JP2003329126A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2003329126A JP2003030799A JP2003030799A JP2003329126A JP 2003329126 A JP2003329126 A JP 2003329126A JP 2003030799 A JP2003030799 A JP 2003030799A JP 2003030799 A JP2003030799 A JP 2003030799A JP 2003329126 A JP2003329126 A JP 2003329126A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機の劣化の程度、特にベルトなどの
伝動部材の劣化の程度を検出する。 【解決手段】 入力部材と出力部材との間にトルクの伝
達を媒介する伝動部材を介在させた無段変速機の制御装
置であって、前記伝動部材を介した動力の伝達量が低下
する伝動部材の劣化の程度を検出する劣化検出手段(ス
テップS11)を備えている。伝動部材が劣化すると、
動力の伝達に変調を来すが、その動力の伝達の変調の要
因として伝動部材の劣化の程度を検出するため、伝動部
材の劣化の程度に対応した制御を採ることが可能にな
り、ひいては無段変速機での動力の伝達効率を向上さ
せ、あるいは無段変速機を使用し得なくなるなどの損傷
を未然に回避することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ベルトやパワー
ローラあるいはこれらに付随するトラクションオイルな
どのトルクの伝達を媒介する部材を、プーリやディスク
などの回転部材の間に挟み込み、その状態で入力側の回
転部材から出力側の回転部材に動力を伝達し、かつこれ
らの回転部材の回転速度比(変速比)を連続的に変化さ
せるように構成された無段変速機に関し、特にその制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無段変速機は、ベルトやパワーローラな
どのトルクの伝達を媒介する部材とプーリやディスクと
の接触位置あるいはトルク伝達位置を連続的に変化させ
て、変速比を無段階に変更するように構成されている。
そのトルクの伝達は、摩擦力あるいはトラクションオイ
ルのせん断力を利用しておこなわれる。したがって、ト
ルクを伝達する部材とプーリあるいはディスクとの接触
圧あるいはトルクを伝達する部材を挟み付ける圧力(す
なわち挟圧力)と、摩擦係数あるいはトラクションオイ
ルのせん断力とに基づいて定まるトルク容量を超えてト
ルクが作用すると、ベルトやパワーローラの滑りが生じ
る。
【0003】ベルトやパワーローラの滑りが過剰に生じ
ると、プーリやディスクに摩耗が生じ、その結果、その
摩耗部分でのトルクの伝達ができなくなって無段変速機
としての機能を果たさなくなる。そのため、例えば特開
平6−11022号公報に記載された発明では、実変速
比の変化率と理論変速比の変化率とを比較して、無段変
速機におけるベルトの滑りの有無を検出し、ベルトの滑
りが検出された場合には、ライン圧を増加させるように
構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように無段変
速機におけるトルクの伝達は、ベルトとプーリとの間の
摩擦力やトラクションオイルのせん断応力によっておこ
なわれる。したがって無段変速機の伝達トルク(あるい
はトルク容量)は、挟圧力とこれら摩擦力あるいはせん
断力との両方で決まる。その伝達トルクが、無段変速機
に作用するトルクより小さくなると滑りが生じるが、上
記の公報に記載された発明は、その伝達トルクを決める
要因のうち、挟圧力のみに着目し、滑りの発生によっ
て、伝達トルクを増大させるべく挟圧力を高くしてい
る。
【0005】しかしながら、ベルトやパワーローラある
いはこれに付随するトラクションオイルなどの動力の伝
達を媒介する部材は不可避的に劣化し、それに伴って伝
達される動力もしくはトルクが低下する。そのような劣
化が生じた状態で挟圧力を高くすれば、伝達トルクを増
大させることができるが、伝動部材の劣化に相当する
分、挟圧力を高くする必要がある。その結果、挟圧力を
高くするためにライン圧を昇圧すれば、油圧ポンプを駆
動するために消費する動力が増加するから、燃費の悪化
要因が増えることになる。
【0006】また、伝動部材の劣化が進行して滑りが生
じているにも関わらず、単に挟圧力を高くしたのであれ
ば、極端な場合、無段変速機での滑りを有効に防止する
ことができなくなる。いずれにしても、従来では、伝動
部材の劣化やその対応などに着目した技術がなく、無段
変速機の安定的な制御をおこなう点で新たな技術を開発
する必要があった。
【0007】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであって、無段変速機の経時的な変化に応
じた制御をおこなうことを可能にする制御装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、入力部材と出
力部材との間にトルクの伝達を媒介する伝動部材を介在
させた無段変速機の制御装置において、前記伝動部材を
介した動力の伝達量が低下する伝動部材の劣化の程度を
検出する劣化検出手段を備えていることを特徴とする制
御装置である。
【0009】したがって請求項1の発明では、無段変速
機における入力部材と出力部材との間での動力の伝達を
媒介する伝動部材が劣化すると、動力の伝達に変調を来
すが、その動力の伝達の変調の要因として伝動部材の劣
化の程度を検出する。そのため、伝動部材の劣化の程度
に対応した制御を採ることが可能になる。
【0010】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、前記入力部材および出力部材のいずれか一方
と前記伝動部材との間の相対滑りと前記伝動部材を介し
て伝達される動力との相互関係を求める動力伝達関係検
出手段を更に備え、前記劣化検出手段が、その動力伝達
関係検出手段で求められた前記相互関係に基づいて前記
伝動部材の劣化の程度を検出するように構成されている
ことを特徴とする制御装置である。
【0011】したがって請求項2の発明では、入力部材
と出力部材との少なくともいずれか一方と伝動部材との
相対的な滑りとそれらの間で伝達される動力との相互関
係が求められ、その相互関係に基づいて伝動部材の劣化
の程度が検出される。そのため、請求項1の発明と同様
に、伝動部材の劣化の程度に対応した制御を採ることが
可能になるうえに、伝動部材の劣化の程度が適切に検出
される。
【0012】さらに、請求項3の発明は、請求項2の発
明において、前記無段変速機での滑りを検出する滑り検
出手段を更に備え、前記劣化検出手段が、前記滑り検出
手段で前記無段変速機での滑りが出される前の前記相互
関係と滑りが検出された後の前記相互関係とを比較して
前記伝動部材の劣化の程度を検出するように構成されて
いることを特徴とする制御装置である。
【0013】したがって請求項3の発明では、無段変速
機での滑りが検出された場合、その滑りが生じる以前の
前記相互関係と、滑りが生じた後の前記相互関係とが比
較される。そして、その比較の結果に基づいて伝動部材
の劣化の程度が検出される。そのため、請求項2の発明
と同様に、伝動部材の劣化の程度に対応した制御を採る
ことが可能になるうえに、伝動部材の劣化の程度が適切
に検出される。
【0014】そして、請求項4の発明では、請求項1の
発明において、前記無段変速機の熱負荷を検出する熱負
荷検出手段を更に備え、前記劣化検出手段が、その熱負
荷検出手段で検出された熱負荷に基づいて前記伝動部材
の劣化の程度を検出するように構成されていることを特
徴とする制御装置である。
【0015】したがって請求項4の発明では、動力を伝
達している状態での無段変速機の熱負荷が検出され、そ
の検出された熱負荷に基づいて伝動部材の劣化の程度が
検出される。そのため、請求項1の発明と同様に、伝動
部材の劣化に対応した制御を採ることが可能になるうえ
に、伝動部材の劣化が適切に検出される。
【0016】さらにまた、請求項5の発明では、請求項
1の発明において、前記劣化検出手段が、前記入力部材
もしくは出力部材のいずれか少なくとも一方で前記伝動
部材を挟み付ける挟圧力に基づいて前記伝動部材の劣化
の程度を検出するように構成されていることを特徴とす
る制御装置である。
【0017】したがって請求項5の発明では、無段変速
機での挟圧力に基づいて伝動部材の劣化の程度が検出さ
れる。そのため、請求項1の発明と同様に、伝動部材の
劣化に対応した制御を採ることが可能になるうえに、伝
動部材の劣化が適切に検出される。
【0018】そしてさらに、請求項6の発明は、請求項
1ないし5のいずれかの発明において、前記劣化検出手
段で検出された前記伝動部材の劣化の程度に基づいて前
記無段変速機を制御する制御手段を更に備えていること
を特徴とする制御装置である。
【0019】したがって請求項6の発明では、伝動部材
の劣化の程度が検出されると、その劣化の程度に応じた
無段変速機の制御が実行される。そのため、無段変速機
の制御の内容が、伝動部材の劣化の程度に対応したもの
となり、無段変速機の制御が適正化される。
【0020】また、請求項7の発明では、請求項4の発
明において、前記伝動部材がベルトとされるとともに、
前記入力部材および出力部材に巻き掛けられるベルトの
周回状態に基づいて、滑り期間を求める滑り期間検出手
段を更に備え、前記熱負荷検出手段がこの滑り期間に基
づいて前記熱負荷を求めるように構成されていることを
特徴とする請求項4に記載の無段変速機の制御装置であ
る。
【0021】したがって請求項7の発明では、前記熱負
荷が、ベルトと前記入力部材および出力部材のいずれか
一方との滑り期間に基づいて検出される。そのため、請
求項4の発明と同様に、伝動部材の劣化に対応した制御
を採ることが可能になるうえに、伝動部材の劣化検出精
度が更に向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。先ず、この発明で対象とする車両の駆動機
構およびその制御系統について説明すると、図11は、
ベルト式無段変速機1を変速機として含む駆動機構を模
式的に示しており、その無段変速機1は、前後進切換機
構2およびロックアップクラッチ3付きの流体伝動機構
4を介して動力源5に連結されている。
【0023】その動力源5は、内燃機関、あるいは内燃
機関と電動機、もしくは電動機などによって構成され、
要は、走行のための動力を発生する駆動部材である。な
お、以下の説明では、動力源5をエンジン5と記す。ま
た、流体伝動機構4は、例えば従来のトルクコンバータ
と同様の構成であって、エンジン5によって回転させら
れるポンプインペラとこれに対向させて配置したタービ
ンランナーと、これらの間に配置したステータとを有
し、ポンプインペラで発生させたフルードの螺旋流をタ
ービンランナーに供給することよりタービンランナーを
回転させ、トルクを伝達するように構成されている。
【0024】このような流体を介したトルクの伝達で
は、ポンプインペラとタービンランナーとの間に不可避
的な滑りが生じ、これが動力伝達効率の低下要因となる
ので、ポンプインペラなどの入力側の部材とタービンラ
ンナーなどの出力側の部材とを直接連結するロックアッ
プクラッチ3が設けられている。なお、このロックアッ
プクラッチ3は、油圧によって制御するように構成さ
れ、完全係合状態および完全解放状態、ならびにこれら
の中間の状態であるスリップ状態に制御され、さらにそ
のスリップ回転数を適宜に制御できるようになってい
る。
【0025】前後進切換機構2は、エンジン5の回転方
向が一方向に限られていることに伴って採用されている
機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、ま
た反転して出力するように構成されている。図11に示
す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の
遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ6
と同心円上にリングギヤ7が配置され、これらのサンギ
ヤ6とリングギヤ7との間に、サンギヤ6に噛合したピ
ニオンギヤ8とそのピニオンギヤ8およびリングギヤ7
に噛合した他のピニオンギヤ9とが配置され、これらの
ピニオンギヤ8,9がキャリヤ10によって自転かつ公
転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具
体的にはサンギヤ6とキャリヤ10と)を一体的に連結
する前進用クラッチ11が設けられ、またリングギヤ7
を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方
向を反転する後進用ブレーキ12が設けられている。
【0026】無段変速機1は、従来知られているベルト
式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置さ
れた駆動プーリ13と従動プーリ14とのそれぞれが、
固定シーブと、油圧式のアクチュエータ15,16によ
って軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって
構成されている。したがって各プーリ13,14の溝幅
が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化
し、それに伴って各プーリ13,14に巻掛けたベルト
17の巻掛け半径(プーリ13,14の有効径)が連続
的に変化し、変速比が無段階に変化するようになってい
る。そして、上記の駆動プーリ13が前後進切換機構2
における出力要素であるキャリヤ10に連結されてい
る。したがって駆動プーリ13がこの発明の入力部材に
相当し、また従動プーリ14がこの発明の出力部材に相
当し、さらにベルト17がこの発明の伝動部材に相当し
ている。
【0027】なお、従動プーリ14における油圧アクチ
ュエータ16には、無段変速機1に入力されるトルクに
応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示し
ない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されて
いる。したがって、従動プーリ14における各シーブが
ベルト17を挟み付けることにより、ベルト17に張力
が付与され、各プーリ13,14とベルト17との挟圧
力(接触圧力)が確保されるようになっている。これに
対して駆動プーリ13における油圧アクチュエータ15
には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目
標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するよう
になっている。なお、従動プーリ14の油圧アクチュエ
ータ16には、その油圧を検出する油圧センサー28が
付設されている。
【0028】上記の従動プーリ14が、ギヤ対18を介
してディファレンシャル19に連結され、このディファ
レンシャル19から駆動輪20にトルクを出力するよう
になっている。したがって上記の駆動機構では、エンジ
ン5と駆動輪20との間に、ロックアップクラッチ3と
無段変速機1とが直列に配列されている。
【0029】上記の無段変速機1およびエンジン5を搭
載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各
種のセンサーが設けられている。すなわち、無段変速機
1に対する入力回転数(前記タービンランナーの回転
数)を検出して信号を出力するタービン回転数センサー
21、駆動プーリ13の回転数を検出して信号を出力す
る入力回転数センサー22、従動プーリ14の回転数を
検出して信号を出力する出力回転数センサー23、駆動
輪20の回転数を検出して信号を出力する車輪速センサ
ー24が設けられている。また、特には図示しないが、
アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力する
アクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を検出
して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレーキ
ペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセ
ンサーなどが設けられている。
【0030】上記の前進用クラッチ11および後進用ブ
レーキ12の係合・解放の制御、および前記ベルト17
の挟圧力の制御、ならびに変速比の制御、さらにはロッ
クアップクラッチ3の制御をおこなうために、変速機用
電子制御装置(CVT−ECU)25が設けられてい
る。この電子制御装置25は、一例としてマイクロコン
ピュータを主体として構成され、入力されたデータおよ
び予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラム
に従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュート
ラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設
定、ならびに変速比の設定、ロックアップクラッチ3の
係合・解放ならびにスリップ回転数などの制御を実行す
るように構成されている。
【0031】ここで、変速機用電子制御装置25に入力
されているデータ(信号)の例を示すと、無段変速機1
の入力回転数Ninの信号、無段変速機1の出力回転数N
o の信号が、それぞれに対応するセンサ(図示せず)か
ら入力されている。また、エンジン5を制御するエンジ
ン用電子制御装置(E/G−ECU)26からは、エン
ジン回転数Ne の信号、エンジン(E/G)負荷の信
号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)
の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されて
いる。さらに、上記の無段変速機1は、パーキングやリ
バース、ニュートラル、ドライブなどの走行ポジション
をシフト装置27によって選択するように構成されてお
り、そのシフト装置27によって選択されたポジション
の信号が、変速機用電子制御装置25に入力されてい
る。
【0032】無段変速機1によれば、入力回転数である
エンジン回転数を無段階に制御できるので、これを搭載
した車両の燃費を向上できる。例えば、アクセル開度な
どによって表される要求駆動量と車速とに基づいて目標
駆動力が求められ、その目標駆動力を得るために必要な
目標出力が目標駆動力と車速とに基づいて求められ、そ
の目標出力を最適燃費で得るためのエンジン回転数が予
め用意したマップに基づいて求められ、そして、そのエ
ンジン回転数となるように変速比が制御される。
【0033】そのような燃費向上の利点を損なわないた
めに、無段変速機1における動力の伝達効率が良好な状
態に制御される。具体的には、無段変速機1のトルク容
量すなわちベルト挟圧力が、エンジントルクに基づいて
決まる目標トルクを伝達でき、かつベルト17の滑りが
生じない範囲で可及的に低いベルト挟圧力に制御され
る。
【0034】このような制御は、要は、無段変速機1に
おける伝達トルクに所定の余裕を与えるための挟圧力の
制御であるが、無段変速機1の伝達トルクは、挟圧力の
みによって決まらないのであり、ベルト17などの伝動
部材の特性によっても影響を受ける。すなわちベルト1
7の劣化によって摩擦係数が低下していれば、無段変速
機1で設定される伝達トルクが低くなり、挟圧力を相対
的に高くしなければならなくなる。そこでこの発明の制
御装置は、伝動部材の劣化の程度を検出し、その伝動部
材の劣化の程度に応じた制御を実行するように構成され
ている。
【0035】図1はその制御例を示すフローチャートで
あって、先ず、所定トリップが経過したか否かが判断さ
れる(ステップS1)。これは、例えばトリップ用のカ
ウンターを設けておき、エンジン5を始動する都度、こ
のトリップ用カウンターをインクリメントし、そのカウ
ント値が所定値に達したか否かによって判断することが
できる。
【0036】このステップS1で肯定的に判断された場
合には、後述する動力伝達勾配の変化量が所定値を超え
た回数を計数するカウンターCをゼロリセット(ステッ
プS2)した後、ステップS3に進む。これに対してス
テップS1で否定的に判断された場合、すなわち所定ト
リップに達していない場合には、ステップS2を飛ばし
て直ちにステップS3に進む。
【0037】ステップS3では、ベルト17の滑り(い
わゆるマクロスリップ)がチェックされる。これは、例
えば無段変速機1の入力回転数と出力回転数ないしは変
速比とに基づいて判断することができ、あるいは入力回
転数もしくは出力回転数の単位時間内での変化量に基づ
いて判断することもできる。
【0038】ベルト17の滑りが検出されたことにより
ステップS3で肯定的に判断された場合には、無段変速
機1での滑りに対応した制御が実行される(ステップS
4)。この対応制御は、一例として前記従動プーリ14
の油圧アクチュエータ16には供給する油圧を高くして
ベルト挟圧力を増大させる制御であり、あるいはこれに
替えて、もしくはこれと併せて実行される、エンジン5
での点火時の遅角制御もしくはスロットル開度の減少な
どによってエンジントルクを低下させる制御である。そ
の後、フラグFが“1”にセット(ステップS5)され
てリターンする。
【0039】一方、ベルト17の滑りが生じていないこ
とによりステップS3で否定的に判断された場合には、
挟圧力を復帰させる制御が実行される(ステップS
6)。すなわちベルト17の滑りが生じた場合には、前
記ステップS4で滑り対応制御が実行されて挟圧力が昇
圧されていることがある。ステップS6では、そのよう
な昇圧を解除して元の挟圧力に戻す制御が実行される。
したがって挟圧力の昇圧が事前に実行されていない場合
には、このステップS6では特に制御は実行されない。
【0040】その後、車両の走行状態が定常状態か否か
が判断される(ステップS7)。ここで、定常走行状態
とは、車速の変化量、アクセル開度などの出力要求量な
いしはエンジン負荷の変化量、変速比の変化量のいずれ
もが所定値以内であること、もしくはそれらのうちのい
ずれかが所定値以内であることの条件が成立する走行状
態である。定常走行状態でないことによりこのステップ
S7で否定的に判断された場合には、特に制御をおこな
うことなくリターンする。
【0041】すなわちここで説明している制御例では、
ベルト17の滑りが生じると、挟圧力が増加させられる
が、その後にベルト滑りがなくなれば、挟圧力が低下さ
せられる。
【0042】また、上記のステップS7で肯定的に判断
された場合には、動力伝達勾配が演算によって求められ
る(ステップS8)。この動力伝達勾配は、駆動プーリ
13と従動プーリ14とのいずれについて求めてもよい
が、定常走行状態では変速比が最小値に近い値になって
いて、従動プーリ14でのベルト17の巻き掛け半径が
小さくなっている。そのため、従動プーリ14側でベル
ト17の滑りが生じやすいので、従動プーリ14につい
て動力伝達勾配を演算して求めることとしてもよい。
【0043】ここで、動力伝達勾配とは、無段変速機1
における微少滑りを含む滑り速度と伝達駆動力との関係
を示す特性線の所定の滑り速度での勾配(接線の勾配)
として表される値である。これを、図2に模式的に示し
てある。
【0044】より詳しくは特願2001−208123
号の願書に添付した明細書に記載されているとおりであ
り、これを簡略化して説明すれば、上記の無段変速機1
における駆動プーリ13および従動プーリ14ならびに
ベルト17の運動方程式から(1)式が得られる。
【式1】
【0045】ここで、
【式2】 である。なお、 τ:サンプリング周期、M:ベルトの等価慣性、R1 ,
R2 :各プーリへの巻き掛け半径、J1 ,J2 :各プー
リの慣性、F2 :各プーリの伝達トルクと定数とからな
る項、K2 :従動プーリでの動力伝達勾配である。
【0046】上記のY2 とξとは、検出した回転速度ω
と定数とからなるので、最小二乗法などにより、θ(動
力伝達勾配とトルク項)のセットが求められる。こうし
て、動力伝達勾配を演算することができる。したがって
この動力伝達勾配がこの発明における「相互関係」に相
当する。
【0047】動力伝達勾配が演算された後に、フラグF
について判断される(ステップS9)。前述したように
このフラグFは、ベルト17の滑りが検出された場合に
“1”にセットされるフラグであり、したがってフラグ
Fが“0”であれば、ベルト17の滑りが直前に発生し
たことがなく、かつ定常走行状態での動力伝達勾配が求
められていることになるので、その動力伝達勾配が運転
条件に対応させてマップに記憶され(ステップS1
0)、その後にリターンする。
【0048】ここで運転条件とは、車速もしくは無段変
速機1に対する入力回転数と、変速比と、アクセル開度
もしくはエンジン負荷となどによって定まる車両の状態
である。なお、これらの条件の組み合わせは多数存在す
るので、運転条件を複数の領域に分け、それらの領域毎
に動力伝達勾配を記憶するのが一般的である。このよう
にステップS10で動力伝達勾配をマップに記憶するこ
とにより、運転条件に対応して動力伝達勾配の最新値が
更新されることになる。
【0049】一方、フラグFが“1”に設定されている
ことがステップS9で判断された場合には、動力伝達勾
配の低下量(低下幅)が予め定めた所定値以上か否かが
判断される(ステップS11)。フラグFが“1”の場
合、この判断ステップに到る前にベルト17の滑りが生
じているので、その要因としてトルクが一時的に増大し
たことや挟圧力が何らかの原因で一時的に低下したこと
に加え、ベルト17の劣化による摩擦係数の低下が考え
られる。
【0050】動力伝達勾配は、図2に示すように、無段
変速機1における駆動プーリ13もしくは従動プーリ1
4とベルト17との相対滑り速度と動力の伝達量とを示
す特性曲線上での所定の相対滑り速度における勾配(接
線の勾配)である。したがってこれを所定の出力回転数
および変速比について、滑り速度と伝達トルクとをパラ
メータとして書き直せば、図3のとおりである。この図
3に示すように、動力伝達勾配が低下すると、所定の伝
達トルクT0 に対する滑り速度が増大し、許容できる滑
りの限界に近づく。これは、ベルト17の摩擦係数の低
下として現れる劣化の程度を示している。
【0051】そこで、ベルト17の劣化の程度の判定も
しくは検出のために、動力伝達勾配の低下量を判断する
こととしたのである。この判断は、具体的には、既に記
憶している値と上記のステップS8で求められた値とを
比較することによりおこなうことができる。
【0052】したがって動力伝達勾配の低下量が所定値
以上であることによりステップS11で肯定的に判断さ
れた場合には、ベルト17の劣化が進行していることに
なるので、前述したカウンターCがインクリメントされ
る(ステップS12)。そして、このカウンターCの積
算値が予め定めた所定値C0 以上になったか否かが判断
される(ステップS13)。この所定値C0 は、“1”
であってもよく、あるいは“2”以上の数値であっても
よい。例えば上記の動力伝達勾配の低下量を判断するし
きい値を相対的に大きい値に設定した場合には、ステッ
プS11で肯定的に判断された場合に直ちにベルト17
の劣化の程度が大きいと判断するために、前記所定値C
0 は“1”に設定する。
【0053】このステップS13で肯定的に判断された
場合には、ベルト17の劣化が進行していることにな
り、無段変速機1での滑り速度が増大し、あるいは過大
な滑り(マクロスリップ)に到るまでの伝達トルクの余
裕が少なくなっていることになるので、挟圧力が高くな
るように補正される(ステップS14)。その昇圧量
は、マップなどの形式で予め定めた量であってよい。し
たがってベルト17の劣化の程度に応じた挟圧力の昇圧
制御が実行され、無段変速機1での伝達トルクが従前と
ほぼ同じに維持される。
【0054】こうして挟圧力を昇圧した後、フラグFを
“0”にセットし、かつカウンターCをゼロリセットし
た後(ステップS15)、リターンする。なお、上記の
ステップS11で否定的に判断された場合、すなわち動
力伝達勾配の低下量が所定値より小さい場合、およびカ
ウンターCの積算値が所定値C0 に達していないことに
よりステップS13で否定的に判断された場合には、フ
ラグFを“0”にセットした後(ステップS16)、リ
ターンする。
【0055】上記のように図1に示す制御を実行するこ
の発明の制御装置によれば、動力伝達勾配の変化に基づ
いてベルト17の劣化の程度を検出することができる。
そのため、ベルト17の劣化の程度に応じた制御を実行
することが可能になる。上記の例では、挟圧力を昇圧し
てベルト17の過大な滑り(マクロスリップ)が生じる
ことを未然に回避することができる。言い換えれば、ベ
ルト17などの伝動部材の劣化の程度に応じた適正な制
御を採ることができる。特に上記の例では、無段変速機
1の状態を反映している動力伝達勾配を劣化の判定もし
くは検出に採用し、さらにはベルト17の滑りの前後で
の動力伝達勾配を比較して劣化の程度を判定もしくは検
出するので、その劣化の程度をより適切に判定もしくは
検出することができる。
【0056】なお、ベルト17の劣化の程度の判定に伴
う挟圧力の昇圧の回数あるいはその昇圧値が所定回数も
しくは所定圧力に達した場合には、ベルト17の耐用限
界に達したこと、もしくは耐用限界に近づいたことの告
知をおこようこととしてもよい。また、ステップS11
で動力伝達勾配の低下量を判定することに替えて、動力
伝達勾配の増大を含む変化量を判定することとしてもよ
い。このように構成した場合には、ベルト17や各プー
リ13,14の摩擦面(トルク伝達面)が粗くなって動
力伝達勾配が一時的に増大する事態をも検出することが
できる。
【0057】上記の例は、動力伝達勾配を使用する例で
あるが、この発明では、これに替えてベルト17の滑り
に伴う熱量を使用してベルト17の劣化の程度を判定も
しくは検出するように構成することもできる。つぎにそ
の例を説明する。
【0058】図4は、上記の図1に示すステップS8お
よびステップS11を、それぞれステップS81および
ステップS111に変更し、これらのステップS81,
S111でベルト17の滑りに伴う熱量もしくは発熱率
を算出あるいは判定するように構成した例である。した
がって他の制御ステップは図1に示す制御例と同様なの
で、図4に図1と同一の符号を付してその説明を省略す
る。なお、図4に示す制御例では、図1に示すステップ
S7に相当する判断ステップおよびステップS10に相
当する制御ステップは設けられていない。動力伝達勾配
のような無段変速機1の特性を示すデータを検出してい
ないからである。
【0059】図4において、挟圧力の復帰制御(ステッ
プS6)に続くステップS9でフラグFについて判断さ
れ、直前にベルト滑りが発生したことによりフラグFが
“1”にセットされていた場合には、ベルト17の滑り
に伴う総熱量Qもしくは単位時間当たりの熱量(発熱
率)ΔQが計算される(ステップS81)。その計算の
手法は後述する。
【0060】図4に示す制御は、ベルト17の滑りに伴
う摩擦の熱量によってベルト17の劣化の程度を判定も
しくは検出するようにしたのである。なお、総熱量Qは
単位時間当たりの熱量ΔQを時間積分したものである。
【0061】ついで、ステップS81で求められた熱量
もしくは単位時間当たりの熱量ΔQが、予め判断基準値
として定めた所定値以上か否かが判断される(ステップ
S111)。
【0062】このステップS111で肯定的に判断され
た場合には、ベルト17の劣化が進行していて、滑り量
が多いことにより発熱量が多いことになるので、ステッ
プS12以降の前述した各制御ステップに進む。そし
て、この熱量が所定値以上となる回数がある程度多くな
ると、ステップS14が挟圧力が昇圧される。すなわ
ち、ベルト17の劣化に伴う滑りを抑制するために挟圧
力が昇圧される。
【0063】ここで、上記のステップS81で実行され
る熱量もしくは発熱率の計算手法について説明とする
と、その手順を図5にステップS81のサブルーチンと
して示してある。なお、ベルト17に滑りが生じた場合
の過渡特性を図6に示してある。
【0064】図5において、先ず、ベルト17に滑りが
生じた際の基準変速比γ’と、滑り開始時の変速比γ”
と、滑り時間とが確定される(ステップS8101)。
ベルト17が実際に滑ったことによる回転数変化に基づ
いて求められ滑り指標による滑りの判定は、実際の滑り
に対して不可避的に遅延する。そのためその滑り指標に
よる滑り判定の時点Dより所定時間T前から記憶してい
るデータに基づいて変速比γの変化率を求め、その変化
率と所定時間Tとから基準変速比γ’を求めることがで
きる。
【0065】また、滑り開始時変速比γ”は、図6のA
時点からC時点までの経過時間と変速比の変化率ならび
にA時点の変速比γとに基づいて、あるいはB時点から
C時点までの経過時間と変速比の変化率ならびにB時点
の変速比γとに基づいて求めることができる。さらに、
滑り時間は、実測された変速比γが、前記基準変速比
γ’に所定値Δγを加えたしきい値(γ’+Δγ)を超
えている時間(図6のC時点からE時点まで)として求
められる。
【0066】こうして確定された滑り開始時変速比γ”
に基づいて滑りの生じた部位が特定される(ステップS
8102)。すなわち、変速比γの値からベルト17の
各プーリ13,14に対する巻き付け半径の大小が決ま
るから、例えば基準変速比γ’が“1”以下であれば、
従動プーリ14での巻き付け半径が小さく、滑りが従動
プーリ14側で生じており、それ以外の状態であれば、
駆動プーリ13での巻き付け半径が小さく、滑りが駆動
プーリ13側で生じていると考えられる。なお、厳密に
は、滑りプーリの変化は、変速比が“1”を僅かにずれ
た状態で切り替わるので、そのような区別をおこなうた
めのしきい値は、上記のように“1”を僅かにずれた値
であってもよい。
【0067】ついで上記のように確定した滑り部位に基
づいて、駆動プーリ13側で滑りが生じたか否かが判断
される(ステップS8103)。これは、フロー(制御
の手順)を滑りの部位に応じて変更するためである。し
たがってステップS8103で肯定的に判断された場合
には、従動プーリ14側に設けてある油圧センサー28
の検出値を利用して駆動プーリ13での推力を求めるた
めに、記憶している油圧センサー28の検出値(Pd )
を読み出す(ステップS8104)。そして、それに基
づいて従動プーリ14におけるベルト17を挟み付ける
推力Wout が演算される(ステップS8105)。その
場合、従動プーリ14側の油圧アクチュエータ16にお
ける遠心油圧やリターンスプリング(図示せず)などの
力を考慮する。
【0068】このようにして求めた従動プーリ14側の
推力Wout から駆動プーリ13がベルト17を挟み付け
ている推力Winを確定する(ステップS8106)。こ
れは、例えば変速比γと推力比(Wout /Win)との関
係を表している推力比マップを利用しておこなうことが
できる。その推力比マップの一例を図7に模式的に示し
てある。なおその場合、ベルト17の滑りは瞬間的な現
象であるから、図6に示すB時点での変速比γを採用す
る。
【0069】一方、ステップS8103で否定的に判断
された場合には、従動プーリ14側で滑りが生じている
ことになる。その場合、ステップS8107に進んで、
既に記憶している油圧センサー28の検出値(Pd )を
読み出す。そして、それに基づいて従動プーリ14にお
けるベルト17を挟み付ける推力Wout が演算される
(ステップS8108)。その場合、従動プーリ14側
の油圧アクチュエータ16における遠心油圧やリターン
スプリング(図示せず)などの力を考慮する。
【0070】ついで、変速比γや各プーリ13,14の
回転速度などの運転条件やベルト17の滑り条件からベ
ルト17と駆動プーリ13もしくは従動プーリ14との
間の摩擦係数μが計算されて確定される(ステップS8
109)。これは予め用意してあるマップに基づいて求
めてもよい。そのマップの例を図8に概念的に示してあ
る。
【0071】さらに、上記のようにして確定された各値
を使用して、駆動プーリ13の負荷トルクTp あるいは
従動プーリ14での負荷トルクTs が求められる(ステ
ップS8110)。Tp[Ts]=(2・μ・Rp[Rs]
・Win[Wout])/cosαここで、Rp ,Rs は駆
動プーリ13あるいは従動プーリ14に対するベルト1
7の巻掛け半径であり、滑り開始時の変速比γ”に基づ
いて求められる。またαはプーリ13,14によるベル
ト17の挟み角度である。
【0072】そしてまた、ベルト17の相対滑り速度が
計算される(ステップS8111)。これは、駆動プー
リ13については、ΔNin=No・γ−No・γ’従動プ
ーリ14については、ΔNout =Nin/γ−Nin/γ’
で求められる。なお、これらの値はラジアン単位に換算
されて回転角速度ωとされる。
【0073】また、ベルト17の駆動プーリ13(もし
くは従動プーリ14)に対する巻掛け長さLが求められ
る(ステップS8112)。これは、滑り開始時変速比
γ”と予め用意したマップとに基づいて求めることがで
きる。
【0074】滑りに起因して発生する熱量はトルクと回
転角速度との積であるから、 ΔQ=Tp[Ts]・ω/L により単位長さ当たりの熱負荷ΔQが演算される(ステ
ップS8113)。
【0075】こうして求められた熱負荷ΔQの最大値が
保持される(ステップS8114)。すなわち、計算さ
れた熱負荷ΔQが従前のものより大きい場合には、大き
い値に置換される。さらに、上記の熱負荷ΔQを順次積
分して総熱負荷Qが求められる(ステップS811
5)。
【0076】ついで、変速比γが滑り判定のしきい値、
すなわち基準変速比γ’に所定値Δγを加えた値以下か
否かが判定される(ステップS8116)。これは、滑
りが終了したか否かの判断である。このステップS81
16で否定的に判断された場合には、滑りが継続してい
ることになるので、ステップS8113に戻って上記の
各制御ステップを繰り返す。これとは反対に滑りが終了
してステップS8116で肯定的に判断された場合に
は、カウンターおよび上記の熱負荷ΔQや総熱負荷Qの
ラム(RAM:ランダムアクセスメモリー)がクリアー
され(ステップS8117)、その後に図4のステップ
S111に進む。
【0077】上記のように滑りが生じた部位の推定やベ
ルト17の巻掛け半径、巻掛け長さ、推力比などは、滑
り開始時の変速比γ”によって決定し、推定されている
変速比が、滑り部位の判定をおこなうしきい値(具体的
には“1”)を横切って変化しても、滑り部位の判定は
変更しない。図8に示してあるように、ベルト17が滑
り始めると、摩擦係数μが低下するので、滑り部位が変
化することはないからであり、このように取り扱うこと
により計算操作が簡素化され、また正確な計算をおこな
うことができる。
【0078】なお、図5に示すルーチンでは、全て学習
的に計算させることとしているが、滑りの検出の遅れ分
だけ数値を記憶し、これを利用してリアルタイムに近い
計算をおこなってもよい。また、油圧センサー28の検
出値を利用することとしているが、これが故障したり、
あるいはその検出値の信頼性が低下する事態が生じた場
合には、挟圧力を設定する油圧指令値を採用してもよ
い。
【0079】したがって図4に示す制御、あるいはこれ
に図5に示す制御を加えた制御を実行するように構成し
た場合には、ベルト17の劣化の程度に密接に関係する
熱負荷もしくは総熱負荷を使用してベルト17の劣化の
程度を判定もしくは検出するので、精度よくベルト17
の劣化を判定もしくは検出することができる。また、図
1に示す制御をおこなう場合と同様に、ベルト17の劣
化の程度に対応した適正な制御をおこなうことが可能に
なる。
【0080】なお、ベルト17の劣化を、熱負荷ΔQの
最大値に替えて、その相対滑り速度によって簡易的に判
定もしくは検出することもできる。その制御例を図9に
示してある。この図9に示す制御例は、上記の図4に示
すステップS81およびステップS111を、それぞれ
ステップS82およびステップS112に変更し、これ
らのステップS82,S112でベルト17のプーリ1
3,14に対する相対滑り速度を計算し、また判定する
ように構成した例である。したがって他の制御ステップ
は図4示す制御例と同様なので、図9に図4と同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0081】図9において、フラグFが“1”にセット
されていることがステップS9で判断された場合、ベル
ト滑りが生じているので、これに続くステップS82で
ベルト17の滑り速度が検出計算される。前述したよう
に、滑りが開始した時点の変速比や巻掛け半径、各プー
リ13,14の回転速度などを求めることができるの
で、これを使用してベルト17の相対滑り速度を演算し
て求めることができる。このステップS82で求められ
た相対滑り速度が、予め判断基準値として定めた所定値
以上か否かが判断される(ステップS112)。
【0082】このステップS112で肯定的に判断され
た場合には、ベルト17の劣化が進行していることにな
るので、ステップS12以降の前述した各制御ステップ
に進む。そして、この滑り速度の最大値が所定値以上と
なる回数がある程度多くなると、ステップS14が挟圧
力が補正される。すなわち、ベルト17の劣化に伴う滑
りを抑制するために挟圧力が補正される。
【0083】したがって図9に示す制御を実行するよう
に構成した場合には、ベルト17の劣化の程度に密接に
関係する相対滑り速度を使用してベルト17の劣化の程
度を判定もしくは検出するので、精度よくベルト17の
劣化を判定もしくは検出することができる。また、図1
や図4に示す制御をおこなう場合と同様に、ベルト17
の劣化の程度に対応した適正な制御をおこなうことが可
能になる。
【0084】また、ベルト17の滑りに伴う摩擦の熱量
によってベルト17の劣化の程度を更に正確に判定もし
くは検出するようにした他の制御例を図10に示す。こ
の図10に示す制御例は、上記の図5に示す制御例を変
更して、ベルト17と滑り側プーリとの滑りの生じてい
る期間に基づいて熱負荷を検出するように構成した例で
ある。なお、ベルト17に滑りが生じた場合の過渡特性
は図6と同様である。
【0085】図10において、先ず、ベルト17の滑り
判断が行われる(ステップS1001)。この滑り判断
は、例えば、図1のステップS3で説明した判断方法と
同様の方法で判断することができる。このステップS1
001で否定的に判断されると、特に制御を行うことな
くリターンする。
【0086】ステップS1001で肯定的に判断される
と、ベルト17に滑りが生じた際の基準変速比γ’と、
滑り開始時の変速比γ”と、滑り時間とが確定される
(ステップS1002)。このステップS1002で
は、図5のステップS8101と同様の処理が行われ
る。すなわち、基準変速比γ’と滑り開始時変速比γ”
と滑り時間とが求められる。
【0087】ステップS1002からステップS101
5までは、図5のステップS8101からステップS8
114までと同様の処理が行われる。すなわち、ステッ
プS1015によって、熱負荷ΔQの最大値が保持され
た後、図6に示す所定時間Tのカウント値をt←t+Δ
tとしてインクリメントし、熱負荷ΔQをt+Δtで積
分して総熱負荷Qが求められる(ステップS101
6)。
【0088】ついで、図10に示す例では、変速比γが
滑り判定のしきい値、すなわち基準変速比γ’に所定値
Δγを加えた値以下か否かが判定される(ステップS1
017)。このステップS1017では、図5のステッ
プS8116と同様の処理が行われる。このステップS
1017で肯定的に判断された場合、総熱負荷Qや最大
総熱負荷Qmaxが保持される(ステップS1018)。
その後、カウンターおよび上記の熱負荷ΔQや総熱負荷
Qのラム(RAM:ランダムアクセスメモリー)がクリ
アーされ(ステップS1019)、リターンする。
【0089】一方、ステップS1017で否定的に判断
された場合、所定時間Δtにおけるベルト17と滑り側
プーリの円弧上の移動量、または、滑り側プーリ上のベ
ルト17の移動角度が演算される(ステップS102
0)。この演算は、例えば、従動プーリ14の回転数と
ベルト17との相対回転数である(ω+Δω)にベルト
17の巻掛け半径を乗じ、さらに、所定時間Δtを乗じ
て求められる。
【0090】つぎに、滑り側のプーリの掛かり範囲内か
否かが判断される(ステップS1021)。このステッ
プS1021では、例えば、ベルト17に相対滑り開始
時の所定のベルト位置を予め決めておくことによって、
滑り側のプーリの掛かり範囲内であるかどうかを判断す
る。ステップS1021で肯定的に判断された場合、ス
テップS1004に戻る。
【0091】ステップS1021で否定的に判断された
場合、所定のベルト位置が滑り側のプーリからベルトの
直線部分と非滑り側のプーリとベルトの直線部分とを経
由して、再び滑り側のプーリに進入するまでの時間T2
が求められる(ステップS1022)。このT2は、例
えば、t←t+Δtとして時間のカウント値をインクリ
メントしながら、前記所定のベルト位置の移動距離を演
算し、発熱する滑り側プーリの巻き掛け径分をベルトの
周長から減算した長さを求める。そして、前記移動距離
が、前記長さに達するまでの時間をT2として求めるこ
とができる。
【0092】さらに、t←t+Δt2として時間のカウ
ント値がインクリメントされ(ステップS1023)、
このtがT2に達したか否かが判断される(ステップS
1024)。このステップS1024で肯定的に判断さ
れた場合、ステップS1004に戻る。一方、ステップ
S1024で否定的に判断された場合、ステップS10
23に戻り、カウント値tがさらにインクリメントされ
る。
【0093】したがって図10に示す制御を実行するよ
うに構成した場合には、ベルト17の劣化の程度に密接
に関係する熱負荷もしくは総熱負荷を使用し、さらにベ
ルト17上の所定の位置を取り出して熱負荷を演算する
ことができる。その結果、ベルト17が実際に滑って発
熱する部分を取り出すことができるので、ベルト17の
劣化の程度をさらに精度よく判定、もしくは検出するこ
とができる。
【0094】ここで、上記の具体例とこの発明との関係
を簡単に説明すると、上述したステップS11,S1
3,S111,S112の機能的手段が、この発明の劣
化検出手段に相当し、またステップS8の機能的手段
が、この発明の動力伝達関係検出手段に相当する。さら
に、ステップS3,S5,S9の機能的手段がこの発明
の滑り検出手段に相当し、ステップS81およびステッ
プS1001からS1019までの機能的手段がこの発
明の熱負荷検出手段に相当する。また、ステップS10
20からS1023までの機能的手段がこの発明の滑り
期間検出手段に相当する。そして、ステップS14の機
能的手段がこの発明の制御手段に相当する。
【0095】なお、前述したようにベルト17の劣化に
伴って相対滑り速度が増大すると、挟圧力を高くして相
対滑り速度の増大を抑制するので、挟圧力が高くなる。
したがってこの発明では、挟圧力に基づいてベルト17
などの伝動部材の劣化を判定もしくは検出することがで
きる。その挟圧力は、センサーで求めたものであっても
よく、あるいは指令値であってもよい。さらには、演算
して求められたものであってもよい。このような挟圧力
に基づいてベルト17の劣化の程度を判定もしくは検出
する手段が、この発明の劣化検出手段に含まれる。
【0096】なお、この発明における無段変速機は、ベ
ルト式に限らず、トロイダル型(トラクション式)の無
段変速機であってもよい。したがってその場合には、パ
ワーローラあるいはトラクションオイルが伝動部材に相
当し、これらの劣化を検出することになる。また、上記
の具体例では、動力伝達勾配を用いたが、この発明で
は、その動力伝達勾配に相当する相互関係を利用して制
御をおこなうように構成してもよい。
【0097】さらに、この発明では、ベルトなどの伝動
部材の劣化に起因して挟圧力を高くすることに加え、無
段変速機と直列に配列されたいわゆるトルクヒューズと
して機能するクラッチの伝達トルクの余裕を低下させる
制御を実行してもよい。またこれに加えてエンジントル
クを低下させてもよい。このような伝動部材の劣化に伴
う制御を実行する手段が、この発明の制御手段に含まれ
る。
【0098】上記の具体例として開示した発明には、以
下の発明が含まれている。すなわち、伝動部材の滑りが
検知された場合の滑り部位が、その滑り検知時の変速比
に基づいて判定される制御装置。ベルト式無段変速機を
対象とする場合には、滑り発生部位が挟圧力用油圧のセ
ンサーのある部位であれば、そのセンサーの検出圧に基
づき、そのセンサーが設けられていない部位であれば、
そのセンサーによって得られた圧力と推力比とから求め
られた圧力に基づき、滑りに伴う熱負荷などのダメージ
を推定する制御装置。油圧センサーによる検出値に替え
て油圧指示値を使用する制御装置。ベルト式無段変速機
を対象とする場合、滑りに伴う熱負荷などのダメージ
を、ベルトの巻掛け長さもしくはベルトの接触面積に基
づいて判定する制御装置。滑り開始時の変速比に対応す
る物理量を固定して、滑りに伴う熱負荷などのダメージ
を判定する制御装置。滑りに伴う熱負荷などのダメージ
を、滑り開始時の運転条件や滑り条件を逐次確定して得
た摩擦係数や挟圧力関連値に基づいて判定する制御装
置。ベルト式無段変速機を対象とする場合、滑りに伴う
熱負荷などのダメージを、ベルトの相対的な滑り期間に
基づいて判定する制御装置。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、伝動部材が劣化すると、動力の伝達に変調を来
すが、その動力の伝達の変調の要因として伝動部材の劣
化の程度を検出するため、伝動部材の劣化の程度に対応
した制御を採ることが可能になり、ひいては無段変速機
での動力の伝達効率を向上させ、あるいは無段変速機を
使用し得なくなるなどの損傷を未然に回避することがで
きる。
【0100】また、請求項2の発明によれば、入力部材
と出力部材との少なくともいずれか一方と伝動部材との
相対的な滑りとそれらの間で伝達される動力との相互関
係が求められ、その相互関係に基づいて伝動部材の劣化
の程度が検出されるため、請求項1の発明と同様に、伝
動部材の劣化の程度に対応した制御を採ることが可能に
なるうえに、伝動部材の劣化の程度を適切に検出するこ
とができる。
【0101】さらに、請求項3の発明によれば、無段変
速機での滑りが検出された場合、その滑りが生じる以前
の前記相互関係と、滑りが生じた後の前記相互関係との
比較の結果に基づいて伝動部材の劣化の程度が検出され
るため、請求項2の発明と同様に、伝動部材の劣化の程
度に対応した制御を採ることが可能になるうえに、伝動
部材の劣化の程度を適切に検出することができる。
【0102】そして、請求項4の発明によれば、動力を
伝達している状態での無段変速機の熱負荷が検出され、
その検出された熱負荷に基づいて伝動部材の劣化の程度
が検出されるため、請求項1の発明と同様に、伝動部材
の劣化に対応した制御を採ることが可能になるうえに、
伝動部材の劣化を適切に検出することができる。
【0103】さらにまた、請求項5の発明によれば、無
段変速機での挟圧力に基づいて伝動部材の劣化の程度が
検出されるため、請求項1の発明と同様に、伝動部材の
劣化に対応した制御を採ることが可能になるうえに、伝
動部材の劣化を適切に検出することができる。
【0104】そしてさらに、請求項6の発明によれば、
伝動部材の劣化の程度が検出されると、その劣化の程度
に応じた無段変速機の制御が実行されるため、無段変速
機の制御の内容が、伝動部材の劣化の程度に対応したも
のとなり、無段変速機の制御を適正化することができ
る。
【0105】またさらに、請求項7の発明によれば、前
記熱負荷が、前記入力部材および出力部材のいずれか一
方との滑り期間に基づいて検出される。そのため、請求
項4の発明と同様に、伝動部材の劣化に対応した制御を
採ることが可能になるうえに、伝動部材の劣化検出精度
をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置による制御の一例を説明
するためのフローチャートである。
【図2】 動力伝達勾配を概念的に示す線図である。
【図3】 その動力伝達勾配を、特定の出力回転数およ
び変速比について、滑り速度と伝達トルクとをパラメー
タとして示す線図である。
【図4】 この発明の制御装置による制御の他の例を説
明するためのフローチャートである。
【図5】 熱負荷を計算する手法の一例を説明するため
のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 滑りが生じた際の過渡特性を示すタイムチャ
ートである。
【図7】 変速比と推力比との関係を概念的に示す線図
である。
【図8】 相対滑り速度と摩擦係数との関係を概念的に
示す線図である。
【図9】 この発明の制御装置による制御の更に他の例
を説明するためのフローチャートである。
【図10】 この発明の制御装置による制御の他の例を
説明するためのフローチャートである。
【図11】 この発明で対象とする無段変速機を含む駆
動機構およびその制御系統を模式的に示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1…無段変速機、 3…トルクコンバータ、 5…エン
ジン(動力源)、 13…駆動プーリ、 14…従動プ
ーリ、 17…ベルト、 25…変速機用電子制御装置
(CVT−ECU)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:24 F16H 59:24 59:40 59:40 59:42 59:42 59:44 59:44 59:70 59:70 63:06 63:06 (72)発明者 星屋 一美 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鴛海 恭弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA07 MA09 MA12 MA26 NA01 NB01 PA12 PA52 PA63 SA36 SA46 UA08 VA15X VA25X VA32W VA33W VA37W VA38W VA74W VA76W VB01W VB08W VC03W VD02W

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力部材と出力部材との間にトルクの伝
    達を媒介する伝動部材を介在させた無段変速機の制御装
    置において、 前記伝動部材を介した動力の伝達量が低下する伝動部材
    の劣化の程度を検出する劣化検出手段を備えていること
    を特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記入力部材および出力部材のいずれか
    一方と前記伝動部材との間の相対滑りと前記伝動部材を
    介して伝達される動力との相互関係を求める動力伝達関
    係検出手段を更に備え、 前記劣化検出手段は、その動力伝達関係検出手段で求め
    られた前記相互関係に基づいて前記伝動部材の劣化の程
    度を検出するように構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記無段変速機での滑りを検出する滑り
    検出手段を更に備え、 前記劣化検出手段は、前記滑り検出手段で前記無段変速
    機での滑りが検出される前の前記相互関係と滑りが検出
    された後の前記相互関係とを比較して前記伝動部材の劣
    化の程度を検出するように構成されていることを特徴と
    する請求項2に記載の無段変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記無段変速機の熱負荷を検出する熱負
    荷検出手段を更に備え、 前記劣化検出手段は、その熱負荷検出手段で検出された
    熱負荷に基づいて前記伝動部材の劣化の程度を検出する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の無段変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記劣化検出手段は、前記入力部材もし
    くは出力部材のいずれか少なくとも一方で前記伝動部材
    を挟み付ける挟圧力に基づいて前記伝動部材の劣化の程
    度を検出するように構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記劣化検出手段で検出された前記伝動
    部材の劣化の程度に基づいて前記無段変速機を制御する
    制御手段を更に備えていることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記伝動部材がベルトとされるととも
    に、前記入力部材および出力部材に巻き掛けられるベル
    トの周回状態に基づいて、滑り期間を求める滑り期間検
    出手段を更に備え、前記熱負荷検出手段がこの滑り期間
    に基づいて前記熱負荷を求めるように構成されているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の無段変速機の制御装
    置。
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