JP3194972B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP3194972B2 JP2137191A JP2137191A JP3194972B2 JP 3194972 B2 JP3194972 B2 JP 3194972B2 JP 2137191 A JP2137191 A JP 2137191A JP 2137191 A JP2137191 A JP 2137191A JP 3194972 B2 JP3194972 B2 JP 3194972B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用のベルト式無段
変速機において電子的にセカンダリ圧制御及び変速制御
する制御装置に関し、詳しくは、プライマリ制御弁の故
障時のフェイルセーフに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の無段変速機の制御系で
は、セカンダリ圧及びプライマリ圧の各制御弁、制御系
が電子化される傾向にある。そして、伝達トルクに対応
したセカンダリ圧、各運転及び走行条件に対応したプラ
イマリ圧の変速制御を最適化することを目指している。
【0003】そこで、この種の無段変速機の電子制御系
として、セカンダリ制御弁に比例電磁リリーフ弁を、プ
ライマリ制御弁に比例電磁減圧弁を用いて制御すること
が、本件出願人により既に提案されている。セカンダリ
制御弁は、比例ソレノイドのソレノイド電流によりポン
プ吐出圧の一部を逃がし、比例関係で所定のセカンダリ
圧に調圧制御し、プライマリ制御弁は、比例ソレノイド
のソレノイド電流によりセカンダリ圧を減圧し、同様の
比例関係で所定のプライマリ圧に制御する。また、セカ
ンダリ圧制御系ではプライマリとセカンダリの回転信号
により変速比を算出し、この変速比に対する必要セカン
ダリ圧を設定し、必要セカンダリ圧と駆動系の入力トル
ク等により最適なセカンダリ圧に応じたソレノイド電流
を出力する。この場合に、車両停車時に上記回転信号が
入力しないと、変速比を最大に設定している。一方、上
述のセカンダリ及びプライマリの制御弁では、例えば過
電流の供給等によりソレノイドが断線することがあり、
このような故障に対してフェイルセーフ対策が施されて
いる。このフェイルセーフとしては、プライマリ圧が急
激に低下してダウンシフトすることによるブレーキ現
象、セカンダリ圧が急激に低下してベルトスリップを生
じることを防止するため、非通電時には高圧に保持する
ように設定されている。
【0004】ところで、このようなフェイルセーフ機能
を有する制御系では、プライマリ制御弁が故障した場合
にプライマリ圧が高圧を保持するように制御され、この
状態で停車するとセカンダリ圧も最大変速比に応じて高
圧に制御される。このため、プライマリシリンダには通
常の最大圧の数倍の圧力がかかり、シリンダの変形等を
招く。また、ベルトにも必要以上の張力が作用して耐久
性等を損なうおそれがある。従って、上記プライマリ制
御弁の故障に対しては、更に停車時のようにセカンダリ
圧が増大制御される場合において、プライマリ圧、セカ
ンダリ圧を低下する対策が必要になる。
【0005】従来、無段変速機の制御でプライマリ側制
御弁故障時のフェイルセーフに関しては、例えば特開昭
60−249761号公報の先行技術がある。ここで、
シフト方向切換弁が故障により非励磁の場合はシフトア
ップし、シフト速度切換弁が同様に非励磁の場合はシフ
ト速度を略零に設定する。そして、一方の切換弁が故障
した場合は、他方の切換弁も非励磁して緩やかなシフト
アップの状態にし、変速比の急激な変化を回避すること
が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、プライマリ側の弁の故障時にプラ
イマリ圧のみを徐々に増大してフェイルセーフするよう
に構成されているので、プライマリ圧の元圧のセカンダ
リ圧が増大制御される条件では、既に述べたようにプラ
イマリ圧が更に増大して同様の不具合を生じる。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、無段変速機のプライマリ
制御弁の故障時のフェイルセーフにおいて、停車時等の
条件でのプライマリ圧の異常な上昇を防止して、シリン
ダやベルトの耐久性、走行性等を向上することが可能な
無段変速機の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の無段変速機の制御装置は、電気信号が入力
するセカンダリ制御弁によりポンプ吐出圧を調圧してセ
カンダリ圧を制御し、プライマリ制御弁によりセカンダ
リ圧を減圧し、所定のプライマリ圧を生じて変速制御
し、このプライマリ制御弁を故障等の非通電時にプライ
マリ圧を高圧に保持するように設定する無段変速機の制
御装置において、上記プライマリ制御弁の故障の有無を
判定し、故障有りの場合に故障信号を出力する故障判定
手段と、上記故障判定手段からの故障信号が入力した場
合に、プライマリプーリ回転数とセカンダリプーリ回転
数とに基づいて車両停止を判断し、制御信号を出力する
油圧抑制手段と、上記油圧抑制手段からの制御信号に基
づいて、最小変速比に応じた最小の必要セカンダリ圧を
上記セカンダリ制御弁に出力する必要セカンダリ圧設定
手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
【作用】上記の構成に基づいて、プライマリ制御弁とセ
カンダリ制御弁により電子的にセカンダリ圧制御及び変
速制御し、これらプライマリ制御弁及びセカンダリ制御
弁の故障時には高圧を保持するようにフェイルセーフす
る制御系において、プライマリ制御弁の故障時には、プ
ライマリ圧を高圧に保持して最小変速比側に強制的にア
ップシフトし、急激なブレーキを生じないようにフェイ
ルセーフして停車する。このとき、略停車の条件になる
と油圧抑制手段から出力された制御信号により必要セカ
ンダリ圧設定手段がセカンダリ制御系を強制的に最小変
速比の制御状態に変更して、プライマリ圧とセカンダリ
圧との必要以上の上昇を抑制する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、本発明が適応される無段変速機と
して、ロックアップトルコン付無段変速機の駆動系の概
略について述べる。符合1はエンジンであり、このエン
ジン1のクランク軸2がトルクコンバータ装置3、前後
進切換装置4、無段変速機5及びディファレンシャル装
置6に順次伝動構成されている。
【0011】トルクコンバータ装置3は、クランク軸2
がドライブプレート10を介してコンバータカバー11
及びトルクコンバータ12のポンプインペラ12aに連
結する。トルクコンバータ12のタービンランナ12b
はタービン軸13に連結し、ステータ12cはワンウェ
イクラッチ14により案内されている。タービンランナ
12bと一体的なロックアップクラッチ15は、ドライ
ブプレート10に係合可能に設置され、エンジン動力を
トルクコンバータ12、ロックアップクラッチ15の一
方を経由して伝達するようになっている。
【0012】前後進切換装置4は、ダブルピニオン式プ
ラネタリギヤ16を有し、サンギヤ16aにタービン軸
13が入力し、キャリヤ16bからプライマリ軸20が
出力する。そして、サンギヤ16aとリングギヤ16c
との間にフォワードクラッチ17を、リングギヤ16c
とケースとの間にリバースブレーキ18を有し、フォワ
ードクラッチ17の係合でプラネタリギヤ16を一体化
し、タービン軸13とプライマリ軸20が直結した前進
位置を得る。また、リバースブレーキ18の係合でプラ
イマリ軸20に逆転した動力を出力するように後進位置
に切換え、フォワードクラッチ17とリバースブレーキ
18を共に解放し、プラネタリギヤ16がフリーの中立
位置にしている。
【0013】無段変速機5は、プライマリ軸20に油圧
シリンダ21を有するプーリ間隔可変式のプライマリプ
ーリ22が設けられ、プライマリ軸20に平行配置され
るセカンダリ軸23に、同様に油圧シリンダ24を有す
るセカンダリプーリ25が設けられる。そして、両プー
リ22,25の間に駆動ベルト26が巻付けられてい
る。ここで、プライマリシリンダ21の方が受圧面積が
大きく設定され、このプライマリ圧によりベルト26の
両プーリ22,25における巻付け径の比率を変えて、
無段変速するようになっている。
【0014】ディファレンシャル装置6は、セカンダリ
軸23に一対のリダクションギヤ27を介して出力軸2
8が連結し、この出力軸28のドライブギヤ29がファ
イナルギヤ30に噛合う。そして、ファイナルギヤ30
の差動装置31が、車軸32を介して左右の車輪33に
連結している。
【0015】一方、無段変速機制御用の油圧源を得るた
め、トルクコンバータ12に隣接してオイルポンプ34
が配設される。このオイルポンプ34はポンプドライブ
軸35を介しコンバータカバー11に連結され、常にエ
ンジン動力によりポンプ駆動して、油圧を生じるように
なっている。ここで、無段変速機5では油圧が高低の広
範囲に制御されるので、オイルポンプ34は例えばロー
ラベーン式で、可変容量型のものが使用される。
【0016】次に、油圧制御系について述べる。先ず、
オイルパン40と連通するオイルポンプ34からの油路
41が、セカンダリ制御弁50に連通して、所定のセカ
ンダリ圧Psを生じており、このセカンダリ圧Psが油
路42によりセカンダリシリンダ24に常に供給され
る。セカンダリ圧Psは油路43を介してプライマリ制
御弁60に導かれ、油路44によりプライマリシリンダ
21に給排油してプライマリ圧Ppを生じるようになっ
ている。セカンダリ制御弁50は、例えば比例電磁リリ
ーフ弁式であり、比例ソレノイド51に制御ユニット7
0からプーリ押付け用のソレノイド電流Isが供給され
る。すると、ソレノイド電流Isにより設定圧を可変し
て、比例関係でセカンダリ圧Psを調圧制御する。プラ
イマリ制御弁60は、例えば比例電磁減圧弁式であり、
比例ソレノイド61に制御ユニット70から変速用のソ
レノイド電流Ipが供給される。すると、ソレノイド電
流Ipにより設定圧を可変してセカンダリ圧Psを減圧
し、比例関係でプライマリ圧Ppを制御するものであ
る。
【0017】一方、セカンダリ制御弁50のドレン側の
油路45には、常に比較的高い潤滑圧を生じる。そこ
で、この潤滑圧を制御してトルクコンバータ12、前後
進切換装置4、ベルト24等の潤滑部に供給されるよう
に回路構成されている。
【0018】図1において、本発明の制御装置の実施例
の電子制御系について述べる。入力信号のセンサとし
て、プライマリプーリ回転数センサ71、セカンダリプ
ーリ回転数センサ72、エンジン回転数センサ73、ス
ロットル開度センサ74及びセカンダリ圧を検出する圧
力センサ75を有する。
【0019】先ず、セカンダリ圧制御系について述べる
と、スロットル開度センサ74のスロットル開度θ、エ
ンジン回転数センサ73のエンジン回転数Neが入力す
るエンジントルク算出部76を有し、θ−Neのトルク
特性によりエンジントルクTeを推定する。また、トル
クコンバータ入力側のエンジン回転数Ne、その出力側
のプライマリプーリ回転数Npはトルク増幅率算出部7
7に入力し、速度比n(Np/Ne)に応じたトルク増
幅率tを定める。エンジン回転数Ne、プライマリプー
リ回転数Npはプライマリ系慣性トルク算出部78に入
力し、エンジン1及びプライマリプーリ22の慣性モー
メント、角加速度により慣性トルクgiを算出する。こ
れらのエンジントルクTe、トルク増幅率t、慣性トル
クgiは入力トルク算出部79に入力し、無段変速機5
の入力トルクTiを以下のように算出する。 Ti=Te・t−gi
【0020】一方、実変速比iが入力する必要セカンダ
リ圧設定部80を有する。ここで、各実変速比i毎に単
位トルク伝達に必要なスリップ限界のセカンダリ圧が設
定されており、このスリップ限界マップにより実変速比
iに応じた必要セカンダリ圧Psuを定める。そして、
上記入力トルクTi、必要セカンダリ圧Psu、セカン
ダリプーリ回転数Nsは目標セカンダリ圧算出部81に
入力し、セカンダリシリンダ24の部分の遠心油圧gs
を考慮して、目標セカンダリ圧Pssを以下のように算
出する。 Pss=Ti・Psu−gs 目標セカンダリ圧Pssはソレノイド電流設定部82に
入力し、目標セカンダリ圧Pssに応じたソレノイド電
流Isを比例的に定める。そして、このソレノイド電流
Isが駆動部83を介して、セカンダリ制御弁50の比
例ソレノイド51に供給されるようになっている。
【0021】続いて、プライマリ圧制御系について述べ
る。先ず、定常時の油圧比制御系について述べると、プ
ライマリプーリ回転数Npとセカンダリプーリ回転数N
sが入力する実変速比算出部85を有し、実変速比iを
i=Np/Nsにより算出する。また、入力トルクT
i、必要セカンダリ圧Psu、及び圧力センサ75のセ
カンダリ圧Psが入力するトルク比算出部86を有し、
トルク比KTを以下のように算出する。 KT=Ti/(Ps/Psu) これらのトルク比KT、実変速比iは油圧比設定部87
に入力し、所定のトルク比KTで所定の実変速比iを保
つのに必要なセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppの油
圧比Kpを、トルク比KTに対しては増大関数で、実変
速比iに対しては減少関数で定める。そして、入力トル
クTiと実変速比iに対応した油圧比Kp、及び実際の
セカンダリ圧Psは必要プライマリ圧算出部88に入力
し、更にプライマリプーリ回転数Npによるプライマリ
シリンダ21の部分の遠心油圧gpを考慮して、必要プ
ライマリ圧PpDを以下のように算出する。 PpD=Kp・Ps−gp こうして、定常状態の入力トルクTiに対して実変速比
iを維持するための必要プライマリ圧PpDが、セカン
ダリ圧Psとの関係で決定されたことになる。
【0022】次に、過渡時の流量制御系について述べる
と、実変速比i、スロットル開度θが入力する目標プラ
イマリプーリ回転数検索部89を有し、i−θの関係で
目標プライマリプーリ回転数NpDを定める。この目標
プライマリプーリ回転数NpDとセカンダリプーリ回転
数Nsは目標変速比算出部90に入力し、目標変速比i
sをis=NpD/Nsにより算出するのであり、こう
して変速パターンをベースとして各運転、走行条件に応
じた目標変速比isが求められる。
【0023】ここで、プライマリシリンダ21の油量V
は実プーリ位置eに比例し、油量Vを時間微分した流量
Qはプーリ位置変化速度de/dtと1対1で対応す
る。従って、プーリ位置変化速度de/dtにより流量
Qがそのまま算出されて好ましいことから、実変速比i
は実プーリ位置変換部91で実プーリ位置eに変換す
る。また、目標変速比isも目標プーリ位置変換部92
により目標プーリ位置esに変換する。これらの実,目
標プーリ位置e,esはプーリ位置変化速度算出部93に
入力し、プーリ位置変化速度de/dtを以下のよう
に、両プーリ位置e,esの偏差等により算出する。 de/dt=K1・(es−e)+K2・des/dt (K1,K2:定数、des/dt:位相進み要素) そして、このプーリ位置変化速度de/dtは変速圧力
算出部94に入力し、de/dtによる流量に基づい
て、変速に必要な圧力ΔPpを求める。
【0024】以上、油圧比制御系で算出された必要プラ
イマリ圧PpDと、流量制御系で算出された変速圧力Δ
Ppは、目標プライマリ圧算出部95に入力して、目標
プライマリ圧PpsをPpDに対してΔPpをアップシ
フトとダウンシフトでそれぞれ加減算して算出する。目
標プライマリ圧Ppsはソレノイド電流設定部96に入
力し、目標プライマリ圧Ppsに応じたソレノイド電流
Ipを比例的に定める。そしてこのソレノイド電流Ip
が、駆動部97を介してプライマリ制御弁60の比例ソ
レノイド61に供給され、フィードフォワードで変速制
御するようになっている。
【0025】上記制御系において、更にプライマリ制御
弁60の断線等の故障時のフェイルセーフについて説明
する。先ず、プライマリ制御弁60は目標プライマリ圧
Ppsに対しソレノイド電流Ipが図3のような関係に
設定され、非通電時にはプライマリ圧Ppを高圧に保持
するようになっている。故障検出するため、例えば比例
ソレノイド61の回路に抵抗100が接続され、この抵
抗100に電圧検出手段101が接続される。電圧検出
手段101の電圧信号は故障判定部102に入力して、
電圧の値が設定値以下の場合に故障判定し、故障信号を
出力する。ここで、プライマリ制御弁60の故障時にプ
ライマリ圧Ppを高圧に保持するようにフェイルセーフ
する場合において、そのプライマリ圧Ppの必要以上の
上昇を抑えるには、プライマリ圧Ppの元圧のセカンダ
リ圧Psが特に停車等の実質的に動力伝達していない条
件で増大制御される場合に、それを低減するように補正
すれば良い。そこで、油圧抑制部103は、故障判定部
102から故障信号が入力されると、プライマリプーリ
回転数Np、セカンダリプーリ回転数Nsによる変速比
の算出が不能な停車等の条件を判断する。そして、油圧
抑制部103は、Np,Nsに基づいて停車等と判断す
ると、必要セカンダリ圧設定部80に対して制御信号を
出力する。この制御信号を受けて、必要セカンダリ圧設
定部80は、目標セカンダリ圧算出部81に最小変速比
iH に応じた最小の必要セカンダリ圧Psuを目標セカ
ンダリ圧算出部81に出力して変速比を最小変速比とす
る。
【0026】次いで、この実施例の作用について述べ
る。先ず、エンジン1の運転により、トルクコンバータ
12のコンバータカバー11、ポンプドライブ軸35を
介しオイルポンプ34が駆動して油圧を生じる。この油
圧はセカンダリ制御弁50に導かれ、所定のセカンダリ
圧Psに調圧されて常にセカンダリシリンダ24に供給
される。ここで、停車時は後述するように、プライマリ
圧Ppが最低に設定されることで、無段変速機5はベル
ト26が最もセカンダリプーリ25の方に移行して、最
大変速比iL の低速段になる。このとき、図示しない油
圧制御系でロックアップクラッチ15を解放しながらト
ルクコンバータ12に給油される。そこで、例えばDレ
ンジにシフトすると、前後進切換装置4のフォワードク
ラッチ17が給油により係合して前進位置になる。この
ため、エンジン動力がトルクコンバータ12、前後進切
換装置4を介し無段変速機5のプライマリ軸20に入力
し、プライマリプーリ22、セカンダリプーリ25及び
ベルト26により最大変速比iL の動力がセカンダリ軸
23に出力する。そして、この変速動力がディファレン
シャル装置6を介し車輪33に伝達して、発進可能にな
る。
【0027】セカンダリ圧制御系では、常にエンジント
ルクTeが推定され、トルク増幅率t、慣性トルクgi
が算出されている。そこで、発進、加速時において、エ
ンジントルクTe、トルク増幅率tにより入力トルクT
iが大きい場合は、必要セカンダリ圧Psu及び目標セ
カンダリ圧Pssが大きい値になる。そして、これに応
じたソレノイド電流Isがセカンダリ制御弁50の比例
ソレノイド51に流れ、設定圧を高く定めるのであり、
これによりセカンダリ圧Psはドレンを減じて高圧制御
される。一方、発進後にロックアップクラッチ15が係
合してトルク増幅率が1になり、高速段側に変速されて
エンジントルクTeも低い走行条件になると、目標セカ
ンダリ圧Pssは急激に小さくなる。このため、セカン
ダリ制御弁50の設定圧と共にセカンダリ圧Psが順次
低下するように制御される。こうして、伝達トルクに対
し、常にベルトスリップを生じない最小限のプーリ押付
け力を付与するように制御される。
【0028】上記セカンダリ圧Psはプライマリ制御弁
60に導かれ、減圧作用でプライマリ圧Ppを生じ、こ
のプライマリ圧Ppがプライマリシリンダ21に供給さ
れて変速制御される。即ち、最大変速比iL の発進時に
は、油圧比制御系でプライマリ制御弁60が最も減圧作
用し、プライマリ圧Ppを最低に保っている。そして、
発進後に目標変速比isが最大変速比iL より順次小さ
く設定されると、流量制御系で実,目標のプーリ位置
e,esの偏差等に応じプーリ位置変化速度de/dt
が算出され、これに伴う変速圧力ΔPpを生じて目標プ
ライマリ圧Ppsを増加する。そして、この目標プライ
マリ圧Ppsに応じたソレノイド電流Ipがプライマリ
制御弁60の比例ソレノイド61に流れ、プライマリ圧
Ppを順次高くするように過渡制御される。そこで、ベ
ルト26はプライマリプーリ22の方に移行し、変速比
の小さい高速段にアップシフトする。
【0029】また、上記変速制御により実変速比iが小
さくなると、油圧比制御系で油圧比Kpが増大設定さ
れ、セカンダリ圧Psに対する必要プライマリ圧PpD
の割合を増す。このため、変速比iが過渡的に変化して
再び定常状態になる毎に、変速圧力ΔPpの減少に代わ
り必要プライマリ圧PpDが増加して、目標プライマリ
圧Ppsと共にプライマリ圧Ppを同一に保つようにな
り、こうして変速した実変速比iを保つように定常制御
される。また、入力トルクTiが例えば増大すると、ト
ルク比KTが大きくなり、これに伴い油圧比Kpの値も
増す。そこで、プライマリ圧Ppは増大補正されて、入
力トルクTiの増大によるダウンシフト傾向を防止する
ように修正される。
【0030】一方、アクセル踏込み、車速低下により目
標変速比isが最小変速比iHの高速段から逆に大きくな
ると、変速圧力ΔPpの減算により目標プライマリ圧P
psが低下し、プライマリ制御弁60でプライマリ圧P
pが低圧制御されるのであり、これによりベルト26は
再びセカンダリプーリ25の方に移行して、低速段側に
ダウンシフトする。そしてこの場合も、定常状態になる
と油圧比制御系の必要プライマリ圧PpDにより目標プ
ライマリ圧Ppsが、減少保持される。こうして、最大
と最小の変速比iL,iH の間の変速全域で、流量制御系
と油圧比制御系により追従性と収束性を共に満たすよう
に変速制御されるのである。
【0031】次いで、上述のように車両走行時の条件に
より、比例電磁減圧弁式のプライマリ制御弁60がその
比例ソレノイド61に流れるソレノイド電流Ipによ
り、セカンダリ圧Psを減圧して所定のプライマリ圧P
pを生じ変速制御する場合において、プライマリ制御弁
60が断線等により故障して非通電の状態になると、プ
ライマリ制御弁60は初期設定の条件により高圧動作す
るようになり、これに伴いプライマリ圧Ppが強制的に
増大制御される。そこで、車両は速やかに最小変速比i
H 側にアップシフトし、駆動力を低減して滑らかに停車
に至ることになり、こうして急激なダウンシフトのブレ
ーキ現象が作用することによる危険性を生じないように
フェイルセーフされる。またこのとき、比例ソレノイド
61の回路の電圧信号により故障判定部102でこの故
障が判定され、図4のフローチャートが実行する。即
ち、上記フェイルセーフ機能により略車両停車してプラ
イマリとセカンダリの回転数Np,Nsによる変速比i
の算出が不能になる条件では、油圧抑制部103から必
要セカンダリ圧設定部80に対して制御信号が出力され
る。必要セカンダリ圧設定部80では、最小変速比iH
に応じた必要セカンダリ圧Psuが設定されセカンダリ
制御弁50に出力される。こうして、プライマリ制御弁
60の故障で停車する場合はセカンダリ制御系が強制的
に最小変速比iHの最もセカンダリ圧Psの小さい状態
に変更され、セカンダリ制御弁50によりセカンダリ圧
Psが最小のレベルに制御され、これによりプライマリ
圧Ppの上昇が抑制され、且つセカンダリプーリ25の
ベルトクランプ力が低減される。従って、プライマリシ
リンダ21やベルト26に必要以上の油圧力を作用する
ことなく、上記フェイルセーフ機能のプライマリ圧Pp
の高圧による最小変速比iH状態に保持される。
【0032】以上、本発明の実施例について説明した
が、これのみに限定されない。例えば、プライマリ制御
弁の故障は、ソレノイド電流の信号が出力している際の
目標変速比と実変速比との差を検出して判定することも
できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無段変速機の制御系で、プライマリ制御弁とセカンダリ
制御弁により電子的にセカンダリ圧制御及び変速制御
し、これらの制御弁の故障時には高圧を保持するように
フェイルセーフする制御系において、プライマリ制御弁
の故障時にはプライマリ圧の必要以上の上昇が抑制され
るので、プライマリプーリの剛性等を増大しなくて済
み、これによりプライマリプーリの慣性力が小さくなっ
て走行性が向上する。また、セカンダリ圧によるベルト
クランプ力が必要以上増大しないので、ベルト等の耐久
性も向上する。このようなプライマリ圧とセカンダリ圧
の上昇抑制制御は、略停車時に限定して行われるので、
ベルトスリップ等の不具合を生じない。更に、プライマ
リ制御弁の故障時にはセカンダリ制御系を強制的に最小
変速比状態に変更するように構成されるので、制御系が
簡単で、プライマリ圧とセカンダリ圧の上昇抑制制御を
効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無段変速機の制御装置の実施例の電子
制御系を示すブロック図である。
【図2】本発明が適応される無段変速機の全体構成図で
ある。
【図3】プライマリ制御弁のフェイルセーフ機能の特性
を示す線図である。
【図4】プライマリ制御弁の故障時の制御状態を示すフ
ローチャートの図である。
【符号の説明】
50 セカンダリ制御弁 60 プライマリ制御弁 70 制御ユニット 80 必要セカンダリ圧設定部 101 電圧検出手段 102 故障判定部 103 油圧抑制部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気信号が入力するセカンダリ制御弁に
    よりポンプ吐出圧を調圧してセカンダリ圧を制御し、プ
    ライマリ制御弁によりセカンダリ圧を減圧し、所定のプ
    ライマリ圧を生じて変速制御し、このプライマリ制御弁
    を故障等の非通電時にプライマリ圧を高圧に保持するよ
    うに設定する無段変速機の制御装置において、 上記プライマリ制御弁の故障の有無を判定し、故障有り
    の場合に故障信号を出力する故障判定手段と、上記故障
    判定手段からの故障信号が入力した場合に、プライマリ
    プーリ回転数 とセカンダリプーリ回転数とに基づいて車両停止を判断
    し、制御信号を出力する油圧抑制手段と、 上記油圧抑制手段からの制御信号に基づいて、最小変速
    比に応じた最小の必要セカンダリ圧を上記セカンダリ制
    御弁に出力する必要セカンダリ圧設定手段とを備えるこ
    とを特徴とする無段変速機の制御装置。
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