JP2005188635A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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良雄 伊藤
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Abstract

【課題】 マニュアルアップシフト時の負荷相当量の低下に関わらず、無段変速機のトルク容量を維持して滑りを防止できる制御装置を提供する。
【解決手段】 通常の変速速度でのアップシフトと増大させた変速速度でのアップシフトとを実行可能で、かつ入力側に連結された動力源の負荷に相当する負荷相当量に基づいてトルク容量が設定され、さらに変速速度を増大させたアップシフトの際に前記負荷相当量を減少させて入力トルクを低下させる無段変速機の制御装置であって、前記変速速度を増大させたアップシフトの際の前記負荷相当量の低下に伴う前記無段変速機のトルク容量の低下を規制するトルク容量規制手段を備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機を対象とした制御装置に関し、特にアップシフトの際のトルク容量を制御する制御装置に関するものである。
無段変速機は、入力側の回転部材と出力側の回転部材との間でトルクを伝達するベルトやパワーローラなどの伝動部材と各回転部材との間のトルク伝達部位を連続的に変化させて、各回転部材の回転数の比を無段階に変化させるように構成されている。したがって無段変速機で伝達できるトルク容量は、各回転部材と伝動部材との接触圧やこれらの間に介在されるトラクション油に対する圧力を要因として決まる。
これらの接触圧あるいは圧力は、ベルト式無段変速機ではプーリがベルトを挟み付けることによって生じ、またトラクション式(トロイダル型)の無段変速機では、入力ディスクと出力ディスクとがパワーローラを挟み付けることによって生じ、したがってこのような挟み付ける圧力は挟圧力と称されている。その挟圧力が大きいほど、無段変速機のトルク容量が増大するので、挟圧力を高くしておけば、エンジンなどの動力源の出力トルクが増大しても、無段変速機に滑りが生じることがないが、挟圧力が高ければ、動力伝達効率が低下して車両の燃費が悪化し、また無段変速機の耐久性が低下するなどの事態が生じる。そのため、エンジントルクなどに応じて挟圧力を設定している。
しかしながら、変速比を低下させるアップシフトの場合、変速比の低下に伴ってエンジン回転数が低下するので、その回転数の変化が慣性トルクとして現れ、無段変速機に作用することになる。このような場合に、挟圧力を通常と同様に、エンジントルクもしくはエンジン負荷に基づいて設定したのでは、慣性トルクに対応する挟圧力の不足が生じることになる。そこで、特許文献1に記載された発明では、上記の挟圧力を設定する油圧としてライン圧を所定のプーリに供給し、そのライン圧の目標値を、アップシフトに伴う慣性トルク相当分を付加した値に設定するように構成されている。
また、無段変速機であっても変速比をステップ的に変化させることがあり、そのようなステップ的な変速比の変化を伴うアップシフトの際に、トルクコンバータに内蔵されたロックアップクラッチを保護するために、エンジンのトルクダウンをおこなうように構成した発明が、特許文献2に記載されている。さらに、手動シフトの可能な無段変速機であって、手動シフトの際に電子スロットルバルブを制御してエンジントルクを変更するように構成した発明が、特許文献3に記載されている。
特開平11−30321号公報 特開平11−20513号公報 特公表2001−524178号公報
無段変速機のトルク容量は、上記のように挟圧力を要因として決まるので、無段変速機に対する実際の入力トルクに応じて挟圧力を設定することが望まれる。一方、動力源として内燃機関を使用した場合、その出力トルクはスロットル開度やスロットル開度に応じた吸入空気量によってほぼ決まり、またその内燃機関と無段変速機との間にトルクコンバータが配置されている場合には、そのトルクコンバータでのトルク増幅率は、トルク比(速度比の逆数)によって決まるから、無段変速機の入力トルクは、スロットル開度あるいは吸入空気量などのいわゆる負荷相当量やトルクコンバータでのトルク比から求めることができる。
このようにして無段変速機のトルク容量あるいは挟圧力を制御している状態でのアップシフトの際、特に手動操作によるアップシフトなどの変速速度の速いアップシフトの際に、トルクの変化を可及的に小さくしてショックを防止するために、上記の特許文献2や特許文献3に記載されているように、エンジントルクを低下させるべく電子スロットルバルブなどによって吸入空気量を減少させることがある。その場合、その減少させた吸入空気量やそれに伴って低下した無段変速機の入力トルクに基づいて無段変速機のトルク容量あるいは挟圧力が設定されることになる。
しかしながら、上記の特許文献1にも記載されているように、アップシフトの際にはエンジンの回転数の低下などに起因する慣性トルクが発生してこれが無段変速機の入力トルクを増大させるから、トルク容量もしくは挟圧力の低下と入力トルクの増大との相反する状態が同時に生じ、その結果、無段変速機に過剰な滑りが生じる可能性がある。特に、手動操作に基づくアップシフトのように変速速度が速い場合、あるいはこれと同等の速い速度でアップシフトが実行される場合には、回転数の変化率が増大するので、慣性トルクも大きくなり、その結果、無段変速機の滑りも発生しやすくなる。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、変速速度の速いアップシフトの際にも変速ショックの悪化と無段変速機の滑りとを共に防止することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、通常の変速速度でのアップシフトと増大させた変速速度でのアップシフトとを実行可能で、かつ入力側に連結された動力源の負荷に相当する負荷相当量に基づいてトルク容量が設定され、さらに変速速度を増大させたアップシフトの際に前記負荷相当量を減少させて入力トルクを低下させる無段変速機の制御装置において、前記変速速度を増大させたアップシフトの際の前記負荷相当量の低下に伴う前記無段変速機のトルク容量の低下を規制するトルク容量規制手段を備えていることを特徴とする制御装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記無段変速機のトルク容量に関連する挟圧力を前記負荷相当量に応じて設定する挟圧力設定手段とを更に備え、前記トルク容量規制手段が、前記変速速度を増大させたアップシフトに伴う負荷相当量の低下に応じた前記挟圧力設定手段による挟圧力の低下を規制する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記通常の変速速度でのアップシフトが走行状態に基づく自動アップシフトであり、前記増大させた変速速度でのアップシフトが手動操作に基づく手動アップシフトであることを特徴とする制御装置である。
そして、請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかの発明において、変速速度を増大させたアップシフトの場合に前記入力トルクの低下が可能か否かを判断するトルクダウン判断手段と、前記入力トルクの低下をおこなえないことが前記トルクダウン判断手段によって判断された場合には、前記アップシフト時の変速速度の増大を禁止する変速速度増大禁止手段とを更に備えていることを特徴とする制御装置である。
請求項1の発明によれば、アップシフトの際の変速速度が通常の速度と増大させた速度とに、駆動状態などに基づいて切り換えられ、また変速速度を増大させたアップシフトの際には動力源の負荷相当量が低下させられて、無段変速機に対する入力トルクが低下させられる。その無段変速機のトルク容量は、通常は、動力源の負荷相当量に基づいて設定されるが、上記の変速速度を増大させたアップシフトの際には、その変速の過渡制御として負荷相当量が低下させられても、無段変速機のトルク容量の低下が規制される。その結果、アップシフトに伴う所定の回転部材の回転数の低下およびそれに応じた慣性トルクが無段変速機に作用しても、無段変速機での滑りを防止もしくは抑制することができる。
また、請求項2の発明では、無段変速機のトルク容量が挟圧力に基づいて設定され、上記の変速速度を増大させたアップシフトの際のトルク容量の低下の規制が、挟圧力の低下を規制することにより達成される。したがって、請求項1の発明と同様に、変速速度を増大させたアップシフトの際の慣性トルクが大きいとしても、無段変速機での滑りを防止もしくは抑制することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、手動操作に基づくアップシフトの場合に、変速速度が増大させられる。したがって運転者の意図を反映した変速が可能になるとともに、無段変速機での滑りを防止もしくは抑制することができる。
そして、請求項4の発明によれば、手動でアップシフト操作された場合などの変速速度を増大させたアップシフトの場合、無段変速機への入力トルクを低下させることが可能か否かが判断され、入力トルクを低下させることができないことが判断された場合には、アップシフト時の変速速度の増大が禁止される。したがって、アップシフトをおこなうとしてもその変速速度が増大されないので、変速に伴うトルクの変化率もしくは変化速度が小さくなり、それに伴ってアップシフト時の慣性トルクも相対的に小さくなるので、変速ショックを防止もしくは抑制することができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる車両のパワートレーン、およびその車両の制御系統を、図2に示す。図2に示す車両Veにおいては、動力源1と車輪2との間の動力伝達経路に、流体伝動装置3、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、無段変速機6などが設けられている。動力源1としては、例えば、内燃機関または電動機の少なくとも一方を用いることができ、好ましくは電子スロットルバルブ7を備えた内燃機関などの出力を電気的に制御できる機構を備えた内燃機関が使用される。電動機としては、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有するモータ・ジェネレータを用いることが可能である。この実施例では、動力源1として、電子スロットルバルブ7を備えたガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは天然ガスエンジンなどの内燃機関が用いられている場合について説明する。
また、流体伝動装置3およびロックアップクラッチ4は、動力源1と前後進切り換え機構5との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置3とロックアップクラッチ4とは相互に並列に配置されている。流体伝動装置3は、流体の運動エネルギにより動力を伝達する装置であり、具体的には流体式トルクコンバータである。また、ロックアップクラッチ4は、摩擦力により動力を伝達する装置であって、トルクコンバータのポンプインペラなどの入力側の部材とタービンランナなどの出力側の部材とを直接連結するように構成されている。前後進切り換え機構5は、入力されたトルクを選択的に反転して出力する装置であって、例えば遊星歯車機構を主体として構成されている。
無段変速機6は、要は、変速比を連続的に変化させることのできる機構であって、ベルト式あるいはトロイダル型の無段変速機を使用することができる。図2にはベルト式のものが示されており、この無段変速機6は、前後進切り換え機構5と車輪2との間の動力伝達経路に設けられている。無段変速機6についてより具体的に説明すると、相互に平行に配置されたプライマリシャフト8およびセカンダリシャフト9が設けられている。このプライマリシャフト8にはプライマリプーリ10が設けられており、セカンダリシャフト9にはセカンダリプーリ11が設けられている。プライマリプーリ10は、プライマリシャフト8に固定された固定シーブ12と、プライマリシャフト8の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ13とを有している。そして、固定シーブ12と可動シーブ13との間に断面V字形状の溝M1が形成されている。
また、この可動シーブ13をプライマリシャフト8の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ13と固定シーブ12とを接近・離隔させる油圧サーボ機構14が設けられている。この油圧サーボ機構14は、油圧室15と、油圧室15のオイル量または油圧に応じてプライマリシャフト8の軸線方向に動作しかつ可動シーブ13に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
一方、セカンダリプーリ11は、セカンダリシャフト9に固定された固定シーブ16と、セカンダリシャフト9の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ17とを有している。そして、固定シーブ16と可動シーブ17との間には断面V字形状の溝M2が形成されている。そして、これらの溝M1,M2に挟持された状態でベルト18が各プーリ10,11に巻き掛けられている。
また、この可動シーブ17をセカンダリシャフト9の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ17と固定シーブ16とを接近・離隔させる油圧サーボ機構19が設けられている。この油圧サーボ機構19は、油圧室20と、油圧室20の油圧またはオイル量に応じてセカンダリシャフト9の軸線方向に動作しかつ可動シーブ17に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
一方、無段変速機6の油圧サーボ機構14,19およびロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を制御する機能を有する油圧制御装置21が設けられている。さらに、動力源1、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、無段変速機6、油圧制御装置21を制御するコントローラとしての電子制御装置22が設けられており、この電子制御装置22は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
図2に示す無段変速機6の変速比を車両Veの走行状態、すなわちアクセル開度や車速などに基づいて制御する自動変速制御と、手動操作に基づきかつ自動変速制御の場合より速い変速速度で変速を実行する手動変速(マニュアルシフト)制御とを実行できるように構成されている。シフト装置23は、その自動変速制御と手動変速制御とを選択するように構成されている。その一例を説明すると、シフトレバー24をガイドするガイド溝が図2に模式的に示すように変形したH字形に形成され、一方の直線部分にパーキングポジション(P)、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジション(D)、ブレーキポジション(B)が割り付けられ、かつドライブポジションから分岐した他方の直線部分の中央部がマニュアルポジション(M)に割り付けられ、このマニュアルポジションを挟んでアップシフトポジション(+)とダウンシフトポジション(−)とが設けられている。そして、各ポジションを検出するスイッチなどのセンサ(図示せず)が設けられており、そのセンサの出力信号が前記電子制御装置22に入力されている。また、シフトレバーの移動を前記油圧制御装置21に伝達するためのケーブルなどのリンゲージ(図示せず)が設けられている。
上記の電子制御装置22に入力されている信号を例示すると、エンジン回転数、アクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、スロットルバルブの開度、シフトポジション、プライマリシャフト8の回転数、セカンダリシャフト9の回転数、油圧制御装置21のソレノイドバルブのフェールの有無、エンジンの吸入空気量、登坂路か否かなどを検知するセンサの信号、シフト装置23で選択されているシフトポジションを示す信号、前記アップシフトポジションに設けられたセンサからのアップシフト信号、前記ダウンシフトポジションに設けられているセンサからのダウンシフト信号などが入力されている。また、電子制御装置22には各種のデータが記憶されており、電子制御装置22に入力される信号、および記憶されているデータに基づいて、電子制御装置22から、動力源1を制御する信号、無段変速機6を制御する信号、前後進切り換え機構5を制御する信号、ロックアップクラッチ4を制御する信号、油圧制御装置21を制御する信号などが出力される。
電子制御装置22に記憶されているデータとしては、エンジントルク制御マップ、変速機制御マップ、ロックアップクラッチ制御マップなどが挙げられる。エンジントルク制御マップは、例えば電子スロットルバルブ7の制御量の一時的な増大量を設定したマップである。また、変速機制御マップには、変速比の制御マップ、トルク容量の制御マップなどが含まれる。変速比制御マップは、車速、アクセル開度、減速度もしくはブレーキの操作状態などに基づいて、無段変速機6の変速比もしくは動力源1の目標回転数を設定するマップである。動力源1としてエンジンが用いられている場合は、無段変速機6の変速比の制御により、エンジン回転数を最適燃費線に近づけるように制御できる。なお、この回転数制御は、主として目標回転数と実回転数との偏差に基づくフィードバック制御によっておこなわれ、必要に応じてフィードフォワード制御が実行もしくは併用される。トルク容量制御マップは、変速比、伝達するべきトルクなどに基づいて、無段変速機6のトルク容量を制御する場合に用いるマップである。また、ロックアップクラッチ制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ロックアップクラッチ4のトルク容量を設定するマップである。
上述したように、無段変速機6は動力源1の回転数を燃費が最適になる回転数に制御するように機能させることができる。その制御では、一例として、アクセル開度などで代表される駆動要求量と車速とに基づいて適宜のマップから要求駆動力を求め、その要求駆動力と車速とから動力源の目標出力を算出する。その目標出力を最適燃費で出力することのできる目標回転数をいわゆる最適燃費線と目標出力線との交点での回転数としてマップなどから求め、その目標回転数と実際の動力源回転数との差を制御偏差として無段変速機6の変速比がフィードバック制御される。一方、目標出力とその時点の車速などに基づいて目標トルクが算出され、その目標トルクを達成するように電子スロットルバルブ7などによって動力源1の出力トルクが制御される。
この制御は、車速や流体伝動装置3のタービン回転数などとアクセル開度などの駆動要求量とで定まる走行状態に基づいて無段変速機6を制御するものであるが、無段変速機6の変速比の制御としては、手動操作に基づく制御も可能である。その制御は、シフト装置23のアップシフトポジションあるいはダウンシフトポジションに設けられているスイッチもしくはセンサを、シフトレバー24によってオン動作させて信号を出力させ、その信号に基づいて、動力源1の目標回転数をステップ的に変化させ、あるいは信号の出力している間、目標回転数を連続的に変化させる制御である。このような変速制御が、手動変速制御(マニュアルシフト制御)である。
手動変速操作は、車両の機敏な動作を期待して実行するから、変速速度(変速比変化率)が大きくなるように無段変速機6が制御される。例えば、減速時にマニュアルダウンシフト操作した場合には、変速比を通常より速い速度で増大させる。また反対に加速中にマニュアルアップシフト操作した場合には、通常より速い速度で変速比を減少させる。このような変速制御は、通常のマニュアルシフト制御として実行される。
また、このようなマニュアルシフトの場合、変速速度が速いので、ショックを緩和もしくは防止するために、エンジントルクの制御が併せて実行される。具体的には、減速時のマニュアルダウンシフトの場合には、エンジントルクを迅速に増大させる制御が実行される。これは、図2に示す車両では、電子スロットルバルブ7の開度を増大させ、その後、徐々に復帰させる制御である。このエンジントルク制御が変速制御と協調して実行されると、変速比の増大に伴ういわゆるエンジンブレーキ力を、エンジントルクの制御によって小さくし、変速比が急激に増大することによる駆動トルクの変化を抑制してショックが防止もしくは緩和される。また、マニュアルアップシフトの場合、変速比が急激に小さくなることによって動力源1やこれに関連する回転部材の回転数が減少して慣性トルクが発生し、これがショックの原因となるので、その慣性トルクを相殺するようにエンジントルクが低下させられる。このようにエンジントルクの制御も、通常のマニュアルシフト制御に含まれる。
上記のマニュアルシフト制御は、変速の実行要因が人為的なシフト操作であることにより、変速速度が通常の変速制御の場合より増大させられるから、無段変速機6の入力側に連結されている動力源1の回転数が急速に変化する。そのため、例えばマニュアルアップシフトによって変速比を急激に減少させた場合、通常の自動変速の場合に比較して大きい慣性トルクが生じる。その場合、動力源1の電子スロットルバルブ7の開度を一時的に減少させてエンジントルク(無段変速機6の入力トルク)を一時的に低下させるが、無段変速機6の挟圧力すなわちトルク容量が、この発明の負荷相当量に対応するスロットル開度(もしくは負荷率)の低下に基づいて低下させられる。すなわち、前述したセカンダリプーリ11側の油圧室20には、ベルト18を挟み付ける挟圧力を生じさせる油圧が供給されており、その油圧は、無段変速機6に対する入力トルクに対応するように、上記の負荷相当量に基づいて制御されている。そのために、変速の際に動力源1のスロットル開度を一時的に減じると、無段変速機6の挟圧力すなわちトルク容量が一時的に低下する。その結果、慣性トルクの増大に対してトルク容量が相対的に低下すると、無段変速機6のベルト18といずれかのプーリ10,11との間で滑りが生じる可能性が高くなる。
そこで、この発明に係る制御装置は、マニュアルアップシフトの際に以下の制御を実行して無段変速機6での滑りや変速ショックを防止するように構成されている。その制御例を図1にフローチャートで示してある。
図1に示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行され、先ず、実行するべき変速がマニュアルアップシフトか否かが判断される(ステップS1)。この判断は、例えば前述したシフト装置23のアップシフトポジションに設けられているセンサが信号を出力したか否かを検出することによりおこなうことができる。このステップS1で肯定的に判断された場合には、電スロ(電子スロットルバルブ)7による動力源1のトルクダウン制御の実行判断処理がおこなわれる(ステップS2)。これは、電子スロットルバルブ7を閉じ側に制御できる状態か否か、あるいは電子スロットルバルブ7を閉じ側に制御して所期のトルクダウンが可能か否かの判断処理である。例えば、先行する変速に伴う電子スロットルバルブ7の制御が完了していない場合、動力源1の温度もしくは無段変速機6の油温あるいは図示しない排気浄化触媒の温度などが所定の範囲から外れている場合(すなわち、いずれかの温度が高い場合あるいは低い場合)、スロットル開度が既に小さくなっていてそれ以上に閉じても変速時のショックの緩和に特には寄与しない可能性が高い場合には、マニュアルアップシフトに伴う電スロ制御を実行できないことが判断される。
このステップS2の処理に基づいて、電スロ7によるトルクダウン制御があるか否かが判断される(ステップS3)。このステップS3で肯定的に判断された場合、変速速度を通常の自動変速制御によるアップシフトの際の変速速度より速くする(ステップS4)。前述した図2に示す無段変速機6においては、プライマリプーリ10側の油圧室15に供給する圧油の流速(単位時間当たりの供給量)を増大させ、また変速を圧力制御によっておこなう場合には、供給圧を高くする。これは、変速の応答性を高くするための制御である。その場合、変速速度が速いために、動力源1などの回転部材の回転数の低下に伴う慣性トルクを相殺する目的で電子スロットルバルブ7を閉じ側に制御することによるトルクダウン制御が併せて実行される。
一方、無段変速機6の挟圧力(すなわちトルク容量)は、通常時、無段変速機6に対する入力トルクに応じた挟圧力となるように、動力源1の負荷相当量、具体的にはスロットル開度に基づいて制御される。すなわち、油圧制御装置21の元圧であるライン圧をスロットル開度に基づいて調圧した油圧が、挟圧力を設定する圧力とされる。しかしながら、マニュアルアップシフトで変速速度を速くする場合には、スロットル開度の一時的な低下に関わらず、挟圧力の低下が規制され、より具体的には挟圧力のアップ制御が実行される(ステップS5)。その結果、変速速度の速いアップシフトに伴って慣性トルクが増大し、しかも速いアップシフトに対応して動力源1のスロットル開度が閉じ側に制御されるとしても、無段変速機6の挟圧力すなわちトルク容量が低下せず、もしくは増大するので、無段変速機6に作用するトルクに対してトルク容量が相対的に不足することがなく、無段変速機6での過剰な滑りが未然に回避される。
これとは反対に上記のステップS3で否定的に判断された場合、すなわち電子スロットルバルブ7を閉じ側に制御することによるトルクダウン制御を実行できない場合、あるいはトルクダウン量が不足する場合には、マニュアルアップシフトであっても変速速度の増大が禁止されて相対的に遅い変速速度(すなわち通常の自動変速での変速速度)でアップシフトが実行される(ステップS6)。変速速度を増大した場合の慣性トルクを相殺する程度の動力源1のトルクダウンを実行できないからであり、したがってステップS6は変速ショックを低減するための制御である。
また、上述したステップS1で否定的に判断された場合、すなわちマニュアルアップシフトの制御が終了した場合や変速がマニュアルアップシフトではない場合には、前述したマニュアルアップシフトに伴う挟圧力の低下規制制御もしくは挟圧力のアップ制御が終了させられる(ステップS7)。
このようにこの発明に係る制御装置によれば、マニュアルアップシフトに伴って動力源1のスロットル開度などの負荷相当量を低下させる場合であっても、通常時はその負荷相当量に基づいて低下させられる挟圧力あるいはトルク容量を低下させないので、マニュアルアップシフトに伴う慣性トルクが無段変速機6に作用しても、ベルト滑りなどの事態を未然に回避することができる。また、マニュアルアップシフトに対応した動力源1のトルクダウン制御を実行できない場合、あるいはそのトルクダウン量が不充分になる場合には、たとえマニュアルアップシフトであっても変速速度を特には増大させないので、変速ショックを防止もしくは抑制することができる。
ここでこの発明と上記の具体例との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS5の機能的手段が、この発明のトルク容量規制手段に相当し、また図2に示す電子制御装置22がこの発明の挟圧力設定手段に相当し、さらに図1に示すステップS2およびステップS3の機能的手段が、この発明のトルクダウン判断手段に相当し、ステップS6の機能的手段が、この発明の変速速度増大禁止手段に相当する。
なお、上記の具体例では、電子スロットルバルブ7を閉じ側に制御することにより動力源1のトルクダウン制御を実行する例を示したが、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、アクセル操作に基づいて開度の変化するスロットルバルブ以外に、電気的に任意に制御できるサブスロットルバルブを設けてある場合には、そのサブスロットルバルブを閉じ側に制御してトルクダウンをおこなってもよく、その場合はそのサブスロットルバルブの開度が負荷相当量となる。また、この発明におけるマニュアル変速は、シフトレバーを操作することによる変速に限らず、ボタン操作によるものであってもよい。さらに、この発明で対象とする無段変速機は、ベルト式以外にトラクション式(トロイダル型)の無段変速機であってもよい。
この発明の制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置を適用可能な車両のパワートレーンおよび制御系統を示す概念図である。
符号の説明
1…動力源(エンジン)、 6…無段変速機、 22…電子制御装置、 23…シフト装置。

Claims (4)

  1. 通常の変速速度でのアップシフトと増大させた変速速度でのアップシフトとを実行可能で、かつ入力側に連結された動力源の負荷に相当する負荷相当量に基づいてトルク容量が設定され、さらに変速速度を増大させたアップシフトの際に前記負荷相当量を減少させて入力トルクを低下させる無段変速機の制御装置において、
    前記変速速度を増大させたアップシフトの際の前記負荷相当量の低下に伴う前記無段変速機のトルク容量の低下を規制するトルク容量規制手段を備えていることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 前記無段変速機のトルク容量に関連する挟圧力を前記負荷相当量に応じて設定する挟圧力設定手段とを更に備え、
    前記トルク容量規制手段が、前記変速速度を増大させたアップシフトに伴う負荷相当量の低下に応じた前記挟圧力設定手段による挟圧力の低下を規制する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 前記通常の変速速度でのアップシフトが走行状態に基づく自動アップシフトであり、前記増大させた変速速度でのアップシフトが手動操作に基づく手動アップシフトであることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機の制御装置。
  4. 変速速度を増大させたアップシフトの場合に前記入力トルクの低下が可能か否かを判断するトルクダウン判断手段と、
    前記入力トルクの低下をおこなえないことが前記トルクダウン判断手段によって判断された場合には、前記アップシフト時の変速速度の増大を禁止する変速速度増大禁止手段と
    を更に備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
JP2003430760A 2003-12-25 2003-12-25 無段変速機の制御装置 Pending JP2005188635A (ja)

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