JP3259028B2 - 粒状性に優れた色素画像が得られるハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

粒状性に優れた色素画像が得られるハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀カラー
写真感光材料の処理方法に関し、詳しくは粒状性に優れ
た色素画像が得られるハロゲン化銀カラー写真感光材料
の処理方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年ハロゲン化銀カラー写真感光材料の
サイズを小さくすることが行われるようになっている。
例えばカメラを小型化して携帯性を高めるためにフィル
ムの画像サイズを小さくすることが行われている。しか
しこのようにするとプリント画像の悪化を招くことはよ
く知られている。即ち、カラー写真感光材料の画面サイ
ズが小さくなると、同じ大きさのプリントを作るのに引
伸ばし倍率が大きくなることから、それだけプリントさ
れた画像の粒状性やシャープさが劣るようになるからで
ある。従ってカメラを小型化しても良好なプリントを得
るためには、フィルムの粒状性、解像力、鮮鋭性を改良
することが必要である。 【0003】このうち、粒状性を改良する技術として
は、特開昭55-62454号記載の高速反応性カプラーを用い
る方法、T.H.James 著ザ・セオリー・オブ・ザ・フォト
グラフィック・プロセス( The Theory of the Photo-gr
aphic Process )4th Ed.P620〜621 に記載されているよ
うなハロゲン化銀粒子の数を多くする方法、英国特許2,
080,640A号に記載されている発色現像主薬の酸化性生成
物と反応して適度に色素がにじむ拡散性色素を形成する
非拡散性のカプラーを用いる方法、特開昭 60-128443号
記載の沃化銀含有率を8モル%以上にする方法、その
他、特開昭 59-191036号、同 60-3628号、同 60-128440
号等に記載の改良技術、さらに特公昭49-15495号、特開
昭 53-7230号、同 57-155539号等に記載の如くハロゲン
化銀カラー写真感光材料の層構成を工夫することによっ
て改良を行う技術等、ハロゲン化銀カラー写真感光材料
を改良する技術が知られている。 【0004】しかしながら、上記感光材料を改良するこ
とにより粒状性は確かに改良されてきているが未だ充分
とは言い難く、特に所謂ディスクフィルムのように極端
にスモールフォーマット化された感光材料における粒状
性の欠点はその普及の隘路となっており、改良が望まれ
ている。 【0005】また一方では、需要者が撮影した結果を早
く知りたいとの要請等に応えるべく、写真感光材料の現
像等の処理の迅速化が望まれている。この迅速処理の技
術として千葉大学工学部研究報告第33巻第1号通巻63号
(1980年) 45頁〜48頁には、荒井等による「迅速処理に
よるカラーネガフィルムの画像改善」なる報告がなされ
ている。そこでは活性の高い発色現像液と高温迅速処理
により、支持体から離れた層であるシアン及びマゼンタ
の2層は約20%〜30%情報量が増え、画像の鮮鋭さが向
上することが報告されているが、一方で画像の粒状性が
低下することも示されている。 【0006】そこで発色現像工程を迅速処理するために
発色現像液を高温にしたり、撹拌を強くしたり、あるい
は現像促進剤を添加したりして発色現像液を高活性化す
ることが行われるが、この場合該発色現像に続いて直
接、漂白液、漂白定着液でハロゲン化銀カラー写真感光
材料を処理すると、特に高濃度の発色現像主薬を用いた
場合には、発色現像処理に続く上記各工程においても発
色現像が進行して画像濃度を上昇させて硬調化し、本来
の諧調が得られなくなるという問題点があった。 【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を迅速処
理しても、なおかつ粒状性が向上し、しかも基本的に要
請されているカブリ等を劣化させることなく、画質を向
上させ得る感光材料について種々検討した結果、本発明
を為すに至ったものである。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、迅速処理に
優れ、かつ該迅速処理下でも粒状性に優れた色素画像を
得ることのできるハロゲン化銀カラー写真感光材料の処
理方法を提供することを目的とする。特に本発明では諧
調性に優れた画像を得ることのできるハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の処理方法を提供することを目的とす
る。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に少
なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を含むハロゲン化銀
写真感光材料を発色現像処理する方法において、該ハロ
ゲン化銀写真感光材料の乾燥時の膜厚が25μm以下であ
り、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に沃化銀を
0.5モル%以上含有するハロゲン化銀粒子が含有され、
更に現像抑制剤放出型化合物が該ハロゲン化銀乳剤層の
少なくとも一層に含有されているハロゲン化銀写真感光
材料を、後掲の化学式(Z−1)〜(Z−15)で表さ
れる化合物を含有するとともに、芳香族第1級アミン系
発色現像主薬1リットル当たり1.5×10-2モル以上含
有する発色現像液で 180秒以下の処理時間で処理するこ
とを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
方法によって上記目的を達成したものである。 【0010】次に本発明の適用される写真感光材料につ
いて説明する。本発明に用いられるハロゲン化銀カラー
写真感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層
に沃化銀を 0.5モル%以上、好ましくは3モル%以上、
より好ましくは5モル%以上含有するハロゲン化銀粒子
を含有する。 【0011】上記沃化銀を 0.5モル%以上含有するハロ
ゲン化銀粒子は、粒子の平均ハロゲン化銀組成として沃
化銀を 0.5モル%以上含有するものであれば特に制限が
ないが、本発明を実施する際においては、コアシェル型
ハロゲン化銀、あるいは平板状ハロゲン化銀粒子である
ことが好ましい。 【0012】以下、本発明に係るハロゲン化銀写真感光
材料の乳剤層に好ましく用いられる沃化銀を 0.5モル%
以上含有するコアシェル型ハロゲン化銀粒子及び平板状
ハロゲン化銀粒子について説明する。 【0013】上記ハロゲン化銀粒子として好ましく用い
られるコアシェル型ハロゲン化銀粒子については、例え
ば特開昭 57-154232号公報に詳しく記載されているが、
該コアシェル型ハロゲン化銀粒子はコアのハロゲン化銀
組成が沃化銀を 0.1〜40モル%、より好ましくは5〜40
モル%、最も好ましくは8〜35モル%含むハロゲン化銀
であり、シェルは臭化銀、塩化銀、沃化銀または塩臭化
銀或いはこれらの混合物からなるものであり、該コアシ
ェル型ハロゲン化銀粒子の平均ハロゲン化銀組成として
沃化銀を 0.5モル%以上含有するものである。 【0014】特に望ましくは、シェルは臭化銀が95モル
%以上を主成分としているハロゲン化銀粒子である。ま
た本発明においては、コアを単分散性のハロゲン化銀粒
子とし、シェルの厚さを 0.01〜2.0 μm とすることに
より好ましい効果を奏するものである。 【0015】上記コアシェル型ハロゲン化銀粒子は、沃
化銀を全体として 0.5モル%以上、好ましくは2〜10モ
ル%含むものであり、より好ましくは4〜8モル%含む
ハロゲン化銀粒子からなり、特にコアとして沃化銀を含
むハロゲン化銀粒子を使用し、臭化銀、塩化銀、塩臭化
銀または沃臭化銀或いはこれらの混合物からなるハロゲ
ン化銀粒子の上記特定の厚さのシェルを用いてコアを被
覆することによって、沃化銀を含むハロゲン化銀粒子の
高感度特性を生かすとともに、該粒子のもつ欠点を隠蔽
するものである。 【0016】本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写
真感光材料のハロゲン化銀乳剤は、例えばこれに含まれ
るハロゲン化銀粒子を形成するに当たって、コア粒子が
単分散性のハロゲン化銀粒子であるハロゲン化銀乳剤を
用い、該コア粒子にシェルを被覆することにより、シェ
ルの厚さがほぼ均一な単分散性のハロゲン化銀乳剤が得
られるものであるが、このような単分散性のハロゲン化
銀乳剤は、その粒度分布のまま使用に供しても、また平
均粒径の異なる2種以上の単分散性乳剤を粒子形成以後
の任意の時期にブレンドして所定の階調度を得るように
調合して使用に供してもよい。 【0017】本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写
真感光材料のハロゲン化銀乳剤は、分布の広さが20%以
下の単分散性のコアにシェルを被覆させて得られる乳剤
と同等かそれ以上の割合で、乳剤中に含まれる全ハロゲ
ン化銀粒子に対してコアシェル型ハロゲン化銀粒子を含
むものが望ましい。しかし、そのほか本発明の効果を阻
害しない範囲で他のハロゲン化銀粒子を含んでもよい。
他のハロゲン化銀は沃化銀含有率が本発明外の沃素含有
率のコアシェル型であってもよいし、コアシェル型以外
のものであってもよく、また単分散でも、多分散のもの
でもよい。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤におい
て、該乳剤に含まれるコアシェル型ハロゲン化銀粒子は
少なくとも65重量%以上が本発明の望ましいコアシェル
型ハロゲン化銀粒子であることが好ましく、そのほとん
ど全てがコアシェル型ハロゲン化銀粒子であることが望
ましい。 【0018】本発明は、少なくとも1層のハロゲン化銀
乳剤層のハロゲン化銀乳剤が、沃化銀含有率が 0.5モル
以上含有する平板状ハロゲン化銀粒子を含有する乳剤で
ある場合を含むものである。即ち、本発明のハロゲン化
銀乳剤層に用いられる好ましいハロゲン化銀乳剤は、そ
のハロゲン化銀粒子が 上記コアシェル型ハロゲン化銀粒子であること、 平板状ハロゲン化銀粒子であること(該平板状ハロゲ
ン化銀粒子はコアシェル型のものであっても、それ以外
の型のものであってもよい。)、 上記との混合物であること、等のいずれの実施態
様であっても、本発明に含まれる。 【0019】以下、本発明に好ましく用いられる平板状
ハロゲン化銀粒子について説明する。本発明に用いられ
るハロゲン化銀カラー写真感光材料について平板状ハロ
ゲン化銀粒子を使用する場合には、該粒子の粒子径が粒
子厚みの5倍以上のものが好ましい。該平板状ハロゲン
化銀粒子は特開昭 58-113930号、同 58-113934号、同58
-127921号及び同 58-108532号等の各公報に記載された
一般的な製造法で調製されることができ、画質等への効
果の点から粒子径が粒子厚みの5倍以上、好ましくは5
〜100倍、特に好ましくは7〜30倍のものが用いられるの
がよい。更に粒子径 0.3μm 以上が好ましく、0.5〜6μ
m のものが特に好ましく用いられる。これら平板状ハロ
ゲン化銀粒子は少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層中
に少なくとも50重量%含まれる際に本発明の目的の効果
をより好ましく奏し、そのほとんどが全て上記平板状ハ
ロゲン化銀粒子である際には、特に好ましい効果を奏す
る。特に本発明においては、平板状ハロゲン化銀粒子が
コアシェル型粒子である場合には有用である。 【0020】一般に、平板状ハロゲン化銀粒子は2つの
平行な面を有する平板状であり、従って本発明における
「厚み」とは平板状ハロゲン化銀粒子を構成する2つの
平行な面の距離で表される。平板状ハロゲン化銀粒子の
ハロゲン組成としては、沃化銀含有率が 0.5モル%以上
の沃臭化銀であることが好ましく、特に沃化銀含有量が
3〜10モル%である沃臭化銀であることが好ましい。 【0021】次に平板状ハロゲン化銀粒子の製法につい
て述べる。平板状ハロゲン化銀粒子の製法としては、当
業者間で知られた方法を適宜、組み合わせることにより
なし得る。上記平板状ハロゲン化銀粒子を含有する層中
には、該平板状ハロゲン化銀粒子が該層の全ハロゲン化
銀粒子に対して重量比で40%以上、特に60%以上存在す
ることが好ましい。 【0022】本発明が適用されるハロゲン化銀カラー写
真感光材料は上記に限らず、以下に示されるような平板
状ハロゲン化銀粒子を含むものであってもよい。例え
ば、特開昭 58-113930号公報には上層にアスペクト比が
8:1以上の平板状ハロゲン化銀粒子を含む乳剤層を有
する2層構成の色素形成性ユニットを有する多層カラー
写真感光材料が、特開昭 58-113934号公報には緑感性層
及び赤感性層にアスペクト比が8:1以上の平板ハロゲ
ン化銀状粒子の沃臭化銀または臭化銀乳剤を用いた多層
カラー写真感光材料が、また特開昭 58-113927号公報に
は中心領域が環状領域よりも沃化銀含有率が低いアスペ
クト比が8:1以上の平板状ハロゲン化銀粒子を有する
多層カラー写真感光材料が、更にまた、特開昭59-55426
号公報にはアスペクト比が3:1以上の平板状ハロゲン
化銀粒子及び特定の増感色素を含有するカラー用にも適
用できるハロゲン化銀写真感光材料が、更に特開昭 60-
111696号公報にはアスペクト比が3:1以上であって、
主として(111)面から成る平板状ハロゲン化銀粒子
を含むハロゲン化銀カラー写真感光材料が開示されてお
り、これらのハロゲン化銀カラー写真感光材料について
も本発明の処理方法が適用できる。また、用いる乳剤に
特開昭 53-103725号公報等に記載のエピタキシー接合ハ
ロゲン化銀粒子を含有させることも好ましいことであ
る。 【0023】また本発明の目的にかなった効果をより良
好に奏するために、本発明において採用できる好ましい
態様としては、支持体上の全ハロゲン化銀塗布量が 100
cm2 当たり30mg以上であり、より好ましくは 100c
2 当たり30〜150 mgであり、特に好ましくは 100c
2 当たり40〜100 mgの場合である。更に詳しくは、
支持体側に近いハロゲン化銀乳剤層における塗布銀量が
多いほど一般に好ましい。 【0024】本発明を適用するハロゲン化銀カラー写真
感光材料は、乾燥時の膜厚が 25μm以下である。該膜厚
は支持体上に形成された写真構成層の膜厚であり、即ち
該写真構成層の膜厚とは、ハロゲン化銀乳剤層 (フルカ
ラー写真感光材料の場合、少なくとも3層) のほか、必
要に応じて形成される下引層、ハレーション防止層、中
間層、フィルター層、保護層などのすべての親水性コロ
イド層の合計膜厚である。従って乾燥された写真構成層
が上記乾燥時の膜厚である。親水性コロイドとしてはゼ
ラチンが用いられることが多く、この場合膜厚はゼラチ
ン膜厚ということができる。厚みの測定はマイクロメー
ターで行われるが、本発明では写真構成層の合計厚みが
25μm 以下であり、好ましくは20μm 以下、特に18μm
以下、最も好ましくは16μm 以下である。写真性能の点
からは8μm 以上が好ましく、本発明の効果を発揮す
る。 【0025】上記ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、
膜厚が25μm 以下であって、このような写真構成層を有
することによって、短時間で、かつ粒状性の良い処理が
可能となったものである。 【0026】また本発明においては、後述のように現像
処理時間が 180秒以内で好ましい結果が得られるが、上
記のような写真構成層としたことにより、このように処
理時間範囲が広く任意にとれるのである。 【0027】本発明に用いるハロゲン化銀カラー写真感
光材料は、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に現
像抑制剤放出型化合物(以下「DIR化合物」と称す)
を含有している。該DIR化合物は発色現像処理工程の
際に現像抑制剤を放出して発色現像処理に続く各処理過
程において余分な発色現像の進行を抑制して画像濃度の
余分な上昇を抑え、所期の諧調設計に即した画像が得ら
れ画像の硬調化を防止することができる。 【0028】該DIR化合物の代表的なものとしては、
活性点から離脱したときに現像抑制作用を有する化合物
を形成し得る基をカプラーの活性点に導入せしめたDI
Rカプラーがあり、例えば英国特許第935,454号、米国
特許第 3,227,554号、同第4,095,9 84号、同第4,149,38
6号公報等に記載されている。 【0029】上記DIRカプラーは、発色現像主薬の酸
化体とのカプリング反応の際、カプラー母核が色素を形
成する一方、現像抑制剤を放出する性質を有する。また
本発明では米国特許第 3,652,345号、同第 3,928,041
号、同第3,958,993号、同第3,961,9 59号、同第 4,052,
213号、特開昭 53-110529号、同54-13333号、同 55-161
237号公報等に記載されているような発色現像主薬の酸
化体とカプリング反応したときに、現像抑制剤を放出す
るが、色素を形成しない化合物も含まれる。 【0030】更に、特開昭 54-145135号、同 56-114946
号及び同 57-154234号の各公報に記載された発色現像主
薬の酸化体と反応したときに、母核は色素あるいは無色
の化合物を形成する一方、離脱したタイミング基が分子
内求核置換反応あるいは離脱反応によって現像抑制剤を
放出する化合物である、所謂タイミングDIR化合物も
本発明に含まれる。 【0031】また特開昭 58-160954号、同 58-162949号
の各公報に記載された発色現像主薬の酸化体と反応した
ときに、完全に拡散性の色素を生成するカプラー母核に
上記の如きタイミング基が結合しているタイミングDI
R化合物をも含むものである。 【0032】本発明によれば、より好ましいDIR化合
物は下記一般式〔I〕及びまたは一般式(D−1) で表
すことができ、このうち最も好ましいDIR化合物は拡
散性0.40以上の下記一般式(D−1) で表される化合物
である。 一般式〔I〕 A1 − Z1 【0033】式中、A1 はp−フェニレンジアミン系発
色現像主薬の酸化体とカプリングし得るカプラー成分
(化合物) であり、例えばアシルアセトアニリド類、ア
シル酢酸エステル類等の閉鎖ケトメチレン化合物、ピラ
ゾロン類、ピラゾロトリアゾール類、ピラゾリノベンズ
イミダゾール類、インダゾロン類、フェノール類、ナフ
トール類等の色素形成カプラー及びアセトフェノン類、
インダノン類、オキサゾロン類等の実質的に色素を形成
しないカプリング成分である。 【0034】また上記式中、Z1 はp−フェニレンジア
ミン系発色現像主薬との反応により離脱し、ハロゲン化
銀の現像を抑制する成分(化合物) であり、好ましい化
合物としてはベンズトリアゾール、3−オクチルチオ−
1, 2, 4−トリアゾール等のような複素環化合物及び複
素環式メルカプト化合物 (複素環式メルカプト基として
は、1−フェニルテトラゾリルチオ基等がある。)があ
る。 【0035】上記複素環式基としては、例えばテトラゾ
リル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル、チアゾ
リル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリ
ル基等を挙げることができる。尚、上記一般式〔I〕
中、Z1 はA1 の活性点に結合している。 【0036】然して、上記DIR化合物の拡散性は下記
要領で評価することができる。透明支持体上に下記組成
の層を有する感光材料試料(A)及び(B)を作成す
る。 試料(A):緑感性ハロゲン化銀乳剤層を有する試料 緑感色性に分光増感した沃臭化銀(沃化銀6モル%、平
均粒径0.48μm) 及び下記のカプラーを銀1モル当り、
0.07モル含有するゼラチン塗布液を塗布銀量が1.1g/
2 、ゼラチン付量が 3.0g/m2 になるように塗布
し、その上に保護層として化学増感及び分光増感を施し
ていない沃臭化銀 (沃化銀2モル%、平均粒径0.08μ
m) を含有するゼラチン塗布液を塗布銀量が 0.1g/m
2 、ゼラチン付量が 0.8g/m2 になるように塗布す
る。 【0037】 【化1】 【0038】試料(B):上記試料(A)の保護層から
沃臭化銀を除いたもの。 各層には上記の他にゼラチン硬化剤や界面活性剤を含有
させてある。試料(A)、(B)をウエッジを用いて白
色露光後、下記の処理方法に従って処理する。現像液に
は試料(B)の感度を60%(対数表示で、−Δlog E=
0.22) に抑制する量の各種現像抑制剤を添加したもの
と、現像抑制剤を添加していないものとを用いる。 処理工程(38℃) 発色現像 2分40秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 【0039】各処理工程において使用した処理液組成は
下記の通りである。 〈発色現像液〉 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)− アニリン・硫酸塩 4.75 g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25 g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1リットルとする。 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄 アンモニウム塩 100.0 g エチレンジアミン四酢酸2 アンモニウム塩 10.0 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0 ml 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH=
6.0に調整する。 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0 g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5 g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3 g 水を加えて1リットルとし、酢酸を用いてpH=6.0 に調
整する。 〈安定液〉 ホルマリン (37%水溶液) 1.5 mlコニ
ダックス (小西六写真工業社製) 7.5 ml 水を加えて1リットルとする。 【0040】現像抑制剤未添加の時の試料(A) の感度
をS0 とし、試料(B)の感度をS0´とし、現像抑制剤
添加の時の試料(A)感度をSAとし、試料(B) の感度
をSBとすると、 試料(A)の減感度 ΔS=S0−SA 試料 (B) の減感度 ΔS0 =S0´−SB 拡散性=ΔS/ΔS0 と表される。 但し、感度は全て、かぶり濃度+ 0.3の濃度点の露光量
の逆数の対数 (−logE)とする。この方法により求め
た数種の現像抑制剤の拡散性を次の表に例示する。 【0041】 【表1】 【0042】 【表2】【0043】次に上記評価において、拡散性が0.40以上
を示す本発明に好ましく用いることのきできる上記一般
式(D−1) で表される化合物、所謂拡散性DIR化合
物について説明する。該拡散性DIR化合物は、放出さ
れた基の拡散性が上記範囲にある化合物であれば、特に
化学構造の限定はなく、いずれのものも用いることがで
きる。 【0044】以下に一般式(D−1) の代表的な構造式
を示す。 一般式(D−1) A−(Y)m Aはカプラー残基を表し、mは1または2を表し、Yは
カプラー残基Aのカップリング位と結合し発色現像主薬
の酸化体との反応により離脱する基で拡散性が0.40以上
の現像抑制剤基もしくは現像抑制剤を放出できる基を表
す。 【0045】一般式(D−1)においてYは代表的には
下記一般式(D−2)〜(D−19)で表される。 一般式(D−2) 【0046】 【化2】【0047】一般式(D−2)〜(D−7)において、
Rd1は水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル、アル
コキシ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、チアゾ
リリデンアミノ、アリールオキシカルボニル、アシルオ
キシ、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N,
N−ジアルキルカルバモイル、ニトロ、アミノ、N−ア
リールカルバモイルオキシ、スルファモイル、N−アル
キルカルバモイルオキシ、ヒドロキシ、アルコキシカル
ボニルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、アリー
ル、ヘテロ環、シアノ、アルキルスルホニルもしくはア
リールオキシカルボニルアミノの各基を表す。nは0、
1または2を表し、nが2のとき各 Rd1は同じでも異な
っていてもよい。n個の Rd1に含まれる炭素数の合計は
0〜10である。また一般式(D−6)における Rd1に含
まれる炭素数は0〜15である。上記一般式(D−6)の
Xは酸素原子または硫黄原子を表す。一般式(D−8)
において Rd2はアルキル基、アリール基もしくはヘテロ
環基を表す。一般式(D−9)において Rd3は水素原子
またはアルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘ
テロ環の各基を表し、 Rd4は水素原子、ハロゲン原子、
またはアルキル、シクロアルキル、アリール、アシルア
ミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカ
ルボニルアミノ、アルカンスルホンアミド、シアノ、ヘ
テロ環、アルキルチオもしくはアミノの各基を表す。Rd
1 、Rd2 、Rd3 もしくは Rd4がアルキル基を表すとき、
このアルキル基は置換基を有するものを含み、直鎖もし
くは分岐鎖のいずれであってもよい。Rd1 、Rd2 、Rd3
もしくは Rd4がアリール基を表すとき、アリール基は置
換基を有するものを包含する。Rd1 、Rd2 、Rd3 もしく
は Rd4がヘテロ環基を表すとき、このヘテロ環基は置換
基を有するものを包含し、ヘテロ原子として窒素原子、
酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1つを
含む5員または6員環の単環もしくは縮合環が好まし
く、例えばピリジル、キノリル、フリル、ベンゾチアゾ
リル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、トリ
アゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミド、オキサジンの
各基などから選ばれる。一般式(D−6)及び(D−
8)における、Rd2 に含まれる炭素数は0〜15である。
上記一般式(D−9)において、Rd3 及び Rd4に含まれ
る炭素数の合計は0〜15である。 【0048】一般式(D−10) −TIME−INHIBIT 式中、TIME基はAのカップリング位と結合し、発色
現像主薬の酸化体との反応により開裂できる基であり、
カプラーより開裂した後、INHIBIT基を適度に制
御して放出できる基である。INHIBIT基は上記放
出により現像抑制剤となる基(例えば上記一般式(D−
2)〜(D−9) で表される基)である。一般式(D−1
0)において−TIME−INHIBIT基は代表的に
は下記一般式(D−11) 〜(D−19) で表される。 【0049】 【化3】 【0050】 【化4】【0051】 【化5】【0052】 【化6】 【0053】INHIBIT基においては一般式(D−
2)〜(D−7)における一分子中のR1に含まれる炭素
数は合計して0〜32であり、一般式(D−8)における
Rd2に含まれる炭素数は1〜32であり、一般式( D−9
)における Rd3及び Rd4に含まれる炭素数の合計は0〜
32である。Rd5 、Rd6 及び Rd7がアルキル基、アリール
基またはシクロアルキル基を表すとき、置換基を有する
ものを包含する。 【0054】拡散性DIR化合物の中で、好ましいの
は、Yが一般式(D−2)、(D−3)または(D−1
0)で表されるものであり、(D−10)の中では、IN
HIBITが一般式(D−2)、(D−6) (特に一般
式(D−6)のXが酸素原子のとき) 、または(D−8)
(特に一般式(D−8)のRd2が、ヒドロキシアリール
または炭素数1〜3のアルキルのとき)で表されるもの
が好ましい。 【0055】一般式(D−1)においてAで表されるカ
プラー成分としてはイエロー色画像形成カプラー残基、
マゼンタ色画像形成カプラー残基、シアン色画像形成カ
プラー残基及び無呈色カプラー残基が挙げられる。本発
明で用いられる好ましい拡散性DIR化合物としては米
国特許第4,234,678号、同第3,227,5 54号、同第 3,617,
291号、同 3,958,993号、同第4,149,886号、同第 3,93
3,500号、特開昭57-56837号、同51-13239号、米国特許
第 2,072,363号、同第2,070,266 号、リサーチディスク
ロージャー1981年12月第 21228号などに具体的に記載さ
れたものがある。上記DIR化合物を添加する際には、
ハロゲン化銀1モル当たり0.0001〜0.1モル添加するこ
とが好ましく、特に 0.001〜0.05モル添加することが好
ましい。特に本発明を適用する場合には、上述したDI
R化合物の中でも一般式(D−1) で表される拡散性D
IR化合物がより良好な効果を奏し得る。以下に上述し
た一般式〔I〕及び一般式(D−1) で表されるDIR
化合物を具体的に例示するが、本発明は勿論、これらの
化合物に限定されるものではない。 【0056】 【化7】 【0057】 【化8】【0058】 【化9】【0059】 【化10】【0060】 【化11】【0061】 【化12】【0062】 【化13】【0063】 【化14】 【0064】 【化15】 【0065】 【化16】【0066】 【化17】【0067】 【化18】【0068】 【化19】【0069】 【化20】【0070】 【化21】【0071】 【化22】【0072】 【化23】【0073】 【化24】【0074】 【化25】【0075】 【化26】【0076】 【化27】【0077】 【化28】【0078】 【化29】【0079】次に本発明の現像処理時間について述べ
る。本発明においては、ハロゲン化銀カラー写真感光材
料を発色現像液で処理する時間は、180 秒以下である。
即ち本発明においては、該発色現像液で上記ハロゲン化
銀カラー写真感光材料を処理する時間が 180秒以下、好
ましくは 150秒以下、更に好ましくは20〜150秒、更に
好ましくは30〜120 秒、更に好ましくは40〜100 秒の範
囲である。本発明では、上記のハロゲン化銀カラー写真
感光材料を上記した短時間の処理をすることにより、驚
くべきことに、得られる色素画像の粒状性を改良できた
ものである。 【0080】更に本発明のハロゲン化銀カラー写真感光
材料の処理方法において、発色現像液は、芳香族第1級
アミン系発色現像主薬を該処理液1リットル当たり 1.5
×10-2モル以上含む発色現像液である。更に好ましくは
2.0×10-2モル以上であり、更に好ましくは 2.5×10-2
モル以上の上記現像主薬を含有する発色現像液がよい。
このように発色現像主薬を高濃度にして上記写真感光材
料を活性化すると、上述の如き短時間処理によって鮮鋭
性に優れ、粒状性の向上した画像を得ることができる。
特にマゼンタ色素画像において顕著である。 【0081】以下、本発明において好ましく用いること
ができる発色現像液の発色現像主薬について説明する。
上記好ましい発色現像液に用いられる芳香族第1級アミ
ン系発色現像主薬液は、種々のカラー写真プロセスにお
いて広範囲に使用されている公知のものが含有される。
これらの現像剤にアミノフェノール系及びp−フェニレ
ンジアミン系誘導体が含まれる。これらの化合物は遊離
状態より安定のため一般に塩の形、例えば塩酸塩または
硫酸塩の形で使用される。アミノフェノール系現像剤と
しては例えば、o−アミノフェノール、p−アミノフェ
ノール、5−アミノ−2−オキシ−トルエン、2−アミ
ノ−3−オキシ−トルエン、2−オキシ−3−アミノ−
1, 4−ジメチル−ベンゼン等が含まれる。 【0082】本発明においては、目的の効果をより良好
に奏し、かつ自動現像機の発色現像層内壁への結晶析出
性が改良されるため本発明において、特に有用な芳香族
第1級アミン発色現像剤は少なくとも1つの水溶性基を
有するアミノ基を有した芳香族第1級アミン発色現像剤
であり、特に好ましくは下記一般式〔E〕で示される化
合物である。 【0083】 【化30】【0084】 【化31】【0085】 【化32】【0086】 【化33】【0087】 【化34】【0088】 【化35】【0089】 【化36】【0090】 【化37】【0091】 【化38】【0092】 【化39】【0093】更に本発明を実施する際には、特願昭61-1
2781号明細書第96頁〜第 100頁に記載された一般式〔R
−I〕〜〔R−XIII〕で表す有機抑制剤を用いるこ
とができ、該有機抑制剤を本発明における上記有機抑制
剤と係用することによって、本発明の効果が一層有効に
奏し得られる。 【0094】また、本発明における有機抑制剤は上記の
如くであるが、更に具体的なものとしては、上記特願昭
61-12781号明細書中第 101頁〜第 113頁の(Z−1)〜
(Z−3), (Z−6), (Z−8) 〜 (Z−13), (Z−1
5)〜(Z−17), (Z−19), (Z−22)〜(Z−25),
(Z−29), (Z−31)〜(Z−38), (Z−40), (Z−4
1),(Z−43)〜(Z−64) 及び(Z−66)〜 (Z−73)
が挙げられる。 【0095】本発明において用いられる発色現像液に
は、更に通常添加されている種々の成分、例えば水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、アルカリ
金属チオシアン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、ベン
ジルアルコール、水軟化剤及び濃厚化剤及び現像促進剤
等を任意に含有させることもできる。 【0096】上記発色現像液に添加される上記以外の添
加剤としては、ステイン防止剤、スラッジ防止剤、保恒
剤、重層効果促進剤、キレート剤等がある。本発明の発
色現像液は、pH9以上、特にpH9〜13で用いられるこ
とが好ましい。また発色現像液の処理温度としては、本
発明の目的にかなった効果をより良好に奏するために、
38℃以上が好ましく、特に40℃〜70℃の範囲が好まし
く、最も好ましいのは43℃〜60℃の範囲である。 【0097】上記の他、本発明の写真感光材料の処理方
法については特に制限はなく、あらゆる処理方法が適用
できる。本発明を実施する際には、漂白能を有する処理
液で処理する工程を用いることができる。漂白能を有す
る処理液で処理するとは、漂白液または一浴漂白定着液
により処理することを意味するが、より良好な漂白を行
うには、一浴漂白定着処理を行った場合である。漂白工
程の漂白液もしくは漂白定着液に用いられる漂白剤とし
ては、アミノポリカルボン酸または蓚酸、クエン酸等の
有機酸で鉄、コバルト、銅等の金属イオンを配位したも
のが一般に知られている。そして上記アミノポリカルボ
ン酸の代表的な例としては次のものを挙げることができ
る。 エチレンジアミンテトラ酢酸 ジエチレントリアミンペンタ酢酸 プロピレンジアミンテトラ酢酸 ニトリロトリ酢酸 イミノジ酢酸 グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸 エチレンジアミンテトラプロピオン酸 エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩 ジエチレントリアミンペンタ酢酸ペンタナトリ ウム塩 ニトリロトリ酢酸ナトリウム塩 本発明に用いる漂白液及び漂白定着液は、pH0.2 から
9.5で使用でき、好ましくは 4.0以上、より好ましくは
5.0以上で用いられる。処理の温度は20℃〜80℃で使用
されるが、望ましくは40℃以上で使用する。本発明に用
いる漂白液は、上記の如き漂白剤 (有機酸第2鉄錯塩が
好ましい)とともに種々の添加剤を含むことができる。
また、pH緩衝剤等通常漂白液に添加することが知られ
ているものを適宜添加することができる。 【0098】本発明に用いる漂白定着液に含ませるハロ
ゲン化銀定着剤としては、通常の定着処理に用いられる
ようなハロゲン化銀と反応して水溶性の錯塩を形成する
化合物である。これらの定着剤は5g/リットル以上、
好ましくは50g/リットル以上、より好ましくは70g/
リットル以上溶解できる範囲の量で使用できる。尚、本
発明に用いる漂白定着液には、漂白液の場合と同様にp
H緩衝剤を単独であるいは2種以上組み合わせて含有せ
しめることができる。更にまた、各種の蛍光増白剤や消
泡剤あるいは界面活性剤や防ばい剤を含有せしめること
もできる。また、保恒剤、安定剤、可溶化剤、ステイン
防止剤、その他の添加剤や有機溶媒を適宜含有せしめる
ことができる。 【0099】本発明における発色現像液を用いる処理方
法では、発色現像後直ちに漂白もしくは漂白定着するこ
とが最も好ましい処理方式であるが、発色現像後水洗ま
たはリンス及び停止等の処理を行った後、漂白もしくは
漂白定着処理してもよく、また漂白促進剤を含ませた前
浴に漂白もしくは漂白定着に先立つ処理液を用いてもよ
い。 【0100】本発明を適用するハロゲン化銀カラー写真
感光材料の発色現像以外の処理、例えば漂白定着(また
は漂白、定着)、更に必要に応じて行われる水洗または
水洗代替安定化等の各種処理工程の処理温度について
は、20℃〜80℃が好ましく、更に好ましくは40℃以上で
行われる。本発明においては、特開昭58-14834号、同 5
8-105145号、同 58-134634号及び同58-18631号並びに特
願昭 58-2709号及び同59-89288号等に示されるような水
洗代替安定化処理を行うことが好ましい。 【0101】本発明を適用する写真感光材料がフルカラ
ーである場合には、写真構成層に青感光性層、緑感光性
層及び赤感光性層を備えている。該緑感光性層は一般に
マゼンタカプラーを含有し、マゼンタカプラーとして
は、例えば5−ピラゾロン系カプラー、ピラゾロベンツ
イミダゾール系カプラー、ピラゾロトリアゾール系カプ
ラー、開鎖アシルアセトニトリル系カプラーを好ましく
用いることができる。赤感光性層は一般にシアンカプラ
ーを含有し、シアンカプラーとしては、例えばナフトー
ル系カプラー及びフェノール系カプラーを好ましく用い
ることができる。青感光性層は一般にイエローカプラー
を含有し、シアンカプラーとしては、例えば、アシルア
セトアニリド系カプラーを好ましく用いることができ、
これらのうちベンゾイルアセトアニリド系及びビバロイ
ルアセトアニリド系化合物が好適である。 【0102】本発明を実施する際には、ハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料には他に各種の写真用添加剤を含有せ
しめることができる。例えばリサーチ・ディスクロージ
ャー誌 17643号に記載されているかぶり防止剤、安定
剤、紫外線吸収剤、色汚染防止剤、蛍光増白剤、色画像
褪色防止剤、帯電防止剤、硬膜剤、界面活性剤、可塑
剤、湿潤剤等を用いることができる。 【0103】本発明を適用するハロゲン化銀カラー写真
感光材料の支持体としては、例えばガラス板、セルロー
スアセテート、セルロースナイトレートまたはポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリア
ミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレ
ンフィルム等が挙げられ、これらの支持体は感光材料の
使用目的に応じて適宜選択される。 【0104】本発明を適用する感光材料において、目的
に応じて適当な厚さの中間層を設けることは任意であ
り、更にフィルター層、カール防止層、保護層、アンチ
ハレーション層等の種々の層を構成層として適宜組み合
わせて用いることができる。これらの構成層には結合剤
として前記のような乳剤層に用いることのできる親水性
コロイドを同様に用いることができ、またその層中には
前記の如き乳剤層中に含有せしめることができる種々の
写真用添加剤を含有せしめることができる。 【0105】本発明の処理方法はカラーネガフィルム、
カラーポジフィルム、スライド用カラー反転フィルム、
映画用カラー反転フィルム、TV用カラー反転フィルム
等、任意のハロゲン化銀カラー写真感光材料に適用する
ことができる。 【0106】 【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的実施例を述
べるが、本発明の実施の態様はこれらに限定されない。
また以下の全ての実施例において、ハロゲン化銀カラー
写真感光材料中の添加量は1m2 当たりのものを示し、
ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算して示した。 【0107】実施例1(本発明外の参考例) 表−1に示すハロゲン化銀乳剤を、通常のダブルジェッ
ト法により球状乳剤として製造した。下記各層をセルロ
ーストリアセテート支持体上に順次塗設し、多層カラー
写真感光材料試料を作成した。 【0108】第1層:ハレーション防止層(HC層) 0.15gの黒色コロイド銀及び 1.3gのゼラチンからなる
ハレーション防止層。 第2層:下引層(IG層) 1.9 gのゼラチンからなる下引層。 第3層:赤感性ハロゲン化銀乳剤層(R層) 表−1に示されたハロゲン化銀乳剤を各々赤感性に色増
感したものと、0.2 モル/モルAg の下記シアンカプラ
ー(C−1)と、0.007モル/モルAg の下記カラードシ
アンカプラー (CC−1)をトリクレジルホスフェート
(以下、TCPという)に溶解し、また、抑制剤をメタ
ノールに溶解して、ゼラチンを含む水溶液中に乳化分散
した分散物を含有している赤感性ハロゲン化銀乳剤層。 第4層:中間層(2G層) 0.14gの2, 5−ジ−t−ブチルヒドロキノンと、0.07の
ジブチルフタレート (以下、DBPという) からなる中
間層。 第5層:緑感性ハロゲン化銀乳剤層(G層) 表−1に示されたハロゲン化銀乳剤を各々緑感性に色増
感したものと、下記マゼンタカプラー(M−1)0.16モ
ル/モルAg と、0.016 モル/モルAg の下記カラード
マゼンタカプラー (CM−1)を溶解したTCPとをゼ
ラチンを含む水溶液中に乳化分散した分散物を含有して
いる緑感性ハロゲン化銀乳剤層。 第6層: 0.3gの黄色コロイド銀、0.19gの汚染防止剤
(2, 5−ジ−t−オクチルハイドロキノン) を溶解した
0.12gのDBP及び 2.1gのゼラチンを含有するイエロ
ーフィルター層。 第7層:低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層(B層) 表−1に示されたハロゲン化銀乳剤を各々青感性に色増
感したものと、0.30モル/モルAg の下記イエローカプ
ラー(Y−1)をTCPに溶解し、ゼラチンを含む水溶
液中に乳化分散した分散物とを含有している青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層。 第8層:高感度青感性ハロゲン化銀乳剤(B層) 第7層と同様であり、ハロゲン化銀粒子径をやや大きい
ものを使用した。 第9層:保護層(3G層) 0.9gのゼラチンを含む保護層。 【0109】各層には上記の他、ゼラチン硬化剤(1, 2
−ビスビニルスルホニルエタンと2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩)や界面活性
剤を含有させた。塗布銀量は57mg/100cm2 とし
た。 【0110】各層に用いたカプラー等は、下記に示すと
おりである。シアンカプラー(C−1) 2−(α, α, β, β, γ, γ, δ, δ−オクタフルオ
ロヘキサンアミド) −5−〔2−(2, 4−ジ−t−ア
ミルフェノキシ) ヘキサンアミド〕フェノールカラードシアンカプラー(CC−1) 1−ヒドロキシ−4−〔4−(1−ヒドロキシ−8−ア
セトアミド−3, 6−ジスルホ−2−ナフチルアゾ) フェ
ノキシ〕−N−〔δ−(2, 4−ジ−t−アミルフェノキ
シ) ブチル〕−2−ナフトアミド・ジナトリウム塩マゼンタカプラー(M−1) 1−(2, 4, 6−トリクロロフェニル) −3−{〔α−
(2, 4−ジ−t−アミルフェノキシ) −アセトアミド〕
ベンズアミド}−3−ピラゾロン及び1−(2, 4,6−ト
リクロロフェニル) −3−{〔α−(2, 4−ジ−t−ア
ミノフェノキシ)−アセトアミド〕ベンズアミド}−4
−(4−メトキシフェニルアゾ) −5−ピラゾロンカラードマゼンタカプラー(CM−1) 1−(2, 4, 6−トリクロロフェニル) −4−(1−ナフ
チルアゾ) −3−(2−クロロ−5−オクタデセニルス
クシンイミドアニリノ) −5−ピラゾロンイエローカプラー(Y−1) α−〔4−(1−ベンジル−2−フェニル−3,5−ジオ
キソ−1, 2, 4−トリアゾリジニル)〕−α−ビバロイ
ル−2−クロロ−5−〔γ− (2,4−ジ−t−アミルフ
ェノキシ) ブタンアミド〕アセトアニリド 【0111】また、第3層の赤感性ハロゲン化銀乳剤層
(R層) に、下記表−1に記載したDIR化合物をそれ
ぞれTCPに溶解して添加した。この際該乳剤層に含有
されるDIR化合物はそのハロゲン化銀1モルに対して
0.02モルとなるように調製塗布した。 【0112】上記の処方において、ハロゲン化銀として
表−1の組成のものを使用し、第3層,第5層,第7層
及び第8層の塗布量を変化することと、第9層のゼラチ
ン硬膜剤を量変化し、試料No.1〜19を作成した。次
に膜厚を測定し、表−1に記した。 【0113】各試料を各々ウエッジを介して露光を (16
CMS) 与え、下記の処理工程で処理して色素画像を得
た。 処理工程 発色現像 表−2に示した時間と温度 漂 白 4分 (38℃) 定 着 3分 (30〜38℃) 水 洗 1分 (20〜33℃) 安定化 1分 (20〜33℃) 乾 燥 【0114】各処理工程において使用した処理液組成は
下記のとおりである。 〈発色現像液〉 前記例示化合物 (E−2)の硫酸塩 表−1に記載 無水亜硫酸ナトリウム 2.00g ヒドロキシルアミン・1/2 硫酸塩 2.4 g 無水炭酸カリウム 30.0 g 臭化ナトリウム 1.1 g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩 (1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 抑制剤 (Z−2) 0.5 g 水を加えて1リットルとし、50%KOHとH2SO4で、pH=10.1に調製す る。 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 200 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0 ミリリットル 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH=6.0 に調製する。 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175 g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5 g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3 g 水を加えて1リットルとし、酢酸を用いてpH=6.0 に調製する。 〈安定液〉 ホルマリン (37%水溶液) 1.5 ミリリットル コニダックス (小西六写真工業株式会社製) 7.5 ミリリットル 水を加えて1リットルとする。 【0115】得られたマゼンタ色素の粒状性 (RMS)
を表−2に示す。また、上記漂白液1リットル中に発色
現像液350 ミリリットルを添加し、室温下に24時間放置
した後、上記処理工程に従い現像処理を行った。処理後
の試料の未露光部のイエローステインの上昇幅を測定し
た結果を下記表−3に示した。 【0116】また、同様にグリーン光で露光した各試料
について即日マゼンタ最小濃度を測定した結果を表−4
に示す。 【0117】更に粒状性を表すRMS値は、最小濃度+
1.0 の濃度を開口走査面積 250μm2 のマイクロデンシ
トメーターで走査した時に生じる濃度値の変動の標準偏
差の1000倍値で示した。 【0118】 【表3】 【0119】 【表4】【0120】 【表5】【0121】 【表6】【0122】表−2,表−3から理解されるように、本
発明を用いると、粒状性、イエローステイン共に好まし
い結果が得られる。更に表−4から明らかなように、本
発明を用いた場合、マゼンタ層のかぶりの問題も解決さ
れる。即ち本発明を用いた試料のマゼンタ最小濃度は0.
54以下であるのに対し、他の試料は0.54より大のものが
多く、本発明の効果が明らかである。 【0123】従って、ハロゲン化銀の沃素含有量、感光
材料の膜厚、発色現像主薬濃度及び本発明に係るDIR
化合物がいずれも本発明の範囲内にある場合にのみ、本
発明の目的にそった効果を奏して粒状性、漂白液でのイ
エローステイン及び未露光部のマゼンタかぶりのいずれ
もが改良され、上記いずれかの条件が欠如しても上記改
良はされない。 【0124】実施例2(本発明外の参考例) 表−5に示す沃臭化銀乳剤を下記の製造法により製造し
た。即ちA〜Cは通常のダブルジェット法により製造し
た。D〜Kは関数添加法によりコア/シェル型の単分散
乳剤を製造した。Lは pH、pAg をコントロールしな
がらダブルジェット法により平板状ハロゲン化銀乳剤を
製造した。 【0125】次に上記A〜Lの乳剤を使用して実施例1
と同じ感光材料作成方法で、膜厚が表−5に示すごとき
感光材料試料No.20〜43の試料を作成した。各試料に
ついて実施例1と同じ実験をし、得られた粒状性(RM
S値)、及びマゼンタ最小濃度値イエローステインのデ
ータを表−6に示す。 【0126】 【表7】【0127】 【表8】【0128】表−6から明らかなように、本発明に係る
DIR化合物を用いた試料は、イエローステイン及びマ
ゼンタ最小濃度が上昇することなく、粒状性が大巾に改
良されていることが判る。 【0129】実施例3(本発明外の参考例) 実施例2において試料No.38について添加するDIR
化合物を(D´−20),(D´−22), (D´−23),(D´
−24), (D´−25), (D´−26), (D´−27),(D´−2
9),(D´−30), (D´−31), (D´−32) に変えて各
々試験を実施したところ、実施例2とほぼ同様の結果が
得られ、試料No.22と比較して試料No.38が全て好
ましい結果であった。このような事実から本発明に係る
DIR化合物を用いることによって、本発明の効果が有
効に奏し得られていることが判る。 【0130】実施例4(本発明外の参考例) 実施例1において発色現像主薬として用いた例示化合物
(E−2)の量を表−7に示すごとく変化し、かつ表−
7の現像温度で処理を行った。その他は実施例と同様に
した。但し試料として用いた感光材料試料No.22, 38
は、実施例2で作成したものである(表−6参照)。 【0131】表−7中、太線で囲った本発明のものが好
ましい結果をえることがわかる。また現像主薬の濃度は
1.5×10-2モル/リットル以上が好ましい結果を示して
いる。 【0132】また同様にして、発色現像主薬を例示化合
物 (E−1), (E−4), (E−5),(E−7)及び下記
(D−1), (D−2)に変えて同様に実施したところ、
本発明に係る発色現像主薬(E−1) (E−4), (E−
5) 及び (E−7)を用いる際には下記表−7とほぼ同
一の結果を得るが、(D−1)及び(D−2)では未露
光部のマゼンタ最小濃度がそれぞれ0.03〜0.05上昇し
た。更にこれら発色現像液を自動現像機に入れて実験し
たところ、(D−1), (D−2)を使用した発色現像液
の場合、自動現像機内壁面に(D−1), (D−2)の結晶
が析出したが、本発明に係る発色現像主薬を用いたもの
の場合には、結晶の析出が殆ど認められなかった。 【0133】 【化40】 【0134】実施例5(本発明外の参考例) 実施例2の乳剤Gを使用し、実施例1の作成方法で塗布
銀量を次のように変えて試料を作成した。即ち第3, 5,
7, 8 層の銀塗布量を変化させることで塗布銀量を変化
した試料とした。更に、表−8に示すように、膜厚及び
塗布銀量を調整した。それぞれについて液温45℃の発色
液を用いて60秒間処理し、現像後の各試料のRMS
値とマゼンタ最小濃度を測定し、その結果を表−8に示
した。表−8の結果より塗布銀量は30mg/100 cm2
以上が好ましく、更に好ましくは35〜150mg/100 c
2 、またそれより好ましくは40〜100mg/100 cm2
がよいことがわかる。 【0135】実施例6(本発明に係る実施例) 実施例2の感光材料試料No.38において、実施例1
の発色現像液に抑制剤を添加したものを用い、前記例と
同様RMS値とマゼンタ最小濃度値を測定した。発色現
像主薬(E−2)を用い、濃度を2.0×10−2モル
/リットル、温度を50℃、発色現像時間を60秒とし
て、以下の各試料を処理した。即ち実施例1で用いた感
光材料の試料No.22,38の作製において、抑制剤
(Z−2)を表−9に示した抑制剤に変えて試料を作成
した。表−9に示す結果から、抑制剤を添加した方が効
果的であることがわかる。 【0136】実施例7(本発明外の参考例) 実施例1における試料No.12の赤感性ハロゲン化銀乳
剤層(R層) に用いた拡散性DIR化合物(D´−19)
に代えて本実施例では青感性ハロゲン化銀乳剤層(B
層) に拡散性DIR化合物(D´−2),(D´−4),
(D´−6) 及び(D´−33) をそれぞれ添加した以外
は全て実施例1と同様に試料No.44〜47を作成した。 【0137】更に試料No.12の拡散性DIR化合物
(D´−19) に代えて拡散性DIR化合物(D´−10),
(D´−11),(D´−12),(D´−14) をそれぞれ緑感
性ハロゲン化銀乳剤層に添加した以外は全て実施例1と
同様に試料No.48〜51を作成した。次に作成された試
料No.44〜51に実施例1と同様の処理をしてRMS
値、イエローステイン及びマゼンタ最小濃度を測定し、
下記表−10に示した。尚、発色現像処理は50℃の発色現
像液で60秒処理した。 【0138】表−10から明らかなように、DIR化合物
を添加した試料No.44〜51はいずれもDIR化合物無
添加の試料No.11よりも粒状性(RMS値) が良好
で、漂白液に起因するイエローステインも良好で、かつ
マゼンタ最小濃度が低いことが判る。更に、DIR化合
物を添加するハロゲン化銀乳剤層が赤感性層、緑感性層
あるいは青感性層のいずれであってもマゼンタ最小濃度
が低く、画質が良好であることが判る。 【0139】実施例8(本発明外の参考例) 実施例1における試料No.12のR層に用いたDIR化
合物(D´−19) に代えて該層にDIR化合物(I−3
3),(I−37),(I−38),(I−39),(I−40),(I−4
1) 及び(I−42) をそれぞれ添加した以外は全て試料
No.12と同様に試料No.52〜58を作成した。 【0140】更に試料No.12の拡散性DIR化合物
(D´−19) に代えてDIR化合物(I−3),(I−
5),(I−18) 及び(I−2) をそれぞれB層にそれぞ
れ添加した以外は全て試料No.12と同様に試料No.
59〜62を作成した。 【0141】また、試料No.12の拡散性DIR化合物
(D´−19) に代えてG層にDIR化合物(I−44),
(I−45),(I−31),(I−19) 及び(I−15) をそれ
ぞれ添加した以外は全て試料No.12と同様に試料N
o.63〜67を作成した。 【0142】作成された試料No.52〜67に実施例1と
同様の処理をしてRMS値、イエローステイン及びマゼ
ンタ最小濃度を測定し、下記表−11に示した。 【0143】表−11から明らかなように、本実施例にお
いてもDIR化合物を添加しない試料No.11よりも上
記各測定結果が良好なことが判る。しかし該DIR化合
物は、いわゆる拡散性DIR化合物(D´−19) よりも
写真特性が若干劣ることが判る。従ってDIR化合物の
うちでも拡散性DIR化合物の方が写真特性をより良好
に発揮させることが判る。 【0144】実施例9(本発明外の参考例) 実施例1における試料No.19のG層にDIR化合物
(D´−2),(D´−4),(D´−6) 及び(D´−3
3) をそれぞれ添加し、またG層DIR化合物(D´−1
0),(D´−11),(D´−12) 及び(D´−14) をそれ
ぞれ添加して、これら各DIR化合物を組み合わせた試
料を作成して実施例7と同様の処理をした結果、RMS
値は更に1〜3減少し、マゼンタ最小濃度も0.02〜0.03
減少し、更に写真特性が改善されることが判った。 【0145】従って本発明のDIR化合物は写真感光材
料の複数の層に添加することによって画質をより向上さ
せる効果を奏し得ることが判る。 【0146】 【表9】 【0147】 【表10】【0148】 【表11】【0149】 【表12】 【0150】 【表13】【0151】 【発明の効果】以上の如く本発明は、迅速処理性に優
れ、かつ迅速処理下であっても粒状性に優れた色素画像
が得られるとともに、写真性能特にマゼンタ層のカブリ
等の点が改善され、諧調性に優れたハロゲン化銀カラー
写真感光材料の処理方法であるということができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 茂枝子 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−135828(JP,A) 特開 昭58−4245(JP,A) 特開 昭62−275259(JP,A) 特開 昭57−125939(JP,A) 特開 昭55−74542(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 7/407 G03C 1/035

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を
    含むハロゲン化銀写真感光材料を発色現像処理する方法
    において、該ハロゲン化銀写真感光材料の乾燥時の膜厚
    が25μm以下であり、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくと
    も一層に沃化銀を 0.5モル%以上含有するハロゲン化銀
    粒子が含有され、更に現像抑制剤放出型化合物が該ハロ
    ゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に含有されているハロ
    ゲン化銀写真感光材料を、下記化学式(Z−1)〜(Z
    −15)で表される化合物を含有するとともに、芳香族
    第1級アミン系発色現像主薬1リットル当たり 1.5×
    10-2モル以上含有する発色現像液で 180秒以下の処理時
    間で処理することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真
    感光材料の処理方法。 【化41】【化42】【化43】 2.上記支持体上に塗布されているハロゲン化銀の総量
    が 100cm2 当たり30mg以上であることを特徴とする
    請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
    方法。
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