JP2017166600A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017166600A
JP2017166600A JP2016052901A JP2016052901A JP2017166600A JP 2017166600 A JP2017166600 A JP 2017166600A JP 2016052901 A JP2016052901 A JP 2016052901A JP 2016052901 A JP2016052901 A JP 2016052901A JP 2017166600 A JP2017166600 A JP 2017166600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
transmission
shift
automatic transmission
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016052901A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6653961B2 (ja
Inventor
井上 拓市郎
Takuichiro Inoue
拓市郎 井上
真美子 井上
Mamiko Inoue
真美子 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
JATCO Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, JATCO Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2016052901A priority Critical patent/JP6653961B2/ja
Publication of JP2017166600A publication Critical patent/JP2017166600A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6653961B2 publication Critical patent/JP6653961B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】トルク復帰の開始に適切なタイミングを検知し、変速時のジャダーの発生を抑制すると共に、駆動力不足が不要に長引くことを防止できる自動変速機の制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジン1と駆動輪7との間に配され、締結状態のハイクラッチ33を解放すると共に解放状態のローブレーキ32を締結することで変速を行う副変速機30を備え、
副変速機30の変速に際して、エンジントルクTeをエンジン1に加わる負荷トルクよりも低下させるトルクダウンを行うと共に、前記変速の進行に伴ってエンジントルクTeを増大させるトルク復帰を行う際、このトルク復帰の開始タイミングを、ハイクラッチ33の回転速度差に基づいて設定する構成とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、摩擦締結要素を架け替えて変速段を切り替える有段変速機構を有する自動変速機の制御装置に関するものである。
従来、トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチのスリップ制御中にジャダーが発生したと判断したら、エンジントルクを一時的に低減するトルクダウン制御を行ってジャダーを抑制する制御が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010-196810号公報
しかしながら、従来の制御装置では、ジャダーの発生を検知してからトルクダウン制御を行うため、ジャダーを十分に低減することが難しいという問題がある。
さらに、ジャダーを抑制するためにトルクダウン制御を行うものの、低減したエンジントルクの復帰タイミングについては検討の余地がある。また、摩擦締結要素の架け替え変速時にもジャダーが発生するので、ジャダー抑制が必要とされているが、この場合でもトルクダウン制御からの復帰タイミングを検討する必要がある。
すなわち、トルクダウンからの復帰タイミングが早すぎれば、ジャダーの抑制を十分に行うことができない。一方、復帰タイミングが遅すぎれば、駆動力の低い状態が長く続き、変速に対して運転者に違和感を与える。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、摩擦締結要素の架け替え変速時、ジャダーの発生を抑制すると共に、駆動力不足が不要に長引くことを防止できる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機の制御装置は、有段変速機構と、トルク制御手段と、を備えている。
前記有段変速機構は、走行駆動源と駆動輪との間に配され、締結状態の第1摩擦締結要素を解放すると共に解放状態の第2摩擦締結要素を締結することで、シフト前変速段からシフト後変速段への変速を行う。
前記トルク制御手段は、前記有段変速機構の前記シフト前変速段から前記シフト後変速段への変速に際して、前記走行駆動源の出力トルクを前記走行駆動源に加わる負荷トルクよりも低下させるトルクダウンを行うと共に、前記変速の進行に伴って前記走行駆動源の出力トルクを増大させるトルク復帰を行う。さらに、前記トルク復帰の開始タイミングを、前記第1摩擦締結要素の回転速度差に基づいて設定する。
摩擦締結要素を架け替える変速時、締結状態から解放する摩擦締結要素においてクラッチ面圧が所定値以上の状態で回転速度差が生じるとジャダーが発生する。
これに対し、走行駆動源の出力トルクを負荷トルクよりも低下させることで、締結状態から解放する摩擦締結要素(=第1摩擦締結要素)のクラッチ面圧を下げることができる。そのため、変速の進行によって第1摩擦締結要素のクラッチ面圧が下がり、この第1摩擦締結要素において回転速度差が発生しても、回転速度差発生時のクラッチ面圧を下げることができるため、ジャダーの発生を抑制できる。
また、ジャダーが生じる第1摩擦締結要素の回転速度差に基づいてトルク復帰の開始タイミングを設定することで、トルク復帰の開始に適切なタイミングを検知でき、ジャダーが発生しない適切なタイミングでのトルク復帰を行うことを可能とする。この結果、ジャダーの発生を抑制すると共に、駆動力不足が不要に長引くことを防止して、変速に際して運転者に与える違和感を低減することができる。
実施例1の制御装置が適用された自動変速機が搭載されたエンジン車を示す全体構成図である。 実施例1の制御装置が適用された自動変速機の電子制御系を示すブロック図である。 実施例1の統合コントローラの記憶装置に格納されている変速マップの一例を示す変速マップ図である。 実施例1にて実行される変速時エンジントルク制御処理の流れを示すフローチャートである。 比較例の自動変速機でのダウンシフト実施時のアクセル開度・変速フェーズフラグ・エンジントルク・車両加速度・エンジン回転速度・変速機出力軸回転速度の各特性を示すタイムチャートである。 クラッチ伝達容量に対するクラッチ面圧の違いによるジャダーの有無を示す説明図である。 トルク復帰のタイミングによる課題を示す説明図である。 実施例1の制御装置を適用した自動変速機の副変速機でのダウンシフト実施時のアクセル開度・変速フェーズフラグ・エンジントルク・副変速機入力回転速度・副変速機出力回転速度・車両加速度・エンジン回転速度・変速機出力軸回転速度の各特性を示すタイムチャートである。 バリエータ変速比に対するエンジントルク規制値の違いを示す説明図である。 スリップ促進制御時のトルク増大勾配を示す説明図である。 バリエータの変速に対するトルク復帰時のトルク増大勾配の違いを示す説明図である。
以下、本発明の自動変速機の制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における自動変速機の制御装置は、副変速機付き無段変速機が搭載されたエンジン車に適用したものである。以下、実施例1における自動変速機の制御装置の構成を、「全体システム構成」、「変速マップによる変速制御構成」、「変速時エンジントルク制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は実施例1の制御装置が適用された自動変速機が搭載されたエンジン車を示す全体構成を示し、図2は自動変速機の電子制御系を示す。以下、図1及び図2に基づいて、実施例1の制御装置の全体システム構成を説明する。
実施例1の自動変速機4が搭載された車両は、走行駆動源としてエンジン1を備える。
エンジン1からの出力回転は、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ2、第1ギヤ列3、自動変速機4、第2ギヤ列5、終減速装置6を介して駆動輪7へと伝達される。
第2ギヤ列5には、駐車時に自動変速機4の出力軸を機械的に回転不能にロックするパーキング機構8が設けられている。また、車両には、エンジン1の動力の一部を利用して駆動されるオイルポンプ10と、オイルポンプ10からの油圧を調圧して自動変速機4の各部位に供給する油圧制御回路11と、エンジン1に内蔵されたスロットルバルブアクチュエータ等へ指令を出力してエンジン動作点を制御するエンジンコントローラ12と、油圧制御回路11及びエンジンコントローラ12を制御する統合コントローラ13と、が設けられている。以下、各構成について説明する。
前記自動変速機4は、バリエータ20(無段変速機構)と、バリエータ20に対して直列に設けられた副変速機30(有段変速機構)と、を備えていて、“副変速機付き無段変速機”と呼ばれるものである。
ここで、「直列に設けられる」とは、同一の動力伝達経路においてバリエータ20と副変速機30が直列に設けられるという意味である。副変速機30の入力軸は、実施例1のようにバリエータ20の出力軸に直接接続されていてもよいし、その他の変速ないし動力伝達機構(例えば、ギヤ列やクラッチ)を介して接続されていてもよい。
前記バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、両プーリ21,22の間に掛け回されるVベルト23とを備えるベルト式無段変速機構である。プーリ21,22は、それぞれ固定円錐板と、この固定円錐板に対してシーブ面を対向させた状態で配置され固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐板の背面に設けられて可動円錐板を軸方向に変位させる油圧シリンダ23a,23bとを備える。油圧シリンダ23a,23bに供給される油圧を調整すると、V溝の幅が変化してVベルト23と各プーリ21,22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比が無段階に変化する。
前記副変速機30は、前進2段・後退1段による有段変速機構である。この副変速機30は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構31と、ラビニョウ型遊星歯車機構31を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素を備える。摩擦締結要素としては、ローブレーキ32と、ハイクラッチ33と、リバースブレーキ34と、が設けられる。各摩擦締結要素32〜34への供給油圧を調整し、各摩擦締結要素32〜34の締結・解放状態を変更する架け替え変速を行うと副変速機30の変速段が変更される。
即ち、ローブレーキ32を締結し、ハイクラッチ33及びリバースブレーキ34を解放すれば、副変速機30の変速段は1速段(発進変速段)となる。ハイクラッチ33を締結し、ローブレーキ32及びリバースブレーキ34を解放すれば、副変速機30の変速段は1速よりも変速比が小さな2速段(走行変速段)となる。また、リバースブレーキ34を締結し、ローブレーキ32及びハイクラッチ33を解放すれば、副変速機30の変速段は後退段となる。以下、副変速機30が1速段の状態を「低速モード」といい、副変速機30が2速段の状態を「高速モード」という。
前記統合コントローラ13(トルク制御手段)は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、図2に示すように、CPU131と、RAM・ROMからなる記憶装置132と、入力インターフェース133と、出力インターフェース134と、これらを相互に接続するバス135とから構成される。
前記入力インターフェース133には、アクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ41の出力信号、バリエータ20のプライマリ回転速度Npri(バリエータ20の入力回転速度)を検出するプライマリ回転速度センサ42の出力信号、副変速機30の出力回転速度Nout(自動変速機4の出力回転速度)を検出する変速機出力回転速度センサ43の出力信号、が入力される。さらに、この入力インターフェース133には、自動変速機4のATF油温を検出する油温センサ44の出力信号、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ45の出力信号、エンジン1の出力トルクの信号であるエンジントルク信号Te、が入力される。さらに、バリエータ20のセカンダリ回転速度Nsec(バリエータ20の出力回転速度)を検出するセカンダリ回転速度センサ46の出力信号、エンジン1のエンジン回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ47の出力信号、トルクコンバータ2のタービン回転速度Nt(自動変速機4の入力回転速度)を検出するタービン回転速度センサ48からの出力信号、等が入力される。
前記記憶装置132には、自動変速機4の変速制御プログラムや、この変速制御プログラムで用いる変速マップ(図3参照)が格納されている。CPU131は、記憶装置132に格納されている変速制御プログラムを読み出して実行し、入力インターフェース133を介して入力される各種信号に対して各種演算処理を施して変速制御信号及び駆動力制御信号を生成し、生成した変速制御信号を、出力インターフェース134を介して油圧制御回路11に出力すると共に、生成した駆動力制御信号を、出力インターフェース134を介してエンジンコントローラ12に出力する。CPU131が演算処理で使用する各種値、その演算結果は記憶装置132に適宜格納される。
前記油圧制御回路11は、複数の流路、複数の油圧制御弁を有している。油圧制御回路11は、統合コントローラ13からの変速制御信号に基づき、複数の油圧制御弁を制御して油圧の供給経路を切り換えるとともにオイルポンプ10で発生した油圧から必要な油圧を調製し、これを自動変速機4の各部位に供給する。これによりバリエータ20の変速比や副変速機30の変速段が変更され、自動変速機4の変速が行われる。
前記エンジンコントローラ12は、統合コントローラ13からの駆動トルク制御信号に基づき、エンジン1の動作点(Ne,Te)を制御する指令を、エンジン1に内蔵されたスロットルバルブアクチュエータ等へ出力する。これにより、エンジン1の出力トルクが変更される。
[変速マップによる変速制御構成]
図3は、統合コントローラの記憶装置に格納される変速マップの一例を示す。以下、図3に基づき、変速マップによる変速制御構成を説明する。
前記自動変速機4の動作点は、図3に示す変速マップ上で車速VSPとプライマリ回転速度Npriに基づき決定される。なお、車速VSPは、副変速機30の出力回転速度Noutと第2ギヤ列5及び終減速装置6でのギヤ比から求められる。なお、車輪速センサからのセンサ信号により求めた車速情報を入力し、「車速VSP」として用いても良い。
この図3において、自動変速機4の動作点と変速マップ左下隅の零点を結ぶ線の傾きが自動変速機4の変速比(バリエータ20の変速比に副変速機30の変速比を掛けて得られるトータル変速比、つまり、バリエータ20及び副変速機30によって達成される自動変速機4の全体変速比。以下、「スルー変速比」という。)を表している。
この変速マップには、従来のベルト式無段変速機の変速マップと同様に、アクセル開度APO毎に変速線が設定されており、自動変速機4の変速はアクセル開度APOに応じて選択される変速線に従って行われる。
即ち、統合コントローラ13は、変速マップを参照し、車速VSP及びアクセル開度APO(運転点)に対応するスルー変速比を、「到達スルー変速比」として設定する。
この「到達スルー変速比」は、当該運転状態でスルー変速比が最終的に到達すべき目標値である。そして、統合コントローラ13は、スルー変速比を所望の応答特性で到達スルー変速比に追従させるための過渡的な目標値である「目標スルー変速比」を設定し、バリエータ20及び副変速機30を制御して、実スルー変速比を目標スルー変速比に一致(追従)させる「協調変速」を実施する。
なお、「協調変速」を実施する場合には、まず、副変速機30での目標副変速比を算出する。ここで、副変速機30が変速しない場合であれば、目標副変速比は、1速段で実現する変速比または2速段で実現する変速比となる。また、副変速機30が変速する場合であれば、当該変速の進行状態に応じて副変速機30の入力回転速度及び出力回転速度を演算し、その演算値から目標副変速比を算出する。
そして、目標副変速比を算出したら、この算出した目標副変速比で目標スルー変速比を除算し、この除算値をバリエータ20の目標変速比(以下、「目標バリエータ変速比」という)に設定し、バリエータ20の変速比を目標バリエータ変速比に一致(追従)させるバリエータ20の変速制御を実施する。この結果、スルー変速比が目標値に追従するように、目標副変速比に応じて目標バリエータ変速比が制御される。
また、図3には簡単のため、全負荷線(アクセル開度APO=8/8のときの変速線)、パーシャル線(アクセル開度APO=4/8のときの変速線)、コースト線(アクセル開度APO=0/8のときの変速線)のみを示している。
そして、自動変速機4が低速モードのとき、この自動変速機4はバリエータ20の変速比を最大にして得られる低速モード最Low線と、バリエータ20の変速比を最小にして得られる低速モード最High線と、の間で変速することができる。このとき、自動変速機4の動作点はL領域及びM領域内を移動する。一方、自動変速機4が高速モードのとき、自動変速機4はバリエータ20の変速比を最大にして得られる高速モード最Low線と、バリエータ20の変速比を最小にして得られる高速モード最High線と、の間で変速することができる。このとき、自動変速機4の動作点はM領域及びH領域内を移動する。
なお、「L領域」とは、低速モード最Low線と高速モード最Low線によって囲まれた領域である。「M領域」とは、高速モード最Low線と低速モード最High線によって囲まれた領域である。「H領域」とは、低速モード最High線と高速モード最High線によって囲まれた領域である。
また、副変速機30の各変速段の変速比は、低速モード最High線に対応する変速比(低速モード最High変速比)が高速モード最Low線に対応する変速比(高速モード最Low変速比)よりも小さくなるように設定される。これにより、低速モードでとり得る自動変速機4のスルー変速比の範囲である低速モードレシオ範囲と、高速モードでとり得る自動変速機4のスルー変速比の範囲である高速モードレシオ範囲と、が部分的に重複する。自動変速機4の運転点が高速モード最Low線と低速モード最High線で挟まれるM領域(重複領域)にあるときは、自動変速機4は低速モード、高速モードのいずれのモードも選択可能になっている。
さらに、変速マップ上には、副変速機30のアップ変速を行うモード切替アップ変速線(副変速機30の1→2アップ変速線)が、低速モード最High線よりLow側変速比(変速比大)となる位置に設定されている。また、変速マップ上には、副変速機30のダウン変速を行うモード切替ダウン変速線(副変速機30の2→1ダウン変速線)が、高速モード最Low線よりHigh側変速比(変速比小)となる位置に設定されている。
そして、自動変速機4の動作点がモード切替アップ変速線、または、モード切替ダウン変速線を横切った場合、即ち、自動変速機4の目標スルー変速比がモード切替変速比を跨いで変化した場合やモード切替変速比と一致した場合には、統合コントローラ13はモード切替変速制御を行う。このモード切替変速制御時に「協調変速」を行う場合では、統合コントローラ13は、実スルー変速比が目標スルー変速比(目標値)に追従するように、副変速機30の目標変速比に応じてバリエータ20の変速比を制御する。具体的には、バリエータ20の変速比を、副変速機30の変速比で目標スルー変速比を除算した値に設定する。
[変速時エンジントルク制御処理構成]
図4は実施例1にて実行される変速時エンジントルク制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、副変速機の変速実行時にエンジン1の出力トルクを制御する実施例1の変速時エンジントルク制御処理を表す図4の各ステップについて説明する。なお、図4に示すフローチャートは、エンジン1がON状態になると開始され、エンジン1が停止するまで繰り返される。
ステップS1では、副変速機30に対して2速段から1速段への変速要求、つまりダウンシフト要求が生じたか否かを判断する。YES(2→1変速要求あり)の場合にはステップS2へ進み、NO(2→1変速要求なし)の場合にはリターンへ進む。
ここで、2速段から1速段への変速要求の有無は、図3に示す変速マップ上での自動変速機4の動作点に基づいて判断する。
ステップS2では、ステップS1でのダウンシフト要求ありとの判断に続き、解放側摩擦締結要素であるハイクラッチ33のクラッチ面圧を推定し、ステップS3へ進む。
ここで、「解放側摩擦締結要素」とは、副変速機30のダウンシフトによって締結状態から解放状態へと変化する摩擦締結要素である。また、「クラッチ面圧」とは、摩擦締結要素への入力トルクであり、エンジン1の出力トルク(以下、「エンジントルクTe」という)の大きさに基づいて推定する。
ステップS3では、ステップS2でのクラッチ面圧の推定に続き、推定したハイクラッチ33のクラッチ面圧が、予め設定した閾値以上であるか否かを判断する。YES(クラッチ面圧≧閾値)の場合にはステップS4へ進み、NO(クラッチ面圧<閾値)の場合にはリターンへ進む。
ここで、摩擦締結要素でジャダーが発生するのは、クラッチ面圧が所定値以上のときに回転速度差が生じるためである。つまり、「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」よりも実際のクラッチ面圧が低い状態であれば、摩擦締結要素で回転速度差が生じてもジャダーは発生しない。
すなわち、「閾値」は、ハイクラッチ33において、回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値に設定する。なお、この「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」は、実験等により任意に設定する。
ステップS4では、ステップS3でのクラッチ面圧≧閾値との判断に続き、クラッチ面圧が高くてジャダーが発生しやすいとして、トルクダウンを実施する際に設定されるエンジントルク規制値(以下、「ダウン時規制値」という)を演算し、ステップS5へ進む。
ここで、「ダウン時規制値(=トルクダウンを実施するために設定されるエンジントルク規制値)」は、エンジン1に加わる負荷トルクよりも低く、且つハイクラッチ33のクラッチ面圧をステップS3にて設定した「閾値」以下にする値である。この「ダウン時規制値」は、実験等により任意に設定する。
なお、「エンジン1に加わる負荷トルク」とは、ハイクラッチ33(解放側摩擦締結要素)を解放に向けて低下させる前のクラッチ伝達容量である。また、このダウン時規制値の低下量、つまりトルクダウン量は、副変速機30のダウンシフトの開始時点におけるバリエータ20の変速比がHigh側である(小さい)ほど小さくする。
ステップS5では、ステップS4でのダウン時規制値の演算に続き、エンジントルク規制値を、このステップS4にて演算したダウン時規制値に設定し、ステップS6へ進む。
これにより、エンジン1の出力上限が規制され、エンジントルクTeを、負荷トルクよりも低く、且つハイクラッチ33のクラッチ面圧をステップS3にて設定した「閾値」にする値以下にするトルクダウンが実施される。
ステップS6では、ステップS5でのトルクダウンの実施に続き、実際のエンジントルクTeが、ステップS4にて演算したダウン時規制値以下に達したか否かを判断する。YES(Te≦ダウン時規制値)の場合にはステップS7へ進む。NO(Te>ダウン時規制値)の場合にはステップS5へ戻る。
ステップS7では、ステップS6でのTe≦ダウン時規制値との判断に続き、トルクダウンが完了したとして、ハイクラッチ33(解放側摩擦締結要素)のスリップ促進制御を実施し、ステップS8へ進む。
ここで、「スリップ促進制御」とは、トルクダウンの完了からハイクラッチ33の回転速度差が発生するまでの間、後述するトルク復帰中のエンジントルクTeの増大勾配θよりも小さい増大勾配θでエンジントルクTeを増大させることである。なお、この増大勾配θは、ハイクラッチ33のクラッチ解放速度がばらついても、所定時間以内に回転速度差を生じさせる値に設定される。
ステップS8では、ステップS7でのスリップ促進制御の実施に続き、ハイクラッチ33での回転速度差が生じたか否かを判断する。なお、回転速度差の発生基準は、ここでは、ハイクラッチ33の回転速度差が50rpm以上となったこととする。YES(ハイクラッチ回転速度差≧50rpm)の場合にはハイクラッチ33で回転速度差が生じたとして、ステップS9へ進む。NO(ハイクラッチ回転速度差<50rpm)の場合にはハイクラッチ33の回転速度差は生じていないとして、ステップS7へ戻る。
ここで、ハイクラッチ33の回転速度差は、セカンダリ回転速度センサ46によって検出されるバリエータ20のセカンダリ回転速度Nsec(副変速機入力回転速度)と、変速機出力回転速度センサ43によって検出される副変速機30の出力回転速度Nout(副変速機出力回転速度)との差異である。
ステップS9では、ステップS8でのハイクラッチ回転速度差≧50rpmとの判断に続き、ハイクラッチ33で回転速度差が発生したとして、トルク復帰を実施する際に設定されるエンジントルク規制値の増大傾き(トルク復帰中のエンジントルクTeの増大勾配θ)を演算し、ステップS10へ進む。
ここで、「トルク復帰」とは、副変速機30のダウンシフト(変速)の進行に伴ってエンジントルクTeを、アクセル開度に現れる目標値に向けて増大させていくことである。具体的には、エンジントルク規制値を、ステップS4にて演算されたダウン時規制値から一定の時間をかけて増大させ、目標エンジントルクTeに一致させる。
また、「エンジントルク規制値の増大傾き(トルク復帰中のエンジントルクTeの増大勾配θ)」は、エンジントルク規制値を、イナーシャフェーズ時間をかけて、ダウン時規制値から目標エンジントルクTeに一致させる勾配である。つまり、イナーシャフェーズが終了した時点で、エンジントルク規制値を目標エンジントルクTeに一致させる増大変化速度に設定される。
ステップS10では、ステップS9での「エンジントルク規制値の増大傾き(トルク復帰中のエンジントルクTeの増大勾配θ)」の演算に続き、このステップS9にて演算した増大勾配θにてエンジントルク規制値を増大させていき、ステップS11へ進む。
ここで、エンジントルク規制値を増大させることで、エンジン1の出力上限が徐々に増大するので、実質的にエンジントルクTeが目標エンジントルクTeに向けて増大していき、トルク復帰が実施される。
ステップS11では、ステップS10でのトルク復帰の実施に続き、副変速機30のダウンシフトのイナーシャフェーズが終了したか否かを判断する。YES(イナーシャフェーズ終了)の場合にはステップS12へ進み、NO(イナーシャフェーズ継続)の場合にはステップS10へ戻る。
ここで、「ダウンシフトのイナーシャフェーズ」は、副変速機30の入出力回転から算出した副変速比(副変速機30の変速比)が、2速ギヤ比から1速ギヤ比へと変化するフェーズである。そのため、この「イナーシャフェーズ」は、副変速比が1速ギヤ比に達したら終了と判断する。
ステップS12では、ステップS11でのイナーシャフェーズの終了との判断に続き、トルクダウンを非実施状態にし、リターンへ進む。
ここで、「トルクダウンの非実施状態」とは、エンジン1の出力上限を規制するエンジントルク規制値を、エンジントルクTeの最大出力値よりも大きい所定値に設定することである。これにより、エンジントルクTeは実質的に制限されることがなくなり、目標エンジントルクTeに一致するように出力可能となる。
次に、作用を説明する。
まず、「ジャダーの抑制メカニズム」と、「トルクダウンによるジャダー抑制の課題」について説明する。続いて、実施例1における「ダウンシフト時エンジントルク制御作用」を説明する。
[ジャダーの抑制メカニズム]
図5は、比較例の自動変速機でのダウンシフト実施時のアクセル開度・変速フェーズフラグ・エンジントルク・車両加速度・エンジン回転速度・変速機出力軸回転速度の各特性を示すタイムチャートである。図6は、クラッチ伝達容量に対するクラッチ面圧の違いによるジャダーの有無を示す説明図である。以下、図5及び図6に基づき、ジャダーの抑制メカニズムを説明する。
比較例の副変速機付き無段変速機において、図5における時刻t時点でアクセルペダルが高開度状態からさらに踏み増されたことで、図3に示す変速マップ上での動作点が移動し、時刻t時点で副変速機30のダウンシフト要求が生じると、ハイクラッチ33からローブレーキ32への架け替え変速が実施される。
このとき、解放側摩擦締結要素であるハイクラッチ33では、エンジントルクTeが高いことでクラッチ面圧が高い状態であるものの、入力トルク(エンジントルクTe)の上昇変化が少ないという状況になっている。このような状況でダウンシフトを実施することで、ジャダー(図5において破線Aで囲む部分)が発生しやすい状況となっている。
すなわち、ジャダーは、摩擦締結要素を架け替える変速時、締結状態から解放する摩擦締結要素(以下、「解放側摩擦締結要素」という)において、クラッチ面圧が所定値よりも高い状態でクラッチ伝達容量を上回り、回転速度差が生じたときに発生する。この「所定値」は、「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」である。
ここで、クラッチ面圧は、摩擦締結要素に入力するトルクに依存して決まる。この「摩擦締結要素に入力するトルク」は、走行駆動源(例えばエンジン)と摩擦締結要素が直結していれば、駆動源出力トルク(エンジントルクTe)となる。また、走行駆動源と摩擦締結要素の間にバリエータが介装されていれば、バリエータの変速によるトルク変動を加えた駆動源出力トルクとなる。
つまり、簡易的には、クラッチ面圧=摩擦締結要素に入力するトルク=駆動源出力トルクの関係が成立する。そのため、実施例1では、エンジントルクTeが大きければ、ハイクラッチ33へ入力するトルクが高くなり、ハイクラッチ33のクラッチ面圧が高くなる。
一方、解放側摩擦締結要素において、クラッチ伝達容量は、変速の進行に応じて所定の締結圧から解放圧に向かって低下していく。つまり、図6に示すように、クラッチ解放開始からクラッチ解放完了までの間、クラッチ伝達容量は低下していく。
そして、エンジントルクTeがクラッチ解放開始前の締結圧相当の場合では、クラッチ面圧は、図6に示す「X」となる。このときには、摩擦締結要素が解放を開始してクラッチ締結圧が低下し始める時刻T時点で、クラッチ面圧>クラッチ締結圧の関係が成立し、回転速度差が発生する。一方、「X」は、「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」よりも大きい値である。そのため、クラッチ面圧(エンジントルクTe)=「X」のときには、ジャダーが発生する。
次に、エンジントルクTeを低下させ、クラッチ面圧が図6に示す「Y」となった場合を考える。このときには、時刻T時点でクラッチ締結圧が低下し始めても、クラッチ面圧がクラッチ締結圧よりも低く、回転速度差は発生しない。そして、時刻T時点においてクラッチ締結圧がクラッチ面圧を下回ると、クラッチ面圧>クラッチ締結圧の関係が成立し、回転速度差が発生する。ここで、「Y」は、「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」よりも大きい値である。そのため、クラッチ面圧(エンジントルクTe)=「Y」のときには、ジャダーが発生する。
次に、エンジントルクTeをさらに低下させ、クラッチ面圧が図6に示す「Z」となった場合を考える。このときには、時刻T時点でクラッチ締結圧が低下し始めても、クラッチ面圧がクラッチ締結圧よりも低く、回転速度差は発生しない。そして、時刻T時点においてクラッチ締結圧がクラッチ面圧を下回ると、クラッチ面圧>クラッチ締結圧の関係が成立し、回転速度差が発生する。ここで、「Z」は、「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」よりも小さい値である。そのため、クラッチ面圧(エンジントルクTe)=「Z」のときには、回転速度差が生じてもジャダーは発生しない。
このように、ジャダーは、解放側摩擦締結要素の回転速度差が発生するときのクラッチ面圧に応じて発生の有無が決まる。そのため、摩擦締結要素を架け替える変速時、解放側摩擦締結要素(ハイクラッチ33)に入力するトルク(=エンジントルクTe)を、「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」とする値よりも小さくする(トルクダウンを行う)ことで、回転速度差が生じたときのクラッチ面圧を低下させ、ジャダーが発生しない値にすることができる。これにより、ジャダーの発生を抑制することができる。
[トルクダウンによるジャダー抑制の課題]
図7は、トルク復帰のタイミングによる課題を示す説明図である。以下、図6及び図7に基づき、トルクダウンによるジャダー抑制の課題を説明する。
上述のように、摩擦締結要素を架け替える変速時、トルクダウンを実施することで、締結状態から解放する摩擦締結要素におけるジャダーの発生が防止できる。
しかしながら、トルクダウンを実施することは、走行駆動源であるエンジン1からの出力トルクを低下させることである。そのため、エンジントルクTeを低下させすぎれば、当然ながら駆動力が不足し、運転性の悪化(運転者の違和感)につながる。一方、図6に示すように、解放側摩擦締結要素のクラッチ面圧が「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」よりも大きい場合では、回転速度差が生じたときにジャダーが発生してしまう。
つまり、トルクダウンを実施したときのエンジントルクTeのトルクダウン量を適切に設定しなければ、ジャダーの発生を十分に抑制することができなかったり、駆動力を大幅に不足させて、運転性の悪化(運転者の違和感)を生じさせたりすることがある。
次に、トルクダウンしたエンジントルクTeを、目標値に向けて増大させるトルク復帰を開始するタイミングについて考察する。
ジャダーは、解放側摩擦締結要素におけるクラッチ面圧が「閾値」以上のときに回転速度差が生じると発生する。そのため、図7に示すように、エンジントルクTeを低下させるトルクダウンを実施し、クラッチ面圧を下げた場合であっても、この低下させたエンジントルクTeの復帰タイミングによっては不具合を生じる。
すなわち、図7において一点鎖線で示す特性線αのように、時刻T時点でエンジントルクTeを低下させ、クラッチ面圧が「閾値」に達した直後にトルク復帰をした場合では、時刻T時点でクラッチ面圧>クラッチ締結圧の関係が成立し、回転速度差が生じる。このときには、クラッチ面圧が閾値よりも高くなっており、クラッチ面圧>閾値の関係が成立しているので、ジャダーが発生してしまう。つまり、トルク復帰のタイミングが早いと、ジャダー抑制効果が小さくなる。なお、エンジントルクTeは早期に復帰するため、駆動力不足に対する運転者の違和感は小さく抑えることができる。
一方、図7において破線で示す特性線βのように、時刻T時点でエンジントルクTeを低下させ、クラッチ面圧が「閾値」に達したらエンジントルクTeを低下状態で維持する。そして、時刻T時点でクラッチ面圧>クラッチ締結圧の関係が成立し、回転速度差が生じてもエンジントルクTeを低下状態で維持し続け、時刻T時点でトルク復帰を開始した場合を考える。この場合では、ジャダーの発生は確実に抑制できるものの、エンジントルクTeの低い状態が長くなり、トルク不足状態が長く続くため、運転者の違和感を増大させる。
つまり、トルクダウンを実施した後のエンジントルクTeのトルク復帰のタイミングを適切に設定しなければ、ジャダーの発生を十分に抑制することができなかったり、駆動力の不足状態が長くなって、運転性の悪化(運転者の違和感)を生じさせたりすることがある。
[ダウンシフト時エンジントルク制御作用]
図8は、実施例1の制御装置を適用した自動変速機の副変速機でのダウンシフト実施時のアクセル開度・変速フェーズフラグ・エンジントルク・副変速機入力回転速度・副変速機出力回転速度・車両加速度・エンジン回転速度・変速機出力軸回転速度の各特性を示すタイムチャートである。以下、図8に基づき、実施例1のダウンシフト時のエンジントルク制御作用を説明する。
実施例1の車両において、自動変速機4の副変速機30が2速段でアクセルペダルを踏み込んだ状態(APO>0)で走行しているときに、図8に示す時刻t11時点において、アクセルペダルをゆっくり踏み増していき、時刻t12時点において、副変速機30に対してダウンシフト要求が出力されると、図4に示すフローチャートでステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む。
図8に示す時刻t12以前では、エンジントルクTeが「閾値」よりも高くなっており、解放側摩擦締結要素であるハイクラッチ33のクラッチ面圧は、「閾値」よりも高いと推定される。そのため、ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進み、ダウン時規制値が演算されて、エンジントルクTeが演算されたダウン時規制値によって規制されるトルクダウンが実施される。
ここで、ジャダーの発生を防止するためには、ハイクラッチ33で回転速度差が発生するときのクラッチ面圧を、「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」以下にしておく必要がある。そのため、ダウン時規制値は、エンジン1に加わる負荷トルク(=ハイクラッチ33の解放開始前のクラッチ伝達容量)よりも低く、且つ少なくとも「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」とする値以下に設定する必要がある(図6参照)。なお、ダウン時規制値を低く設定しすぎると、エンジントルクTeが過度に低下してしまい、駆動力の大幅な不足を生じる。そのため、ダウン時規制値は、「回転速度差が生じたときにジャダーが発生しないクラッチ面圧の最大値(=閾値)」とする値に設定することが最もよい。
また、この実施例1では、エンジン1と副変速機30の間にバリエータ20が介装されている。そのため、副変速機30のハイクラッチ33に入力するトルクは、バリエータ20の変速によるトルク変動を加えたエンジントルクTeとなる。つまり、ある値のエンジントルクTeを出力したとき、バリエータ20の変速比がHigh側であるほどハイクラッチ33に入力するトルクは小さくなり、クラッチ面圧を下げることができる。
そのため、バリエータ20の変速比がHigh側であるほど、エンジントルクTeが高くても、ハイクラッチ33のクラッチ面圧を「閾値」以下にすることができる。この結果、ダウン時規制値の低下量(トルクダウン量ΔT)は、図9に示すように、副変速機30のダウンシフトの開始時点におけるバリエータ20の変速比がHigh側であるほど小さくすることができる。
これにより、トルクダウン量ΔTを不要に大きく設定することがなく、副変速機30のダウンシフトに際して、駆動力が不足する違和感を低減することができる。
そして、エンジントルクTeをトルクダウンすることで、実際のエンジントルクTeがダウン時規制値に達したら、ステップS6→ステップS7へと進み、ハイクラッチ33のスリップ促進制御を実施する。すなわち、増大勾配θでエンジントルクTeを目標値に向けて増大していく。
ここで、増大勾配θについて、図10に基づいて詳述する。
自動変速機における変速時間は、解放側摩擦締結要素が解放する時間によって影響を受ける。つまり、解放側摩擦締結要素において、回転速度差が発生するタイミングが遅くなるほど、変速時間が増長して駆動力不足を生じる。
また、この実施例1では、ハイクラッチ33に回転速度差が生じたらトルク復帰するため、回転速度差が発生するタイミングが遅くなるほど、エンジントルクTeのトルク復帰の開始タイミングが遅くなる。このため、運転者の要求に対して駆動力が低くなっている状態が長くなり、運転者に違和感を与える。
一方、図10に示すように、摩擦締結要素の製造バラツキ等によって摩擦締結要素のクラッチ解放速度にバラツキがあることが分かっている。
そのため、図10において一点鎖線で示すように、摩擦締結要素のクラッチ面圧を「ある値α」に維持した場合、この摩擦締結要素の解放速度のバラツキにより、同じタイミングで変速を開始しても、回転速度差が発生するタイミングにずれが生じる(Tα1〜Tα3)。そして、摩擦締結要素の解放速度が比較的遅い場合では、変速開始後、回転速度差が生じるまでの時間が長くなる。
これに対し、図10において二点鎖線で示すように、摩擦締結要素のクラッチ面圧を時間の経過とともに増大させていくと、摩擦締結要素のクラッチ解放速度が遅い場合であっても、回転速度差が発生するタイミングを早めることができる(Tα3→Tβ)。
なお、クラッチ面圧の増大勾配を大きくしすぎると、ジャダー抑制効果が小さくなることは上述の通りである。
そのため、ハイクラッチ33のスリップ促進制御時のエンジントルクTeの増大勾配θは、トルク復帰中のエンジントルクTeの増大勾配θよりも小さく、ハイクラッチ33のクラッチ解放速度がばらついても、所定時間以内にクラッチ面圧>クラッチ締結圧の関係を成立させ、回転速度差を確実に生じさせて変速時間の増長を防止することができる角度に設定される。
そして、このスリップ促進制御を実施することで、ハイクラッチ33のクラッチ解放速度にバラツキがあった場合でも、所定時間内に回転速度差を生じさせることができる。これにより、副変速機30におけるダウンシフトの開始からハイクラッチ33での回転速度差の発生までの時間が不要に長くなることを防止でき、トルクダウンを実施してからトルク復帰までの時間も不要に長くなることを防止できる。この結果、駆動力不足を抑制し、運転者に与える違和感を低減することができる。
スリップ抑制制御を実施した後、時刻t13時点において、副変速機入力回転速度(バリエータ20のセカンダリ回転速度Nsec)と、副変速機出力回転速度(副変速機30の出力回転速度Nout)との差異が50rpm以上になったら、ハイクラッチ33に回転速度差が生じたと判断し、ステップS8→ステップS9へと進み、エンジントルクTeをアクセル開度に現れる目標値に向けて増大させるトルク復帰を実施する際の増大勾配θを演算する。
ここで、ダウンシフトのイナーシャフェーズ中は、変速前の2速駆動力が発生している。つまり、ダウンシフト要求が生じても、イナーシャフェーズ中は2速駆動力であるため、運転者は加速感を得ることができない。これに対し、増大勾配θを、副変速機30のダウンシフトのイナーシャフェーズが終了した時点で、エンジントルク規制値を目標エンジントルクTeに一致させる増大変化速度とする。すなわち、増大勾配θは、ダウンシフトのイナーシャフェーズが終了した時点で、エンジントルク規制値を目標エンジントルクTeに一致させる勾配に設定される。
これにより、トルク復帰は、副変速機30のダウンシフトのイナーシャフェーズ期間に実施されることになり、このイナーシャフェーズ中、エンジントルクTeを常に増大させることができる。そして、イナーシャフェーズ中は、常にエンジントルクTeを増大させるようにトルク復帰することで、ダウンシフトに際して駆動力を得ることができる上、常に駆動力が増大し、運転者に加速感を与えることができる。
さらに、この実施例1のように、トルク復帰の完了タイミングが、副変速機30のダウンシフトのイナーシャフェーズの終了タイミングと同時になるように増大勾配θを設定すると、イナーシャフェーズ中にはエンジントルクTeを増大させ続けることができる一方、トルクフェーズ中でのエンジントルクTeの増大を防止できる。そのため、運転者に加速感を与えると共に、トルクフェーズを円滑に進行することができ、変速ショックの発生を防止することができる。
そして、エンジントルク規制値の増大傾き(トルク復帰中のエンジントルクTeの増大勾配θ)を演算したら、ステップS10へと進み、エンジントルク規制値を演算した増大勾配θにて増大させていく。エンジントルク規制値を増大させることで、エンジン1の出力上限が徐々に増大するので、実質的にエンジントルクTeが目標エンジントルクTeに向けて増大していき、トルク復帰が実施される。
そして、時刻t14時点で、副変速比(副変速機30の入出力回転から算出した副変速機30の変速比)が1速ギヤ比に達したら、ダウンシフトのイナーシャフェーズが終了したと判断され、ステップS11→ステップS12へと進む。これにより、エンジン1のトルクダウンの非実施状態となる。つまり、エンジン1の出力上限を規制するエンジントルク規制値は、エンジントルクTeの最大出力値よりも大きい所定値に設定され、エンジントルクは実質的に制限されることがなくなり、目標エンジントルクTeに一致する。
このように、実施例1の制御装置では、副変速機30のダウンシフトに際して、エンジントルクTeをエンジン1に加わる負荷トルクよりも低下させるトルクダウンを行う。そして、ダウンシフトの進行に伴ってエンジントルクTeを増大させるトルク復帰の開始タイミングを、解放側摩擦締結要素であるハイクラッチ33の回転速度差に基づいて設定する。
ここで、エンジントルクTeのトルクダウンを行い、ハイクラッチ33のクラッチ面圧を低下させても、ハイクラッチ33において回転速度差が生じる前にトルク復帰をした場合では、回転速度差が生じたときのクラッチ面圧が、「閾値」を超えることがあり、ジャダー抑制効果が低くなる(図7に示す特性線αを参照)。一方、ハイクラッチ33において回転速度差が生じたにも拘らずトルク復帰をしない場合では、トルク不足状態が長く続き、運転者の違和感を増大する(図7に示す特性線βを参照)。
すなわち、ハイクラッチ33の回転速度差を検知することによって、トルク復帰を行ってもジャダーが発生しないタイミングを検知することができる。
そのため、トルク復帰の開始タイミングをハイクラッチ33の回転速度差に基づいて設定することで、トルク復帰の開始に適切なタイミング(ジャダーが発生せず且つトルク不足状態が不要に長引かないタイミング)を検知することができる。この結果、トルク復帰を適切なタイミングで開始することができて、ジャダーの発生を抑制することができると共に、トルクダウンしている期間が不要に長引くことを防止でき、ダウンシフトに際して運転者に与える違和感を低減することができる。
また、この実施例1では、ハイクラッチ33の回転速度差が発生したと判断したとき、つまり、回転速度差が50rpmに達したときにトルク復帰を開始している。
そのため、ジャダーの発生を防止しつつ、トルクダウン期間の不要な増大を防止できる適切なタイミングでトルク復帰を開始することができる。
なお、実施例1において、エンジントルクTeを低下させるトルクダウンは、変速に際して、ジャダーが発生したことを検知してから行うものではなく、ジャダーが発生する変速であることを予測したら実施する。つまり、ジャダー発生前にトルクダウンを実施する。そのため、ジャダーの発生を検知してからトルクダウンを実施してジャダーを低減する場合と比較して、ジャダーの発生を十分に行うことができる。
また、ジャダーが発生する変速であるとの予測は、解放直前のハイクラッチ33のクラッチ面圧が「閾値」よりも高い状態において、ハイクラッチ33が解放される変速(ダウンシフト)が実行されることで予測している。また、クラッチ面圧が「閾値」よりも高いか否かは、ハイクラッチ33への入力トルクであるエンジントルクTeが「閾値」より大きいか否かによって判断する。なお、「閾値」は、過去の変速データや実験等に基づいて予め設定しておく。
これにより、ジャダー発生の有無を容易に判断することができ、不要なトルクダウンの実施を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の自動変速機の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 走行駆動源(エンジン1)と駆動輪7との間に配され、締結状態の第1摩擦締結要素(ハイクラッチ33)を解放すると共に解放状態の第2摩擦締結要素(ローブレーキ32)を締結することで、シフト前変速段(2速段)からシフト後変速段(1速段)への変速(ダウンシフト)を行う有段変速機構(副変速機30)と、
前記有段変速機構(副変速機30)が前記シフト前変速段(2速段)から前記シフト後変速段(1速段)への変速(ダウンシフト)に際して、前記走行駆動源(エンジン1)の出力トルク(エンジントルクTe)を前記走行駆動源(エンジン1)に加わる負荷トルク(ハイクラッチ33のクラッチ伝達容量)よりも低下させるトルクダウンを行うと共に、前記変速(ダウンシフト)の進行に伴って前記走行駆動源(エンジン1)の出力トルク(エンジントルクTe)を増大させるトルク復帰を行うトルク制御手段(統合コントローラ13)と、を備え、
前記トルク制御手段(統合コントローラ13)は、前記トルク復帰の開始タイミングを、前記第1摩擦締結要素(ハイクラッチ33)の回転速度差に基づいて設定する構成とした。
これにより、トルク復帰の開始に適切なタイミングを検知でき、摩擦締結要素(ローブレーキ32、ハイクラッチ33)の架け替え変速時、ジャダーの発生を抑制すると共に、駆動力不足が不要に長引くことを防止することができる。
(2) 前記トルク制御手段(統合コントローラ13)は、前記第1摩擦締結要素(ハイクラッチ33)の回転速度差が発生したとき、前記トルク復帰を開始する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、適切なタイミングでトルク復帰を開始でき、摩擦締結要素(ローブレーキ32、ハイクラッチ33)の架け替え変速時、ジャダーの発生を防止すると共に、駆動力不足が不要に長引くことを防止することができる。
(3) 前記トルク制御手段(統合コントローラ13)は、前記トルクダウンの完了から前記第1摩擦締結要素(ハイクラッチ33)の回転速度差が発生するまでの間、前記トルク復帰中の前記走行駆動源(エンジン1)の出力トルク(エンジントルクTe)の増大勾配θよりも小さい増大勾配θで前記走行駆動源(エンジン1)の出力トルク(エンジントルクTe)を増大させるスリップ促進制御を行う構成とした。
これにより、(2)の効果に加え、ハイクラッチ33のクラッチ解放速度にバラツキがあった場合でも、ハイクラッチ33での回転速度差の発生までの時間が不要に長くなることを防止でき、駆動力不足を抑制して運転者に与える違和感を低減することができる。
(4) 前記走行駆動源(エンジン1)と前記有段変速機構(副変速機30)との間に配され、変速比を無段階に変更可能な無段変速機構(バリエータ20)を有し、
前記トルク制御手段(統合コントローラ13)は、前記有段変速機構(副変速機30)の前記シフト前変速段(2速段)から前記シフト後変速段(1速段)への変速(ダウンシフト)の開始時点の前記無段変速機構(バリエータ20)の変速比が小さいほど、前記トルクダウン時のトルクダウン量ΔTを小さくする構成とした。
これにより、(1)〜(3)のいずれかの効果に加え、トルクダウン量ΔTを不要に大きく設定することがなく、副変速機30のダウンシフトに際して、駆動力が不足する違和感を低減することができる。
(5) 前記有段変速機構(副変速機30)の前記シフト前変速段(2速段)から前記シフト後変速段(1速段)への変速をダウンシフトとし、
前記トルク制御手段(統合コントローラ13)は、前記トルク復帰の完了タイミングを、前記有段変速機構(副変速機30)の前記ダウンシフトのイナーシャフェーズの終了タイミング以降に設定する構成とした。
これにより、(1)〜(4)のいずれかの効果に加え、トルク復帰を、副変速機30のダウンシフトのイナーシャフェーズ期間に実施することができ、このイナーシャフェーズ中、エンジントルクTeを常に増大させることができ、ダウンシフトに際して駆動力を得ることができる上、運転者に加速感を与えることができる。
(6) 前記トルク制御手段(統合コントローラ13)は、前記トルク復帰の完了タイミングを、前記有段変速機構(副変速機30)の前記ダウンシフトのイナーシャフェーズの終了タイミングと同時に設定する構成とした。
これにより、(5)の効果に加え、運転者に加速感を与えると共に、トルクフェーズを円滑に進行することができ、変速ショックの発生を防止することができる。
以上、本発明の自動変速機の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、副変速機30として、前進2段・後退1段の有段変速機構を適用した例を示した。しかしながら、副変速機としては、前進2段・後退1段の有段変速機構に限られることなく、前進3段以上の変速段を切り替えることができる有段変速機構であっても良い。この場合、3速段から2速段へのダウンシフトや、3速段から1速段へのダウンシフト時に、本発明の制御を適用できる。
また、この実施例1では、トルク復帰の完了タイミングを、副変速機30のダウンシフトのイナーシャフェーズの終了タイミングに一致させる例を示したが、これに限らない。
イナーシャフェーズ中にエンジントルクTeを増大させ続ければよいので、イナーシャフェーズが終了した後でトルク復帰を完了してもよい。
また、このトルク復帰完了タイミングは、トルク復帰を実施する際のエンジントルクTeの増大勾配θによって決まるが、図11に示すように、バリエータ20がアップシフトするときの増大勾配θA(実線)よりも、バリエータ20がダウンシフトするときの増大勾配θB(一点鎖線)を小さくしてもよい。
すなわち、この実施例1では、副変速機30の変速のイナーシャフェーズ中、スルー変速比が目標値に追従するように副変速比の変化に応じてバリエータ20が変速制御される。
ここで、バリエータ20がダウンシフトする場合、ハイクラッチ33への入力トルクが増大するため、ハイクラッチ33のクラッチ面圧が比較的高くなり、ジャダーが発生しやすくなる。一方、バリエータ20がアップシフトする場合、ハイクラッチ33への入力トルクが減少するため、ハイクラッチ33のクラッチ面圧が比較的低くなり、ジャダーが発生しにくくなる。
そのため、バリエータ20がダウンシフトするときには、トルク復帰時の増大勾配θB(一点鎖線)を小さくすることで、ハイクラッチ33への入力トルクの増大を抑制し、ジャダーの発生を減少することができる。また、バリエータ20がアップシフトするときには、トルク復帰時の増大勾配θA(実線)を大きくすることで、ハイクラッチ33への入力トルクの増大を許容し、駆動力を早期に増大させて、副変速機30の変速に際して駆動力が不足する違和感を低減することができる。
また、実施例1では、走行駆動源としてエンジン1のみを備える車両に本制御手段を適用する例を示したが、これに限らない。例えば、走行駆動源としてエンジンと走行用モータを有するハイブリッド車両や、走行用モータのみを走行駆動源とする電気自動車であっても適用することができる。
1 エンジン(走行駆動源)
4 自動変速機
7 駆動輪
13 統合コントローラ(駆動源トルク制御手段)
20 バリエータ(無段変速機構)
21 プライマリプーリ
22 セカンダリプーリ
23 Vベルト
30 副変速機(有段変速機構)
32 ローブレーキ(摩擦締結要素)
33 ハイクラッチ(摩擦締結要素)

Claims (7)

  1. 走行駆動源と駆動輪との間に配され、締結状態の第1摩擦締結要素を解放すると共に解放状態の第2摩擦締結要素を締結することで、シフト前変速段からシフト後変速段への変速を行う有段変速機構と、
    前記有段変速機構の前記シフト前変速段から前記シフト後変速段への変速に際して、前記走行駆動源の出力トルクを前記走行駆動源に加わる負荷トルクよりも低下させるトルクダウンを行うと共に、前記変速の進行に伴って前記走行駆動源の出力トルクを増大させるトルク復帰を行うトルク制御手段と、を備え、
    前記トルク制御手段は、前記トルク復帰の開始タイミングを、前記第1摩擦締結要素の回転速度差に基づいて設定する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記トルク制御手段は、前記第1摩擦締結要素の回転速度差が発生したとき、前記トルク復帰を開始する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項2に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記トルク制御手段は、前記トルクダウンの完了から前記第1摩擦締結要素の回転速度差が発生するまでの間、前記トルク復帰中の前記走行駆動源の出力トルクの増大勾配よりも小さい増大勾配で前記走行駆動源の出力トルクを増大させるスリップ促進制御を行う
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記走行駆動源と前記有段変速機構との間に配され、変速比を無段階に変更可能であって、前記有段変速機構の変速の進行に応じて変速する無段変速機構を有し、
    前記トルク制御手段は、前記無段変速機構がダウンシフトする場合の前記トルク復帰中の前記走行駆動源の出力トルクの増大勾配を、前記無段変速機構がアップシフトする場合の前記トルク復帰中の前記走行駆動源の出力トルクの増大勾配よりも小さくする
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記走行駆動源と前記有段変速機構との間に配され、変速比を無段階に変更可能な無段変速機構を有し、
    前記トルク制御手段は、前記有段変速機構の前記シフト前変速段から前記シフト後変速段への変速開始時の前記無段変速機構の変速比が小さいほど、前記トルクダウン時のトルクダウン量を小さくする
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記有段変速機構の前記シフト前変速段から前記シフト後変速段への変速をダウンシフトとし、
    前記トルク制御手段は、前記トルク復帰の完了タイミングを、前記有段変速機構の前記ダウンシフトのイナーシャフェーズの終了タイミング以降に設定する
    ことを特徴する自動変速機の制御装置。
  7. 請求項6に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記トルク制御手段は、前記トルク復帰の完了タイミングを、前記有段変速機構の前記ダウンシフトのイナーシャフェーズの終了タイミングと同時に設定する
    ことを特徴する自動変速機の制御装置。
JP2016052901A 2016-03-16 2016-03-16 自動変速機の制御装置 Active JP6653961B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016052901A JP6653961B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 自動変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016052901A JP6653961B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 自動変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017166600A true JP2017166600A (ja) 2017-09-21
JP6653961B2 JP6653961B2 (ja) 2020-02-26

Family

ID=59908743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016052901A Active JP6653961B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 自動変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6653961B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019090464A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 ジヤトコ株式会社 変速機の制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019090464A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 ジヤトコ株式会社 変速機の制御装置
JP7004435B2 (ja) 2017-11-14 2022-01-21 ジヤトコ株式会社 変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6653961B2 (ja) 2020-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5080627B2 (ja) 無段変速機及び変速制御方法
JP5055414B2 (ja) 無段変速機
JP5244875B2 (ja) 無段変速機及びその制御方法
JP2011021716A (ja) 無段変速機及びその制御方法
US9421978B2 (en) Continuously variable transmission and control method therefor
JP2011021721A (ja) 無段変速機
JP6034505B2 (ja) 副変速機付き無段変速機の制御装置
JP6714701B2 (ja) 車両の制御装置及び車両の制御方法
JP6437125B2 (ja) 車両用無段変速機の油圧制御装置および油圧制御方法
JP6154475B2 (ja) 副変速機付き無段変速機の制御装置
JP6518177B2 (ja) 車両の制御装置及び車両の制御方法
JP6653961B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2018115700A (ja) 車両のロックアップクラッチ制御装置及び制御方法
JP6576275B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP5860150B2 (ja) 車両用の自動変速機
JP6644413B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP5977271B2 (ja) 無段変速機及びその制御方法
JP6876135B2 (ja) 無段変速機の制御装置及び無段変速機の制御方法
WO2014061563A1 (ja) 無段変速機及びその制御方法
JP6752506B2 (ja) 車両用無段変速機構の制御装置
JP2018105443A (ja) 副変速機付無段変速機の制御装置および制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6653961

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150