JPH08210453A - Vベルト式無段変速機のライン圧制御装置 - Google Patents

Vベルト式無段変速機のライン圧制御装置

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Publication number
JPH08210453A
JPH08210453A JP1793695A JP1793695A JPH08210453A JP H08210453 A JPH08210453 A JP H08210453A JP 1793695 A JP1793695 A JP 1793695A JP 1793695 A JP1793695 A JP 1793695A JP H08210453 A JPH08210453 A JP H08210453A
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JP
Japan
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line pressure
braking
pressure
continuously variable
control
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Application number
JP1793695A
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English (en)
Inventor
Akito Suzuki
明人 鈴木
Tatsuo Ochiai
辰夫 落合
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Vベルト式無段変速機のライン圧を、制動に
より減速された車輪が逆駆動により加速される場合も、
Vベルトの滑りが生じないよう制御する。 【構成】 コントローラ17は入力情報から目標入力回
転数Ni を求め、これに対応してステップモータ23に
よりリンク22を介して弁21を操作する。弁21は制
御圧PS を調圧して、プーリ1,2間の伝動比を目標入
力回転数Ni に対応した比へ無段変速させる。元圧であ
るライン圧PL の制御に際しコントローラ17は、スイ
ッチ28がONされる制動中、車輪減速度が設定以上に
なる時、ライン圧PL を制御最大値に上昇させ、この状
態を、スイッチ28がOFFされてから設定時間が経過
するまで継続する。よって車輪が制動後、逆駆動される
場合でも、Vベルト3が滑ることがなく、耐久性を向上
させ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Vベルト式無段変速機
の変速制御に重要なライン圧を、特に制動により一旦減
速された車輪がその後、路面からの逆駆動によるスピン
ナップにより加速される場合でも、Vベルトの滑りを生
ずることのないよう適切に制御するためのライン圧制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機は、例えば特開昭
61−105347号公報に記載のごとく、Vベルトを
巻き掛けした一対のプーリのうち、一方のプーリ(通常
はセカンダリプーリ)の可動フランジにライン圧を作用
させ、他方のプーリ(通常はプライマリプーリ)の可動
フランジには、ライン圧を変速制御弁により減圧して得
た変速制御圧を作用させ、該変速制御圧とライン圧との
差圧により、つまり変速制御圧を要求変速比に対応した
値に調圧することにより、変速比を無段階に制御するよ
う構成するのが普通である。
【0003】ところでライン圧は、上記したところから
明らかなように両プーリ間に掛け渡したVベルトの張力
に関与し、必要以上にライン圧を高くすることはVベル
トの張力を過大にしてその耐久性を低下させることにな
り、かと言ってライン圧が低くてVベルトの張力が少な
すぎると、スリップにより伝動効率の低下を招くだけで
なく、この場合もスリップによりVベルトが磨耗して耐
久性を低下される。
【0004】従って一般的にライン圧は、ポンプ圧の減
圧により作りだすに際し、例えば特開平2−62464
号公報に記載されているごとく、変速比毎に入力トルク
に応じたぎりぎりの値に制御するのが常套である。ライ
ン圧はかように制御された値から高くても、低くてもV
ベルトの耐久性に悪影響を及ぼす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上記文献に
記載されたものに代表される従来のVベルト式無段変速
機のライン圧制御装置では、車両の制動により一旦減速
された車輪がその後、路面からの逆駆動によるスピンナ
ップにより加速される場合も、上記通常のライン圧制御
をそのまま行うだけで、当該車輪の減速後における加速
時のためのライン圧制御を特には行っていないため、以
下の問題を生じていた。
【0006】つまり上記した通常のライン圧制御は、エ
ンジンからの動力により車輪を正駆動する時の状態を念
頭においた制御であり、車輪が路面からの逆駆動による
スピンナップにより加速される場合は、一般的に変速機
入力トルクを正確に判断し難いこともあって、また当該
逆駆動時は逆駆動トルクが衝撃トルクであるため、正駆
動トルクに較べ大きいのが常であることから、ライン圧
が逆駆動トルクに対応したものではあり得ず、不足気味
となって、Vベルトが滑るの免れず、その耐久性が悪く
なってしまうという事実を確かめた。
【0007】なお、上記のように車輪が路面からの逆駆
動によるスピンナップにより加速される場合としては、
急制動や低μ路制動に起因して車輪が急減速されるも、
その後運転者がブレーキペダルを釈放した結果、或いは
車輪が低μ路から高μ路に移った結果、車輪が車体の運
動エネルギーを路面から逆入力されてスピンナップによ
り回転を回復する場合がこれに相当する。
【0008】本発明は、かように車輪が路面からの逆駆
動により加速される場合も、Vベルトが滑って耐久性を
低下されることのないような制動時ライン圧制御技術を
提案し、もって上述の問題を解消することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
によるVベルト式無段変速機のライン圧制御装置は、V
ベルトを巻き掛けした一対のプーリのうち、一方のプー
リの可動フランジにライン圧を作用させ、他方のプーリ
の可動フランジには、ライン圧を変速制御弁により減圧
して得た変速制御圧を作用させ、該変速制御圧とライン
圧との差圧により変速比を無段階に制御するようにした
Vベルト式無段変速機において、該無段変速機を搭載し
た車両の制動中を検知する制動検知手段と、該車両の車
輪減速度を演算する車輪減速度演算手段と、これら手段
からの信号に応答し、制動中において車輪減速度が設定
減速度以上になった後、少なくとも減速後の車輪が路面
からの逆駆動により加速される可能性がある期間中前記
ライン圧を、該車輪の加速によってもVベルトが滑るこ
とのない値に上昇させる制動時ライン圧上昇手段とを具
備することを特徴とするものである。
【0010】また第2発明のライン圧制御装置は、前記
制動検知手段が車両の制動中を検知しなくなった後、設
定時間経過時に前記制動時ライン圧上昇手段によるライ
ン圧の上昇を終了させる制動時ライン圧上昇終了手段を
付加したことを特徴とするものである。
【0011】更に第3発明においては、前記設定時間
を、車両の制動解除後車輪が加速するに要する時間に対
応させて定めたことを特徴とするものである。
【0012】また第4発明においては、前記制動時ライ
ン圧上昇手段はライン圧を制御最大値に上昇させるよう
構成したことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】第1発明においてVベルト式無段変速機は、V
ベルトを介して一対のプーリ間で動力の受渡しを行う。
この際これら一対のプーリのうち、一方のプーリの可動
フランジにライン圧を作用させ、他方のプーリの可動フ
ランジには、このライン圧を変速制御弁により減圧して
得た変速制御圧を作用させることにより、Vベルト式無
段変速機は該変速制御圧とライン圧との差圧に応じた変
速比を無段階に達成することができる。従って、上記の
変速制御弁により変速制御圧を決定することで、任意の
変速比を得ることができる。
【0014】ここで、制動検知手段が車両の制動中を検
知する車両制動中において、車輪減速度演算手段により
演算された車輪減速度が設定減速度以上になった後、少
なくとも減速後の車輪が路面からの逆駆動により加速さ
れる可能性がある期間中に、制動時ライン圧上昇手段は
上記ライン圧を、該車輪の加速によってもVベルトが滑
ることのない値に上昇させる。
【0015】かかる制動時ライン圧上昇制御によれば、
車輪が制動による減速後、路面からの逆駆動によるスピ
ンナップにより加速された場合も、Vベルトが滑ること
がなく、その耐久性が低下されるのを防止することがで
きる。
【0016】第2発明においては、上記制動検知手段が
車両の制動中を検知しなくなった後、設定時間が経過し
た時に、制動時ライン圧上昇終了手段が前記制動時ライ
ン圧上昇手段によるライン圧の上昇制御を終了させる。
よって、車輪が制動による減速後、路面からの逆駆動に
よるスピンナップにより加速されることがなくなったに
もかかわらず、上記制動時ライン圧上昇制御が無駄に継
続される愚を回避することができる。
【0017】第3発明においては上記設定時間を、車両
の制動解除後車輪が加速するに要する時間に対応させて
定める。この場合、上記第2発明の作用効果を常時確実
に達成することができて、大いに有用である。
【0018】第4発明においては、前記制動時ライン圧
上昇手段がライン圧を制御最大値に上昇させる。この場
合、前記の制動時ライン圧上昇制御が簡単であり、安価
に第1発明の作用効果を達成することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は、本発明によるVベルト式無段変速機
のライン圧制御装置を変速制御装置と共に例示するもの
で、1は図示せざるエンジン(原動機)の回転を入力さ
れる入力プーリとしてのプライマリプーリ、2は変速後
の回転を出力する出力プーリとしてのセカンダリプーリ
を夫々示す。これらプライマリプーリ1およびセカンダ
リプーリ2間にVベルト3を巻き掛けし、両プーリ1,
2に対するVベルト3の巻き掛け円弧径を変化させてプ
ーリ間伝動比、つまり変速比を無段階に変更可能とす
る。
【0020】これがためプライマリプーリ1は、固定フ
ランジ1aに対向してプーリV溝を形成する可動フラン
ジ1bを軸線方向へ変位可能とし、セカンダリプーリ2
も、固定フランジ2aに対向してプーリV溝を形成する
可動フランジ2bを軸線方向へ変位可能とする。そし
て、可動フランジ1bには固定フランジ1aに向かう方
向に変速制御圧PS を作用させ、可動フランジ2bには
固定フランジ2aに向かう方向にライン圧PL を作用さ
せ、変速制御圧PS とライン圧PL との差圧に応じ両プ
ーリ1,2に対するVベルト3の巻き掛け円弧径を無段
階に変化させて、無段変速を行うものとする。
【0021】ここでライン圧PL を制御するライン圧制
御系を説明するに、このライン圧制御系は圧力源11
と、これからの作動油をライン圧PL に調圧するプレッ
シャーレギュレータ弁12と、このプレッシャーレギュ
レータ弁にライン圧制御用のモディファイア圧Pm を供
給するためのプレッシャーモディファイア弁13と、こ
のプレッシャーモディファイア弁13を制御するライン
圧ソレノイド14と、該ソレノイドに一定の圧力PC
供給するパイロット弁15とで構成する。
【0022】プレッシャーレギュレータ弁12は、圧力
源11からの作動油を回路16に漏洩させつつ、また必
要に応じてドレンポート12a よりドレンしつつ、モデ
ィファイア圧Pm に応じたライン圧PL に調圧する。パ
イロット弁15は回路16から漏れ油を一定圧PC にし
てライン圧ソレノイド14に供給し、ライン圧ソレノイ
ド14は一定圧PC を駆動デューティDに応じたデュー
ティ圧PD にしてモディファイア弁13に印加する。モ
ディファイア弁13は、回路16から漏れ油をデューテ
ィ圧PD 、従ってライン圧ソレノイド14の駆動デュー
ティDに応じたモディファイア圧Pm にし、これをプレ
ッシャーレギュレータ弁12に印加してライン圧PL
上記制御に資する。よって、ライン圧PL はライン圧ソ
レノイド14の駆動デューティDを加減することで制御
することができ、ソレノイド駆動デューティDはコント
ローラ17により後述のごとくに決定することとする。
【0023】コントローラ17は変速制御をも行うもの
で、この変速制御および上記ライン圧制御のためにコン
トローラ17には、エンジンスロットル開度TVOを検
出するスロットル開度センサ18からの信号、プライマ
リプーリ1の回転数Npri を検出するためのプライマリ
プーリ回転センサ19からの信号、セカンダリプーリ2
の回転数(車速に相当)Nsec を検出するセカンダリプ
ーリ回転センサ20からの信号、エンジン回転数Ne
検出するエンジン回転センサ27からの信号、および運
転者がブレーキペダル(図示せず)を踏み込む車両制動
時ONするブレーキスイッチ28からの信号をそれぞれ
入力する。
【0024】次いで変速制御系を説明するに、これは変
速制御圧PS を決定する変速制御弁21と、変速リンク
22と、ステップモータ23とで構成する。変速リンク
22は、一端をプライマリプーリ可動フランジ1bと共
に変位するシフタ24に連節し、他端をステップモータ
23により駆動されるよう連結し、両端間を変速制御弁
21のスプール21aに枢着する。ここで変速制御弁2
1は回路25からのライン圧PL を減圧して回路26に
変速制御圧PS を作り出すもので、スプール21aを図
中上昇される時、変速制御圧回路26をライン圧回路2
5に通じて変速制御圧PS を上昇させ、スプール21a
を図中下降される時、変速制御圧回路26をドレンポー
ト21bに通じて変速制御圧PS を低下させるものと
し、スプール21aの上記ストロークをステップモータ
23により変速リンク22を介して制御する。そしてス
テップモータ21の回転位置をコントローラ17により
決定し、これにより以下の変速制御を実行するものとす
る。
【0025】この変速制御に当たってコントローラ17
は、例えば図2に示す変速制御特性に対応したマップを
もとに車速Nsec およびスロットル開度TVOから目標
とすべき入力回転数Ni を求め、これに対応した変速指
令をステップモータ23に発する。これによりステップ
モータ23は指令通りの回転位置となり、変速リンク2
2をシフタ24の周りに回動させて変速制御弁スプール
21aをストロークさせる。これにより変速制御弁21
は、回路26をライン圧回路25およびドレンポート2
1bに対して同じ連通度にされた平衡位置からずれて、
変速制御圧PSを変化させ、両プーリ1,2の可動フラ
ンジ1b,2bが変位することで変速比が上記の目標入
力回転数Ni に対応した変速比に持ち来たされる。
【0026】この変速が進行するにつれてプライマリプ
ーリ1の可動フランジ1bはシフタ24を介し変速リン
ク22をステップモータ23の周りで、変速制御弁スプ
ール21aを元のストローク位置に戻すよう回動させ、
変速比が上記の目標入力回転数Ni に対応した変速比に
なったところで変速制御弁21が平衡位置に復帰して変
速制御を終了し、目標変速比を維持することができる。
【0027】なお、ライン圧PL の制御に当たってコン
トローラ17は、例えば図3に示すような構成とする
が、勿論同様な作用を行うフローチャートを実行するよ
うなものでもよいことは言うまでもない。速度比演算部
31は、前記エンジンとプライマリプーリ1との間に介
装したトルクコンバータ(図示せず)の速度比eをe=
e /Npri により算出し、トルク比演算部32は、同
トルクコンバータのトルク比tを図4に例示するトルク
コンバータ性能線図から検索して求める。
【0028】エンジントルク推定部33は、例えば図5
に示すエンジン性能線図をもとに、エンジン回転数Ne
およびスロットル開度TVOからエンジントルクTe
検索して求める。入力トルク推定部34は、トルクコン
バータの入出力要素間を直結するロックアップ信号L/
Uの有無に応じて、非ロックアップ時なら変速機入力ト
ルクTi をエンジントルクTe とトルク比tとの乗算T
i =Te ×tにより演算し、ロックアップ時ならエンジ
ントルクTe をそのまま変速機入力トルクTiとする。
【0029】変速比演算部35は、無段変速機の入出力
プーリ間伝動比iをi=Nsec /N pri により算出し、
要求ライン圧演算部36は例えば図6に示すような要求
ライン圧特性をもとに、変速機入力トルクTi 毎に変速
比iに対応した要求ライン圧P0 を検索する。ここで遠
心圧演算部37は、ライン圧PL が作用するセカンダリ
プーリ2への遠心圧P1 をP1 =K・Nsec 2 (但し、
Kは定数)により算出し、補償器38は上記の要求ライ
ン圧P0 から遠心圧P1 を減算した値P0 −P 1 を目標
ライン圧として、目標ライン圧選択部39に入力する。
【0030】制動時ライン圧決定部40は、センサ20
で検出したセカンダリプーリ回転数Nsec 、およびブレ
ーキスイッチ28からの信号をもとに、図7に示す制御
プログラムを定時割り込みにより実行して、制動時の、
更に詳しくは制動により減速された車輪の逆駆動による
加速時のための、制動時ライン圧P3 を決定する。先
ず、制動検知手段に相当するステップ51において、ブ
レーキスイッチ28がONか否かにより車両制動中か否
かをチェックする。制動中であれば、車輪減速度演算手
段に相当するステップ52〜54で、車輪加減速度αW
を以下のようにして求める。
【0031】ステップ52では、車輪の回転数に対応す
るセカンダリプーリ回転数Nsec と、セカンダリプーリ
2および車輪間のギヤ比並びに車輪周長(何れも定数)
とから車輪速VW を演算する。次のステップ53におい
ては、当該車輪速VW と車輪速前回値VW (OLD)と
の差から車輪加減速度αW を求め、次いでステップ54
において、次回のステップ53での車輪加減速度αW
演算のために今回の車輪速VW を車輪速前回値VW (O
LD)としてメモリする。従って車輪加減速度αW は、
+の極性が車輪加速度を表し、−の極性が車輪減速度を
表す。
【0032】次のステップ55では、車輪加減速度αW
が設定値(設定減速度)−α0 以下であるか否かによ
り、車輪減速度が設定減速度以上の大きな減速度になっ
たか否かを判定する。αW >−α0 である間は、つまり
車輪減速度が設定減速度未満の小さな減速度である間
は、制御をそのまま終了するようにして、上記した制動
時ライン圧P3 の設定および出力を行わないこととす
る。
【0033】しかして制動により、αW ≦−α0 になっ
た時、つまり車輪減速度が設定減速度以上の大きな減速
度になった時、制動時ライン圧上昇手段に相当するステ
ップ56,57において、制動時ライン圧P3 にライン
圧の制御最大値PLmaxをセットすると共に、このP3
Lmaxを目標ライン圧選択部39に向け出力する。
【0034】なお、ステップ51においてブレーキスイ
ッチ28がOFFであると判別する場合、つまり非制動
中でないと判別する場合、ステップ58で、ブレーキス
イッチ28がONからOFFに切り換わった直後か否か
を、即ち制動状態から非制動状態に切り換わった直後か
否かを判定し、当該切り換え直後に1回だけステップ5
9において、該切り換えからの経過時間を計測するため
にタイマTMを0にリセットする。そして、制動時ライ
ン圧上昇終了手段に相当するステップ60で、このタイ
マTMが設定時間ΔtD を示すようになったと判定する
までの間は、つまり制動状態から非制動状態に切り換わ
ってから設定時間ΔtD が経過するまでの間は、制御を
ステップ56,57に進めて制動時ライン圧P3 =P
Lmaxを目標ライン圧選択部39に向け出力し続ける。
【0035】しかしてステップ60で、タイマTMが設
定時間ΔtD を示すようになったと判定した後は、つま
り制動状態から非制動状態に切り換わってから設定時間
Δt D が経過した瞬時以後は、ステップ56,57をス
キップして、制動時ライン圧P3 =PLmaxの設定、およ
び目標ライン圧選択部39への出力を終了させることと
する。ここで設定時間ΔtD は、非制動状態に切り換わ
ってから車輪が加速するに要する時間に対応させて定め
る。
【0036】目標ライン圧選択部39は、制動時ライン
圧決定部40からの制動時ライン圧P3 =PLmaxを入力
される時、この入力された制動時ライン圧指令値P3
Lm axを目標ライン圧としてリミッター42に供給し、
制動時ライン圧P3 が発生しない間、補償器38からの
ライン圧指令値P0 −P1 を目標ライン圧としてリミッ
ター42に供給して、目標ライン圧の選択を行うものと
する。
【0037】かように選択される目標ライン圧の時系列
変化を図8により説明する。同図は、瞬時t1 における
ブレーキペダルの踏み込みにより、瞬時t2 に車輪速V
W (車体速VV は参考までに示した)が減速を開始する
と同時に、車輪加減速度αWが設定減速度−α0 以下
(車輪減速度が設定減速度以上)になり、車輪速VW
0になる車輪ロックを感知して運転者が瞬時t3 にブレ
ーキペダルを釈放し、これにより車輪が路面からの逆駆
動(スピンナップ)により加速され、瞬時t4 に車輪速
W が車体速(VV )相当値に回復した場合の動作タイ
ムチャートである。
【0038】目標ライン圧は、車輪加減速度αW が設定
減速度−α0 以下(車輪減速度が設定減速度以上)にな
った瞬時t2 に、補償器38より供給される変速機入力
トルク対応の通常値P0 −P1 から、制動時ライン圧決
定部40からの制動時要求ライン圧P3 =PLmaxに切り
換わり、非制動状態への移行瞬時t3 から設定時間Δt
D が経過した瞬時t5 に目標ライン圧は、制動時要求ラ
イン圧P3 =PLmaxから通常値P0 −P1 に戻る。目標
ライン圧選択部39は、例えばかように時系列変化する
目標ライン圧をリミッター42に供給する。
【0039】リミッター42は図9に例示するような許
容最大ライン圧をセットされており、上記のように入力
されてくる目標ライン圧を、その上限が当該許容最大ラ
イン圧を越えることのないようにしつつ、目標ライン圧
L とする。
【0040】ライン圧ソレノイドデューティ決定部43
は例えば図10のようなマップをもとに、上記の目標ラ
イン圧PL に対応したデューティDを決定し、これをラ
イン圧ソレノイド14に出力する。ここでソレノイド1
4は、パイロット弁15からの一定圧PC を駆動デュー
ティDに応じたデューティ圧PD にしてモディファイア
弁13に印加し、モディファイア弁13はデューティD
に応じたモディファイア圧Pm をプレッシャーレギュレ
ータ弁12に印加し、プレッシャーレギュレータ弁12
は、圧力源11からの作動油をデューティDに応じたラ
イン圧PL に調圧する。以上によりライン圧は、上記し
たように設定した目標ライン圧PL に制御されることと
なる。
【0041】ところで本例においては、ブレーキペダル
の踏み込みによる制動中、車輪加減速度αW が設定減速
度−α0 以下(車輪減速度が設定減速度以上)になった
時より、ライン圧PL を、通常の変速機入力トルク対応
の値P0 −P1 から、制御最大値PLmaxに上昇させ、こ
の制動時ライン圧上昇制御を、非制動状態への移行瞬時
から設定時間ΔtD が経過する瞬時まで行わせることか
ら、制動による減速後の車輪が路面からの逆駆動により
加速される可能性がある期間中、ライン圧PL が制御最
大値に保持されることになる。
【0042】よって、車輪が制動による減速後、路面か
らの逆駆動によるスピンナップにより加速された場合
も、Vベルトが滑るのを、上昇されたライン圧により確
実に防止することができ、Vベルトの耐久性が低下する
といった従来装置における問題を解消することができ
る。
【0043】
【発明の効果】かくして第1発明によるVベルト式無段
変速機のライン圧制御装置は、請求項1に記載のごと
く、車両制動中において、車輪減速度が設定減速度以上
になった後、少なくとも減速後の車輪が路面からの逆駆
動により加速される可能性がある期間中、上記ライン圧
を、該車輪の加速によってもVベルトが滑ることのない
値に上昇させる構成にしたから、車輪が制動による減速
後、路面からの逆駆動によるスピンナップにより加速さ
れた場合も、Vベルトが滑ることがなく、その耐久性が
低下するのを防止することができる。
【0044】第2発明によるVベルト式無段変速機のラ
イン圧制御装置は、請求項2に記載のごとく、車両の制
動中でなくなった後、設定時間が経過した時に、上記制
動時ライン圧上昇制御を終了させる構成にしたから、車
輪が制動による減速後、路面からの逆駆動によるスピン
ナップにより加速されることがなくなったにもかかわら
ず、上記制動時ライン圧上昇制御が無駄に継続される愚
を回避することができる。
【0045】第3発明によるVベルト式無段変速機のラ
イン圧制御装置は、請求項3に記載のごとく、上記設定
時間を、車両の制動解除後車輪が加速するに要する時間
に対応させて定めることとしたから、上記第2発明の作
用効果を常時確実に達成することができて、大いに有用
である。
【0046】第4発明にによるVベルト式無段変速機の
ライン圧制御装置は、請求項4に記載のごとく、上記の
制動時ライン圧上昇制御に際し、ライン圧を制御最大値
に上昇させる構成にしたから、制動時ライン圧上昇制御
が簡単であり、安価に第1発明の作用効果を達成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるVベルト式無段変速機のライン圧
制御装置を、変速制御装置と共に例示する油圧制御シス
テム図である。
【図2】同例において変速制御に用いる通常の変速制御
パターンを示す線図である。
【図3】同例におけるコントローラのライン圧制御部に
係わる機能別ブロック線図である。
【図4】トルクコンバータの速度比とトルク比との関係
を示す性能線図である。
【図5】エンジントルクを求めるのに用いたエンジン性
能線図である。
【図6】変速機入力トルクと変速比とで規定される要求
ライン圧特性を示す線図である。
【図7】図3における制動時ライン圧決定部の制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図8】同制動時ライン圧制御プログラムによるライン
圧制御動作を例示する動作タイムチャートである。
【図9】許容最大ライン圧の限界値を示す特性図であ
る。
【図10】目標ライン圧に対するライン圧ソレノイドデ
ューティの関係線図である。
【符号の説明】
1 プライマリプーリ 1b 可動フランジ 2 セカンダリプーリ 2b 可動フランジ 3 Vベルト 11 圧力源 12 プレッシャーレギュレータ弁 13 プレッシャーモディファイア弁 14 ライン圧ソレノイド 15 パイロット弁 17 コントローラ 18 スロットル開度センサ 19 プライマリプーリ回転センサ 20 セカンダリプーリ回転センサ 21 変速制御弁 22 変速リンク 23 ステップモータ 24 シフタ 25 ライン圧回路 26 変速制御圧回路 27 エンジン回転センサ 28 ブレーキスイッチ 31 速度比演算部 32 トルク比演算部 33 エンジントルク推定部 34 入力トルク推定部 35 変速比演算部 36 要求ライン圧演算部 37 遠心圧演算部 38 補償器 39 目標ライン圧選択部 40 制動時ライン圧決定部 42 リミッター 43 ライン圧ソレノイドデューティ決定部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Vベルトを巻き掛けした一対のプーリの
    うち、一方のプーリの可動フランジにライン圧を作用さ
    せ、他方のプーリの可動フランジには、ライン圧を変速
    制御弁により減圧して得た変速制御圧を作用させ、該変
    速制御圧とライン圧との差圧により変速比を無段階に制
    御するようにしたVベルト式無段変速機において、 該無段変速機を搭載した車両の制動中を検知する制動検
    知手段と、 該車両の車輪減速度を演算する車輪減速度演算手段と、 これら手段からの信号に応答し、制動中において車輪減
    速度が設定減速度以上になった後、少なくとも減速後の
    車輪が路面からの逆駆動により加速される可能性がある
    期間中前記ライン圧を、該車輪の加速によってもVベル
    トが滑ることのない値に上昇させる制動時ライン圧上昇
    手段とを具備することを特徴とするVベルト式無段変速
    機のライン圧制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記制動検知手段が
    車両の制動中を検知しなくなった後、設定時間経過時に
    前記制動時ライン圧上昇手段によるライン圧の上昇を終
    了させる制動時ライン圧上昇終了手段を付加したことを
    特徴とするVベルト式無段変速機のライン圧制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記設定時間を、車
    両の制動解除後車輪が加速するに要する時間に対応させ
    て定めたことを特徴とするVベルト式無段変速機のライ
    ン圧制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記制動時ライン圧上昇手段はライン圧を制御最大
    値に上昇させるよう構成したことを特徴とするVベルト
    式無段変速機のライン圧制御装置。
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