強く要望されている。従って、本発明の目的の第1
は処理後の感光材料のステイン及び色像保存性を改良す
る処理方法を提供することにある。本発明の目的の第2
は人体に有害なホルムアルデヒドの放出を低減し、作業
環境の安全性を高めた処理方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に記し
た公知のN−メチロール型化合物も含め種々検討した結
果、以下に示す処理方法でもって達成できることがわか
った。即ち、下記一般式〔M〕で表わされるカプラー及
び/または一般式(PA)で表わされる単量体から形成
される構成単位を有するポリマーカプラーを含有するハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を、下記一般式(A)及
び/または一般式(X)で表わされる化合物で表わされ
る化合物を含有する処理液で処理することを特徴とする
ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。 一般式(A)
【0016】
【化7】
【0017】(式中、Xは4〜8員環を形成するのに必
要な非金属原子群である。但し、それぞれの窒素原子と
結合する原子は炭素原子、酸素原子または硫黄原子から
選択された原子である。) 一般式(X)
【0018】
【化8】
【0019】(上記一般式(X)において、X単環
含窒素ヘテロ芳香環を形成するのに必要な非金属原子
群を表わす。RaおよびRbは同一でも異なってもよ
く、それぞれアルキル基またはアルケニル基を表わす。
RaとRbは互いに結合して4〜8員環を形成してもよ
い。)
【0020】一般式〔M〕
【0021】
【化9】
【0022】(式中、R1 は水素原子または置換基を表
わす。Zは窒素原子を2〜3個含む5員のアゾール環を
形成するのに必要な非金属原子群を表わし、該アゾール
環は置換基(縮合環を含む)を有してもよい。Yは水素
原子または芳香族第1級アミン発色現像主薬の酸化体と
のカップリング反応時に離脱可能な基を表わす。) 一般式(PA)
【0023】
【化10】
【0024】(式中、R121 は水素原子、炭素数1〜4
個のアルキル基または塩素を表わし、−D−は−COO
−、−CON(R122 )−、または置換もしくは無置換
のフェニル基を表わし、−E−は置換もしくは無置換の
アルキレン基、フェニレン基またはアラルキレン基を示
し、−F−は−CON(R122 )−、−N(R122 )C
ON(R122 )−、−N(R122 )COO−、−N(R
122)CO−、−OCON(R122 )−、−N
(R122 )−、−COO−、−OCO−、−CO−、−
O−、−S−、−SO2 −、−N(R122 )SO2 −、
または−SO2N(R122 )−を表わす。R122 は水素
原子または置換または無置換の脂肪族基またはアリール
基を表わす。R122 は同一分子中に2個以上あるとき
は、同じでも異なっていてもよい。Tは5−ピラゾロン
マゼンタカプラー残基を表わす。p、q、rは0または
1を表わす。ただし、p、q、rが同時に0である事は
ない。)
【0025】以下、本発明について詳しく説明する。ま
ず初めに、本発明の前記一般式(A)で表わされる化合
物(以下、本発明のN−メチロール化合物という)につ
いて説明する。本発明のN−メチロール化合物は、水溶
性の化合物であり、炭素原子数の総和が12以下である
ものが好ましく、より好ましくは10以下であり、更に
好ましくは6以下である。Xによって−N(CH2
H)−N−とともに形成される4〜8員環は5〜6員環
が好ましく、5員環がより好ましい。中でもピラゾール
環、1,2,4−トリアゾール環、ウラゾール環が好ま
しい。このようにXによって−N(CH2 OH)−N−
とともに形成される4〜8員環は飽和であっても不飽和
であってもよいが、不飽和環が好ましく、中でもピラゾ
ール環及び1,2,4−トリアゾール環が特に好まし
い。
【0026】−N(CH2 OH)−N−とともにXによ
って形成された環上の炭素原子及び窒素原子は無置換で
あっても置換されていてもよい。これらの置換基として
はアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、ブチル、シクロプロピル、ヒドロキシメチル、メト
キシメチル)、アルケニル基(例えば、アリル)、アリ
ール基(例えば、フェニル、4−tert−ブチルフェ
ニル)、ヘテロ環基(例えば、5−ピラゾール、4−ピ
ラゾール)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、弗
素)、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル
基、ホスホ基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイ
ル、プロパノイル)、スルホニル基(例えば、メタンス
ルホニル、オクタンスルホニル、トルエンスルホニ
ル)、スルフィニル基(例えば、ドデカンスルフィニ
ル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アルコ
キシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブト
キシカルボニル)、カルバモイル基(例えば、カルバモ
イル、N−エチルカルバモイル)、スルファモイル基
(例えば、スルファモイル、N−エチルスルファモイ
ル)、アミノ基(例えば、アミノ、ジエチルアミノ、ア
セチルアミノ、メタンスルホンアミノ、メチルウレイ
ド、N−メチルスルファモイルアミノ、メトキシカルボ
ニルアミノ)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エト
キシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチ
ルチオ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、
アリールチオ基(例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環オ
キシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ)、ヘテロ環チオ基((例えば、ベンゾチアゾリルチ
オ)などが挙げられる。また少なくとも2個以上の置換
基を有する場合、それらのうちの互いにオルト位にある
置換基が結合して5〜7員環の芳香環、脂環またはヘテ
ロ環で縮環してもよく、スピロ環となってもよい。この
うち、ベンゼン環が縮環した化合物は溶解性が低下しす
るため、ベンゼン環が縮環しない化合物が好ましい。本
発明の一般式(A)で表される化合物は水に溶かすと以
下の反応が起こり、平衡に達する。
【0027】
【数1】
【0028】平衡定数とは上記反応におけるKをいう。
また、ホルムアルデヒドの放出速度定数とは上記反応に
おけるKrをいう。なお、本発明で水中とは通常の水以
外に重水をも含む。これらの値の測定法としては、平衡
定数Kは、本発明のN−メチロール化合物を溶解した重
水溶液またはアミン化合物と等モルのホルムアルデヒド
(37%ホルマリン水溶液)が共存した重水溶液を核磁
気共鳴吸収法(NMR)で測定し、NMRのピーク変化
が無くなった時点で溶液中に生じた成分をプロトン比か
ら算出して求めることができる。
【0029】また、ホルムアルデヒドの放出速度定数K
rは、室温下で、ホルムアルデヒドとアミン化合物を水
または重水中に添加し、この反応で生じるN−メチロー
ル化合物、ホルムアルデヒド及びアミン化合物の量を平
衡に達するまで追跡することによってN−メチロール化
合物の生成速度定数Kfを求め、このようにして得たN
−メチロール化合物の生成速度定数Kfと先の平衡定数
Kとの積によって求めることができる。これらの化学種
の検出手段としては、核磁気共鳴吸収法、紫外または可
視分光法、高速液体クロマトグラフィー法、比色定量法
があり、反応速度の程度によって、これらの検出手段を
選択すればよい。
【0030】平衡定数Kは、2×10-2モル/リットル
以下が好ましく、1×10-2モル/リットル以下がより
好ましい。ホルムアルデヒドの放出速度定数Krは、1
×10-5 sec-1以上が好ましく、1×10-4 sec-1以上
である化合物がより好ましく、1×10-3 sec-1以上で
ある化合物が更に好ましく、1×10-2 sec-1以上であ
る化合物が最も好ましい。
【0031】本発明において、放出されて生じるアミン
化合物の室温下での水中のpKaが8以下の化合物が好
ましく、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下
である。一方、下限としては0.01以上であり、好ま
しくは0.1以上、更に好ましくは0.5以上、最も好
ましくは1以上である。一般式(A)で表される化合物
のうち、下記一般式(A−I)で表されるものが、更に
好ましい。 一般式(A−I)
【0032】
【化11】
【0033】式中、Xaは=C(R62)−または=N−
を表す。R61、R62及びR63は同一でも異なってもよ
く、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、ア
リール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シア
ノ基、スルホ基、カルボキシル基、ホスホ基、アシル
基、スルホニル基、スルフィニル基、アシルオキシ基、
アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、アミノ基又は−YRcを表わす。ここで−Y
は、−O−又は、−S−を表し、Rcは、アルキル基、
アルケニル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。こ
れらの基は更に置換されていてもよい。またR61とR62
又はR62とR63が互いに結合して5〜7員環を形成して
もよい。
【0034】更に詳しくはR61、R62及びR63はそれぞ
れ、水素原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、
n−プロピル、ブチル、シクロプロピル、ヒドロキシメ
チル、メトキシメチル)、アルケニル基(例えば、アリ
ル)、アリール基(例えば、フェニル、4−tert−
ブチルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、5−ピラゾー
ル、4−ピラゾール)、ハロゲン原子(例えば、塩素、
臭素、弗素)、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、カルボ
キシル基、ホスホ基、アシル基(例えば、アセチル、ベ
ンゾイル、プロパノイル)、スルホニル基(例えば、メ
タンスルホニル、オクタンスルホニル、トルエンスルホ
ニル)、スルフィニル基(例えば、ドデカンスルフィニ
ル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アルコ
キシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブト
キシカルボニル)、カルバモイル基(例えば、カルバモ
イル、N−エチルカルバモイル)、スルファモイル基
(例えば、スルファモイル、N−エチルスルファモイ
ル)、アミノ基(例えば、アミノ、ジエチルアミノ、ア
セチルアミノ、メタンスルホンアミノ、メチルウレイ
ド、N−メチルスルファモイルアミノ、メトキシカルボ
ニルアミノ)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エト
キシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチ
ルチオ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、
アリールチオ基(例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環オ
キシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ)、ヘテロ環チオ基((例えば、ベンゾチアゾリルチ
オ)を表わす。R61、R62及びR63は色画像のステイン
及び退色防止の観点から、水素原子又は炭素数1〜3の
無置換のアルキル基が好ましく、更に好ましくは、
61、R62及びR63の中で多くとも1つがメチル基で、
他は水素原子の化合物であり、特に好ましくは、全てが
水素原子の化合物である。以下に、一般式(A)で表さ
れる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】本発明の一般式(A)で表わされる化合物
は、メチロール基のついていないアミン化合物とホルム
アルデヒド又はパラホルムアルデヒドとを反応させるこ
とによって、容易に合成できる。それらアミン化合物及
び本発明のN−メチロール化合物の合成方法としては、
例えば、欧州公開特許第60,222号や Khim.Getero
tsikl.Soedin.,(2),251('80)[Cemical Abstracts,93:46
530W] 、米国特許第2,883,392号やChem.ber.,
85,820 ('52),J.Org.Chem.,15,1285('50) 、The Chemis
try ofHeterocyclic Compoundsの第22巻であるR.H.Wi
ley "Pyrazoles,Pyrazolines, Pyrazolidines,Indazole
s and Condensed Ring" ,INTERSCIENCEPUBLISHERS('67)
に記載の方法又はそれに準じた方法によって合成する
ことができる。
【0040】以下にその合成例を示す。 合成例1 化合物(A−1)の合成 攪拌器、温度計、冷却管の付いた500ml三口フラスコ
に、ピラゾール(68.1g)、水酸化ナトリウム
(0.14g)、メタノール(80ml)を入れ、50℃
までに加温したあと、90%パラホルムアルデヒド(3
3g)を少量ずつ加え、同温度で1時間攪拌した。反応
終了後、ロ過を行い、ロ液を40℃以下で減圧濃縮し
た。得られた濃縮物を酢酸エチル(300ml)で晶析し
た。無色の結晶として化合物(A−1)を得た。(収量
72g,融点;79〜84℃)化学構造は、元素分
析、各種スペクトルで確認した。この化合物の平衡定数
Kは、5.6×10-3モル/リットルであった。なお、
この平衡定数の測定は、この化合物の25ミリモル/リ
ットルの重水溶液を核磁気共鳴吸収法(NMR)で測定
し、NMRのピーク変化が無くなった時点で溶液中に生
じた成分をプロトン比から算出して求めた。また、この
化合物のホルムアルデヒドの放出速度定数krは、8.
7×10-2sec-1であった。なお、このホルムアルデヒ
ドの放出速度定数krの測定は、室温下でホルムアルデ
ヒドとピラゾールを水に添加し、この反応で生じるこの
化合物、ホルムアルデヒド及びピラゾールの量を平衡に
達するまで経時で追跡することでまずこの化合物の生成
速度定数kfを求めた。このようにして求めたこの化合
物の生成速度定数kfと上述の平衡定数Kとの積によっ
て、算出した。この化学種の検出手段としては、紫外分
光法にて行なった。またこの化合物から放出されて生じ
るピラゾールの室温下での水中のpKaは2.5であっ
た。
【0041】合成例2 化合物(A−5)の合成 攪拌器、温度計、冷却管の付いた300ml三口フラスコ
に、3,5−ジメチルピラゾール(48.1g)、水酸
化ナトリウム(0.07g)、メタノール(50ml)を
入れ、50℃までに加温したあと、90%パラホルムア
ルデヒド(16.5g)を少量ずつ加え、同温度で1時
間攪拌した。反応終了後、ロ過を行い、ロ液を40℃以
下で減圧濃縮した。得られた濃縮物を酢酸エチル(15
0ml)で晶析した。無色の結晶として化合物(A−5)
を得た。(収量28g,融点;108〜111℃)化学
構造は、元素分析、各種スペクトルで確認した。なお、
この化合物の平衡定数Kは、3.3×10-3モル/リッ
トルであった。またこの化合物から放出されて生じる
3,5−ジメチルピラゾールの室温下での水中のpKa
は4.1であった。
【0042】本発明のN−メチロール化合物は、上述の
合成法等により単離して得た化合物を使用してもよく、
また、単離することなく、ホルムアルデヒドとメチロー
ル基のついていないアミン化合物を等モル量添加するこ
とによって得た本発明のN−メチロール化合物を含む水
溶液をそのまま使用してもよい。更には、同様にホルム
アルデヒドとメチロール基のついていないアミン化合物
を直接、同一の処理浴中に添加して、この処理浴中で得
られたN−メチロール化合物を使用してもよい。
【0043】本発明の一般式(A)で表される化合物の
含有量は、処理液1リットル当たり1×10-3モル〜5
モルが適当であり、5×10-3モル〜3モルであること
が好ましく、特に1×10-2モル〜1×10-1モルであ
ることが好ましい。
【0044】本発明の処理液において、一般式(A)に
おいてメチロール基の置換していないアミン化合物を過
剰に含有することがホルマリン蒸気圧を低くすることが
でき好ましい。これらはN−メチロール化合物に対し
て、10倍モル以下で含有させることが好ましく、0.
2〜5倍が更に好ましい。
【0045】次に一般式(X)で表される化合物につい
て述べる。一般式(X)においてX0 は含窒素ヘテロ芳
香環を形成するのに必要な非金属原子群を表わし、この
結果得られる含窒素ヘテロ芳香環としては、例えば、ピ
ロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾー
ル環、テトラゾール環、これらの環にベンゼンが縮環し
た環(例えば、インダゾール環、インドール環イソイン
ドール環、ベンツイミダゾール環、ベンツトリアゾール
環)、ヘテロ環が縮環した環(例えば、プリン環)、脂
環が縮環した環(例えば、4,5,6,7−テトラヒド
ロインダゾール環)などが挙げられる。これらの含窒素
ヘテロ芳香環は置換基を有してもよく、これらの置換基
としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、ブチル、シクロプロピル、ヒドロキ
シメチル、メトキシメチル)、アルケニル基(例えば、
アリル)、アリール基(例えば、フェニル、4−ter
t−ブチルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、5−ピラ
ゾール、4−ピラゾール)、ハロゲン原子(例えば、塩
素、臭素、弗素)、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、カ
ルボキシル基、ホスホ基、アシル基(例えば、アセチ
ル、ベンゾイル、プロパノイル)又はスルホニル基(例
えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼ
ンスルホニル、トルエンスルホニル)、スルフィニル基
(例えば、ドデカンスルフィニル)、アシルオキシ(例
えば、アセトキシ)、アルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル)、カル
バモイル基(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバ
モイル)、スルファモイル基(例えば、スルファモイ
ル、N−エチルスルファモイル)、アミノ基、アルキル
アミノ基(例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ)、
アシルアミノ基(例えば、アセチルアミド、ベンゾイル
アミド)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホン
アミド)、イミド基(例えば、スクシンイミド)、ウレ
イド基(例えば、メチルウレイド)、スルファモイルア
ミノ基(例えば、N−メチルスルファモイルアミノ)、
ウレタン基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、ア
ルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、アルキル
チオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ)、アリー
ルオキシ基(例えば、フェノキシ)、アリールチオ基
(例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(例えば、
ベンゾチアゾリルチオ)、ヘテロ環オキシ基(1−フェ
ニルテトラゾール−5−オキシ)が挙げられる。
【0046】RaおよびRbは同一でも異なってもよ
く、それぞれアルキル基(例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、ブチル、シクロプロピル、ヒドロキシエチ
ル、メトキシエチル)およびアルケニル基(例えば、ア
リル)を表わす。これらの基は置換基で置換されていて
もよく、例えば上記Xによって形成された環に置換して
もよい基として列記した置換基や、更にヒドロキシル
基、トリアルキルシリル基などが挙げられる。RaとR
bは互いに結合して4〜8員環を形成してもよい。Ra
とRbが互いに結合して4〜8員環を形成する場合に
は、RaおよびRbのアルキル基、アルケニル基が直接
結合してもよいし、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を
介して結合してもよい。代表例としては、ピロリジン
環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、ピロ
リン環、ピロール環、イミダゾール環、イミダゾリン
環、イミダゾリジン環、1、4−オキサジン環、1、4
−チアジン環、アゼチジン環などが挙げられる。これら
の環も上記Raの基が置換してもよい基として列記した
置換基で置換していてもよい。
【0047】一般式(X)で表される化合物のうち、X
0 によって形成される含窒素ヘテロ芳香環は非縮合の単
環が好ましく、更に好ましくはピラゾール環、トリアゾ
ール環である。トリアゾール環である場合は1,2,4
−トリアゾール環である場合が好ましい。これらの含窒
素ヘテロ芳香環は無置換のもの、またはアルキル基、ア
ルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン
原子、アミド基から選択された基で置換されたものが好
ましい。特に好ましくは、無置換のものである。一方、
RaおよびRbは−N(Ra)(Rb)に対応する下記
一般式(Y)で示される二級アミンのうち酸解離定数p
Ka(室温(約25℃)下、水中での値)が8以上にな
るような二級アミンでのRa及びRbであることが好ま
しい。 一般式(Y)
【0048】
【化14】
【0049】以下に、一般式(Y)で表される化合物の
具体例及びそのpKaを示すが、これらに限定されるも
のではない。
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】
【0054】RaおよびRbの内、より好ましいものは
RaとRbが互いに結合して5〜6員環を形成した場合
であり、更に好ましいものは5〜6員の飽和環を形成し
た場合であり、この形成された環がピロリジン環、ピペ
リジン環、モルホリン環、ピペラジン環である場合は特
に好ましく、ピペラジン環を形成する場合が最も好まし
い。一般式(X)で表される化合物のうち、本発明の効
果の点で優れたものは下記一般式(X−I)で表すこと
ができる。 一般式(X−I)
【0055】
【化19】
【0056】上記一般式(X−I)において、X0 は一
般式(X)で定義したX0 を表し、X0 ’はX0 と同じ
意味を表す。一般式(X)で表される化合物は、水溶性
であることが好ましく、総炭素数では30以下であるこ
とが好ましく、更に好ましくは20以下、特に好ましく
は16以下である。以下に、本発明の一般式(X)で表
される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0057】
【化20】
【0058】
【化21】
【0059】
【化22】
【0060】
【化23】
【0061】
【化24】
【0062】
【化25】
【0063】
【化26】
【0064】
【化27】
【0065】
【化28】
【0066】
【化29】
【0067】
【化30】
【0068】本発明の一般式(X)で表される化合物
は、J. Org. Chem.,vol.35,P883(1970年)、Chem. Be
r.,vol.85,P820(1952 年)、米国特許第4,599,427 号等
に記載の方法、またはそれに準じた方法で合成すること
ができる。また、一般式(X)で表される化合物は、一
般式(Y)で表される化合物、後述の一般式(Z)で表
される化合物及びホルムアルデヒド(あるいはホルムア
ルデヒドを放出する化合物)を溶液中で混合するだけで
容易に生成する。
【0069】一般式(X)で表される化合物の含有量
は、処理液1リットル当り1.0×10-4〜0.5モル
が好ましく、更に好ましくは0.001〜0.1モルで
あり、より好ましくは0.001〜0.03モルであ
る。
【0070】本発明において、一般式(X)で表される
化合物と共に下記一般式(Z)で表される化合物を用い
ることが好ましい。この場合、ホルムアルデヒドの蒸気
圧を更に低減することができ、また、本発明の効果もよ
り顕著になる。 一般式(Z)
【0071】
【化31】
【0072】一般式(Z)において、X1 は含窒素ヘテ
ロ芳香環を形成するのに必要な非金属原子群を表わし、
この結果得られる含窒素ヘテロ芳香環としては、上述し
たX0 で形成される含窒素ヘテロ芳香環として列記した
ものが挙げられる。これらの含窒素ヘテロ芳香環も置換
基を有してもよく、これらの置換基としても、X0 で形
成される含窒素ヘテロ芳香環が有してもよい置換基とし
て列記したものが挙げられる。
【0073】一般式(Z)で表される化合物のうち、炭
素数の総和が20以下のものが好ましく、より好ましく
は15以下、更に好ましくは10以下である。また、X
1 によって形成される含窒素ヘテロ芳香環は非縮合の単
環が好ましく、更に好ましくはピラゾール環、トリアゾ
ール環である。トリアゾール環である場合は1,2,4
−トリアゾール環である場合が好ましい。これらの環は
無置換のもの、またはアルキル基、アルケニル基、アル
コキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミド基か
ら選択された基が置換されたものが好ましい。特に好ま
しくは、無置換のものである。以下に、本発明の一般式
(Z)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0074】
【化32】
【0075】
【化33】
【0076】
【化34】
【0077】
【化35】
【0078】
【化36】
【0079】これらの化合物は市販されており、容易に
入手することができる。
【0080】一般式(Z)で表される化合物の含有量
は、一般式(X)で表される化合物1モルに対し、0.
01〜100モルが好ましく、より好ましくは0.1〜
20モル、最も好ましくは1〜10モルである。本発明
の一般式(X)で表される化合物は水溶液中では部分的
に加水分解を生じることがある。本発明の処理液中にお
いてはこれらの加水分解物や更にはこれらの縮合体等を
含有しても構わない。
【0081】また、一般式(Y)の化合物が1分子あた
り2つの二級アミンを有する場合、すなわち2当量の場
合には、1当量の場合に比べ一般式(Y)の化合物は、
半分のモル数でよく、例えば、Y−22を用いた場合に
は、ホルムアルデヒド、Y−22、Z−4がそれぞれ2
モル、1モル、2モルで反応しX−35が1モルの割合
で生成する。従って、本発明の態様にするには、少なく
ともホルムアルデヒドに対して一般式(Z)で表される
化合物を過剰に(1.01〜100倍モル)添加すれば
よい。また、一般式(Y)で表される化合物は、好まし
くはホルムアルデヒドに対して1/2モル以上添加する
ことが好ましく、従って一般式(Z)で表される化合物
は、一般式(Y)で表される化合物に対して2.02〜
200倍モル添加すればよい。
【0082】本発明の一般式(A)及び/または一般式
(X)で表される化合物(以下、総称して本発明の化合
物ということあり)は、浴中で2種以上を併用して用い
てもよい。本発明の化合物を含有する処理液とは、本発
明の化合物を含有させることで、発色現像により形成さ
れた色素画像を安定化させる効果(特に、マゼンタ色素
の経時による褪色を防止する効果)を有する処理液であ
る。好ましくは発色現像後の処理液であり、具体的に
は、安定液、調整液、漂白液、漂白定着液及び停止液で
あり、より好ましくは安定液、調整液及び漂白液であ
る。特に好ましくは安定液である。
【0083】上述の安定液とは、従来カラーネガフィル
ムやカラー反転フィルムの最終処理工程に用いられてい
る安定液であり、最終工程が水洗工程やリンス工程の場
合のその前浴の安定化工程に用いられている安定液も包
含するものであるが、最終工程で使用するのが好まし
い。従来、最終処理工程で用いられていた安定液や安定
補充液は、ホルマリンを含有する処理液であり、このホ
ルマリンにより画像安定化効果を発する処理液である
が、本発明は、ホルマリンに替えて本発明の化合物を用
いることにより、ホルマリン蒸気圧を低く抑え、かつ画
像安定化を行うことができたもので、本発明の処理液に
は実質的にホルマリンは含有しないものである。ここ
で、実質的にホルマリンを含有しないとは、本発明の効
果を奏する範囲においてなら含有してもよい意味であ
る。具体的にはホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド
の水和物の合計が0.005モル/リットル以下の場合
を指す。ホルマリン蒸気圧を下げるために、上記ホルム
アルデヒド及びホルムアルデヒドの水和物の合計が低い
程好ましく、0.003モル/リットル以下が特に好ま
しい。尚、上述した本発明の一般式(A)のN−メチロ
ール化合物の使用法により、ホルムアルデヒドとメチロ
ール基のついていないアミン化合物を直接、同一の処理
浴中に添加して使用する場合でも、上述した平衡反応に
より、本発明の処理液にはホルマリンは実質的に含有し
ない範囲となる。
【0084】本発明の処理液は連続処理においては本発
明の化合物を含有する補充液で補充されることが好まし
い。その補充液は、感光材料の処理や自動現像機内での
経時中の劣化によって減少する化合物の処理液への補給
と、逆に処理によって感光材料から溶出する化合物の濃
度をコントロールすることにより、性能を一定に保つよ
うに調整される。従って、減少する化合物は処理液より
も高濃度に、また後者の化合物は低濃度にする。また、
処理や経時により濃度変化を起こしにくい化合物は、通
常処理液とほぼ同濃度で含有される。
【0085】上述した本発明の化合物を含有する処理液
には、アルカノールアミンを含有させることで、さらに
本発明の色画像の保存性改良効果がより顕著になる。ア
ルカノールアミンとしては、一級、二級あるいは三級ア
ミンの何れを用いても良いが、特に三級アミンが好まし
い。アルカノールアミンの好ましい総炭素数は2から1
0であり、特に4から8が好ましい。アルカノールアミ
ンは、ヒドロキシ基が直接アルキル基に置換されていれ
ば良く、1分子当りのヒドロキシ基の数は、1から3が
好ましく、中でも3が最も好ましい。アルカノールアミ
ンのアルキル基は、直鎖でも分岐していてもよく、また
ヒドロキシ基以外の置換基で置換されていても良い。ア
ルカノールアミンの置換基としては、例えば、ハロゲン
原子、ニトロ基、アミノ基、スルファモイル基、カルバ
モイル基等を挙げることができるが、好ましくは無置換
のアルカノールアミンである。アルカノールアミンの具
体例を挙げると、 モノエタノールアミン ジエタノールアミン トリエタノールアミン N−(3−クロロプロピル)−N,N−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)−アミン N,N,N−トリス(3−ヒドロキシプロピル)アミン ただし、本発明の好ましいアルカノールアミンはこれら
に限定されない。特に好ましいアルカノールアミンとし
ては、トリエタノールアミンである。安定液へのアルカ
ノールアミンの好ましい添加量としては、0.001〜
0.05モル/リットル、特に好ましくは、0.005
〜0.02モル/リットルである。この添加量は補充液
にも適用されるものである。
【0086】本発明における上述の本発明の化合物を含
有する処理液には、更に下記一般式(B)もしくは一般
式(C)で表わされる化合物の少なくとも1種を含有さ
せることによって、より本発明の色画像の保存性改良効
果が一層顕著に発現する。 一般式(B)
【0087】
【化37】
【0088】式中、R41は水素原子、アルキル基または
アルコキシ基、R42、R43およびR44は、各々独立に水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シ
アノ基、またはニトロ基を表わす。R41は水素原子また
は、炭素数1ないし20の直鎖または分岐アルキル基
(たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n
−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル
基、、n−ドデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オク
タデシル基など)を表わし、このアルキル基は、スルホ
基、カルボキシル基、ハロゲン原子(たとえば塩素原
子、臭素原子、フッ素原子)で置換されていてもよい。
42、R43、R44は各々水素原子、ハロゲン原子(たと
えば塩素原子、臭素原子など)炭素数1ないし6の直鎖
または分岐アルキル基(たとえばメチル基、エチル基、
iso−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ア
ミノ基、n−ヘキシル基など)または、炭素数1ないし
6のアルコキシ基(たとえばメトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキ
シ基、iso−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、i
so−ペンチルオキシ基など)を表わす。 一般式(C)
【0089】
【化38】
【0090】式中、R51は水素原子、アルキル基、環状
アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール
基、−CONHR54基(R54は、アルキル基、アリール
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホ
ニル基、またはアリールスルホニル基を表わす。)また
は複素環基を表わし、R52およびR53は、各々独立に水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、環状アルキル基、
アリール基、複素環基、シアノ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、アルキルスルホオキシド基、アルキルス
ルフィニル基または、アルキルスルホニル基を表わす。
【0091】一般式(C)のR51において、アルキル基
およびアルケニル基の炭素原子数は1〜36、より好ま
しくは1〜18である。環状アルキル基の炭素原子数
は、3〜12、より好ましくは3〜6である。これらア
ルキル基は、アルケニル基、環状アルキル基、アラルキ
ル基、アリール基、複素環基は置換基を有していても良
く、その置換基としてはハロゲン原子、ニトロ、シア
ノ、チオシアノ、アリール、アルコキシ、アリールオキ
シ、カルボキシ、スルホキシ、アルキルカルボニル、ア
リールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオ
キシカルボニル、スルホ、アシルオキシ、スルファモイ
ル、カルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、ウ
レイド、チオウレイド、ウレタン、チオウレタン、スル
ホンアミド、複素環基、アリールスルホニルオキシ、ア
ルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アルキ
ルスルホニル、アリールチオ、アルキルチオ、アルキル
スルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルアミ
ノ、ジアルキルアミノ、アニリノ、N−アルキルアニリ
ノ、N−アリールアニリノ、N−アシルアミノ、ヒドロ
キシおよびメルカプト基などから選ばれる。一般式
(C)のR52、R53において、アルキル基の炭素原子数
は1〜18、より好ましくは、1〜9である。又、環状
アルキル基の炭素原子数は3〜12、より好ましくは3
〜6である。これらアルキル基、環状アルキル基および
アリール基は置換基を有しても良く、その置換基として
は、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホン基、アリール
基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0092】一般式(B)または一般式(C)で表わさ
れる化合物は、ハロゲン化銀写真感光材料の親水性コロ
イドの防腐剤として写真感光材料中に添加することが知
られているが、本発明においてはこれらの化合物を本発
明の化合物を含有する処理液に添加することによって色
画像の保存性を改良する。一般式(B)で示される化合
物は、特開昭54−27424、同59−13192
9、同59−142543、リサーチディスクロージャ
ー17146、同22875に記載されている。一般式
(C)で示される化合物は、特開昭58−16634
3、同59−131929、同59−142543、同
59−226343、同59−226344、同59−
228247に記載されている。
【0093】前記一般式(B)で示される化合物の代表
的具体例を以下に示すがこれらに限定されるものではな
い。
【0094】
【化39】
【0095】これらの例示化合物は一般によく知られて
おり、これらの一部は、アイ・シー・アイジャパン
(株)及び大日本インキ化学工業(株)から市販されて
いる。
【0096】次に前記一般式(C)で示される化合物の
代表的具体例を以下に示すがこれらに限定されるもので
はない。
【0097】
【化40】
【0098】
【化41】
【0099】
【化42】
【0100】
【化43】
【0101】
【化44】
【0102】
【化45】
【0103】
【化46】
【0104】
【化47】
【0105】
【化48】
【0106】
【化49】
【0107】
【化50】
【0108】これらの一般式(C)で示される例示化合
物はフランス国特許1555416号等に合成方法が記
載されており、その一部は、ローム・アンド・ハース・
ジャパン社から市販されている。
【0109】本発明の一般式(B)及び一般式(C)で
表わされる化合物は、本発明の化合物を含有する処理液
に添加される。それ故水溶性を有する化合物であること
が望ましい。したがって、これらの化合物は塩を形成し
ていないか水溶性基、例えばカルボン酸基を有していな
い化合物にあっては炭素原子数の総和が12以下、より
好ましくは10以下が望ましい。更に好ましくは8以下
である。本発明において一般式(B)及び一般式(C)
で表わされる例示化合物のなかでもより好ましい化合物
はB−1、C−1、C−40、C−45、C−47及び
C−48を挙げることができる。さらに好ましくはB−
1及びC−45であり、B−1が最も好ましい。一般式
(B)及び一般式(C)で表わされる化合物は単独で使
用してもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
【0110】本発明において、一般式(B)及び一般式
(C)で示される化合物の処理液への添加量は、処理液
1リットル当り500mg以下である。好ましくは1〜2
00mgの範囲であり、特に好ましい範囲は10〜100
mgである。この添加量は補充液も包含するものである。
【0111】以下、本発明の化合物を添加することので
きる処理液及び本発明の化合物を含有する処理液を用い
た処理方法において使用されるその他の処理液について
説明する。なお、安定液以外に本発明の化合物を使用す
る場合には、安定液には本発明の化合物を含有しなくて
もよく、その場合にはその処理液自体はカラー画像の安
定化効果を有しなくので安定液なる呼称は適当でない
が、便宜上以下同一に呼称する。
【0112】まず、本発明の化合物を含有するのに好ま
しい安定液及び調整液について説明する。調整液とは漂
白促進浴と言われることもある処理液である。
【0113】本発明の安定液には、本発明の化合物の他
に色素画像を安定化させる化合物、例えば、ヘキサメチ
レンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン誘導体、ヘ
キサヒドロトリアジン、ヘキサヒドロトリアジン誘導
体、ジメチロール尿素、有機酸やpH緩衝剤を含有して
もよい。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや
亜硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、A
lなどの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤などを用いる
ことができる。
【0114】また、液の安定性を向上させるために、p
−トルエンスルフィン酸ナトリウムや、ベンゼンスルフ
ィン酸ナトリウム等のスルフィン酸化合物を添加するこ
とが好ましい。スルフィン酸化合物の好ましい添加量
は、安定液1リットル当り0.0001モル〜0.01
モルであり、特に好ましくは、0.0005〜0.00
5モルである。
【0115】本発明の安定液には処理後の感光材料の乾
燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤を含
有することが好ましい。これらの界面活性剤としては、
ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤、多価
アルコール型非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼン
スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、高級アルコール
硫酸エステル塩型アニオン性界面活性剤、アルキルナフ
タレンスルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、4級アン
モニウム塩型カチオン性界面活性剤、アミン塩型カチオ
ン性界面活性剤、アミノ塩型両性界面活性剤、ベタイン
型両性界面活性剤があるが、ノニオン性界面活性剤を用
いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエチレンオ
キサイド付加物が好ましい。アルキルフェノールとして
は特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノー
ルが好ましく、またエチレンオキサイドの付加モル数と
しては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高い
シリコン系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0116】また安定液中には、水アカの発生や処理後
の感光材料に発生するカビの防止のために、種々の防バ
クテリア剤、防カビ剤を含有させることができる。これ
らの防バクテリア剤、防カビ剤の例としては特開昭57
−157244号及び同58−105145号に示され
るようなチアゾリルベンゾイミダゾール系化合物、トリ
クロロフェノールに代表されるようなクロロフェノール
系化合物、ブロモフェノール系化合物、有機スズや有機
亜鉛化合物、酸アミド系化合物、ダイアジンやトリアジ
ン系化合物、チオ尿素系化合物、ベンゾトリアゾール系
化合物、アルキルグアニジン化合物、ベンズアルコニウ
ムクロライドに代表されるような4級アンモニウム塩、
ペニシリンに代表されるような抗生物質等、ジャーナル
・アンティバクテリア・アンド・アンティファンガス・
エイジェント(J.Antibact. Antifung.Agents)Vol
1.No. 5,p.207〜223(1983)に記載の
汎用の防バイ剤等が挙げられるこれらは2種以上併用し
てもよい。また、特開昭48−83820号記載の種々
の殺菌剤も用いることができる。
【0117】また安定液中には、各種キレート剤を含有
させることが好ましい。好ましいキレート剤としては、
エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸
などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、
ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’−テトラメ
チレンホスホン酸などの有機ホスホン酸、あるいは、欧
州特許345172A1に記載の無水マレイン酸ポリマ
ーの加水分解物などをあげることができる。
【0118】安定液を用いる安定化工程は、多段向流方
式が好ましく、段数としては2〜4段が好ましい。補充
量としては単位面積当り前浴からの持込量の1〜50
倍、好ましくは2〜30倍、より好ましくは2〜15倍
である。この安定化工程に用いられる水としては、水道
水が使用できるが、イオン交換樹脂などによってCa、
Mgイオン濃度を5mg/リットル以下に脱イオン処理し
た水、ハロゲン、紫外線殺菌灯等より殺菌された水を使
用するのが好ましい。
【0119】本発明においては、脱銀処理した後、水洗
しないですぐに上記安定液を用いた安定化処理すること
が好ましい。この安定化工程のオーバーフロー液は前浴
である定着能を有する浴に流入させる方法を用いること
により、廃液量を低減させることができるので好まし
い。処理においては、本発明の安定液を含め各処理液
(例えば、発色現像液、漂白液、水洗水)の蒸発による
濃縮を補正するために、適当量の水または補正液ないし
処理補充液を補充することが好ましい。
【0120】本発明の安定液は、pHは通常4〜10の
範囲で用いられるが、5〜9.5、特に6〜9が好まし
い。安定液の補充量は処理される感光材料1m2当り20
0〜1500mlが好ましく、300〜1200ml、特に
500〜1000mlが好ましい。安定液の処理温度とし
ては30〜45℃が好ましい。また処理時間は10秒〜
2分が好ましく、特に15〜90秒が好ましい。
【0121】調整浴としては、本発明の化合物以外に
は、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、シクロヘキサ
ンジアミン四酢酸のようなアミノポリカルボン酸キレー
ト剤;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウムのような
亜硫酸塩及びチオグリセリン、アミノエタンチオール、
スルホエタンチオールなど漂白液のところで説明する各
種漂白促進剤を含有させることができる。またスカム防
止の目的で、米国特許4,839,262号に記載のエ
チレンオキシドで置換された脂肪酸のソルビタンエステ
ル類、米国特許4,059,446号及びリサーチ・デ
ィスクロージャー誌191巻、19104(1980)
に記載されたポリオキシエチレン化合物等を含有させる
ことが好ましい。これらの化合物は、調整液1リットル
当たり0.1g〜20gの範囲で使用することができる
が、好ましくは1g〜5gの範囲である。調整浴のpH
は、通常3〜11の範囲で用いられるが、好ましくは4
〜9、更に好ましくは4.5〜7である。調整浴での処
理時間は、30秒〜5分であることが好ましい。また、
調整浴の補充量は、感光材料1m2当たり30ml〜300
0mlが好ましいが、特に50ml〜1500mlであること
が好ましい。調整浴の処理温度は20℃〜50℃が好ま
しいが、特に30℃〜40℃であることが好ましい。
【0122】通常、ハロゲン化銀カラー写真感光材料は
像様露光を施した後、ネガ型及び直接ポジ型の感光材料
は、発色現像を行い、反転ポジ型の感光材料は、黒白現
像、反転処理等を経てから発色現像を行う。本発明に使
用することのできる発色現像液は、芳香族第一級アミン
カラー現像主薬を主成分として含有するアルカリ水溶液
である。好ましいカラー現像主薬はp−フェニレンジア
ミン誘導体であり、代表例は以下に示すがこれらに限定
されるものではない。 D−1 N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン D−2 2−メチル−N,N−ジエチル−p−フェニレ
ンジアミン D−3 4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチ
ル)アミノ]アニリン D−4 2−メチル−4−[N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシエチル)アミノ]アニリン D−6 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
[β−(メタンスルホンアミド)エチル]アニリン D−7 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メ
トキシエチルアニリン D−8 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(4−ヒドロキシブチル)アニリン 上記のp−フェニレンジアミン誘導体のうち特に好まし
くは、D−4及びD−6である。また、これらのp−フ
ェニレンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩などの塩であってもよい。芳
香族第一級アミンカラー現像主薬の使用量は、発色現像
液1リットル当り0.001〜0.1モルの濃度が好ま
しく、より好ましくは0.01〜0.06モルの濃度で
ある。
【0123】また発色現像液には保恒剤として、亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重
亜硫酸カリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸カ
リウム等の亜硫酸塩や、カルボニル亜硫酸付加物を必要
に応じて添加することができる。これらの保恒剤の好ま
しい添加量は、発色現像液1リットル当り0.5〜10
g、さらに好ましくは1〜5gである。
【0124】また、前記芳香族第一級アミンカラー現像
主薬を直接、保恒する化合物として、特開昭63−53
41号や同63−106655号に記載の各種ヒドロキ
シルアミン類(中でもスルホ基やカルボキシ基を有する
化合物が好ましい。)、特開昭63−43138号に記
載のヒドロキサム酸類、同63−146041号に記載
のヒドラジン類やヒドラジド類、同63−44657お
よび同63−58443号に記載のフェノール類、同6
3−44656号に記載のα−ヒドロキシケトン類やα
−アミノケトン類、同63−36244号記載の各種糖
類などを挙げることができる。また、上記化合物と併用
して、特開昭63−4235号、同63−24254
号、同63−21647号、同63−146040号、
同63−27841号および同63−25654号等に
記載のモノアミン類、同63−30845号、同63−
14640号、同63−43139号等に記載のジアミ
ン類、同63−21647号、同63−26655号お
よび同63−44655号に記載のポリアミン類、同6
3−53551号に記載のニトロキシラジカル類、同6
3−43140号及び同63−53549号に記載のア
ルコール類、同63−56654号に記載のオキシム類
および同63−239447号に記載の3級アミン類を
使用するのが好ましい。その他保恒剤として、特開昭5
7−44148号および同57−53749号に記載の
各種金属類、同59−180588号に記載のサリチル
酸類、同54−3582号に記載のアルカノールアミン
類、同56−94349号に記載のポリエチレンイミン
類、米国特許第3,746,544号に記載の芳香族ポ
リヒドロキシ化合物等を必要に応じて含有しても良い。
特に芳香族ポリヒドロキシ化合物の添加が好ましい。
【0125】本発明に使用される発色現像液は、好まし
くはpH9〜12、より好ましくは9〜11.0であ
る。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤を用いる
のが好ましい。緩衝剤の具体例としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二
ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホ
ウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ
酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリ
チル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウ
ム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム
(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2
−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸
カリウム)などを挙げることができる。緩衝剤の添加量
は、発色現像液1リットル当り0.1モル以上であるこ
とが好ましく、特に0.1〜0.4モルであることが特
に好ましい。
【0126】その他、発色現像液中にはカルシウムやマ
グネシウムの沈澱防止剤として、あるいは発色現像液の
安定性向上のために、各種キレート剤を用いることが好
ましい。キレート剤としては有機酸化合物が好ましく、
例えばアミノポリカルボン酸類、有機ホスホン酸類、ホ
スホノカルボン酸類をあげることができる。これらの代
表例としてはジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジ
アミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、
エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレ
ンホスホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢
酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ヒドロキシエチ
ルイミノジ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、
エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−
ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒ
ドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’
−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−
N,N’−ジ酢酸などがあげられる。これらのキレート
剤は必要に応じて2種以上併用してもよい。キレート剤
の添加量は発色現像液中の金属イオンを封鎖するのに充
分な量であればよく、例えば発色現像液1リットル当り
0.1g〜10g程度である。
【0127】発色現像液には、必要により任意の現像促
進剤を添加することができる。しかしながら、本発明に
おける発色現像液は、公害性、調液性および色汚染防止
の点で、ベンジルアルコールを実質的に含有しない場合
が好ましい。ここで「実質的に」とは発色現像液1リッ
トル当り2ml以下、好ましくは全く含有しないことを意
味する。その他の現像促進剤としては、特公昭37−1
6088号、同37−5987号、同38−7826
号、同44−12380号、同45−9019号、米国
特許第3,818,247号等に記載のチオエーテル系
化合物、特開昭52−49829号および同50−15
554号に記載のp−フェニレンジアミン系化合物、特
開昭50−137726号、特公昭44−30074
号、特開昭56−156826号、同52−43429
号等に記載の4級アンモニウム塩類、米国特許第2,4
94,903号、同第3,128,182号、同第4,
230,796号、同第3,253,919号、特公昭
41−11431号、米国特許第2,482,546
号、同第2,596,926号、同第3,582,34
6号等に記載のアミン系化合物、特公昭37−1608
8号、同42−25201号、米国特許第3,128,
183号、特公昭41−11431号、同42−238
83号、米国特許第3,532,501号等に記載のポ
リアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピ
ラゾリドン類、イミダゾール類等を必要に応じて添加す
ることができる。現像促進剤の添加量は発色現像液1リ
ットル当り0.01g〜5g程度である。
【0128】本発明においては、さらに必要に応じて、
任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤として
は、塩化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリウムのよ
うなアルカリ金属ハロゲン化物および有機カブリ防止剤
が使用できる。有機カブリ防止剤としては、例えばベン
ゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−
ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾー
ル、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベン
ゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾー
ル、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、イン
ダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンのよ
うな含窒素ヘテロ環化合物を代表例としてあげることが
できる。カブリ防止剤の添加量は発色現像液1リットル
当り0.01g〜1g程度である。本発明に使用される
発色現像液には、蛍光増白剤を含有してもよい。蛍光増
白剤としては、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジスル
ホスチルベン系化合物が好ましい。蛍光増白剤の添加量
は発色現像液1リットル当り0〜5g、好ましくは0.
1g〜4gである。また、必要に応じてアルキルスルホ
ン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族
カルボン酸等の各種界面活性剤を添加してもよい。
【0129】発色現像補充液には、発色現像液に含有さ
れる化合物が含まれる。発色現像液の補充量は、感光材
料1m2当たり3000ml以下で行われるが、100ml〜
1500mlであることが好ましい。
【0130】発色現像液での処理温度は20〜50℃が
適当であり、好ましくは30〜45℃である。処理時間
は20秒〜5分が適当であり、好ましくは30秒〜3分
20秒であり、更に好ましくは1分〜2分30秒であ
る。また、発色現像浴は必要に応じて2浴以上に分割
し、最前浴あるいは最後浴から発色現像補充液を補充
し、現像時間の短縮化や更に補充量の低減を実施しても
よい。さらに、本発明においては、発色現像工程の前
に、pH8以上、好ましくはpH8.5〜12.0の緩
衝能を有し、後述する水洗水に用いることのできる各種
界面活性剤やアルカリ金属の硫酸塩、硝酸塩を含有する
処理液で処理を行ってもよい。
【0131】本発明の処理方法はカラー反転処理にも好
ましく用いうる。反転処理は、黒白現像後に、必要に応
じて反転処理を施してから、カラー現像を行う。このと
きに用いる黒白現像液としては、通常知られているカラ
ー感光材料の反転処理に用いられる黒白第1現像液と呼
ばれるもので、黒白ハロゲン化銀感光材料の処理液に用
いられている黒白現像液に添加使用されているよく知ら
れた各種の添加剤を含有させることができる。
【0132】代表的な添加剤としては、1−フェニル−
3−ピラゾリドン、メトールおよびハイドロキノンのよ
うな現像主薬、亜硫酸塩のような保恒剤、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリから
なる促進剤、臭化カリウムや2−メチルベンツイミダゾ
ール、メチルベンツチアゾール等の無機性もしくは有機
性の抑制剤、ポリリン酸塩のような硬水軟化剤、微量の
ヨウ化物やメルカプト化合物からなる現像抑制剤をあげ
ることができる。
【0133】上記の黒白現像液又は発色現像液を用いて
自動現像機で処理を行う際、現像液(発色現像液及び黒
白現像液)が空気と接触する面積(開口面積)はできる
だけ小さい方が好ましい。例えば、開口面積(cm2 )を
現像液の体積(cm3 )で割った値を開口率とすると、開
口率は0.01(cm-1) 以下が好ましく、0.005以
下がより好ましい。
【0134】現像液は再生して使用することができる。
現像液再生を用いた処理としては、現像液のオーバーフ
ロー液を再生後、補充液とする。
【0135】本発明において、発色現像された感光材料
は、脱銀処理される。ここでいう脱銀処理とは、基本的
には漂白処理と定着処理からなるが、これらを同時に行
う漂白定着処理及びこれらの処理を組み合わせて構成さ
れる。代表的な脱銀処理工程は以下のものが挙げられ
る。 漂白−定着 漂白−漂白定着 漂白−水洗−定着 漂白−漂白定着−定着 漂白定着 定着−漂白定着 特に、上記の工程のなかでも、工程、、、が好
ましく、工程については、例えば特開昭61−753
52号に開示されている。工程については特開昭61
−143755号や特願平2−216389号に開示さ
れている。また、上記の工程に適用される漂白浴、定着
浴等の処理浴の槽構成は1槽であっても2槽以上(例え
ば2〜4槽、この場合向流補充方式が好ましい)であっ
てもよい。上記の脱銀工程は発色現像後に、リンス浴、
水洗浴や停止浴等を介して行ってもよいが、ネガ型感光
材料の際には発色現像後に直ちに行うことが好ましく、
反転処理の際には発色現像後に調整浴を介して行うのが
好ましい。
【0136】漂白液には、上述したように本発明の化合
物を含有することができる。本発明の漂白液の主成分と
して含有される漂白剤としては、赤血塩、塩化第二鉄、
重クロム酸塩、過硫酸塩、臭素酸塩等の無機化合物及び
アミノポリカルボン酸第二鉄錯塩、アミノポリホスホン
酸第二鉄錯塩の一部有機系化合物を挙げることができ
る。本発明では環境保全、取い扱い上の安全性、金属の
腐食性等の点からアミノポリカルボン酸第二鉄錯塩を使
用するのが好ましい。
【0137】以下に、本発明におけるアミノポリカルボ
ン酸第二鉄錯塩の具体例を挙げるが、これらに限定され
るものではない。併せて、酸化還元電位を記す。 No. 化合物 酸化還元電位 (mV vs.NHE,pH=6) 1.N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸第二鉄錯塩 180 2.メチルイミノ二酢酸第二鉄錯塩 200 3.イミノ二酢酸第二鉄錯塩 210 4.1,4−ブチレンジアミン四酢酸第二鉄錯塩 230 5.ジエチレンチオエーテルジアミン四酢酸第二鉄錯塩 230 6.グリコールエーテルジアミン四酢酸第二鉄錯塩 240 7.1,3−プロピレンジアミン四酢酸第二鉄錯塩 250 8.エチレンジアミン四酢酸第二鉄錯塩 110 9.ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄錯塩 80 10. トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸第二鉄酸塩 80
【0138】上記における漂白剤の酸化還元電位は、ト
ランスアクションズ・オブ・ザ・ファラディ・ソサイエ
ティ(Transactions of the Faraday Society)、55巻
(1959年)、1312〜1313頁に記載してある
方法によって測定して得られる酸化還元電位で定義され
る。本発明において、迅速処理の観点及び本発明の効果
を有効に発揮する観点から酸化還元電位が150mV以
上の漂白剤が好ましく、より好ましくは酸化還元電位が
180mV、最も好ましくは200mV以上の漂白剤で
ある。酸化還元電位が高すぎると漂白カブリを生じるこ
とから上限としては700mV以下、好ましくは500
mV以下である。これらのなかでも、特に好ましいの
は、化合物No. 7の1,3−プロピレンジアミン四酢酸
第二鉄錯塩である。
【0139】アミノポリカルボン酸第二鉄錯塩は、ナト
リウム、カリウム、アンモニウム等の塩で使用するが、
アンモニウム塩が最も漂白の速い点で好ましい。漂白液
での漂白剤の使用量は、漂白液1リットル当り0.01
〜1モルが適当であり、好ましくは0.17〜0.7モ
ルであり、処理の迅速化や経時ステインの低減の上で
0.25〜0.7モルが好ましい。特に好ましいのは
0.30〜0.6モルである。また漂白定着液での漂白
剤の使用量は漂白定着液1リットル当り0.01〜0.
5モルであり、好ましくは0.02〜0.2モルであ
る。また、本発明において、酸化剤は単独で使用しても
2種以上併用してもよく、2種以上併用する場合は、合
計で上記濃度範囲となるようにすればよい。
【0140】なお、漂白液でアミノポリカルボン酸第二
鉄錯塩を使用する場合、前述のような錯塩の形で添加す
ることもできるが、錯形成化合物であるアミノポリカル
ボン酸と第二鉄塩(例えば、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、
硝酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、燐酸第二鉄)と
を共存させて処理液中で錯塩を形成させてもよい。この
錯形成による場合は、アミノポリカルボン酸を、第二鉄
イオンとの錯形成に必要とする量よりもやや過剰に添加
してもよく、過剰に添加するときには通常0.01〜1
0%の範囲で過剰にすることが好ましい。
【0141】上記のような漂白液は、一般的にpH2〜
7.0で使用される。処理の迅速化を図る上では、漂白
液においてpHを2.5〜5.0が好ましく、更に好ま
しくは3.0〜4.8、特に好ましくは3.5〜4.5
とするのがよく、補充液は、通常2.0〜4.2として
用いるのがよい。本発明において、pHを前記領域に調
節するには、公知の酸を使用することができる。このよ
うな酸としては、pKa2〜5.5の酸が好ましい。本
発明におけるpKaは酸解離定数の逆数の対数値を表わ
し、イオン強度0.1モル/dm、25℃で求められた
値を示す。このpKa2.0〜5.5の酸としては、リ
ン酸などの無機酸、酢酸、マロン酸、クエン酸等の有機
酸のいずれであってもよいが、pKa2.0〜5.5の
有機酸が好ましい。また、有機酸にあってもカルボキシ
ル基を有する有機酸が特に好ましい。但し、ここでいう
酸にはアミノポリカルボン酸、その塩およびそのFe錯
塩は除く。
【0142】本発明に使用することのできるpKa2.
0〜5.5の有機酸の好ましい具体例を挙げると、酢
酸、モノクロル酢酸、モノブロモ酢酸、グリコール酸、
プロピオン酸、モノクロルプロピオン酸、乳酸、ピルビ
ン酸、アクリル酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、アミノ
酪酸、吉草酸、イソ吉草酸等の脂肪族系一塩基性酸;ア
スパラギン、アラニン、アルギニン、エチオニン、グリ
シン、グルタミン、システイン、セリン、メチオニン、
ロイシンなどのアミノ酸系化合物;安息香酸およびクロ
ロ、ヒドロキシ等のモノ置換安息香酸、ニコチン酸等の
芳香族系一塩基性酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、
酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、オキサロ酢
酸、グルタル酸、アジピン酸等の脂肪族系二塩基性酸;
アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン等のアミノ酸
系二塩基性酸;フタル酸、テレフタル酸等の芳香族二塩
基性酸;クエン酸などの多塩基性酸など各種有機酸を列
挙することができる。これらの中でもヒドロキシル基及
びカルボキシル基を有する一塩基性酸が好ましく、特に
グリコール酸と乳酸が好ましい。また、酢酸とグリコー
ル酸又は乳酸を併用することで沈澱と漂白カブリを同時
に解決する効果が顕著になることから好ましい。酢酸と
グリコール酸又は乳酸の併用比率としては1:2〜2:
1が好ましい。これらの酸の全使用量は、漂白液とした
状態で1リットル当り0.5モル以上が適当である。好
ましくは1.2〜2.5モル/リットルである。さらに
好ましくは1.5〜2.0モル/リットルである。
【0143】漂白液のpHを前記領域に調節する際、前
記の酸とアルカリ剤(例えば、アンモニア水、KOH、
NaOH、イミダゾール、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン)を併用してもよい。中でも、アンモニ
ア水が好ましい。
【0144】また、漂白液のスタート液を補充液から調
節する際の漂白スタータに用いるアルカリ剤としては、
炭酸カリウム、アンモニア水、イミダゾール、モノエタ
ノールアミン又はジエタノールアミンを用いることが好
ましい。また漂白スタータを用いないで補充液をそのま
ま希釈して使用してもよい。
【0145】本発明において、漂白液またはその前浴に
は、各種漂白促進剤を添加することができる。このよう
な漂白促進剤については、例えば、米国特許第3,89
3,858号明細書、ドイツ特許第1,290,821
号明細書、英国特許第1,138,842号明細書、特
開昭53−95630号公報、リサーチ・ディスクロー
ジャー第17129号(1978年7月号)に記載のメ
ルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物、特開
昭50−140129号公報に記載のチアゾリジン誘導
体、米国特許第3,706,561号明細書に記載のチ
オ尿素誘導体、特開昭58−16235号公報に記載の
沃化物、ドイツ特許第2,748,430号明細書に記
載のポリエチレンオキサイド類、特公昭45−8836
号公報に記載のポリアミン化合物などを用いることがで
きる。特に好ましくは英国特許第1,138,842号
明細書、特願平1−11256号に記載のようなメルカ
プト化合物が好ましい。
【0146】本発明における漂白液には、漂白剤および
上記化合物の他に、臭化物、例えば臭化カリウム、臭化
ナトリウム、臭化アンモニウムまたは塩化物、例えば塩
化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウムなどの
再ハロゲン化剤を含むことができる。再ハロゲン化剤の
濃度は処理液とした状態で1リットルあたり0.1〜
5.0モル、好ましくは0.5〜3.0モルである。ま
た、金属腐食防止剤として、硝酸アンモニウムを用いる
ことが好ましい。
【0147】本発明においては、補充方式を採用するこ
とが好ましく、漂白液の補充量は感光材料1m2当り、6
00ml以下が好ましく、更に好ましくは100〜500
mlである。また漂白処理時間は120秒以下、好ましく
は50秒以下であり、より好ましくは40秒以下であ
る。なお、処理に際し、アミノポリカルボン酸第二鉄錯
塩を使用した漂白液にはエアレーションを施して、生成
するアミノポリカルボン酸鉄(II)錯塩を酸化することが
好ましい。これにより酸化剤が再生され、写真性能はき
わめて安定に保持される。本発明における漂白液での処
理には、処理液の蒸発分に相当する水を供給する、いわ
ゆる蒸発補正を行うことが好ましい。特に、発色現像液
や高電位の漂白剤を含有する漂白液において好ましい。
【0148】本発明において漂白液により処理された後
の感光材料は、定着能を有する処理液で処理される。こ
こでいう定着能を有する処理液とは、具体的には定着液
及び漂白定着液である。漂白能を有する処理が、漂白定
着液で行なわれるときは、前述のの工程のようにそれ
が定着能を有する処理を兼ねてもよい。漂白液での漂白
処理後に漂白定着液で処理する前述のやの工程では
漂白液と漂白定着液の漂白剤を異なるものにしてもよ
い。前述のの工程のように間に水洗工程を有する場合
にはその液にも本発明の化合物を含有させてもよい。
【0149】定着能を有する処理液には定着剤が含有さ
れる。定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸ア
ンモニウム、チオ硫酸アンモニウムナトリウム、チオ硫
酸カリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カリウム
のようなチオシアン酸塩(ロダン塩)、チオ尿素、チオ
エーテル等をあげることができる。なかでも、チオ硫酸
アンモニウムを用いることが好ましい。定着剤の量は定
着能を有する処理液1リットル当り0.3〜3モル、好
ましくは0.5〜2モルである。また、定着促進の観点
から、チオ硫酸塩に前記チオシアン酸アンモニウム(ロ
ダンアンモニウム)、チオ尿素、チオエーテル(例えば
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール)を併用す
ることも好ましい。これらのうちチオ硫酸塩とチオシア
ン酸塩とを併用することが最も好ましい。特に、チオ硫
酸アンモニウムとチオシアン酸アンモニウムとの併用が
好ましい。併用するこれらの化合物の量は、定着能を有
する処理液1リットル当り0.01〜1モル、好ましく
は、0.1〜0.5モルで使用するのがよいが、場合に
より、1〜3モル使用することで定着促進効果を大巾に
高めることもできる。
【0150】定着能を有する処理液には、保恒剤として
亜硫酸塩(例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、
亜硫酸アンモニウム)、ヒドロキシルアミン類、ヒドラ
ジン類、アルデヒド化合物の重亜硫酸塩付加物(例えば
アセトアルデヒド重亜硫酸ナトリウム、特に好ましくは
特願平1−298935号記載の化合物)又は特開平1
−231051号明細書に記載のスルフィン酸化合物な
どを含有させることができる。さらに、各種の蛍光増白
剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリド
ン、メタノール等の有機溶剤を含有させることができ
る。
【0151】さらに定着能を有する処理液には処理液の
安定化の目的で各種アミノポリカルボン酸類や、有機ホ
スホン酸類等のキレート剤の添加が好ましい。好ましい
キレート剤としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1−ジホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,
N’−テトラメチレンホスホン酸、ニトリロトリメチレ
ンホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,
2−プロピレンジアミン四酢酸をあげることができる。
この中でも、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸及びエチレンジアミン四酢酸が特に好ましい。
キレート剤の添加量としては、処理液1リットル当り
0.01〜0.3モル、好ましくは0.1〜0.2モル
である。
【0152】定着液のpHとしては、5〜9が好まし
く、さらには7〜8が好ましい。また、漂白定着液にお
いては、4.0〜7.0が好ましく、更に好ましくは、
5.0〜6.5である。また、漂白液又は第一の漂白定
着浴で処理された後の漂白定着液のpHとしては、6〜
8.5が好ましく、6.5〜8.0が更に好ましい。
【0153】定着能を有する処理液をこのようなpH領
域に調整するため、また緩衝剤として、pKaが6.0
〜9.0の範囲の化合物を含有することが好ましい。こ
れらの化合物としては、イミダゾール、2−メチル−イ
ミダゾールの如きイミダゾール類が好ましい。これらの
化合物は好ましくは、処理液1リットルあたり0.1〜
10モル、好ましくは0.2モル〜3モルである。
【0154】漂白定着液はその他に前述した漂白液に含
有することのできる化合物を含有することができる。
【0155】本発明において、処理開始時の漂白定着液
(スタート液)は、前記した漂白定着液に用いられる化
合物を水に溶解して調製されるが、別途調製された漂白
液と定着液を適量混合して調製してもよい。
【0156】補充方式を採用する場合の定着液または漂
白定着液の補充量としては感光材料1m2あたり100〜
3000mlが好ましいが、より好ましくは300〜18
00mlである。漂白定着液の補充は漂白定着補充液とし
て補充してもよいし、特開昭61−143755号や特
願平2−216389号記載のように漂白液と定着液の
オーバーフロー液を使用して行ってもよい。
【0157】また、前述の漂白処理同様、処理液補充と
ともに、蒸発分に相当する水を補充しつつ漂白定着処理
を行うことが好ましい。
【0158】また、本発明において定着能を有する処理
の合計処理時間は0.5〜4分、好ましくは0.5〜2
分、特に好ましくは0.5〜1分である。本発明におい
て漂白、漂白定着、定着の組合せよりなる脱銀工程の全
処理時間の合計は、好ましくは45秒〜4分、さらに好
ましくは1分〜2分である。また、処理温度は25〜5
0℃、好ましくは35〜45℃である。
【0159】本発明の定着能を有する処理液は公知の方
法で銀回収を行うことができ、このような銀回収を施し
た再生液を使用することができる。
【0160】定着能を有する処理工程の後には、通常、
水洗処理工程を行う。定着能を有する処理液で処理後、
実質的な水洗を行わず本発明の安定液を用いた安定化処
理を行う簡便な処理方法を用いることもできる。水洗工
程に用いられる水洗水には処理後の感光材料の乾燥時の
水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤を含有する
ことができる。これらの界面活性剤としては、ポリエチ
レングリコール型非イオン性界面活性剤、多価アルコー
ル型非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン
酸塩型アニオン性界面活性剤、高級アルコール硫酸エス
テル塩型アニオン性界面活性剤、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、4級アンモニウム
塩型カチオン性界面活性剤、アミン塩型カチオン性界面
活性剤、アミノ塩型両性界面活性剤、ベタイン型両性界
面活性剤があるが、ノニオン性界面活性剤を用いるのが
好ましく、特にアルキルフェノールエチレンオキサイド
付加物が好ましい。アルキルフェノールとしては特にオ
クチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノールが好ま
しく、またエチレンオキサイドの付加モル数としては特
に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高いシリコン
系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0161】また水洗水中には、水アカの発生や処理後
の感光材料に発生するカビの防止のために、種々の防バ
クテリア剤、防カビ剤を含有させることもできる。これ
らの防バクテリア剤、防カビ剤の例としては特開昭57
−157244号及び同58−105145号に示され
るようなチアゾリルベンゾイミダゾール系化合物、特開
昭57−8542号に示されるようなイソチアゾロン系
化合物、トリクロロフェノールに代表されるようなクロ
ロフェノール系化合物、ブロモフェノール系化合物、有
機スズや有機亜鉛化合物、酸アミド系化合物、ダイアジ
ンやトリアジン系化合物、チオ尿素系化合物、ベンゾト
リアゾール系化合物、アルキルグアニジン化合物、ベン
ズアルコニウムクロライドに代表されるような4級アン
モニウム塩、ペニシリンに代表されるような抗生物質
等、ジャーナル・アンティバクテリア・アンド・アンテ
ィファンガス・エイジェント(J.Antibact.Antifung.
Agents) Vol 1.No. 5,p.207〜223(198
3)に記載の汎用の防バイ剤等が挙げられるこれらは2
種以上併用してもよい。また、特開昭48−83820
号記載の種々の殺菌剤も用いることができる。
【0162】また水洗水中には、各種キレート剤を含有
させることが好ましい。好ましいキレート剤としては、
エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸
などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、
ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’−テトラメ
チレンホスホン酸などの有機ホスホン酸、あるいは、欧
州特許345172A1に記載の無水マレイン酸ポリマ
ーの加水分解物などをあげることができる。また、前記
の定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤を
水洗水に含有させることが好ましい。
【0163】水洗工程や安定化工程は、多段向流方式が
好ましく、段数としては2〜4段が好ましい。補充量と
しては単位面積当り前浴からの持込量の1〜50倍、好
ましくは2〜30倍、より好ましくは2〜15倍であ
る。これらの水洗工程に用いられる水としては、水道水
が使用できるが、イオン交換樹脂などによってCa、M
gイオン濃度を5mg/リットル以下に脱イオン処理した
水、ハロゲン、紫外線殺菌灯等より殺菌された水を使用
するのが好ましい。また、各処理液の蒸発分を補正する
ための水は、水道水を用いてもよいが、上記の水洗工程
に好ましく使用される脱イオン処理した水、殺菌された
水とするのがよい。
【0164】また、水洗工程または安定化工程のオーバ
ーフロー液は前浴である定着能を有する浴に流入させる
方法を用いることにより、廃液量を低減させることがで
きるので好ましい。処理においては、漂白液、漂白定着
液、定着液のみならず、他の処理液(例えば、発色現像
液、水洗水、安定液)でも蒸発による濃縮を補正するた
めに、適当量の水または補正液ないし処理補充液を補充
することが好ましい。
【0165】本発明では、漂白処理以降の乾燥工程に入
るまでの処理液での総処理時間が1分〜3分、好ましく
は1分20秒〜2分の時に、特に効果を有効に発揮す
る。
【0166】本発明においては、乾燥温度は50〜80
℃が好ましく、特に50〜70℃がより好ましい。乾燥
時間は30秒〜2分が好ましく、特に40秒〜80秒が
より好ましい。
【0167】次に、本発明の一般式〔M〕で表わされる
カプラーについて詳細に説明する。一般式〔M〕で表わ
されるカプラーの骨格のうち好ましい骨格は1H−イミ
ダゾ〔1,2−b〕ピラゾール、1H−ピラゾロ〔1,
5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール、1H−ピラゾロ
〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾールおよび1H
−ピラゾロ〔1,5−d〕テトラゾールであり、それぞ
れ式〔M−I〕、〔M−II〕、〔M−III 〕および〔M
−IV〕で表わされる。
【0168】
【化51】
【0169】これらの式における置換基R1 、R11、R
12、R13およびYについて詳しく説明する。R1 及びR
11は水素原子又は置換基を表わし、具体的には水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ
基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシ
ルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンア
ミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニ
ル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、ア
ゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリル
オキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド
基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、
アリールオキシカルボニル基、アシル基、アゾリル基を
表わし、R1 又はR11は2価の基でビス体を形成してい
てもよい。
【0170】さらに詳しくは、R1 及びR11は各々水素
原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フ
ッ素原子)、アルキル基(例えば、炭素数1〜32の直
鎖、または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケ
ニル基で、詳しくは、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メタ
ンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノキ
シ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロキ
シフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミド}
フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、トリフ
ルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ−t
−アミルフェノキシ)プロピル)、アリール基(例え
ば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−
t−アミルフェニル、4−テトラデカンアミドフェニ
ル)、ヘテロ環基(例えば、2−フリル、2−チエニ
ル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シア
ノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ
基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−
メトキシエトキシ、2−ドデシルエトキシ、2−メタン
スルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フ
ェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェ
ノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシ
カルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイ
ル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズ
アミド、テトラデカンアミド、2−(2,4−ジ−t−
アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド、2−
{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキ
シ}デカンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチ
ルアミノ、ブチルアミノ、ドデシルアミノ、ジエチルア
ミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フ
ェニルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−
テトラデカンアミノアニリノ、2−クロロ−5−ドデシ
ルオキシカルボニルアニリノ、N−アセチルアニリノ、
2−クロロ−5−{α−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェノキシ)ドデカンアミド}アニリノ)、ウレイ
ド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、
N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基
(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、
N−メチル−N−デシルスルファモイルアミノ)、アル
キルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、テト
ラデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、3−フェノ
キシプロピルチオ、3−(4−t−ブチルフェノキシ)
プロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチ
オ、2−ブトキシ−5−t−チルフェニルチオ、3−ペ
ンタデシルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチ
オ、4−テトラデカンアミドフェニルチオ)、アルコキ
シカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルア
ミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ)、スルホ
ンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ヘキサデ
カンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−ト
ルエンスルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、
2−メチルオキシ−5−t−ブチルベンゼンスルホンア
ミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモ
イル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデ
シルオキシエチル)カルバモイル、N−メチル−N−ド
デシルカルバモイル、N−{3−(2,4−ジ−t−ア
ミルフェノキシ)プロピル}カルバモイル)、スルファ
モイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N
−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキ
シエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシル
スルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、
スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンス
ルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニ
ル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカル
ボニル、ブチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカル
ボニル、オクタデシルオキシカルボニル)、ヘテロ環オ
キシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例え
ば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピ
バロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プ
ロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、
アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メ
チルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオ
キシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオ
キシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシ
カルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルア
ミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−
フタルイミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、
ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、
2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−
6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例え
ば、ドデカンスルフィニル、3−ペンタデシルフェニル
スルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフィニ
ル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、
オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ア
リールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボ
ニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプ
ロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイ
ル)、アゾリル基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、3−クロロ−ピラゾール−1−イル、トリアゾリ
ル)を表わす。これらの置換基のうち、更に置換基を有
することが可能な基は炭素原子、酸素原子、窒素原子又
はイオウ原子で連結する有機置換基又はハロゲン原子を
更に有してもよい。
【0171】これらの置換基のうち、好ましいR1 、R
11としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、ウレイド基、ウレタ
ン基、アシルアミノ基を挙げることができる。
【0172】R12はR11と同義であり、好ましくは水素
原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、
スルフィニル基、アシル基およびシアノ基である。また
13は、R11と同義であり、好ましくは水素原子、アル
キル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル
コキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基であ
り、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ
環基、アルキルチオ基およびアリールチオ基である。
【0173】Yは水素原子または芳香族1級アミン発色
現像主薬の酸化体との反応において離脱可能な基を表わ
すが、離脱可能な基(離脱基という)を詳しく述べれば
ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシ
ルオキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキ
シ基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールスル
ホンアミド基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリー
ルオキシカルボニルオキシ基、アルキル、アリールもし
くはヘテロ環チオ基、カルバモイルアミノ基、5員もし
くは6員の含窒素ヘテロ環基、イミド基、アリールアゾ
基などがあり、これらの基は更にR11の置換基として許
容された基で置換されていてもよい。
【0174】離脱基はさらに詳しくはハロゲン原子(例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシ
基(例えば、エトキシ、ドデシルオキシ、メトキシエチ
ルカルバモイルメトキシ、カルボキシプロピルオキシ、
メチルスルホニルエトキシ、エトキシカルボニルメトキ
シ)、アリールオキシ基(例えば、4−メチルフェノキ
シ、4−クロロフェノキシ、4−メトキシフェノキ
シ、、4−カルボキシフェノキシ、3−エトキシカルボ
キシフェノキシ、3−アセチルアミノフェノキシ、2−
カルボキシフェノキシ)、アシルオキシ基(例えば、ア
セトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキ
シ)、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基
(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニ
ルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、ジクロルアセチ
ルアミノ、ヘプタフルオロブチリルアミノ)、アルキル
もしくはアリールスルホンアミド基(例えば、メタンス
ルホンアミノ、トリフルオロメタンスルホンアミノ、p
−トルエンスルホニルアミノ)、アルコキシカルボニル
オキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキシ、ベンジ
ルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニ
ルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、
アルキル、アリールもしくはヘテロ環チオ基(例えば、
ドデシルチオ、1−カルボキシドデシルチオ、フェニル
チオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、
テトラゾリルチオ)、カルバモイルアミノ基(例えば、
N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモ
イルアミノ)、5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基
(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、
テトラゾリル、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピ
リジル)、イミド基(例えば、スクシンイミド、ヒダン
トイニル)、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ、
4−メトキシフェニルアゾ)などである。Xはこれら以
外に炭素原子を介して結合した離脱基としてアルデヒド
類又はケトン類で4当量カプラーを縮合して得られるビ
ス型カプラーの形を取る場合もある。又、Yは現像抑制
剤、現像促進剤など写真的有用基を含んでいてもよい。
好ましいXは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルキルもしくはアリールチオ基、カップリ
ング活性位に窒素原子で結合する5員もしくは6員の含
窒素ヘテロ環基である。
【0175】一般式〔M〕で表わされるマゼンタカプラ
ーの化合物例を以下に例示するが、これらに限定される
ものではない。
【0176】
【化52】
【0177】
【化53】
【0178】
【化54】
【0179】
【化55】
【0180】
【化56】
【0181】
【化57】
【0182】
【化58】
【0183】
【化59】
【0184】
【化60】
【0185】
【化61】
【0186】
【化62】
【0187】
【化63】
【0188】
【化64】
【0189】一般式〔M〕で表わされるカプラーの合成
法を記載した文献を以下に挙げる。式〔M−I〕の化合
物は米国特許第4,500,630号など、式〔M−I
I〕の化合物は米国特許第4,540,654号、同
4,705,863号、特開昭61−65245号、同
62−209457号、同62−249155号など、
式〔M−III 〕の化合物は特公昭47−27411号、
米国特許第3,725,067号など、式〔M−IV〕の
化合物は特開昭60−33552号などに記載の方法に
より合成することができる。
【0190】本発明の一般式〔M〕で表わされるカプラ
ーは、緑感性乳剤層及び/またはその隣接層、赤感性乳
剤層及び/またはその隣接層に添加、使用される。本発
明の一般式〔M〕で表わされるカプラーは同一のカプラ
ーを2層以上に分割使用することができるし、また、2
種以上を混合して使用することもできる。その総添加量
は0.01〜2.00g/m2、好ましくは0.05〜
1.5g/m2である。より好ましくは0.10〜1.0
0g/m2である。一般式〔M〕で表わされるカプラーは
好ましくはマゼンタカプラーとして緑感性乳剤層及び/
またはその隣接層に用いられる。
【0191】本発明の一般式〔M〕で表わされるカプラ
ーの感光材料中への添加方法は、後述のカプラーの添加
方法に準じて実施できるが、分散溶媒に高沸点有機溶媒
を使用する場合には、該カプラーに対して重量比として
0〜4.0の範囲であり、好ましくは0〜2.0、より
好ましくは0.1〜1.5であり、さらに好ましくは
0.1〜1.0の重量比の範囲である。
【0192】本発明の一般式〔M〕で表わされるカプラ
ーを導入したハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理後
に発生するステイン(マゼンタ発色を示す場合はマゼン
タステインをシアン発色を示す場合はシアンステインを
いう)及び色像の退色は、本発明の化合物を用いた処理
液で処理することにより低減することができる。さら
に、アルカノールアミン類及び/または一般式(B)も
しくは一般式(C)で表わされる化合物の少なくとも1
種を用いることにより、さらにこの色画像の保存性は改
良される。これに関しては、後述の実施例で明らかにさ
れる。
【0193】次に、一般式(PA)で表わされる単量体
から形成される構成単位を有するポリマーカプラー(以
下、本発明のマゼンタポリマーカプラーということあ
り)について説明する。 一般式(PA)
【0194】
【化65】
【0195】(式中、R121 は水素原子、炭素数1〜4
個のアルキル基または塩素を表わし、−D−は−COO
−、−CON(R122 )−、または置換もしくは無置換
のフェニル基を表わし、−E−は置換もしくは無置換の
アルキレン基、フェニレン基またはアラルキレン基を示
し、−F−は−CON(R122)−、−N(R122)CON
(R122)−、−N(R122)COO−、−N(R122)CO
−、−OCON(R122)−、−N(R122)−、−COO
−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO2
−、−N(R122)SO2 −、または−SO2 N(R122)
−を表わす。R122 は水素原子または置換または無置換
の脂肪族基またはアリール基を表わす。R122 は同一分
子中に2個以上あるいきは、同じでも異なっていてもよ
い。Tは5−ピラゾロンマゼンタカプラー残基を表わ
す。p、q、rは0または1を表わす。ただし、p、
q、rが同時に0である事はない。)
【0196】以下、一般式(PA)についてさらに詳し
く説明する。Tは以下の一般式(PB)で表わされる5
−ピラゾロンマゼンタカプラーのカプラー残基である。
【0197】
【化66】
【0198】*印は一般式(PA)のD、EもしくはF
のいずれかを介してビニル部分と結合する結合手を表わ
す。
【0199】式中Ar51は5−ピラゾロンカプラーの1
位における周知の型の置換基を表わし、例えばアルキル
基、置換アルキル基(例えばフルオロアルキルの如きハ
ロアルキル、シアノアルキル、ベンジルアルキルな
ど)、置換もしくは無置換の複素環基(例えば、4−ピ
リジル、2−チアゾリル)、置換もしくは無置換のアリ
ール基〔複素環基およびアリール基の置換基としてはア
ルキル基(例えばメチル、エチル)、アルコキシ基(例
えばメトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例えば
フェニルオキシ)、アルコキシカルボニル基(例えばメ
トキシカルボニル)、アシルアミノ基(例えばアセチル
アミノ)、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基
(例えばメチルカルバモイル、エチルカルボニル)、ジ
アルキルカルバモイル基(例えばジメチルカルバモイ
ル)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカルバ
モイル)、アルキルスルホニル基(例えばメチルスルホ
ニル)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホ
ニル)、アルキルスルホンアミド基(例えばメタンスル
ホンアミド)、アリールスルホンアミド基(例えばフェ
ニルスルホンアミド)、スルファモイル基、アルキルス
ルファモイル基(例えばエチルスルファモイル)、ジア
ルキルスルファモイル基(例えばジメチルスルファモイ
ル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリール
チオ基(例えばフェニルチオ)、シアノ基、ニトロ基、
ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素など)が挙げ
られ、この置換基が2個以上あるときは同じでも異って
もよい。特に好ましい置換基としてはハロゲン原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シ
アノ基が挙げられる。〕を表わす。
【0200】Z51は水素原子又は芳香族第一級アミン発
色現像主薬の酸化体とのカップリング反応時に離脱可能
な基を表わし、具体的には、水素原子、ハロゲン原子
(例えば、塩素、臭素)、酸素原子で連結するカップリ
ング離脱基(例えばアセトキシ、プロパノイルオキシ、
ベンゾイルオキシ、エトキシオキザロイルオキシ、ピル
ビニルオキシ、シンナモイルオキシ、フェノキシ、4−
シアノフェノキシル、4−チタンスルホンアミドフェノ
キシ、α−ナフトキシ、4−シアノキシル、4−メタン
スルホンアミド−フェノキシ、α−ナフトキシ、3−ペ
ンタデシルフェノキシ、ベンジルオキシカルボニルオキ
シ、エトキシ、2−シアノエトキシ、ベンジルオキシ、
2−フェネチルオキシ、2−フェノキシ−エトキシ、5
−フェニルテトラゾリルオキシ、2−ベンゾチアゾリル
オキシ)、窒素原子で連結するカップリング離脱基(例
えば特開昭59−99437号)に記載されているも
の、具体的にはベンゼンスルホンアミド、N−エチルト
ルエンスルホンアミド、ヘプタフルオロブタンアミド、
2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンズアミド、オ
クタンスルホンアミド、p−シアノフェニルウレイド、
N,N−ジエチルスルファモイルアミノ、1−ピペリジ
ル、5,5−ジメチル−2,4−ジオキソ−3−オキソ
ゾリジニル、1−ベンジル−5−エトキシ−3−ヒダン
トイニル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリジ
ニル、イミダゾリル、ピラゾリル、3,5−ジエチル−
1,2,4−トリアゾール−1−イル、5−または6−
ブロモ−ベンゾトリアゾール−1−イル、5−メチル−
1,2,3,4−トリアゾール−1−イル基、ベンズイ
ミダゾリル)、イオウ原子で連結するカップリング離脱
基(例えばフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチ
オ、2−メトキシ−5−オクチルフェニルチオ、4−メ
タンスルホニルフェニルチオ、4−オクタンスルホンア
ミドフェニルチオ、ベンジルチオ、2−シアノエチルチ
オ、5−フェニル−2,3,4,5−テトラゾリルチ
オ、2−ベンゾチアゾリル)を表わす。好ましくは窒素
原子で連結するカップリング離脱基であり、特に好まし
くはピラゾリル基である。
【0201】−E−は炭素数1〜10個の無置換もしく
は置換のアルキレン基、アラルキレン基、またはフェニ
レン基を表わし、アルキレン基は直鎖でも分岐でもよ
い。アルキレン基としては例えばメチレン、メチルメチ
レン、ジメチルメチレン、ジメチレン、トリメチレン、
テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、デ
シルメチレン、アラルキレン基としては例えばベンジリ
デン、フェニレン基としては例えばp−フェニレン、m
−フェニレン、メチルフェニレンなどがある。また−E
−で表わされるアルキレン基、アラルキレン基またはフ
ェニレン基の置換基としてはアリール基(例えばフェニ
ル)ニトロ基、水酸基、シアノ基、スルホ基、アルコキ
シ基(例えばメトキシ)、アリールオキシ基(例えばフ
ェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、ア
シルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、スルホンアミ
ド基(例えばメタンスルホンアミド)、スルファモイル
基(例えばメチルスルファモイル)、ハロゲン原子(例
えばフッ素、塩素、臭素)、カルボキシ基、カルバモイ
ル基(例えばメチルカルバモイル)、アルコキシカルボ
ニル基(例えばメトキシカルボニル)、スルホニル基
(例えばメチルスルホニル)などが挙げられる。この置
換基が2つ以上あるときは同じでも異ってもよい。−E
−は好ましくはアルキレン基またはフェニレン基であ
る。
【0202】R121 は好ましくは水素原子及び炭素数1
〜4個のアルキル基である。特に好ましくは水素原 子
及びメチル基である。−D−は好ましくは−COO−及
び−CON(R122 )−であり、特に好ましくは−CO
N(R122)−である。R122 は水素原子及び脂肪族基が
好ましく、特に水素原子が好ましい。−F−は好ましく
は−CON(R122)−、−N(R122)CON(R122)
−、−N(R122)−及び−SO2 N(R122)−である。
特に好ましくは−CON(R122)−である。R122 は水
素原子及び脂肪族基が好ましく、特に水素原子が好まし
い。p、q、rは好ましくはp=q=1、r=0;p=
0、q=r=1;p=1、q=r=0;p=q=0、r
=1である。特に好ましくはp=1、q=r=0の場合
である。
【0203】一般式(PA)で表わされる5−ピラゾロ
ンマゼンタ発色の付加重合性エチレン型不飽和化合物
(単量体)は単独もしくは非発色性(芳香族第1級アミ
ン現像薬の酸化体とカップリング反応しない)エチレン
型単量体との共重合体のポリマーカプラーを形成させ
る。好ましくは非発色性エチレン型単量体との共重合体
であるポリマーカプラーである。この非発色性エチレン
型単量体としては、例えば、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、クロトン酸エステル、ビニルエステ
ル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、イタ
コン酸ジエステル、アクリルアミド類、メタクリルアミ
ド類、ビニルエーテル類、スチレン類等が挙げられる。
【0204】これらの単量体について更に具体例を示す
と、アクリル酸エステルとしてはメチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
アセトキシエチルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、2−メトキシアクリレート、2−エトキシアクリレ
ート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレー
ト等が挙げられる。メタクリル酸エステルとしてはメチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピ
ルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−
ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エトキ
シエチルメタクリレート等が挙げられる。クロトン酸エ
ステルとしてはクロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル
などが挙げられる。ビニルエステルとしてはビニルアセ
テート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビ
ニルメトキシアセテート、安息香酸ビニル等が挙げられ
る。マレイン酸ジエステルとしてはマレイン酸ジエチ
ル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル等が挙げ
られる。フマル酸ジエステルとしてはフマル酸ジエチ
ル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル等が挙げられ
る。イタコン酸ジエステルとしてはイタコン酸ジエチ
ル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル等が挙げ
られる。アクリルアミド類としてはアクリルアミド、メ
チルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピル
アクリルアミド、n−ブチルアクリルアミド、tert−ブ
チルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、
2−メトキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリル
アミド、ジエチルアクリルアミド、フェニルアクリルア
ミド等が挙げられる。メタクリルアミド類としてはメチ
ルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、n−ブ
チルメタクリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミ
ド、2−メトキシメタクリルアミド、ジメチルメタクリ
ルアミド、ジエチルメタクリルアミド等が挙げられる。
ビニルエーテル類としてはメチルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシ
エチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエ
ーテル等が挙げられる。スチレン類としては、スチレ
ン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルス
チレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチ
ルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレ
ン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルス
チレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安
息香酸メチルエステル、2−メチルスチレン等が挙げら
れる。
【0205】その他の単量体の例としてはアリル化合物
(例えば酢酸アリル)、ビニルケトン類(例えばメチル
ビニルケトン)、ビニル複素環化合物(例えばビニルピ
リジン)、グリシジルエステル類(例えばグリシジルア
クリレート)、不飽和ニトリル類(例えばアクリロニト
リル)、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、イタコン酸モノアルキル(例えばイタコン酸モ
ノメチル)、マレイン酸モノアルキル(例えばマレイン
酸モノメチル)、シトラコン酸、ビニルスルホン酸、ア
クリロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、アクリ
ロイルオキシメチルスルホン酸)、アクリルアミドアル
キルスルホン酸(例えば2−アクリルアミド−2−メチ
ルエタンスルホン)などが挙げられる。これらの酸はア
ルカリ金属(例えばNa、K)またはアンモニウムイオ
ンの塩であってもよい。これらの単量体のうち、好まし
く用いられるコモノマーにはアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、スチレン類、マレイン酸エステル、
アクリルアミド類、メタクリルアミド類が含まれる。こ
れらの単量体は2種以上を併用してもよい。2種以上を
併用する場合の組合せとしては例えば、n−ブチルアク
リレートとスチレン、n−ブチルアクリレートとブチル
スチレン、t−ブチルメタクリルアミドとn−ブチルア
クリレート等が挙げられる。
【0206】上記マゼンタポリマーカプラー中に占める
一般式(PA)で表わされる5−ピラゾロンマゼンタカ
プラー部分の割合は通常5〜80重量%が望ましいが、
色再現性、発色性、処理依存性および安定性の点では3
0〜70重量%が好ましい。この場合の当分子量(1モ
ルの単量体カプラーを含むポリマーのグラム数)は約2
50〜4,000であるがこれに限定するものではな
い。本発明のマゼンタポリマーカプラーはカプラー単量
体を基準として、ハロゲン化銀と同一層の場合には銀1
モル当り0.005モル〜0.5モル好ましくは0.0
3〜0.25モル添加するのが良い。また、本発明のマ
ゼンタポリマーカプラーを非感光層に用いる場合の塗布
量は、0.01〜1.0g/m2、好ましくは0.1〜
0.5g/m2の範囲である。
【0207】本発明のマゼンタポリマーカプラーは前記
したように単量体カプラーの共重合で得られた親油性ポ
リマーカプラーを有機溶媒に溶かしたものをゼラチン水
溶液中にラテックスの形で乳化分散して作ってもよく、
あるいは直接乳化重合法で作ってもよい。親油性ポリマ
ーカプラーをゼラチン水溶液中にラテックスの形で乳化
分散する方法については米国特許3,451,820号
に、乳化重合については米国特許4,080,211
号、同3,370,952号及び欧州特許第341,0
88A2号に記載されている方法を用いることが出来
る。上記マゼンタポリマーカプラーの合成は重合開始
剤、重合溶媒として特開昭56−5543、特開昭57
−94752、特開昭57−176038、特開昭57
−204038、特開昭58−28745、特開昭58
−10738、特開昭58−42044、特開昭58−
145944に記載されている化合物を用いて行う。重
合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類など
と関連して設定する必要があり、0℃以下から100℃
以上まで可能であるが通常30℃〜100℃の範囲で重
合する。次に本発明のマゼンタポリマーカプラーの具体
例を挙げるが、これに限定されるものではない。(添数
字は、モル比を表わす。)
【0208】
【化67】
【0209】
【化68】
【0210】
【化69】
【0211】
【化70】
【0212】
【化71】
【0213】
【化72】
【0214】
【化73】
【0215】
【化74】
【0216】本発明のマゼンタポリマーカプラーは緑感
性乳剤層及び/またはその隣接層、好ましくは緑感性乳
剤層に添加・使用される。感光材料への導入は先の一般
式〔M〕で表わされるカプラーで記載した方法に準じて
行うことができ、その添加量も同様である。
【0217】本発明のマゼンタポリマーカプラーを用い
た感光材料の処理後に発生するステイン及び色像の退色
は、本発明の化合物を含有する処理液で処理することに
より低減できる。さらに、アルカノールアミン類及び/
または一般式(B)もしくは一般式(C)で表わされる
化合物の少なくとも1種を使用することにより、この色
画像の保存性は改良される。
【0218】本発明における一般式〔M〕で表されるカ
プラー及び一般式(PA)で表わされるマゼンタ発色部
分を有するポリマーカプラーのうち、一般式〔M〕で表
わされるカプラーがマゼンタカプラーに限定されるとき
は、本発明の一般式(A)及び/または(X)で表わさ
れる化合物を含有する処理液で処理するとき、その色画
像の保存性は改良効果が大きく、好ましい態様を示す。
【0219】本発明における感光材料は、支持体上に少
なくとも青感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲ
ン化銀乳剤層の少なくとも1層が設けられていればよ
く、ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数および
層順に特に制限はない。典型的な例としては、支持体上
に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数
のハロゲン化銀乳剤層からなる感光性層を有するハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料であり、感光性層は青色光、
緑色光および赤色光のいずれかに感色性を有する単位感
光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料に
おいては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から
順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置さ
れる。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であって
も、また同一感色性層中に異なる感色性層が挟まれたよ
うな設置順をもとり得る。上記、ハロゲン化銀感光層の
間および最上層、最下層には各種の中間層等の非感光性
層を設けてもよい。中間層には、特開昭61−4374
8号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号明細
書に記載されるようなカプラー等が含まれていてもよ
く、通常用いられるように混色防止剤、紫外線吸収剤や
ステイン防止剤などを含んでいてもよい。
【0220】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは
英国特許第923,045号に記載されるように高感度
乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いること
ができる。通常は、支持体に向って順次感光度が低くな
るように配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層
の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、特
開昭57−112751号、同62−200350号、
同62−206541号、同62−206543号等に
記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤
層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光
性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性
層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感度赤感光性層
(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/
GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの
順等に設置することができる。また特公昭55−349
32号公報に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列するこ
ともできる。また特開昭56−25738号、同62−
63936号明細書に記載されているように、支持体か
ら最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配
列することもできる。また特公昭49−15495号公
報に記載されているように上層を最も感光度の高いハロ
ゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度の高いハ
ロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりもさらに感光度の低
いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向って感光度
が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配
列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構
成される場合でも、特開昭59−202464号に記載
されているように、同一感色性層中において支持体より
離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤
層の順に配置されてもよい。上記のようにそれぞれの感
光材料の目的に応じて種々の層構成・配列を選択するこ
とができる。
【0221】感光材料の支持体および支持体の下塗り層
およびバック層を除く全構成層の乾燥膜厚は18.0μ
m以下が好ましく、特に12〜16μmが好ましい。
【0222】感光材料の膜厚は、測定する感光材料は2
5℃、50%RHの条件下に感光材料作製後7日間保存
し、まず初めに、この感光材料の全厚みを測定し、次い
で支持体上の塗布層を除去したのち再度その厚みを測定
し、その差を以って上記感光材料の支持体を除いた全塗
布層の膜厚とする。この厚みの測定は、例えば接触型の
厚電変換素子による膜厚測定器(Anritus Electric Co.
Ltd., K−402BStand.) を使用して測定することが
できる。なお、支持体上の塗膜層の除去は次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液を使用して行うことができる。また、走
査型電子顕微鏡を使用し、上記感光材料材の断面写真を
撮影(倍率は3,000倍以上が好ましい)し、支持体
上の全厚みを実測することもできる。
【0223】本発明における感光材料の膨潤率[(25
℃、H2 O中での平衡膨潤膜厚−25℃、55%RHで
の乾燥全膜厚/25℃、55%RHでの乾燥全膜厚)×
100]は50〜200%が好ましく、70〜150%
がより好ましい。膨潤率が上記数値よりはずれるとカラ
ー現像主薬の残存量が多くなり、また写真性能、脱銀性
などの画質、膜強度などの膜物性に悪影響を与えること
になる。
【0224】さらに、本発明における感光材料の膜膨潤
速度は、発色現像液中(38℃、3分15秒)にて処理
した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膨潤膜厚
とし、この1/2 の膜厚に到達するまでの時間を膨潤速度
T1/2 と定義したときに、T1/2 が15秒以下であるの
が好ましい。より好ましくは9秒以下である。
【0225】本発明に用いられる感光材料の写真乳剤層
に含有されるハロゲン化銀は、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化
銀、塩臭化銀、臭化銀、塩化銀いずれであってもよい。
好ましいハロゲン化銀は約0.1〜30モル%のヨウ化
銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀もしくはヨウ塩臭化
銀である。特に好ましいのは2〜25モル%のヨウ化銀
を含むヨウ臭化銀である。
【0226】写真乳剤のハロゲン化銀粒子は、立方体、
八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、
球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶
面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合
形でもよい。
【0227】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン
以下の微粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至る
までの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳
剤でもよい。
【0228】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.
17643(1978年12月) 、22〜23頁、
“I. 乳剤製造(Emulsion preparation and types)”
および同No. 18716(1979年11月)、648
頁、グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテ
ル社刊(P.Glafkides, Chimie et Physique Photograph
ique Paul Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤
化学」、フォーカルプレス社刊(G.F. Duffin,Photogra
phic Emulsion Chemistry (Focal Press, 1966))、
ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカル
プレス社刊(V. L. Zelikman et al.,Makingand Coatin
g Photographic Emulsion, Focal Press, 1964)な
どに記載された方法を用いて調製することができる。米
国特許第3,574,628号、同第3,655,39
4号及び英国特許第1,413,748号などに記載さ
れた単分散乳剤も好ましい。またアスペクト比が約5以
上であるような平板状粒子も本発明に使用できる。平板
状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィク・サイエンス・
アンド・エンジニアリング(Gutoff,Photographic Scie
nce and Engineering)、第14巻、248〜257頁
(1970年);米国特許第4,434,226号、同
第4,414,310号、同第4,430,048号、
同第4,439,520号および英国特許第2,11
2,157号などに記載の方法により調製することがで
きる。
【0229】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、相状構造
をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてもよい。
【0230】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤は、リサーチ・ディスクロ
ージャーNo. 17643(1978年12月)、同No.
18716(1979年11月)および、同No. 307
105(1989年11月)に記載されており、その該
当箇所を後掲の表にまとめた。本発明に使用できる公知
の写真用添加剤も上記の3つのリサーチ・ディスクロー
ジャー(RD)に記載されており、下記の表に関連する
記載箇所を示した。 添加剤の種類 〔RD17643 〕 〔RD18716 〕 〔RD307105〕 1. 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2. 感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜 649頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5. かぶり防止 24〜25頁 649頁右欄 868〜870 頁 剤、安定剤 6. 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜 650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 7. ステイン 25頁右欄 650頁左欄 872頁 防止剤 〜右欄 8. 色素画像 25頁 650頁左欄 872頁 安定剤 9. 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜875 頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874 頁 11. 可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 12. 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876 頁 表面活性剤 13. スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877 頁 防止剤 14. マット剤 878〜879 頁
【0231】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体的な具体例は、前出のRDNo.
17643、VII −C〜G及びRDNo. 307105、
VII−C〜Gに記載された特許に記載されている。
【0232】イエローカプラーとしては、例えば米国特
許第3,933,501号、第4,022,620号、
同第4,326,024号、同第4,401,752
号、同第4,248,961号、特公昭58−1073
9号、英国特許第1,425,020号、同第1,47
6,760号、米国特許第3,973,968号、同第
4,314,023号、同第4,511,649号、欧
州特許第249,473A号等に記載のものが好まし
い。
【0233】マゼンタカプラーとしては前記一般式
〔M〕及び/又は一般式(PA)で表わされるカプラー
と併用することができるカプラーは2当量及び/又は4
当量の5−ピラゾロン系カプラーが好ましく、米国特許
第4,310,619号、同第4,351,897号、
欧州特許第73,636号、米国特許第3,061,4
32号、同第3,725,064号、RDNo. 2422
0(1984年6月)、特開昭60−33552号、R
DNo. 24230(1984年6月)、特開昭60−4
3659号、同61−72238号、同60−3573
0号、同55−118034号、同60−185951
号、米国特許第4,500,630号、同第4,54
0,654号、同第4,556,630号、WO(PC
T)88/04795号等に記載のものが更に好まし
い。
【0234】シアンカプラーとしては、フェノール系お
よびナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,
052,212号、同第4,146,396号、同第
4,228,233号、同第4,296,200号、同
第2,369,929号、同第2,801,171号、
同第2,772,162号、同第2,895,826
号、同第3,772,002号、同第3,758,30
8号、同第4,334,011号、同第4,327,1
73号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特
許第121,365A号、同第249,453A号、米
国特許第3,446,622号、同第4,333,99
9号、同第4,753,871号、同第4,451,5
59号、同第4,427,767号、同第4,690,
889号、同第4,254,212号、同第4,29
6,199号、特開昭61−42658号等に記載のも
のが好ましい。
【0235】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、RDNo. 17643のVII −G項、
米国特許第4,163,670号、特公昭57−394
13号、米国特許第4,004,929号、同第4,1
38,258号、英国特許第1,146,368号、特
願平2−50137号に記載のものが好ましい。また、
米国特許第4,774,181号に記載のカップリング
時に放出された蛍光色素により発色色素の不要吸収を補
正するカプラーや、米国特許第4,777,120号に
記載の現像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカ
ーサー基を離脱基として有するカプラーを用いることも
好ましい。
【0236】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0237】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
第2,102,173号等に記載されている。
【0238】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出するカプラーも好ましく使用できる。現像時に画
像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出するカプラーと
しては、英国特許第2,097,140号、同第2,1
31,188号、特開昭59−157638号、同59
−170840号に記載のものが好ましい。
【0239】その他、本発明の感光材料に用いることの
できるカプラーとしては、米国特許第4,130,42
7号等に記載の競争カプラー、欧州特許第173,30
2A号に記載の離脱後復色する色素を放出するカプラ
ー、RDNo. 11449、同No. 24241、特開昭6
1−201247号等に記載の漂白促進剤放出カプラ
ー、米国特許第4,553,477号等に記載のリガン
ド放出カプラー、特開昭63−75747号に記載のロ
イコ色素を放出するカプラー、米国特許第4,774,
181号に記載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げ
られる。
【0240】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,
027号などに記載されており、水中油滴分散法に用い
られる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の
具体例としては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレ
ート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−
ジ−t−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−
ジ−t−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,
1−ジエチルプロピル)フタレートなど)、リン酸また
はホスホン酸のエステル類(トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジ
フェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデ
シルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、
トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキ
シルフェニルホスホネートなど)、安息香酸エステル類
(2−エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエ
ート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエー
トなど)、アミド類(N,N−ジエチルドデカンアミ
ド、N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシ
ルピロリドンなど) 、アルコール類またはフェノール類
(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−
アミルフェノールなど)、脂肪族カルボン酸エステル類
(ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチル
アゼレート、グリセロールトリブチレート、イソステア
リルラクテート、トリオクチルシトレートなど)、アニ
リン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−t
ertオクチルアニリンなど)、炭化水素類(パラフィ
ン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレンな
ど)などが挙げられる。また補助溶剤としては、沸点が
約30℃以上、好ましくは50℃以上約160℃以下の
有機溶剤などが使用でき、典型例としては酢酸エチル、
酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテー
ト、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
【0241】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,3
63号、西独特許出願(OLS)第2,541,274
号、同第2,541,230号などに記載されている。
【0242】また、これらのカプラーは前記の高沸点有
機溶媒の存在下または不存在下でローダブルラテックス
ポリマー(例えば米国特許第4,203,716号)に
含浸させて、または水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリ
マーに溶かして親水性コロイド水溶液に乳化分散させる
ことができる。好ましくは、国際公開番号WO88/0
0723号明細書の第12〜30頁に記載の単独重合体
または共重合体が用いられる。特にアクリルアミド系ポ
リマーの使用が色像安定化等の上で好ましい。
【0243】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRDNo.17643の28頁及び同No. 18
716の647頁右欄から648頁左欄に記載されてい
る。本発明は、種々の感光材料に適用することができ
る。特に一般用若しくは映画用のカラーネガフィルム、
スライド若しくはテレビ用の反転フィルムに使用するの
が好ましい。
【0244】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0245】実施例1 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料101を作製した。 (感光層組成)各成分に対応する数字は、g/m2単位で
表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換算
の塗布量を示す。ただし増感色素については、同一層の
ハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0246】(試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 第2層(中間層) 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18 EX−1 0.18 EX−3 0.020 EX−12 2.0×10-3 U−1 0.060 U−2 0.080 U−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.05
【0247】 第3層(第1赤感乳剤層) 乳剤 A 銀 0.25 乳剤 B 銀 0.25 増感色素 I 6.9×10-5 増感色素 II 1.8×10-5 増感色素 III 3.1×10-4 EX−2 0.17 EX−10 0.020 EX−11 0.09 EX−14 0.08 U−1 0.070 U−2 0.050 U−3 0.070 HBS−1 0.060 ゼラチン 0.85 第4層(第2赤感乳剤層) 乳剤 G 銀 1.00 増感色素 I 5.1×10-5 増感色素 II 1.4×10-5 増感色素 III 2.3×10-4 EX−2 0.20 EX−3 0.050 EX−10 0.015 EX−13 0.145 EX−14 0.10 EX−15 0.050 U−1 0.070 U−2 0.050 U−3 0.070 ゼラチン 1.30
【0248】 第5層(第3赤感乳剤層) 乳剤 D 銀 1.60 増感色素 I 5.4×10-5 増感色素 II 1.4×10-5 増感色素 III 2.4×10-4 EX−2 0.097 EX−3 0.010 EX−4 0.080 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.63 第6層(中間層) EX−5 0.040 HBS−1 0.020 ゼラチン 0.79
【0249】 第7層(第1緑感乳剤層) 乳剤 A 銀 0.15 乳剤 B 銀 0.15 増感色素 IV 3.0×10-5 増感色素 V 1.0×10-4 増感色素 VI 3.8×10-4 EX−1 0.021 EX−7 0.030 EX−8 0.025 M−22 0.23 HBS−1 0.29 HBS−3 0.004 ゼラチン 0.70 第8層(第2緑感乳剤層) 乳剤 C 銀 0.45 増感色素 IV 2.1×10-5 増感色素 V 7.0×10-5 増感色素 VI 2.6×10-4 EX−7 0.026 EX−8 0.018 M−22 0.083 HBS−1 0.27 HBS−3 5.0×10-3 ゼラチン 0.62
【0250】 第9層(第3緑感乳剤層) 乳剤 E 銀 1.20 増感色素 IV 3.5×10-5 増感色素 V 8.0×10-5 増感色素 VI 3.0×10-4 EX−1 0.013 M−31 0.065 M−36 0.020 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.53 第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.050 EX−5 0.080 HBS−1 0.030 ゼラチン 0.92
【0251】 第11層(第1青感乳剤層) 乳剤 A 銀 0.080 乳剤 B 銀 0.070 乳剤 F 銀 0.070 増感色素 VII 3.5×10-4 EX−8 0.042 EX−9 0.72 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.13 第12層(第2青感乳剤層) 乳剤 G 銀 0.45 増感色素 VII 2.1×10-4 EX−9 0.15 EX−10 7.0×10-3 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78 第13層(第3青感乳剤層) 乳剤 H 銀 0.77 増感色素 VII 2.2×10-4 EX−9 0.20 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.71
【0252】 第14層(第1保護層) 乳剤 I 銀 0.20 U−4 0.11 U−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.02 第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径 1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.12
【0253】更に、全層に保存性、処理性、圧力耐性、
防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくするため
に、W−1、W−2、W−3、B−4、B−5、F−
1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−6、F−
7、F−8、F−9、F−10、F−11、F−12、
F−13及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム
塩、ロジウム塩が含有されている。以下に使用したハロ
ゲン化銀乳剤及び化合物の構造式を示す。
【0254】
【表3】
【0255】
【化75】
【0256】
【化76】
【0257】
【化77】
【0258】
【化78】
【0259】
【化79】
【0260】
【化80】
【0261】
【化81】
【0262】
【化82】
【0263】
【化83】
【0264】
【化84】
【0265】
【化85】
【0266】
【化86】
【0267】
【化87】
【0268】
【化88】
【0269】試料101に続いて、第7層、第8層及び
第9層に使用している主マゼンタカプラーを下記表4に
示すように変更し、HBS−1/カプラーの重量比が試
料101と同じになるように調整し、他は変更すること
なしに試料を作製した。
【0270】
【表4】
【0271】
【化89】
【0272】作製したこれらの試料は白光(色温度48
00°K)のウェッジ露光を与えてから、以下に示す処
理で安定液を変更して処理した。処理工程及び処理液を
次に示す。
【0273】 〔処 理 工 程〕 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分05秒 38.0 ℃ 600ml 5000ml 漂 白 50秒 38.0 ℃ 140ml 3000ml 漂白定着 50秒 38.0 ℃ − 3000ml 定 着 50秒 38.0 ℃ 420ml 3000ml 水 洗 30秒 38.0 ℃ 980ml 2000ml 安定 (1) 20秒 38.0 ℃ − 2000ml 安定 (2) 20秒 38.0 ℃ 560ml 2000ml 乾 燥 1分 60 ℃ *補充量は感光材料1m2当たりの量 水洗水は(2) から(1) への向流方式であり、水洗水のオ
ーバーフロー液は全て定着浴へ導入した。漂白定着浴へ
の補充は、自動現像機の漂白槽の上部と漂白定着槽底部
並びに定着槽の上部と漂白定着槽底部とをパイプで接続
し、漂白槽、定着槽への補充液の供給により発生するオ
ーバーフロー液の全てが漂白定着浴に流入されるように
した。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液の
漂白定着工程への持ち込み量、漂白定着液の定着工程へ
の持ち込み量及び定着液の水洗工程への持ち込み量は感
光材料1m2当たりそれぞれ65ml、50ml、50ml、5
0mlであった。また、クロスオーバーの時間はいずれも
5秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含され
る。
【0274】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.2 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.3 3.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.2 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 ヨウ化カリウム 1.3 mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロ キシエチル)アミノ〕アニリン硫酸塩 4.5 6.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.15
【0275】 (漂白液) 母液(g) 補充液(g) 1 ,3−プロピレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニ ウム−水塩 144.0 206.0 臭化アンモニウム 84.0 120.0 硝酸アンモニウム 17.5 25.0 ヒドロキシ酢酸 63.0 90.0 酢酸 54.2 80.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水で調整〕 3.80 3.60
【0276】(漂白定着液母液)上記の漂白液母液と下
記定着液母液の15対85の混合液
【0277】 (定着液) 母液(g) 補充液(g) 亜硫酸アンモニウム 19.0 57.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/ リットル) 280ml 840ml イミダゾール 28.5 85.5 エチレンジアミン四酢酸 12.5 37.5 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.40 7.45
【0278】(水洗水) 母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強
塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIRA−4
00)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及
びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理
し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/
リットルと硫酸ナトリウム150mg/リットルを添加し
た。この液のpHは6.5−7.5の範囲にあった。
【0279】 (安定液) 母液、補充液共通 (単位 g) 添加剤(表5及び表6参照) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.3g ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度 10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 水を加えて 1.0リットル pH 7.2
【0280】処理して得られた試料は、その画像の安定
性を評価するために次の実験を行った。 (1) マゼンタステインを評価するために、処理済みの試
料を40℃、80%RHの条件下に90日間保存し、テ
スト終了後とテスト開始前の緑色光(G)で測定した最
小濃度値の差(△Gmin)を求めた。 (2) マゼンタ色像の光堅牢性を評価するために、蛍光灯
退色試験器を使用し、1万ルックスで7日間照射した。
この時、蛍光灯退色試験器内の相対湿度が75%(30
℃)になるように保持した。色像の光堅牢性の評価はテ
スト開始前、G光で測定した最小濃度+濃度2.0の濃
度を与える露光量のところのテスト終了後の濃度を測定
しその濃度差(△DG ) を算出した。 これらの結果は、安定液の添加剤とともにまとめて表5
及び表6に示す。
【0281】
【表5】
【0282】
【表6】
【0283】表5及び表6から明らかなように、本発明
の前記一般式〔M〕で表わされるカプラーを使用した試
料101及び102、前記本発明のマゼンタポリマーカ
プラーを使用した試料103及び104それに一般式
〔M〕で表わされるカプラーと本発明のマゼンタポリマ
ーカプラーを混用した試料105は、安定液に本発明の
化合物を用いたとき、高湿下におけるステイン増加の抑
制及び光堅牢性に優れていることがわかる。また、本発
明の一般式(A)で表わされる化合物においても、(A
−1)と(A−34)を比較したとき、(A−1)の方
が優れていることも明らかであり、このことから不飽和
の複素環環系化合物の方が良好な結果をもたらすことが
わかる。さらに、本発明の一般式(A)で表わされる化
合物を使用した処理液No. 1とNo. 2、及び一般式
(X)で表される化合物を使用した処理液No. 7とNo.
8は比較の処理液No. 5に比較してホルムアルデヒド臭
は全く感じられなかった。従って作業環境の改善を図る
ことができる。
【0284】実施例2 先の実施例1、試料101を基本にし、各層に使用して
いる化合物類は変更することなしに、ただ使用ゼラチン
量のみを低減して、支持体、支持体の下塗り層及びバッ
ク層を除いた全乾燥膜厚を下記表7に示すように変更し
て試料を作製した。
【0285】
【表7】
【0286】これら作製した試料201〜203は先の
試料101とともに白光のウェッジ露光を与え、実施例
1に示した処理No. 2の安定液を用い同様の処理を実施
した。得られた試料は実施例1に準じてその色画像安定
性を同様の方法で求めた。結果は表8に示す。
【0287】
【表8】
【0288】表8の結果から、支持体、支持体の下塗り
層及びバック層を除いた全層の乾燥膜厚をゼラチン量を
低減して薄層化した試料201〜203は明らかに高湿
下におけるマゼンタステイン及びマゼンタ色画像の光堅
牢を良化することがわかる。また、膜厚をより低減する
ことにより、さらに色画像の安定性が向上することが試
料101、試料201〜203の相互比較から明らかで
あり、16.0μm以下にすることがより好ましいこと
がわかる。更に、実施例1の処理No. 7及び8を用いて
同様に膜厚の依存性を調べた所、やはり同様な結果が得
られた。
【0289】実施例3 実施例2で作製した試料203を用い、実施例1におけ
る処理で安定液の処理No. 2及びNo. 3に、表9に示す
ようにトリエタノールアミン0.01モル/リットル及
び一般式(B)もしくは一般式(C)で表わされる化合
物として(B−1)、(C−45)をそれぞれ25mg/
リットルを添加した安定液を用いて実施例1と同様の処
理を行い、同様に色画像の安定性について調べた。結果
は表9に示す。
【0290】
【表9】
【0291】表9から明らかなように、本発明の前記一
般式〔M〕で表わされるカプラーを含有する感光材料は
処理の安定液に本発明の前記一般式(A)で表わされる
ホルムアルデヒド放出化合物を含有し、かつその安定液
にアルカノールアミンもしくは前記一般式(B)または
一般式(C)で表わされる化合物を含有させることによ
り、高湿条件下でのマゼンタステインや色像の光堅牢性
をさらに改良し、優れた色画像の保存性を示すことがわ
かる。また、アルカノールアミンと一般式(B)または
一般式(C)で表わされる化合物を併用することによ
り、さらに良好な色画像の保存性を示すことも明らかで
ある。また、試料203の代わりに試料103を用いて
同様なテストを行ったところ、同様な効果が見られた。
更に、上記のテストにおいて安定液を実施例1の処理N
o. 7及び8にして、同様にアルカノールアミンもしく
は前記一般式(B)または一般式(C)で表わされる化
合物の効果を調べた所、やはり安定液No. 2と同様な効
果が得られた。
【0292】実施例4 特開平2−854号実施例1の試料101に準じ、第7
層のカプラー(C−3)を本発明の前記一般式〔M〕で
表わされるカプラー(M−35)に等モル量置き換えて
試料401を作製した。なお、カプラー(C−3)は本
発明の例示カプラー(M−7)に、カプラー(C−4)
は本発明の例示カプラー(P−3)に相当する。なお、
各層の膜厚はゼラチン量を低減し下記の膜厚構成にし
た。 第1層 1.5μm 第2層 0.8μm 第3層 0.6μm 第4層 1.5μm 第5層 1.5μm 第6層 0.8μm 第7層 (変化なし) 第8層 1.2μm 第9層 1.2μm 第10層 0.8μm 第11層 0.8μm 第12層 1.2μm 第13層 2.8μm 第14層 1.5μm 第15層 0.6μm この時の第1層から第15層までの全乾燥膜厚は17.
5μmである。試料401を用い、白光のウェッジ露光
を与え、以下に示す処理を実施した。
【0293】 〔処理工程〕 処理工程 時 間 温 度 タンク容量 補充量 〔リットル〕 〔リットル/m2〕 黒白現像 6分 38℃ 12 2.2 第一水洗 2〃 38〃 4 7.5 反 転 2〃 38〃 4 1.1 発色現像 6〃 38〃 12 2.2 調 整 2〃 38〃 4 1.1 漂 白 4〃 38〃 12 0.22 定 着 3〃 38〃 8 1.1 第二水洗 4〃 38〃 8 7.5 安 定 1〃 25〃 2 1.1 乾 燥 2〃 50〃 − − 各処理液の組成は以下の通りであった。
【0294】 (黒白現像液) スタート液 補充液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホ 2.0g 2.0g ン酸・5ナトリウム塩 亜硫酸ナトリウム 30g 30g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20g 20g 炭酸カリウム 33g 33g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシ 2.0g 2.0g メチル−3−ピラゾリドン 臭化カリウム 2.5g 1.4g チオシアン酸カリウム 1.2g 1.2g ヨウ化カリウム 2.0mg − 水を加えて 1リットル 1リットル pH 9.60 9.60 pHは、塩酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0295】 (反転液) スタート液 補充液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホ 3.0g 母液に同じ ン酸・5ナトリウム塩 塩化第一スズ・2水塩 1.0g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8g 氷酢酸 15ミリリットル 水を加えて 1リットル pH 6.00 pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0296】 (発色現像液) スタート液 補充液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホ 2.0g 2.0g ン酸・5ナトリウム塩 亜硫酸ナトリウム 7.0g 7.0g リン酸3ナトリウム・12水塩 36g 36g 臭化カリウム 1.0g − ヨウ化カリウム 90mg − 水酸化ナトリウム 3.0g 3.0g シトラジン酸 1.5g 1.5g N−エチル−(β−メタンスルホンアミドエ 11g 11g チル)−3−メチル−4−アミノアニリン 硫酸塩 3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール 1.0g 1.0g 水を加えて 1リットル 1リットル pH 11.80 12.00 pHは、塩酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0297】 (調整液) スタート液 補充液 エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム塩・ 8.0g 母液に同じ 2水塩 亜硫酸ナトリウム 12g 1−チオグリセリン 0.4 ミリリットル ソルビタン・エステル※ 0.1 g 添加剤 (表10参照) 水を加えて 1リットル pH 6.20 pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0298】 (漂白液) スタート液 補充液 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・ 2.0g 4.0g 2水塩 エチレンジアミン4酢酸・Fe(III)・ 120g 240g アンモニウム・2水塩 臭化カリウム 100g 200g 硝酸アンモニウム 10g 20g 水を加えて 1リットル 1リットル pH 5.70 5.50 pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0299】 (定着液) スタート液 補充液 チオ硫酸アンモニウム 8.0g 母液に同じ 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1リットル pH 6.60 pHは、塩酸又はアンモニア水で調整した。
【0300】 (安定液) スタート液 補充液 添加剤 (表10,11 参照) 母液に同じ ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニル 0.5ミリリットル エーテル(平均重合度10) 水を加えて 1リットル pH 調整せず ソルビタン・エステル※
【0301】
【化90】
【0302】処理して得られた試料は、実施例1に記載
の方法に従ってその色画像の保存性、△Gmin 及び△D
G を評価した。結果は同じく表10に示す。
【0303】
【表10】
【0304】
【表11】
【0305】表10、11から明らかであるが本発明の
前記一般式〔M〕で表わされるカプラー及び一般式(P
A)で表わされる単量体から形成される構成単位を有す
るポリマーカプラーを使用した感光材料は、本発明の前
記一般式(A)や一般式(X)で表わされる化合物を含
有する処理液で処理することにより、マゼンタステイン
及びマゼンタ色画像の光堅牢が改善されることがわか
る。なお、処理No. 4−2、4−3と処理No. 4−4、
4−5の相対比較から、本発明の感光材料においてはホ
ルマリンによる色画像保存性の効果のないこともわか
る。また前記一般式(A)や一般式(X)で表わされる
化合物を含有する処理液が処理工程の最終浴である場
合、色像保存性の効果が大きいこともわかる。
【0306】実施例5 実施例4で作製した試料401において、第3層のカプ
ラー(C−1)の1/5モル量を本発明の前記一般式
〔M〕で表わされるカプラー(M−34)に、カプラー
(C−2)の全量を同じく(M−33)に等モル量それ
ぞれ置き換えて、他は変更なしに試料501を作製し
た。この試料501と試料401に先と同様に白光のウ
ェッヂ露光を与えてから、実施例4の処理No. 4−1、
4−8及び4−12の処理を行った。得られた色画像の
シアン像の光堅牢性(△DR ) 及びシアンステイン(△
Rmin)について実施例1と同様の方法で評価した。結果
は表12に示す。
【0307】
【表12】
【0308】表12から明らかなように、本発明の前記
一般式〔M〕で表わされるカプラーが長波長吸収のシア
ン色像を与えるカプラーであっても、本発明の前記一般
式(A)や一般式(X)で表わされる化合物を含有する
処理液で処理することにより、シアンステインの発生は
小さく、色画像の光堅牢も高くなることがわかり、効果
のあることが明らかである。
【0309】
【発明の効果】本発明の前記一般式〔M〕で表わされる
カプラー及び/または一般式(PA)で表わされる単量
体から形成される構成単位を有するポリマーカプラーを
含有するカラー感光材料が像様露光後、カラー現像処理
され、得られる色画像を高湿の条件下に保存したとき、
発生するステイン及び色画像の光退色は、本発明の前記
一般式(A)及び/または一般式(X)で表わされる化
合物を含有する処理液で処理することによってステイン
及び光退色を防止することができる。また、本発明の前
記一般式(A)及び/または一般式(X)で表わされる
化合物を使用した処理液は、ホルムアルデヒド臭を全く
感じさせないものであり、作業環境を改善した処理方法
をも提供するものである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔M〕で表わされるカプラー
    及び/または一般式(PA)で表わされる単量体から形
    成される構成単位を有するポリマーカプラーを含有する
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料を、下記一般式(A)
    及び/または一般式(X)で表わされる化合物を含有す
    る処理液で処理することを特徴とするハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料の処理方法。 一般式(A) 【化1】 (式中、Xは4〜8員環を形成するのに必要な非金属原
    子群である。但し、それぞれの窒素原子と結合する原子
    は炭素原子、酸素原子または硫黄原子から選択された原
    子である。) 一般式(X) 【化2】 (上記一般式(X)において、X単環の含窒素ヘテ
    ロ芳香環を形成するのに必要な非金属原子群を表わす。
    RaおよびRbは同一でも異なってもよく、それぞれア
    ルキル基またはアルケニル基を表わす。RaとRbは互
    いに結合して4〜8員環を形成してもよい。) 一般式〔M〕 【化3】 (式中、Rは水素原子または置換基を表わす。Zは窒
    素原子を2〜3個含むアゾール環を形成するのに必要な
    非金属原子群を表わし、該アゾール環は置換基(縮合環
    を含む)を有してもよい。Yは水素原子または芳香族第
    1級アミン発色現像主薬の酸化体とのカップリング反応
    時に離脱可能な基を表わす。) 一般式(PA) 【化4】 (式中、R121は水素原子、炭素数1〜4個のアルキ
    ル基または塩素を表わし、−D−は−COO−、−CO
    N(R122)−、または置換もしくは無置換のフェニ
    ル基を表わし、−E−は置換もしくは無置換のアルキレ
    ン基、フェニレン基またはアラルキレン基を示し、−F
    −は−CON(R122)−、−N(R122)CON
    (R122)−、−N(R122)COO−、−N(R
    122)CO−、−OCON(R122)−、−N(R
    122)−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O
    −、−S−、−SO−、−N(R122)SO−、
    または−SON(R122)−を表わす。R122
    水素原子または置換または無置換の脂肪族基またはアリ
    ール基を表わす。R122は同一分子中に2個以上ある
    ときは、同じでも異なっていてもよい。Tは5−ピラゾ
    ロンマゼンタカプラー残基を表わす。p、q、rは0ま
    たは1を表わす。ただし、p、q、rが同時に0である
    事はない。)
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀カラー写真感光材料の支持
    体、支持体の下塗り層及びバック層を除く全層の乾燥膜
    厚が18.0μm以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 一般式(A)及び/または一般式(X)
    で表わされる化合物を含有する処理液が、発色現像工程
    後の処理工程で用いられる処理液であることを特徴とす
    る請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 一般式(A)及び/または一般式(X)
    で表わされる化合物を含有する処理液がアルカノールア
    ミン化合物を更に含有することを特徴とする請求項3に
    記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 一般式(A)及び/または一般式(X)
    で表わされる化合物を含有する処理液が下記一般式
    (B)もしくは一般式(C)で表わされる化合物の少な
    くとも1種を更に含有することを特徴とする請求項4に
    記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。 一般式(B) 【化5】 (式中、R41は水素原子、アルキル基またはアルコキ
    シ基、R42、R43およびR44は、各々水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、
    またはニトロ基を表わす。) 一般式(C) 【化6】 (式中、R51は水素原子、アルキル基、環状アルキル
    基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CO
    NHR54基(R54は、アルキル基、アリール基、ア
    ルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル
    基、またはアリールスルホニル基を表わす。)または複
    素環基を表わし、R52およびR53は、各々水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、環状アルキル基、アリ
    ール基、複素環基、シアノ基、アルキルチオ基、アリー
    ルチオ基、アルキルスルホオキシド基、アルキルスルフ
    ィニル基または、アルキルスルホニル基を表す。)
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