JP4412038B2 - 無段変速機を搭載した車両の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両に搭載された無段変速機の変速比と動力源のトルクとを関連させて制御する制御装置に関するものである。
最近では、ガソリンエンジンなどの車両用内燃機関の回転数を、その出力側に連結した無段変速機によって、燃費が最適(最小)となる回転数に制御することがおこなわれている。これは、無段変速機での変速比を連続的に変化させ得ることに加えて、電子スロットルバルブなどによって内燃機関の出力トルクを電気的に制御できることを有効に利用した技術である。したがって無段変速機を搭載した車両では、燃費を重視した変速制御が広くおこなわれており、例えばアクセル開度などで代表される駆動要求量と車速などの車両の駆動状態とに基づいて要求駆動力を求めるとともに、その要求駆動力と車両の駆動状態とに基づいて目標出力を求め、その目標出力に対する最適燃費となる内燃機関の目標入力回転数(無段変速機の目標入力回転数)を算出し、その目標入力回転数となるように無段変速機を制御する。その一方で、目標出力に基づいて内燃機関の目標出力トルクを求め、その目標出力トルクとなるように電子スロットルバルブなどの出力制御機器を制御する。
このような燃費を重視した制御では、駆動トルクの変化が相対的に緩慢になる。そのため、加減速の応答性が必ずしも充分ではない場合が生じる。そこで従来では、アクセル開度の変化率(変化速度)などに応じて変速比を過渡的に急速に変化させることがおこなわれ、さらには変速比を手動操作に基づいて変化させるいわゆる手動変速(マニュアルシフト)が可能なように無段変速機を構成することもおこなわれている。後者の手動変速の可能な装置の一例が特許文献1に記載されており、この特許文献1に記載された発明は、手動シフトした場合に、スポーツ感覚を与えるように、シフト継続中のエンジントルクを変更するように構成されている。
特公表2001−524178号公報
無段変速機の変速制御は、車両の走行状態や手動変速操作に基づいて要求されている変速の内容に応じて目標入力回転数を設定し、実際の入力回転数がその目標入力回転数に一致するように変速比を連続的に変化させることにより実行される。したがって変速制御が開始されてから所定時間の間は、目標入力回転数と実入力回転数との偏差が不可避的に生じる。その変速中にマニュアル変速操作が実行されるなどのことによって既に実行されている変速とは反対の方向の変速をおこなう制御条件が成立することがある。その場合、後者(後続)の変速制御により変速比がステップ的に変化することに伴い、上記の特許文献1に記載されているように、エンジントルクを変化させると、実入力回転数が先行する変速制御によって変化している過程で、その実入力回転数を元に戻す変速が実行され、同時に、エンジントルクを後者の変速に即して実行することになる。
そのために、後続の変速を開始する時点の実入力回転数と後続の変速による目標回転数との偏差が、先行の変速が終了した後に後続の変速が開始される通常の変速の場合より小さくなる。これは、変速に伴ってエンジントルクを変化させる前提条件が通常の変速の場合とは異なっている状態である。そのため、例えばアップシフトの後にマニュアル操作によるダウンシフトを実行する場合、実入力回転数とダウンシフトによる目標入力回転数との偏差が、先行するアップシフトによる入力回転数の変化が終了していないことにより通常より小さく、それにも拘わらず、エンジントルクの一時的な増大制御を通常と同様に実行することがあるので、エンジントルクの増大量が相対的に過剰になってショックが生じる可能性がある。反対にダウンシフトの後にマニュアル操作によるアップシフトを実行する場合、実入力回転数とアップシフトによる目標入力回転数との偏差が、先行するダウンシフトによる入力回転数の変化が終了していないことにより通常より小さく、それにも拘わらず、エンジントルクの一時的な低下制御を通常と同様に実行することがあるので、エンジントルクの低下量が相対的に過剰になってショックが生じる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、変速の際に動力源の出力を制御するにあたって、変速制御が連続して実行される場合のショックを防止することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機が動力源の出力側に連結され、その無段変速機での変速の際に前記無段変速機の入力回転数の変化の方向に前記動力源の出力回転数が変化するように動力源の出力を変化させる無段変速機を搭載した車両の制御装置において、前記動力源の出力を変化させる制御を伴う変速を実行するべきことを判定する変速判定手段と、前記変速を実行するべきことが判定された際の前記無段変速機の実入力回転数と、前記変速を実行するべきことの判定の直前の時点における、前記変速に先行する他の変速制御による目標入力回転数との差を判断する回転数差判断手段と、前記実入力回転数と前記目標入力回転数との差が前記目標入力回転数を含む所定の範囲を外れている場合に、前記変速の際に前記動力源の出力を変化させる制御を禁止する出力制御禁止手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
この発明によれば、手動変速操作されるなどのことによって変速をおこなうべきことの条件が成立した場合に、その変速が、例えば変速比をステップ的に変化させ、その変速に伴って動力源の出力を変化させる変速か否かの判定がおこなわれ、その判定が成立した場合、実入力回転数が、その判定成立直前の時点における先行の変速制御による目標回転数を含む所定の範囲を外れているか否かが判断され、実入力回転数がその範囲を外れていると、変速に伴う動力源の出力変更制御が禁止される。したがって、本来、目標入力回転数と実入力回転数との偏差が大きいことを要因として実行される動力源の出力変更制御が、その偏差が実際には小さいことにより、あるいは反対に大きすぎることにより禁止されるので、実情に即した動力源の出力制御状態が達成され、その結果、動力源の出力変更制御に起因するショックを未然に防止あるいは回避することができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる車両のパワートレーン、およびその車両の制御系統を、図3に示す。図3に示す車両Veにおいては、動力源1と車輪2との間の動力伝達経路に、流体伝動装置3、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、無段変速機6などが設けられている。動力源1としては、例えば、内燃機関または電動機の少なくとも一方を用いることができ、好ましくは電子スロットルバルブ7を備えた内燃機関などの出力を電気的に制御できる機構を備えた内燃機関が使用される。電動機としては、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有するモータ・ジェネレータを用いることが可能である。この実施例では、動力源1として、電子スロットルバルブ7を備えたガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは天然ガスエンジンなどの内燃機関が用いられている場合について説明する。
また、流体伝動装置3およびロックアップクラッチ4は、動力源1と前後進切り換え機構5との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置3とロックアップクラッチ4とは相互に並列に配置されている。流体伝動装置3は、流体の運動エネルギにより動力を伝達する装置であり、具体的には流体式トルクコンバータであり、ロックアップクラッチ4は、摩擦力により動力を伝達する装置であって、トルクコンバータのポンプインペラなどの入力側の部材とタービンランナなどの出力側の部材とを直接連結するように構成されている。前後進切り換え機構5は、入力されたトルクを選択的に反転して出力する装置であって、例えば遊星歯車機構を主体として構成されている。
無段変速機6は、要は、変速比を連続的に変化させることのできる機構であって、ベルト式あるいはトロイダル型の無段変速機を使用することができる。図3にはベルト式のものが示されており、この無段変速機6は、前後進切り換え機構5と車輪2との間の動力伝達経路に設けられている。無段変速機6についてより具体的に説明すると、相互に平行に配置されたプライマリシャフト8およびセカンダリシャフト9が設けられている。このプライマリシャフト8にはプライマリプーリ10が設けられており、セカンダリシャフト9にはセカンダリプーリ11が設けられている。プライマリプーリ10は、プライマリシャフト8に固定された固定シーブ12と、プライマリシャフト8の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ13とを有している。そして、固定シーブ12と可動シーブ13との間にV字形状の溝M1が形成されている。
また、この可動シーブ13をプライマリシャフト8の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ13と固定シーブ12とを接近・離隔させる油圧サーボ機構14が設けられている。この油圧サーボ機構14は、油圧室15と、油圧室15のオイル量または油圧に応じてプライマリシャフト8の軸線方向に動作しかつ可動シーブ13に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
一方、セカンダリプーリ11は、セカンダリシャフト9に固定された固定シーブ16と、セカンダリシャフト9の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ17とを有している。そして、固定シーブ16と可動シーブ17との間にはV字形状の溝M2が形成されている。そして、これらの溝M1,M2に挟持された状態でベルト18が各プーリ10,11に巻き掛けられている。
また、この可動シーブ17をセカンダリシャフト9の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ17と固定シーブ16とを接近・離隔させる油圧サーボ機構19が設けられている。この油圧サーボ機構19は、油圧室20と、油圧室20の油圧またはオイル量に応じてセカンダリシャフト9の軸線方向に動作しかつ可動シーブ17に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
一方、無段変速機6の油圧サーボ機構14,19およびロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を制御する機能を有する油圧制御装置21が設けられている。さらに、動力源1、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、無段変速機6、油圧制御装置21を制御するコントローラとしての電子制御装置22が設けられており、この電子制御装置22は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
図3に示す無段変速機6の変速比を車両Veの走行状態、すなわちアクセル開度や車速などに基づいて制御する自動変速制御と、手動操作に基づいて変速を実行する手動変速(マニュアルシフト)制御とを実行できるように構成されている。シフト装置23は、その自動変速制御と手動変速制御とを選択するように構成されている。その一例を説明すると、シフトレバー24をガイドするガイド溝が図3に模式的に示すように変形したH字形に形成され、一方の直線部分にパーキングポジション(P)、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジション(D)、ブレーキポジション(B)が割り付けられ、かつドライブポジションから分岐した他方の直線部分の中央部がマニュアルポジション(M)に割り付けられ、このマニュアルポジションを挟んでアップシフトポジション(+)とダウンシフトポジション(−)とが設けられている。そして、各ポジションを検出するスイッチなどのセンサ(図示せず)が設けられており、そのセンサの出力信号が前記電子制御装置22に入力されている。また、シフトレバーの移動を前記油圧制御装置21に伝達するためのケーブルなどのリンゲージ(図示せず)が設けられている。
上記の電子制御装置22に入力されている信号を例示すると、エンジン回転数、アクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、スロットルバルブの開度、シフトポジション、プライマリシャフト8の回転数、セカンダリシャフト9の回転数、油圧制御装置21のソレノイドバルブのフェールの有無、エンジン1の吸入空気量、登坂路か否かなどを検知するセンサの信号、シフト装置23で選択されているシフトポジションを示す信号、前記アップシフトポジションに設けられたセンサからのアップシフト信号、前記ダウンシフトポジションに設けられているセンサからのダウンシフト信号などが入力されている。また、電子制御装置22には各種のデータが記憶されており、電子制御装置22に入力される信号、および記憶されているデータに基づいて、電子制御装置22から、動力源1を制御する信号、無段変速機6を制御する信号、前後進切り換え機構5を制御する信号、ロックアップクラッチ4を制御する信号、油圧制御装置21を制御する信号などが出力される。
電子制御装置22に記憶されているデータとしては、エンジントルク制御マップ、変速機制御マップ、ロックアップクラッチ制御マップなどが挙げられる。エンジントルク制御マップは、例えば電子スロットルバルブ7の制御量の一時的な増大量を設定したマップである。また、変速機制御マップには、変速比の制御マップ、トルク容量の制御マップなどが含まれる。変速比制御マップは、車速、アクセル開度、減速度もしくはブレーキの操作状態などに基づいて、無段変速機6の変速比もしくは動力源1の目標入力回転数を設定するマップである。動力源1としてエンジンが用いられている場合は、無段変速機6の変速比の制御により、エンジン回転数を最適燃費線に近づけるように制御できる。
また、手動変速操作された場合あるいは急減速などの場合、変速比をステップ的に変化させるように変速信号が出力され、目標入力回転数と実入力回転数との偏差が一時的に増大し、エンジン回転数を急減に変化させることになる。すなわちマニュアル変速制御が実行されるので、その場合のショックを抑制するために、電子スロットルバルブ7が電気的に制御されてエンジン出力が変更され、変速の進行に伴ってその出力制御が終了され、出力が次第に復帰される。なお、この回転数制御は、主として目標入力回転数と実入力回転数との偏差に基づくフィードバック制御によっておこなわれ、必要に応じてフィードフォワード制御が実行もしくは併用される。
前記トルク容量制御マップは、変速比、伝達するべきトルクなどに基づいて、無段変速機6のトルク容量を制御する場合に用いるマップである。また、ロックアップクラッチ制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ロックアップクラッチ4のトルク容量を設定するマップである。
上述したように、無段変速機6は動力源1の回転数を燃費が最適になる回転数に制御するように機能させることができる。このいわゆる通常の制御では、一例として、アクセル開度などで代表される駆動要求量と車速とに基づいて適宜のマップから要求駆動力を求め、その要求駆動力と車速とから動力源の目標出力を算出する。その目標出力を最適燃費で出力することのできる目標入力回転数をいわゆる最適燃費線と目標出力線との交点での回転数としてマップなどから求め、その目標入力回転数と実際の動力源回転数との差を制御偏差として無段変速機6の変速比がフィードバック制御される。一方、目標出力とその時点の車速などに基づいて目標トルクが算出され、その目標トルクを達成するように電子スロットルバルブ7などによって動力源1の出力トルクが制御される。
このいわゆる通常制御は、車速や流体伝動装置3のタービン回転数などとアクセル開度などの要求駆動量とで定まる走行状態に基づいて無段変速機6を制御するものであるが、無段変速機6の変速比の制御としては、手動操作に基づく制御も可能である。その制御は、シフト装置23のアップシフトポジションあるいはダウンシフトポジションに設けられているスイッチもしくはセンサを、シフトレバー24によってオン動作させて信号を出力させ、その信号に基づいて、動力源1の目標入力回転数をステップ的に変化させ、あるいは信号の出力している間、目標入力回転数を連続的に変化させる制御である。このような変速制御が、マニュアル変速制御である。
手動変速操作は、車両の機敏な動作を期待して実行するから、変速速度(変速比変化率)が大きくなるように無段変速機6が制御される。例えば、減速時にマニュアルダウンシフト操作した場合には、変速比を通常より速い速度で増大させる。また反対に加速中にマニュアルアップシフト操作した場合には、通常より速い速度で変速比を減少させる。このような変速制御は、通常のマニュアルシフト制御として実行される。また、急減速時にも手動操作によらずに、マニュアル変速制御が実行される。
また、このようなマニュアルシフトの場合、変速速度が速いので、ショックを緩和もしくは防止するために、エンジントルクの制御が併せて実行される。具体的には、減速時のマニュアルダウンシフトの場合には、エンジントルクを迅速に増大させる制御が実行される。これは、図3に示す車両では、電子スロットルバルブ7の開度を増大させ、その後、徐々に復帰させる制御である。このエンジントルク制御が変速制御と協調して実行されると、変速比の増大に伴ういわゆるエンジンブレーキ力を、エンジントルクの制御によって小さくし、変速比が急激に増大することによる駆動トルクの変化を抑制してショックが防止もしくは緩和される。また、マニュアルアップシフトの場合、変速比が急激に小さくなることによってエンジン1やこれに関連する回転部材の回転数が減少して慣性トルクが発生し、これがショックの原因となるので、その慣性トルクを相殺するようにエンジントルクが低下させられる。このようにエンジントルクの制御も、通常のマニュアル変速制御に含まれる。
上記のマニュアル変速の際のエンジントルクの変更制御は、無段変速機6の実入力回転数を迅速に目標入力回転数に一致させる際の慣性トルクを低減するための制御であり、したがってそのエンジントルクの制御量は、マニュアル変速の変速内容(アップシフトとダウンシフト)やその時点の車速などに応じて一例としてマップの形で予め定められている。しかしながら、先行する変速によって実入力回転数が目標入力回転数に一致するように変化する過渡状態で、先行する変速とは反対の方向の変速(すなわちアップシフトに対してダウンシフト、ダウンシフトに対してアップシフト)の条件が成立して変速がおこなわれると、目標入力回転数が従前とは反対方向に変化するので、先行する変速による実入力回転数の変化が終了していないことと相まって、目標入力回転数と実入力回転数との偏差が、通常の場合より小さくなる。その後続の変速がマニュアル変速であることによりエンジントルクの制御が併せて実行される変速の場合、そのエンジントルクの制御量が、変速が連続しない通常の状態における実入力回転数と目標入力回転数との偏差を前提に設定されるので、エンジントルクの制御量が相対的に過剰になる。この発明に係る制御装置は、このような回転数の偏差とエンジントルク制御量との不一致に起因する不都合を解消するために、以下の制御を実行するように構成されている。
図1はその制御の一例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示されるルーチンは所定時間毎に、あるいは変速の条件が成立した場合に所定時間毎に、繰り返し実行される。先ず、変速時におけるエンジントルク変更制御の禁止を指示する各フラグFd,Fuがオフにセットされる(ステップS1,S2)。これらのフラグFd,Fuは、エンジン1を制御するユニットに対して変速に伴うトルク変更制御の禁止を指示するためのものであって、オンにセットされることにより、その禁止の指示をおこなうようになっている。
ついで、スポーツマニュアル変速モードが選択されているか否かか判断される(ステップS3)。これは、例えば前述したシフト装置23において、シフトレバー24がマニュアルポジション(M)に移動させられることに伴って適宜のセンサ(図示せず)から出力される信号によって検出でき、あるいは判断できる。このステップS3で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを一旦終了する。
これとは反対にステップS3で肯定的に判断された場合には、マニュアル変速制御によるダウンシフトが実行されたか否かが判断される(ステップS4)。これは、上述した図3に示す駆動装置においては、シフトレバー24が前述したダウンシフトポジション(−)に移動させられることに伴って出力される信号に基づいて判断することができる。このステップS4で肯定的に判断された場合には、その時点の実入力回転数NINが、その時点の直前における目標入力回転数NINCM、すなわち先行する変速制御による前記時点の直前の時点における目標入力回転数NINCMから所定値α1 を減じた回転数以下か否かが判断される(ステップS5)。すなわち、実入力回転数NINが先行する変速制御での目標入力回転数NINCMを大きく下回っているか否かが判断される。
このステップS5で肯定的に判断された場合には、ダウンシフト時にエンジントルクを増大させる制御を禁止するフラグFdがオンとされる(ステップS6)。すなわち、ダウンシフトに伴う動力源の出力の変更制御が禁止される。ステップS5で肯定的な判断が成立する程度に実入力回転数NINが、先行する例えばアップシフト制御によってその目標入力回転数NINCMを大きく下回っている場合、言い換えれば、これらの回転数の偏差が所定の範囲を外れている場合には、エンジントルクの増大制御をおこなっても急速な変速に伴う慣性トルクを充分に減じることができないので、エンジントルクを増大させる制御が禁止される。その場合、図1には示していないが、変速速度を低下させ、あるいは変速比を変化させるステップ幅を減じるなどの他の制御を実行する。
一方、ステップS5で否定的に判断された場合には、実入力回転数NINが、前記目標入力回転数NINCMに他の所定値α2 を加えた回転数以上か否かが判断される(ステップS7)。このステップS7で肯定的に判断されれば、ダウンシフトを実行する際の実入力回転数NINが、先行する変速制御での前記目標入力回転数NINCMに対して未だ充分に低下(接近)しておらず、あるいはこれらの回転数の乖離が大きく、したがって後続のダウンシフト制御での目標入力回転数との差が相対的に小さくなる。これは、後続のダウンシフトに併せて実行されるエンジントルクの増大制御で前提もしくは想定されている実入力回転数と目標入力回転数との差に対して、回転数差が過小になっている状態であるから、エンジントルクの増大制御を実行すると、これが出力軸トルクに現れ、駆動トルクが増大してしまう可能性がある。したがってこの場合は、ステップS6に進んで、エンジントルクを増大させる制御を禁止するフラグFdがオンとされる。その場合、図1には示していないが、変速速度を低下させ、あるいは変速比を変化させるステップ幅を減じるなどの他の制御を実行する。
これとは、反対にステップS7で否定的に判断された場合には、ダウンシフトの際の実入力回転数NINが、先行する変速制御での目標入力回転数NINCMを含む所定の範囲内に入っていて、後続の変速であるダウンシフト制御での目標入力回転数に対する実入力回転数の差が、エンジントルクの増大制御に対応したものとなっている(実入力回転数NINと先行する変速制御での目標入力回転数NINCMとの差が所定の範囲に入っている)ので、上記のフラグFdについての制御を実行することなくこのルーチンを一旦終了する。したがって、ダウンシフトに伴うエンジントルクの変更制御(増大制御)が通常どおりに実行される。
他方、前記ステップS4で否定的に判断された場合には、アップシフト変速か否かが判断される(ステップS8)。これは、前述したシフト装置23におけるシフトレバー24が前述したアップシフトポジション(+)に移動させられることに伴って出力される信号に基づいて判断することができる。このステップS8で否定的に判断された場合には、変速を実行するべき状態となっていないので、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを一旦終了する。
これとは反対にステップS8で肯定的に判断された場合には、その時点の実入力回転数NINが、その時点の直前における目標入力回転数NINCM、すなわち先行する変速制御(例えばダウンシフト制御)による前記時点の直前の時点における目標入力回転数NINCMから所定値β1 を減じた回転数以下か否かが判断される(ステップS9)。すなわち、実入力回転数NINが先行する変速制御での目標入力回転数NINCMを大きく下回っているか否かが判断される。
このステップS9で肯定的に判断された場合には、アップシフト時にエンジントルクを低下させる制御を禁止するフラグFuがオンとされる(ステップS10)。すなわち、このステップS9で肯定的に判断されれば、アップシフトを実行する際の実入力回転数NINが、先行する変速制御(例えばダウンシフト制御)での前記目標入力回転数NINCMに対して未だ充分に増大(接近)しておらず、あるいはこれらの回転数の乖離が大きく、したがって後続のアップシフト制御での目標入力回転数と実入力回転数との差が相対的に小さくなる。これは、後続のアップシフトに併せて実行されるエンジントルクの低下制御で前提もしくは想定されている実入力回転数と目標入力回転数との差に対して、回転数差が過小になっている状態(目標入力回転数を含む範囲を低回転数側に外れている状態)であるから、エンジントルクの低下制御を実行すると、これが出力軸トルクに現れ、駆動トルクが大きく低下してしまう可能性がある。したがってこの場合は、ステップS10に進んで、エンジントルクを低下させる制御を禁止することとしたのである。その場合、図1には示していないが、変速速度を低下させ、あるいは変速比を変化させるステップ幅を減じるなどの他の制御を実行する。
一方、ステップS9で否定的に判断された場合には、実入力回転数NINが、前記目標入力回転数NINCMに他の所定値β2 を加えた回転数以上か否かが判断される(ステップS11)。このステップS11で肯定的に判断されれば、ステップS10に進んで、アップシフトに伴う動力源の出力の変更制御が禁止される。ステップS11で肯定的な判断が成立する程度に実入力回転数NINが、先行する例えばダウンシフト制御によってその目標入力回転数NINCMを大きく上回っている場合、言い換えれば、これらの回転数の偏差が所定の範囲を高回転数側に外れている場合には、エンジントルクの低下制御をおこなっても急速な変速に伴う慣性トルクを充分に減じることができないので、エンジントルクを低下させる制御が禁止される。その場合、図1には示していないが、変速速度を低下させ、あるいは変速比を変化させるステップ幅を減じるなどの他の制御を実行する。
これとは、反対にステップS11で否定的に判断された場合には、アップシフトの際の実入力回転数NINが、先行する変速制御での目標入力回転数NINCMを含む所定の範囲内に入っていて、後続の変速であるアップシフト制御での目標入力回転数に対する実入力回転数の差が、エンジントルクの低下制御に対応したものとなっている(実入力回転数NINと先行する変速制御での目標入力回転数NINCMとの差が所定の範囲に入っている)ので、上記のフラグFuについての制御を実行することなくこのルーチンを一旦終了する。したがって、アップシフトに伴うエンジントルクの変更制御(低下制御)が通常どおりに実行される。
上記の制御のうち、アップシフトに続けてダウンシフトが生じる場合の例のタイムチャートを図2に示してある。なお、図2にはエンジントルクの変更制御の禁止をおこなわない比較例(図2の上側の例)を併せて示してある。図2において、t1 時点にマニュアル操作によってアップシフトが実行され、それに伴ってマニュアルシフトフラグがONとなり、また目標入力回転数NINCMが次第に低下させられる。その目標入力回転数NINCMに対して所定の遅れをもって実入力回転数NINが次第に低下する。
実入力回転数NINが、アップシフトによる目標入力回転数NINCMに一致する以前(先行するアップシフトが終了する以前)のt2 時点にマニュアル操作によってダウンシフトがおこなわれると、目標入力回転数NINCMがステップ的に増大させられる。その場合、実入力回転数NINが先行するアップシフトによって低下する過程にあることにより、ダウンシフトによる目標入力回転数と実入力回転数NINとが通常のダウンシフトの場合より接近しているので、この発明の制御装置は、エンジントルクの増大制御を禁止する。すなわち、t2 時点の直前における目標入力回転数(先行するアップシフト制御による目標入力回転数)NINCMに対して、実入力回転数NINが前記所定値α2 以上大きくなっていて、実入力回転数NINが所定の範囲を高回転数側に外れているので、エンジントルクの増大制御を禁止する。図2にはこれを電子スロットルバルブ(電スロ)の制御についての要求開度を増大させないこととして示してある。また、エンジントルクを変更させる制御を実行しないので、目標入力回転数NINCMを増大させるステップ幅が、電スロ制御を伴うダウンシフトの場合に比較して小さく設定され、その後、徐々に増大させるように制御される。
このようにエンジントルクを増大させないので、エンジントルクによって加速度が増大することがなく、その結果、図2に示すように前後加速度(前後G)に大きな変化が生じない。すなわち、ショックが防止もしくは抑制される。
これに対してダウンシフトの際の実入力回転数NINが、先行する変速制御での目標入力回転数NINCMを含む所定の範囲を外れているにも拘わらず、エンジントルクの増大制御を実行した場合(図2の上側に示す例の場合)には、エンジントルクが無段変速機6の入力回転数を増大させるだけでなく、出力軸トルクを増大させるように作用するので、前後加速度(前後G)が一時的に増大し、いわゆる電スロの開き過ぎによるショックが発生する。
このようにこの発明の制御装置によれば、ダウンシフトを実行する際の実入力回転数NINと目標入力回転数NINCMとの関係に基づいてエンジントルクの制御の実行、禁止を判断するので、エンジントルクを不必要に変化させてこれが駆動トルクとなって現れ、ショックを悪化させるなどの事態を未然に防止することができる。このような状況は、アップシフトの際にも同様であって、アップシフトの際の実入力回転数NINが、先行する変速制御(例えばダウンシフト制御)による目標入力回転数NINCMを含む所定の範囲を外れている場合には、エンジントルクを低下させる制御が禁止され、その結果、駆動トルクが不必要に低下していわゆる減速ショックが生じるなどの事態を未然に防止もしくは抑制することができる。また、これらダウンシフトおよびアップシフトの際の実入力回転数NINと目標入力回転数NINCMとの関係に基づくエンジントルクの変更制御は、変速が連続的に生じる場合に限らず、入力回転数が安定している状態での通常の変速の際にも実行することができ、かつ上述したのと同様にショックを防止もしくは抑制することができる。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS4およびステップS8の機能的手段が、この発明の変速判定手段に相当し、ステップS5,S7,S9,S11の機能的手段が、この発明の回転数差判断手段に相当し、さらにステップS6,S10の機能的手段が、この発明の出力制御禁止手段に相当する。
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、内燃機関を動力源とした車両以外に、電動機を動力源とした車両、あるいは電動機を動力源として併用した車両などにも適用できる。また、この発明で対象とする無段変速機はベルト式以外にトロイダル型(トラクション式)の無段変速機であってもよい。
この発明の制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。 図1に示すフローチャートによる制御をおこなった場合のタイムチャートの一例を模式的に示す図である。 この発明の制御装置を適用可能な車両のパワートレーンおよび制御系統を示す概念図である。
符号の説明
1…動力源(エンジン)、 6…無段変速機、 22…電子制御装置、 23…シフト装置。

Claims (1)

  1. 変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機が動力源の出力側に連結され、その無段変速機での変速の際に前記無段変速機の入力回転数の変化の方向に前記動力源の出力回転数が変化するように動力源の出力を変化させる無段変速機を搭載した車両の制御装置において、
    前記動力源の出力を変化させる制御を伴う変速を実行するべきことを判定する変速判定手段と、
    前記変速を実行するべきことが判定された際の前記無段変速機の実入力回転数と、前記変速を実行するべきことの判定の直前の時点における、前記変速に先行する他の変速制御による目標入力回転数との差を判断する回転数差判断手段と、
    前記実入力回転数と前記目標入力回転数との差が前記目標入力回転数を含む所定の範囲を外れている場合に、前記変速の際に前記動力源の出力を変化させる制御を禁止する出力制御禁止手段と
    を備えていることを特徴とする無段変速機を搭載した車両の制御装置。
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