JP4345552B2 - 無段変速機を搭載した車両の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両に搭載された無段変速機の変速比と動力源のトルクとを関連させて制御する制御装置に関するものである。
最近では、ガソリンエンジンなどの車両用内燃機関の回転数を、その出力側に連結した無段変速機によって、燃費が最適(最小)となる回転数に制御することがおこなわれている。これは、無段変速機での変速比を連続的に変化させ得ることに加えて、電子スロットルバルブなどによって内燃機関の出力トルクを電気的に制御できることを有効に利用した技術である。したがって無段変速機を搭載した車両では、燃費を重視した変速制御が広くおこなわれており、例えばアクセル開度などで代表される駆動要求量と車速などの車両の駆動状態とに基づいて要求駆動力を求めるとともに、その要求駆動力と車両の駆動状態とに基づいて目標出力を求め、その目標出力に対する最適燃費となる内燃機関の目標入力回転数(無段変速機の目標入力回転数)を算出し、その目標入力回転数となるように無段変速機を制御する。その一方で、目標出力に基づいて内燃機関の目標出力トルクを求め、その目標出力トルクとなるように電子スロットルバルブなどの出力制御機器を制御する。
このような燃費を重視した制御では、駆動トルクの変化が相対的に緩慢になる。そのため、加減速の応答性が必ずしも充分ではない場合が生じる。そこで従来では、アクセル開度の変化率(変化速度)などに応じて変速比を過渡的に急速に変化させることがおこなわれ、さらには変速比を手動操作に基づいて変化させるいわゆる手動変速(マニュアルシフト)が可能なように無段変速機を構成することもおこなわれている。後者の手動変速の可能な装置の一例が特許文献1に記載されており、この特許文献1に記載された発明は、手動シフトした場合に、スポーツ感覚を与えるように、シフト継続中のエンジントルクを変更するように構成されている。また、特許文献2には、停止に到るような急減速の際に変速比を最大変速比(最も低速側の変速比)に戻し、併せて過度なエンジンブレーキ感を防止するために、エンジン出力を一時的に増大させるように構成された発明が記載されている。
特公表2001−524178号公報 特開平3−292449号公報
手動変速が可能な無段変速機を搭載した車両では、上記の特許文献1に記載されているように、手動変速に合わせてエンジンの出力を制御することが可能な場合があり、このような制御を有効に利用してマニュアルシフトの際のショックを低減することもおこなわれている。例えば、マニュアルシフト(アップシフトおよびダウンシフト)の場合、あるいは急減速の際に、変速比をステップ的に変化させるので、変速比のステップ的な変化に伴う入力回転数(エンジン回転数)の変化を、駆動輪側から作用する車両の走行慣性力によって生じさせるとすれば、エンジンの慣性モーメントが大きいために、出力軸トルクが一時的に大きく変化し、これがショックの要因となることがある。そこで、マニュアル変速の内容に合わせて、エンジン出力を一時的に増大もしくは低減させ、マニュアル変速に伴う変速比に同期した回転数に入力回転数をほぼ一致させ、その後、マニュアル変速に伴うエンジンの出力制御を終了させることがおこなわれている。
このようなマニュアル変速時におけるエンジン出力の制御は、例えば減速の際のダウンシフトであれば入力回転数を増大させるためのエンジン出力の増大制御であり、これとは反対にアップシフトであれば入力回転数を低下させるためのエンジン出力の低減制御である。すなわち、減速の際に出力を増大させ、加速の際に出力を低減することがあり、駆動要求の内容とショックを防止するための出力制御とが反対になることがある。そのために、マニュアル変速に伴うエンジン出力制御を終了するタイミングが不適切になると、すなわちエンジン出力の復帰制御にズレが生じると、ショックの防止のためにおこなったエンジン出力の制御によるトルク変化が出力軸トルクとして現れ、これが新たなショックの要因となる可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、手動変速操作あるいは急減速などの際に実行されるマニュアル変速制御に伴う動力源の出力復帰制御のタイミングを適正化してショックを回避することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、変速比をステップ的に変化させることのできる無段変速機が動力源の出力側に連結され、変速比をステップ的に変化させた場合の前記無段変速機の入力回転数の変化の方向に前記動力源の出力回転数が変化するように前記変速比のステップ的な変化の際に動力源の出力を変化させる無段変速機を搭載した車両の制御装置において、前記変速比のステップ的な変化に基づく前記無段変速機の目標入力回転数と実際の入力回転数との関係に基づいて、前記変速比のステップ的な変化に伴って変化させた前記動力源の出力を変化前の制御による出力に復帰させる復帰タイミングを決定する復帰制御手段を備えており、前記復帰制御手段は、前記変化させた動力源の出力を、変速に伴う動力源の出力制御が実施されていない状態の出力に徐々に復帰させる開始時点を、前記目標入力回転数と実入力回転数との差が、現在時点から予め定めた所定時間が経過するまでの間における前記目標入力回転数の変化量と前記実入力回転数の変化量との差以下となった時点に決定する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
この発明によれば、手動変速操作や急減速などによるマニュアル変速制御によって変速比をステップ的に変化させる場合、入力回転数の目標値と実際値とに差が生じ、それに伴う動力源の回転数の変化を滑らかにするように動力源の出力が変化させられ、ショックが防止もしくは抑制される。この出力の制御は、変速比をステップ的に変化させることに伴う制御であり、したがって変速が進行することによって、変速に伴う動力源の出力制御が実施されていない状態の出力に復帰させる。その復帰のタイミングが、目標入力回転数と実入力回転数との関係に基づいて決定されて適正化される。
そして、その動力源の出力の復帰制御のタイミングは、復帰制御手段は、変化させた動力源の出力を、変速に伴う動力源の出力制御が実施されていない状態の出力に徐々に復帰させる開始時点を、前記目標入力回転数と実入力回転数との差が、現在時点から予め定めた所定時間が経過するまでの間における目標入力回転数の変化量と実入力回転数の変化量との差以下となった時点に決定されるので、動力源の出力の復帰タイミングが、各回転数が近似する時点に対していわゆる前出しされ、そのため、動力源の出力の復帰が遅れたり、それに伴ってショックが生じたりすることが回避もしくは抑制される。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる車両のパワートレーン、およびその車両の制御系統を、図3に示す。図3に示す車両Veにおいては、動力源1と車輪2との間の動力伝達経路に、流体伝動装置3、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、無段変速機6などが設けられている。動力源1としては、例えば、内燃機関または電動機の少なくとも一方を用いることができ、好ましくは電子スロットルバルブ7を備えた内燃機関などの出力を電気的に制御できる機構を備えた内燃機関が使用される。電動機としては、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有するモータ・ジェネレータを用いることが可能である。この実施例では、動力源1として、電子スロットルバルブ7を備えたガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは天然ガスエンジンなどの内燃機関が用いられている場合について説明する。
また、流体伝動装置3およびロックアップクラッチ4は、動力源1と前後進切り換え機構5との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置3とロックアップクラッチ4とは相互に並列に配置されている。流体伝動装置3は、流体の運動エネルギにより動力を伝達する装置であり、具体的には流体式トルクコンバータであり、ロックアップクラッチ4は、摩擦力により動力を伝達する装置であって、トルクコンバータのポンプインペラなどの入力側の部材とタービンランナなどの出力側の部材とを直接連結するように構成されている。前後進切り換え機構5は、入力されたトルクを選択的に反転して出力する装置であって、例えば遊星歯車機構を主体として構成されている。
無段変速機6は、要は、変速比を連続的に変化させることのできる機構であって、ベルト式あるいはトロイダル型の無段変速機を使用することができる。図3にはベルト式のものが示されており、この無段変速機6は、前後進切り換え機構5と車輪2との間の動力伝達経路に設けられている。無段変速機6についてより具体的に説明すると、相互に平行に配置されたプライマリシャフト8およびセカンダリシャフト9が設けられている。このプライマリシャフト8にはプライマリプーリ10が設けられており、セカンダリシャフト9にはセカンダリプーリ11が設けられている。プライマリプーリ10は、プライマリシャフト8に固定された固定シーブ12と、プライマリシャフト8の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ13とを有している。そして、固定シーブ12と可動シーブ13との間にV字形状の溝M1が形成されている。
また、この可動シーブ13をプライマリシャフト8の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ13と固定シーブ12とを接近・離隔させる油圧サーボ機構14が設けられている。この油圧サーボ機構14は、油圧室15と、油圧室15のオイル量または油圧に応じてプライマリシャフト8の軸線方向に動作しかつ可動シーブ13に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
一方、セカンダリプーリ11は、セカンダリシャフト9に固定された固定シーブ16と、セカンダリシャフト9の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ17とを有している。そして、固定シーブ16と可動シーブ17との間にはV字形状の溝M2が形成されている。そして、これらの溝M1,M2に挟持された状態でベルト18が各プーリ10,11に巻き掛けられている。
また、この可動シーブ17をセカンダリシャフト9の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ17と固定シーブ16とを接近・離隔させる油圧サーボ機構19が設けられている。この油圧サーボ機構19は、油圧室20と、油圧室20の油圧またはオイル量に応じてセカンダリシャフト9の軸線方向に動作しかつ可動シーブ17に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
一方、無段変速機6の油圧サーボ機構14,19およびロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を制御する機能を有する油圧制御装置21が設けられている。さらに、動力源1、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、無段変速機6、油圧制御装置21を制御するコントローラとしての電子制御装置22が設けられており、この電子制御装置22は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
図3に示す無段変速機6の変速比を車両Veの走行状態、すなわちアクセル開度や車速などに基づいて制御する自動変速制御と、手動操作に基づいて変速を実行する手動変速(マニュアルシフト)制御とを実行できるように構成されている。シフト装置23は、その自動変速制御と手動変速制御とを選択するように構成されている。その一例を説明すると、シフトレバー24をガイドするガイド溝が図3に模式的に示すように変形したH字形に形成され、一方の直線部分にパーキングポジション(P)、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジション(D)、ブレーキポジション(B)が割り付けられ、かつドライブポジションから分岐した他方の直線部分の中央部がマニュアルポジション(M)に割り付けられ、このマニュアルポジションを挟んでアップシフトポジション(+)とダウンシフトポジション(−)とが設けられている。そして、各ポジションを検出するスイッチなどのセンサ(図示せず)が設けられており、そのセンサの出力信号が前記電子制御装置22に入力されている。また、シフトレバーの移動を前記油圧制御装置21に伝達するためのケーブルなどのリンゲージ(図示せず)が設けられている。
上記の電子制御装置22に入力されている信号を例示すると、エンジン回転数、アクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、スロットルバルブの開度、シフトポジション、プライマリシャフト8の回転数、セカンダリシャフト9の回転数、油圧制御装置21のソレノイドバルブのフェールの有無、エンジン1の吸入空気量、登坂路か否かなどを検知するセンサの信号、シフト装置23で選択されているシフトポジションを示す信号、前記アップシフトポジションに設けられたセンサからのアップシフト信号、前記ダウンシフトポジションに設けられているセンサからのダウンシフト信号などが入力されている。また、電子制御装置22には各種のデータが記憶されており、電子制御装置22に入力される信号、および記憶されているデータに基づいて、電子制御装置22から、動力源1を制御する信号、無段変速機6を制御する信号、前後進切り換え機構5を制御する信号、ロックアップクラッチ4を制御する信号、油圧制御装置21を制御する信号などが出力される。
電子制御装置22に記憶されているデータとしては、エンジントルク制御マップ、変速機制御マップ、ロックアップクラッチ制御マップなどが挙げられる。エンジントルク制御マップは、例えば電子スロットルバルブ7の制御量の一時的な増大量を設定したマップである。また、変速機制御マップには、変速比の制御マップ、トルク容量の制御マップなどが含まれる。変速比制御マップは、車速、アクセル開度、減速度もしくはブレーキの操作状態などに基づいて、無段変速機6の変速比もしくは動力源1の目標入力回転数を設定するマップである。動力源1としてエンジンが用いられている場合は、無段変速機6の変速比の制御により、エンジン回転数を最適燃費線に近づけるように制御できる。
また、手動変速操作された場合あるいは急減速などの場合、変速比をステップ的に変化させるように変速信号が出力され、目標入力回転数と実入力回転数との偏差が一時的に増大し、エンジン回転数を急減に変化させることになる。すなわちマニュアル変速制御が実行されるので、その場合のショックを抑制するために、電子スロットルバルブ7が電気的に制御されてエンジン出力が変更され、変速の進行に伴ってその出力制御が終了され、出力が次第に復帰される。なお、この回転数制御は、主として目標入力回転数と実入力回転数との偏差に基づくフィードバック制御によっておこなわれ、必要に応じてフィードフォワード制御が実行もしくは併用される。トルク容量制御マップは、変速比、伝達するべきトルクなどに基づいて、無段変速機6のトルク容量を制御する場合に用いるマップである。また、ロックアップクラッチ制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ロックアップクラッチ4のトルク容量を設定するマップである。
上述したように、無段変速機6は動力源1の回転数を燃費が最適になる回転数に制御するように機能させることができる。このいわゆる通常の制御では、一例として、アクセル開度などで代表される駆動要求量と車速とに基づいて適宜のマップから要求駆動力を求め、その要求駆動力と車速とから動力源の目標出力を算出する。その目標出力を最適燃費で出力することのできる目標入力回転数をいわゆる最適燃費線と目標出力線との交点での回転数としてマップなどから求め、その目標入力回転数と実際の動力源回転数との差を制御偏差として無段変速機6の変速比がフィードバック制御される。一方、目標出力とその時点の車速などに基づいて目標トルクが算出され、その目標トルクを達成するように電子スロットルバルブ7などによって動力源1の出力トルクが制御される。
このいわゆる通常制御は、車速や流体伝動装置3のタービン回転数などとアクセル開度などの要求駆動量とで定まる走行状態に基づいて無段変速機6を制御するものであるが、無段変速機6の変速比の制御としては、手動操作に基づく制御も可能である。その制御は、シフト装置23のアップシフトポジションあるいはダウンシフトポジションに設けられているスイッチもしくはセンサを、シフトレバー24によってオン動作させて信号を出力させ、その信号に基づいて、動力源1の目標入力回転数をステップ的に変化させ、あるいは信号の出力している間、目標入力回転数を連続的に変化させる制御である。このような変速制御が、マニュアル変速制御である。
手動変速操作は、車両の機敏な動作を期待して実行するから、変速速度(変速比変化率)が大きくなるように無段変速機6が制御される。例えば、減速時にマニュアルダウンシフト操作した場合には、変速比を通常より速い速度で増大させる。また反対に加速中にマニュアルアップシフト操作した場合には、通常より速い速度で変速比を減少させる。このような変速制御は、通常のマニュアルシフト制御として実行される。また、急減速時にも手動操作によらずに、マニュアル変速制御が実行される。
また、このようなマニュアルシフトの場合、変速速度が速いので、ショックを緩和もしくは防止するために、エンジントルクの制御が併せて実行される。具体的には、減速時のマニュアルダウンシフトの場合には、エンジントルクを迅速に増大させる制御が実行される。これは、図3に示す車両では、電子スロットルバルブ7の開度を増大させ、その後、徐々に復帰させる制御である。このエンジントルク制御が変速制御と協調して実行されると、変速比の増大に伴ういわゆるエンジンブレーキ力を、エンジントルクの制御によって小さくし、変速比が急激に増大することによる駆動トルクの変化を抑制してショックが防止もしくは緩和される。また、マニュアルアップシフトの場合、変速比が急激に小さくなることによって動力源1やこれに関連する回転部材の回転数が減少して慣性トルクが発生し、これがショックの原因となるので、その慣性トルクを相殺するようにエンジントルクが低下させられる。このようにエンジントルクの制御も、通常のマニュアル変速制御に含まれる。
マニュアル変速制御に伴うエンジントルクの制御による出力トルクの変化の方向は、その変速の際の加減速要求とは反対の方向であり、そのために一旦変速させた出力トルクを元の制御によるトルクに復帰させるタイミングが不適切であれば、ショックが生じることがある。これを防止するために、この発明の制御装置は、以下の制御をおこなうように構成されている。
図1は、制御例を説明するためのフローチャートであって、このルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。先ず、スポーツマニュアル変速モードであるか否かか判断される(ステップS1)。これは、例えば前述したシフト装置23において、シフトレバー24がマニュアルポジション(M)に移動させられることに伴って適宜のセンサ(図示せず)から出力される信号によって検出でき、あるいは判断できる。あるいはブレーキ操作による急減速状態が検出された場合にマニュアル変速制御が開始されるので、そのマニュアル変速制御の開始によって判断することができる。このステップS1で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを一旦終了する。
これとは反対にステップS1で肯定的に判断された場合には、マニュアル変速制御によるダウンシフトが実行されたか否かが判断される(ステップS2)。これは、上述した図3に示す駆動装置においては、シフトレバー24が前述したダウンシフトポジション(−)に移動させられることに伴って出力される信号に基づいて判断することができる。このステップS2で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを一旦終了する。これとは反対にステップS2で肯定的に判断された場合には、電スロ制御の許可が判断される(ステップS3)。これは、前述した電子スロットルバルブ7をアクセル操作によらずに制御することのできる条件が成立しているか否かの判断であり、その条件は、例えばエンジン1の暖機が終了していること、電子スロットルバルブ7の他の開閉制御と競合しないこと、センサや制御機器に異常がないことなどである。
このステップS3で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを終了する。これとは反対に肯定的に判断された場合には、電子スロットルバルブ7の開き量が算出される(ステップS4)。すなわち、マニュアル変速制御によって変速比がステップ的に変化されるので、その際の入力側の慣性力がショックとならないように無段変速機6の入力回転数を急激に変化させることが好ましく、そのために変速比のステップ的な変化による入力回転数の変化を補助もしくは追従するようにエンジン1の回転数を変化させるべくその出力を制御する。その制御量がステップS4で演算される。したがってマニュアルダウンシフトの場合には、入力回転数が増大するので、エンジン1の出力はその回転数を増大させるように、すなわち電子スロットルバルブ7を開くように制御される。
このステップS4での演算は、予め定めたマップに基づいておこなうことができ、あるいは所定の演算式とデータとに基づいておこなうことができる。例えば、変速の種類毎および車速毎に電子スロットルバルブ7の開き量をマップとして定めておき、ステップS4の制御はそのマップから開き量を読み出すことであってよい。なお、開き量を決定する要因として目標とする変速速度やアクセル開度などの他のパラメータを用いてもよい。
つぎに、上記の開き量で制御された電子スロットルバルブ7の開度をマニュアル変速制御をおこなう前の制御による開度もしくは変速終了後の制御による開度に復帰させるタイミングを決定する復帰判断回転数NOETCS が求められる(ステップS5)。その一例を図1に示してあり、実入力回転数の変化率(変化勾配)DNIN と目標入力回転数の変化率(変化勾配)DNINCとの差に所定のゲインGAIN を掛けて、復帰判断回転数NOETCS が求められる。そのゲインGAIN は予め定めた時間である。したがって実入力回転数の変化率DNIN とゲインGAIN との積は、現在時間から所定時間GAIN が経過するまでの間の実入力回転数の変化量であり、また同様に目標入力回転数DNINCとゲインGAIN との積は、現在時間から所定時間GAIN が経過するまでの間の目標入力回転数の変化量である。したがって復帰判断回転数NOETCS は、現在時点から所定時間GAIN が経過するまでの間における各回転数の変化量の差となる。
その復帰判断回転数NOETCS を現在時点の目標入力回転数NINCMから減算した値と現在時点の実入力回転数NINとが比較される(ステップS6)。具体的には、現在時点の実入力回転数NINが、現在時点の目標入力回転数NINCM から復帰判断回転数NOETCS を減じた値以上か否かが判断される。これらの比較をおこなう図1のステップS6に示す式を書き換えると、「現在時点の目標入力回転数NINCM と実入力回転数NINとの差が、復帰判断回転数NOETCS 以下」の式(NOETCS ≧NINCM −NIN)になる。
ダウンシフトの場合、目標入力回転数NINCM はステップ的に増大した後に徐々に低下させ、実入力回転数NINはその目標入力回転数NINCMに一致するまで増大するから、復帰判断回転数NOETCSは、目標入力回転数NINCMと実入力回転数NINとの差が所定値まで小さくなったことを示す。言い換えれば、前記所定時間GAINは、現在時点で得られている各回転数の変化率が変化しないとした場合の各回転数の一致時点を予測もしくは推定するように調整された時間である。したがってこのステップS6で否定的に判断された場合には、エンジン出力の復帰制御のタイミングとしては早すぎることになるので、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを一旦終了し、従前の制御状態を維持する。すなわち、推定された各回転数の一致時点に対して早すぎるため、このように制御する。
時間が経過することにより、ステップS6で肯定的に判断されると、復帰スイープ制御が開始される(ステップS7)。すなわち、マニュアルダウンシフト制御に伴って増大させたエンジン出力を、変速に伴う動力源の出力制御が実施されていない状態の出力に徐々に戻す制御が開始される。そのスイープ勾配は予め定められており、したがって実入力回転数NINと目標入力回転数NINCM とが一致する以前もしくはこれらの回転数の差がある程度小さくなる時点以前に、エンジン出力がマニュアル変速制御に伴う増大のない出力に低下する。言い換えれば、エンジントルクの復帰が変速の終了に対して前出しされ、適正化されるので、マニュアルシフトのための出力制御の影響が出力軸トルクに現れず、ショックが防止もしくは抑制される。
上記の制御をおこなった場合のタイムチャートの一例を図2に示してある。ブレーキ操作が開始(t1 時点)され、急減速中に、変速比をステップ的に変化させるマニュアル変速制御を開始する。したがってt2 時点に変速比がステップ的に増大させられて目標入力回転数NINCM がステップ的に増大する。これと併せて電子スロットルバルブ7を、前記ステップS4で算出された開度に設定する開度要求(指令信号)が出力される。なお、急減速状態であることにより車両の前後加速度(前後G)が負の方向に増大する。
目標入力回転数NINCM はステップ的に増大させられた後、所定の勾配DNINCで低下させられ、また実入力回転数NINは目標入力回転数NINCM との偏差に基づいて制御されるので、所定の勾配DNINで次第に増大する。その実入力回転数NINは、電子スロットルバルブ7の開度を増大させる制御すなわちエンジン出力の増大制御が実行されていることと相まって増大し、またエンジン1の慣性力が出力軸トルクとして現れることが、エンジン出力の増大制御によって抑制され、ショックが防止もしくは緩和される。
電子スロットルバルブ7の要求開度は、当初増大させられた開度から減じられ、当初の増大量より小さい増大量に維持されており、その状態で時間の経過によって実入力回転数NINと目標入力回転数NINCM との差が小さくなり、前述したステップS6の条件が成立すると、エンジン出力を復帰させるスイープ制御が開始される(t3 時点)。その結果、エンジン1の回転数が低下するので、車速の低下および変速比の増大による同期回転数に対してエンジン回転数が相対的に大きくなることがなく、マニュアル変速制御に伴うエンジン出力制御によってショックが発生もしくは増大することが未然に回避もしくは抑制される。これに対して、実入力回転数NINと目標入力回転数NINCM との差が予め定めた一定値に達したことに基づいてエンジン出力の復帰制御をおこなった場合には、図2に破線で示すように、復帰のタイミングが相対的に遅れるので、エンジン1の駆動トルクが出力軸トルクに現れてしまい、これが原因でショックが発生する。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS5ないしステップS7の機能的手段が、この発明の復帰制御手段に相当する。前述したように、上記の具体例における所定時間GAINは、実入力回転数と目標入力回転数とが一致する時点を推定もしくは予測するように調整された値であるから、この発明における復帰制御手段は、前記変化させた動力源の出力を変化前の制御による出力に徐々に復帰させる開始時点を、前記目標入力回転数と実入力回転数とのそれぞれの変化率から推定されたこれらの回転数の一致する時点より予め定めた所定時間前の時点に決定する手段を含むものとして構成することができる。
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、変速比をステップ的に減少させるアップシフトの場合にも適用することができる。その場合、エンジン出力はマニュアル変速制御に伴って一旦低下させ、その後に復帰させることになる。また、この発明は、内燃機関を動力源とした車両以外に、電動機を動力源とした車両、あるいは電動機を動力源として併用した車両などにも適用できる。さらに、この発明で対象とする無段変速機はベルト式以外にトロイダル型(トラクション式)の無段変速機であってもよい。
この発明の制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。 図1に示すフローチャートによる制御をおこなった場合のタイムチャートの一例を模式的に示す図である。 この発明の制御装置を適用可能な車両のパワートレーンおよび制御系統を示す概念図である。
符号の説明
1…動力源(エンジン)、 6…無段変速機、 22…電子制御装置、 23…シフト装置。

Claims (1)

  1. 変速比をステップ的に変化させることのできる無段変速機が動力源の出力側に連結され、変速比をステップ的に変化させた場合の前記無段変速機の入力回転数の変化の方向に前記動力源の出力回転数が変化するように前記変速比のステップ的な変化の際に動力源の出力を変化させる無段変速機を搭載した車両の制御装置において、
    前記変速比のステップ的な変化に基づく前記無段変速機の目標入力回転数と実際の入力回転数との関係に基づいて、前記変速比のステップ的な変化に伴って変化させた前記動力源の出力を変化前の制御による出力に復帰させる復帰タイミングを決定する復帰制御手段を備えており、
    前記復帰制御手段は、前記変化させた動力源の出力を、変速に伴う動力源の出力制御が実施されていない状態の出力に徐々に復帰させる開始時点を、前記目標入力回転数と実入力回転数との差が、現在時点から予め定めた所定時間が経過するまでの間における前記目標入力回転数の変化量と前記実入力回転数の変化量との差以下となった時点に決定する手段を含むことを特徴とする無段変速機を搭載した車両の制御装置。
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