JP2869470B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用のベルト式無段変速機において電子
的に変速制御およびセカンダリ圧制御する制御装置に関
し、詳しくは、プライマリシリンダの圧力と流量との各
制御弁により制御する変速制御系に関する。
〔従来の技術〕
この種の無段変速機は、入力側のプライマリプーリに
プライマリ圧をかけ、出力側のセカンダリプーリにセカ
ンダリ圧をかけて、両プーリに巻付けられたベルトに押
付力を付与する。そしてセカンダリ圧は、伝達トルクに
対しベルトスリップが生じない押付力を与えるように制
御され、プライマリ圧はベルトをプライマリプーリまた
はセカンダリプーリの方に移行して、所定の変速比を得
ることが可能な押付力に制御される。
ここで、一般に上記セカンダリ圧およびプライマリ圧
の各制御弁,制御系は電子化される傾向にある。そして
プーリおよびベルトの部分の伝達トルクを正確に求め、
セカンダリ圧を伝達トルクに応じ必要最小限に最適制御
する。またプライマリ圧に関しては、運転および走行条
件により最適な変速状態を定め、応答良く変速制御する
ことを目指している。
そこで従来、上記無段変速機の電子制御に関しては、
例えば特開昭62−4640号公報の先行技術がある。ここ
で、特に変速制御については、制御の基本概念に流量制
御を導入する。即ち、プライマリシリンダのプライマリ
圧を定める油量は変速比の関数で設定でき、油量を時間
微分した流量は変速速度と変速比との関数になることか
ら、各条件に応じた目標変速比と実変速比との偏差等に
より変速速度を算出する。また、制御弁での流量は開口
面積,圧力差等により算出され、操作量を所定のデュー
ティ比で定めると、デューティ比は変速速度と変速比と
の関数になり、これに基づいてデューティ比を定める。
そしてデューティ信号をソレノイド弁に出力して、パル
ス状の制御圧が生じ、この制御圧を制御弁に作用して流
量制御することで変速制御することが示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記先行技術のものにあっては、制御弁の
流量制御により目標変速比に対し実変速比を追従するこ
とを重視した制御方法であり、時々刻々の変速制御性に
優れている。しかるに、追従性重視のために、操作量の
大きさによっては収束性に欠けてハンティングが生じ、
過渡時の応答性に限界がある。また、本来変速比はセカ
ンダリ圧とプライマリ圧との2つの油圧により決定され
るが、この関係が制御に取り入れられていないため、特
に定常時に基準とするパラメータが無くて、フィードフ
ォワード制御することが難しい。更に、ホイールロック
等の異常時には変速比検出等が不能になって、最適な変
速比に制御できない等の問題がある。
そこで、変速制御において定常時には各変速比に応じ
セカンダリ圧とプライマリ圧とを油圧比制御し、過渡時
には変速比等の偏差に応じ流量制御することが最適と考
えられる。ここで、1つの制御弁により圧力と流量とを
同時に制御することは難しく、このことから油圧比と流
量との制御系と共に、これら電気信号による制御弁の構
成も工夫する必要がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、プライマリシリンダの圧力と流量と
を各別の制御弁を用いて制御し、変速制御を最適化する
ことが可能な無段変速機の制御装置を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の無段変速機の制御
装置は、駆動ベルトが巻回されたプライマリプーリとセ
カンダリプーリのそれぞれのプライマリシリンダおよび
セカンダリシリンダに供給される油圧を増減させること
によって変速比の設定を行う無段変速機の制御装置にお
いて、前記セカンダリシリンダに接続され、オイルポン
プから供給される油圧を調圧して所要の圧力のセカンダ
リ圧をセカンダリシリンダに供給するセカンダリ圧制御
弁と、前記プライマリシリンダと前記セカンダリ圧制御
弁に接続され、変速比が略一定の定常時にセカンダリ圧
制御弁から供給されるセカンダリ圧を調圧して所要の圧
力のプライマリ圧をプライマリシリンダに供給するプラ
イマリ圧制御弁と、前記プライマリシリンダと前記セカ
ンダリ圧制御弁に接続され、変速比が変化する過渡時に
セカンダリ圧制御弁から供給される油の量を調節してプ
ライマリシリンダに供給するプライマリ流量制御弁とを
備えていることを特徴としている。
〔作用〕
上記構成に基づき、車両走行時の最大,最小変速比固
定等の定常時には、プライマリ圧制御弁によりプライマ
リシリンダのプライマリ圧が制御されて、一定の変速状
態に保持される。また、目標変速比が変化する過渡時に
は、プライマリ流量制御弁によりプライマリシリンダの
流量が制御されて応答良く追従し、実変速比の追従に応
じプライマリ圧も制御されて良好に収束するように変速
制御される。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例の図面に基づいて説明する。
第1図において、ロックアップトルコン付無段変速機
の駆動系の概略について述べる。符号1はエンジンであ
り、クランク軸2がトルクコンバータ装置3,前後進切換
装置4,無段変速機5およびディファレンシャル装置6に
順次伝動構成される。
トルクコンバータ装置3は、クランク軸2がドライブ
プレート10を介してコンバータカバー11およびトルクコ
ンバータ12のポンプインペラ12aに連結する。トルクコ
ンバータ12のタービンランナ12bはタービン軸13に連結
し、ステータ12cはワンウエイクラッチ14により案内さ
れている。タービンランナ12bと一体的なロックアップ
クラッチ15は、ドライブレート10に係合または解放可能
に設置され、エンジン動力をトルクコンバータ12または
ロックアップクラッチ15を介して伝達する。
前後進切換装置4は、ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤ16を有し、サンギヤ16aにタービン軸13が入力し、キ
ャリア16bからプライマリ軸20へ出力する。そしてサン
ギヤ16aとリングギヤ16cとの間にフォワードクラッチ17
と、リングギヤ16cとケースとの間にリバースブレーキ1
8を有し、フォーワードクラッチ17の係合でプラネタリ
ギヤ16を一体化してタービン軸13とプライマリ軸20とを
直結する。また、リバースブレーキ18の係合でプライマ
リ軸20に逆転した動力を出力し、フォワードクラッチ17
とリバースブレーキ18の解放でプラネタリギヤ16をフリ
ーにする。
無段変速機5は、プライマリ軸20に油圧シリンダ21を
有するプーリ間隔可変式のプライマリプーリ22が、セカ
ンダリ軸23にも同様に油圧シリンダ24を有するセカンダ
リプーリ25が設けられ、プライマリプーリ22とセカンダ
リプーリ25との間に駆動ベルト26が巻付けられる。ここ
で、プライマリシリンダ21の方が受圧面積が大きく設定
され、そのプライマリ圧により駆動ベルト26のプライマ
リプーリ22,セカンダリプーリ25に対する巻付け径の比
率を変えて無段変速するようになっている。
ディファレンシャル装置6は、セカンダリ軸23に一対
のリダクションギヤ27を介して出力軸28が連結し、この
出力軸28のドライブギヤ29がファイナルギヤ30に噛合
う。そしてファイナルギヤ30の差動装置31が、車軸32を
介して左右の車輪33に連結している。
一方、無段変速機制御用の油圧源を得るため、トルク
コンバータ12に隣接してメインオイルポンプ34が配設さ
れ、このメインオイルポンプ34がポンプドライブ軸35に
よりコンバータカバー11に連結して、常にエンジン動力
によりポンプが駆動されて油圧が生じるようになってい
る。ここで無段変速機4では、油圧が高低の広範囲に制
御されることから、オイルポンプ34は例えばローラベー
ン式で吸入,吐出ポートを複数組有して可変容量型に構
成されている。
次いで、油圧制御系として無段変速機制御系について
述べる。
先ず、オイルパン40と連通するオイルポンプ34からの
油路41がセカンダリ圧制御弁50に連通して所定のセカン
ダリ圧Psが生じており、このセカンダリ圧Psが油路42に
よりセカンダリシリンダ24に常に供給される。セカンダ
リ圧Psの油路43は、直列配置されたプライマリ流量制御
弁52,油路46,プライマリ圧制御弁54および油路46,44を
介してプライマリシリンダ21に連通し、プライマリ流量
制御弁52,プライマリ圧制御弁54によりプライマリ流量
Qとプライマリ圧Ppとを各別に制御するように構成され
る。
セカンダリ圧制御弁50は、比例電磁リリーフ弁式であ
り、比例ソレノイド51に制御ユニット70によりソレノイ
ド電流Isが供給される。すると、ソレノイド電流Isによ
り電磁力,セカンダリ圧Psの油圧反力およびスプリング
力をスプール上に対向して作用し、これらがバランスす
るように調圧する。即ち、ソレノイド電流Isにより設定
圧を可変にし、ソレノイド電流Isに対し1対1の比例関
係でセカンダリ圧Psを制御するものである。
プライマリ流量制御弁52は、給排油の2位置式であ
り、制御ユニット70により所定のデューティ比のソレノ
イド電流IQがデューティソレノイド53に供給される。す
ると、ソレノイド電流IQのデューティ比Dにより給排油
の比率を変化して、プライマリ流量Qを制御する。
プライマリ圧制御弁54は、比例電磁減圧弁式であり、
セカンダリ圧制御弁50と同様に比例ソレノイド55に制御
ユニット70によりソレノイド電流Ipが供給される。する
と、ソレノイド電流Ipによる電磁力,プライマリ圧Ppの
油圧反力およびスプリング力をスプール上に対向して作
用し、ソレノイド電流Ipにより設定圧を可変にして、ソ
レノイド電流Ipに対し1対1の比例関係でプライマリ圧
Ppを制御するものである。
なお、オイルポンプ34は可変容量型であり、セカンダ
リ圧制御弁50のドレン側の油路45には常に比較的高い潤
滑圧が生じる。そこでこの潤滑圧が、トルクコンバータ
12,前後進切換装置4,ベルト26の潤滑部等に供給される
ように回路構成されている。
第2図において、電子制御系について述べる。
先ず、入力信号センサとしてプライマリプーリ回転数
センサ71,セカンダリプーリ回転数センサ72,エンジン回
転数センサ73,スロットル開度センサ74およびセカンダ
リ圧Psを検出する圧力センサ75を有する。
セカンダリ圧制御系について述べると、スロットル開
度センサ74のスロットル開度θ,エンジン回転数センサ
73のエンジン回転数Neが入力するエンジントルク算出部
76を有し、θ−Neのトルク特性によりエンジントルクTe
を推定する。またトルクコンバータ入力側のエンジン回
転数Ne,プライマリプーリ(トルクコンバータ出力側)
回転数Npはトルク増幅率算出部77に入力し、速度比n
(Np/Ne)に応じたトルク増幅率tを定める。更に、エ
ンジン回転数Ne,プライマリプーリ回転数Npはプライマ
リ系慣性力算出部78に入力し、エンジン1からプライマ
リプーリ22間の慣性モーメント,角加速度により慣性ト
ルクgiを算出する。これらのエンジントルクTe,トルク
増幅率t,慣性トルクgiは入力トルク算出部79に入力し、
CVT入力トルクTiを以下のように算出する。
Ti=Te・t−gi 一方、実変速比iが入力する必要セカンダリ圧設定部
80を有する。ここで、各実変速比i毎に単位トルク伝達
に必要なスリップ限界のセカンダリ圧Psuが第3図
(a)のように設定されており、このマップにより実変
速比iに応じた必要セカンダリ圧Psuを定める。そして
上記入力トルクTi,必要セカンダリ圧Psuは目標セカンダ
リ圧算出部81に入力し、これら入力トルクTi,必要セカ
ンダリ圧Psuとセカンダリプーリ回転数Nsとにより、セ
カンダリシリンダ24の部分の遠心油圧gsを考慮して目標
セカンダリ圧Pssを、以下のように算出する。
Pss=Ti・Psu−gs+PM ここでPMは、実変速比iの関数としてPM=f(i)で
表わされる補正項で、マージンと呼ばれるものである。
目標セカンダリ圧Pssは更にソレノイド電流設定部82
に入力し、目標セカンダリ圧Pssに応じたソレノイド電
流Isを定めるのである。この場合に、セカンダリ圧制御
弁50が既に述べたようにソレノイド電流Isに対し比例関
係でセカンダリ圧を制御する特性であるから、これに応
じた第3図(b)のマップにより目標セカンダリ圧Pss
に対するソレノイド電流Isを比例的に求める。そしてこ
のソレノイド電流Isが、駆動部83を介してセカンダリ圧
制御弁50の比例ソレノイド51に供給されるのであり、こ
うしてソレノイド電流Isにより、直接セカンダリ圧Psを
目標セカンダリ圧Pssに追従して制御するようになって
いる。
続いて、プライマリ圧制御系と流量制御系とについて
述べる。
先ず、制御の基本概念について述べると、定常時の実
変速比iはセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppとの油圧比
で決まるため、油圧比Kp(Pp/Ps)は実変速比iの関数
として表わされ、 Kp=f(i) になる。
一方、プーリとベルトの部分においては、入力トルク
Tiが例えば大きくなるとダウンシフト方向に移行するこ
とになり、入力トルクTiが実変速比iに影響することが
わかる。そこで、この入力トルクTiと実変速比iとの関
係に対し、今のセカンダリ圧Psで伝達できる最大トルク
(Ps/Psu)と、今の伝達トルクの入力トルクTiのトルク
比KTとを KT=Ti/(Ps/Psu) により設定する。すると、今のトルク伝達状態,即ち油
圧比Kpの関係での実変速比iが定まり、これにより油圧
比Kpは、実変速比iとトルク比KTとの関数として Kp=f(i,KT) が成立する。こうして実変速比iとトルク比KTとにより
油圧比Kpは、第3図(c)のように、セカンダリ圧Psと
は無関係に相似形の特性で得られることになり、この油
圧比Kpとセカンダリ圧Psとにより目標プライマリ圧Pps
が算出される。これにより、定常時の今の入力トルクTi
に対し、今の実変速比iを保つのに必要な目標プライマ
リ圧Ppsを、セカンダリ圧Psに対して求めることができ
る。
次いで、過渡時の変速制御は、所望の変速速度に応じ
て流量制御すれば良い、そこで、各運転および走行条件
に応じた目標変速比isと実変速比iとの偏差等により変
速速度,またはプーリ位置で設定した場合はプーリ位置
変化速度de/dtを算出する。ここでプーリ位置変化速度d
e/dtは、プライマリシリンダ21の体積変化,即ち流量Q
であるから、バルブ流量の式を示すと以下のようにな
る。
Q=K・(ΔP)1/2 Kは流量係数,開口面積等の定数、ΔPは圧力差であ
り、アップシフトの給油時はPs−Pp,ダウンシフトの排
油時はPpである。
従って、デューティ比Dで1サイクルの平均流量Qを
求めると、 Q=K・{D・(Ps−Pp)1/2−(1−D) ×(Pp)1/2} になり、流量Qはデューティ比D,セカンダリ圧Ps,プラ
イマリ圧Ppの関数になり、更にエンジントルクが一定と
仮定すると、 Q=de/dt=f(D,e) になる。従って、D=f(de/dt,e)が成立し、このこ
とからソレノイド電流IQのデューティ比Dを、偏差に応
じたプーリ位置変化速度de/dtと実プーリ位置eとの関
係で定めれば良いことになる。
そこで、かかる制御に基づき、油圧比制御系と流量制
御系とを有している。
油圧比制御系について述べると、プライマリプーリ回
転数センサ71のプライマリプーリ回転数Npとセカンダリ
プーリ回転数センサ72のセカンダリプーリ回転数Nsが入
力する実変速比算出部85を有し、実変速比iをi=Np/N
sにより算出する。一方、入力トルクTi,必要セカンダリ
圧Psuおよび圧力センサ75のセカンダリ圧Psが入力する
トルク比算出部86を有し、トルク比KTを算出するのであ
り、このトルク比KT,実変速比iは油圧比設定部87に入
力して、第3図(c)のマップにより油圧比Kpを、トル
ク比KT,実変速比iの関係により定める。油圧比Kp,セカ
ンダリ圧Psは目標プライマリ圧算出部88に入力し、更に
プライマリプーリ回転数Npによるプライマリシリンダ21
の部分の遠心油圧gpを考慮して、目標プライマリ圧Pps
を以下のように算出する。
Pps=Kp・Ps−gp この目標プライマリ圧Ppsはソレノイド電流設定部96
に入力し、目標プライマリ圧Ppsに対してソレノイド電
流Ipを比例関係で求める。そしてこのソレノイド電流Ip
が、駆動部97を介してプライマリ圧制御弁54の比例ソレ
ノイド55に供給される。
次いで、流量制御系について述べると、実変速比i,ス
ロットル開度θが入力する目標プライマリプーリ回転数
検索部89を有し、i−θの関係で目標プライマリプーリ
回転数NPDを定める。目標プライマリプーリ回転数NP
D,セカンダリプーリ回転数Nsは目標変速比算出部90に
入力し、目標変速比isをis=NPD/Nsにより算出するの
であり、こうして変速パターンをベースとして各運転お
よび走行条件に応じた目標変速比isが求められる。
ここで、プライマリシリンダ21の油量Vは実プーリ位
置eに比例し、油量Vの時間微分した流量Qはプーリ位
置変化速度de/dtと1対1で対応する。従って、プーリ
位置変化速度de/dtにより流量Qがそのまま算出されて
好ましいことから、実変速比i,目標変速比isは実プーリ
位置変換部91,目標プーリ位置変換部92により実プーリ
位置e,目標プーリ位置esに変換する。これら実プーリ位
置e,目標プーリ位置esはプーリ位置変化速度算出部93に
入力し、プーリ位置変化速度de/dtを、以下のように実
プーリ位置eと目標プーリ位置esとの偏差等により算出
する。
de/dt=K1・(es−e)・K2・des/dt (K1,K2:定数、des/dt:位相進み要素) このプーリ位置変化速度de/dt,実プーリ位置eはソレ
ノイド電流設定部94に入力し、ソレノイド電流IQのデュ
ーティ比Dをプーリ位置変化速度de/dtと実プーリ位置
eとの関係で定める。そしてソレノイド電流IQは、駆動
部95を介してプライマリ流量制御弁52のデューティソレ
ノイド53に供給される。こうして、定常時の油圧比制御
と過渡時の流量制御とによるフィードフォワードで変速
制御するようになっている。
次いで、かかる構成の無段変速機の制御装置の作用に
ついて述べる。
先ず、エンジン1の運転により、トルクコンバータ12
のコンバータカバー11,ポンプドライブ軸35によってオ
イルポンプ34が駆動して油圧が生じ、この油圧がセカン
ダリ圧制御弁50に導かれる。そこで、停車時には、プラ
イマリ制御系の目標変速比is,実変速比iが無段変速機
5の機構上の最大変速比として例えば2.5より大きい値
に設定される。このため、油圧比制御系の実変速比i,ト
ルク比KT,油圧比Kp,セカンダリ圧Psによる目標プライマ
リ圧Ppsがプライマリ圧制御弁54の比例ソレノイド55に
流れて排油側に動作することで、プライマリ圧Ppは最低
レベルになる。このため、セカンダリ圧制御弁50による
セカンダリ圧Psのすべてはセカンダリシリンダ24にのみ
供給され、無段変速機5はベルト26が最もセカンダリプ
ーリ25の方に移行した最大変速比の低速段になる。
このとき、図示しない油圧制御系によりロックアップ
クラッチ15を解放してトルクコンバータ12に給油され
る。そこで、例えばドライブレンジにシフトすると、前
後進切換装置4のフォワードクラッチ17が給油により係
合して前進位置になる。このため、エンジン1の動力が
トルクコンバータ12,前後進切換装置4を介して無段変
速機5のプライマリ軸20に入力し、プライマリプーリ2
2,セカンダリプーリ25とベルト26とにより最大変速比の
動力がセカンダリ軸23に出力し、これがディファレンシ
ャル装置6を介して車輪33に伝達して発進可能になる。
セカンダリ圧制御系では、常にエンジントルクTeが推
定され、トルク増幅率t,プライマリ系の慣性トルクgiが
算出されている。そこで、アクセル踏込みの発進時に
は、エンジントルクTe,トルク増幅率tにより入力トル
クTiが大きくなり、更に必要セカンダリ圧Psuも増大す
ることで、目標セカンダリ圧Pssが大きい値になる。そ
して目標セカンダリ圧Pssに応じた低いソレノイド電流I
sが、セカンダリ圧制御弁50の比例ソレノイド51に流
れ、設定圧を高く定めるのであり、こうしてセカンダリ
圧Psはドレン量を減じて高く制御される。そして発進後
に変速制御されて、ロックアップクラッチ15が係合して
トルク増幅率t=1になり、実変速比iに応じて必要セ
カンダリ圧Psuが減じ、車速上昇に伴いエンジントルクT
eが低下操作されると、目標セカンダリ圧pssは急激に小
さくなる。このため、ソレノイド電流Isは急増してセカ
ンダリ圧制御弁50の設定圧は順次小さくなり、セカンダ
リ圧Psが低下制御される。こうしてPsの特性をまとめて
示すと、第4図(a)のようになり、常に伝達トルクに
対しベルトスリップしない最小限のプーリ押付力を確保
するように最適制御される。
上記セカンダリ圧Psは、プライマリ流量制御弁52およ
びプライマリ圧制御弁54に導かれてプライマリ流量Qと
プライマリ圧Psとを各別に制御して変速制御するのであ
り、これを以下に述べる。
先ず、最大変速比iLの発進時には、変速比一定の定常
状態であり、流量制御系において目標変速比isと実変速
比iとの偏差およびプーリ位置変化速度de/dtが零にな
る。そこでソレノイド電流設定部94では、D=50%のソ
レノイド電流IQに設定され、これがプライマリ流量制御
弁52に入力して給排油を等しく動作しており、このため
プライマリシリンダ21側への流量Qは一定に保持され
る。一方、油圧比制御系では、実変速比iにより油圧比
Kpが最も低いことで目標プライマリ圧Ppsも最低レベル
に算出され、これに応じプライマリ圧制御弁54の比例ソ
レノイド55には大きいソレノイド電流Ipが流れて最も減
圧作用することになり、このためプライマリシリンダ21
のプライマリ圧Ppは、多量のドレンにより最低レベルに
なる。こうしてこの場合は、油圧比制御系の最低のプラ
イマリ圧Ppにより最大変速比iLに制御される。
次いで、運転および走行条件によりis<2.5の変速開
始条件が成立し、目標変速比isが順次小さく設定される
と、流量制御系で目標変速比isと実変速比iとの偏差に
応じたプーリ位置変化速度de/dtが算出される。そして
ソレノイド電流IQのデューティ比Dが50%以上に増し、
プライマリ流量制御弁52はプライマリシリンダ21への給
油量を順次増大変化するのであり、こうしてプライマリ
シリンダ21の油量増大によりプライマリ圧Ppと共にプー
リ押付力が増し、ベルト26はプライマリプーリ22側に移
行して実変速比iが目標変速比isに追従するようにな
る。一方、実変速比iが減少すると油圧比制御系の油圧
比Kpの値が順次大きく設定され、セカンダリ圧Psに対す
る目標プライマリ圧Ppsが高く算出される。そして目標
プライマリ圧Ppsに応じたソレノイド電流Ipが流れて、
プライマリ圧制御弁54によりプライマリ圧Ppは、この実
変速比iを維持するに必要なレベルに増大制御される。
また、入力トルクTiが変化すると、トルク比KTの値が変
化して油圧比Kpを増減するようになり、これにより入力
トルクTiで実変速比iが変化することが、プライマリ圧
Ppの増減で防止される。
一方、加速や減速時において目標変速比isの値が大き
く設定されると、再び流量制御系でプーリ位置変化速度
de/dtに応じてソレノイド電流IQのデューティ比Dが50
%以下に減じ、プライマリ流量制御弁52でプライマリシ
リンダ21の油量が減少してプーリ押付力も減じること
で、ベルト26はセカンダリプーリ25側に移行する。また
この場合も、実変速比iが増すと油圧比制御系の油圧比
Kpの値が小さくなって目標プライマリ圧Ppsが低く算出
され、プライマリ圧制御弁54によりプライマリ圧Ppが減
少制御される。
こうして目標変速比isが変化する過渡時には、流量制
御系でプライマリシリンダ21の油量が増減してアップシ
フトまたはダウンシフトするように変速制御される。そ
して実変速比iが目標変速比isに追従する毎に油圧制御
系でプライマリ圧Ppが、そのエンジントルクTiと実変速
比iとを維持するに必要なものに制御される。
このため、目標変速比isが一定になったり、最小変速
比iHに固定されて定常状態になると、流量は変化しなく
なるが、このとき油圧比制御系のプライマリ圧Ppによ
り、一定の変速状態に保持されることになる。こうし
て、第4図(b)のように最大変速比iLと最小変速比iH
の変速全域で、流量制御系により流量と共にプライマリ
シリンダ21の油量が可変にされ、目標変速比isが実変速
比iに応答良く追従する。また油圧比制御系によりプラ
イマリ圧Ppが、エンジントルクTi,実変速比iに応じ可
変にされ、目標変速比isに実変速比iが良好に収束する
ように変速制御される。
一方、最大変速比iL,最小変速比iHまたは目標変速比i
sが一定の定常時、ホイールロック等の異常時には、プ
ライマリ圧Ppで適正な変速状態に保持される。
なお、プライマリ流量制御弁52とプライマリ圧制御弁
54の順序は逆にしても良い。
以上、本発明の実施例について述べたが、第5図に示
すようにプライマリ流量制御弁52とプライマリ圧制御弁
54とを、油路43と44とで並列配置して連設することもで
きる。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように、本発明によれば、 無段変速機の変速制御系において、定常時の油圧非制
御系との過渡時の流量制御系とを有し、各制御弁により
プライマリ圧と流量とを制御するので、変速の応答性と
収束性とを共に満すように最適制御し得る。
さらに、圧力と流量の制御弁を用いることで、操作
量,バルブ動作が適正化する。
また、2つの制御弁の直列または並列配置で、構造も
簡単である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の無段変速機の制御装置の実施例を示す
全体構成図、 第2図は電子制御系のブロック図、 第3図(a)ないし(c)は各マップを示す図、 第4図(a)はセカンダリ圧特性,(b)はプライマリ
圧の変速パターンを示す図 第5図は本発明の第2の実施例を示す構成図である。 5……無段変速機、21……プライマリシリンダ、24……
セカンダリシリンダ、50……セカンダリ圧制御弁、51,5
3……比例ソレノイド、52……プライマリ流量制御弁、5
4……プライマリ圧制御弁、55……デューティソレノイ
ド、70……制御ユニット、86……トルク比算出部、87…
…油圧比設定部、88……目標プライマリ圧算出部、93…
…プーリ位置変化速度算出部、94,96……ソレノイド電
流設定部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動ベルトが巻回されたプライマリプーリ
    とセカンダリプーリのそれぞれのプライマリシリンダお
    よびセカンダリシリンダに供給される油圧によって変速
    制御を行う無段変速機の制御装置において、 前記セカンダリシリンダに接続され、オイルポンプから
    供給される油圧を調圧して所要の圧力のセカンダリ圧を
    セカンダリシリンダに供給するセカンダリ圧制御弁と、 前記プライマリシリンダと前記セカンダリ圧制御弁に接
    続され、セカンダリ圧制御弁から供給されるセカンダリ
    圧を調圧して所要の圧力のプライマリ圧をプライマリシ
    リンダに供給するプライマリ圧制御弁と、 前記プライマリシリンダと前記セカンダリ圧制御弁に接
    続され、セカンダリ圧制御弁から供給される油の量を調
    節してプライマリシリンダに供給し前記プライマリ圧制
    御弁とともに変速制御を行うプライマリ流量制御弁と、 を備えていることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】前記プライマリ圧制御弁とプライマリ流量
    制御弁は、セカンダリ圧制御弁とプライマリシリンダ間
    の油路に直列または並列に接続されている請求項1に記
    載の無段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】前記プライマリ圧制御弁は、無段変速機に
    入力する入力トルクと前記セカンダリ圧制御弁において
    設定されるセカンダリ圧に基づいて制御され、前記プラ
    イマリ流量制御弁は、変化する変速比の値に基づいて算
    出されるプライマリプーリの位置の変化速度に基づいて
    制御される請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
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