JP2855218B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用のベルト式無段変速機において電子
的にセカンダリ圧制御および変速制御する制御装置に関
し、詳しくは、比例電磁リリーフ弁式のセカンダリ制御
弁を用いたセカンダリ圧の制御に関する。
〔従来の技術〕
この種の無段変速機は、入力側のプライマリプーリに
プライマリ圧をかけ、出力側のセカンダリプーリにセカ
ンダリ圧をかけて、両プーリに巻付けられたベルトに押
付力を付与する。そしてセカンダリ圧は、伝達トルクに
対しベルトスリップが生じない押付力を与えるように制
御され、プライマリ圧はベルトをプライマリプーリまた
はセカンダリプーリの方に移行して、所定の変速比を得
ることが可能な押付力に制御される。
ここで、セカンダリ圧の制御弁に関して述べると、伝
達トルクは変速比に依存することから、変速比に応じた
スプリング力を付与してこれと平衡するようにセカンダ
リ圧を機械的に制御する方法がある。しかしこの方法に
よると、入力トルクが常に最大の状態を想定する必要が
あって、セカンダリ圧,ポンプ損失等の増大を招く。こ
のことから、入力トルクを推定し、オイルポンプの吐出
圧の変動も加味して、一段と正確に伝達トルクに相当し
たセカンダリ圧に制御する傾向にある。
ところで、セカンダリ圧の電子制御において重要な問
題は、電気信号により油圧制御するバルブ等の構造であ
る。そこで、機械的な制御弁の構造を前提にし、デュー
ティソレノイド弁を用いて電気信号に応じたデューティ
比の制御圧を発生し、この制御圧を制御弁に作用したパ
イロット式のものが本件出願人により提案されている。
しかるにこの方法によると、制御圧の回路が必要にな
り、油温等により制御圧が変動するのを補正する等の対
策も必要になって油圧回路が複雑化する。このため、電
子信号により直接セカンダリ圧を可変に制御するような
制御弁,およびこれに関する電子制御系が開発されてい
る。
そこで従来、上記無段変速機の特にセカンダリ圧の電
子制御に関しては、例えば特開昭63−31533号公報の先
行技術がある。ここで、出力油圧帰還形メイン油圧制御
ソレノイドバルブを有し、コイルの電磁力と出力油圧と
のバランスでスプールをストロークしてセカンダリ圧を
制御することが示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記先行技術のものにあっては、三方弁形
式のバルブであってスプールがポンプ吐出口側の入口ポ
ートを閉め切ることがあり、この場合はポンプに過大な
負荷がかかって破損することがあるため、かかる構造は
好ましくない。また、出力油圧がスプールの端部に作用
する構造のため、構造が複雑化し、油圧力が大きくなっ
てコイルの電磁力,電力消費も増大する。更に、コイル
の電気信号が断線等で遮断すると、スプールはドレン側
に位置してセカンダリ圧が生じなくなり、ベルトスリッ
プが生じて走行不能になる等の問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、セカンダリ圧の電子制御による制御
弁は、小型で安全性が高くフェイルセーフ機能等も備え
ることが可能な無段変速機の制御装置を提供するにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の無段変速機の制御
装置は、電気信号が入力するセカンダリ制御弁によりポ
ンプ吐出圧を調圧して、セカンダリシリンダのセカンダ
リ圧を制御し、上記セカンダリ制御弁のスプールにスプ
リング力、セカンダリ圧による油圧反力、ソレノイド電
流に応じたソレノイドの電磁力とを作用し、上記ソレノ
イドの電磁力でスプリングによる設定圧を可変にし、ソ
レノイド電流に対しセカンダリ圧をリニアに制御する比
例電磁リリーフ弁式に構成する制御系において、上記セ
カンダリ制御弁内のスプールにセカンダリ圧を作用して
油圧反力が生じるように弁本体の油圧室で受圧面積の異
なるランドと、上記スプリング力、油圧反力、電磁力と
がバランスするようにオイルをドレンするチャンファと
を形成したことを特徴としている。
〔作用〕
上記構成に基づき、無段変速機の油圧制御系に設けら
れるセカンダリ制御弁は、比例電磁リリーフ弁式に構成
されてソレノイド電流に対しセカンダリ圧をリニアに制
御する。そこで、電子制御系で目標セカンダリ圧を算出
し、この目標セカンダリ圧に応じソレノイド電流を出力
すると、セカンダリ制御弁によりセカンダリ圧が目標値
と同一に正確かつ最適に制御されるようになる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、ロックアップトルコン付無段変速機
の駆動系の概略について述べる。符号1はエンジンであ
り、クランク軸2がトルクコンバータ装置3,前後進切換
装置4,無段変速機5およびディファレンシャル装置6に
順次伝動構成される。
トルクコンバータ装置3は、クランク軸2がドライブ
プレート10を介してコンバータカバー11およびトルクコ
ンバータ12のポンプインペラ12aに連結する。トルクコ
ンバータ12のタービンランナ12bはタービン軸13に連結
し、ステータ12cはワンウエイクラッチ14により案内さ
れている。タービンランナ12bと一体的なロックアップ
クラッチ15は、ドライブプレート10に係合または解放可
能に設置され、エンジン動力をトルクコンバータ12また
はロックアップクラッチ15を介して伝達する。
前後進切換装置4は、ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤ16を有し、サンギヤ16aにタービン軸13が入力し、キ
ャリア16bからプライマリ軸20へ出力する。そしてサン
ギヤ16aとリングギヤ16cとの間にフォワードクラッチ17
を、リングギヤ16cとケースとの間にリバースブレーキ1
8を有し、フォーワードクラッチ17の係合でプラネタリ
ギヤ16を一体化してタービン軸13とプライマリ軸20とを
直結する。また、リバースブレーキ18の係合でプライマ
リ軸20に逆転した動力を出力し、フォワードクラッチ17
とリバースブレーキ18の解放でプラネタリギヤ16をフリ
ーにする。
無段変速機5は、プライマリ軸20に油圧シリンダ21を
有するプーリ間隔可変式のプライマリプーリ22が、セカ
ンダリ軸23にも同様に油圧シリンダ24を有するセカンダ
リプーリ25が設けられ、プライマリプーリ22とセカンダ
リプーリ25との間に駆動ベルト26が巻付けられる。ここ
で、プライマリシリンダ21の方が受圧面積が大きく設定
され、そのプライマリ圧により駆動ベルト26のプライマ
リプーリ22,セカンダリプーリ25に対する巻付け径の比
率を変えて無段変速するようになっている。
ディファレンシャル装置6は、セカンダリ軸23に一対
のリダクションギヤ27を介して出力軸28が連結し、この
出力軸28のドライブギヤ29がファイナルギヤ30に噛合
う。そしてファイナルギヤ30の差動装置31が、車軸32を
介して左右の車輪33に連結している。
一方、無段変速機制御用の油圧源を得るため、トルク
コンバータ12に隣接してメインオイルポンプ34が配設さ
れ、このメインオイルポンプ34がポンプドライブ軸35に
よりコンバータカバー11に連結して、常にエンジン動力
によりポンプが駆動されて油圧が生じるようになってい
る。ここで無段変速機4では、油圧が高低の広範囲に制
御されることから、オイルポンプ34は例えばローラベー
ン式で吸入,吐出ポートを複数組有して可変容量型に構
成されている。
次いで、油圧制御系として無段変速機制御系について
述べる。
先ず、オイルパン40と連通するオイルポンプ34からの
油路41がセカンダリ制御弁50に連通して所定の位セカン
ダリ圧Psが生じており、このセカンダリ圧Psが油路42に
よりセカンダリシリンダ24に常に供給される。セカンダ
リ圧Psは油路43を介してプライマリ制御弁60に導かれ、
油路44によりプライマリシリンダ21に給排油してプライ
マリ圧Psが生じるように構成される。
プライマリ制御弁60は、デューティ信号による流量制
御方式であり、弁本体61にスプール62が挿入され、スプ
ール62の一方に初期設定用スプリング63が付勢される。
また、油路43のセカンダリ圧Psが導かれるデューティソ
レノイド弁64を有し、制御ユニット70からのデューティ
信号に応じセカンダリ圧Psを元圧としてパルス状の制御
圧Pcが生じており、このパルス状の制御圧Pcが油路45に
よりスプール62の一端のポート61dに導かれる。更に、
油路43のセカンダリ圧Psは、スプール62の他端のポート
61eに導かれる。こうして、パルス状の制御圧Pcと一定
の高いセカンダリ圧Psとの関係によりスプール62を、油
路43のポート61aを油路44のポート61bに連通する給油位
置と、ポート61bをドレンポート61cに連通する排油位置
とに動作する。そしてデューティ比により給排油時間の
割合、即ち流入,流出流量と共にプライマリ圧Ppが変化
して変速制御するように構成される。
セカンダリ制御弁50は、比例電磁リリーフ弁の直動式
であり、弁本体51に段付のスプール52が挿入され、スプ
ール52の一方にスプリング53が付勢される。また、比例
ソレノイド54の電磁力により突出する方式のプランジャ
55がスプール52の他方に連結し、スプリング荷重と共に
設定圧を可変するようになっている。スプール52は、比
例ソレノイド54側に小径のランド52aを、スプリング53
側に大径のランド52bを有し、ランド52bにはチャンファ
52cが形成されており、油路41と連通する油圧室51aで両
ランド52a,52bにセカンダリ圧Psが作用する。そしてチ
ャンファ52cによりドレンポート51bにオイルをドレンし
て調圧し、更に自己フィードバック作用可能になってい
る。
これにより、スプリング53のスプリング力Fsに対し、
比例ソレノイド54の電磁押付力FASとランド52a,52bとの
受圧面積差ΔSに作用するセカンダリ圧Psの反力が対向
し、両者がバランスするように調圧する。そこで、この
場合のバランス式を示すと以下のようになる。
FAS+Ps・ΔS=Fs また電磁押付力FASは、ソレノイド電流Isに比例する
ため FAS=K・Is (Kは比例定数) になり、従って次式が成立する。
Ps=(Fs−K・Is)/ΔS 以上により、ソレノイド電流Isに対し電磁押付力FAS
は、第3図(a)のように比例関係になり、セカンダリ
圧Psは、第3図(b)のように反比例関係になる。従っ
て、ソレノイド電流Isが零の場合にセカンダリ圧Psは、
最大値(Fs/ΔS)になってフェイルセーフ機能を備え
ており、ソレノイド電流Isの増大に応じセカンダリ圧Ps
が1対1の関係でリニアに減じる特性になる。このた
め、制御ユニット70から目標セカンダリ圧に対し、ソレ
ノイド電流の操作量をこの特性マップで定めて比例ソレ
ノイド54に出力すれば良いことになる。
なお、オイルポンプ34は可変容量型であり、セカンダ
リ制御弁50のドレン側の油路46には常に比較的高い潤滑
圧が生じる。そこでこの潤滑圧が、トルクコンバータ1
2,前後進切換装置4,ベルト24の潤滑部等に供給されるよ
うに回路構成されている。
第2図において、電子制御系について述べる。
先ず、変速制御系について述べると、プライマリプー
リ回転数センサ71,セカンダリプーリ回転数センサ72,エ
ンジン回転数センサ73およびスロットル開度センサ74を
有する。そして制御ユニット70において、プライマリプ
ーリ回転数センサ71,セカンダリプーリ回転数センサ72
のプライマリプーリ回転数Np,セカンダリプーリ回転数N
sは実変速比算出部75に入力し、実変速比iを、i=Np/
Nsにより算出する。この実変速比iとスロットル開度セ
ンサ74のスロットル開度θは目標プライマリプーリ回転
数検索部76に入力し、i−θの関係で目標プライマリプ
ーリ回転数NPDを定める。目標プライマリプーリ回転数
NPDとセカンダリプーリ回転数Nsは目標変速比算出部77
に入力し、目標変速比isをis=NPD/Nsにより算出す
る。こうして変速パターンをベースとして、セカンダリ
プーリ回転数Ns,実変速比i,スロットル開度θの要素で
各運転および走行条件に応じて目標変速比isが求められ
る。
ここで、プライマリシリンダ21の必要油量を定める流
量は、実プーリ位置eの変化速度de/dtと1対1で対応
し、実プーリ位置変化速度de/dtは、目標プーリ位置es
と実プーリ位置eとの偏差(es−e)で表わされる。ま
た、デューティ比Dでバルブ動作した場合の流量は、デ
ューティ比Dと実プーリ位置eとの関数になり、このた
めデューティ比Dは、実プーリ位置変化速度de/dtと実
プーリ位置eとで決定できることになる。
そこで、実変速比i,目標変速比isは実プーリ位置変換
部78,目標プーリ位置変換部79に入力して実プーリ位置
e,目標プーリ位置esに変換され、これらの実プーリ位置
e,目標プーリ位置esは実プーリ位置変化速度算出部80に
入力し、実プーリ位置変化速度de/dtを以下のように算
出する。
de/dt=K1(es−e)+K2・des/dt 上記式において、K1,K2は定数、des/dtは位相進み要
素である。
そして実プーリ位置変化速度de/dt,実プーリ位置e
は、デューティ比検索部81に入力し、D=f(de/dt,
e)の関係によりデューティ比Dを検索して、アップシ
フトまたはダウンシフトに対応すると共に(es−e)の
偏差に応じたデューティ比Dを求める。このデューティ
信号が駆動部82を介してデューティソレノイド弁64に出
力するようになっている。
続いて、セカンダリ圧制御弁について述べる。
先ず、スロットル開度θ,エンジン回転数Neが入力す
るエンジントルク算出部83を有し、θ−Neのトルク特性
によりエンジントルクTeを推定する。またトルクコンバ
ータ入,出力側のエンジン回転数Ne,プライマリプーリ
回転数Npはトルク増幅率算出部84に入力し、速度比n
(Np/Ne)に応じたトルク増幅率tを定め、これらエン
ジントルクTe,トルク増幅率tは入力トルク算出部85に
入力して入力トルクTiを、Ti=Te・tにより算出する。
一方、実プーリ位置eは必要セカンダリ圧設定部86に
入力し、単位トルク伝達に必要なスリップ限界のセカン
ダリ圧Psuを求め、単位トルク伝達に必要なスリップ限
界のセカンダリ圧Psu,入力トルクTiが目標セカンダリ圧
算出部87に入力して目標セカンダリ圧Pssを、Pss=Ti・
Psuにより算出する。また、目標セカンダリ圧算出部87
にはセカンダリプーリ回転数Nsが入力して、セカンダリ
プーリ回転数Nsに応じた遠心油圧分等が減少補正され
る。
ここで、セカンダリ圧制御をフィードバック制御する
ため、圧力センサ88を有しており、圧力センサ88で検出
される実セカンダリ圧Ps,目標セカンダリ圧Pssがソレノ
イド電流算出部89に入力する。そして目標セカンダリ圧
Pssと実セカンダリ圧Psとの差ΔP(=Pss−Ps)を求
め、これに応じてソレノイド電流Isに修正を加えて、駆
動部90を介して比例ソレノイド54に出力するようになっ
ている。
次いで、かかる構成の無段変速機の制御装置の作用に
ついて述べる。
先ず、エンジン1の運転により、トルクコンバータ12
のコンバータカバー11,リヤドライブ軸35によってオイ
ルポンプ34が駆動して油圧が生じ、この油圧がセカンダ
リ制御弁50に導かれる。そこで停車時には、変速制御系
の目標変速比isが無段変速機5の機構上の最大変速比と
して例えば2.5より大きい値に設定され、これに応じた
デューティ信号がデューティソレノイド弁64に入力して
プライマリ制御弁60を排油側に動作することで、プライ
マリ圧Ppは生じない。このため、セカンダリ制御弁50に
よるセカンダリ圧Psのすべてはセカンダリシリンダ24に
のみ供給され、無段変速機5はベルト26が最もセカンダ
リプーリ25の方に移行した最大変速比の低速段になる。
このとき、図示しない油圧制御系によりロックアップ
クラッチ15を解放してトルクコンバータ12に給油され
る。そこで、例えばドライブレンジにシフトすると、前
後進切換装置4のフォワードクラッチ17が給油により係
合して前進位置になる。このため、エンジン1の動力が
トルクコンバータ12,前後進切換装置4を介して無段変
速機5のプライマリ軸20に入力し、プライマリプーリ2
2,セカンダリプーリ25とベルト26とにより最大変速比の
動力がセカンダリ軸23に出力し、これがディファレンシ
ャル装置6を介して車輪33に伝達して発進可能になる。
一方、セカンダリ圧制御系では、常にエンジントルク
Teが推定されており、発進前のアイドリング時にはエン
ジントルクTeと共に入力トルクTiも小さく、目標セカン
ダリ圧Pssが比較的低く設定される。そこで、目標セン
カンダリ圧Pssに応じて第3図(b)のマップで比較的
大きいソレノイド電流Isが、セカンダリ制御弁50の比例
ソレノイド54に流れ、電磁力によりプランジャ55を介し
てスプール52をスプリング53の方に多くストロークし、
スプリング53による設定圧を低く定める。このため、ス
プール52のチャンファ52cによりオイルが多くドレン
し、低いセカンダリ圧Psに制御される。
次いでアクセル踏込みの発進時には、エンジントルク
Te,トルク増幅率t,単位トルク伝達に必要なスリップ限
界のセカンダリ圧Psuが大きいことで、目標セカンダリ
圧Pssも急増して算出され、圧力センサ88のセカンダリ
圧Psとの差によりソレノイド電流Isが大幅に減じる。そ
こでセカンダリ制御弁50では、比例ソレノイド54の電磁
力によるスプール52のストロークが小さくなり、セカン
ダリ圧Psはドレン量を減じて高く制御される。そして発
進後に変速制御され、ロックアップクラッチ15が係合し
て目標セカンダリ圧Pssの算出値を減じると、セカンダ
リ制御弁50において電磁力によりスプリング53の設定圧
が順次小さくなり、セカンダリ圧Psは減少制御される。
こうして、セカンダリ圧Psの特性をまとめて示すと第4
図のようになり、常に伝達トルクに対しベルトスリップ
しない最小限のプーリ押付力を確保するように最適制御
される。
ここで、ポンプ吐出量等の影響によりプライマリ圧Ps
が変動すると、セカンダリ制御弁50の油圧室51aの油圧
力によりスプール52のストロークが変化して修正され、
こうして自己フィードバック作用する。また、走行中に
ソレノイド電流Isが断線等により遮断されると、セカン
ダリ制御弁50において設定圧が最大になって、セカンダ
リ圧Psが最も高く制御されることになり、こうしてベル
トスリップを防止するようにフェイルセーフされる。
また発進後は、運転および走行条件によりis<2.5の
変速開始条件が成立すると、変速制御系で実変速比i,目
標変速比isが実プーリ位置e,目標プーリ位置esに変換さ
れ、実プーリ位置変化速度de/dtが算出される。そして
実プーリ位置変化速度de/dtと実プーリ位置eとに応じ
たデューティ信号がデューティソレノイド弁64に出力
し、これによる制御圧Pcと元圧のセカンダリ圧Psとがプ
ライマリ制御弁60に対向して作用し、プライマリシリン
ダ21の給油量を制御してプライマリ圧Ppを増大する。そ
こでプライマリプーリ22による押付力で、ベルト26がプ
ライマリプーリ22の方に順次移行して、変速比の小さい
高速段にアップシフト制御される。また減速時は、車速
低下に応じてプライマリ制御弁60でプライマリシリンダ
21の排油量が制御されてプライマリ圧Ppを減じ、低速段
にダウンシフト制御されることになる。
第5図において、比例電磁リリーフ弁50の第2の実施
例について述べる。この実施例は、ソレノイドでリリー
フ弁の設定圧を変える方法を変更したものである。即
ち、スプール52の比例ソレノイド54側から大径のランド
52b、小径のランド52aおよびチャンファ52cが連続して
形成され、油圧室51aで油圧反力を比例ソレノイド54の
方向に作用する。そしてスプリング53が、比例ソレノイ
ド54側からスプール52に、油圧反力に対向するように付
勢される。また比例ソレノイド54において、プランジャ
55のスプール52と反対側には他のスプリング56が付勢さ
れ、更に比例ソレノイド54はソレノイド電流Isの電磁力
によりプランジャ55を吸引する構造になっている。
従って、この実施例では、スプール52の油圧反力Ps・
ΔSに対し、ソレノイドの押付力FASとスプリング53の
力Fsとが対向してバランスするように調圧される。また
ソレノイドの押付力FASは、スプリング56の力F0に対し
ソレノイド電流Isの電磁力K・Isを減算したものにな
り、以下のバランス式となる。
FAS+Fs=Ps・ΔS FAS=F0−K・Is これを線図で示すと第6図(a),(b)のようにな
り、ソレノイド電流Isに対しセカンダリ圧Psが1対1の
関係の特性になる。そしてこの実施例でもソレノイド電
流Isが零の場合に、セカンダリ圧Psは(Fs+F0)/ΔS
の最大値になり、断線等のフェイルセーフ機能を備え
る。
以上、本発明の実施例について述べたが、これのみに
限定されない。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように、本発明によれば、 無段変速機のセカンダリ圧電子制御系において、セカ
ンダリ制御弁が比例電磁リリーフ弁式に構成され、ポン
プ吐出圧をリリーフして調圧する方式であるから、セカ
ンダリ圧の異常上昇等の不都合を生じない。
さらに、セカンダリ制御弁はソレノイドの電磁力でス
プリングによる設定圧を直接変化する構成であるから、
制御用油圧回路が不要になり、オイルポンプ容量,ポン
プロスを低減し得る。また、デューティソレノイド弁も
不要になり、振動,騒音を生じなくなる。
さらにまた、セカンダリ制御弁は自己フィードバック
作用を有するので、安定して油圧制御し、断線時のフェ
イルセーフ機能によりベルトスリップを防止し得る。
また、比例式のセカンダリ制御弁であるから、電子制
御系で算出された目標セカンダリ圧に対するソレノイド
電流の設定が容易化し、フィードバック制御も容易化す
る。
またさらに、電子制御系では入力トルク,単位トルク
当りのセカンダリ圧により各伝達トルクに応じた目標セ
カンダリ圧を算出し、これに基づきセカンダリ制御弁を
比例的に動作することで、セカンダリ圧を正確かつ最適
に制御することができ、制御系の簡素化と精度の向上を
満し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の無段変速機の制御装置の実施例を示す
全体構成図、 第2図は電子制御系のブロック図、 第3図(a),(b)はセカンダリ制御弁の特性図、 第4図はセカンダリ圧の特性図、 第5図はセカンダリ制御弁の第2の実施例を示す断面
図、 第6図(a),(b)はセカンダリ制御弁の特性図であ
る。 5……無段変速機、21……プライマリシリンダ、24……
セカンダリシリンダ、41,42,43……セカンダリ圧油路、
44……プライマリ圧油路、50……セカンダリ制御弁、52
……スプール、53……スプリング、54……比例ソレノイ
ド、60……プライマリ制御弁、70……制御ユニット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気信号が入力するセカンダリ制御弁によ
    りポンプ吐出圧を調圧して、セカンダリシリンダのセカ
    ンダリ圧を制御し、上記セカンダリ制御弁のスプールに
    スプリング力、セカンダリ圧による油圧反力、ソレノイ
    ド電流に応じたソレノイドの電磁力とを作用し、上記ソ
    レノイドの電磁力でスプリングによる設定圧を可変に
    し、ソレノイド電流に対しセカンダリ圧をリニアに制御
    する比例電磁リリーフ弁式に構成する制御系において、 上記セカンダリ制御弁内のスプールにセカンダリ圧を作
    用して油圧反力が生じるように弁本体の油圧室で受圧面
    積の異なるランドと、 上記スプリング力、油圧反力、電磁力とがバランスする
    ようにオイルをドレンするチャンファとを形成したこと
    を特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】電気信号は、電子制御系で算出される目標
    セカンダリ圧,または目標セカンダリ圧と実際のセカン
    ダリ圧との偏差に応じたソレノイド電流であることを特
    徴とする請求項(1)記載の無段変速機の制御装置。
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