JP3716659B2 - 車両の走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の走行制御装置、特に、エンジン及び無断変速機を搭載する車両において、エンジンブレーキ現象による急減速の違和感を解消する車両の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から変速機の変速比を連続的に制御することのできる無断変速機(以下、CVT−Continuously Variable Transmission−という)を搭載する車両がある。このCVTは、スムーズな変速動作が行えると共に、エンジンの特性を十分にいかし、排気ガスや燃費の改善ができるので、特に近年注目されている。
【0003】
また、特公平7−12807号公報等には、車両の減速走行時に、エンジンの回転速度が予め定められたフューエルカット下限回転速度を下回るまで、そのエンジンに供給すべき燃料を遮断するフューエルカット装置を備えるものがある。このような車両においては、エンジンの出力を必要としない減速走行時に燃料が消費されないため車両の走行燃費が改善される。この走行燃費の改善効果はフューエルカット範囲が増大される程大きくなるため、前記フューエルカット下限回転数を可及的に低く設定することが望まれる。これを実現するために例えば、エンジンに供給される燃料が遮断されている間は、エンジンと駆動輪との間で動力の機械的な接続及び切断動作を行うロックアップクラッチを係合(接続)状態として車両の走行力をロックアップクラッチを介してエンジンに伝達することによりエンジンを回転させることができる。この時、CVTを搭載した車両であれば、車速が減少し続けた場合でも変速比を容易にLo側に変化させることが可能なので、エンジンの回転数をある程度の期間フューエルカット下限回転数に維持することが可能になり、フューエルカット可能な実質的期間を増大させて燃費向上を図ることができる。
【0004】
そして、エンジンの回転数がフューエルカット下限回転数以下になった場合には、前記ロックアップクラッチを切断(解放)し、駆動輪に対してエンジンをフリーの状態(トルクコンバータの流体のみによる接続状態)にすると共に、エンジンに対する燃料の噴射を再開しエンジンを自律駆動させてアイドリング回転を維持する。そして、アクセルが踏み込まれた際には、エンジンの出力を増加すると共に再びロックアップクラッチを接続してエンジンの出力を駆動輪に伝達する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、アクセルペダルがOFFされ、車両が減速状態(エンジンが駆動輪により従動する、いわゆるエンジンブレーキ状態)にあるとき、車両の減速力は、エンジンのフリクションによって変化する。減速状態の時に変速比が固定(不連続)の車両(一般のM/T車やCVTを搭載しないA/T車)の場合、車速の減少と共にエンジンの回転数が低下し、それに応じてフリクションも低下するので、車両の減速は徐々に違和感なく行われる。しかし、CVTを搭載した車両で、フューエルカット制御を効率的に行おうとして減速時に変速比をLo側にシフトさせた場合、エンジンの回転数が一定になりフリクションも一定になるが、CVTの変速比変化分だけ減速力が増加してしまう。この時、運転者はアクセルペダルOFF以外の操作(ブレーキペダルの操作等)を行っていないにも関わらず、減速力が増大(減速変化量が増大)するため違和感を感じてしまうという問題がある。
【0006】
また、前記CVTは、駆動輪の回転中でなければ減速比変化を行うことができないので、フューエルカット制御の有無に関わらず、車両の停止までに、減速比を最Lo側にシフトし車両の再発進に備える必要があるため、減速時にはエンジン回転数が維持され、CVTの変速比がLo側にシフトするので、上述と同様な問題が発生する。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、CVT搭載車でアクセルペダルOFFによる減速状態にある時に、極端な減速変化量の増加を防止することのできる車両の走行制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、第1の発明は、エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間に配置されて変速比を連続的に変更可能な無断変速機と、を含む車両の走行制御装置において、無断変速機の減速比を増大させつつ駆動輪によりエンジンを従動させて車両の惰行減速力を得る場合に、車両の減速変化量が所定値以内になるように、スロットル開度の制御によるブースト圧制御で、エンジンフリクションを調整する調整手段を有していることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記惰行減速力とは、ブレーキペダル等の操作を伴わない場合のいわゆるエンジンブレーキ作用時に発生する減速力である。また、エンジンフリクションとは、エンジンの回転による摩擦抵抗であり、走行に関するエンジンの回転による摩擦抵抗の他、エンジンが外部機器を駆動する時の負荷による回転上昇による摩擦抵抗も含む。また、車両の減速変化量が所定値以内とは、例えば、減速力が800N以内である。この構成によれば、惰行減速力の大きさに影響を与える無断変速機の減速比が車両減速に伴って増加する場合でも減速力の変動に影響するエンジンフリクションを調節可能なので、全体的な惰行減速力の調節、すなわち減速変化量の調節が可能になり、車両搭乗者に違和感を与えないスムーズな減速を行うことができる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、第2の発明は、エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間に配置されて変速比を連続的に変更可能な無断変速機と、を含む車両の走行制御装置において、無断変速機の減速比を増大させつつ駆動輪によりエンジンを従動動作させることによる惰行減速力及び車両運転者のブレーキ操作による強制減速力を得る場合に、車両全体の減速変化量が所定値以内になるように、スロットル開度の制御によるブースト圧制御で、エンジンフリクションを調整する調整手段を有していることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ブレーキ操作による強制減速が行われた場合でも、惰行減速力が制御されるので、運転者のブレーキ操作による減速量を得ることが可能になり、運転者及び車両搭乗者に違和感を与えないスムーズな減速を行うことができる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記調整手段は、前記ブースト圧制御に加えてさらに補機駆動制御を行うことによってエンジンフリクションを調整することを特徴とする。
【0013】
ここで、ブースト制御とは、エンジンの吸気量を制御することによりエンジンフリクションを調節する制御であり、補機駆動制御とは、オルタネータや空気調和装置のコンプレッサーやモータ・ジェネレータ等エンジンの負荷原因になる機器の制御である。この構成によれば、エンジンのブースト圧制御や補機駆動制御を行うことにより、エンジンに対する負荷を軽減することが可能になるので、エンジンのフリクションを容易に調整可能になり、減速変化量の適正制御を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0015】
実施形態1.
図1には、本発明の実施形態1に係る車両の構成概念図が示されている。この実施形態1で対象とする車両は、特にエンジン10と駆動輪(不図示)との間に無段変速機(CVT)12が配置されたものである。図1において、エンジン10のクランク軸10aは、前後進切換機構14及びロックアップクラッチ16を有するトルクコンバータ18を介してベルト式のCVT12の入力軸12aと連結されている。また、CVT12の出力軸12bは、図示しない差動歯車装置等を介して車両の駆動輪と連結されている。そして、前記ロックアップクラッチ16が機械的に接続(係合)状態になることによって、エンジン10の回転力を駆動輪に伝達したり、駆動輪の回転力をエンジン10に伝達することができる。また、ロックアップクラッチ16が切断(係合解除)状態になることで、エンジン10側と駆動輪(CVT12)側とが独立(トルクコンバータ18により流体接続はされてる)になり、エンジン10は駆動輪側の必要以上の負荷を受けることなく自律駆動可能になり、例えばアイドリング回転を維持することが可能になる。
【0016】
図1に示すCVT12は、可動回転体20aと固定回転体20bで構成される一対の可変プーリ20の溝幅を油圧によって変化させて、これらの可変プーリ20に対するベルト22の巻き掛け半径を、その張力が一定に維持されるように変化させることにより変速比を変えるものであり、溝幅の変化速度が変速速度となる。従って、各可変プーリ20における可動シーブを駆動するアクチュエータ24に給排する油圧制御により、変速速度を任意に制御することができる。この他、CVTとしてはトロイダル面を備えた一対のディスクの間にパワーローラを挟み込み、そのパワーローラを傾動させてディスクとの接触点の半径を変化させて変速を行うトロイダル式のものを用いることもできる。
【0017】
また、前記トルクコンバータ18は、基本的には、車両が停止している状態であってもエンジン10を断続的に動作させるようにするためのものである。なお、前後進切換機構14は、エンジン10の回転方向が一方向に限定されており、かつCVT12が反転動作機構を備えていないために設けられたものであり、遊星歯車機構を主体とした機構やリバースギア及び同期連結機構を備えた機構等を採用することができる。
【0018】
入力軸12a及び出力軸12bの回転速度を検出するためにそれぞれ回転速度センサ26及び28が設けられている。これら回転速度センサ26,28は、マイクロコンピュータを主体として構成された電子制御装置(以下ECUという)30に接続されており、当該ECU30は、回転速度センサ26,28の検出信号に基づいてCVT12の変速比を算出する。
【0019】
また、エンジン10の吸気配管には、吸入空気量を検知する空気量センサ32が設けられ、クランク軸10a近傍にはエンジン回転速度を検知するための回転センサ34が設けられている。ECU30は、空気量センサ32の検出した吸入空気量や回転センサ34の検出したエンジン回転速度に応じて燃料噴射量、点火時期を最適に制御する。
【0020】
他方、アクセルペダル36近傍には、アクセル開度を検出するアクセルセンサ38が設けられており、検出結果をECU30に提供している。ECU30は、このアクセルセンサ38の検出したアクセル開度、回転速度センサ28の検出した車速及び回転速度センサ34の検出したエンジン回転速度により、例えば燃費が最良となるように、スロットルアクチュエータ40を通じて吸入空気量を制御する。
【0021】
また、運転席の近傍に設けられたシフトレバー42には、その操作位置を検出するためのシフトセンサ44が設けられており、ECU30は、このシフトセンサ44の検出したドライブレンジ等の情報や車速、アクセル開度等の情報により、ロックアップクラッチ16の動作やCVT12の変速比を制御する。
【0022】
さらに、ブレーキペダル46の近傍にはブレーキペダルの操作量や操作速度を検出するブレーキペダルセンサ48が設けられている。このブレーキペダルセンサ48は、ブレーキペダルブラケット部に配置され、ブレーキペダルの踏み込み量に比例した電圧をECU30に提供する。
【0023】
前記ECU30には、さらにフューエルカット装置(コンピュータ)50が接続されている。このフューエルカット装置50は、車両の減速走行時にロックアップクラッチ16を用いて、駆動輪の駆動により回転しているCVT12とエンジン10とを機械的に接続しつつ所定の車両走行状態まで前記エンジン10に供給する燃料の遮断を行うものである。ここで、前記車両走行状態とは、例えば、予め設定されたフューエルカット下限値(例えば、エンジンの回転数で決める場合500rpm、車速で決める場合、15km/h等)である。このように、エンジン10の出力を必要としない減速走行時に燃料を消費しないようにすることにより、車両の走行燃費の改善を行うものである。なお、前記ECU30は、できるだけフューエルカット可能期間を長くするため、エンジン回転数を所定値以上に維持するようにCVT12の減速比を連続的に大きくする(Lo側にシフトする)制御を行っている。また、フューエルカット装置50は、エンジン10の状態がフューエルカット下限値以下になった場合には、前記ロックアップクラッチ16を切断(解放)し、駆動輪に対してエンジン10をフリーの状態(トルクコンバータ18の流体のみで接続された状態)にすると共に、エンジン10に対する燃料の噴射を再開しエンジン10を自律駆動させてアイドリング回転を維持するようにしている。そして、アクセルペダル36が踏み込まれた際には、ECU30はエンジン10の出力を増加すると共に再びロックアップクラッチ16を接続してエンジン10の出力をCVT14を介して駆動輪側に伝達して車両の加速を行う。
【0024】
更に前記ECU30には補機である空気調和装置(以下、エアコンという)52が接続され、その駆動制御を行っている。エアコン52のコンプレッサ等はエンジン10によって駆動させている。なお、図1においては、ECU30、フューエルカット装置50を別々の構成として示しているが、単一のECUで構成してもよい。
【0025】
ところで、車両の減速力はエンジン10のフリクションが大きい程増加する。この時、CVT12の減速比がLo側にシフトする場合、エンジンの回転数が所定値に維持されるのでエンジン10の車両走行に基づくフリクションは不変となり減速力も一定になる。また、減速力は、CVT12の減速比が増加(Lo側にシフト)する程大きくなる。すなわち、車両全体としての減速力は、減速が進み減速比が増加する程急激に減速変化量が増加することになる。この急激な減速変化量の増加は車両搭乗者にとっては大きな違和感になる。
【0026】
本実施形態1の特徴的事項は、駆動輪によりエンジンを従動させて車両の惰行減速力を得る、いわゆるエンジンブレーキ作用時に、エンジンフリクションを調整することにより車両の減速変化量を制御し、無断変速機の減速比が増加する場合でも減速力が急激に増大(減速変化量の変化)することを防止し、車両搭乗者に違和感を与えないようにするところである。
【0027】
図2には、本実施形態1において、車両が惰行減速(エンジンブレーキ)のみで減速する場合の制御手順が示されている。なお、本実施形態1においてはフューエルカット制御が併用され、減速時に積極的に減速比がLo側にシフトする場合を説明する。
【0028】
ECU30は減速時のエンジンフリクションの調整を行うため常時車両の状態を検出している。まず、ECU30はロックアップクラッチ16がON状態か否かの検出を行っている(S100)。ロックアップクラッチ16がONしている場合、続いて、ECU30はアイドルスイッチがONしてるか否かの判断を行う(S101)。このアイドルスイッチは、アクセルペダル36が踏み込まれていない場合にONするスイッチである。すなわち、アイドルスイッチがONしていれば、運転者は少なくとも車両速度の維持または加速をしようという意志を有していないことを示している。アイドルスイッチがONしていると判断された場合、更に、ECU30はフューエルカット制御状態か否かの判断を行う(S102)。ここでの判断では、フューエルカット装置50からの情報や回転速度センサ28,34等からの情報に基づいて燃料カットが行われているか否かが判断される。
【0029】
(S100)でロックアップクラッチ16がOFFしている場合、エンジン10は所定回転数以下でアイドリング状態にあると判断される。また、(S101)でアイドルスイッチがOFFしている場合、アクセルペダル36が踏み込まれ運転者は車両の走行速度の維持または加速要求を行っていると判断される。さらに、(S102)でフューエルカット制御状態ではないと判断された場合、車速またはエンジン10の回転数がフューエルカット条件以下であり、車両はアイドリング状態に移行したと判断する。このように(S100)〜(S102)で否定判断された場合は、ECU30は、それぞれ定められた通常制御における目標スロットル開度の計算を行い(S103)、ECU30は算出した目標スロットル開度に基づく制御量の出力を行う(S104)。例えば、アイドリング状態であると判断された場合には、ECU30は図示しないアイドルバイパスからエンジン10がアイドリングに必要な空気の吸入のみを行う制御を行い、スロットルアクチュエータ40を全閉として空気の主吸入を停止するように、スロットル全閉出力を行う。また、アクセルペダル36が踏み込まれている場合には、アクセルセンサ38の検出結果に基づくアクセル開度に応じて、スロットルアクチュエータ40を駆動し必要量の空気吸入を行うようにスロットル開閉出力を行う。この時のスロットルアクチュエータ40の制御量は例えば、アクセル開度とスロットル開度の関係を予め定めたマップに基づいて行われる。
【0030】
一方、(S102)でフューエルカット状態であると判断された場合、車両は、惰行しながら減速している、いわゆるエンジンブレーキ作用状態に移行すると判断される。この場合、ECU30は、CVT12がLo側にシフトしても減速力が増加しないように、エンジン10のフリクションを軽減するためにCVT12の減速比(ギア比)や車速等に基づいて、現在の車両走行状態における目標スロットル開度の算出を行う(S105)。一般にアクセルOFFの状態では、スロットルアクチュエータ40は全閉しているので、空気吸入が行われないためエンジン10の回転負荷が増加しフリクションの原因となる。(S105)では、エンジン10の吸気量の調整を行うことによって前記負荷を軽減するためにスロット開度の算出を行っている。なお、CVT12の減速比はエンジン10の回転数と車速によって決定されるため、例えば、図3(a)に示すように減速比(ギア比)とスロットル開度との関係を示すマップを準備することにより、その時の車両状態に応じたスロットル開度を容易に決定することができる。このスロットル開度の制御がいわゆるエンジン10のブースト制御であり、このブースト制御によりエンジン10のフリクションを軽減することができる。
【0031】
本実施形態1においては、更にECU30は、現在エンジン10に負荷を与えるエアコン52等の補機が駆動状態にあるか否かの判断を行う(S106)。ECU30がエアコン52の駆動を認識した場合、エアコン52の負荷補正率の算出を行う(S107)。ここで、エアコン52の負荷補正率とは、エンジン10がエアコン52のコンプレッサの駆動により受けている負荷を軽減するためには、現在の車両走行状態において、エアコン52の駆動をどの程度制限するのが適当であるかを定める値であり、ECU30は、CVT12の減速比(ギア比)及び車速等に基づいて、現在の車両走行状態におけるエアコン52の負荷補正率を算出する。図3(b)に示すようにエンジン10の回転数と車速で決まる減速比(ギア比)と負荷補正率との関係を示すマップを準備することにより車両状態に応じた負荷補正率を容易に決定することができる。図3(b)に示すように、負荷補正率は減速比(ギア比)が最Hi側にある場合に、『1』であり、ギア比のLo側シフトに応じて減少するようになっている。ECU30は、負荷補正率が決定したら現在駆動中のエアコン52の現在負荷(コンプレッサ等の駆動状態に基づいて認識)に前記負荷補正率を積算し惰行減速中のエアコン52の負荷を算出する(S108)。そして、エアコン52の駆動によるエンジン10の負荷増加、すなわちフリクションの増加を軽減するために、エアコン52の駆動を制限する負荷補正値の出力を行う(S109)。なお、図4には、ECU30において、本実施形態1に関連するロックアップ、アイドルスイッチ、フューエルカット状態の判定手段30a(各種センサ等によって認識)やスロットル目標開度演算手段30b、エアコン負荷補正率演算手段30c等の構成が図示されている。
【0032】
続いて、ECU30は、(S105)で算出した目標スロットル開度を出力し(S104)、スロットルアクチュエータ40の制御を行う。その結果、図3(a)に示すようにギア比がLo側にシフトする程スロットル開度を開の方向にシフトするので、エンジン10の空気の吸い難さが軽減され、エンジン10の回転時の摩擦抵抗が軽減され、CVT12の減速比がLo側にシフトすることによって、エンジン10の回転数が維持される場合でもエンジン10のフリクションを減少させることができる。更に同時に、エアコン52等の補機の駆動もCVT12の減速比がLo側にシフトする程制限されるので、エンジン10に対する負荷が減少しエンジン10全体のフリクションを減少させることができる。その結果、CVT12がLo側にシフトしてもそれによって生じる減速力分を打ち消すことが可能になり車両の減速変化量が急激に変化することを防止することができる。そして、車両搭乗者の違和感を軽減することができる。
【0033】
一方、(S106)でエアコン52が駆動していないと判断された場合、エンジン10に大きな負荷を与えるものは駆動していないと判断して、(S104)に移行し、(S105)で算出した目標スロットル開度に基づく制御を行う。つまり、ブースト制御によりエンジン10のフリクション制御を行う。
【0034】
このように、エンジン10の負荷を吸入空気量の制御や補機の駆動制御を行うことによって調整するので、エンジン10の全体的なフリクションを調整可能になりエンジンブレーキ作用の急激な減速変化量の増大を防止して、減速力を例えば、800N以内に抑え込むことができる。その結果、車両搭乗者の違和感を軽減することができる。なお、図5には、車速と、減速比(ギア比)と減速力との関係が、エアコン負荷調整を行った場合と行わない場合について示されている。図から明らかなように、エアコン負荷調整を行った場合には、CVT12の減速比が最Lo側にシフトしたときでも減速力の急増が防止されている。
【0035】
本実施形態1では、減速力の急増をより効率的に回避するためにスロットルアクチュエータ40の制御を行うブースト制御及び補機であるエアコン52の駆動制御を合わせて行う例を示したが、いずれか一方の制御でも減速力の急増回避効果を得ることができる。また、本実施形態1では、補機として、エアコン52を例に取ったが、オルタネータ等エンジン10により駆動しエンジン10に負荷を与える装置の制御を行うことによっても同様に効果を得ることができる。
【0036】
実施形態2.
図6には、エンジン及びCVTに加え更にモータジェネレータ(以下、MGという)を備える車両の駆動系構成概念図が示されている。
【0037】
エンジン60はその出力軸60aの一側にダンパー62の入力ケーシング62aを介してMG64のロータ66が設けられており、エンジン60の出力はダンパー62を介して入力軸68に伝達される。入力軸68に入った動力は前後進切換機構70に伝達される。前後進切換機構70は、ダブルピニオン式遊星歯車にて構成され、前進クラッチ72を締結すれば、一体で回り前進状態になる。また、後進ブレーキ74を締結すれば後進状態になる。前進クラッチ72及び後進ブレーキ74は発進機構としても用いる。前後進切換機構70からの出力はCVT76のインプットシャフト78に伝達される。
【0038】
CVT76のアウトプットシャフト80は複数の歯車群から構成された歯車式動力伝達機構82に接続されている。歯車式動力伝達機構82は、一端に車輪(不図示)が設けられた車軸84に連結された差動装置86に接続されている。前記MG64、前後進切換機構70、CVT76、歯車式動力伝達機構82、差動装置86の周囲にはエンジン60と一体に固定されたハウジング88が設けられている。
【0039】
発電・電動手段を構成するMG64は、前述した通り出力軸60aに対し一体的に回転するロータ鉄心とこのロータ鉄心に装着されたかご形巻線90とからなるロータ66と、ハウジング88に固定されたステータ鉄心とこのステータ鉄心に装着されたステータ巻線92とからなるステータ94とを備えている。またMG64とCVT76との間には入力軸68と連結されて駆動されるオイルポンプ96が設けられている。
【0040】
前記MG64は、前記ロータ66が回転子部となり、ステータ94が固定子部となり、両部から誘導機を構成する。そして、このMG64に対し、固定子部のステータ巻線92に所定の周波数電圧を印加して回転磁界を与え、エンジン60の出力軸60aの回転速度に対して進んだ周波数の回転磁界とすることにより、誘導機を発電機として動作させることができる。そして、電動操作による回転駆動力により、始動時においてはエンジン60に起動力を付与し、走行時においては、エンジン60を補助して加速力を付与したりする。
【0041】
或いは、このMG64に対して、固定子部のステータ巻線92に所定の周波数電圧を印加して回転磁界を与え、エンジン60の出力軸60aの回転速度に対して遅延した周波数の回転磁界とすることにより誘導機を発電機として動作させ、発電動作を行うようになっている。
【0042】
本実施形態2の特徴的事項は、補機であるMG64の駆動回生を制御することによりエンジン全体のフリクション調節を行うと共に、車両の減速力を均一化(理想の減速状態に矯正)し、違和感のないスムーズな車両減速を行うところである。
【0043】
図7には、補機としてのMG64を制御した場合の惰行減速(ブレーキペダルの踏み込み量=0)時の減速力制御手順を説明するフローチャートが示されてる。なお、図6のエンジン60、MG64、CVT67等は図8に示すECU98の各種処理によって動作する。また、スロットルアクチュエータ(図6では不図示)やMG64は、ECU98に含まれるロックアップやアイドルスイッチやフューエルカット等の状態判定手段98aやスロットル目標開度演算手段98bやMG駆動・回生力演算手段98cや目標減速力算出手段98d等の処理結果に基づいて動作する。
【0044】
ECU98は、実施形態1と同様に、減速時のエンジンフリクションの調整を行うため常時車両の状態を検出している。つまり、ECU98はロックアップクラッチ(図6では図示を省略)がON状態か否かの検出(S200)、アイドルスイッチがONしてるか否かの判断(S201)、フューエルカット制御状態か否かの判断を行う(S202)。そして、(S200)〜(S202)で否定判断された場合は、ECU98は、実施形態1と同様に、それぞれ定められた通常制御における目標スロットル開度の計算を行い(S203)、算出した目標スロットル開度に基づく制御量の出力を行う(S204)。
【0045】
一方、(S202)でフューエルカット状態であると判断された場合、車両は、惰行しながら減速している、いわゆるエンジンブレーキ作用状態に移行すると判断される。この場合、ECU98は、CVT12の減速比(ギア比)及び車速等に基づいて、現在の車両走行状態における目標スロットル開度の算出を行う(S205)。この場合のスロットル開度も、図3(a)に示すような減速比(ギア比)とスロットル開度との関係を示すマップに基づいて決定する。
【0046】
更にECU98内の目標減速力算出手段98dは、シフトレバーのポジション(Dレンジ、2ndレンジ等)や車速等の情報に基づいて目標減速力を算出する(S206)。この目標減速力は図9に示すように、均一な減速変化量を有し車両搭乗者に急減速等の違和感を感じさせない理想的な減速力である。続いて、ECU98のMG駆動・回生力演算手段98cは、現在の車両状態におけるMG64の駆動量の算出を行う(S207)。すなわち、MG64をモータまたはジェネレータとして駆動することによりエンジン60の負荷調整(エンジンフリクション調整)を行いエンジンブレーキ作用量の制御を行うと共に、減速力を理想とする値に矯正する。この場合、(S206)で算出した目標減速力とエンジンブレーキ作用による減速力の差分がMG64の制御によって調整可能な量であり、図9でハッチングで示した部分がMG64による調整可能範囲である。なお、本実施形態2の場合、(S205)で目標スロットル開度の算出(ブースト制御)を行いエンジンフリクションの調整を行っているので、エンジンブレーキ作用による減速力は、ブースト制御後のエンジンフリクション、ギア比、車速等により算出する。この時、(目標減速力)−(エンジンブレーキ作用による減速力)が負の場合、MG64は駆動制御となり、正の場合、回生制御になる。そして、算出したMG駆動・回生力出力を行う(S208)と共に、(S205)で算出した目標スロットル開度の出力を行う(S204)。
【0047】
このように、目標スロットル開度の出力、すなわちブースト制御及びMG駆動・回生力出力制御を行うことにより、図9に示すように、実際の減速力を目標減速力に接近させることが可能なり、車両搭乗者に違和感を感じさせることなくスムーズな減速を確実に行うことができる。
【0048】
実施形態3.
図10には、実施形態3として、エンジンブレーキと共に、ブレーキペダルの操作による強制減速が行われた時に補機としてのMG64を制御した場合の制御手順を説明するフローチャートが示されてる。なお、本実施形態3においては、近年搭載が増えているブレーキアシストシステム、すなわち、ブレーキペダルの小さな踏み込み操作でも十分な減速力が得られるシステムを搭載している車両を例にとり説明する。このシステムは、エンジンで溜めた負圧と大気圧の差で動作するサーボ機構により踏み力のアシストをするものである。従って、図11に示すように、ブレーキブースタのブースト負圧が高い場合と低い場合とで、同じブレーキ踏み量に対して減速力の変動が現れる。運転者はCVT76のLo側へのシフトによる減速力の変動に加え、ブレーキブースターの負圧状態による減速力の変動により違和感を感じる(なお、ブースト負圧が低い場合でも十分な減速・停止はできる)。本実施形態3では、エンジンブレーキ作用の急激な変化やブースト負圧の違いよる減速力の違いによる違和感を解消するものである。なお、ECUの構成は図8のECU98と同様であるが、MG駆動・回生力演算手段98cにブレーキブースターのブースト負圧の値が入力され、目標減速力演算手段98dには、ブレーキペダルの踏み込み量が入力され、それらの情報に基づいて必要な演算が行われる。
【0049】
図10のフローチャートにおいて、(S300)〜(S305)は前述した実施形態1の(S100)〜(S105)や実施形態2の(S200)〜(S205)と同じであるため説明は省略する。
【0050】
ECU98は(S305)で目標スロットル開度を算出したら、次に目標減速力算出手段98dは目標減速力を運転者の制動意志が反映されたブレーキ踏み量に基づいて算出する(S306)。更に、MG駆動・回生力演算手段98cは、ブレーキ制動力をブレーキの踏み込み量(ブレーキ踏み代)及びブースト負圧等に基づいて算出する(S307)。ブレーキ制動力は図11に示すような予め定められた関係マップにより容易に求めることができる。そして、MG駆動・回生力演算手段98cは、現在の車両状態におけるMG64の制御量の算出を行う(S308)。すなわち、MG64をモータまたはジェネレータとして駆動・回生することによりエンジン60の負荷調整(エンジンフリクション調整)を行いエンジンブレーキ作用の制御を行う。この場合、(S306)で算出した目標減速力からエンジンブレーキ作用による減速力と(S307)で算出したブレーキ制動力(減速力)を引いた値がMG64の駆動制御によって調整可能な量であり、図12でハッチングで示した部分がMG64による調整可能範囲である。なお、本実施形態3の場合、(S305)で目標スロットル開度の算出(ブースト制御)を行いエンジンフリクションの調整を行っているので、エンジンブレーキ作用による減速力は、ブースト制御後のエンジンフリクション、ギア比、車速等により算出する。この時、(目標減速力)−(エンジンブレーキ作用による減速力+ブレーキ制動力)が負の場合、MG64は駆動制御となり、正の場合、回生制御になる。そして、算出したMG駆動・回生力出力を行うと共に(S309)、(S305)で算出した目標スロットル開度の出力を行う(S304)。
【0051】
このように、目標スロットル開度の出力、すなわちブースト制御及びMG駆動・回生力出力制御を行うことにより、図12に示すように、運転者がブレーキペダルを操作し、強制的な減速を要求した場合でも、エンジンブレーキ作用による減速力を制御すると共に、運転者がブレーキ踏み量によって所望する目標減速力に実際の減速力を矯正することが可能なり、運転者に違和感を感じさせることなくスムーズな減速を確実に行うことができる。
【0052】
実施形態4.
図13には、ブレーキブースターの代わりにブレーキの油圧制御システムを有しブレーキ制動力を任意に調整できるブレーキアシストシステムを有する車両において、前述した実施形態3と同様な制御を適用する場合の例が示されている。ECUに関しては、図8に示すECU98とほぼ同じである。また、図13のフローチャートにおいて、(S400)〜(S406)は前述した図10の(S300)〜(S306)と同じであるため説明は省略する。(S406)において、目標減速力が算出されると、MG駆動・回生力演算手段98cは、目標回生力を決定する(S407)。この目標回生力は、MG64の回生により発生する負荷によりエンジン60側で発生する減速力であり、その大きさは、バッテリーの充電状態に応じて決定される。続いて、ECU98はエンジンブレーキ力の算出を行う(S408)。このエンジンブレーキの作用による減速力は、(S405)で目標スロットル開度の算出(ブースト制御)を行いエンジンフリクションの調整を行っているので、エンジンブレーキ作用による減速力は、ブースト制御後のエンジンフリクション、ギア比、車速等により算出する。そして、(S407)で算出した目標回生力による減速力とエンジンブレーキによる減速力の和が(S406)で算出した目標減速力より大きいか否かの判断を行う(S409)。
【0053】
もし、減速力の和が目標減速力より小さい場合、すなわち目標とする減速を得るためには油圧システムの動作によるブレーキ力が必要であると判断される場合、ブレーキ制動力を算出する(S410)。このブレーキ制動力は、(S406)で算出した目標減速力から(S407)の目標回生力及び(S408)のエンジンブレーキ力を減算した値である。そして、ECU98は目標回生力に基づくMG駆動・回生力の制御量の出力を行うと共に、ブレーキ制動力の制御量の出力を行う(S411)。さらに、(S405)で算出した目標スロットル開度の出力を行う(S404)。
【0054】
一方、ECU98が(S409)で減速力の和が目標減速力より大きいと判断した場合、(S407)で設定した目標回生力が大き過ぎるため必要以上の減速力が発生してしまう場合であり、MG駆動回生力の修正を行う(S412)。この場合、MG駆動回生力は(S406)で算出した目標減速力から(S408)で算出したエンジンブレーキ力を減算することにより求めることができる。またこの場合、減速力は目標減速力を満たしているので、運転者がブレーキペダルを踏み込んだとしても実施の油圧システムによるブレーキ制動力は『0』として(S413)、MG64の回生を含むエンジン60のフリクションのみによる減速力を発生させる。その後、(S411)及び(S404)に移行し各制御量の出力を行う。
【0055】
このように、油圧システムにより減速力の調整を行うことのできるブレーキシステムを有する車両においてもMG64の制御やエンジンブースト制御を行うことにより、エンジンブレーキの制御を行うと共に運転者のブレーキペダル踏み込み量に応じた減速を行うことが可能になり運転者を含む車両搭乗者に減速変化量の急激な変化を感じさせることなく違和感のない減速を行うことができる。また、油圧システムによりブレーキ制動力の調整を行う場合、MG64の積極利用が可能になるので車両燃費の向上にも寄与することができる。
【0056】
なお、前述した各実施形態においては、エンジンのブースト制御と補機(エアコンやオルタネータ、MG等)の制御を合わせて行う例を示したが、いずれか一方でも減速時の減速変化量の制御が可能であり、同様な効果を得ることができる。
【0057】
さらに、補機の制御を行う場合、どの補機を制御対象とするかは、任意であるが、効率的な減速力制御を行うことのできる順に優先順位を付けて制御することが好ましい。なお、前記CVTは、駆動輪の回転中でなければ減速比変化を行うことができないので、フューエルカット制御の有無に関わらず、車両の停止までに、減速比を最Lo側にシフトし車両の再発進に備えるので、減速時にCVTのLo側へのシフトは行われるので、フューエルカット装置を備えないCVT車両に関しても同様の効果を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、惰性減速力の大きさに影響を与える無断変速比の減速比が車両減速に伴って増加する場合でもエンジンフリクションを積極的に調節可能なので、全体的な惰行減速力の減速変化量の調節が可能になり、車両搭乗者に違和感を与えないスムーズな減速を行うことができる。また、モータ・ジェネレータの駆動を制御することにより理想的な減速を行うことが可能になるので、車両搭乗者にさらに違和感を与えないスムーズな減速を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る制御装置を備える車両の概略構成を示す構成概念図である。
【図2】 本発明の実施形態1に係る車両が惰行減速のみで減速する場合の制御手順を説明するフローチャートである。
【図3】 本発明の実施形態1のスロットル開度と負荷補正率とギア比との関係を説明するマップ図である。
【図4】 本発明の実施形態1のCPUの構成を説明するブロック図である。
【図5】 本発明の実施形態1における減速力等の推移を説明する説明図である。
【図6】 本発明の実施形態2〜4に係る車両の概略構成を示す構成概念図である。
【図7】 本発明の実施形態2に係る車両が惰行減速のみで減速する場合の制御手順を説明するフローチャートである。
【図8】 本発明の実施形態2のCPUの構成を説明するブロック図である。
【図9】 本発明の実施形態2における減速力等の推移を説明する説明図である。
【図10】 本発明の実施形態3に係る車両が減速する場合の制御手順を説明するフローチャートである。
【図11】 本発明の実施形態3における減速力とブレーキ踏み量の関係を説明する説明図である。
【図12】 本発明の実施形態3における減速力等の推移を説明する説明図である。
【図13】 本発明の実施形態4に係る車両が減速する場合の制御手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン、12 無断変速機(CVT)、30 ECU、40 スロットルアクチュエータ、50 フューエルカット装置、52 エアコン。
Claims (3)
- エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間に配置されて変速比を連続的に変更可能な無断変速機と、を含む車両の走行制御装置において、
無断変速機の減速比を増大させつつ駆動輪によりエンジンを従動させて車両の惰行減速力を得る場合に、車両の減速変化量が所定値以内になるように、スロットル開度の制御によるブースト圧制御で、エンジンフリクションを調整する調整手段を有していることを特徴とする車両の走行制御装置。 - エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間に配置されて変速比を連続的に変更可能な無断変速機と、を含む車両の走行制御装置において、
無断変速機の減速比を増大させつつ駆動輪によりエンジンを従動動作させることによる惰行減速力及び車両運転者のブレーキ操作による強制減速力を得る場合に、車両全体の減速変化量が所定値以内になるように、スロットル開度の制御によるブースト圧制御で、エンジンフリクションを調整する調整手段を有していることを特徴とする車両の走行制御装置。 - 請求項1または請求項2記載の制御装置において、
前記調整手段は、
前記ブースト圧制御に加えてさらに補機駆動制御を行うことによってエンジンフリクションを調整することを特徴とする車両の走行制御装置。
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