JP2003042275A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2003042275A
JP2003042275A JP2001223632A JP2001223632A JP2003042275A JP 2003042275 A JP2003042275 A JP 2003042275A JP 2001223632 A JP2001223632 A JP 2001223632A JP 2001223632 A JP2001223632 A JP 2001223632A JP 2003042275 A JP2003042275 A JP 2003042275A
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Japan
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variable transmission
torque
disturbance
state
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English (en)
Inventor
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Yasunori Nakawaki
康則 中脇
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機におけるベルト滑りを防止すると
ともに、ベルトの挟圧力を低下させることのできる制御
装置を提供する。 【解決手段】 回転部材とトルク伝達部材とをトルク伝
達可能に直接もしくは間接的に接触させ、その接触圧力
に応じてトルク伝達容量が増大する無段変速機の制御装
置において、前記接触圧力を前記回転部材と前記トルク
伝達部材との間でのトルクの伝達状態に基づいてフィー
ドバック制御するフィードバック制御手段(ステップS
11)と、前記無段変速機に掛かるトルクが一時的に増
大する外乱状態を判定する外乱判定手段(ステップS1
〜S7)と、前記外乱状態が判定された場合に、前記接
触圧力を前記フィードバック制御による接触圧力より高
くする昇圧手段(ステップS13)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ベルトやパワー
ローラなどのトルク伝達部材を、プーリーやディスクな
どの回転部材に直接もしくは間接的に接触させ、接触圧
力に応じてトルク伝達容量が増大する無段変速機に関
し、特にその接触圧力を制御するための制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種の無段変速機では、回転部材とト
ルク伝達部材との間のトルク伝達位置を連続的に変化さ
せることができるようにするために、その回転部材の表
面を滑らかな曲面としている。その曲面とトルク伝達部
材との間で必要十分なトルクが伝達されるようにするた
めに、ベルト式の無段変速機においては、固定シーブと
可動シーブとからなるプーリーによってベルトを挟み付
け、伝達するべきトルクに応じた摩擦力をプーリーとベ
ルトとの間に生じさせるように挟圧力を設定している。
また、パワーローラを使用したトロイダル型(トラクシ
ョン型)の無段変速機では、入力ディスクおよび出力デ
ィスクとパワーローラとの間に介在する油膜のせん断力
が、伝達するべきトルクに応じたせん断力となるよう
に、各ディスクによるパワーローラの挟圧力を設定して
いる。
【0003】無段変速機においてトルク伝達部材を挟み
付ける挟圧力は、要は、伝達するべきトルクに基づいて
決まる圧力以上であればよい。しかしながら、挟圧力が
必要以上に高いと、無段変速機での動力の伝達効率が低
下するうえに、無段変速機の耐久性が低下し、さらに
は、挟圧力を油圧によって設定するように構成してあれ
ば、油圧ポンプでの動力損失が増大し、結局は、無段変
速機を搭載している車両の燃費が悪化する。
【0004】したがって、無段変速機における最も好ま
しい挟圧力は、回転部材とトルク伝達部材との間で滑り
が生じる直前の状態を設定する圧力であり、このような
圧力制御は、フィードバック制御によっておこなわれる
のが一般的である。そのようなフィードバック制御をお
こなう装置の一例が、特公平4−13578号公報に記
載されている。
【0005】この公報に記載された装置は、ベルト式無
段変速機での動力の伝達状態に関連しかつベルトの滑り
の発生に伴って変化する状態変数に基づいて、ベルトの
滑りが発生する直前の状態となるように、挟圧力に関連
する油圧制御値をフィードバック制御するように構成さ
れている。そして、そのフィードバック制御は、状態変
数の信頼性がある場合に限って実行し、状態変数の信頼
性がない場合には、入力トルクおよび変速比に基づいて
油圧制御値を制御するように構成されている。なお、状
態変数の信頼性のない領域の一例は、エンジン回転数お
よび入力トルクが、それぞれに応じて設定されている上
限値および下限値を超えた領域とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の制御装置
は、フィードバック制御を実行する領域を、エンジン回
転数および入力トルクによって規定し、またフィードバ
ック制御を阻止した状態では、入力トルクと変速比とに
基づいて油圧制御値を制御していることから知られるよ
うに、その無段変速機を搭載した車両の動作状態あるい
は走行状態が比較的安定しているいわゆる準定常的な状
態を前提として制御をおこなうように構成されている。
しかしながら、無段変速機が搭載されている車両の駆動
状態あるいは走行状態は、路面状態などによって急激か
つ大きく変化することがある。そのために、上記従来の
装置では、このような一時的かつ急激な動作状態の変動
に対応できず、ベルトなどのトルク伝達部材と回転部材
との間に滑りが生じ、これが原因となって無段変速機に
損傷が生じる可能性がある。
【0007】すなわち、駆動輪が一時的にスリップした
後に直ちにグリップ力を回復した場合や、路面の突起に
乗り上げたり、くぼみを通過した場合、無段変速機に掛
かるトルク、特に出力側に掛かるトルクが大きく変化す
る。このような一時的な挙動の変化の際に、エンジン回
転数や入力トルクが上記の上下限値の範囲内にあれば、
挟圧力に関係する油圧制御値がフィードバック制御され
るが、制御の遅れのために、無段変速機に掛かるトルク
に対して挟圧力が相対的に不足し、無段変速機に過剰な
滑りが生じることがある。
【0008】また、状態変数の信頼性のない領域では、
入力トルクと変速比とに基づいて油圧制御値を制御して
いるが、その制御では、例えば上述した出力側のトルク
あるいは挙動の変化を考慮していないので、フィードバ
ック制御の場合と同様に、無段変速機に掛かるトルクに
対して挟圧力が相対的に不足し、無段変速機に過剰な滑
りが生じることがある。
【0009】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、一時的なトルクの作用状態の変化
に好適に対応でき、したがって定常的あるいは準定常的
な状態での回転部材とトルク伝達部材との接触圧力を相
対的に低くして耐久性や燃費を向上させることのできる
無段変速機の制御装置を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、接触圧力をフィード
バック制御している状態で外乱状態が判定された場合
に、その接触圧力を昇圧するように構成したことを特徴
とするものである。より具体的には、請求項1の発明
は、回転部材とトルク伝達部材とをトルク伝達可能に直
接もしくは間接的に接触させ、その接触圧力に応じてト
ルク伝達容量が増大する無段変速機の制御装置におい
て、前記接触圧力を前記回転部材と前記トルク伝達部材
との間でのトルクの伝達状態に基づいてフィードバック
制御するフィードバック制御手段と、前記無段変速機に
掛かるトルクが一時的に増大する外乱状態を判定する外
乱判定手段と、前記外乱状態が判定された場合に、前記
接触圧力を前記フィードバック制御による接触圧力より
高くする昇圧手段とを備えていることを特徴とする制御
装置である。
【0011】その外乱判定手段は、請求項2に記載して
あるように、無段変速機の出力部材に掛かるトルクが一
時的に変化する状態を外乱状態と判定するように構成す
ることができる。
【0012】また、前記昇圧手段は、請求項3に記載し
てあるように、フィードバック制御による接触圧力に所
定圧力を加算して昇圧するように構成することができ
る。あるいは請求項4に記載してあるように、フィード
バック制御を中止して新たに接触圧力を設定するように
構成することができる。
【0013】さらに、請求項5の発明は、上記の請求項
1ないし4のいずれかの発明において、前記外乱判定手
段が前記外乱状態を判定しなくなったときに、前記昇圧
手段によって高くした接触圧力を低下させる復帰手段を
更に備えていることを特徴とする制御装置である。
【0014】その復帰手段は、請求項6に記載してある
ように、前記外乱判定手段が前記外乱状態を判定しなく
なった時点における少なくとも入力トルクに基づいて予
め定められた接触圧力を設定するように構成することが
できる。
【0015】あるいは、前記復帰手段は、請求項7に記
載してあるように、前記外乱判定手段が前記外乱状態を
判定しなくなった時点における前記回転部材と前記トル
ク伝達部材との間でのトルクの伝達状態に基づく前記フ
ィードバック制御によって決まる接触圧力を設定するよ
うに構成することができる。
【0016】さらにまた、前記復帰手段は、請求項8に
記載してあるように、前記外乱判定手段が前記外乱状態
を判定しなくなり、かつ前記無段変速機で設定されてい
る変速比と目標とする変速比との偏差が所定値以下にな
ったことに基づいて前記フィードバック制御の実行を許
可するように構成することができる。
【0017】したがって、この発明によれば、トルク伝
達容量に影響する接触圧力をフィードバック制御してい
る状態で、無段変速機に掛かるトルクが一時的に増大す
る外乱状態が判定されると、前記接触圧力が、フィード
バック制御で設定される圧力より高い圧力に設定され、
無段変速機のトルク伝達容量が増大する。その結果、回
転部材とトルク伝達部材との間の過剰な滑りが未然に回
避される。そして、接触圧力の増大は、上記の外乱状態
が判定された場合に実行され、それ以外の場合には、フ
ィードバック制御によって接触圧力が設定されるので、
外乱状態以外の場合の接触圧力が相対的に低圧に維持さ
れ、動力の伝達効率が向上し、また無段変速機の耐久性
が良好になる。
【0018】また、請求項2の発明では、無段変速機の
出力側のトルクの変化に基づいて外乱状態を判定するの
で、外乱状態をより正確に判定し、無段変速機での過剰
な滑りが確実に回避される。
【0019】さらに、請求項3の発明では、接触圧力を
昇圧する場合、フィードバック制御により定まる圧力に
所定圧力を加算することになるので、フィードバック制
御を継続しても、無段変速機での過剰な滑りが回避され
る。
【0020】これに対して請求項4の発明では、フィー
ドバック制御を中止した状態で、新たに接触圧力が設定
される。このような制御によっても、無段変速機での過
剰な滑りが回避される。
【0021】また、請求項5の発明では、外乱状態が判
定されなくなった場合には、昇圧された接触圧が低下さ
せられる。したがって、接触圧力が不必要に高い状態を
解消することができるので、動力の伝達効率が良好にな
り、また無段変速機の耐久性が向上する。
【0022】その接触圧力を降圧する場合、請求項6の
発明のように、入力トルクに基づく所定圧力に設定すれ
ば、無段変速機での過剰な滑りを発生させることなく、
接触圧力が低下させられる。
【0023】これに対して請求項7に記載してあるよう
に、外乱状態が判定されなくなった時点のフィードバッ
ク制御による接触圧力を設定すれば、接触圧力が相対的
に高い時期を可及的に短くすることができる。
【0024】そして、請求項8の発明によれば、いわゆ
る準定常状態でフィードバック制御を再開することにな
り、その結果、外乱状態が解消した後における無段変速
機での過剰な滑りが確実に回避される。
【0025】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。先ず、この発明で対象とする無段変速機お
よびその制御系統について説明すると、図3は、車両に
搭載されているベルト式無段変速機1を模式的に示して
おり、この無段変速機1は、前後進切換機構2を介して
動力源3に連結されている。
【0026】その動力源3は、内燃機関、あるいは内燃
機関と電動機、もしくは電動機などによって構成され、
要は、走行のための動力を発生する駆動部材である。な
お、以下の説明では、動力源3をエンジン3と記す。ま
た、前後進切換機構2は、エンジン3の回転方向が一方
向に限られていることに伴って採用されている機構であ
って、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転し
て出力するように構成されている。
【0027】図3に示す例では、前後進切換機構2とし
てダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。
すなわち、サンギヤ4と同心円上にリングギヤ5が配置
され、これらのサンギヤ4とリングギヤ5との間に、サ
ンギヤ4に噛合したピニオンギヤ6とそのピニオンギヤ
6およびリングギヤ5に噛合した他のピニオンギヤ7と
が配置され、これらのピニオンギヤ6,7がキャリヤ8
によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、
二つの回転要素(具体的にはサンギヤ4とキャリヤ8
と)を一体的に連結する前進用クラッチ9が設けられ、
またリングギヤ5を選択的に固定することにより、出力
されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ10が設
けられている。
【0028】無段変速機1は、従来知られているベルト
式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置さ
れた駆動プーリー11と従動プーリー12とのそれぞれ
が、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ13,14
によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによ
って構成されている。したがって各プーリー11,12
の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることによ
り変化し、それに伴って各プーリー11,12に巻掛け
たベルト15の巻掛け半径(プーリー11,12の有効
径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するよう
になっている。そして、上記の駆動プーリー11が前後
進切換機構2における出力要素であるキャリヤ8に連結
されている。
【0029】なお、従動プーリー12における油圧アク
チュエータ14には、無段変速機1に入力されるトルク
に応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示
しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給され
ている。したがって、従動プーリー12における各シー
ブがベルト15を挟み付けることにより、ベルト15に
張力が付与され、各プーリー11,12とベルト15と
の挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。
これに対して駆動プーリー11における油圧アクチュエ
ータ13には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給
され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定
するようになっている。
【0030】上記の従動プーリー12が、ギヤ対16を
介してディファレンシャル17に連結され、このディフ
ァレンシャル17から駆動輪18にトルクを出力するよ
うになっている。
【0031】上記の前進用クラッチ9および後進用ブレ
ーキ10の係合・解放の制御、および前記ベルト15の
挟圧力の制御、ならびに変速比の制御をおこなうため
に、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)19が設
けられている。この電子制御装置19は、一例としてマ
イクロコンピュータを主体として構成され、入力された
データおよび予め記憶しているデータに基づいて所定の
プログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるい
はニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟
圧力の設定、ならびに変速比の設定などの制御を実行す
るように構成されている。
【0032】ここで、変速機用電子制御装置19に入力
されているデータ(信号)の例を示すと、無段変速機1
の入力回転数Ninの信号、無段変速機1の出力回転数N
o の信号が、それぞれに対応するセンサ(図示せず)か
ら入力されている。また、上記の無段変速機1は、パー
キングやリバース、ニュートラル、ドライブなどの走行
ポジションをシフト装置20によって選択するように構
成されており、そのシフト装置20によって選択された
ポジションの信号が、変速機用電子制御装置19に入力
されている。また、エンジン3を制御するエンジン用電
子制御装置21からは、エンジン回転数Ne の信号、エ
ンジン(E/G)負荷の信号、スロットル開度信号、ア
クセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル
開度信号などが入力されている。さらに、車輪のロック
を回避するアンチロックブレーキシステムのための電子
制御装置(ABS−ECU)22からは、ブレーキ信
号、ABS作動信号、車輪回転速度信号などが入力され
ている。
【0033】つぎの上記の無段変速機1を対象としてこ
の発明の制御装置で実行される制御例を説明する。図1
は、その制御例を示すフローチャートであって、ここに
示すルーチンは前記無段変速機1を搭載した車両の走行
中(無段変速機1の動作中)に、所定の短時間Δt毎に
繰り返し実行される。すなわちベルト15の過剰な滑り
が生じることなく無段変速機1でトルクを伝達するよう
に、ベルト15の挟圧力が、フィードバック(F/B)
制御もしくはフィードフォワード(FF)制御あるいは
フィードフォワード・フィードバック制御によって制御
される。
【0034】その状態で、挟圧力の制御に対して外乱と
なる状態が生じているか否かが判断される。その外乱状
態とは、挟圧力の制御で想定されているトルクの作用状
態とは異なるトルクの作用状態と言うことができ、これ
を例示すれば、以下のとおりである。
【0035】タイヤ(特に駆動輪)のスリップ(滑り)
がチェックされる(ステップS1)。これは、例えば駆
動輪と従動輪との回転速度差もしくはその時間微分値に
基づいて調べることができる。タイヤのスリップをチェ
ックする理由を説明すると、路面摩擦係数μが小さい箇
所(低μ路)を瞬間的に通過して駆動輪が滑り、駆動輪
を含む駆動系統の回転数が瞬間的に増大した場合、ある
いは路面の段差などに乗り上げて駆動輪が一時的に浮き
上がり、それに伴って駆動輪を含む駆動系統の回転数が
瞬間的に増大した場合、その直後に駆動輪がグリップ力
を回復することにより、駆動系統の回転数が車両の対地
速度相当まで急減速される。その結果、このような回転
数の急激な変化によって大きい慣性力が生じ、これが無
段変速機1に掛かるトルクに付加され、定常状態あるい
は準定常状態では想定されていないトルクの作用状態と
なり、ベルト15の滑りの原因となるからである。
【0036】また、アンチロックブレーキシステム(A
BS)の作動がチェックされる(ステップS2)。これ
は、前述したABS−ECU21の出力信号に基づいて
判断することができる。ABSの作動をチェックする理
由を説明すると、ABSは、運転者がブレーキ操作をお
こなった場合のタイヤのロックを防止するためのシステ
ムであり、例えば車輪の回転速度から求められる車速に
対して特定の車輪の回転数が低くなっている場合に、そ
の車輪についてのブレーキ油圧を低下させて、その車輪
の回転を確保する。その場合、車輪が充分に回転すれ
ば、そのブレーキ油圧の低下を抑制するので、再度、そ
の車輪の回転数が低下する場合がある。このように、A
BSが作動した場合には、ブレーキのオン・オフが繰り
返される状態となるので、それに伴う回転変化による慣
性トルクが、無段変速機1のトルクを増大させ、これが
ベルト15を滑らせる要因となるからである。
【0037】シフト判断の有無がチェックされる(ステ
ップS3)。このシフト判断は、手動操作に基づく変速
の判断であり、特にダウンシフトの判断である。これ
は、前述したシフト装置20から出力される信号に基づ
いて判断することができる。このシフト判断のチェック
をおこなう理由を説明すると、マニュアルダウンシフト
操作に基づいて変速を実行するとした場合、走行中に変
速比が増大することにより、エンジン3などの無段変速
機1の入力側の回転速度が急激に増大し、それに伴う大
きいイナーシャトルクが発生する。また同時に、変速比
を増大させるために、駆動プーリー11の溝幅が広がる
ために、ベルト15の張力が一時的に低下し、プーリー
11,12とベルト15との接触圧力が低下する。この
ようにトルクの増大と接触圧力の低下とが重畳して生じ
ることにより、ベルト15の滑りが生じやすくなるから
である。
【0038】なお、無段変速機1とエンジン3と間に、
ロックアップクラッチを有するトルクコンバータを設
け、シフト判断の成立に伴ってそのロックアップクラッ
チを解放制御あるいはその後に係合制御する場合にも、
これを外乱状態の一例としてチェックすることが好まし
い。ロックアップクラッチの係合・解放に伴って入力側
の回転数が変化し、それに起因してイナーシャトルクが
発生するからである。なお、ロックアップクラッチの係
合・解放の判断は、例えば車速とアクセル開度とをパラ
メータとしたマップに基づいておこなわれるので、その
判断に基づく出力信号を利用してロックアップクラッチ
の係合・解放のチェックをおこなうことができる。
【0039】走行路面が悪路か否かのチェックがおこな
われる(ステップS4)。これは、出力軸回転数No の
変動幅および/または周波数などに基づいて判断するこ
とができ、あるいは自車両の現在位置を検出し、あるい
は自車両を目的地まで経路誘導するナビゲーション装置
が記憶している道路情報に基づいて判断することができ
る。悪路か否かの判断をおこなう理由を説明すると、路
面の凹凸の激しい悪路を走行すれば、段差の乗り上げを
繰り返す走行状態と同様になり、その結果、出力側の回
転変動およびそれに伴うイナーシャトルクが原因となっ
て、ベルト15の滑りが生じやすくなるからである。
【0040】急加速操作がおこなわれたか否かがチェッ
クされる(ステップS5)。これはアクセル開度の増大
幅や増大率に基づいてチェックされ、あるいはこれに加
えて前述した駆動輪のスリップがないことに基づいてチ
ェックされる。急加速操作のチェックをおこなう理由を
説明すると、急加速操作をおこなうと、エンジン3の出
力トルクが増大し、無段変速機1の入力側のトルクが大
きくなることに加え、アクセルペダルが踏み込まれるこ
とによるダウンシフトの判断によって駆動プーリー11
の溝幅が拡大され、一時的にベルト15の張力および各
プーリー11,12との接触圧力が低下し、その結果、
ベルト15が滑りやすくなるからである。
【0041】急制動がおこなわれた否かがチェックされ
る(ステップS6)。これは、ブレーキ踏力(もしくは
ブレーキ油圧)によって判断でき、あるいはブレーキ・
オンの状態での出力軸回転数No の時間変化率に基づい
て判断できる。その場合、ABSが非作動であることを
条件とすることができる。急制動した場合、たとえAB
Sが作動しなくても、無段変速機1を含む駆動系統の回
転数が急激に低下するので、その回転数変化に起因する
イナーシャトルクが大きくなり、その結果、ベルト15
が滑りやすくなるからである。また、急制動がおこなわ
れれば、車両が停止する可能性が高く、その場合、無段
変速機1の変速比を発進用の最大値に設定する必要があ
る。すなわち、ベルト15を最大変速比の状態に急速に
戻す必要があるので、ベルト15の油圧を高くすること
が望まれるからである。
【0042】上記のステップS1ないしステップS6の
いずれか一つでも判断が成立しているか否かが判断され
る(ステップS7)。すなわちベルト15の挟圧力制御
に対する外乱状態の有無が判断される。外乱状態が生じ
ていないことにより、あるいは予測されていないことに
より、ステップS7で否定的に判断された場合には、挟
圧力の昇圧に必要な期間(挟圧力アップ必要期間)が経
過したか否かが判断される(ステップS8)。
【0043】外乱状態が生じていないことにより挟圧力
を昇圧する制御が実行されていない場合には、挟圧力ア
ップ必要期間はゼロになっている。したがってこの場合
は、ステップS8で直ちに肯定的に判断される。
【0044】そして、車両の動作状態あるいは走行状態
が、挟圧力のフィードバック制御(F/B)の実施領域
か否かが判断される(ステップS9)。この挟圧力のフ
ィードバック制御は、各プーリー11,12とベルト1
5との間でトルクを伝達するために不可避的な微少滑り
あるいはベルト15の構造上不可避的に生じる微少滑り
を超えた過剰な滑りがベルト15と各プーリー11,1
2との間で生じないように、これらベルト15と各プー
リー11,12との間のトルク伝達状態もしくはベルト
15と各プーリー11,12との挙動に基づいて挟圧力
を調整する制御である。
【0045】より具体的には、上記の微少滑りを超えた
過剰な滑りが生じる直前の状態となるように挟圧力を設
定する制御である。その制御の一例が、前掲の特公平4
−13578号公報に記載されている。この公報に記載
されているように、また一般的なフィードバック制御と
同様に、挟圧力のフィードバック制御をおこなう場合に
もその検出されたデータが正確で信頼性のあるものであ
ることが必要である。そのようなフィードバック制御の
実施前提条件が成立する運転領域にあるか否かをステッ
プS9で判断する。なお、この判断は、アクセル開度や
入力トルク、車速などの車両の動作状態もしくは走行状
態を示すデータに基づいて判断することができる。その
場合、フィードバック制御の実施領域をマップとして予
め用意しておき、検出された走行状態と比較することに
より判断することができる。
【0046】このステップS9で肯定的に判断された場
合には、設定されている変速比γが、要求駆動量などに
基づいて求まる目標変速比γt にほぼ一致しているか否
か、すなわち実際の変速比γと目標とする変速比γt と
の偏差が所定値以下か否かが判断される(ステップS1
0)。このステップS10で肯定的に判断されれば、変
速過渡状態ではないことになるので、挟圧力のフィード
バック制御が実施あるいは許可される(ステップS1
1)。
【0047】これに対して、車両の状態がフィードバッ
ク制御の実施領域にないことによりステップS9で否定
的に判断された場合、および変速過渡状態であることに
よりステップS10で否定的に判断された場合、ベルト
15の挟圧力についての第1フィードフォワード(F
F)制御(基本挟圧力制御)が実行される(ステップS
13)。
【0048】この基本挟圧力制御は、挟圧力のフィード
バック制御を正常に実行できないために、フィードバッ
ク制御に替えて実行する制御であり、車両の動作状態
(もしくは走行状態)に基づいて求められた挟圧力を設
定する制御である。この制御は、前掲の特公平4−13
578号公報に記載されている「状態変数の信頼性のな
い領域」での制御に相当する制御であり、したがってエ
ンジントルクやこれに対応するアクセル開度もしくは燃
料噴射量、および変速比ならびに車速などの車両の動作
状態を示すデータに基づいて算出される挟圧力が設定さ
れる。その挟圧力は、想定される走行状態ではベルト1
5の滑りを生じさせないことを優先して設定される圧力
であり、したがって無段変速機1の出力側に急激かつ一
時的に掛かる負トルクなどの外乱の程度によっては、ベ
ルト15の挟圧力およびそれに基づく無段変速機1での
トルク伝達容量が相対的に不足して、ベルト15の滑り
が生じる可能性がある。
【0049】一方、前述したステップS1ないしステッ
プS6のいずれかにおける判断が成立していることによ
り、ステップS7で肯定的に判断された場合、すなわち
ベルト15の挟圧力の制御に対する外乱が生じている場
合(もしくは外乱が生じることが予想される場合)に
は、ベルト15の挟圧力についての第2のフィードフォ
ワード(FF)制御(挟圧力アップ制御)が実行される
(ステップS13)。したがってその直前にフィードバ
ック制御が実行されている場合には、そのフィードバッ
ク制御が中止される。
【0050】このステップS13における制御は、無段
変速機1に掛かるトルクが外乱により増大してもベルト
15の滑りを生じさせないようにするための制御であ
る。したがって、設定されるベルト15の挟圧力(すな
わち無段変速機1のトルク伝達容量)は、前述したステ
ップS11におけるフィードバック制御により設定され
る挟圧力およびステップS12のフィードフォワード制
御により設定される挟圧力より高い圧力である。
【0051】この制御で設定される挟圧力は、上記のよ
うに、要は、ベルト15の滑りが生じない圧力であれば
よいのであるから、機構上許容される最大圧力まで昇圧
することとしてもよい。このようにすれば、ベルト15
の滑りを確実に回避することができ、また制御が容易に
なる。あるいは外乱の種類および程度に応じて予め定め
てある圧力を設定してもよい。このようにすれば、挟圧
力の昇圧の程度を抑制できるので、ベルト15あるいは
無段変速機1の耐久性の向上の点で有利であり、また、
一時的であっても燃費の悪化要因を低減できる。さらに
は前述したフィードバック制御もしくはフィードフォワ
ード制御によってその時点に設定されている挟圧力に、
予め定めた圧力を付加した圧力を設定することとしても
よい。このようにすれば、制御が容易になる。その場
合、挟圧力が高くなるように係数を変更して、従前のフ
ィードバック制御を継続することとしてもよい。
【0052】ステップS13の後、制御ルーチンはリタ
ーンするが、いわゆる外乱状態が継続している場合に
は、上記のステップS7で肯定的に判断されて、再度、
ステップS13の制御が実行されるので、外乱状態が継
続している間は、挟圧力を昇圧する前記第2のフィード
フォワード制御が継続される。そして、外乱状態が解消
されてステップS7で否定的に判断されると、第2のフ
ィードフォワード制御による挟圧力の昇圧に要する必要
期間が経過したか否かが判断される(ステップS8)。
挟圧力の昇圧制御が完了していない場合には、このステ
ップS8で否定的に判断されてステップS13に到り、
挟圧力アップ制御が継続される。これに対してステップ
S8で肯定的判断された場合、すなわち外乱状態が解消
し、かつ挟圧力アップ制御が完了している場合には、前
述したステップS9に進んでフィードバック制御の実施
領域か否かが判断される。以降、前述した制御が実施さ
れる。
【0053】前述したいわゆる外乱状態が解消した後の
ステップS11におけるフィードバック制御あるいはス
テップS12における第1のフィードフォワード制御
は、挟圧力アップ制御からの復帰制御に相当することに
なる。したがってこれらの復帰の制御としていずれを選
択するかは、ステップS9で判断され、これは、車両の
動作状態もしくは走行状態に基づいておこなわれること
になる。
【0054】その場合、挟圧力を低下させることになる
が、第1のフィードフォワード制御により挟圧力を設定
する場合には、少なくともエンジントルク(すなわち無
段変速機1の入力トルク)に基づいて定まる挟圧力を設
定することになる。これに対して、フィードフォワード
制御を実施する場合には、変速比γが目標変速比γtに
ほぼ一致していることが前提条件とされる。同時に、そ
の時点の無段変速機1の動作状態、具体的には各プーリ
ー11,12の回転数の差などで表されるプーリー1
1,12とベルト15との間でのトルクの伝達状態に基
づいて挟圧力が設定される。
【0055】なお、外乱状態に応じて設定された挟圧力
を低下させる上記のいわゆる復帰制御は、外乱状態が解
消することにより直ちに実行してもよく、あるいはアク
セル操作されるなどの挟圧力の変更要因が生じた場合に
実行することとしてもよい。
【0056】上記の図1に示す制御を実行した場合のベ
ルト滑り量や挟圧力などの変化を、図2のタイムチャー
トに示してある。この図2に示す例は、路面の段差に乗
り上げた場合の例である。なお、低μ路面を跨いで走行
した場合も同様である。
【0057】図2において、t1 時点に段差に乗り上げ
ると、それに伴って駆動輪18の回転数が上昇し始め、
それに伴って無段変速機(CVT)1の入力回転速度が
上昇し始める。そのため、駆動輪18と従動輪との回転
速度差の微分値が正の値に増大する。その直後のt2 時
点にタイヤの滑りすなわち駆動輪18の空転が検出さ
れ、それに基づいて前述した第2のフィードフォワード
制御が実行される。したがって挟圧力が昇圧される。
【0058】その後、t3 時点に駆動輪18が接地する
と、駆動輪18がグリップ力を回復してその回転速度が
低下し始め、これと同時に無段変速機1の入力回転速度
も低下し始める。そのため駆動輪18と従動輪との回転
速度差の微分値が負の値に反転する。
【0059】エンジン3から駆動輪18に到る駆動系統
の回転数がこのように変化することによりイナーシャト
ルクが発生し、そのために、無段変速機1の入力トルク
(CVT入力トルク)が増大する。その時点では、ベル
ト15の挟圧力が既に昇圧されていて、各プーリー1
1,12とベルト15との間のトルク伝達容量が増大さ
せられているので、無段変速機1に掛かるトルクが上記
の外乱により増大してもベルト15のスリップが生じる
ことはない。これに対して挟圧力の昇圧制御を実行しな
い従来例では、無段変速機におけるトルク伝達容量が入
力トルクに対して不足するために、図2に鎖線で示すよ
うにベルトの滑りが生じることがある。
【0060】駆動輪18の回転速度が車速に相当する回
転速度まで低下すると、駆動輪18と従動輪との回転速
度が一致し、その回転速度差の微分値がゼロになる(t
4 時点)。また同時に、入力トルクのイナーシャに基づ
く増大分が解消される。その後のt5 時点にいわゆる外
乱状態が終了したことの判断が成立し、挟圧力のフィー
ドバック制御に復帰される。すなわち、目標とする挟圧
力との偏差に基づいて修正されて挟圧力が次第に低下
し、t6 時点に挟圧力の昇圧分が解消され、フィードバ
ック制御による圧力となる。
【0061】このようにこの発明による制御装置では、
挟圧力の制御に対するいわゆる外乱状態を判断もしくは
推定し、入力トルクの増大に先立って挟圧力を昇圧する
ので、ベルト15の滑りを確実に防止することができ
る。
【0062】ここで、上記の具体例とこの発明との関係
を簡単に説明すると、図1に示すステップS11の機能
的手段が、この発明のフィードバック制御手段に相当
し、またステップS1ないしステップS7の機能的手段
が、この発明の外乱判定手段に相当し、さらにステップ
S13の機能的手段が、この発明の昇圧手段に相当し、
そしてステップS9ないしステップS12の機能的手段
が、この発明の復帰手段に相当する。
【0063】なお、この発明は、上述した具体例に限定
されない。例えば、設定される変速比の最大値を制限す
るスノーモードスイッチを有する無段変速機を対象とす
る場合には、そのスノーモードスイッチがオン操作され
ていることに基づいて外乱状態を判定することとしても
よい。したがってこのような場合は、車両が停止してい
る状態でいわゆる外乱状態を判定する場合もあるので、
その判定は外乱状態の推定もしくは予測を意味すること
になる。また、前述した具体例から知られるように、外
乱状態は道路の状態に関係するものがあり、したがって
ナビゲーション装置が記憶している道路情報あるいはナ
ビゲーション装置を介して外部から得られる道路情報に
基づいて外乱状態を判定もしくは推定することができ、
例えば積雪情報や降雪情報もしくは道路工事情報などに
基づいて挟圧力制御に対する外乱状態を判定し、あるい
は推定もしくは予測することができる。
【0064】また、上記の具体例では、無段変速機とし
てベルト式の無段変速機を挙げて説明したが、この発明
は、トロイダル型(トラクション式)の無段変速機を対
象とする制御装置にも適用することができる。したがっ
てトロイダル型無段変速機を対象とする場合には、入力
ディスクおよび出力ディスクとパワーローラとの間に作
用する圧力がこの発明における接触圧力に相当する。さ
らに、上記の具体例では、接触圧力を油圧によって制御
することとしたが、この発明では接触圧力を設定し、ま
た制御する手段あるいは機構は油圧によるものに限定さ
れない。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、トルク伝達容量に影響する接触圧力をフィード
バック制御している状態で、無段変速機に掛かるトルク
が一時的に増大する外乱状態が判定されると、前記接触
圧力を、フィードバック制御で設定される圧力より高い
圧力に設定し、無段変速機のトルク伝達容量を増大させ
るので、回転部材とトルク伝達部材との間の過剰な滑り
を未然に回避することができる。そして、接触圧力の増
大は、上記の外乱状態が判定された場合に実行し、それ
以外の場合には、フィードバック制御によって接触圧力
を設定するので、外乱状態以外の場合の接触圧力が相対
的に低圧に維持され、そのために動力の伝達効率を向上
させることができ、また無段変速機の耐久性を向上させ
ることができる。
【0066】また、請求項2の発明によれば、無段変速
機の出力側のトルクの変化に基づいて外乱状態を判定す
るので、外乱状態をより正確に判定し、無段変速機での
過剰な滑りを確実に回避することができる。
【0067】さらに、請求項3の発明によれば、接触圧
力を昇圧する場合、フィードバック制御により定まる圧
力に所定圧力を加算することになるので、フィードバッ
ク制御を継続しても、無段変速機での過剰な滑りを回避
することができる。
【0068】これに対して請求項4の発明によれば、フ
ィードバック制御を中止した状態で、新たに接触圧力が
設定されるので、無段変速機での過剰な滑りを回避もし
くは防止することができる。
【0069】また、請求項5の発明によれば、外乱状態
が判定されなくなった場合には、昇圧された接触圧が低
下させられて、接触圧力が不必要に高い状態を解消でき
るので、動力の伝達効率や無段変速機の耐久性を向上さ
せることができる。
【0070】さらにまた、請求項6の発明によれば、そ
の接触圧力を降圧する場合、入力トルクに基づく所定圧
力に設定するので、無段変速機での過剰な滑りを発生さ
せることなく、接触圧力を低下させることができる。
【0071】そしてまた、請求項7によれば、外乱状態
が判定されなくなった時点のフィードバック制御による
接触圧力を設定するので、接触圧力が相対的に高い時期
を可及的に短くすることができ、燃費の向上に有利にな
る。
【0072】そして、請求項8の発明によれば、いわゆ
る準定常状態でフィードバック制御を再開することにな
り、その結果、外乱状態が解消した後における無段変速
機での過剰な滑りを確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置による制御の一例を説明
するためのフローチャートである。
【図2】 図1に示す制御を路面の段差に乗り上げた場
合に実行した例のタイムチャートである。
【図3】 この発明に係る無段変速機を搭載した車両の
駆動系統および制御系統を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 3…エンジン(動力源)、 11…
駆動プーリー、 12…従動プーリー、 15…ベル
ト、 19…変速機用電子制御装置(CVT−EC
U)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J552 MA07 MA08 MA09 MA13 MA26 NA01 NB01 PA12 PA13 SA36 SA54 TA01 VA13W VA23W VA34W VA37W

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転部材とトルク伝達部材とをトルク伝
    達可能に直接もしくは間接的に接触させ、その接触圧力
    に応じてトルク伝達容量が増大する無段変速機の制御装
    置において、 前記接触圧力を前記回転部材と前記トルク伝達部材との
    間でのトルクの伝達状態に基づいてフィードバック制御
    するフィードバック制御手段と、 前記無段変速機に掛かるトルクが一時的に増大する外乱
    状態を判定する外乱判定手段と、 前記外乱状態が判定された場合に、前記接触圧力を前記
    フィードバック制御による接触圧力より高くする昇圧手
    段とを備えていることを特徴とする無段変速機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記無段変速機が、トルクが入力される
    入力部材とトルクを出力する出力部材とを備え、 前記外乱判定手段が、前記出力部材に掛かるトルクが一
    時的に変化する状態を外乱状態と判定するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機
    の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記昇圧手段が、前記フィードバック制
    御による接触圧力に所定圧力を加算して接触圧力を高く
    する手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記
    載の無段変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記昇圧手段が、フィードバック制御を
    中止するとともにそのフィードバック制御による接触圧
    力より高い接触圧力を設定する手段を含むことを特徴と
    する請求項1または2に記載の無段変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記外乱判定手段が前記外乱状態を判定
    しなくなったときに、前記昇圧手段によって高くした接
    触圧力を低下させる復帰手段を更に備えていることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の無段変速
    機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記復帰手段は、前記外乱判定手段が前
    記外乱状態を判定しなくなった時点における少なくとも
    入力トルクに基づいて予め定められた接触圧力を設定す
    る手段を含むことを特徴とする請求項5に記載の無段変
    速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記復帰手段は、前記外乱判定手段が前
    記外乱状態を判定しなくなった時点における前記回転部
    材と前記トルク伝達部材との間でのトルクの伝達状態に
    基づく前記フィードバック制御によって決まる接触圧力
    を設定する手段を含むことを特徴とする請求項5に記載
    の無段変速機の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記復帰手段は、前記外乱判定手段が前
    記外乱状態を判定しなくなり、かつ前記無段変速機で設
    定されている変速比と目標とする変速比との偏差が所定
    値以下になったことに基づいて前記フィードバック制御
    の実行を許可する手段を含むことを特徴とする請求項5
    に記載の無段変速機の制御装置。
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