JP2821744B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JP2821744B2 JP63032502A JP3250288A JP2821744B2 JP 2821744 B2 JP2821744 B2 JP 2821744B2 JP 63032502 A JP63032502 A JP 63032502A JP 3250288 A JP3250288 A JP 3250288A JP 2821744 B2 JP2821744 B2 JP 2821744B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
に関する。更に詳しくは迅速処理における未露光部のス
テインの発生を抑制するハロゲン化銀カラー写真感光材
料(以下、単に「感光材料」ということもある)の処理
方法に関するものである。
[発明の背景] 一般に像様露光された感光材料を処理してカラー画像
を得るには、発色現像工程の後に、生成された金属銀を
脱銀し、その後水洗、安定ないし水洗代替安定等の処理
工程が設けられる。
しかるに、感光材料は各ラボラトリーに設けられた自
動現像機にてランニング処理することが行われている
が、ユーザーに対するサービス向上の一環として、現像
受付日その日の内に現像処理してユーザーに返還するこ
とが要求され、近時では、受付から数時間で返還するこ
とさえも要求されるようになり、ますます迅速処理技術
の開発が急がれている。
その結果として、現在の主要なカラー感光材料の処理
時間・工程・温度は次のようなレベルに達している。即
ち、カラー印画紙の現像時間は8.5分、処理温度は33℃
で発色現像3.5分、漂白定着1.5分、水洗3.5分の3工程
からなり、これに含まれるシステム技術は米国特許3,58
2,322号及び西独公開特許(OLS)2,160,872号等に開示
されている。
カラーネガフィルムの現像時間は、発色現像3分15
秒、漂白6分30秒、定着4分20秒、水洗2分10秒、色素
画像安定浴1分05秒程度で処理温度は約38℃である。こ
れに含まれるシステム技術は米国防衛特許(US Dufensi
ve Publication)910002、特開昭49−5630号及び同49−
121541号に開示されているようにFe(III)EDTA錯塩と
ハライドイオンにより漂白を行った後定着を行う方法で
ある。
カラーリバーサルフィルムでは、汎用現像処理の中で
とくに迅速な処理はテレビ用カラーリバーサル処理で米
国特許3,707,374号に開示された過硫酸塩を酸化剤とし
て使用し、チオール化合物を漂白の促進に利用すること
により全工程を11分程度で済ませることができる。この
とき処理温度は41〜45℃であった。
また、汎用とは云えないまでも既知の迅速現像処理に
は、8ミリカラー映画用のEM25処理(イーストマン・コ
ダック社)は52℃10分であり、この高温度の処理に耐え
られるように、処理の第1工程を硬膜浴(前硬膜と呼ば
れる)で開始させる特殊な工程で行われる。
処理の迅速化の技術として、脱銀工程の迅速化につい
て述べると次のようである。脱銀工程は、漂白と定着の
二段階で行う場合と、それらを一体化した漂白定着によ
る一段階で行う場合とがある。前者では赤血塩、過硫酸
塩、塩化第2鉄、鉄(III)EDTA錯塩を代表とする鉄(I
II)有機酸錯塩、コバルト(III)EDTAやヘキサアンミ
ンコバルト(III)錯塩などのコバルト(III)錯塩など
の酸化剤と臭化アルカリや臭化アンモニウムなどの銀電
位調節剤を組み合わせたものが広く用いられる。この中
では、廃液の低公害性からFe(III)アミノポリカルボ
ン酸錯塩を酸化剤とするものがとくに多用されている。
続く定着工程は一般にはチオ硫酸塩を主剤とする定着液
によって行われる。漂白定着液により一段階処理する場
合には酸化剤と定着剤の共存液の安定性の点から鉄(II
I)有機酸錯塩とりわけ鉄(III)アミノポリカルボン酸
錯塩とチオ硫酸塩から成る一浴液が汎用されている。
また、漂白と定着とを一浴で行うことによって迅速化
した例がある。例えば米国特許3,372,030号には、発色
現像・漂白定着・水洗から成る29.5℃5分の迅速なカラ
ー印画紙専用処理が可能なことが開示されている。ユニ
カラー(Unicalor)社も類似した迅速、カラーネガ・印
画紙用現像処理を開発している(29.5℃、7〜11分、例
えば“ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ホトグラフ
ィー(British Journal of Photohraphy)”、1970年1
月30日号、第114頁参照)。
[発明が解決しようとする課題] 前記した従来技術においては、二段階処理にしても、
一段階処理にしても、鉄(III)アミノポリカルボン酸
錯塩を用いる汎用技術の迅速化の観点から、温度依存
性が小さく温度を上げることによる時間短縮は期待でき
ないこと、漂白促進剤による大幅な迅速化がすでに達
せられており、さらに漂白促進剤技術による促進の見通
しに乏しいこと、酸化剤と定着剤の濃度は十分に高
く、さらに高濃度化しても迅速化への寄与に余り期待で
きないことなどがある。要するに、現在レベルよりもさ
らに迅速化させる手段が欠如している点である。
この問題は、とくに漂白定着液にあてはまることであ
る。就中、発色現像後直ちに漂白定着する処理において
特にあてはまることである。
この点に関し、特開昭62−2255号では、脱銀工程に直
接続けて画像安定浴工程を設けると共に、この両工程を
50℃以上の温度で行うことを提案しているが、この技術
によれば、未露光部にステインが発生したりすることに
よって、感光材料が例えばペーパーの場合、見かけの白
さが悪化する欠点が見られることが判明した。例えば発
色現像液の発色現像主薬としてp−フェニレンジアミン
誘導体を0.2モル/l以上の濃度で用いたり、或いは45℃
以上の高温処理をしたりすると、該発色現像主薬が酸化
され、特に発色現像液が高温で保存状態になると発生
し、連続処理で大となることが判明した。また、シアン
カプラーとして特定の化合物を用い、高温度による水洗
代替安定化処理と組合せた場合に問題があることが判明
した。
[発明の目的] 従って本発明の第1の目的は、脱銀を迅速かつ十分に
達成することができるだけでなく、未露光部のステイン
の発生を抑制できるハロゲン化銀カラー写真感光材料の
処理方法を提供することであり、本発明の第2の目的
は、水洗の場合に限らず、特に水洗代替安定化処理と組
合せた場合にも未露光部のステインの発生を抑制しうる
処理方法を提供することである。
[発明の構成] 上記目的を達成する本発明の処理方法は、第一現像、
停止処理は無く発色現像処理後直ちに漂白定着液による
処理を行うハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
において、該ハロゲン化銀カラー写真感光材料が下記一
般式[C−1]、[C−2]又は[C−3]で表される
シアンカプラーを含有し、該発色現像処理に使用する発
色現像液の現像主薬濃度が0.015モル/l以上であり、該
発色現像処理時間が5〜120秒であり、該漂白定着液に
よる処理が鉄(III)イオンを0.25モル/l以上含有する
漂白定着液によって45℃〜90℃の処理温度で行われ、か
つ該漂白定着液のpHが4〜6.5であることを特徴とす
る。
一般式[C−1] 式中、R及びR1は一方が水素原子であり、他方が少な
くとも炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキル基であ
り、Xは水素原子又は芳香族第1級アミノ発色現像主薬
の酸化体とのカプリング反応により離脱しうる基を表
し、R2はバラスト基を表す。
一般式[C−2] 一般式[C−3] 一般式[C−2],[C−3]中、Yは−COR4−CONHCOR4または−CONHSO2R4(但しR4はアルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘ
テロ環基を表し、R5は水素原子、アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロ環基
を表し、R4とR5とが互いに結合して5ないし6員のヘテ
ロ環を形成してもよい。)を表し、R3はバラスト基を表
し、Zは水素原子又は芳香族第1級アミノ発色現像主薬
の酸化体とのカプリング反応により離脱しうる基を表
す。
本発明の好ましい実施態様は、漂白定着処理及び該
処理に続けて行う水洗又は安定化処理が全て45℃以上、
特に50℃以上、更に60℃以上の処理温度であり、漂白
定着液による処理が鉄(III)イオンを0.25〜1.0モル/
l、特に0.3〜0.8モル/l含有する漂白定着液によって処
理温度が50℃〜90℃で、かつpH5.0〜6.4、特に5.5〜6.3
で行われること、発色現像工程が、発色現像主薬の濃
度が0.2モル/l以上であること、および/又は処理温度
が45℃以上であること、である。
[発明の具体的構成] 以下、本発明について詳述する。
本発明の漂白定着液に用いられる漂白剤は、アミノポ
リカルボン酸鉄(III)錯塩が好ましい。これはIII価の
鉄(第2鉄)イオンとアミノポリカルボン酸またはその
塩との錯体である。
これらのアミノポリカルボン酸及びその塩の代表例と
しては、 [A−1]エチレンジアミン四酢酸またはその塩(アン
モニウム、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミ
ン等の塩) [A−2]トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四
酢酸またはその塩(〃) [A−3]ジヒドロキシエチルグリシン酸またはその塩
(〃) [A−4]1,3−ジアミノプロパン−2−オール四酢酸
またはその塩(〃) [A−5]1,3−ジアミノプロパン四酢酸またはその塩
(〃) [A−6]1,2−ジアミノプロパン四酢酸またはその塩
(〃) [A−7]ジエチレントリアミン五酢酸またはその塩
(〃) [A−8]エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニ
ル酢酸またはその塩(〃) [A−9]ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ま
たはその塩(〃) [A−10]エチレンジアミンジプロピオン酸またはその
塩(〃) [A−11]エチレンジアミンジ酢酸またはその塩(〃) [A−12]グリコールエーテルジアミン四酢酸またはそ
の塩(〃) [A−13]ヒドロキシエチルイミノジ酢酸またはその塩
(〃) [A−14]ニトリロトリ酢酸またはその塩(〃) [A−15]ニトリロ三プロピオン酸またはその塩(〃) [A−16]トリエチレンテトラミン六酢酸またはその塩
(〃) [A−17]エチレンジアミン四プロピオン酸またはその
塩(〃) などを挙げることができる。もちろんこれらの例示化合
物に限定されない。
これらの化合物では特にA−1,A−2,A−5,A−6,A−7,
A−12が好ましい。
アミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は錯塩の形で使
用してもよいし、鉄(III)塩、例えば硫酸第2鉄、塩
化第2鉄、酢酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、燐酸
第2鉄などとアミノポリカルボン酸またはその塩を用い
て溶液中で鉄(III)イオン錯塩を形成させてもよい。
錯塩の形で使用する場合は、1種類の錯塩を用いてもよ
いし、また2種類以上の錯塩を用いてもよい。一方、第
2鉄塩とアミノポリカルボン酸を用いて溶液中で錯塩を
形成する場合は第2鉄塩を1種類または2種類以上使用
してもよい。更にアミノポリカルボン酸を1種類または
2種類以上使用してもよい。また、いずれの場合にも、
アミノポリカルボン酸を鉄(III)イオン錯塩を形成す
る以上に過剰に用いてもよい。アミノポリカルボン酸及
び鉄錯塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム
塩、またはトリエタノールアミン塩として用いてもよ
く、これらを2種類以上併用してもよい。
また上記の鉄(III)イオン錯体を含む漂白定着液に
は鉄以外のコバルト、銅、ニッケル、亜鉛等の金属イオ
ン錯塩が入っていてもよい。
本発明において用いられる漂白定着液1当たりの漂
白剤の量は0.25モル以上であり、好ましくは0.25モル〜
3.0モルであり、更に好ましくは0.35モル〜1.0モルであ
る。
本発明において、定着剤としては例えばチオ硫酸ナト
リウム、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸カリウムの如
きチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸
アンモニウム、チオシアン酸カリウムの如きチオシアン
酸塩、チオ尿素、チオエーテル、ヨウ素イオン等を単用
又は併用することができる。ここでヨウ素イオンを定着
剤として使用するとは150g/l以上含有させることであ
る。
ヨウ素イオンを150g/l以上漂白定着液に含有させる場
合には特公昭61−13579号、同60−10303号、特開昭52−
134433号及び同52−145029号に記載の内容を参照するこ
とができる。
本発明に用いられる漂白定着液には、各種の添加剤を
含有させることができる。
例えば本発明の漂白定着液には、分子構造中にピロリ
ドン核を有する化合物を好ましく用いることができる。
その添加量は1〜100g/lが好ましく、より好ましくは5
〜50g/lであり、その他の詳細は特願昭61−298499号に
述べてある。
漂白定着後は、水洗を行わず安定処理することもでき
るし、水洗処理し、その後安定処理してもよい。以上の
工程の他に硬膜、中和、黒白現像、反転、少量水洗工程
等、必要に応じて既知の補助工程が付加えられてもよ
い。好ましい処理方法の代表的具体例を挙げると、下記
の諸工程が含まれる。
(1)発色現像→漂白定着→水洗 (2)発色現像→漂白定着→少量水洗→水洗 (3)発色現像→漂白定着→水洗→安定 (4)発色現像→漂白定着→安定 (5)発色現像→漂白定着→第1安定→第2安定 本発明において漂白定着の処理時間は迅速性の観点か
らして10秒〜240秒が好ましく、より好ましくは20秒〜1
50秒が適当である。
本発明の漂白定着液による処理の前に使用される発色
現像液に用いられる芳香族第1級アミン発色現像主薬
は、種々のカラー写真プロセスにおいて広範囲に使用さ
れている公知のものが包含される。これらの現像剤はア
ミノフェノール系及びp−フェニレンジアミン系誘導体
が含まれる。これらの化合物は遊離状態より安定のため
一般に塩の形、例えば塩酸塩または硫酸塩の形で使用さ
れる。また、これらの化合物は、一般に発色現像液1
について約0.1g〜約30gの濃度、更に好ましくは1に
ついて約1g〜約15gの濃度で使用する。
本発明の発色現像工程は、発色現像主薬の濃度が0.2
モル/l以上であること、および/又は処理温度が45℃以
上であることが好ましい。
本発明に好ましく用いられるアミノフェノール系現像
剤としては、例えばo−アミノフェノール、p−アミノ
フェノール、5−アミノ−2−オキシトルエン、2−ア
ミノ−3−オキシトルエン、2−オキシ−3−アミノ−
1,4−ジメチルベンゼン等が含まれる。
特に有用な芳香族第1級アミン発色現像剤はN,N−ジ
アルキル−p−フェニレンジアミン系化合物であり、ア
ルキル基及びフェニル基は置換されていても、あるいは
置換されていなくてもよい。その中でも特に有用な化合
物としてはN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン塩
酸塩、N−メチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩、N,
N−ジメチル、p−フェニレンジアミン塩酸塩、2−ア
ミノ−5−(N−エチル−N−ドデシルアミノ)−トル
エン、N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ル−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩、N−エチ
ル−N−β−ヒドロキシエチルアミノアニリン、4−ア
ミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン、4−アミ
ノ−N−(2=メトキシエチル)−N−エチル−3−メ
チルアニリン−p−トルエンスルホネート等を挙げるこ
とができる。
前記パラフェニレンジアミン系発色現像主薬が、本発
明の漂白定着液に混入されたときに本発明は有効に作用
する。
本発明の漂白定着液による処理の前に使用されるアル
カリ性発色現像液は、前記芳香族第1級アミン系発色現
像剤に加えて、更に発色現像液に通常添加されている種
々の成分、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等のアルカリ剤、アルカリ金属亜硫酸塩、
アルカリ金属重亜硫酸塩、アルカリ金属チオシアン酸
塩、アルカリ金属ハロゲン化物、ベンジルアルコール、
ジエチレントリアミン五酢酸、1−ヒドロキシエチレン
−1,1−ジホスホン酸等の水軟化剤及び濃厚化剤等を任
意に含有することができる。これらの発色現像液のpH
は、通常7以上であり、最も一般的には約10〜約13であ
る。発色現像の処理時間は5秒〜120秒である。処理温
度は30℃以上が好ましく、より好ましくは45℃〜70℃、
特に50℃〜70℃である。
上記のように本発明の処理方法においては、発色現像
後、続いて漂白定着し、漂白定着後は水洗又は水洗代替
安定化処理を行い、その後通常の安定処理をしてもよ
い。
本発明において「水洗代替安定液による処理」とは漂
白定着液による処理後直ちに安定化処理してしまい実質
的に水洗処理を行わない安定化処理のための処理を指
し、該安定化処理に用いる処理液を水洗代替安定液とい
い、処理槽を水洗代替安定浴(槽)又は安定浴(槽)と
いう。
本発明において水洗代替安定槽は1槽でもよいが、望
ましくは2〜3槽であり、多くても9槽以下であること
が好ましい。即ち、補充量が同じであれば、槽が多けれ
ば多いほど最終水洗代替安定浴中の汚染成分濃度は低く
なる。
上記の如く本発明の水洗代替安定液による処理は漂白
安定液による処理後、行われるものである。
本発明において水洗代替安定液に好ましく用いられる
化合物としては鉄イオンに対するキレート安定度定数が
8以上であるキレート剤が挙げられ、これらは本発明の
目的を達成する上で好ましく用いられる。
ここにキレート安定度定数とは、L.G.Sillen・A.E.Ma
rtell著、"Stability Constants of Metalion Complexe
s",The Chemical Society,London(1964)。S.Chaberek
・A.E.Martell著、"Organic Sequestering Agents",Wil
ey(1959)等により一般に知られた定数を意味する。
本発明の水洗代替安定液に好ましく用いられる鉄イオ
ンに対するキレート安定度定数が8以上であるキレート
剤としては、有機カルボン酸キレート剤、有機リン酸キ
レート剤、無機リン酸キレート剤、ポリヒドロキシ化合
物等が挙げられる。なお上記鉄イオンとは、第2鉄イオ
ン(Fe3+)を意味する。
第2鉄イオンとのキレート安定度定数が8以上である
キレート剤の具体的化合物例としては、下記化合物が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。即ち、
エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸、ジ
アミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエ
チレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、
エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオ
ン酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒ
ドロキシエチルイミノ二酢酸、ジアミノプロパノール四
酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコ
ールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ
キスメチレンホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホ
ン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、1,1−ジホスホノエタン−2−カルボン酸、2−ホ
スホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキ
シ−1−ホスホノプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、
カテコール−3,5−ジホスホン酸、ピロリン酸ナトリウ
ム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナ
トリウムが挙げられ、特に好ましくはジエチレントリア
ミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロトリメチレンホ
スホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
ン酸等であり、中でも1−ヒドロキシエチリデン−1,1
−ジホスホン酸が最も好ましく用いられる。
上記キレート剤の使用量は水洗代替安定液1当り0.
01〜50gが好ましく、より好ましくは0.05〜20gの範囲で
ある。
更に本発明の水洗代替安定液に添加する化合物とし
て、アンモニウム化合物が特に好ましい化合物として挙
げられる。
これらは各種の無機化合物のアンモニウム塩によって
供給されるが、具体的には水酸化アンモニウム、臭化ア
ンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、次
亜リン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、亜リン酸
アンモニウム、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモ
ニウム、フルオロホウ酸アンモニウム、ヒ酸アンモニウ
ム、炭酸水素アンモニウム、フッ化水素アンモニウム、
硫酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、ヨウ化アン
モニウム、硝酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、
酢酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、ラウリン
トリカルボン酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、
カルバミン酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、ジ
エチルジチオカルバミン酸アンモニウム、ギ酸アンモニ
ウム、リンゴ酸水素アンモニウム、シュウ酸水素アンモ
ニウム、フタル酸アンモニウム、酒石酸水素アンモニウ
ム、チオ硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、エチ
レンジアミン四酢酸アンモニウム、エチレンジアミン四
酢酸第2鉄アンモニウム、乳酸アンモニウム、リンゴ酸
アンモニウム、マレイン酸アンモニウム、シュウ酸アン
モニウム、フタル酸アンモニウム、ピクリン酸アンモニ
ウム、ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム、サ
リチル酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、スルフ
ァニル酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、チオグリ
コール酸アンモニウム、2,4,6−トリニトロフェノール
アンモニウム等である。これらアンモニウム化合物の中
でも特にチオ硫酸アンモニウムが本発明の効果を達成す
る上で好ましい。
アンモニウム化合物の添加量は1.0×10-5以上が好ま
しく、より好ましくは安定液1当り0.001〜5.0モルの
範囲であり、更に好ましくは0.002〜1.0モルの範囲であ
る。
又本発明における水洗代替安定液に本発明の目的に反
しない範囲つまりバクテリアの発生等がない範囲で亜硫
酸塩を含有することが望ましい。
本発明において水洗代替安定液に含有させる亜硫酸塩
は亜硫酸イオンを放出するものであれば、有機物、無機
物等いかなるものでもよいが、好ましくは無機塩であ
り、好ましい具体的化合物としては、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ア
ンモニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、
メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ
重亜硫酸アンモニウム及びハイドロサルファイト、カル
タルアルデヒドビス重亜硫酸ナトリウム、コハク酸アル
デヒドビス重亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
上記亜硫酸塩は水洗代替安定液中に少なくとも1.0×1
0-5モル/lになるような量が添加されることが好まし
く、より好ましくは5×10-5モル/l〜1.0×10-1モル/l
になるような量が添加されることである。添加方法は水
洗代替安定液に直接添加してもよいが、水洗代替安定補
充液に添加することが好ましい。
本発明において用いられる水洗代替安定液は、望まし
くは防バイ剤を含有することであり、これによって硫化
防止及び画像保存性をより向上できる。
本発明の安定液に添加して好ましい防バイ剤はソルビ
ン酸、安息香酸系化合物、フェノール系化合物、チアゾ
ール系化合物、ピリジン系化合物、グアニジン系化合
物、カーバメイト系化合物、トリアゾール系化合物、モ
ルホリン系化合物、四級ホスホニウム系化合物、アンモ
ニウム系化合物、尿素系化合物、イソキサゾール系化合
物、プロパノールアミン系化合物、スルファミド系化合
物、ピロノン系化合物及びアミノ系化合物である。
前記安息香酸系化合物は、サルチル酸、ヒドロキシ安
息香酸及びヒドロキシ安息香酸のエステル化合物として
メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、
ブチルエステル等があるが、好ましくは、ヒドロキシ安
息香酸のn−ブチルエステル、イソブチルエステル、プ
ロピルエステル及びサルチル酸であり、より好ましくは
前記ヒドロキシ安息香酸エステル3種の混合物である。
フェノール系化合物は、ハロゲン原子、ニトロ基、水
酸基、カルボン酸基、アミノ基、アルキル基(特に、ア
ルキル基がC1〜6のアルキル基)又はフェニル基等を置
換基として持ってもよい化合物であり、好ましくはオル
トフェニルフェノール及びオルトシクロヘキシルフェノ
ール、ニトロフェノール、クロロフェノール、クレゾー
ル、グアヤコール、アミノフェノール、フェノール等で
ある。
チアゾール系化合物は、五員環に窒素原子及びイオウ
原子を持つ化合物であり、好ましくは1,2−ベンツイソ
チアゾリン3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン
3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン3−オ
ン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン3−
ノン、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾールであ
る。
ピリジン系化合物は具体的には、2,6−ジメチルピリ
ジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ソジウム−2−ピ
リジンチオール−1−オキサイド等があるが、好ましく
はソジウム−2−ピリジンチオール−1−オキサイドで
ある。
グアニジン系化合物は具体的には、シクロヘキシジ
ン、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、ドデシル
グアニジン塩酸塩等があり、好ましくはドデシルグアニ
ジン及びその塩である。
カーバメイト系化合物は具体的には、メチル−1−
(ブチルカーバモイル)−2−ベンツイミダゾールカー
バメイト、メチルイミダゾールカーバメイト等がある。
モルホリン系化合物は具体的には、4−(3−ニトロ
ブチル)モルホリン、4−(3−ニトロブチル)モルホ
リン等がある。
四級ホスホニウム系化合物は、テトラアルキルホスホ
ニウム塩、テトラアルコキシホスホニウム塩等がある
が、好ましくは、テトラアルキルホスホニウム塩であ
り、更に具体的な好ましい化合物はトリ−nブチル−テ
トラデシルホスホニウムクロライド及びトリ−フェニル
・ニトロフェニルホスホニウムクロライドである。
四級アンモニウム系化合物は具体的には、ベンザルコ
ニウム塩、ベンゼトニウム塩、テトラアルキルアンモニ
ウム塩、アルキルピリジウム塩等があり、更に具体的に
はドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、
ドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルピ
リジニウムクロライド等がある。
尿素系化合物は具体的には、N−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−N′−(4−クロロフェニル)尿素、N−
(3−トリフルオロメチル)−N′−(4−クロロフェ
ニル)尿素等がある。
イソキサゾール系化合物は具体的には、3−ヒドロキ
シ−5−メチル−イソキサゾール等がある。
プロパノールアミノ系化合物は、n−プロパノール類
とイソプロパノール類があり、具体的にはDL−2−ベン
ジルアミノ−1−プロパノール、3−ジエチルアミノ−
1−プロパノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−
1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、イ
ドプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,
N−ジメチル−イソプロパノールアミン等がある。
スルファミド系化合物は具体的には、o−ニトロベン
ゼンスルファミド、p−アミノベンゼンスルファミド、
フッ素化スルファミド、4−クロロ−3,5−ジニトロベ
ンゼンスルファミド、α−アミノ−p−トルエンスルフ
ァミド、スルファニルアミド、アセトスルファグアニジ
ン、スルファチアゾール、スルファジアジン、スルファ
メラジン、スルファメタジン、スルファイソオキサゾー
ル、ホモスルファミン、スルファミジン、スルファグア
ニジン、スルファメチゾール、スルファピラジン、フタ
ルイソスルファチアゾール、スクシニルスルファチアゾ
ール等がある。
ピロノン系化合物としては具体的には、デヒドロ酢酸
等がある。
アミノ酸系化合物は具体的には、N−ラウリル−β−
アラニンがある。
トリアゾール系化合物は具体的には、2−アミノトリ
アゾール、ベンゾトリアゾール、5−メチル−ベンゾト
リアゾールがある。
なお上記防バイ剤のなかで本発明において好ましく用
いられる化合物はチアゾール系化合物、スルファミド系
化合物、ピロノン系化合物である。
安定液への防バイ剤の添加量は、安定液1当り0.00
1〜30gの範囲で用いられることが好ましく、より好まし
くは0.003〜5gの範囲で使用される。
本発明に用いられる安定液のpHは、特に限定されない
が、好ましくはpH0.5〜12.0の範囲であり、更に好まし
くはpH5.0〜9.0の範囲であり、特に好ましくはpH6.0〜
9.0の範囲である。
本発明の安定液の補充量は、感光材料1m2当り3,000m
l以下が好ましく、更に好ましくは500ml以下であり、特
に好ましくは50ml〜500mlの範囲である。
本発明における安定液はキレート剤と併用して金属塩
を含有することが好ましい。
かかる金属塩としては、Ba,Ca,Ce,Co,In,La,Mn,Ni,B
i,Pb,Sn,Zn,Ti,Zr,Mg,Al又はSrの金属塩であり、ハロゲ
ン化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩
等の無機塩又は水溶性キレート剤として供給できる。使
用量としては安定液1当り1×10-4〜1×10-1モルの
範囲であり、好ましくは4×10-4〜2×10-2モルの範囲
である。
更に本発明において水洗代替安定液に添加できるその
他の化合物としては、有機酸塩(クエン酸、酢酸、コハ
ク酸、シュウ酸、安息香酸等)、pH緩衝剤(リン酸、ホ
ウ酸塩、塩酸、硫酸等)あるいは界面活性剤等がある
が、これらの化合物の添加量は本発明による水洗代替安
定液のpH維持するに必要でかつカラー写真画像の保存時
の安定性と沈澱の発生に対し悪影響を及ぼさない範囲
で、どのような化合物を、どのような組合せで使用して
もさしつかえない。
安定化処理に際しての処理温度は限定されないが45℃
以上が好ましく、より好ましくは50℃以上、特に好まし
くは60℃以上がよい。また上限は乳剤物性上90℃以下が
よい。処理時間も迅速処理の観点から短時間であるほど
好ましいが、通常3秒〜10分間、最も好ましくは5秒〜
2分間であり、複数槽安定化処理の場合は前段槽ほど短
時間で処理し、後段槽ほど処理時間が長いことが好まし
い。特に前槽の20%〜50%増しの処理時間で順次処理す
ることが望ましい。本発明による安定化処理の後には水
洗処理を全く必要としないが、極く短時間内での少量水
洗によるリンス、表面洗浄等は必要に応じて任意に行う
ことはできる。
本発明に係る安定化処理工程での水洗代替安定液の供
給方法は、多槽カウンターカレント方式にした場合、後
浴に供給して前浴からオーバーフローさせることが好ま
しい。もちろん単槽で処理することもできる。又上記化
合物等を添加する方法としては、安定化槽に濃厚液とし
て添加するか、または安定化槽に供給する水洗代替安定
液に上記化合物及びその他の添加剤を加え、これを水洗
代替安定補充液に対する供給液とする、等各種の方法が
あるが、どのような添加方法によって添加してもよい。
また本発明の安定液はイオン交換樹脂処理して再使用す
ることもできる。
次に、本発明の処理対象である感光材料について説明
する。
感光材料は、カプラーが感光材料中に含まれている内
式現像方式(米国特許2,376,679号、同2,801,171号参
照)のほか、カプラーが現像液中に含まれている外式現
像方式(米国特許2,252,718号、同2,592,243号、同2,59
0,970号参照)のものであってもよい。またカプラーは
当業界で一般に知られている任意のものが使用できる。
例えばシアンカプラーとしてはナフトール或いはフェノ
ール構造を基本とし、カップリングによりインドアニリ
ン色素を形成するものが挙げられ、マゼンタカプラーと
しては活性メチレン基を有する5−ピラゾロン環を骨格
構造として有するもの及びピラゾルアゾール系のもの、
イエローカプラーとしては活性メチレン環を有するベン
ゾイルアセトアニリド、ピバリルアセトアニリド、アシ
ルアセトアニライド構造のものなどでカップリング位置
に置換基を有するもの、有しないもののいずれも使用で
きる。このようにカプラーとしては、所謂2当量型カプ
ラー及び4当量型カプラーのいずれをも適用できる。
本発明において、特に下記構造式を有するシアンカプ
ラーを含有する感光材料を用い、pH4未満の漂白液又は
漂白定着液による処理を行うと、シアン色素がロイコ化
するが、本発明によれば、これを防止することができ
る。
本発明において、とりわけ有用なシアンカプラーは下
記一般式[C−1]〜[C−3]で示すシアンカプラー
が本発明の効果をより良好に奏する上で挙げられる。
一般式[C−1] 式中、R及びR1は一方が水素原子であり、他方が少な
くとも炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキル基であ
り、Xは水素原子又は芳香族第1級アミノ発色現像主薬
の酸化体とのカプリング反応により離脱しうる基を表
し、R2はバラスト基を表す。
一般式[C−2] 一般式[C−3] 式中、Yは−COR4−CONHCOR4または−CONHSO2R4(但しR4はアルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘ
テロ環基を表し、R5は水素原子、アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロ環基
を表し、R4とR5とが互いに結合して5ないし6員のヘテ
ロ環を形成してもよい。)を表し、R3はバラスト基を表
し、Zは水素原子又は芳香族第1級アミノ発色現像主薬
の酸化体とのカプリング反応により離脱しうる基を表
す。
好ましいシアンカプラーは、前記一般式[C−1]〜
[C−3]で表すことができるが、該一般式[C−1]
について更に説明する。
本発明において、前記一般式[C−1]のR1、Rで表
される炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキル基は、例
えばエチル基、プロピル基、ブチル基である。
一般式[C−1]において、R2で表されるバラスト基
は、カプラーが適用される層からカプラーを実質的に他
層に分散できないようにするに十分なかさばりをカプラ
ーに与えるところの大きさと形状を有する有機基であ
る。代表的なバラスト基としては、全炭素数8〜32のア
ルキル基又はアリール基が挙げられるが、好ましくは全
炭素数13〜28である。これらのアルキル基とアリール基
は置換基を有してもよく、このアリール基の置換基とし
ては、例えばアルキル基、アリール基、アルコキシ基、
アリルオキシ基、カルボキシ基、アシル基、エステル
基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル
基、カルボンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルファモイル
基、ハロゲンが挙げられ、またアルキル基の置換基とし
ては、アルキル基を除く前記アリール基に挙げた置換基
が挙げられる。
該バラスト基として好ましいものは下記一般式で表さ
れるものである。
R33は炭素数1〜12のアルキル基を表し、Arはフェニ
ル基等のアリール基を表し、このアリール基は置換基を
有していてもよい。置換基としては、アルキル基、ヒド
ロキシ基、ハロゲン原子、アルキルスルホンアミド基等
が挙げられるが、最も好ましいものはt−ブチル基等の
分岐のアルキル基が挙げられる。
前記一般式[C−1]でXにより定義される発色現像
主薬の酸化体とのカプリングで離脱しうる基は、当業者
によく知られているように、カプラーの当量数を決定す
ると共に、カプリングの反応性を左右する。代表例とし
ては、塩素、フッ素に代表されるハロゲン、アリールオ
キシ基、置換又は未置換のアルコキシ基、アシルオキシ
基、スルホンアミド基、アリールチオ基、ヘテロイルチ
オ基、ヘテロイルオキシ基、スルホニルオキシ基、カル
バモイルオキシ基等が挙げられる。さらに具体的な例と
しては、特開昭50−10135号、同50−120334号、同50−1
30414号、同54−48237号、同51−146828号、同54−1473
6号、同47−37425号、同50−123341号、同58−95345
号、特公昭48−36894号、米国特許3,476,563号、同3,73
7,316号、同3,227,551号等に記載されている基が挙げら
れる。
次に、前記一般式[C−2]または[C−3]で示さ
れるシアンカプラーについて説明する。前記一般式[C
−2]及び[C−3]において、Yは−COR4−CONHCOR4または−CONHSO2R4で表される基である。こ
こで、R4はアルキル基、好ましくは炭素数1〜20のアル
キル基(例えばメチル、エチル、t−ブチル、ドデシル
の各基等)、アルケニル基好ましくは炭素数2〜20のア
ルケニル基(例えばアリル基、ヘプタデセニル基等)、
シクロアルキル基、好ましくは5〜7員環のもの(例え
ばシクロヘキシル等)、アリール基(例えばフェニル
基、トリル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基、好ましく
は窒素原子、酸素原子もしくはイオウ原子を1〜4個含
む5員〜6員環のヘテロ環基(例えばフリル基、チエニ
ル基、ベンゾチアゾリル基等)を表す。R5は水素原子も
しくはR4で表される基を表す。R4とR5とは互いに結合し
て5〜6員のヘテロ環を形成してもよい。なお、R2及び
R3には任意の置換基を導入することができ、例えば炭素
数1〜10のアルキル基(例えばメチル、i−プロピル、
i−ブチル、t−ブチル、t−オクチル等)、アリール
基(例えばフェニル、ナフチル等)、ハロゲン原子(フ
ッ素、塩素、臭素等)、シアノ、ニトロ、スルホンアミ
ド基(例えばメタンスルホンアミド、ブタンスルホンア
ミド、p−トルエンスルホンアミド等)、スルファモイ
ル基(例えばメチルスルファモイル、フェニルスルファ
モイル等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル、
p−トルエンスルホニル等)、フルオロスルホニル基、
カルバモイル基(例えばジメチルカルバモイル、フェニ
ルカルバモイル等)、オキシカルボニル基(例えばエト
キシカルボニル、フェノキシカルボニル等)、アシル基
(例えばアセチル、ベンゾイル等)、ヘテロ環基(例え
ばピリジル基、ピラゾリル基等)、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アシルオキシ基等を挙げることができ
る。
一般式[C−2]及び一般式[C−3]において、R3
は一般式[C−2]及び一般式[C−3]で表されるシ
アンカプラー及び該シアンカプラーから形成されるシア
ン色素に耐拡散性を付与するのに必要なバラスト基を表
す。好ましくは炭素数4〜30のアルキル基、アリール基
またはヘテロ環基である。例えば直鎖又は分岐のアルキ
ル基(例えばt−ブチル、n−オクチル、t−オクチ
ル、n−ドデシル等)、アルケニル基、シクロアルキル
基、5員もしくは6員環のヘテロ環基等が挙げられる。
一般式[C−2]及び一般式[C−3]において、Z
は水素原子又は発色現像主薬の酸化生物とのカプリング
反応時に離脱可能な基を表す。例えば、ハロゲン原子
(例えば塩素、臭素、フッ素等)、置換又は未置換のア
ルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、ア
シルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキ
シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、スルホンアミド基等が挙げられ、更に具体的な例と
しては米国特許3,741,563号、特開昭47−37425号、特公
昭48−36894号、特開昭50−10135号、同50−117422号、
同50−130441号、同51−108841号、同50−120343号、同
52−18315号、同53−105226号、同54−14736号、同54−
48237号、同55−32071号、同55−65957号、同56−1938
号、同56−12643号、同56−27147号、同59−146050号、
同59−166956号、同60−24547号、同60−35731号、同60
−37557号等に記載されているものを挙げることができ
る。
本発明においては、下記一般式[C−4]、[C−
5]又は[C−6]で表されるシアンカプラーが本発明
の目的達成の点から、更に好ましい。
一般式[C−4] 一般式[C−5] 一般式[C−6] 一般式[C−4]において、R34は置換、未置換のア
リール基(特に好ましくはフェニル基)である。該アリ
ール基が置換基を有する場合の置換基としては、−SO2R
37、ハロゲン原子(フッ素、臭素、塩素等)、−CF3
−NO2、−CN、−COR37、−COOR37、−SO2OR37 から選ばれる少なくとも1つの置換基が包含される。
ここで、R37はアルキル基、好ましくは炭素数1〜20
のアルキル基(例えばメチル、エチル、tert−ブチル、
ドデシルの各基等)、アルケニル基、好ましくは炭素数
2〜20のアルケニル基(アリル基、ヘプタデセニル基
等)、シクロアルキル基、好ましくは5〜7員環基(例
えばシクロヘキシル等)、アリール基(例えばフェニル
基、トリル基、ナフチル基等)を表し、R38は水素原子
もしくはR37で表される基である。
一般式[C−4]で表される本発明のシアンカプラー
の好適な化合物は、R37が置換ないし未置換のフェニル
基であり、フェニル基への置換基としてシアノ、ニト
ロ、−SO2R39(R39はアルキル基)、ハロゲン原子、ト
リフルオロメチルであるような化合物である。
一般式[C−5]及び[C−6]において、R35、R36
はアルキル基、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基
(例えばメチル、エチル、tert−ブチル、ドデシルの各
基等)、アルケニル基、好ましくは炭素数2〜20のアル
ケニル基(アリル基、オレイル基等)、シクロアルキル
基、好ましくは5〜7員環基(例えばシクロヘキシル
等)、アリール基(例えばフェニル基、トリル基、ナフ
チル基等)、ヘテロ環基(例えば窒素原子、酸素原子、
もしくはイオウ原子を1〜4個含む5員〜6員環のヘテ
ロ環が好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ベンゾ
チアゾリル基等が挙げられる。)を表す。
前記R37、R38及び一般式[C−5]及び[C−6]の
R35、R36には、さらに任意の置換基を導入することがで
き、具体的には、一般式[C−2]及び[C−3]にお
いてR4またはR5に導入することのできるが如き置換基で
ある。そして置換基としては特にハロゲン原子(塩素原
子、フッ素原子等)が好ましい。
一般式[C−4]、[C−5]及び[C−6]におい
てZ及びR3は各々一般式[C−2]及び[C−3]と同
様の意味を有している。R3で表されるバラスト基の好ま
しい例は、下記一般式[C−7]で表される基である。
一般式[C−7] 式中、Jは酸素原子、硫黄原子又はスルホニル基を表
し、Kは0〜4の整数を表し、lは0又は1を示し、K
が2以上の場合2つ以上存在するR41は同一でも異なっ
ていてもよい。R40は炭素数1〜20の直鎖又は分岐、及
びアリール基等の置換したアルキレン基を表し、R41
一価の基を表し、好ましくは水素原子、ハロゲン原子
(例えばクロム、ブロム)、アルキル基、好ましくは直
鎖又は分岐の炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチ
ル、t−ブチル、t−ペンチル、t−オクチル、ドデシ
ル、ペンタデシル、ベンジル、フェネチル等の各基)、
アリール基(例えばフェニル基)、複素環基(好ましく
は含チッ素複素環基)アルコキシ基、好ましくは直鎖又
は分岐の炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、t−ブチルオキシ、オクチルオキシ、デ
シルオキシ、ドデシルオキシ等の各基)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ基)、ヒドロキシ基、アシルオ
キシ基、好ましくはアルキルカルボニルオキシ基、アリ
ールカルボニルオキシ基(例えばアセトオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基)、カルボキシ、アルキルオキシカルボ
ニル基、好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアル
キルカルボニル基、好ましくはフェノキシカルボニル
基、アルキルチオ基、好ましくは炭素数1〜20のアシル
基、好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル
カルボニル基、アシルアミノ基、好ましくは炭素数1〜
20の直鎖又は分岐のアルキルカルボアミド基、ベンゼン
カルボアミド基、スルホンアミド基、好ましくは炭素数
1〜20の直鎖又は分岐のアルキルスルホンアミド基又は
ベンゼンスルホンアミド基、カルバモイル基、好ましく
は炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキルアミノカルボ
ニル基又はフェニルアミノカルボニル基、スルファモイ
ル基、好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキ
ルアミノスルホニル基又はフェニルアミノスルホニル基
等を表す。
前記一般式[C−1]〜[C−3]で示されるシアン
カプラーの合成法ならびに、具体的例示化合物は特願昭
61−92655号明細書、第76頁〜第124頁に示されており、
同明細書第81〜85頁に示されたシアンカプラー(CC−
1)〜(CC−28)及び第98〜123頁に示されたシアンカ
プラー(C−1)〜(C−100)が具体例として挙げら
れる。
本発明において使用し得るハロゲン化銀乳剤は、あら
ゆる種類のものである。例えば0.5モル%以上の沃化銀
を含む、塩沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれのハ
ロゲン化銀、特に0.5モル%以上の沃化銀を含む沃臭化
銀であっても効果がある。また、平板状ハロゲン化銀乳
剤であってもよいし、コア/シェル乳剤であってもよ
い。尚、これ等のハロゲン化銀の保護コロイドとして
は、ゼラチン等の天然物の他、合成によって得られる種
々のものが使用できる。ハロゲン化銀乳剤には、安定
剤、増感剤、硬膜剤、増感色素、界面活性剤等通常の写
真用添加剤が含まれてもよい。
本発明に使用される感光材料としては、カラーネガフ
ィルム、カラーペーパー、カラー反転フィルム、カラー
反転ペーパー等、発色現像工程(アクチベーター処理も
含む)及び漂白定着工程を有する処理システムに適用さ
れる感光材料なら全て用いることができるが、撮影用カ
ラーネガフィルム及びカラーペーパーが最も好ましい。
[発明の効果] 本発明によれば、脱銀を迅速かつ十分に達成すること
ができるのは勿論のこと、未露光部のステインの発生を
抑制することができる。
また水洗の場合に限らず、特に水洗代替安定化処理と
組合せた場合にも未露光部のステインの発生を抑制する
ことができる。
[実施例] 以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施の態様とこれらに限定されない。
また以下の全ての実施例において、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料中の添加量は1m2当たりのものを示し、
ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算して示した。
実施例1 下記各層をセルローストリアセテート支持体上に順次
塗設し、多層カラー写真感光材料試料を作成した。
第1層:ハレーション防止層(HC層) 0.16g/m2の黒色コロイド銀及び1.4g/m2のゼラチンか
らなるハレーション防止層。
第2層:下引層(1G層) 1.9g/m2のゼラチンからなる下引層。
第3層:赤感性ハロゲン化銀乳剤層(R層) この層に用いたハロゲン化銀は次の通り。
AgIを5.5モル%含有する沃臭化銀で平均粒径0.5μm
の単分散球状粒子と、AgIを5.0モル%含有し平均粒径1.
0μmの単分散球状粒子を1:1の比率で添加して得たもの
(塗布量は銀量で1.87g/m2)。
上記ハロゲン化銀乳剤層を各々赤感性に色増感したも
のと、下記シアンカプラー(C−1)0.2モル/モルAg
と、0.0006モル/モルAgの下記カラードシアンカプラー
(CC−1)をトリクレジルホスフェート(以下、TCPと
いう)に溶解し、また抑制剤をメタノールに溶解して、
ゼラチンを含む水溶液中に乳化分散した分散物を含有し
ている赤感性ハロゲン化銀乳剤層。
第4層:中間層(2G層) 0.14g/m2の2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンと、0.0
7g/m2のジブチルフタレート(以下、DBPという)からな
る中間層。
第5層:緑感性ハロゲン化銀乳剤層(G層) この層に用いたハロゲン化銀は次の通りである。
AgIを6.0モル%含有する沃臭化銀で平均粒径0.4μm
の単分散球状粒子(塗布量は銀量で1.52g/m2)。
上記ハロゲン化銀乳剤を各々緑感性に色増感したもの
と、下記マゼンタカプラー(M−1)を0.15モル/モル
Agと、0.015モル/モルAgの下記カラードマゼンタカプ
ラー(CM−1)を溶解したTCPとをゼラチンを含む水溶
液中に乳化分散した分散物を含有している緑感性ハロゲ
ン化銀乳剤層。
第6層:0.3g/m2の黄色コロイド銀、0.22gの汚染防止剤
(2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン)を溶解した
0.11g/m2のDBP及び2.1g/m2のゼラチンを含有するイエロ
ーフィルター層。
第7層:低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層(B層) この層に用いたハロゲン化銀は次の通り。
AgIを5.5モル%含有する平均粒径0.5μmの単分散球
状粒子(塗布量は銀量で0.56g/m2)。
上記ハロゲン化銀乳剤を青感性に色増感したものと、
0.29モル/モルAgの下記イエローカプラー(Y−1)を
TCPに溶解し、ゼラチンを含む水溶液中に乳化分散した
分散物とを含有している青感性ハロゲン化銀乳剤層。
第8層:高感度青感性ハロゲン化銀乳剤(B層) 第7層と同様。但し、ハロゲン化銀粒子はAgIを6モ
ル%含有する平均粒径1.0μmの単分散球状粒子を使用
(塗布量は銀量で0.48g/m2)。
第9層:保護層(3G層) 0.9g/m2のゼラチンを含む保護層。
各層には上記の他、ゼラチン硬化剤(1,2−ビスビニ
ルスルホニルエタンと2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ
−s−トリアジンナトリウム塩)や界面活性剤を含有さ
せた。
各層に用いたカプラー等は、下記に示す通りである。
シアンカプラー(CN−101) カラードシアンカプラー(CC−1) 1−ヒドロキシ−4−4[4−(1−ヒドロキシ−8
−アセトアミド−3,6−ジスルホ−2−ナフチルアゾ)
フェノキシ]−N−[δ−(2,4−ジ−t−アミルフェ
ノキシ)ブチル]−2−ナフトアミド・ジナトリウム塩 マゼンタカプラー(M−1) 1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−{[α−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ−アセトアミド]ベ
ンズアミド}−3−ピラゾロン カラードマゼンタカプラー(CM−1) 1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−4−(1−ナ
フチルアゾ)−3−(2−クロロ−5−オクタデセニル
スクシンイミドアニリノ)−5−ピラゾロン イエローカプラー(Y−1) α−[4−(1−ベンジル−2−フェニル−3,5−ジ
オキソ−1,2,4−トリアゾリジニル)]−α−ピバロイ
ル−2−クロロ−5−[γ−(2,4−ジ−t−アミルフ
ェノキシ)ブタンアミド]アセトアニリド 各試料を各々ウェッジを介して露光(16CMS)を与
え、下記の処理工程で処理して色素画像を得た。
各処理工程において使用した処理液組成は下記の通り
である。
処理して得られた試料につき、光学濃度計(コニカ社
製PDA−65)を用いてシアンステイン濃度を測定し、そ
の結果を表1に示した。また、処理後のシアン色素の最
大濃度を測定すると共に、下記復色処理後のシアン最大
濃度を測定し、シアン最大濃度復色率を求め表2に示し
た。
復色処理;ジエチレントリアミン五酢酸鉄アンモニウ
ム塩100g/l、pH8.0で35℃3分間処理し、水洗後乾燥し
て測定した。
表1及び2より、未露光部のシアンステインの発生を
抑制し、復色性を良好に維持する上で、漂白定着液中に
鉄(III)イオンを0.25モル/l以上含有し45℃以上で処
理する場合、pH4〜6.5が極めて好ましいことが判る。
また表3より、本発明の条件によれば、迅速処理して
も良好な脱銀性を維持できることが判かる。
参考例1 実施例1において下記の如く変えたこと以外は同じく
して行った。
尚、各処理工程において使用した処理液組成は下記の
通りである。
但し、各処理液の補充量は、CDが10ml/100cm2、BLが4
ml/100cm2、BFが7ml/100cm2、STが15ml/100cm2とした。
表4より、未露光部のシアンステインの発生を抑制
し、復色性を良好に維持する上で、漂白定着液中に鉄
(III)イオンを0.25モル/l以上含有し45℃以上で処理
する場合、pH4〜6.5が極めて好ましいことが判る。
実施例2 ポリエチレンコート紙支持体上に下記の各層を該支持
体側より順次塗布し、感光材料を作製した。
なお、ポリエチレンコート紙としては、平均分子量10
0,000、密度0.95のポリエチレン200重量部と平均分子量
2,000、密度0.80のポリエチレン20重量部の混合したも
のにアナターゼ型酸化チタンを6.8重量%添加し、押し
出しコーテイング法によって重量170g/m2の上質紙表面
に厚み0.035mmの被膜層を形成させ、裏面にはポリエチ
レンのみによって厚み0.040mmの被覆層を設けたものを
用いた。この支持体表面のポリエチレン被覆面上にコロ
ナ放電による前処理を施こした後、下記各層を順次塗布
した。
第1層: 臭化銀1.0モル%を含む塩臭化銀乳剤からなる青感性
ハロゲン化銀乳剤層で該乳剤はハロゲン化銀1モル当り
ゼラチン350gを含み、ハロゲン化銀1モル当り下記構造
の増感色素[I]2.5×10-4モルを用いて増感され(溶
媒としてイソプロピルアルコールを使用)、ジブチルフ
タレートに溶解して分散させた2,5−ジ−t−ブチルハ
イドロキノン200g/m2及びイエローカプラーとして下記
構造の[Y−1]をハロゲン化銀1モル当り2.0×10-1
モル含み、銀量300mg/m2になるように塗布されている。
第2層: ジブチルフタレートに溶解して分散されたジ−t−オ
クチルハイドロキノン300mg/m2、紫外線吸収剤として2
−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロル−ベンゾトリアゾール及び2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−4−クロル−ベンゾトリアゾールの混合物(1:1:
1:1)200mg/m2を含有するゼラチン層でゼラチン1900mg/
m2になるように塗布されている。
第3層: 臭化銀1モル1%を含む塩臭化銀乳剤からなる緑感性
ハロゲン化銀乳剤層で該乳剤はハロゲン化銀1モル当り
ゼラチン450gを含み、ハロゲン化銀1モル当り下記構造
の増感色素[II]2.5×10-4モルを用いて増感され、ジ
ブチルフタレートとトリクレジルホスフェート2:1より
なる溶剤に溶解した2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノ
ン及びマゼンタカプラーとして下記構造の[M−1]を
ハロゲン化銀1モル当り1.5×10-1モル含有し、銀量230
mg/m2、AI染料を50mg/m2になるように塗布されている。
なお、酸化防止剤として2,2,4−トリメチル−6−ラウ
リルオキシ−7−t−オクチルクロマンをカプラー1モ
ル当り0.30モル添加した。
第4層: ジオクチルフタレートに溶解し分散されたジ−t−オ
クチルハロドロキノン30mg/m2及び紫外線吸収剤として
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ
−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチ
ルフェニル)−5′−クロル−ベンゾトリアゾール及び
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−5−クロル−ベンゾトリアゾールの混合物
(2:1.5:1.5:2)500mg/m2を含有するゼラチン層であ
り、ゼラチン1900mg/m2になるように塗布されている。
第5層: 臭化銀1.0モル%を含む塩臭化銀乳剤からなる赤感性
ハロゲン化銀乳剤層で、該乳剤はハロゲン化銀1モル当
りゼラチン500gを含み、ハロゲン化銀1モル当り下記構
造の増感色素[III]2.5×10-5モルを用いて増感され、
ジブチルフタレートに溶解し分散された2,5−ジ−t−
ブチルハイドロキノン150mg/m2及びシアンカプラーとし
て下記構造の[CN″−1]をハロゲン化銀1モル当り3.
5×10-1モル含有し、銀量280mg/m2になるように塗布さ
れている。
第6層: ゼラチン層であり、ゼラチンを900mg/m2となるように
塗布されている。
各感光性乳剤層(第1、3、5層)に用いたハロゲン
化銀乳剤は特公昭46−7772号公報に記載されている方法
で調製し、それぞれチオ硫酸ナトリウム5水和物を用い
て化学増感し、安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデン(ハロゲン化銀1モル
当り2.5g)、硬膜剤としてビス(ビニルスルホニルメチ
ル)エーテル(ゼラチン1g当り10mg)及び塗布助剤とし
てサポニンを含有せしめた。
前記方法にて作製したカラーペーパーを露光後、次の
処理工程と処理液を使用して処理を行った。
[発色現像液] ベンジルアルコール 5g エチレングリコール 10g 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5,6−トリスルフォン酸 0.3g 臭化カリウム 0.01g 塩化カリウム 2.3g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 0.5ml 発色現像主薬(3−メチル−4−アミノ−N−エチル−
N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−アニリン硫
酸塩 20.0g ジエチルヒドロキシルアミン(85%) 5.0g トリエタノールアミン 10.0g 炭酸カリウム 30g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 2.0g 蛍光増白剤(日槽社製PK−Conc) 2.0g 水を加えて1に仕上げ、水酸化カリウム又は硫酸で
pH12.0に調整した。
[漂白定着液] プロピレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水
塩 表5に記載 チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 150.0ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 10.0ml 水を加えて全量を1とし、アンモニア又は氷酢酸で
pH値を表5のように調整する。
[水洗液](水洗代替安定液) オルトフェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g エチレングリコール 1.0g 2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.01g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(60%
水溶液) 3.0g BiCl3(45%水溶液) 0.65g MgSO4・7H2O 0.2g PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g ニトリロトリ酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水で1とし、アンモニア水及び硫酸でpH7.0とす
る。
ランニング処理は自動現像機にウェッジ露光したチェ
ック試料を通し、実施例1と同じくシアンステイン濃度
(反射濃度)及びシアン最大濃度復色率を判定した。
結果を表5に示す。
表5より、カラーペーパー感光材料の処理において
も、未露光部のシアンステインの発生を抑制し、復色性
を良好に維持する上で、漂白定着液中に鉄(III)イオ
ンを0.25モル/l以上含有し45℃以上で処理する場合、pH
4〜6.5の範囲内が極めて好ましいことが判る。
実施例3 実施例1で使用した感光材料のシアンカプラーを表6
に示す如く代えた以外は実施例1と同様の評価を行っ
た。
但し、漂白定着液の鉄(III)イオン濃度は0.5モル/l
のものを用いた。
結果を表6に示す。
※用いたカプラーの種類は下記の通りである。
カプラー(1) カプラー(2) 前記シアンカプラーCN−101と同じ 上記カプラー(1)及び(2)の他に用いた一般式
[C−1]〜[C−3]で表わされるカプラーは次頁か
ら続く例示化合物を記載した表に示されている。
また、上記実施例を次の表に示す全てのカプラーにつ
いて適用したところ、本発明の効果が得られた。
表6より、特に一般式[C−1]〜[C−3]で表わ
されるシアンカプラーを使用すると、本発明の効果をよ
り高度に達成することが判る。
実施例4 実施例2において発色現像条件及び処方を下記の如く
変化したことのみ異らせた。即ち、 発色現像処方A 発色現像主薬量を0.15モル/lとし、35℃、45秒処理と
する。
発色現像処方B 発色現像主薬量を0.03モル/lとし、35℃、20秒処理と
する。
発色現像処方C 発色現像主薬量を0.015モル/lとし、45℃、20秒処理
とする。
発色現像処方D 発色現像主薬量を0.03モル/lとし、45℃、15秒処理と
する。
発色現像処方E 発色現像主薬量を0.015モル/lとし、60℃、11秒処理
とする。
発色現像処方F 発色現像主薬量を0.03モル/lとし、60℃、8秒処理と
する。
漂白定着液の鉄(III)イオン濃度は0.5モル/lのもの
を用い、水洗代替安定処理は50℃とした場合のシアンス
テイン濃度の結果を表7に示す。
表7より、発色現像主薬の濃度変化にも拘らず、本発
明によれば安定した写真性能が得られることが判かる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 7/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一現像、停止処理は無く発色現像処理後
    直ちに漂白定着液による処理を行うハロゲン化銀カラー
    写真感光材料の処理方法において、該ハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料が下記一般式[C−1]、[C−2]又
    は[C−3]で表されるシアンカプラーを含有し、該発
    色現像処理に使用する発色現像液の現像主薬濃度が0.01
    5モル/l以上であり、該発色現像処理時間が5〜120秒で
    あり、該漂白定着液による処理が鉄(III)イオンを0.2
    5モル/l以上含有する漂白定着液によって45℃〜90℃の
    処理温度で行われ、かつ該漂白定着液のpHが4〜6.5で
    あることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料
    の処理方法。 一般式[C−1] 〔式中、R及びR1は一方が水素原子であり、他方が少な
    くとも炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキル基であ
    り、Xは水素原子又は芳香族第1級アミノ発色現像主薬
    の酸化体とのカプリング反応により離脱しうる基を表
    し、R2はバラスト基を表す。〕 一般式[C−2] 一般式[C−3] 〔一般式[C−2],[C−3]中、Yは−COR4−CONHCOR4または−CONHSO2R4(但しR4はアルキル基、
    アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘ
    テロ環基を表し、R5は水素原子、アルキル基、アルケニ
    ル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロ環基
    を表し、R4とR5とが互いに結合して5ないし6員のヘテ
    ロ環を形成してもよい。)を表し、R3はバラスト基を表
    し、Zは水素原子又は芳香族第1級アミノ発色現像主薬
    の酸化体とのカプリング反応により離脱しうる基を表
    す。〕
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