JP2900195B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2900195B2
JP2900195B2 JP2137091A JP2137091A JP2900195B2 JP 2900195 B2 JP2900195 B2 JP 2900195B2 JP 2137091 A JP2137091 A JP 2137091A JP 2137091 A JP2137091 A JP 2137091A JP 2900195 B2 JP2900195 B2 JP 2900195B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用のベルト式無段
変速機において電子的にセカンダリ圧制御及び変速制御
する制御装置に関し、詳しくは、プライマリ制御弁また
はセカンダリ制御弁の故障時のフェイルセーフに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の無段変速機の制御系で
は、セカンダリ圧及びプライマリ圧の各制御弁、制御系
が電子化される傾向にある。そして、伝達トルクに対応
したセカンダリ圧、各運転及び走行条件に対応したプラ
イマリ圧の変速制御を最適化することを目指している。
【0003】そこで、この種の無段変速機の電子制御系
として、セカンダリ制御弁に比例電磁リリーフ弁を、プ
ライマリ制御弁に比例電磁減圧弁を用いて制御すること
が、本件出願人により既に提案されている。セカンダリ
制御弁は比例ソレノイドのソレノイド電流によりポンプ
吐出圧の一部を逃がし、比例関係で所定のセカンダリ圧
に調圧制御し、プライマリ制御弁は比例ソレノイドのソ
レノイド電流によりセカンダリ圧を減圧し、同様の比例
関係で所定のプライマリ圧に制御するように構成され
る。一方、上述のセカンダリ及びプライマリの制御弁で
は、例えば過電流の供給等によりソレノイドが断線する
ことがあり、このような故障に対してフェイルセーフ対
策が施されている。このフェイルセーフとしては、プラ
イマリ圧が急激に低下してダウンシフトすることによる
ブレーキ現象やセカンダリ圧が急激に低下してベルトス
リップが生じることを防止するため、非通電時には高圧
保持するように設定されている。
【0004】ところで、プライマリ制御弁の故障時にプ
ライマリ圧を高圧保持して最小変速比にフェイルセーフ
されたり、セカンダリ制御弁の故障時にセカンダリ圧を
高圧保持して最大変速比にフェイルセーフされると、走
行性能がこの場合の変速比に固定されて著しく悪化す
る。従って、この制御弁の故障時にも或る程度の変速を
可能にして、走行性を向上することが必要になる。
【0005】従来、無段変速機の制御でプライマリとセ
カンダリの制御弁故障時のフェイルセーフに関しては、
例えば特開昭60−249761号公報の先行技術があ
る。ここで、プライマリ制御弁とセカンダリ制御弁にお
いて、非通電時の油圧を最高圧と最低圧の間の所定の制
御圧に設定する。そして、プライマリ制御弁の故障時に
は、セカンダリ圧がその制御圧以上に上昇した場合にダ
ウンシフトを可能にし、セカンダリ制御弁の故障時に
は、プライマリ圧がその制御弁以上に上昇した場合にア
ップシフトを可能にすることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、プライマリ制御弁とセカンダリ制
御弁の非通電時の油圧が所定の制御圧に設定されている
だけであるから、種々の走行条件で正常な制御系が各別
に油圧制御すると、それとの関係でベルトスリップを生
じることがある。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、無段変速機のプライマリ
制御弁またはセカンダリ制御弁の故障時の所定の制御圧
によるフェイルセーフにおいて、常にベルトスリップ等
を防止して変速走行することが可能な無段変速機の制御
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の無段変速機の制御装置は、電気信号が入力
するセカンダリ制御弁によりポンプ吐出圧を調圧してセ
カンダリ圧を制御し、プライマリ制御弁によりセカンダ
リ圧を減圧し、所定のプライマリ圧を生じて変速制御
し、このプライマリ制御弁またはセカンダリ制御弁を、
故障等の非通電時に所定の制御圧に保持するように設定
する制御系において、上記プライマリ制御弁の故障の有
無を判定する故障判定手段と、トルク伝達に応じた目標
値を算出する目標値算出手段と、各変速比に必要な油圧
比と上記制御圧とにより下限目標値を算出する下限目標
値算出手段と、目標値と下限目標値のいずれか高い方を
選択する選択手段と、上記故障判定手段の故障信号で選
択手段の方に切換える切換手段と、目標値または下限目
標値に応じた電気信号をセカンダリ制御弁に出力してセ
カンダリ圧を制御する手段とを備えることを主要な特徴
とする。そして、プライマリ制御弁が故障すると、プラ
イマリ圧を制御圧に保って急激なブレーキを生じないよ
うにフェイルセーフする。このとき、セカンダリ圧を制
御圧による下限目標値以上に制御してベルトスリップを
防止し、下限目標値より高い目標値によりセカンダリ圧
を増大制御して変速走行することを可能にする。
【0009】
【作用】以上の構成に基づいて、プライマリ制御弁とセ
カンダリ制御弁により電子的にセカンダリ圧制御及び変
速制御し、プライマリ制御弁及びセカンダリ制御弁の故
障時には所定の制御圧に保持するようにフェイルセーフ
する制御系で、プライマリ制御弁の故障時には、セカン
ダリ圧が制御圧による下限目標値以上に制限されるの
で、ベルトスリップを防止して変速制御することが可能
になる。またセカンダリ制御弁の故障時には、プライマ
リ圧を制御圧に保って急激なブレーキを生じないように
フェイルセーフする。このとき、セカンダリ圧を制御圧
による下限目標値以上に制御してベルトスリップを防止
し、下限目標値より高い目標値によりセカンダリ圧を増
大制御して変速走行する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、本発明が適応される無段変速機と
して、ロックアップトルコン付無段変速機の駆動系の概
略について述べる。符合1はエンジンであり、このエン
ジン1のクランク軸2がトルクコンバータ装置3、前後
進切換装置4、無段変速機5及びディファレンシャル装
置6に順次伝動構成されている。
【0011】トルクコンバータ装置3は、クランク軸2
がドライブプレート10を介してコンバータカバー11
及びトルクコンバータ12のポンプインペラ12aに連
結する。トルクコンバータ12のタービンランナ12b
はタービン軸13に連結し、ステータ12cはワンウェ
イクラッチ14により案内されている。タービンランナ
12bと一体的なロックアップクラッチ15は、ドライ
ブプレート10に係合可能に設置され、エンジン動力を
トルクコンバータ12、ロックアップクラッチ15の一
方を経由して伝達するようになっている。
【0012】前後進切換装置4は、ダブルピニオン式プ
ラネタリギヤ16を有し、サンギヤ16aにタービン軸
13が入力し、キャリヤ16bからプライマリ軸20が
出力する。そして、サンギヤ16aとリングギヤ16c
との間にフォワードクラッチ17を、リングギヤ16c
とケースとの間にリバースブレーキ18を有し、フォワ
ードクラッチ17の係合でプラネタリギヤ16を一体化
し、タービン軸13とプライマリ軸20が直結した前進
位置を得る。また、リバースブレーキ18の係合でプラ
イマリ軸20に逆転した動力を出力するように後進位置
に切換え、フォワードクラッチ17とリバースブレーキ
18を共に解放し、プラネタリギヤ16がフリーの中立
位置にしている。
【0013】無段変速機5は、プライマリ軸20に油圧
シリンダ21を有するプーリ間隔可変式のプライマリプ
ーリ22が設けられ、プライマリ軸20に平行配置され
るセカンダリ軸23に、同様に油圧シリンダ24を有す
るセカンダリプーリ25が設けられる。そして、両プー
リ22,25の間に駆動ベルト26が巻付けられてい
る。ここで、プライマリシリンダ21の方が受圧面積が
大きく設定され、このプライマリ圧によりベルト26の
両プーリ22,25における巻付け径の比率を変えて無
段変速するようになっている。
【0014】ディファレンシャル装置6は、セカンダリ
軸23に一対のリダクションギヤ27を介して出力軸2
8が連結し、この出力軸28のドライブギヤ29がファ
イナルギヤ30に噛合う。そして、ファイナルギヤ30
の差動装置31が、車軸32を介して左右の車輪33に
連結している。
【0015】一方、無段変速機制御用の油圧源を得るた
め、トルクコンバータ12に隣接してオイルポンプ34
が配設される。このオイルポンプ34はポンプドライブ
軸35を介しコンバータカバー11に連結され、常にエ
ンジン動力によりポンプ駆動して、油圧を生じるように
なっている。ここで、無段変速機5では油圧が高低の広
範囲に制御されるので、オイルポンプ34は例えばロー
ラベーン式で、可変容量型のものが使用される。
【0016】次に、油圧制御系について述べる。先ず、
オイルパン40と連通するオイルポンプ34からの油路
41が、セカンダリ制御弁50に連通して、所定のセカ
ンダリ圧Psを生じており、このセカンダリ圧Psが油
路42によりセカンダリシリンダ24に常に供給され
る。セカンダリ圧Psは油路43を介してプライマリ制
御弁60に導かれ、油路44によりプライマリシリンダ
21に給排油してプライマリ圧Ppを生じるようになっ
ている。セカンダリ制御弁50は、例えば比例電磁リリ
ーフ弁式であり、比例ソレノイド51に制御ユニット7
0からプーリ押付け用のソレノイド電流Isが供給され
る。すると、ソレノイド電流Isにより設定圧を可変し
て、比例関係でセカンダリ圧Psを調圧制御する。プラ
イマリ制御弁60は、例えば比例電磁減圧弁式であり、
比例ソレノイド61に制御ユニット70から変速用のソ
レノイド電流Ipが供給される。すると、ソレノイド電
流Ipにより設定圧を可変してセカンダリ圧Psを減圧
し、比例関係でプライマリ圧Ppを制御するものであ
る。
【0017】一方、セカンダリ制御弁50のドレン側の
油路45には、常に比較的高い潤滑圧を生じる。そこ
で、この潤滑圧を制御してトルクコンバータ12、前後
進切換装置4、ベルト26等の潤滑部に供給されるよう
に回路構成されている。
【0018】図1において、本発明の制御装置の実施例
の電子制御系について述べる。入力信号のセンサとし
て、プライマリプーリ回転数センサ71、セカンダリプ
ーリ回転数センサ72、エンジン回転数センサ73、ス
ロットル開度センサ74及びセカンダリ圧を検出する圧
力センサ75を有する。
【0019】先ず、セカンダリ圧制御系について述べる
と、スロットル開度センサ74のスロットル開度θ、エ
ンジン回転数センサ73のエンジン回転数Neが入力す
るエンジントルク算出部76を有し、θ−Neのトルク
特性によりエンジントルクTeを推定する。また、トル
クコンバータ入力側のエンジン回転数Ne、その出力側
のプライマリプーリ回転数Npはトルク増幅率算出部7
7に入力し、速度比n(Np/Ne)に応じたトルク増
幅率tを定める。エンジン回転数Ne、プライマリプー
リ回転数Npはプライマリ系慣性トルク算出部78に入
力し、エンジン1及びプライマリプーリ22の慣性モー
メント、角加速度により慣性トルクgiを算出する。こ
れらのエンジントルクTe、トルク増幅率t、慣性トル
クgiは入力トルク算出部79に入力し、CVT入力ト
ルクTiを以下のように算出する。 Ti=Te・t−gi
【0020】一方、実変速比iが入力する必要セカンダ
リ圧設定部80を有する。ここで、各実変速比i毎に単
位トルク伝達に必要なスリップ限界のセカンダリ圧が設
定されており、このスリップ限界マップにより実変速比
iに応じた必要セカンダリ圧Psuを定める。そして、
上記入力トルクTi、必要セカンダリ圧Psu、セカン
ダリプーリ回転数Nsは目標セカンダリ圧算出部81に
入力し、セカンダリシリンダ24の部分の遠心油圧gs
を考慮して、目標セカンダリ圧Pssを以下のように算
出する。 Pss=Ti・Psu−gs 目標セカンダリ圧Pssは後述する切換部103を介し
てソレノイド電流設定部82に入力し、目標セカンダリ
圧Pssに応じたソレノイド電流Isを比例的に定め
る。そして、このソレノイド電流Isが、駆動部83を
介してセカンダリ制御弁50の比例ソレノイド51に供
給されるようになっている。
【0021】続いて、プライマリ圧制御系について述べ
る。先ず、定常時の油圧比制御系について述べると、プ
ライマリプーリ回転数Npとセカンダリプーリ回転数N
sが入力する実変速比算出部85を有し、実変速比iを
i=Np/Ns により算出する。また、入力トルクT
i、必要セカンダリ圧Psu、及び圧力センサ75のセ
カンダリ圧Psが入力するトルク比算出部86を有し、
トルク比KTを以下のように算出する。 KT=Ti/(Ps/ Psu) これらのトルク比KT、実変速比iは油圧比設定部87
に入力し、所定のトルク比KTで所定の実変速比iを保
つのに必要なセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppの油
圧比Kpを、トルク比KTに対しては増大関数で、実変
速比iに対しては減少関数で定める。そして、入力トル
クTiと実変速比iに対応した油圧比Kp、及び実際の
セカンダリ圧Psは必要プライマリ圧算出部88に入力
し、更にプライマリプーリ回転数Npによるプライマリ
シリンダ21の部分の遠心油圧gpを考慮して、必要プ
ライマリ圧PpDを以下のように算出する。 PpD=Kp・Ps−gp こうして、定常状態の入力トルクTiに対して実変速比
iを維持するための必要プライマリ圧PpDが、セカン
ダリ圧Psとの関係で決定されたことになる。
【0022】次に、過渡時の流量制御系について述べる
と、実変速比i、スロットル開度θが入力する目標プラ
イマリプーリ回転数検索部89を有し、i−θの関係で
目標プライマリプーリ回転数NpDを定める。この目標
プライマリプーリ回転数NpDとセカンダリプーリ回転
数Nsは目標変速比算出部90に入力し、目標変速比i
sをis=NpD/Nsにより算出するのであり、こう
して変速パターンをベースとして各運転、走行条件に応
じた目標変速比isが求められる。
【0023】ここで、プライマリシリンダ21の油量Vは
実プーリ位置e に比例し、油量V を時間微分した流量
Qはプーリ位置変化速度de/dtと1対1で対応す
る。従って、プーリ位置変化速度de/dtにより流量
Qがそのまま算出されて好ましいことから、実変速比i
は実プーリ位置変換部91で実プーリ位置eに変換す
る。また、目標変速比isも目標プーリ位置変換部92
により目標プーリ位置esに変換する。これらの実、目
標プーリ位置e,esはプーリ位置変化速度算出部93
に入力し、プーリ位置変化速度de/dtを以下のよう
に、両プーリ位置e,esの偏差等により算出する。 de/dt=K1・(es−e)+ K2・des/d
t (K1,K2:定数、des/dt:位相進み要素) そして、このプーリ位置変化速度de/dtは変速圧力
算出部94に入力し、de/dtによる流量に基づい
て、変速に必要な圧力ΔPpを求める。
【0024】以上、油圧比制御系で算出された必要プラ
イマリ圧PpDと、流量制御系で算出された変速圧力Δ
Ppは、目標プライマリ圧算出部95に入力して、目標
プライマリ圧Pps をPpDに対してΔPpをアップ
シフトとダウンシフトでそれぞれ加減算して算出する。
目標プライマリ圧Pps はソレノイド電流設定部96
に入力し、目標プライマリ圧Pps に応じたソレノイ
ド電流Ipを比例的に定める。そして、このソレノイド
電流Ipが駆動部97を介して、プライマリ制御弁60
の比例ソレノイド61に供給され、フィードフォワード
で変速制御するようになっている。
【0025】上記制御系において、更にプライマリ制御
弁60の断線等の故障時のフェイルセーフについて説明
する。先ず、プライマリ制御弁60は目標プライマリ圧
Pps に対しソレノイド電流Ipが図3のような関係
に設定され、非通電時にはプライマリ圧Ppの最高圧P
pH と最低圧PpL の間の所定の制御圧Ppoに設定さ
れる。故障検出するため、例えば比例ソレノイド61の
回路に抵抗100 が接続され、この抵抗100に電圧
検出手段101が接続される。電圧検出手段101の電
圧信号は故障判定部102に入力して、電圧の値が設定
値以下の場合に故障判定する。ここで、プライマリ制御
弁60の故障時にプライマリ圧Ppを制御圧Ppoに保
持するようにフェイルセーフする場合においては、その
一定の制御圧Ppoで各変速比を得るに必要な下限目標
セカンダリ圧Pss´を算出することができ、この下限
目標セカンダリ圧Pss´より低くセカンダリ圧Ppが
制御されるとベルトスリップを生じる。従って、無段変
速機駆動系のトルク伝達に応じた目標セカンダリ圧Ps
sが上記制御圧Ppo による下限目標セカンダリ圧P
ss´より大きい場合にのみ、この目標セカンダリ圧P
ssにより制御すれば、ベルトスリップを生じることな
くセカンダリ圧Ppにより変速することが可能になる。
そこで、目標セカンダリ圧算出部81の出力側に切換部
103を有し、故障時には選択部104に切換えるよう
になっている。また、各変速比を得るに必要な油圧比K
pが入力する下限目標セカンダリ圧算出部105を有
し、この油圧比Kpと一定の制御圧Ppo とにより下
限目標セカンダリ圧Pss´を、Pss´=Ppo /
Kpにより算出する。そして、選択部104でトルク伝
達に応じた目標セカンダリ圧Pssと下限目標セカンダ
リ圧Pss´とを比較して、いずれか高い方を選択して
出力するように構成される。
【0026】次いで、この実施例の作用について述べ
る。先ず、エンジン1の運転により、トルクコンバータ
12のコンバータカバー11、ポンプドライブ軸35を
介しオイルポンプ34が駆動して油圧を生じる。この油
圧はセカンダリ制御弁50に導かれ、所定のセカンダリ
圧Psに調圧されて常にセカンダリシリンダ24に供給
される。ここで、停車時は後述するように、プライマリ
圧Ppが最低に設定されることで、無段変速機5はベル
ト26が最もセカンダリプーリ25の方に移行して、最
大変速比iL の低速段になる。このとき、図示しない油
圧制御系でロックアップクラッチ15を解放しながらト
ルクコンバータ12に給油される。そこで、例えばDレ
ンジにシフトすると、前後進切換装置4のフォワードク
ラッチ17が給油により係合して前進位置になる。この
ため、エンジン動力がトルクコンバータ12、前後進切
換装置4を介し無段変速機5のプライマリ軸20に入力
し、プライマリプーリ22、セカンダリプーリ25及び
ベルト26により最大変速比iL の動力がセカンダリ軸
23に出力する。そして、この変速動力がディファレン
シャル装置6を介し車輪33に伝達して、発進可能にな
る。
【0027】セカンダリ圧制御系では、常にエンジント
ルクTeが推定され、トルク増幅率t、慣性トルクgi
が算出されている。そこで、発進、加速時において、エ
ンジントルクTe、トルク増幅率tにより入力トルクT
iが大きい場合は、必要セカンダリ圧Psu及び目標セ
カンダリ圧Pssが大きい値になる。そして、これに応
じたソレノイド電流Isがセカンダリ制御弁50の比例
ソレノイド51に流れ、設定圧を高く定めるのであり、
これによりセカンダリ圧Psはドレンを減じて高圧制御
される。一方、発進後にロックアップクラッチ15が係
合してトルク増幅率が1になり、高速段側に変速されて
エンジントルクTeも低い走行条件になると、目標セカ
ンダリ圧Pssは急激に小さくなる。このため、セカン
ダリ制御弁50の設定圧と共にセカンダリ圧Psが順次
低下するように制御される。こうして、伝達トルクに対
し、常にベルトスリップを生じない最小限のプーリ押付
け力を付与するように制御される。
【0028】上記セカンダリ圧Psはプライマリ制御弁
60に導かれ、減圧作用でプライマリ圧Ppを生じ、こ
のプライマリ圧Ppがプライマリシリンダ21に供給さ
れて変速制御される。即ち、最大変速比iL の発進時に
は、油圧比制御系でプライマリ制御弁60が最も減圧作
用し、プライマリ圧Ppを最低に保っている。そして、
発進後に目標変速比isが最大変速比iL より順次小さ
く設定されると、流量制御系で実,目標のプーリ位置
e,esの偏差等に応じプーリ位置変化速度de/dt
が算出され、これに伴う変速圧力ΔPpを生じて目標プ
ライマリ圧Ppsを増加する。そして、この目標プライ
マリ圧Ppsに応じたソレノイド電流Ipがプライマリ
制御弁60の比例ソレノイド61に流れ、プライマリ圧
Ppを順次高くするように過渡制御される。そこで、ベ
ルト26はプライマリプーリ22の方に移行し、変速比
の小さい高速段にアップシフトする。
【0029】また、上記変速制御により実変速比iが小
さくなると、油圧比制御系で油圧比Kpが増大設定さ
れ、セカンダリ圧Psに対する必要プライマリ圧PpD
の割合を増す。このため、変速比iが過渡的に変化して
再び定常状態になる毎に、変速圧力ΔPpの減少に代わ
り必要プライマリ圧PpDが増加して、目標プライマリ
圧Ppsと共にプライマリ圧Ppを同一に保つようにな
り、こうして変速した実変速比iを保つように定常制御
される。また、入力トルクTiが例えば増大すると、ト
ルク比KT が大きくなり、これに伴い油圧比Kpの値も
増す。そこで、プライマリ圧Ppは増大補正されて、入
力トルクTiの増大によるダウンシフト傾向を防止する
ように修正される。
【0030】一方、アクセルを踏込み、車速低下により
目標変速比isが最小変速比iHの高速段から逆に大きく
なると、変速圧力ΔPpの減算により目標プライマリ圧
Pps が低下し、プライマリ制御弁60でプライマリ
圧Ppが低圧制御されるのであり、これによりベルト2
6は再びセカンダリプーリ25の方に移行して、低速段
側にダウンシフトする。そしてこの場合も、定常状態に
なると油圧比制御系の必要プライマリ圧PpDにより、
目標プライマリ圧Ppsが減少保持される。こうして、
最大と最小の変速比iL ,iH の間の変速全域で、流量
制御系と油圧比制御系により追従性と収束性を共に満た
すように変速制御されるのである。
【0031】次いで、上述のように車両走行時の条件に
より、比例電磁減圧弁式のプライマリ制御弁60がその
比例ソレノイド61に流れるソレノイド電流Ipによ
り、セカンダリ圧Psを減圧して所定のプライマリ圧P
pを生じ変速制御する場合において、プライマリ制御弁
60が断線等により故障して非通電の状態になると、プ
ライマリ制御弁60は初期設定の条件により動作して、
一定の制御圧Ppo を生じる状態に保持される。この
ため、或る変速比にシフトして急激なダウンシフトによ
るブレーキ現象を生じないようにフェイルセーフされ
る。このとき、比例ソレノイド61の回路の電圧信号に
より故障判定部102でこの場合の故障が判定され、切
換部103が選択部104の方に切換わって、図4のフ
ローチャートが実行される。即ち、ステップS4の各変
速比を得るに必要な油圧比Kpと、ステップS3の上記
一定の制御圧Ppo とによりステップS5で下限目標
セカンダリ圧Pss´が算出され、これとステップS6
のトルク伝達に必要な目標セカンダリ圧がステップS7
で比較される。そして、低負荷の走行条件でトルク伝達
と共に目標セカンダリ圧Pssが低く算出されて上記下
限目標セカンダリ圧Pss´より小さい場合は、ステッ
プS8に進みこの下限目標セカンダリ圧Pss´に制御
され、こうしてセカンダリ圧Psの低下によるベルトス
リップが防止される。一方、高負荷の走行条件で目標セ
カンダリ圧Pssの方が大きい場合は、ステップS9に
進みこの目標セカンダリ圧Pssでセカンダリ圧Psが
増大制御される。従って、このようにプライマリ制御弁
60が故障している状況でも、一定の制御圧Ppo に
対しセカンダリ圧Psでベルト26を移行して変速制御
しながら走行することが可能になる。
【0032】図5のフローチャートで、セカンダリ制御
弁50の故障時のフェイルセーフについて説明する。こ
の場合も、図3のようにセカンダリ制御弁50が非通電
時に所定の制御圧Psoを生じるように設定される。そ
して、このセカンダリ制御弁50の故障時には制御圧P
soと各変速比iを得るに必要な油圧比Kpにより、正
常なプライマリ圧Ppが高目に制御されてシリンダ21
やベルト26に過負荷を与えることになり、これを防止
するには変速域を最大セカンダリ圧PsM が制御圧Ps
oを越えない範囲に制限すれば良い。そこで、ステップ
S1でセカンダリ制御弁50が故障判定されると、ステ
ップS3でエンジントルク、トルコンのトルク比、エン
ジン回転数やプライマリプーリ回転数の減速度により最
大伝達トルクTM を算出し、ステツプS4で必要セカン
ダリ圧Psuと最大伝達トルクTM の乗算により最大セ
カンダリ圧PsM を求める。そして、制御圧Psoに対
して常に最大セカンダリ圧PsM が小さい関係になるよ
うに変速を制限するのであり、これに伴いステップS5
で制御圧Psoと最大セカンダリ圧PsM が等しい場合
の変速比ioを算出する。その後ステップS6で、最大
変速比iM をこの変速可能な変速比io以下に制御する
のである。従って、このようにセカンダリ制御弁50が
故障している状況では、一定の制御圧Psoに対しプラ
イマリ圧Ppの制御が制限されて、各部の過負荷やベル
トスリップを生じることなく変速して走行することが可
能になる。
【0033】以上、本発明の実施例について説明した
が、これのみに限定されない。例えばプライマリとセカ
ンダリの制御弁が非通電時に最高圧に設定される場合に
も、適応できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無段変速機の制御系で、プライマリ制御弁とセカンダリ
制御弁により電子的にセカンダリ圧制御及び変速制御
し、これらの制御弁の故障時には所定の制御圧に保持す
るようにフェイルセーフする制御系において、プライマ
リ制御弁の故障時にはセカンダリ圧が制御圧による下限
目標値以上に制限されるので、ベルトスリップを防止し
て変速制御することが可能になり、走行性の悪化を最小
限に抑えることができる。セカンダリ制御弁の故障時に
は制御圧と最大セカンダリ圧との関係で変速が制限され
るので、各部の過負荷が防止されて耐久性等が向上し、
低速段側にダウンシフトする際のベルトスリップを防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無段変速機の制御装置の実施例の電子
制御系を示すブロック図である。
【図2】本発明が適応される無段変速機の全体構成図で
ある。
【図3】プライマリ制御弁とセカンダリ制御弁のフェイ
ルセーフ機能の特性を示す線図である。
【図4】プライマリ制御弁の故障時の制御状態を示すフ
ローチャートの図である。
【図5】セカンダリ制御弁の故障時の制御状態を示すフ
ローチャートの図である。
【符号の説明】
50 セカンダリ制御弁 60 プライマリ制御弁 70 制御ユニット 80 必要セカンダリ圧設定部 81 目標セカンダリ圧算出部 82 ソレノイド電流設定部 87 油圧比設定部 101 電圧検出手段 102 故障判定部 103 切換部 104 選択部 105 下限目標セカンダリ圧算出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気信号が入力するセカンダリ制御弁に
    よりポンプ吐出圧を調圧してセカンダリ圧を制御し、プ
    ライマリ制御弁によりセカンダリ圧を減圧し、所定のプ
    ライマリ圧を生じて変速制御し、このプライマリ制御弁
    またはセカンダリ制御弁を、故障等の非通電時に所定の
    制御圧に保持するように設定する制御系において、上記
    プライマリ制御弁の故障の有無を判定する故障判定手段
    と、トルク伝達に応じた目標値を算出する目標値算出手
    段と、各変速比に必要な油圧比と上記制御圧とにより下
    限目標値を算出する下限目標値算出手段と、目標値と下
    限目標値のいずれか高い方を選択する選択手段と、上記
    故障判定手段の故障信号で選択手段の方に切換える切換
    手段と、目標値または下限目標値に応じた電気信号をセ
    カンダリ制御弁に出力してセカンダリ圧を制御する手段
    とを備えることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 電気信号が入力するセカンダリ制御弁に
    よりポンプ吐出圧を調圧してセカンダリ圧を制御し、プ
    ライマリ制御弁によりセカンダリ圧を減圧し、所定のプ
    ライマリ圧を生じて変速制御し、このプライマリ制御弁
    またはセカンダリ制御弁を、故障等の非通電時に所定の
    制御圧に保持するように設定する制御系において、上記
    セカンダリ制御弁の故障の有無を判定する故障判定手段
    と、故障判定時に各変速比におけるトルク伝達の最大セ
    カンダリ圧が、セカンダリ圧の制御圧を越えない範囲に
    変速制御を制限する手段とを備えることを特徴とする請
    求項1記載の無段変速機の制御装置。
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