JP4231218B2 - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体伝動装置に対して並列に配置されるロックアップクラッチを制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
駆動力源から出力された動力が、第1の回転部材を経由して第2の回転部材に伝達されるように構成されるとともに、第1の回転部材と第2の回転部材との間に、流体伝動装置とロックアップクラッチとを並列に配置した車両が知られている。
【0003】
このように、流体伝動装置と並列に配置されているロックアップクラッチを制御する装置の一例が、特開平1−206158号公報に記載されている。この公報においては、エンジンから出力されたトルクが、フルードカップリング(流体伝動装置)、無段変速機、前後進切り換え機構、差動歯車装置を経由して駆動輪に伝達されるように構成されている。また、フルードカップリングと並列にロックアップクラッチが設けられている。さらに、スロットル開度、車速を検知するとともに、その検知結果に基づいて、ロックアップクラッチを制御するコントローラが設けられている。そして、車両の発進時にはロックアップクラッチが所定時間係合される。このようにして、車両の発進時において、エンジン回転速度の上昇が抑制される。したがって、エンジンの出力トルクのうち、エンジン自身の回転速度の上昇のために本来消費されるべきトルクが駆動輪に伝達されるので、車両の加速感覚を十分に得ることができるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報においては、車両の発進時であればロックアップクラッチが係合されるため、駆動力が急激に変化してショックが発生する問題があった。
【0005】
この発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、ロックアップクラッチのトルク容量を制御する場合に、車両の駆動力が急激に変化することを抑制することのできるロックアップクラッチの制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、車両の駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に、流体伝動装置およびロックアップクラッチが並列に配置されており、前記ロックアップクラッチのトルク容量を制御するアクチュエータが設けられており、車速およびスロットル開度に基づいて前記ロックアップクラッチを係合または解放する第1の制御態様を選択することのできるロックアップクラッチの制御装置において、前記第1の制御態様であれば、前記ロックアップクラッチが解放される車速およびスロットル開度であっても、前記ロックアップクラッチを係合させる第2の制御態様を選択することが可能であるか否かを、前記駆動力源の回転数が予め定めた第1の所定値以上であり、かつ、前記第1の制御態様であれば前記ロックアップクラッチが解放される車速であり、かつ、前記スロットル開度が予め定めた第1の所定値以上であり、かつ、予め定めた第2の所定値以下であるか否かにより判断する第1の判断手段と、前記スロットル開度が前記第2の所定値より大きい予め定めた第3の所定値よりも大きい場合、または、前記スロットル開度が前記第3の所定値以下であり、かつ、前記駆動力源の回転数が前記第1の所定値より小さい予め定めた第2の所定値よりも小さい場合に、前記ロックアップクラッチを係合させる第2の制御態様を継続するか前記ロックアップクラッチを解放するかを、前記ロックアップクラッチのトルク容量に基づいて判断する第2の判断手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項1の発明によれば、第1の制御態様であれば、ロックアップクラッチが解放される車速およびスロットル開度であっても、ロックアップクラッチを係合させる第2の制御態様を選択することが可能であるか否かを、駆動力源の回転数が予め定めた第1の所定値以上であり、かつ、第1の制御態様であればロックアップクラッチが解放される車速であり、かつ、スロットル開度が予め定めた第1の所定値以上であり、かつ、予め定めた第2の所定値以下であるか否かにより判断する。また、スロットル開度が第2の所定値より大きい予め定めた第3の所定値よりも大きい場合、または、スロットル開度が第3の所定値以下であり、かつ、駆動力源の回転数が第1の所定値より小さい予め定めた第2の所定値よりも小さい場合に、ロックアップクラッチを係合させる第2の制御態様を継続するかロックアップクラッチを解放するかを、ロックアップクラッチのトルク容量に基づいて判断する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記アクチュエータが、油圧に基づいて前記ロックアップクラッチのトルク容量を制御するように構成され、かつ、前記駆動力源により駆動されるオイルポンプの吐出オイルが前記アクチュエータに供給されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、ロックアップクラッチの係合圧は、オイルポンプの吐出量に影響されるが、請求項2の発明では、オイルポンプを駆動する駆動力源の回転数に基づいて第2の制御態様を選択するか否かが判断される。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を適用することのできる車両の構成を図2に基づいて説明する。図2に示された車両1においては、駆動力源2と車輪3との間の動力伝達経路に、トルクコンバータ4および変速機5が設けられている。まず、駆動力源2としては、エンジンまたは電動機のうちの少なくとも一方を用いることができる。エンジンは、燃料を燃焼させて動力を出力する形式の動力装置である。このエンジンとしては、内燃機関、例えば、ガソリンエンジン、LPGエンジン、ディーゼルエンジン、メタノールエンジン、水素エンジンなどを用いることができる。以下、駆動力源2としてエンジンを用いた場合について説明する。したがって、駆動力源2に代えて、便宜上、“エンジン2”と記す。
【0016】
前記トルクコンバータ4は、エンジン2側に連結された回転部材6と、変速機5側に連結された回転部材7との間で、流体の運動エネルギにより動力の伝達をおこなうものである。このトルクコンバータ4は、回転部材6側に連結されたポンプインペラ8と、回転部材7側に連結されたタービンランナ9と、ステータ10とを有している。また、トルクコンバータ4と並列に、ロックアップクラッチ11が設けられている。ロックアップクラッチ11は、回転部材6と回転部材7との間で、摩擦力により動力の伝達をおこなうものである。このロックアップクラッチ11は、その係合圧を制御することにより、回転部材6と回転部材7との間で伝達されるトルクの容量が変化する。
【0017】
また、前記変速機5としては、マニュアル変速機能または自動変速機能の少なくとも一方を備えた変速機を用いることができる。マニュアル変速機能を備えた変速機とは、変速機5の入力側に連結された回転部材7の回転速度と、変速機5の出力側の回転部材12の回転速度との比、すなわち変速比を、運転者による変速比選択装置の操作状態に基づいて、変更することのできる変速機を意味している。これに対して、自動変速機能を備えた変速機とは、前記変速比を、変速比選択装置の操作状態以外の条件に基づいて、自動的に制御することのできる変速機を意味している。
【0018】
また、変速機5としては、無段変速機または有段変速機のいずれを用いてもよい。無段変速機とは、前記変速比を連続的もしくは無段階に制御することのできる変速機を意味している。この無段変速機としては、ベルト式無段変速機とトロイダル式無段変速機とが挙げられる。一方、有段変速機とは、前記変速比を、不連続もしくは段階的に制御することのできる変速機を意味している。有段変速機としては、選択歯車式変速機、遊星歯車式変速機などが挙げられる。
【0019】
上記のロックアップクラッチ11および変速機5を制御する油圧制御装置13が設けられている。油圧制御装置13は、オイルポンプ28から吐出されるオイルが供給される油圧回路(図示せず)、および油圧回路に配置された電磁弁(図示せず)などを有している。この油圧制御装置13により、ロックアップクラッチ11の係合状態、および変速機5の変速比などが制御される。ロックアップクラッチ11の係合状態は、具体的には、ロックアップクラッチ11に供給されるオイルの油圧に応じて制御される。
【0020】
上記のオイルポンプ28は、回転部材7に連結されており、エンジン1の動力がトルクコンバータ4を経由して回転部材7に伝達されることにより、オイルポンプ28が駆動される。すなわち、オイルポンプ28のオイル吐出量は、エンジン回転数に依存して変化する。そして、オイルポンプ28から吐出されるオイルの油圧が、電磁弁により所定のライン圧に調圧されるとともに、そのライン圧を別の電磁弁により調圧してロックアップクラッチ11に作用させ、ロックアップクラッチ11の係合圧が制御される。
【0021】
さらに、エンジン2および変速機5ならびにロックアップクラッチ11を制御するコントローラとして、電子制御装置14が設けられている。電子制御装置14は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(ROM、RAM)ならびに入出力インタフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。この電子制御装置14には、アクセル開度センサ15の信号、回転部材7の回転数を検知する入力回転数センサ16の信号、回転部材12の回転数を検知する出力回転数センサ17の信号、ブレーキスイッチ18の信号、スロットル開度センサ19の信号、重量検知センサ20の信号、トーイング検知センサ21の信号、登坂路検知センサ22の信号、油温センサ23の信号、ロックアップクラッチ温度検知センサ24の信号、エンジン回転数センサ25の信号、渋滞検知センサ26の信号、シフトポジションセンサ27の信号、加速度センサ29の信号、アイドルスイッチ30の信号などが入力される。
【0022】
出力回転数センサ17の信号に基づいて、車両1の移動速度(車速)が判断され、この車速およびアクセル開度センサ15(もしくはスロットル開度センサ19)の信号に基づいて、エンジン負荷が判断される。重量検知センサ20は、車両1の全重量、乗員の体重、積載荷物の重量などを検知するものである。油温センサ23は、油圧制御装置13の油圧回路に供給されるオイルの温度を検知するものである。渋滞検知センサ26は、車両1が走行する道路の渋滞状況を検知するものである。トーイング検知センサ21は、車両1が他の車両を牽引して走行する状態であるか否かを検知するものである。ロックアップクラッチ温度検知センサ24は、ロックアップクラッチ11の温度を検知するものである。
【0023】
シフトポジションセンサ27は、変速機5を制御するシフトポジションの選択状態を検知するものである。シフトポジションとしては、車両1を前進させるトルクを変速機5から出力することができる前進ポジション、車両1を後進(後退)させるトルクを変速機5から出力することのできる後進ポジション、車両1を走行させるトルクを変速機5から出力することのできない非駆動ポジションなどが挙げられる。つまり、シフトポジションが前進ポジションまたは後進ポジションにある場合は、車両1が発進する可能性がある。
【0024】
電子制御装置14には、エンジン出力を制御するためのエンジン制御データ、ロックアップクラッチ11を制御するためのロックアップクラッチ制御データ、変速機5を制御するための変速制御データなどが記憶されている。
【0025】
そして、電子制御装置14に記憶されているデータおよび電子制御装置14に入力される信号に基づいて、エンジン2の出力およびロックアップクラッチ11の係合状態ならびに変速機5の変速比などが制御される。
【0026】
この実施の形態において、“ロックアップクラッチ11の係合状態”には、ロックアップクラッチ11の係合・解放・スリップが含まれている。つまり、“ロックアップクラッチ11の係合状態を制御”とは、ロックアップクラッチ11の係合圧もしくはロックアップクラッチ11のトルク容量を制御することを意味する。
【0027】
つぎに、ロックアップクラッチ11の係合状態の制御を、具体的に説明する。まず、ロックアップクラッチ11が解放された場合は、回転部材6と回転部材7との間で、流体の運動エネルギにより動力の伝達がおこなわれる。ロックアップクラッチ11が解放された場合は、回転部材6と回転部材7との間において、回転速度差が生じることが許容される。なお、ロックアップクラッチ11が解放されると、回転部材6と回転部材7との速度比が所定状態(いわゆる、トルクコンバータレンジ)にある場合は、回転部材6と回転部材7との間で伝達されるトルクが、ステータ10の機能により増幅される。
【0028】
これに対して、ロックアップクラッチ11が係合された場合(ロックアップクラッチ11の係合圧が所定値以上になった場合)は、ポンプインペラ8とタービンランナ9との間で、ロックアップクラッチ11の摩擦力(係合力)により動力の伝達がおこなわれる。なお、ロックアップクラッチ11が係合された場合は、回転部材6と回転部材7とが一体回転する。
【0029】
一方、ロックアップクラッチ11のスリップとは、ロックアップクラッチ11の係合圧が、解放状態よりも高く、かつ、係合状態よりも低い状態に制御されて発生する状態である。つまり、ロックアップクラッチ11を構成する摩擦部材同士が接触しているが、回転部材6と回転部材7との間で、所定の回転速度差が生じる。したがって、ロックアップクラッチ11の摩擦力、および流体の運動エネルギの両方により、回転部材6と回転部材7との間で動力の伝達がおこなわれる。
【0030】
この実施の形態においては、ロックアップクラッチ11の係合状態を制御するにあたり、第2の制御態様を選択することが可能である場合に、第2の制御態様を選択するか否かが判断される。
【0031】
なお、流体伝動装置としてトルクコンバータを挙げているが、請求項1および請求項2の発明は、トルクコンバータを有する車両を制御する場合の他、トルク増幅機能のないフルードカップリングを有する車両の制御装置にも適用可能である。なお、請求項3の発明の適用対象は、トルク増幅機能を有する流体伝動装置に限定される。
【0032】
【実施例】
つぎに、ロックアップクラッチ11の係合状態を制御する制御態様の選択方法を、具体的に説明する。図3には、ロックアップクラッチ制御データの一例であるマップが示されている。図3に示すマップにおいては、車速とスロットル開度(またはアクセル開度)との対応関係に基づいて、ロックアップクラッチ11の係合状態が示されている。なお、図2においては、便宜上、ロックアップクラッチ11の係合と解放とが示されており、スリップについては省略している。
【0033】
図3には、通常走行用の制御態様(第1の制御態様)と発進・再加速時用の制御態様(第2の制御態様)とが、併合して示されている。まず、第1の制御態様は係合領域B1および解放領域B2を有している。係合領域B1と解放領域B2とは、実線A1および破線A2により区画されている。実線A1は破線A2よりも高車速側に設定されている。実線A1は、解放されているロックアップクラッチ11を係合させる場合に用いる基準である。例えば、車速およびスロットル開度が、実線A1よりも左側にある場合は、ロックアップクラッチ11が解放される。この状態から、車速およびスロットル開度が実線A1よりも右側に変化した場合は、ロックアップクラッチ11が係合(オン)される。
【0034】
つぎに、係合されているロックアップクラッチ11を解放させる場合は、破線A2が用いられる。車速およびアクセル開度が、係合領域B1にある状態から、実線A1を越えただけでは、係合されているロックアップクラッチ11が解放されることはない。すなわち、破線A2よりも左側の領域まで、車速およびスロットル開度が変化した場合に、係合されているロックアップクラッチ11が解放(オフ)される。なお、実線A1の右側の領域は、実線A1の左側の領域よりも高車速である。また、破線A2の右側の領域は、破線A2の左側の領域よりも高車速である。
【0035】
このように、実線A1と破線A2との間に、所定のヒステリシスを設けた理由は、車速およびスロットル開度が、実線A1付近で変化した場合に、ロックアップクラッチ11の係合と解放とが交互に、かつ、頻繁に切り換えられる現象、いわゆるハンチングを防止するためである。このように、係合領域B1および解放領域B2に基づいて、ロックアップクラッチ11の係合および解放を制御する態様が、第1の制御態様である。
【0036】
一方、前記第2の制御態様は、車速およびスロットル開度が、解放領域B2にある場合でも、ロックアップクラッチ11を係合させる制御である。例えば、車速およびスロットル開度が解放領域B2にある場合でも、車両1が、車速“零”の状態から発進する場合、または車両1が減速され、ついで、再加速する場合のように、要求駆動力が高い場合には、第2の制御態様を選択可能である。このように、第1の制御態様および第2の制御態様とは、ロックアップクラッチ11の制御に用いるパラメータ自体(車速およびスロットル開度)の質は同じであるが、その程度が異なる。
【0037】
つぎに、車速およびスロットル開度が、第2の制御態様を選択可能な状態である場合に、この第2の制御態様を選択するか否かを更に判断する制御を、図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0038】
ず、ロックアップクラッチ11を解放させる制御がおこなわれているか否かが判断される(ステップS1)。このステップS1で否定的に判断された場合は、アイドルスイッチ30がオンされているか否かが判断される(ステップS2)。このステップS2で否定的に判断された場合は、ブレーキスイッチ18がオンされているか否かが判断される(ステップS3)。
【0039】
このステップS3で否定的に判断された場合は、スロットル開度が第1の基準開度TA1未満であるか否かが判断される(ステップS4A)。このステップS4Aで否定的に判断された場合は、解放領域B2でスロットル開度が第4の基準開度TA4を越えているか否かが判断される(ステップS4B)。なお、図3に示すように、第1の基準開度TA1は、第4の基準開度TA4よりも低開度である。このステップS4Bで肯定的に判断されるということは、比較的高い駆動力が要求されていること、つまり、加速性能を高める要求が発生していることになる。このため、ステップS4Bで肯定的に判断された場合は、第2の制御態様を選択可能であることになる。ステップS4Bで肯定判断された場合は、ロックアップクラッチ11のトルク容量が所定値以上であるか否かが判断される(ステップS5)。このステップS5で否定的に判断された場合は、第2の制御態様の選択を中止して、ロックアップクラッチ11を解放させる制御をおこない(ステップS6)、リターンする。図2の車両1においては、加速性能を高めるために、例えば、ロックアップクラッチ11を解放して、トルクコンバータ4のトルク増幅機能を発揮させることができる。ここで、ロックアップクラッチ11のトルク容量が所定値以上ある場合に、ロックアップクラッチ11を解放させると、駆動力が急激に変化して、ショックが発生する可能性がある。しかしながら、上記のようにステップS5で否定的に判断されていれば、このような不都合が発生しにくいため、ステップS6に進み、ロックアップクラッチ11を解放している。なお、前記ステップS1またはステップS2またはステップS3またはステップS4Aで肯定的に判断された場合も、ステップS6に進む。
【0040】
上記ステップS4AないしステップS6の制御を具体的に説明する。まず、ステップS4Aで肯定的に判断された場合について説明する。このような場合は、エンジン回転数も低く、そのままロックアップクラッチ11のトルク容量を高めたのでは、エンジン負荷の増加によりエンジンストールが発生する可能性があるため、ステップS6に進み、ロックアップクラッチ11を解放させている。
【0042】
なお、ステップS5で肯定的に判断された場合は、ロックアップクラッチ11の係合制御がおこなわれているか否かが判断され(ステップS7)、このステップS7で否定的に判断された場合はステップS6を経由してリターンする。
【0043】
一方、前記ステップS4Bで否定的に判断された場合は、エンジン回転数が第1の基準回転数C1未満であるか否かが判断される(ステップS8)。このステップS8においてエンジン回転数が判断される理由は、以下のとおりである。図2の実施例においては、エンジン2の動力がトルクコンバータ4を経由して回転部材7に伝達され、回転部材7の動力によりオイルポンプ28が駆動されるように構成されている。つまり、オイルポンプ28のオイル吐出量はエンジン回転数に依存しており、オイルポンプ28のオイル吐出量が、ロックアップクラッチ11に供給する油圧の制御に影響を及ぼすからである。
【0044】
エンジン回転数とオイルポンプの吐出量との対応関係を示す特性の一例が、図4に示されている。この図4に実線で示すように、エンジン回転数の上昇に比例して、オイルポンプの吐出量が増加する特性を有しているとともに、所定回転数以上においては、オイルポンプの吐出量がほぼ一定になる。第1の基準回転数C1以上の回転数に対応する吐出量であれば、油圧制御装置13側における“必要油圧”を確保することができる。この必要油圧は、スロットル開度などに基づいて演算される。
【0045】
そして、前記ステップS8で肯定的に判断された場合は、オイルポンプ28のオイル吐出量が少なく、ロックアップクラッチ11のトルク容量の上昇が遅れる可能性がある。そこで、ステップS8で肯定的に判断された場合は、前記ステップS5に進み、ステップS5で否定的に判断された場合は、前記ステップS6を経由してリターンされる。すなわち、ステップS8からステップS5に進み、ステップS5で否定的に判断された場合は、ステップS6に進み、第2の制御態様の選択を禁止する。また、ステップS5で否定的に判断されるということは、ロックアップクラッチ11の係合が開始されているものの、そのトルク容量が未だ所定値以下であるため、ステップS6に進んでロックアップクラッチ11を解放させたとしても、ショックが発生しにくい。
【0046】
前記ステップS7で肯定的に判断された場合、またはステップS8で否定的に判断された場合は、車速およびスロットル開度が“第1の制御態様におけるロックアップクラッチ11の係合領域B1にあるか否か”が判断される(ステップS9)。ステップS9で否定的に判断された場合は、エンジン回転数が第1の基準回転数C2以上であるか否かが判断される(ステップS10)。この第2の基準回転数C2は、第1の基準回転数C1よりも高回転数である。
【0047】
ステップS10で肯定的に判断された場合は、第1の制御態様であればロックアップクラッチ11が解放される解放領域B2で、スロットル開度が第2の基準スロットル開度TA2以上であり、かつ、第3の基準スロットル開度TA3以下であるか否かが判断される(ステップS11)。ここで、前記図3に示すように、第1の基準スロットル開度<第2の基準スロットル開度TA2<第3の基準スロットル開度TA3<第4の基準スロットル開度TA4である。
【0048】
車両における要求駆動力が高まりステップS11で肯定的に判断された場合は、ロックアップクラッチ11を係合させる制御がおこなわれているか否かが判断される(ステップS12)。このステップS12で否定的に判断された場合は、第2の制御態様を選択し(ステップS13)、リターンする。これに対して、ステップS10またはステップS11で否定的に判断された場合、またはステップS12で肯定的に判断された場合は、そのままリターンする。
【0049】
一方、車速およびスロットル開度が係合領域B1にあり前記ステップS9で肯定的に判断された場合は、ロックアップクラッチ11を係合させる制御を実行中であるか否かが判断される(ステップS14)。ステップS14で肯定的に判断された場合は、ロックアップクラッチ11を係合させる制御が終了したか否かが判断される(ステップS15)。ステップS15で肯定的に判断された場合は、第2の制御態様を選択することなく(ステップS16)リターンする。なお、ステップS14またはステップS15で否定的に判断された場合もリターンされる。
【0050】
ここで、図2に示された構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、トルクコンバータ4が、この発明の流体伝動装置に相当し、エンジンおよび電動機が、この発明の駆動力源に相当し、電磁弁を有する油圧制御装置13がこの発明のアクチュエータに相当する。また、図1に示された機能的手段と、この発明との対応関係を説明すれば、ステップS9,S10,S11,S12,S13が、この発明における第1の判断手段に相当し、ステップS4B,S5,S6,S8が、この発明における第2の判断手段に相当する。また、第2の基準回転数C2が、この発明の「駆動力源回転数の第1の所定値」に相当し、第1の基準回転数C1が、この発明の「駆動力源回転数の第2の所定値」に相当し、第2の基準開度TA2が、この発明の「スロットル開度の第1の所定値」に相当し、第3の基準開度TA3が、この発明の「スロットル開度の第2の所定値」に相当し、第4の基準開度TA4が、この発明の「スロットル開度の第3の所定値」に相当する。
【0051】
また、図3のマップで説明した事項と、この発明との対応関係を説明すれば、第1の基準回転数C1よりも低いエンジン回転数、およびオイルポンプの吐出量により、この発明の“アクチュエータの機能”が判断され、エンジン回転数がこの発明の“駆動力源の回転数”に相当し、スロットル開度(もしくはアクセル開度)が、この発明の“駆動力源の負荷”に相当する。
【0052】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、第1の制御態様であれば、ロックアップクラッチが解放される車速およびスロットル開度であっても、ロックアップクラッチを係合させる第2の制御態様の選択するか否かが、更に判断される。したがって、第2の制御態様を選択してロックアップクラッチのトルク容量が変化することにより発生する駆動力の不安定状態、もしくは駆動力の急激な変化(ショック)を未然に回避することができる。
【0053】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる。また、ロックアップクラッチの係合圧は、オイルポンプの吐出量に影響されるが、請求項2の発明では、オイルポンプを駆動する駆動力源の回転数に基づいて第2の制御態様を継続するか否かが判断されるため、駆動力が不安定となる状態を回避する機能、および駆動力が急激に変化することを回避する機能が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明を適用することのできる車両の概念図である。
【図3】 図1のフローチャートで選択されるマップの一例である。
【図4】 この発明の実施例において、エンジン回転数とオイルポンプの吐出量との関係の一例を示す特性線図である。
【符号の説明】
1…車両、 2…駆動力源(エンジン、電動機)、 4…トルクコンバータ、11…ロックアップクラッチ、 13…油圧制御装置、 14…電子制御装置。

Claims (2)

  1. 車両の駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に、流体伝動装置およびロックアップクラッチが並列に配置されており、前記ロックアップクラッチのトルク容量を制御するアクチュエータが設けられており、車速およびスロットル開度に基づいて前記ロックアップクラッチを係合または解放する第1の制御態様を選択することのできるロックアップクラッチの制御装置において、
    前記第1の制御態様であれば、前記ロックアップクラッチが解放される車速およびスロットル開度であっても、前記ロックアップクラッチを係合させる第2の制御態様を選択することが可能であるか否かを、前記駆動力源の回転数が予め定めた第1の所定値以上であり、かつ、前記第1の制御態様であれば前記ロックアップクラッチが解放される車速であり、かつ、前記スロットル開度が予め定めた第1の所定値以上であり、かつ、予め定めた第2の所定値以下であるか否かにより判断する第1の判断手段と
    前記スロットル開度が前記第2の所定値より大きい予め定めた第3の所定値よりも大きい場合、または、前記スロットル開度が前記第3の所定値以下であり、かつ、前記駆動力源の回転数が前記第1の所定値より小さい予め定めた第2の所定値よりも小さい場合に、前記ロックアップクラッチを係合させる第2の制御態様を継続するか前記ロックアップクラッチを解放するかを、前記ロックアップクラッチのトルク容量に基づいて判断する第2の判断手段と
    を備えていることを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
  2. 前記アクチュエータが、油圧に基づいて前記ロックアップクラッチのトルク容量を制御するように構成され、かつ、前記駆動力源により駆動されるオイルポンプの吐出オイルが前記アクチュエータに供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチの制御装置。
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