JP2900286B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents
無段変速機の制御装置Info
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Description
的にセカンダリ圧制御及び変速制御する制御装置に関
し、詳しくは、セカンダリ圧を減圧したプライマリ圧で
変速制御する油圧制御系で、常に全体のオイル流量の流
量バランスを保つように変速制御するものに関する。
リ圧及びセカンダリ圧の各制御弁,制御系が電子化され
る傾向にある。そして、伝達トルクに対応したセカンダ
リ圧,各運転及び走行条件に対応したプライマリ圧の変
速制御を最適化することを目指している。
してセカンダリ圧を発生し、このセカンダリ圧を減圧し
てプライマリ圧を生じる油圧制御系においては、ポンプ
吐出流量が種々の条件で規定されているため、変速信号
でプライマリシリンダの流量や油圧が大きく変化する
と、元圧のセカンダリ圧に影響を及ぼす。即ち、アップ
シフト時にプライマリ圧が増大制御される場合は、プラ
イマリの回路,シリンダ内のエアー圧縮,オイル漏れシ
リンダ変形等が増加するため、第3図のように所定の油
圧を発生するに必要な流量以上のオイル流量を要する。
この現象は、回路内のエアーが多い油圧零の条件からの
プライマリ圧立ち上がりの際に、最も顕著である。
ると、ポンプ吐出流量との流量バランスがくずれ、この
結果セカンダリ圧の低下を招き、ベルトスリップ,変速
不良等の不具合を生じる。このため、特にプライマリ圧
を増大してアップシフトに変速制御する場合は、セカン
ダリ圧の低下を生じないように流量バランスを適正に保
ちながら変速制御することが必要になる。
速制御に関しては、例えば特開昭61−74951号公報の先
行技術がある。ここで、油圧源と油圧シリンダの間に設
けられる流量調節弁に対し、補償油路をバイパスして設
け、油圧シリンダのオイル漏れによる作動油減少量に相
当する油量を、バイパス通路に介して供給し、作動油量
を一定に維持することが示されている。
ンダの作動油量を重視してオイル漏れで低下すると、別
途補償するように構成されているので、ポンプ流量が益
々変速制御に使用される傾向になる。このため、低速走
行時のポンプ吐出流量の少ない状態で急激にアップシフ
トするように変速されると、セカンダリ圧の低下を生じ
るおそれがある。
的とするところは、無段変速機の変速制御系において、
油圧制御系全体のオイル流量の流量バランスを考慮し、
常にベルトスリップ等を防止しつつ変速制御することが
可能な無段変速機の制御装置を提供することにある。
装置は、セカンダリ圧を減圧してプライマリ圧等を生じ
る油圧制御系と、セカンダリ圧,プライマリ圧を制御す
る電子制御系とを有する制御系において、電子制御系に
オイルポンプのポンプ実吐出流量,各部使用流量,プラ
イマリ系の定常流量と過渡流量をそれぞれ算出する算出
手段と、ポンプ実吐出流量に対し、各部使用流量,定常
流量及び過渡流量の合計が常に小さくなるように設定す
る流量バランス設定手段と、この流量バランス設定手段
によるプライマリ圧変化量と、変速制御系の変速圧力と
のいずれか小さい方を選択する選択手段とを備えるもの
である。
ともプライマリ圧が電子制御系により制御されて変速制
御するようになり、この変速制御の際にオイルポンプの
ポンプ実吐出量,各部使用流量,プライマリ系の定常流
量と過渡流量により油圧制御系の流量のバランスがとら
れ、このバランスを保つようにプライマリ圧変化量が設
定される。そして、アップシフト過渡時の変速圧力が常
にこのプライマリ圧変化量より小さい状態が制限される
ことで、過大な変速速度が自動的に低減され、ベルトス
リップ等を適確に防止することが可能になる。
て、ロックアップトルコン付無段変速機の駆動系の概略
について述べる。符号1はエンジンであり、このエンジ
ン1のクランク軸2がトルクコンバータ装置3,前後進切
換装置4,無段変速機5及びディファレンシャル装置6に
順次伝動構成されている。
プレート10を介してコンバータカバー11及びトルクコン
バータ12のポンプインペラ12aに連結する。トルクコン
バータ12のタービンランナ12bはタービン軸13に連結
し、ステータ12cはワンウェイクラッチ14により案内さ
れている。タービンランナ12bと一体的なロックアップ
クラッチ15は、ドライブプレート10に係合可能に設置さ
れ、エンジン動力をトルクコンバータ12又は,ロックア
ップクラッチ15を経由して伝達するようになっている。
ヤ16を有し、サンギヤ16aにタービン軸13が入力し、キ
ャリヤ16bからプライマリ軸20が出力する。そして、サ
ンギヤ16aとリングギヤ16cとの間にフォワードクラッチ
17を、リングギヤ16cとケースとの間にリバースブレー
キ18を有し、フォワードクラッチ17の係合でプラネタリ
ギヤ16を一体化し、タービン軸13とプライマリ軸20が直
結した前進位置を得る。また、リバースブレーキ18の係
合でプライマリ軸20に逆転した動力を出力するように後
進位置に切換え、フォワードクラッチ17とリバースブレ
ーキ18を共に解放し、プラネタリギア16がフリーの中立
位置にしている。
有するプーリ間隔可変式のプライマリプーリ22が設けら
れ、プライマリ軸20に平行配置されるセカンダリ軸23
に、同様に油圧シリンダ24を有するセカンダリプーリ25
が設けられる。そして、両プーリ22,25の間に駆動ベル
ト26が巻付けられている。ここで、プライマリシリンダ
21の方が受圧面積が大きく設定され、このプライマリ圧
によりベルト26の両プーリ22,25における巻付け径の比
率を変えて無段変速するようになっている。
のリダクションギヤ27を介して出力軸28が連結し、この
出力軸28のドライブギヤ29がファイナルギヤ30に噛合
う。そして、ファイナルギヤ30の差動装置31が、車軸32
を介して左右の車輪33に連結している。
コンバータ12に隣接してオイルポンプ34が配設される。
このオイルポンプ34はポンプドライブ軸35を介しコンバ
ータカバー11に連結され、常にエンジン動力によりポン
プ駆動して、油圧を生じるようになっている。ここで、
無段変速機5では油圧が高低の広範囲に制御されるの
で、オイルポンプ34は例えばローラベーン式で、可変容
量型のものが使用される。
油路41が、セカンダリ制御弁50に連通して、所定のセカ
ンダリ圧Psを生じており、このセカンダリ圧Psが油路42
によりセカンダリシリンダ24に常に供給される。セカン
ダリ圧Psは油路43に介してプライマリ制御弁60に導か
れ、油路44によりプライマリシリンダ21に給排油してプ
ライマリ圧Ppを生じるようになっている。
であり、比例ソレノイド51に制御ユニット70からプーリ
押付け用のソレノイド電流ISが供給される。すると、ソ
レノイド電流ISにより設定圧を可変して、比例関係でセ
カンダリ圧Psを調圧制御する。
り、比例ソレノイド61に制御ユニット70から変速用のソ
レノイド電流Ipが供給される。すると、ソレノイド電流
Ipにより設定圧を可変してセカンダリ圧Psを減圧し、比
例関係でプライマリ圧Ppを制御するものである。
常に比較的高い潤滑圧を生じる。そこで、この潤滑圧を
制御してトルクコンバータ12,前後進切換装置4,ベルト2
4等の潤滑部に供給されるように回路構成されている。
御系について述べる。
ンサ71,セカンダリプーリ回転数センサ72,エンジン回転
数センサ73,スロットル開度センサ74,及びセカンダリ圧
を検出する圧力センサ75を有する。
トル開度センサ74のスロットル開度θ,エンジン回転数
センサ73のエンジン回転数Neが入力するエンジントルク
算出部76を有し、θ−Neのトルク特性によりエンジント
ルクTeを推定する。また、トルクコンバータ入力側のエ
ンジン回転数Ne,その出力側のプライマリプーリ回転数N
pはトルク増幅率算出部77に入力し、速度比n(Np/Ne)
に応じたトルク増幅率tを定める。更に、エンジン回転
数Ne,プライマリプーリ回転数Npはプライマリ系慣性力
算出部78に入力し、エンジン1及びプライマリプーリ22
の質量,加速度により慣性力giを算出する。これらのエ
ンジントルクTe,トルク増幅率t,慣性力giは入力トルク
算出部79に入力し、CVT入力トルクTiを以下のように算
出する。
80を有する。ここで、各実変速比i毎に単位トルク伝達
に必要なスリップ限界のセカンダリ圧が設定されてお
り、このスリップ限界マップにより実変速比iに応じた
必要セカンダリ圧Psuを定める。そして、上記入力トル
クTi,必要セカンダリ圧Psu,セカンダリプーリ回転数Ns
は目標セカンダリ圧算出部81に入力し、セカンダリシリ
ンダ24の部分の遠心油圧gsを考慮して、目標セカンダリ
圧Pssを以下のように算出する。
力し、目標セカンダリ圧Pssに応じたソレノイド電流Is
を比例的に定める。そして、このソレノイド電流Isが駆
動部83を介して、セカンダリ制御弁50の比例ソレノイド
51に供給されるようになっている。
定常時の油圧比制御系について述べると、プライマリプ
ーリ回転数Npとセカンダリプーリ回転数Nsが入力する実
変速比算出部85を有し、実変速比iをi=Np/Nsにより
算出する。また、入力トルクTi,単位トルク伝達の為に
必要セカンダリ圧Psu,及び圧力センサ75のセカンダリ圧
Psが入力するトルク比算出部86を有し、トルク比KTを以
下のように算出する。
入力し、所定のトルク比KTで所定の実変速比iを保つの
に必要なセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppの油圧比Kp
を、トルク比KTに対しては増大関数で、実変速比iに対
しては減少関数で定める。そして、入力トルクTiと実変
速比iに対応した油圧比Kp,及び実際のセカンダリ圧Ps
は必要プライマリ圧算出部88に入力し、更にプライマリ
プーリ回転数Npによるプライマリシリンダ21の部分の遠
心油圧gpを考慮して、必要プライマリ圧Ppdを以下のよ
うに算出する。
iを維持するための必要プライマリ圧Ppdが、セカンダ
リ圧Psとの関係で決定されたことになる。
比i,スロットル開度θが入力する目標プライマリプーリ
回転数検索部89を有し、i−θの関係で目標プライマリ
プーリ回転数Npdを定める。この目標プライマリプーリ
回転数Npdとセカンダリプーリ回転数Nsは目標変速比算
出部90に入力し、目標変速比isをis=Npd/Nsにより算出
するのであり、こうして変速パターンをベースとして各
運転,走行条件に応じた目標変速比isが求められる。
置eに比例し、油量Vを時間微分した流量Qはプーリ位
置変化速度de/dtと1対1で対応する。従って、プーリ
位置変化速度de/dtにより流量Qがそのまま算出されて
好ましいことから、実変速比iは実プーリ位置変換部91
で実プーリ位置eに変換する。また、目標変速比isも目
標プーリ位置変換部92により目標プーリ位置esに変換す
る。これらの実,目標プーリ位置e,esはプーリ位置変化
速度算出部93に入力し、プーリ位置変化速度de/dtを以
下のように、両プーリ位置e,esの偏差等により算出す
る。
出部94に入力し、de/dtによる流量に基づいて、変速に
必要な圧力ΔPpを求める。
dと、流量制御系で算出された変速圧力ΔPpは、目標プ
ライマリ圧算出部95に入力して、目標プライマリ圧Pps
をPpdに対してΔPpをアップシフトとダウンシフトでそ
れぞれ加減算して算出する。目標プライマリ圧Ppsはソ
レノイド電流設定部96に入力し、目標プライマリ圧Pps
に応じたソレノイド電流Ipを比例的に定める。そして、
このソレノイド電流Ipが駆動部97を介して、プライマリ
制御弁60の比例ソレノイド61に供給され、フィードフォ
ワードで変速制御するようになっている。
限対策について説明する。
実オイルポンプ吐出流量Qoは、ポンプ回転数Nop,セカン
ダリ圧Ps,油温toの関数で以下のように表わせる。
部使用流量Qsは、以下のようになる。
ップシフト時にプライマリ圧Ppの変化に応じて流れる過
渡流量Qpdとがあり、定常流量Qpsは以下のようになる。
p/dt等の関数で以下のようになる。
リ圧Ppの立上がりの際にその変化量dPp/dtが大きい程、
プライマリシリンダ21の空気の圧縮性,シリンダの変
形,回路各部オイル漏れの増加等のより多く必要にな
る。従って過渡流量Qpdの使用を少なくするには、プラ
イマリ圧変化量dPp/dtを減少し、緩やかに変速制御すれ
ば良い。以上のように油圧制御系の各部の必要オイル流
量Qop,Qs,Qps,Qpdが設定され、この場合にベルトスリッ
プを生じないように流量収支のバランスをとると、以下
の条件式を成立する必要がある。
tを、上式を満たすように制限すれば良いことになる。
サ100の油温toが入力するポンプ実吐出量算出部101,セ
カンダリ圧Psと油温toが入力する各部使用流量算出部10
2,油温toと必要プライマリ圧Ppdが入力する定常流量算
出部103を有し、ポンプ実吐出量Qop,各部使用流量Qs,プ
ライマリ系の定常流量Qpsを定める。これらの流量の値
は過渡流量算出部104に入力し、過渡流量Qpdを以下のよ
うに算出する。
はプライマリ圧変化量最大値設定部105に入力し、これ
らの要素によりプライマリ圧変化量dPp/dtの最大値[dP
p/dt]maxを設定する。ここで、プライマリ圧変化量最
大値[dPp/dt]maxは第4図のマップに示すように、過
渡流量Qpdに対し増大関数で設定され、必要プライマリ
圧Ppd,油温toに対して減少関数的に補正される。
る変速圧力ΔPpは選択部106に入力して比較され、いず
れか一方の小さい方を目標プライマリ圧算出部95に出力
するようになっている。
ンジン1の運転により、トルクコンバータ12のコンバー
タカバー11,ポンプドライブ軸35を介しオイルポンプ34
が駆動して油圧を生じる。この油圧はセカンダリ制御弁
50に導かれ、所定のセカンダリ圧Psに調圧されて常にセ
カンダリシリンダ24に供給される。ここで、停車時は後
述するように、プライマリ圧Ppが最低に設定されること
で、無段変速機5はベルト26が最もセカンダリプーリ25
の方に移行して、最大変速比iLの低速段になる。
ッチ15を解放しながらトルクコンバータ12に給油され
る。そこで、例えばDレンジにシフトすると、前後進切
換装置4のフォワードクラッチ17が給油により係合して
前進位置になる。このため、エンジン動力がトルクコン
バータ12,前後進切換装置4を介し無段変速機5のプラ
イマリ軸20に入力し、プライマリプーリ22,セカンダリ
プーリ25及びベルト26により最大変速比iLの動力がセカ
ンダリ軸23に出力する。そして、この変速動力がディフ
ァレンシャル装置6を介し車輪33に伝達して、発進可能
になる。
定され、トルク増幅率t,慣性力giが算出されている。そ
こで、発進,加速時において、エンジントルクTe,トル
ク増幅率tにより入力トルクTiが大きい場合は、必要セ
カンダリ圧Psu及び目標セカンダリ圧Pssが大きい値にな
る。そして、これに応じたソレノイド電流Isがセカンダ
リ制御弁50の比例ソレノイド51に流れ、設定圧を高く定
めるのであり、これによりセカンダリ圧Psはドレンを減
じて高圧制御される。
幅率が1になり、高速段側に変速されてエンジントルク
Teも低い走行条件になると、目標セカンダリ圧Pssは急
激に小さくなる。このため、セカンダリ制御弁50の設定
圧と共にセカンダリ圧Psが順次低下するように制御され
る。こうして、伝達トルクに対し、常にベルトスリップ
を生じない最小限のプーリ押付け力を付与するように制
御される。
減圧作用でプライマリ圧Ppを生じ、このプライマリ圧Pp
がプライマリシリンダ21に供給されて変速制御される。
ライマリ制御弁60が最も減圧作用し、プライマリ圧Ppを
最低に保っている。そして、発進後に目標変速比isが最
大変速比iLより順次小さく設定されると、流量制御系で
実,目標のプーリ位置e,esの偏差等に応じプーリ位置変
化速度de/dtが算出され、これに伴う変速圧力ΔPpを生
じて目標プライマリ圧Ppsを増加する。そして、この目
標プライマリ圧Ppsに応じたソレノイド電流Ipがプライ
マリ制御弁60の比例ソレノイド61に流れ、プライマリ圧
Ppを順次高くするように過渡制御される。そこで、ベル
ト26はプライマリプーリ22の方に移行し、変速比の小さ
い高速段にアップシフトする。
と、油圧比制御系で油圧比Kpが増大設定され、セカンダ
リ圧Psに対する必要プライマリ圧Ppdの割合を増す。こ
のため、変速比iが過渡的に変化して再び定常状態にな
る毎に、変速圧力ΔPpの減少に代わり必要プライマリ圧
Ppdが増加して、目標プライマリ圧Ppsと共にプライマリ
圧Ppを同一に保つようになり、こうして変速した実変速
比iを保つように定常制御される。また入力トルクTiが
例えば増大すると、トルク比KTが大きくなり、これに伴
い油圧比Kpの値も増す。そこで、プライマリ圧Ppは増大
補正されて、入力トルクTiの増大によるダウンシフト傾
向を防止するように修正される。
最小変速比iHの高速段から逆に大きくなると、変速圧力
ΔPpの減算により目標プライマリ圧Ppsが低下し、プラ
イマリ制御弁60でプライマリ圧Ppが低圧制御されるので
あり、これによりベルト26は再びセカンダリプーリ25の
方に移行して、低速段側にダウンシフトする。そしてこ
の場合も、定常状態になると油圧比制御系の必要プライ
マリ圧Ppdにより目標プライマリ圧Ppsが、減少保持され
る。こうして、最大と最小の変速比iL,iHの間の変速全
域で、流量制御系と油圧比制御系により追従性と収束性
を共に満たすように変速制御されるのである。
応じたオイルポンプ43のポンプ実吐出流量Qop,変速比i,
伝達トルクTiに応じたセカンダリ圧Psを含む各部使用流
量Qs,プライマリ圧Ppに応じた定常流量Qpsが算出され
る。そして、これらに基づいてアップシフトする場合の
過渡流量Qpdが算出され、この過渡流量Qpdに対応して油
圧制御系の流量バランスとの関係で、ベルトスリップを
生じないようなプライマリ圧変化量最大値[dPp/dt]ma
xが予め設定される。
いがセカンダリ圧Psが高く設定される条件では、過渡流
量Qpdが少なくなってプライマリ圧変化量最大値[dPp/d
t]maxが第4図のマップで小さく設定される。一方、高
速定常走行ではポンプ実吐出流量Qopが多くセカンダリ
圧Psが低く設定されるため、過渡流量Qpdが多くなって
プライマリ圧変化量最大値[dPp/dt]maxが大きく設定
される。
速比iとの偏差に応じて設定される変速圧力Δppと、上
記プライマリ圧変化量最大値[dPp/dt]maxが比較さ
れ、いずれか一方の小さい方が選択される。そこで、上
述のプライマリ圧変化量最大値[dPp/dt]maxの比較的
小さい走行条件にもかかわらず大きい変速圧力ΔPpで急
激にアップシフト指示されても、この場合の変速圧力Δ
Ppがプライマリ圧変化量最大値[dPp/dt]maxで制限さ
れるのである。このため、プライマリシリンダ21にはベ
ルトスリップを生じないように緩やかに給油され、これ
に基づき滑らかにアップシフトを開始する。そして、プ
ライマリ圧変化量最大値[dPp/dt]maxが流量制御系の
変速圧力ΔPpの値より多きい関係になると、この変速圧
力ΔPpにより直接アップシフト制御されるのである。
に限定されない。例えば、プライマリ圧変化量dPp/dtを
プライマリ圧Pp,セカンダリ圧Ps,ポンプ回転数Nop,油温
toで設定し、このプライマリ圧変化量dPp/dtで制御して
も良い。
油圧制御系でセカンダリ圧を減圧して生成したプライマ
リ圧を用いて変速制御する変速制御系において、油圧制
御系のオイル流量の流量バランスを保つように変速を制
限するので、特にアップシフト過渡時のベルトスリップ
を適確に防止することができ、更に変速ショックが低減
し、変速制御性等が向上する。
流量と過渡流量を直接算出し、この過渡流量に対しプラ
イマリ圧変化量を設定して変速過渡制御するように構成
されるので、変速の制限を必要最小限に抑えてベルトス
リップ防止を最適に行うことができる。
ランス制御系を付加したものであるから、制御が簡単且
つ容易になる。
ブロック図、 第2図は本発明が適応される無段変速機の全体構成図、 第3図はアップシフト時の過渡的なプライマリ圧、オイ
ル流量の関係を示す図、 第4図はプライマリ圧変化量最大値の設定マップを示す
図である。 5……無段変速機、21……プライマリシリンダ、24……
セカンダリシリンダ、50……セカンダリ制御弁、60……
プライマリ制御弁、70……制御ユニット、94……変速圧
力算出部、95……目標プライマリ圧算出部、101……ポ
ンプ実吐出流量算出部、102……各部使用流量算出部、1
03……定常流量算出部、104……過渡流量算出部、105…
…プライマリ圧変化量最大値設定部、106……選択部。
Claims (3)
- 【請求項1】セカンダリ圧を減圧してプライマリ圧等を
生じる油圧制御系と、セカンダリ圧,プライマリ圧を制
御する電子制御系とを有する制御系において、 電子制御系にオイルポンプのポンプ実吐出流量,各部使
用流量,プライマリ系の定常流量と過渡流量をそれぞれ
算出する算出手段と、 ポンプ実吐出流量に対し、各部使用流量,定常流量及び
過渡流量の合計が常に小さくなるように設定する流量バ
ランス設定手段と、 この流量バランス設定手段によるプライマリ圧変化量
と、変速制御系の変速圧力とのいずれか小さい方を選択
する選択手段とを備えることを特徴とする無段変速機の
制御装置。 - 【請求項2】上記流量バランス設定手段は、プライマリ
圧変化量を過渡流量,プライマリ圧,油温の関数で設定
することを特徴とする請求項(1)記載の無段変速機の
制御装置。 - 【請求項3】上記流量バランス設定手段は、ベルトスリ
ップを防止するに必要なプライマリ圧変化量の最大値を
設定し、 選択部は変速圧力をこのプライマリ圧変化量最大値より
小さい状態に制限することを特徴とする請求項(1)記
載の無段変速機の制御装置。
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