JP4134673B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベルト式あるいはトラクション式(トロイダル型)の無段変速機の制御装置に関し、特にその無段変速機の伝達トルク容量を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クラッチやブレーキあるいはベルト式無段変速機、さらにはトラクションオイルのせん断力を利用してトルクを伝達するトラクション式無段変速機などの動力伝達装置が従来知られている。その伝達トルク容量は、エンジンなどの動力源から出力されるトルクを必要十分に伝達できる容量である必要がある。しかしながら、伝達トルク容量を増大させると、垂直荷重もしくは押圧力を発生させるために多くの動力を消費して燃費が悪化したり、あるいは動力の伝達効率が低下して燃費が悪化し、さらには装置の耐久性が低下するなどの不都合がある。
【0003】
したがって無段変速機などの動力伝達装置の伝達トルク容量あるいは挟圧力は、入力トルクを必要十分に伝達できる範囲で可及的に小さいことが好ましい。しかしながら、車両が悪路などを走行している際には、駆動輪側からトルクが入力されることがある。その場合には、上記動力伝達機構装置に作用するトルクが増大するので、動力源の出力するトルクに加えて、駆動輪側から入力されるトルクをも考慮して伝達トルク容量あるいは挟圧力を設定する必要がある。
【0004】
その一例が特開2001−330126号公報に記載されている。この公報に記載された発明では、いわゆる悪路相当分の挟圧力を、動力源側から入力されるトルクに相当する挟圧力に付加するように構成されている。すなわち、車両が駆動状態か被駆動状態かを判定し、駆動状態と被駆動状態とのそれぞれに応じた安全率を設定するように構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−330126号公報(特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって上記の公報に記載された装置では、安全率の大小の相違があるものの、駆動状態および被駆動状態のいずれであっても、路面からの入力を考慮してベルト挟圧力を増大させることになる。しかしながら車両の走行状態は駆動状態と被駆動状態との二つの状態に限られないのであって、路面からの入力を考慮する必要がない場合もあるが、上記の公報に記載された装置では、そのような場合であっても路面からの入力を考慮して挟圧力を増大させることになる。そのため、上記の公報に記載された発明では、挟圧力を不必要に増大させ、それに応じて動力損失が生じ、燃費が悪化する可能性があった。
【0007】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、無段変速機の伝達トルク容量を車両の状態に応じて制御することにより、動力損失を低減して燃費を向上させることのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両に搭載された無段変速機の伝達トルク容量を、動力源側から入力されるトルクに基づいて設定するとともに、路面の状態に基づいて前記伝達トルク容量を増大させる無段変速機の制御装置において、前記車両が停止していることが判断されかつ路面が悪路でないことおよび坂路勾配が予め定めた所定値以下であることが判断された場合に、前記路面の状態に基づく前記伝達トルク容量の増大を禁止する禁止手段と、前記車両が停止していることが判断されるとともに路面が悪路であることの判断もしくは坂路勾配が予め定めた所定値を超えていることの判断がなされた場合に路面の状態に基づいて前記伝達トルク容量を増大させる手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0009】
したがって請求項1の発明では、無段変速機の伝達トルク容量が、動力源側から入力される正入力トルク相当分に、路面の状態に応じた路面入力相当分を加えた容量に設定されるが、車両が停止していることが判断されると、前記路面入力相当分の伝達トルク容量の増大が禁止される。その結果、伝達トルク容量もしくはこれを設定するための挟圧力が不必要に高くなる事態が防止もしくは抑制される。また、路面からの入力が生じないので、無段変速機に滑りが生じることはない。これに対して、車両が停止していても路面が悪路であったり、坂路勾配が大きい場合には、伝達トルク容量が路面状態に応じて増大させられる。
【0010】
また、請求項2の発明は、動力源の出力トルクを車輪に伝達する駆動系統に介在された無段変速機の伝達トルク容量を、前記動力源側から入力されるトルクに基づいて設定するとともに、路面の状態に基づいて前記伝達トルク容量を増大させる無段変速機の制御装置において、前記駆動系統でのトルクの伝達が遮断されかつ路面が悪路でないことおよび坂路勾配が予め定めた所定値以下であることが判断された場合に、前記路面の状態に基づく前記伝達トルク容量の増大を禁止する禁止手段と、前記駆動系統でのトルクの伝達が遮断されていることが判断されるとともに路面が悪路であることの判断もしくは坂路勾配が予め定めた所定値を超えていることの判断がなされた場合に路面の状態に基づいて前記伝達トルク容量を増大させる手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0011】
したがって請求項2の発明では、無段変速機の伝達トルク容量が、動力源側から入力される正入力トルク相当分に、路面の状態に応じた路面入力相当分を加えた容量に設定されるが、駆動系統のいずれかの箇所でトルクの伝達が遮断されている場合には、無段変速機の伝達トルク容量を路面入力相当分、増大させる制御が禁止され、その結果、伝達トルク容量もしくはこれを設定するための挟圧力が不必要に高くなる事態が防止もしくは抑制される。また、その場合、路面からの入力トルクが無段変速機に作用せず、あるいは路面からの入力トルクが無段変速機に作用しても動力源の慣性モーメントが無段変速機の回転を阻止する慣性トルクとして作用しないので、無段変速機に滑りが生じることが防止され、もしくは抑制される。これに対して、前記トルクの伝達が遮断されていても路面が悪路であったり、坂路勾配が大きい場合には、伝達トルク容量が路面状態に応じて増大させられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする車両の駆動系統およびその制御系統について説明すると、図2は、ベルト式無段変速機1を含む駆動系統を模式的に示しており、その無段変速機1は、前後進切換機構2を介して動力源3に連結されている。
【0013】
その動力源3は、内燃機関、あるいは内燃機関と電動機、もしくは電動機などによって構成され、要は、走行のための動力を発生する駆動部材である。なお、以下の説明では、動力源3をエンジン3と記す。また、前後進切換機構2は、エンジン3の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。
【0014】
また、流体伝動機構4は、例えば従来のトルクコンバータと同様の構成であって、エンジン3によって回転させられるポンプインペラーとこれに対向させて配置したタービンランナーと、これらの間に配置したステータとを有し、ポンプインペラーで発生させたフルードの螺旋流をタービンランナーに供給することよりタービンランナーを回転させ、トルクを伝達するように構成されている。このような流体を介したトルクの伝達では、ポンプインペラーとタービンランナーとの間に不可避的な滑りが生じ、これが動力伝達効率の低下要因となるので、ポンプインペラーなどの入力側の部材とタービンランナーなどの出力側の部材とを直接連結するロックアップクラッチが設けられている。
【0015】
図2に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ5と同心円上にリングギヤ6が配置され、これらのサンギヤ5とリングギヤ6との間に、サンギヤ5に噛合したピニオンギヤ7とそのピニオンギヤ7およびリングギヤ6に噛合した他のピニオンギヤ8とが配置され、これらのピニオンギヤ7,8がキャリヤ9によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ5とキャリヤ9と)を一体的に連結する前進用クラッチ10が設けられ、またリングギヤ6を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ11が設けられている。
【0016】
無段変速機1は、従来知られているベルト式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリ12と従動プーリ13とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ14,15によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリ12,13の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ12,13に巻掛けたベルト16の巻掛け半径(プーリ12,13の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリ12が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ9に連結されている。
【0017】
なお、従動プーリ13における油圧アクチュエータ15には、無段変速機1に入力されるトルクに応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって、従動プーリ13における各シーブがベルト16を挟み付けることにより、ベルト16に張力が付与され、各プーリ12,13とベルト16との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。
【0018】
無段変速機1の伝達トルク容量はこのベルト挟圧力に応じた容量となる。この挟圧力を設定する油圧、すなわち油圧アクチュエータ15における油圧を検出する油圧センサー17が設けられている。これに対して駆動プーリ12における油圧アクチュエータ14には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。
【0019】
上記の従動プーリ13が、ギヤ対18を介してディファレンシャル19に連結され、このディファレンシャル19から駆動輪20にトルクを出力するようになっている。
【0020】
上記の無段変速機1およびエンジン3を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、エンジン3の回転数を検出して信号を出力するエンジン回転数センサー21、駆動プーリ12の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー22、駆動輪20の回転数を検出して信号を出力する車輪速センサー23が設けられている。また、特には図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力するアクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を検出して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセンサーなどが設けられている。
【0021】
上記の前進用クラッチ10および後進用ブレーキ11の係合・解放の制御、および前記ベルト16の挟圧力の制御、ならびに変速比の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)24が設けられている。この電子制御装置24は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定などの制御を実行するように構成されている。
【0022】
ここで、変速機用電子制御装置24に入力されているデータ(信号)の例を示すと、無段変速機1の入力回転数Ninの信号、無段変速機1の出力回転数No の信号が、それぞれに対応するセンサ22,27から入力されている。また、エンジン3を制御するエンジン用電子制御装置(E/G−ECU)25からは、エンジン回転数Ne の信号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されている。
【0023】
さらに、上記の車両は、車輪のロックを回避するためのアンチロックブレーキシステム(ABS)を備えている。そのアンチロックブレーキシステムを構成する電子制御装置(ABS−ECU)26から変速機用電子制御装置24に、駆動輪(タイヤ)20の滑り判定信号などが入力されている。
【0024】
無段変速機1によれば、入力回転数であるエンジン回転数を無段階に制御できるので、これを搭載した車両の燃費を向上できる。例えば、アクセル開度などによって表される要求駆動量と車速とに基づいて目標駆動力が求められ、その目標駆動力を得るために必要な目標出力が目標駆動力と車速とに基づいて求められ、その目標出力を最適燃費で得るためのエンジン回転数が予め用意したマップに基づいて求められ、そして、そのエンジン回転数となるように変速比が制御される。
【0025】
そのような燃費向上の利点を損なわないために、無段変速機1における動力の伝達効率が良好な状態に制御される。具体的には、無段変速機1のトルク容量すなわちベルト挟圧力が、エンジントルクに基づいて決まる目標トルクを伝達でき、かつベルト16の滑りが生じない範囲で可及的に低いベルト挟圧力に制御される。
【0026】
一方、車両が走行している際にエンジン3が出力するトルクや駆動輪20から入力されるトルクあるいは変速比などは、走行路の勾配や凹凸、加減速操作などに基づいて多様に変化するので、ある程度の安全率を見込んで目標となる理論挟圧力が設定される。しかしながら、車両が停止状態またはニュートラル状態の場合、前記駆動輪20から入力されるトルクあるいは変速比に変化が生じないので、前記安全率の分の挟圧力が過剰に増加している。そこでこの発明に係る制御装置は、車両停止時あるいは無段変速機1もしくはこれを含む駆動系統のニュートラル状態に応じて路面入力相当分の挟圧力(伝達トルク容量)の増加を禁止する。具体的には、図1に示す制御が実行される。
【0027】
図1において、先ず、エンジン3側からの入力トルクに対応する理論挟圧力が求められる(ステップS1)。具体的には、従動プーリ13における油圧アクチュエータ15による理論挟圧力Poutが、下記の式で計算される。
Pout=Tt・cos(α)/(2・μ・Rin・Aout)
【0028】
ここで、Ttは入力トルク、αはプーリー13でのベルト16の侠角、μはプーリー13とベルト16との摩擦係数、Rinは駆動プーリー12におけるベルト16の掛かり径(巻掛け半径)、Aoutは従動プーリ13の受圧面積である。
【0029】
つぎに路面の状態に応じて駆動輪20側から大きいトルクが入力するか否かを順に判断する。すなわち、先ず、車両が完全停止状態か否かが判断される(ステップS2)。この判断は、車速がゼロか否かの判断によっておこなってもよいが、道路標識に従った一時停止や歩行者を優先させるための一時停止などの直後に発進・加速が予測される停止によって停止判断が成立することを避けるために、いわゆる完全停止を判断することが好ましい。一例として変速機用電子制御装置24に入力されるアクセル開度センサーからのアクセル開度信号(もしくはアイドルスイッチからの信号)によってアクセル全閉が判断され、ブレーキセンサー(図示せず)からの信号によってブレーキONが判断され、エンジン回転数センサー21および入力回転数センサー22および出力回転数センサー27および車輪速センサー23からの信号によって、車速0が判断された場合に、完全停止の判断が成立する。なお、この車両完全停止の判断が成立する条件としては、上記の条件の他に油温条件、エンジン水温条件、シフトレンジ条件等を加えることができる。
【0030】
ステップ2で肯定的に判断された場合、ナビゲーション装置による悪路判定が行われる(ステップS3)。このナビゲーション装置の例として、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)や地磁気センサあるいはジャイロセンサを使用した自律航法により、電子化された地図上に自車両の位置を示して目的地まで案内するシステムが知られている。この種のナビゲーション装置によれば、車両が位置している現在地の周囲の道路状況や走行予定路などの前方の道路の状況を検出することができ、それに併せてそれらの道路の舗装状態、勾配、一般路か自動車専用路かの区別などの道路情報を記憶しておき、かつ出力できるので、ステップS3ではこれを利用して現在の道路もしくはその前方の道路が、凹凸のあるいわゆる悪路か否かが判断される。また、ナビゲーション装置によらず、出力回転数もしくは、出力回転数の変化率等により悪路を判定してもよい。
【0031】
ステップS3で否定的に判断された場合、坂路勾配が小さいか否かが判断される(ステップ4)。具体的には、スロットル開度や加速度の検出信号が変速機用電子制御装置24に入力され、その加速度が予め設定されている所定値以下か否かよってもしくは勾配センサーによって勾配が判断される。この判断を行うのは、車両が登坂路あるいは降坂路を走行している場合にアクセル開度や制動力などによる車両の挙動の変化が急激になり、あるいは大きくなることがあり、その際に無段変速機1に大きいトルクが作用する可能性が高いからである。
【0032】
また、ステップS2またはステップS4で否定的に判断された場合、もしくは、ステップS3で肯定的に判断された場合、ステップS5に進む。このとき、ステップS2、ステップS3、ステップS4によって、車両が停止状態でない、または車両停止状態にあっても悪路である、または車両停止状態かつ悪路でなくても坂路であると判断されている。したがって、この状態では、路面入力に伴って無段変速機1に作用するトルクが大きくなることが予想されるので、理論挟圧力に路面入力対応分の挟圧力が加算される(ステップS5)。ベルト挟圧力を全体として高くするためである。
【0033】
つぎに挟圧力についての各種補正が行われる(ステップS6)。このステップS6では、例えば、リターンスプリング分の挟圧力補正、遠心油圧相当分の補正などの挟圧力についての各種の補正制御が実行され、最終的な挟圧力が算出される。こうして求められた挟圧力を設定するように前記従動プーリー13側の油圧アクチュエータ15の油圧が制御される。
【0034】
一方、ステップS2,S4において肯定的にかつステップS3で否定的に判断された場合、すなわち、車両停止かつ悪路ではないかつ坂路ではないと判断された場合、直ちにステップS6に進む。したがって、上述したステップS5における路面入力対応分の挟圧力を加算する制御が省略すなわち禁止される。その結果、挟圧力が相対的に低下させられ、挟圧力が不必要に高くなる事態が防止もしくは抑制される。
【0035】
ここで、ステップS3,S4のいずれかを省略し車両停止時(ステップS2のみ)、車両停止かつ悪路ではない時(ステップS2,S3のみ)、車両停止かつ坂路ではない時(ステップS2,S4のみ)にステップS6に進むようにしてある。
【0037】
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、上述したステップS2で肯定的に判断された場合に、ステップS5を迂回してステップS6に進む機能的手段が、この発明の禁止手段に相当する。
【0038】
図3にこの発明に係る他の制御例を示す。図3に示す例は、図1に示すフローチャートにおけるステップS2に代替されるステップS2−1を示している。このステップS2−1では、車両のニュートラル状態が判断される。この判断ステップは、要は、エンジン3と駆動輪20との間の駆動系統が、トルクを伝達しない遮断状態にあるか否かを判断するものであって、一例として、前述した前進クラッチ10および後進ブレーキ11が共に解放されているか否か、あるいはそれらの係合圧が所定値以下か否かを判断することによりニュートラル状態が判断される。なお、駆動系統にいわゆる発進クラッチを設けている場合には、その発進クラッチの係合・解放状態もしくは係合圧に基づいてニュートラル状態を判断することができる。
【0039】
ステップS2−1において車両がニュートラル状態と判断された場合、ステップS3,S4,S6に進む。したがって、車両がニュートラル状態でかつ路面が悪路でなくかつ坂路勾配が小さい場合に前述したステップS5における路面入力対応分の挟圧力を加算する制御が省略すなわち禁止される。その結果、車両がニュートラル状態にある場合には、挟圧力が不必要に高くなる事態が防止もしくは抑制される。
【0040】
したがって、上記の図3に示す制御を行うこの発明に係る制御装置では、車両がニュートラル状態と判断され、かつ路面が悪路でなく、また坂路勾配が小さいことが判断されると、挟圧力に路面入力分の挟圧力が加算されなくなる。その結果、燃費の低下や無段変速機の耐久性を向上させることができる。また、その場合、車両が走行していて路面からの入力トルクが無段変速機1に伝達されるとしても、無段変速機1とエンジン3とが連結されていないので、無段変速機1の回転変化に対してエンジン3の慣性トルクが抵抗力として作用しない。その結果、路面の状態の変化に基づいて駆動輪20側から入力されるトルクが変化しても、無段変速機1に作用するトルクが抑制されるので、無段変速機1の過剰な滑りが回避もしくは抑制される。
【0041】
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、無段変速機はベルト式のもの以外にトラクション式無段変速機であってもよい。また、伝達トルク容量の制御は、上述した従動プーリー13側の油圧アクチュエータ15の油圧によって制御する以外に、駆動プーリー12側の油圧アクチュエータ14の油圧によって制御するなど適宜に手段を採用することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または2の発明によれば、無段変速機の挟圧力などによる伝達トルク容量の増加が、路面の状態の変化がない場合あるいはいわゆる路面入力がない場合もしくはいわゆる路面入力があっても無段変速機に大きいトルクが作用する可能性が低い場合には禁止されるので、車両の停止時やニュートラル状態時などに挟圧力を不必要に大きくすることを回避もしくは抑制でき、その結果、その無段変速機を搭載した車両の燃費やその変速機の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 この発明で対象とする無段変速機を含む駆動装置を模式的に示す図である。
【図3】 図1に示すステップS2に置き換えることのできる判断ステップの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 3…エンジン、 12…駆動プーリー、 13…従動プーリー、 16…ベルト、 20…駆動輪、 24…変速機用電子制御装置(CVT−ECU)。
Claims (2)
- 車両に搭載された無段変速機の伝達トルク容量を、動力源側から入力されるトルクに基づいて設定するとともに、路面の状態に基づいて前記伝達トルク容量を増大させる無段変速機の制御装置において、
前記車両が停止していることが判断されかつ路面が悪路でないことおよび坂路勾配が予め定めた所定値以下であることが判断された場合に、前記路面の状態に基づく前記伝達トルク容量の増大を禁止する禁止手段と、
前記車両が停止していることが判断されるとともに路面が悪路であることの判断もしくは坂路勾配が予め定めた所定値を超えていることの判断がなされた場合に路面の状態に基づいて前記伝達トルク容量を増大させる手段と
を備えていることを特徴とする無段変速機の制御装置。 - 動力源の出力トルクを車輪に伝達する駆動系統に介在された無段変速機の伝達トルク容量を、前記動力源側から入力されるトルクに基づいて設定するとともに、路面の状態に基づいて前記伝達トルク容量を増大させる無段変速機の制御装置において、
前記駆動系統でのトルクの伝達が遮断されかつ路面が悪路でないことおよび坂路勾配が予め定めた所定値以下であることが判断された場合に、前記路面の状態に基づく前記伝達トルク容量の増大を禁止する禁止手段と、
前記駆動系統でのトルクの伝達が遮断されていることが判断されるとともに路面が悪路であることの判断もしくは坂路勾配が予め定めた所定値を超えていることの判断がなされた場合に路面の状態に基づいて前記伝達トルク容量を増大させる手段と
を備えていることを特徴とする無段変速機の制御装置。
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