JP3104975B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用のベルト式無段変速機において電子
的に変速制御する制御装置に関し、詳しくは、ホイール
ロック時の変速制御に関する。
〔従来の技術〕 一般にこの種の無段変速機は、油圧制御用の制御弁が
電子制御可能に改良されるのに伴い、セカンダリ圧制御
およびプライマリ圧による変速制御が、電子化して最適
制御される傾向にある。ここで、変速制御する場合は、
各運転,走行条件に応じて適正な目標変速比を定め、こ
れに対し実変速比を追従することが考えられている。と
ころで、かかる変速制御によると、変速比等の算出が可
能な場合であって、通常の走行では支障は生じないが、
低μ路での急減速時にホイールロックが生じるような条
件では、変速比等を正確に算出できず、このため変速比
が不確実で不安定化する。
そこで、上記ホイールロック等の走行条件を正確に判
断し、この場合に適した変速制御に切換えることが望ま
れる。
そこで従来、上記無段変速機の急減速対策に関して
は、例えば特開昭58−170958号公報の先行技術がある。
ここで、ブレーキ操作の際には直ちにダウンシフトを開
始することが示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記先行技術のものは、ブレーキ時にダウ
ンシフトを開始してエンジンブレーキ効果を増し、ダウ
ンシフトの遅れを防ぐものである。従って、通常のブレ
ーキ時に限定され、ホイールロックが生じるような急減
速時にはダウンシフトを正常に行うことができず、効果
が著しく減じてしまう。
ここで、一般にかかるホイールロック時の操縦安定性
を確保するため、ブレーキ制御系でブレーキ油圧を自動
的に可変にしてホイールロックを未然に防ぐアンチロッ
ク・ブレーキ・システム(ABS)制御が行われつつあ
る。このABS制御によるとブレーキ油圧の変化により車
輪回転数が増減し、これに伴い変速制御系ではダウンシ
フトとアップシフトとが短い周期で繰返し指示され、変
速制御が著しく不安定になってベルトスリップが生じた
り、更にABS制御に悪影響を及ぼす。
このことから、ホイールロック時またはこのときABS
制御が行われる場合は、変速制御が不正確で不安定とな
る通常モードから切換えてホイールロック用の変速制御
を安定かつ適正に行うことが望まれる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、無段変速機の電子的変速制御系にお
いても、ホイールロック時には安定的な制御に切換え、
ベルトスリップ等を防ぐことが可能な無段変速機の制御
装置を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の無段変速機の制御
装置は、少なくとも入力側プーリ回転数と出力側プーリ
回転数とに基づいて目標セカンダリ圧を算出し、少なく
とも入力側プーリ回転数と出力側プーリ回転数とセカン
ダリ圧とに基づいて目標プライマリ圧を算出し、前記目
標プライマリ圧と前記目標セカンダリ圧とに基づいて変
速比を無段階に油圧制御する無段変速機の制御装置にお
いて、 前記出力側プーリ回転数の変化率からホイールロック
を判定するホイールロック判定手段と、ホイールロック
時に前記目標セカンダリ圧を所定圧力だけ増大するセカ
ンダリ圧設定手段と、ホイールロック時に前記目標プラ
イマリ圧を時間経過に応じて減圧するダウンシフト用操
作量を出力するダウンシフト用操作量出力手段と、前記
ダウンシフト用操作量出力手段からの出力を受けて実際
の操作量からダウンシフト用操作量に切換える切換手段
とを有し、前記ホイールロック判定手段によりホイール
ロックと判定すると、前記目標セカンダリ圧を所定圧力
だけ増大するとともに前記切換手段によりダウンシフト
用操作量に切換えて前記目標プライマリ圧を時間経過に
応じて減圧してダウンシフトすることを特徴としてい
る。
〔作用〕
上記構成に基づき、通常時は変速比等の偏差に応じた
操作量がプライマリ制御弁に出力してプライマリ圧が制
御され、これに基づいて変速制御される。その低摩擦路
(低μ路)での急減速時にホイールロックが生じると、
それが判断されて直ちに上記通常モードから切離され、
ホイールロックのダウンシフト用操作量が出力するよう
に切換わる。そこで、ダウンシフト用操作量によりプラ
イマリ圧が制御され、減速状態,ABS制御とは無関係に安
定的に徐々にダウンシフトしてベルトスリップ等を防止
するようになる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、ロックアップトルコン付無段変速機
の駆動系の概略について述べる。符号1はエンジンであ
り、クランク軸2がトルクコンバータ装置3,前後進切換
装置4,無段変速機5およびディファレンシャル装置6に
順次伝動構成される。
トルクコンバータ装置3は、クランク軸2がドライブ
プレート10を介してコンバータカバー11およびトルクコ
ンバータ12のポンプインペラ12aに連結する。トルクコ
ンバータ12のタービンランナ12bはタービン軸13に連結
し、ステータ12cはワンウエイクラッチ14により案内さ
れている。タービンランナ12bと一体的なロックアップ
クラッチ15は、ドライブプレート10に係合または解放可
能に設置され、エンジン動力をトルクコンバータ12また
はロックアップクラッチ15を介して伝達する。
前後進切換装置4は、ダブルピニオン式ブラネタリギ
ヤ16を有し、サンギヤ16aにタービン軸13が入力し、キ
ャリア16bからプライマリ軸20へ出力する。そしてサン
ギヤ16aとキャリア16bとの間にフォワードクラッチ17
を、リングギヤ16cとケースとの間にリバースブレーキ1
8を有し、フォワードクラッチ17の係合でプラネタリギ
ヤ16を一体化してタービン軸13とプライマリ軸20とを直
結する。また、リバースブレーキ18の係合でプライマリ
軸20に逆転した動力を出力し、フォワードクラッチ17と
リバースブレーキ18の解放でプラネタリギヤ16をフリー
にする。
無段変速機5は、プライマリ軸20に油圧シリンダ21を
有するプーリ間隔可変式のプライマリプーリ22が、セカ
ンダリ軸23にも同様に油圧シリンダ24を有するセカンダ
リプーリ25が設けられ、プライマリプーリ22とセカンダ
リプーリ25との間に駆動ベルト26が巻付けられる。ここ
で、プライマリシリンダ21の方が受圧面積が大きく設定
され、そのプライマリ圧により駆動ベルト26のプライマ
リプーリ22,セカンダリプーリ25に対する巻付け径の比
率を変えて無段変速するようになっている。
ディファレンシャル装置6は、セカンダリ軸23に一対
のリダクションギヤ27を介して出力軸28が連結し、この
出力軸28のドライブギヤ29がファイナルギヤ30に噛合
う。そしてファイナルギヤ30の差動装置31が、車軸32を
介して左右の車輪33に連結している。
一方、無段変速機制御用の油圧源を得るため、トルク
コンバータ12に隣接してメインオイルポンプ34が配設さ
れ、このメインオイルポンプ34がポンプドライブ軸35に
よりコンバータカバー11に連結して、常にエンジン動力
によりポンプが駆動されて油圧が生じるようになってい
る。ここで無段変速機5では、油圧が高低の広範囲に制
御されることから、オイルポンプ34は例えばローラベー
ン式で吸入,吐出ポートを複数組有して可変容量型に構
成されている。
次いで、油圧制御系として無段変速機制御系について
述べる。
先ず、オイルパン40と連通するオイルポンプ34からの
油路41がセカンダリ制御弁50に連通して所定のセカンダ
リ圧Psが生じており、このセカンダリ圧Psが油路42によ
りセカンダリシリンダ24に常に供給される。セカンダリ
圧Psは油路43を介してプライマリ制御弁60に導かれ、油
路44によりプライマリシリンダ21に給排油してプライマ
リ圧Ppが生じるように構成される。
セカンダリ制御弁50は、比例電磁リリーフ弁であり、
比例ソレノイド51に制御ユニット70によりソレノイド電
流Isが供給される。すると、ソレノイド電流Isによる電
磁力,セカンダリ圧Psの油圧反力およびスプリング力を
スプール上に対向して作用し、これらがバランスするよ
うに調圧する。即ち、ソレノイド電流Isにより設定圧を
可変にし、ソレノイド電流Isに対し1対1の比例関係で
セカンダリ圧Psを制御するものである。
プライマリ制御弁60は、比例電磁リリーフ弁であり、
セカンダリ制御弁50と同様に比例ソレノイド61に制御ユ
ニット70によりソレノイド電流Ipが供給される。する
と、ソレノイド電流Ipによる電磁力,プライマリ圧Ppの
油圧反力およびスプリング力をスプールに対向して作用
し、ソレノイド電流Ipにより設定圧を可変にして、ソレ
ノイド電流Ipに対し1対1の比例関係でプライマリ圧Pp
を制御するものである。
なお、オイルポンプ34は可変容量型であり、セカンダ
リ制御弁50のドレン側の油路45には常に比較的高い潤滑
圧が生じる。そこでこの潤滑圧が、トルクコンバータ1
2,前後進切換装置4,ベルト26の潤滑部等に供給されるよ
うに回路構成されている。
第2図において、電子制御系について述べる。
先ず、入力信号センサとしてプライマリプーリ回転数
センサ71,セカンダリプーリ回転数センサ72,エンジン回
転数センサ73,スロットル開度センサ74およびセカンダ
リ圧Psを検出する圧力センサ75を有する。
セカンダリ圧制御系について述べると、スロットル開
度センサ74のスロットル開度θ,エンジン回転数センサ
73のエンジン回転数Neが入力するエンジントルク算出部
76を有し、θ−Neのトルク特性によりエンジントルクTe
を推定する。また、トルクコンバータ入,出力側のエン
ジン回転数Ne,プライマリプーリ回転数Npはトルク増幅
率算出部77に入力し、速度比n(Np/Ne)に応じたトル
ク増幅率tを定める。更に、エンジン回転数Ne,プライ
マリプーリ回転数Npはプライマリ系慣性力算出部78に入
力し、エンジン1およびプライマリプーリ22の質量,加
速度により慣性力giを算出する。これらのエンジントル
クTe,トルク増幅率t,慣性力giは入力トルク算出部79に
入力し、CVT入力トルクTiを以下のように算出する。
Ti=Te・t−gi 一方、実変速比iが入力する必要セカンダリ圧設定部
80を有する。ここで、各実変速比i毎に単位トルク伝達
に必要なスリップ限界のセカンダリ圧Psuが第3図
(a)のように設定されており、このマップにより実変
速比iに応じた必要セカンダリ圧Psuを定める。そして
上記入力トルクTi,必要セカンダリ圧Psuは目標セカンダ
リ圧算出部81に入力し、これら入力トルクTi,必要セカ
ンダリ圧Psuとセカンダリプーリ回転数Nsとにより、セ
カンダリシリンダ24の部分の遠心油圧gsを考慮して目標
セカンダリ圧Pssを、以下のように算出する。
Pss=Ti・Psu−gs 目標セカンダリ圧Pssは更にソレノイド電流設定部82
に入力し、目標セカンダリPssに応じたソレノイド電流I
sを定めるのである。この場合に、セカンダリ制御弁50
が既に述べたようにソレノイド電流Isに対し比例関係で
セカンダリ圧を制御する特性であるから、これに応じた
第3図(b)のマップにより目標セカンダリ圧Pssに対
するソレノイド電流Isを比例的に求める。そしてこのソ
レノイド電流Isが、駆動部83を介してセカンダリ制御弁
50の比例ソレノイド51に供給されるのであり、こうして
ソレノイド電流Isにより、直接セカンダリ圧Psを目標セ
カンダリ圧Pssに追従して制御するようになっている。
続いて、プライマリ圧制御系について述べる。
先ず、制御の基本概念について述べると、定常時の実
変速比iはセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppとの油圧比
Pp/Psで決まる。また、同一の油圧比でも入力トルクTi
により変速比が変化することから、所定の入力トルクTi
に所定の実変速比iを保つのに必要なプライマリ圧Pp
を、セカンダリ圧Psに対して求める油圧比制御系がベー
スになっている。また、過渡状態で変速比等の偏差に応
じた変速速度,またはプーリ位置の場合はプーリ位置変
化速度de/dtを実現するため、流量制御系でバルブ流量
の式を用いる。そしてプーリ位置変化速度de/dtに応じ
た流量を圧力に換算して必要な変速圧力を求めるように
なっている。
そこで、かかる制御の基本概念に基づき、油圧比制御
系と流量制御系とを有している。
油圧比制御系について述べると、プライマリプーリ回
転センサ71のプライマリプーリ回転数Npとセカンダリプ
ーリ回転数センサ72のセカンダリプーリ回転数Nsが入力
する実変速比算出部85を有し、実変速比iをi=Np/Ns
により算出する。一方、入力トルクTi,必要セカンダリ
圧Psuおよび圧力センサ75のセカンダリ圧Psが入力する
トルク比算出部86を有し、トルク比KTをKT=Ti/(Ps/Ps
u)により算出するのであり、このトクルKT,実変速比i
は油圧比設定部87に入力し、第3図(c)のマップによ
り油圧比Kpを、トルク比KT,実変速比iの関係により定
める。油圧比Kp,セカンダリ圧Psは必要プライマリ圧算
出部88に入力し、更にプライマリプーリ回転数Npによる
プライマリシリンダ21の部分の遠心油圧gpを考慮して、
必要プライマリ圧PPDを以下のように算出する。
PPD=Kp・Ps−gp 次いで、流量制御系について述べると、実変速比i,ス
ロットル開度θが入力する目標プライマリプーリ回転数
検索部89を有し、i−θの関係で目標プライマリプーリ
回転数NPDを定める。目標プライマリプーリ回転数NP
D,セカンダリプーリ回転数Nsは目標変速比算出部90に
入力し、目標変速比isをis=NPD/Nsにより算出するの
であり、こうして変速パターンをベースとして各運転お
よび走行条件に応じた目標変速比isが求められる。
ここで、プライマリシリンダ21の油量Vは実プーリ位
置eに比例し、油量Vを時間微分した流量Qはプーリ位
置変化速度de/dtと1対1で対応する。従って、プーリ
位置変化速度de/dtにより流量Qがそのまま算出されて
好ましいことから、実変速比i,目標変速比isは実プーリ
位置変換部91,目標プーリ位置変換部92により実プーリ
位置e,目標プーリ位置esに変換する。これら実プーリ位
置e,目標プーリ位置esはプーリ位置変化速度算出部93に
入力し、プーリ位置変化速度de/dtを、以下のように実
プーリ位置eと目標プーリ位置esとの偏差等により算出
する。
de/dt=K1・(es−e)・K2・des/dt (K1,K2:定数、des/dt:位相進み要素) そしてプーリ位置変化速度de/dtは変速圧力算出部94
に入力し、プーリ位置変化速度de/dtによる流量に基づ
き変速に必要な圧力ΔPpを求める。
こうして油圧比制御系の必要プライマリ圧PPDと、流
量制御系の変速用圧力ΔPpとは目標プライマリ圧算出部
95に入力して、目標プライマリ圧Ppsを、アップシフト
時にはPps=PPD+ΔPpにより、ダウンシフト時はPps=
PPD−ΔPpにより算出する。目標プライマリ圧Ppsは更
にソレノイド電流設定部96に入力して、目標プライマリ
圧Ppsに応じたソレノイド電流Ipを定める。この場合
に、プライマリ制御弁60が既に述べたようにソレノイド
電流Ipに対し比例関係でプライマリ圧を制御する特性で
あるから、これに応じた第3図(b)のマップで目標プ
ライマリ圧Ppsに対するソレノイド電流Ipを求める。そ
してこのソレノイド電流Ipが、駆動部97を介してプライ
マリ制御弁60の比例ソレノイド61に供給され、フィード
フォワードで変速制御するようになっている。
更に、ホイールロック対策について述べる。
先ず、車輪回転数に応じたセカンダリプーリ回転数Ns
が入力するホイールロック・解除判定部100を有し、セ
カンダリプーリ回転数変化率dNs/dtが設定値K1,K2に対
して、K1≦dNs/dt<K2が一定時間連続した場合に正常車
速を判断し、dNs/dt<K1の場合にホイールロックの変速
不能を判断する。また、上記条件に回復,Ns=0,または
スロットル開度θによるアクセル踏込みでホイールロッ
ク解除を判断する。
一方、ホイールロック用変速圧力設定部101を有し、
ホイールロック時は第3図(d)のように、時間tに対
しホイールロック用変速圧力ΔP′pを徐々に減じて定
める。また、解除時は、変速圧力算出部94の変速圧力Δ
Ppを徐々に変化する。そしてホイールロック信号でホイ
ールロック用変速圧力設定部101の変速圧力ΔP′pを
出力し、通常モードの変速圧力算出部94の出力側の切換
部102で変速圧力ΔP′pに切換える。
またホイールロック時のベルト26を適確に保護し、油
圧比制御の精度を向上するため、ホイールロックまたは
解除の信号はセカンダリ圧制御系のソレノイド電流設定
部82に入力する。ここでホイールロック時は、アクセル
開放でセカンダリ圧Psが低レベルに制御されるが、一時
的にソレノイド電流Isを減じて所定の高いセカンダリ圧
Psに定めるようになっている。
次いで、かかる構成の無段変速機の制御装置の作用に
ついて述べる。
先ず、エンジン1の運転により、トルクコンバータ12
のコンバータカバー11,ポンプドライブ軸35によりオイ
ルポンプ34が駆動して油圧が生じ、この油圧がセカンダ
リ制御弁50に導かれる。そこで、停車時には、プライマ
リ制御系の目標変速比is,実変速比iが無段変速機5の
機構上の最大変速比として例えば2.5より大きい値に設
定される。このため、油圧比制御系の実変速比i,トルク
比KT,油圧比Kp,セカンダリ圧Psによる必要セカンダリ圧
Psuに応じたソレノイド電流Ipがプライマリ制御弁60の
比例ソレノイド61に流れて排油側に動作することで、プ
ライマリ圧Ppは最低レベルになる。このため、セカンダ
リ制御弁50によるセカンダリ圧Psのすべてはセカンダリ
シリンダ24にのみ供給され、無段変速機5はベルト26が
最もセカンダリプーリ25の方に移行した最大変速比の低
速段になる。
このとき、図示しない油圧制御系によりロックアップ
クラッチ15を解放してトルクコンバータ12に給油され
る。そこで、例えばドライブレンジにシフトすると、前
後進切換装置4のフォワードクラッチ17が給油により係
合して前進位置になる。このため、エンジン1の動力が
トルクコンバータ12,前後進切換装置4を介して無段変
速機5のプライマリ軸20に入力し、プライマリプーリ2
2,セカンダリプーリ25とベルト26とにより最大変速比の
動力がセカンダリ軸23に出力し、これがディファレンシ
ャル装置6を介して車輪33に伝達して発進可能になる。
セカンダリ圧制御系では、常にエンジントルクTeが推
定され、トルク増幅率t,プライマリ系の慣性力giが算出
されている。そこで、アクセル踏込みの発進時には、エ
ンジントルクTe,トルク増幅率tにより入力トルクTiが
大きくなり、更に必要なセカンダリ圧Psuも増大するこ
とで、目標セカンダリ圧Pssが大きい値になる。そして
目標セカンダリ圧Pssに応じた低いソレノイド電流Is
が、セカンダリ制御弁50の比例ソレノイド51に流れ、電
磁力により設定圧を高く定めるのであり、こうしてセカ
ンダリ圧Psはドレン量を減じて高く制御される。そして
発進後に変速制御され、ロックアップクラッチ15が係合
してトルク増幅率t=1になり、実変速比iに応じて必
要セカンダリ圧Psuが減じ、車速上昇に伴いエンジント
ルクTeが低下操作されると、目標セカンダリ圧Pssは急
激に小さくなる。このため、ソレノイド電流Isは急増し
てセカンダリ制御弁50の設定圧は順次小さくなり、セカ
ンダリ圧Psが低下制御される。こうしてPsの特性をまと
めて示すと、第4図(a)のようになり、常に伝達トル
クに対しベルトスリップしない最小限のプーリ押付力を
確保するように最適制御される。
上記セカンダリ圧Psはプライマリ制御弁60に導かれ、
減圧作用でプライマリシリンダ21にプライマリ圧Ppが生
じ、このプライマリ圧Ppにより変速制御するのであり、
これを以下に述べる。
先ず、最大変速比iLの発進時には、油圧比制御系によ
りプライマリ制御弁60が最も減圧作用し、プライマリ圧
Ppを最低レベルに保っている。そして、運転および走行
条件により目標変速比is<2.5の変速開始条件が成立し
て、目標変速比isが順次小さく設定されると、流量制御
系でプーリ位置変化速度de/dtが算出され、これに伴い
変速圧ΔPpが生じて目標プライマリ圧Ppsを増加する。
このためソレノイド電流Ipは、徐々に減じてプライマリ
制御弁60で比例ソレノイド61の電磁力により設定圧が高
くなり、プライマリ圧Ppは順次高く制御される。そこ
で、ベルト26はプライマリプーリ22の巻付け径が大きく
なる方に移行し、変速比の小さい高速段にアップシフト
する。
また変速制御により実変速比iが小さくなると、油圧
比制御系の油圧比設定部87で油圧比Kpが増大設定され、
セカンダリ圧Psに対する必要プライマリ圧PPDの割合を
増大する。そしてプライマリ圧PPDにより目標プライマ
リ圧Ppsを増し、プライマリ圧Ppのレベルを増大保持す
るのであり、こうしてアップシフトにより実変速比iが
小さくなる毎に、油圧比制御系でその実変速比iを維持
するようなレベルにプライマリ圧Ppが順次増大制御され
る。また入力トルクTiが例えば増大すると、トルク比算
出器86でトルク比KTが大きい値になり、これにより油圧
比Kpの値も増す。そこで、プライマリ圧Ppは増大補正さ
れて、入力トルクTiの増大によりダウンシフト傾向を防
止するように修正される。
そして目標変速比isが最小速度比iH(例えば0.5)に
達して、目標プライマリ圧Ppsが最高レベルに設定され
ると、ソレノイド電流Ipは最も小さくなってプライマリ
制御弁60の設定圧を最大にすることで、プライマリ圧Pp
は最も高く制御される。このとき、実変速比iも目標変
速比isに追従して最小変速比iHになると、これ以降は油
圧比制御系の油圧比Kp,必要プライマリ圧PPDにより目
標プライマリ圧Ppsが最高レベルに設定されて、プライ
マリ圧Ppは高い状態に保持されて最小変速比iHを保つ。
一方、アクセル踏込み,または車速低下により目標変
速比isの値が大きくなると、変速圧力、ΔPpの減算によ
り目標プライマリ圧Ppは低いレベルになる。このため、
ソレノイド電流Ipは逆に増加して、プライマリ制御弁60
で減圧によりプライマリ圧Ppが低レベルに制御されるの
であり、これによりベルト26は再びセカンダリプーリ25
の方に移行してダウンシフトする。このダウンシフトの
場合も、実変速比iの増大に応じ油圧比制御系で油圧比
Kp,必要プライマリ圧PPDにより目標プライマリ圧Ppsの
値が減じ、実変速比iを維持するのに必要なレベルにプ
ライマリ圧Ppが順次減少制御される。
こうして、最大変速比iL,最小変速比iHの変速全域
で、油圧比制御系と流量制御系とによりプライマリ圧Pp
が可変にされ、これに基づきアップシフトまたはダウン
シフトして変速制御されるのである。
一方、低μ路での急減速時に、第4図のように減速度
が設定値以下になると、ホイールロック・解除判定部10
0でホイールロックが判断され、直ちに切換部102で通常
モードから切離されてホイールロック用変速圧力設定部
101に切換わる。こうして、変速比偏差によるプーリ位
置変化速度de/dtのフィードバック制御が中断され、ホ
イールロック用変速圧力ΔP′Pが出力し、このホイー
ルロック用変速圧力ΔP′pによる変速モードに移行す
る。このときホイールロック信号により、セカンダリ圧
制御系ではソレノイド電流Isが減じてセカンダリ圧Psは
増大される。このため、油圧比制御系で必要プライマリ
圧PPDのレベルも高くなり、目標プライマリ圧PpSのレ
ベルも高くなるように油圧比制御される。そして、第3
図(d)のマップにより変速圧力ΔP′pが時間に対し
徐々に減じて出力し、目標プライマリ圧算出部95で必要
プライマリ圧PPDからホイールロック用変速圧力ΔP′
Pが減算されて、これに応じたソレノイド電流Ipが流れ
る。このため、プライマリ制御弁60によりプライマリ圧
Ppは徐々に減じることになり、第4図のようにABS制御
でセカンダリプーリ回転数Nsが変化しても、それと無関
係に実変速比iは増し、徐々にダウンシフトして低速段
に移行する。
従って、ホイールロックが検出された瞬時にはセカン
ダリ圧Psを増大し、それに応じてプライマリ圧Ppも増大
することで、ベルトスリップが防止される。
次いで、ホイールロックを解除すると、切換部102が
変速圧力算出部94に切換わり、変速圧力ΔPpが出力して
通常モードに復帰する。このとき、解除信号により変速
圧力ΔPpはis=iになる迄の間に徐々に変化し、これに
より第4図のようにショック等が生じることなく、スム
ーズに通常モードに移行することになる。
以上、本発明の実施例について述べたが、これに限定
されない。
〔発明の効果〕 以上述べてきたように、本発明によれば、 無段変速機の変速制御系において、ホイールロック時
は通常モードから切離され、徐々にダウンシフト制御さ
れるので、変速制御が正確で安定化し、ABS制御への悪
影響も与えなくなる。
さらに、ホイールロック時はセカンダリ圧と共にプラ
イマリ圧のレベルが高くなるように油圧比制御されるの
で、ベルトスリップを防止し、ベルトが保護され、精度
も高い。
また、ホイールロックの解除時は徐々に通常モードに
復帰するので、ショック等を生じない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の無段変速機の制御装置の実施例を示す
全体構成図、 第2図は電子制御系のブロック図、 第3図(a)ないし(d)は各マップを示す図、 第4図はホイールロック時の制御を示す図である。 5……無段変速機、21……プライマリシリンダ、24……
セカンダリシリンダ、50……セカンダリ制御弁、51,61
……比例ソレノイド、60……プライマリ制御弁、70……
制御ユニット、93……プーリ位置変化速度算出部、94…
…変速圧力算出部、95……目標プライマリ圧算出部、96
……ソレノイド電流設定部、100……ホイールロック・
解除判定部、101……ホイールロック用変速圧力設定
部、102……切換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−92664(JP,A) 特開 昭62−53248(JP,A) 特開 平1−98747(JP,A) 特開 昭58−170958(JP,A) 特開 平1−303356(JP,A) 特開 昭63−74732(JP,A) 特開 昭59−73651(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも入力側プーリ回転数と出力側プ
    ーリ回転数とに基づいて目標セカンダリ圧を算出し、少
    なくとも入力側プーリ回転数と出力側プーリ回転数とセ
    カンダリ圧とに基づいて目標プライマリ圧を算出し、前
    記目標プライマリ圧と前記目標セカンダリ圧とに基づい
    て変速比を無段階に油圧制御する無段変速機の制御装置
    において、 前記出力側プーリ回転数の変化率からホイールロックを
    判定するホイールロック判定手段と、 ホイールロック時に前記目標セカンダリ圧を所定圧力だ
    け増大するセカンダリ圧設定手段と、 ホイールロック時に前記目標プライマリ圧を時間経過に
    応じて減圧するダウンシフト用操作量を出力するダウン
    シフト用操作量出力手段と、 前記ダウンシフト用操作量出力手段からの出力を受けて
    実際の操作量からダウンシフト用操作量に切換える切換
    手段とを有し、 前記ホイールロック判定手段によりホイールロックと判
    定すると、前記目標セカンダリ圧を所定圧力だけ増大す
    るとともに前記切換手段によりダウンシフト用操作量に
    切換えて前記目標プライマリ圧を時間経過に応じて減圧
    してダウンシフトすることを特徴とする無段変速機の制
    御装置。
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