JP3891130B2 - 車両の減速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の減速時に燃料カット及び回生制動を行うようにした車両の減速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンと電動機という特性の異なる2種類の動力源を備えたハイブリッド車両が開発・実用化されている。このハイブリッド車両では、前述した2種類の動力源の駆動力を状況に応じて最適に組合わせることで、各動力源の長所を活かし短所を補うようにしている。このため、車両の動力性能を十分に確保しつつ、燃料消費率やエミッション性能の改善を図ることができる。
【0003】
また、上記ハイブリッド車両の一態様として、発電機の機能を兼ね備えた電動機(モータジェネレータ)を用いたものがある。このタイプのハイブリッド車両では、減速時や制動時に駆動輪によってモータジェネレータが回転される。このとき、モータジェネレータが発電機として作動させられ、車両の運動エネルギの一部が電気エネルギに変換されてバッテリに回収(回生)される。この回生に伴い駆動輪に制動力が作用し、車両が減速される。
【0004】
一方、エンジンの出力を必要としない車両の減速時等に、そのエンジンへの燃料供給を停止する、いわゆる燃料カットを行うことにより、不要な燃料消費を抑制して車両の走行燃費を改善する技術が知られている。
【0005】
そして、上記ハイブリッド車両において車両減速中に燃料カットを行うとともに、所定の回生制動力を発生するようにモータジェネレータを制御する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、特許文献1のほかにも以下に示す特許文献2〜5が挙げられる。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−336804号公報
【特許文献2】
特開平10−280990号公報
【特許文献3】
特開平8−88905号公報
【特許文献4】
特開2000−104597号公報
【特許文献5】
特開2000−272381号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、排気通路に排気浄化触媒として、排気中の一酸化炭素CO及び炭化水素HCを酸化するとともに窒素酸化物NOxを還元する、いわゆる三元触媒を設けたエンジンでは、そのエンジンが例えば高回転域で運転されている状態で車両が減速されると、次に示す現象が生ずる。これは、三元触媒が窒素酸化物NOxの還元等に伴う酸素を一時的に貯蔵し、一酸化炭素CO及び炭化水素HCの酸化の際に放出する作用(酸素ストレージ作用)を有することによる。一方、エンジンが高回転域で運転されているときには、エンジンを流れる空気の量が相対的に多くなり、それに伴い三元触媒に貯蔵される酸素の量も多くなる。そのため、燃料カット後、燃料供給が再開されて燃焼が行われた場合に、一酸化炭素CO及び炭化水素HCの酸化は行われるものの窒素酸化物NOxの還元反応が進まない。結果として、窒素酸化物NOxの浄化が十分に行われず、排気エミッションが十分低減されないおそれがある。
【0009】
この点、前述した文献1では、燃料カットに合わせてモータジェネレータに回生制動力を発生させて車両を減速させることについての記載はあるが、排気の浄化についてまでは考慮されていない。そのため、上述した窒素酸化物NOxの浄化についての問題は依然として残る。
【0010】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、排気エミッションの低減及び減速性能向上の両立を図ることのできる車両の減速制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、車両に搭載され、排気浄化触媒により排気を浄化するようにしたエンジンと、前記車両の車軸に対して回生制動可能に連結されて回生制動トルクを変更可能な回生制動手段と、前記車両の減速を検出する減速検出手段と、前記減速検出手段による減速の検出に応じ前記エンジンへの燃料供給を停止する燃料供給停止手段とを備える車両の減速制御装置において、前記車両に要求される要求トルク及び前記エンジンに要求される要求エンジントルクをそれぞれ求め、それら要求トルク及び要求エンジントルクの偏差を前記回生制動手段に要求される要求回生制動トルクとして算出するトルク算出手段を含み、該トルク算出手段を通じて、前記車両の減速検出から前記燃料供給停止までの期間、前記要求エンジントルクを零として前記要求回生制動トルクを算出するとともに、前記燃料供給停止手段による燃料の供給から停止への切替えに伴い、同燃料供給停止前よりも前記回生制動手段の回生制動トルクが小さくなるように前記要求エンジントルクを負値として前記要求回生制動トルクを算出し、前記算出される要求回生制動トルクにて前記回生制動手段による回生制動を行うことにより車両を減速させる減速制御手段とを備えるようにしている。
【0012】
上記の構成によれば、減速検出手段によって車両の減速が検出されると、まず回生制動手段による車両の減速が行われ、その後にエンジンへの燃料供給が停止される。すなわち、車両の減速が検出された場合、その検出から所定時間が経過するまでは燃料が供給され続けて燃焼が行われる。このため、例えば減速前のエンジンの運転状態が高回転域にあるときには、排気浄化触媒に蓄えられる酸素の量が多くなるが、この酸素は燃焼継続に伴う排気中の一酸化炭素や炭化水素の酸化に用いられる。排気浄化触媒に貯蔵される酸素の量は、燃料供給停止の直前には車両の減速検出直後よりも少なくなっている。
【0013】
上記所定時間が経過するまでは燃焼が継続され、その燃焼に伴い発生するエネルギによってエンジンの出力軸が回転されるため、エンジンのみによって車両を減速させて所望の減速度を得ることが困難である。しかし、回生制動手段が車軸の回転によって駆動される。このとき、回生制動手段が発電機として作動させられ、車両の運動エネルギの一部が電気エネルギに変換されて回収される。この発電に伴い発生する回生制動トルクによって、前述した減速度の不足分が補われる。その結果、車両を所望の減速度で減速させることが可能となる。
【0014】
た特に、車両の減速検出から燃料供給停止が行われるまでは、トルク算出手段は燃料供給停止時とは異なる態様で、即ちエンジンに要求される要求エンジントルクを零と見なして車両に要求される要求トルク及びその要求エンジントルクの偏差回生制動手段に要求される要求回生制動トルクとして算出する。従って、エンジンの制動トルクが小さいことを考慮することで、要求トルク及び要求エンジントルクに基づき算出される要求回生制動トルクは負の値となり、要求回生制動トルクを精度よく求めることが可能となる。回生制動手段においてこの要求回生制動トルクに相応する回生制動トルクを発生させることにより、エンジンの制動トルク不足を補うことが可能となる。その結果、車両の減速検出から燃料供給停止までの期間においても車両を所望の減速度で減速させることができるようになる。
そして、上記所定時間が経過すると、エンジンへの燃料供給が停止され、燃料消費が節減され燃料消費率が向上する。この燃料供給停止に伴いエンジンの出力軸が車軸によって回転されるが、この際、エンジンのフリクショントルク(エンジンの回転に伴う摩擦抵抗)によって制動トルクが発生する。一方、このときには、減速制御手段、具体的にはトルク算出手段によって、回生制動手段の要求制動トルクが燃料供給停止前よりも小さくされる。このため、エンジンの制動トルクの増大に伴い、車両全体に作用する制動トルクが過剰に大きくなるのを抑制することが可能となる。
【0015】
なお、燃料の供給が再開される場合には、前述したように排気浄化触媒に蓄えられた酸素の量が減速前よりも少なくなっているため、減速の検出直後から燃料供給を停止する場合に比べ、窒素酸化物が良好に還元されて浄化される。
【0016】
このように、請求項1に記載の発明によれば、排気エミッションの低減及び減速性能向上の両立を図ることができるようになる
【0020】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記トルク算出手段は、前記燃料供給停止手段による燃料の供給から停止への切替え直後には前記要求回生制動トルクを徐々に小さくするものであるとする。
【0021】
ここで、エンジンへの燃料供給が行われている状態からその供給が停止された場合、フリクショントルクによるエンジンの制動トルクが徐々に増加し、所望の大きさになるまでに時間を要する場合があり得る。この点、請求項に記載の発明では、燃料供給停止への切替え直後には、減速制御手段、具体的にはトルク算出手段により回生制動手段の要求回生制動トルクが徐々に小さくされる。このため、エンジンの制動トルクと回生制動手段の回生制動トルクとの総和を、燃料供給停止の前後で略一定にすることができ、運転者の要求に応じた減速度を得てドライバビリティの向上を図ることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0023】
図1に示すように、車両には、動力源としてガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等のエンジン(図1はガソリンエンジンを図示)13と、モータジェネレータ(単にモータという場合もある)14とが搭載されている。
【0024】
エンジン13においては、各燃焼室16に吸気通路17を通じて空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁18から燃料が噴射供給される。この燃料と空気の混合気に対し点火プラグ19による点火が行われると、その混合気が燃焼してピストン21が往復動し、エンジン13の出力軸であるクランク軸22が回転する。混合気の燃焼により生じた排気は各燃焼室16から排気通路23へ排出され、同排気通路23途中の排気浄化触媒24によって浄化される。排気浄化触媒24としては、排気中の一酸化炭素CO及び炭化水素HCの酸化と、窒素酸化物NOxの還元とを同時に行い、それらを二酸化炭素、水蒸気及び窒素に清浄化する三元触媒が用いられている。
【0025】
エンジン13の出力調整は、吸気通路17に設けられたスロットル弁25をスロットルアクチュエータ26によって駆動して、そのスロットル弁25の開度(スロットル開度)を調節することによって実現される。すなわち、スロットル開度の調整により、エンジン13への吸入空気量が変化し、その変化に対応して燃料噴射量が制御され、燃焼室16に充填される混合気の量が変化してエンジン13の出力が調整される。なお、スロットル開度は、運転者によって操作されるアクセルペダル(図示略)の踏込み量に応じてスロットルアクチュエータ26を駆動することにより調整される。
【0026】
モータジェネレータ14は発電機能を兼ね備えた電動機であり、回生制動手段としても用いられている。モータジェネレータ14は、ロータ14aと、そのロータ14aの周囲に配置されたステータコイル14bとを備えている。このモータジェネレータ14では、ステータコイル14bに通電して、これに与える回転磁界をロータ14aの回転に対して進んだ位相を有するものとすることにより、ロータ14aが回転磁界から連続的に磁力を受けて回転する。すなわち、モータジェネレータ14が電動機として機能する。
【0027】
また、モータジェネレータ14では、ステータコイル14bに与える回転磁界をロータ14aの回転に対して遅延した位相を有するものとすることにより発電が行われる。この際、ステータコイル14bに流される電流が多いほど大きな発電出力が得られる。また、その発電出力を得るために消費される駆動トルクも大きなものとなり、この駆動トルクが回生制動力として作用することになる。
【0028】
これらのエンジン13及びモータジェネレータ14の各動力を個別に、もしくは合成して出力する機構として遊星歯車装置15が用いられている。遊星歯車装置15としては、サンギヤ27、キャリヤ28及びリングギヤ29を回転要素とし、これらの3つの回転要素の間で差動作用を行うようにした、公知のダブルピニオン型が用いられている。サンギヤ27は外歯歯車であり、リングギヤ29はサンギヤ27と同心円上に配置した内歯歯車である。キャリヤ28は、サンギヤ27に噛合する第1ピニオンギヤ31と、同第1ピニオンギヤ31及びリングギヤ29に噛合する第2ピニオンギヤ32とを自転かつ公転自在に保持している。これらの回転要素のうちサンギヤ27にエンジン13のクランク軸22が連結され、キャリヤ28にモータジェネレータ14のロータ14aが連結されている。リングギヤ29とケーシング33との間には、リングギヤ29を選択的に固定するためのブレーキB1が設けられている。
【0029】
遊星歯車装置15には、その出力軸34に対して動力を選択的に伝達するために第1クラッチC1及び第2クラッチC2が設けられている。第1クラッチC1は、キャリヤ28と出力軸34とを選択的に連結するものであり、第2クラッチC2は、リングギヤ29と出力軸34とを選択的に連結するものである。
【0030】
前記出力軸34は変速機35の入力軸36に連結されている。この変速機35は、入力軸36の回転速度と出力軸37の回転速度との比である変速比を変更して駆動トルクを増減するものであり、ここではベルト式の無段変速機が用いられている。このタイプの無段変速機は、溝幅を変更することのできる駆動プーリ38及び従動プーリ39を備えており、両プーリ38,39に対するベルト41の巻き掛け半径を、溝幅の変更により調整して変速比を連続的に変化させるように構成されている。
【0031】
変速機35の出力軸37は複数の歯車群から構成された歯車式動力伝達機構42を介して差動装置43に接続されている。差動装置43には、それぞれ駆動輪44が設けられた左右の車軸45が連結されている。そして、変速機35から歯車式動力伝達機構42を介して差動装置43に伝達された動力は、その差動装置43により左右の車軸45に分配されて駆動輪44に伝達される。
【0032】
さらに、モータジェネレータ14には、インバータ51を介して高電圧バッテリ52が接続されている。インバータ51はスイッチング動作により、高電圧バッテリ52からモータジェネレータ14への電気エネルギの供給を可変にして、モータジェネレータ14の回転速度を可変にする。また、インバータ51は、前記スイッチング動作により、モータジェネレータ14で発電された電力を高電圧バッテリ52に供給する。高電圧バッテリ52は専らモータジェネレータ14を駆動するための電源として用いられ、モータジェネレータ14が発電機として作動しているときには、発電された電力を蓄電する。高電圧バッテリ52には、コンバータの一種であるDC/DCコンバータ53を介して低電圧バッテリ54が接続されている。低電圧バッテリ54は、各種補機(図示略)や、後述するECU61,62等を駆動するための電源として用いられている。DC/DCコンバータ53は、高電圧バッテリ52の電圧を降圧して低電圧バッテリ54に充電する。
【0033】
さらに、車両には、各部の状態を検出するためにクランク角センサ56、アクセルセンサ57、車速センサ58等の各種センサが取付けられている。クランク角センサ56はエンジン13のクランク軸22が一定角度回転する毎に信号を出力する。この信号は、クランク軸22の回転速度であるエンジン回転速度Neの算出に用いられる。アクセルセンサ57は、運転者によるアクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)を検出する。車速センサ58は、車両の走行速度である車速を検出する。そして、これらのアクセルセンサ57及び車速センサ58によって、車両の減速を検出する減速検出手段が構成されている。
【0034】
これらのセンサ56〜58の検出値等に基づき、モータジェネレータ14、変速機35等の各部の作動を制御するために、車両にはマイクロコンピュータを中心として構成されたハイブリッド電子制御ユニット(以下「ハイブリッドECU」という)61が設けられている。このハイブリッドECU61では、中央処理装置(CPU)が前記各種センサ56〜58の検出値等に基づき、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラムや初期データに従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。ハイブリッドECU61は、エンジン13の各部の制御を司るエンジン電子制御装置(以下、エンジンECUという)62に通信可能に接続されている。
【0035】
図2のフローチャートは、ハイブリッドECU61が実行する各処理のうち、運転者の要求している車両駆動力(要求トルクT)等を算出等するための「トルク算出ルーチン」を示している。また、図3のフローチャートは、エンジンECU62が実行する各処理のうち、エンジン13のトルクを制御するための「エンジントルク制御ルーチン」を示している。これらのルーチンは所定のタイミング、例えば一定時間毎に繰り返し実行される。これらの処理は、燃料カット(F/C)実行中フラグFに基づいて行われる。燃料カット実行中フラグFは、燃料カットが行われていないときに「オフ」に設定され、行われているときに「オン」に設定される。この燃料カット実行中フラグFの設定は、エンジントルク制御ルーチンにおいて行われる。なお、燃料カット実行中フラグFの「オン」の設定は、エンジンECU62がハイブリッドECU61から燃料カット指令(負の要求エンジントルクTe)を受信した後、所定時間α(例えば1秒)が経過することを条件に行われる。
【0036】
図2のトルク算出ルーチンでは、ハイブリッドECU61はまずステップ100において、予め定められた減速時燃料カット条件が成立しているかどうかを判定する。ここで、減速時燃料カットは、エンジン13の出力を必要としない車両の減速走行時に、そのエンジン13への燃料供給を停止することにより、不要な燃料消費を抑制して車両の走行燃費を改善することを目的として行われる。この減速時燃料カット条件としては、例えば「車両の走行中にアクセルペダルが踏込まれていない(アクセルオフ)こと」が挙げられる。この減速時燃料カット条件が満たされているかどうかを判定するためには、例えば、車速センサ58による車速が所定値(0又はそれに近い値)以上であり、かつアクセルセンサ57によるアクセル開度が所定値(0又はそれに近い値)以下であるかどうかを判定する。このようにして、ステップ100では車両の減速を検出している。
【0037】
上記ステップ100の判定条件が満たされていないと、すなわち運転者に減速の意志がないとステップ160へ移行し、運転者の要求している車両駆動力(要求トルクT)を算出する。この算出に際しては、例えば、車速及びアクセル開度と、要求トルクTとの関係を予め規定した二次元のマップを参照する。このマップでは、例えばアクセル開度が大きくなるに従い、また車速が低くなるに従い要求トルクTが大きくなるような設定がなされている。また、車速が高く、かつアクセル開度が0%のとき、要求トルクTは負の値に設定されている。そして、ステップ160では、車速センサ58による車速、及びアクセルセンサ57によるアクセル開度に対応する要求トルクTを前記マップから割出す。なお、前述したマップに代えて、予め定められた演算式に従って要求トルクTを算出してもよい。
【0038】
続いて、前記要求トルクTのうち、エンジン13の分担分である要求エンジントルクTeと、モータジェネレータ14の分担分である要求モータトルクTmとをそれぞれ算出する。例えば、エンジン13が出力することのできる最大トルクを求め、これを要求エンジントルクTeとする。そのために、例えばエンジン回転速度Ne毎に、エンジン13の出力することのできる最大トルクを予め実験等によって求めておく。そして、クランク角センサ56によって検出されたエンジン回転速度Neを読込み、そのエンジン回転速度Neに対応する最大トルクを割出し、これを要求エンジントルクTeとする。さらに、前述した要求トルクTから前記要求エンジントルクTeを減算し、その減算結果を要求モータトルクTmとする。このようにして、要求エンジントルクTe及び要求モータトルクTmを算出する。なおここで、要求モータトルクTmが要求回生制動トルクに相当する。また、トルク算出ルーチンにおけるステップ110,140,150,160の処理によってトルク算出手段が実現される。
【0039】
次に、ステップ170において、前記ステップ160で求めた要求エンジントルクTeをエンジンECU62に送信する。また、ステップ180において、前記ステップ160で求めた要求モータトルクTmに基づきインバータ51を制御することにより、モータジェネレータ14を電動機として機能させる。この制御によりモータジェネレータ14では、ステータコイル14bにおいてロータ14aの回転に対して進んだ位相を有する回転磁界が発生し、ロータ14aがこの回転磁界から磁力を受けて回転し、要求モータトルクTmに相当するトルクを発生する。そして、このステップ180の処理を経た後に、トルク算出ルーチンを終了する。
【0040】
ところで、前述したステップ100の判定条件が満たされていると、すなわち車両走行中に運転者が減速を意図してアクセルペダルを戻していると、ステップ110において、前述したステップ160と同様にして、車速及びアクセル開度に基づき要求トルクTを求める。この場合、アクセル開度は0%(全閉)であり、求められる要求トルクTは負の値となる。
【0041】
また、ステップ110では、そのときのエンジン13のフリクショントルク(摩擦抵抗トルク)を求め、これを要求エンジントルクTeとする。そのために、例えばエンジン回転速度Ne毎に、エンジン13のフリクショントルクを予め実験等によって求めておく。そして、クランク角センサ56によって検出されたエンジン回転速度Neを読込み、そのエンジン回転速度Neに対応するフリクショントルクを割出し、これを要求エンジントルクTeとする。
【0042】
次に、ステップ120において、前記ステップ110で求めた負の要求エンジントルクTeをエンジンECU62に送信することにより、エンジン13での燃料カットをエンジンECU62に要求する。
【0043】
次に、ステップ130〜150において、前記ステップ110での要求トルクTに基づき要求モータトルクTmを算出する。この際、燃料カット実行中フラグFの状態に応じて要求モータトルクTmの算出の仕方を異ならせている。より詳しくは、ステップ130において、燃料カット実行中フラグFが「オン」であるかどうかを判定する。前述したように、燃料カット実行中フラグFは負の要求エンジントルクTeがエンジンECU62に出力されてから所定時間αが経過するまでは「オフ」であり、経過時に「オン」に切替えられる。
【0044】
上記ステップ130の判定条件が満たされていない(燃料カット実行中フラグFがオフである)と、ステップ140において、要求エンジントルクTeを「0」として、要求モータトルクTmを算出する。要求トルクTから要求エンジントルクTeを減ずることにより要求モータトルクTmを求めることについては先に説明したが、この場合、Te=0であることから、要求トルクTが要求モータトルクTmとなる。要求トルクTが負の値であることから要求モータトルクTmは負の値となる。
【0045】
これに対し、前記ステップ130の判定条件が満たされている(燃料カット実行中フラグFがオンである)と、ステップ150において、前記ステップ110で求めた負の要求エンジントルクTeを用いて、要求モータトルクTmを算出する。すなわち、要求トルクTから要求エンジントルクTeを減算し、その減算結果を要求モータトルクTmとする。この場合、得られる要求モータトルクTmは、前記ステップ140で得られる値よりも大きな値である、「0」又はそれに近い値になる。
【0046】
そして、ステップ140又は150の処理を経た後に、前述したステップ180の処理を行う。ステップ140の処理を経た場合、ステップ180では負の要求モータトルクTmに基づきインバータ51を制御することによりモータジェネレータ14を発電機として機能させる。この制御によりモータジェネレータ14では、ステータコイル14bにおいてロータ14aの回転に対して遅延した位相を有する回転磁界が発生する。ステータコイル14bに流される電流に応じた大きさの発電出力が得られ、高電圧バッテリ52に蓄えられる(回収される)。また、前記発電出力を得るために駆動トルクが消費され、その消費に伴う回生制動力により車両が減速される。
【0047】
一方、ステップ150の処理を経た場合、ステップ180では「0」又はそれに近い要求モータトルクTmに基づきインバータ51を制御する。この制御により、ステータコイル14bに電流が流されなくなるか又は流されても僅かである。
【0048】
上述したトルク算出ルーチンでは、ステップ100,130,140の処理によって減速制御手段が実現される。
次に、エンジンECU62によって行われる「エンジントルク制御ルーチン」について説明する。
【0049】
エンジンECU62はまずステップ210において、ハイブリッドECU61から要求エンジントルクTeを受信したかどうかを判定する。対象となる要求エンジントルクTeは、トルク算出ルーチンのステップ120又は170において送信されたものである。ステップ210の判定条件が満たされていないと、そのままエンジントルク制御ルーチンを終了する。
【0050】
これに対し、ステップ210の判定条件が満たされていると、ステップ220において、要求エンジントルクTeが負の値であるかどうかを判定する。この判定条件が満たされていない(Te≧0)と、すなわち、ハイブリッドECU61が燃料カットを要求していないと、ステップ260において、その要求エンジントルクTeをエンジン13で発生させるべくスロットルアクチュエータ26を駆動制御してスロットル弁25の開度を調整する。この調整により、エンジン13への吸入空気量が変化し、その変化に対応して燃料噴射量が制御され、燃焼室16に充填される混合気の量が変化してエンジン13の出力が調整され、要求エンジントルクTe(Te≧0)に相応するトルクが発生する。続いて、ステップ270において、燃料カット実行中フラグFをオフに切替え、その後、エンジントルク制御ルーチンを一旦終了する。
【0051】
これに対し、ステップ220の判定条件が満たされている(Te<0)と、すなわち、ハイブリッドECU61から燃料カットが要求されていると、ステップ230において、要求エンジントルクTeの受信から所定時間αが経過しているかどうかを判定する。この判定条件が満たされていないと(所定時間α未経過)、そのままエンジントルク制御ルーチンを終了する。従って、所定時間αが経過するまでは、ハイブリッドECU61からは負の要求エンジントルクTeが指令されているにも拘わらず燃料噴射が継続される。換言すると、所定時間αが経過するまでは燃料カットが行われない(燃料カットの開始時期が遅らされる)こととなる。
【0052】
これは、減速前にエンジン13が高回転域で回転していると、排気浄化触媒(三元触媒)24に蓄えられる酸素の量が相対的に多く、この状態で燃料カットが行われた後に燃料供給が再開された場合、窒素酸化物NOxの浄化が進まないおそれがあるからである。そこで、燃料カットを遅らせる(燃料供給を続ける)ことで、一酸化炭素COや炭化水素HCの酸化に酸素を消費して窒素酸化物NOxの浄化を促進しようとしている。
【0053】
一方、ステップ230の判定条件が満たされている(所定時間α経過)と、前記の燃焼により三元触媒での酸素の貯蔵量が少なくなっていると考えられることから、ステップ240において、燃料噴射弁18への通電を停止して、その燃料噴射弁18から燃焼室16への燃料噴射を一時的に停止させる。そして、ステップ250において、燃料カット実行中フラグFを「オン」に設定した後、エンジントルク制御ルーチンの一連の処理を終了する。
【0054】
上述したトルク算出ルーチンにおけるステップ100,110,120と、エンジントルク制御ルーチンにおけるステップ210〜240の処理とによって燃料供給停止手段が実現される。
【0055】
上記トルク算出ルーチン及びエンジントルク制御ルーチンに従って各処理が行われると、要求エンジントルクTe、燃料カット実行中フラグF、車両の加速度G、バッテリパワー等は例えば図5に示すように変化する。図5はタイミングt1でアクセルペダルが戻されて(アクセルオフされて)減速時燃料カット条件が成立し、所定時間αが経過した後のタイミングt2で燃料カットが開始された場合を示している。従って、燃料カット実行中フラグFは、タイミングt2よりも前には「オフ」となり、タイミングt2で「オン」に切替わる。
【0056】
なお、図4は、トルク算出ルーチンのステップ140の処理として、ステップ150と同様の処理を行った場合(比較例)を示している。この場合、燃料カット実行中フラグFに関係なく、ステップ110で求めた要求エンジントルクTe(<0)が要求モータトルクTmの算出に用いられる。
【0057】
この図4では、タイミングt1でアクセルオフされると、要求モータトルクTmの算出(ステップ140)に用いられる要求エンジントルクTeとして、ステップ110で求めた負の値が用いられる。要求トルクTが負であり、要求エンジントルクTeが負であることから、要求トルクTにおける要求モータトルクTmの負担分がないか、もしくは非常に少ない。従って、要求モータトルクTmは「0」又はそれに近い値となる。
【0058】
一方、負の要求エンジントルクTeの送信が開始されるタイミングt1から、所定時間αが経過するタイミングt2までの期間ΔTには燃料カットが行われず、燃料噴射及び燃焼が行われる(ステップ220→230→リターン)。そのため、この期間ΔTにはエンジン13が負担するはずの負のトルク(制動力)が得られない。加えて、この期間ΔTにおいてモータジェネレータ14が発生するトルクは前述したように「0」又はそれに近い値である。エンジン13によってもモータジェネレータ14によっても制動力はほとんど得られない。従って、遊星歯車装置15、変速機35、歯車式動力伝達機構42等を通じて駆動輪44に伝達されるトルク(エンジン13が発生するトルクとモータジェネレータ14が発生するトルクとの総和)は、運転者が要求する負のトルクよりも大きい。走行抵抗以外に車両を減速させる要素がないため、車両の加速度Gは略「0」となり、運転者は期間ΔTに意図する減速感を感ずることができない。また、前記期間ΔTにはモータジェネレータ14で回生発電が行われないのに対し、補機類に電力が供給される(持ち出される)ため、バッテリパワー(電流×電圧)は「0」に近い正側で推移する。
【0059】
そして、タイミングt2以降には負の要求エンジントルクTeに従って燃料カットが行われる(ステップ220→230→240)ため、エンジン13のトルクは負となる。このトルクによって要求トルクTが賄われる。従って、要求モータトルクTmはタイミングt2よりも前と同様に略「0」であるが、駆動輪44に伝達されるトルクは運転者が要求するトルクと略同等となる。車両の加速度Gは負の状態、すなわち減速状態となり、運転者の意図する減速感が得られる。
【0060】
これに対し、第1実施形態ではトルク算出ルーチンにおいて、ステップ140の処理として、要求エンジントルクTeを「0」として要求モータトルクTmの算出に用いている。このように要求エンジントルクTeを「0」とすることで、要求トルクTを実現するためのモータジェネレータ14の担当分を発生させている。この場合、要求トルクTは負であるから、図5に示すように期間ΔTにおける要求モータトルクTmは負の値となる。この負の要求モータトルクTmに基づいてインバータ51が制御されることで、モータジェネレータ14が発電機として作動させられ回生制動力が発生する。発電により得られた電力は高電圧バッテリ52に蓄えられる(回収される)。
【0061】
従って、期間ΔTにはエンジン13において制動力がほとんど発生しないが、その不足分がモータジェネレータ14による回生制動力によって補われることとなる。駆動輪44に伝達されるトルクは、運転者が要求するトルク(要求トルクT)と略同一となる。結果として、車両の加速度Gは負となり、所望の減速感が得られる。
【0062】
なお、タイミングt2以降については、前述した図4と同様である。この場合、負の要求エンジントルクTeに従って燃料カットが行われるため、エンジン13のトルクは負となり、このトルクによって要求トルクTが賄われる。従って、要求モータトルクTmは略「0」となる。駆動輪44に伝達されるトルクは運転者が要求するトルク(要求トルクT)と略同等となる。車両の加速度Gは負となり、運転者が意図する減速感がタイミングt2以降も引き続き得られる。
【0063】
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)減速時燃料カット条件が成立すると、燃料カットに先立ちモータジェネレータ14によって車両を減速させるようにしている(ステップ100,110,130,140,180)。すなわち、車両の減速を検出しても直ぐに燃料カットを行うのではなく、しばらく燃焼を継続し、所定時間αが経過した後に燃料カットを行うようにしている。このため、例えば減速前のエンジン13の運転状態が高回転域にあるときには、排気浄化触媒24に蓄えられる酸素の量が相対的に多くなるが、燃料継続に伴い生ずる排気中の一酸化炭素COや炭化水素HCの酸化によって酸素を消費して適正量にすることができる。
【0064】
上記減速検出から所定時間αが経過するまでの期間ΔTには、エンジン13では燃焼が引き続き行われ、その燃焼に伴い発生するエネルギによってエンジン13のクランク軸22が回転される。また、変速機35での変速遅れもありエンジン回転速度の低下にある程度の時間を要する。このため、エンジン13のみによって車両を減速させて所望の減速度を得ることが困難である。しかし、モータジェネレータ14のロータ14aが駆動輪44によって回転される。このとき、モータジェネレータ14が発電機として作動させられて、ステータコイル14bに流される電流に応じた大きさの発電出力が得られ、高電圧バッテリ52に蓄えられる(回収される)。また、前記発電出力を得るために駆動トルクが消費され、その消費に伴う回生制動力によって、前述した減速度の不足分が補われる。その結果、車両を所望の減速度で減速させることが可能となり、運転者の意図した車両の減速感を得ることができる。
【0065】
上記の期間ΔTが経過すると燃料カットが行われ、燃料消費が節減され燃料消費率が向上する。この燃料カットに伴いエンジン13が駆動輪44によって駆動されるが、この際、エンジン13のフリクショントルク(エンジン13の回転に伴う摩擦抵抗)によって制動力が発生するため、車両が減速状態となる。
【0066】
なお、燃料カットが終わって燃料供給が再開される場合には、前述したように排気浄化触媒24に蓄えられた酸素の量が減速前よりも少なくなっているため、減速の検出直後から燃料カットを行う場合に比べ、窒素酸化物NOxが良好に還元されて浄化される。
【0067】
このように、第1実施形態によれば排気エミッションの低減及び減速性能向上の両立を図ることができる。
(2)車両の減速が検出されてから所定時間αが経過するまでは燃料供給及び燃焼が継続されるため、エンジン13で発生する制動力は燃料カット時に比べて小さい。従って、仮に要求エンジントルクTeとして、車両の減速検出から所定時間αが経過するまでについても燃料カット時と同様に負の値を用いると、誤った要求モータトルクTmを算出するおそれがある。
【0068】
この点、第1実施形態では、車両の減速検出から燃料カットが行われるまでは、燃料カット時とは異なる態様で要求モータトルクTmを算出するようにしている(ステップ130,140)。すなわち、Te=0として要求モータトルクTmを算出するようにしている。このようにエンジン13の制動力が小さいことを考慮することで、要求モータトルクTmを精度よく求めることが可能となる。モータジェネレータ14によって要求モータトルクTmに相応する回生制動力を発生させて、エンジン13の制動力不足を補い、車両の減速検出から燃料カット開始までの期間ΔTにおいても車両を所望の減速度で減速させることができるようになる。
【0069】
(3)車両の減速を検出した時点を基準として、所定時間αが経過するまでは燃料カットを行わない。この期間にはモータジェネレータ14の回生制動力によって車両を減速させる。そして、所定時間αが経過したところで燃料カットを開始するようにしている。このように、減速の検出後の経過時間に応じてモータジェネレータ14による車両の減速及び燃料カットを行うようにしているので、前述した(1)の効果を確実なものとすることができる。
【0070】
(4)燃料供給から燃料カットへの切替え時には、エンジン13のフリクショントルクによって制動力が発生する。一方、このときには、モータジェネレータ14の回生制動力が燃料カット前よりも小さくされる。このため、エンジン13の制動力の増大に伴い、車両全体に作用する制動力が過剰に大きくなるのを抑制することができる。
【0071】
(5)期間ΔTにおいてモータジェネレータ14を発電機として作動させている(ステップ130,140,180)。このため、燃料カット後の加速時等において、モータジェネレータ14によってエンジン13をアシストする際に備えて充電することができる。回生不足を解消して高電圧バッテリ52の容量の安定化を図ることができる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について、図6を参照して説明する。前述した第1実施形態では、図5に示すように、タイミングt2で燃料カットが始まった場合に、エンジン13のフリクショントルクが一気に出ているとして、すなわち、エンジン13のトルクが「0」から負の値に瞬時に切替わっているとして、要求モータトルクTmを算出している。
【0073】
しかし、燃料噴射の行われている状態から燃料カットが行われた場合、フリクショントルクによるエンジン13の制動力が徐々に増加し、所望の大きさになるまでに時間を要する場合があり得る。従って、この所望の大きさになるまでは運転者の要求する減速度が得られないおそれがある。
【0074】
そこで、第2実施形態では、ステップ130の判定条件が満たされた直後(燃料カットが開始されるタイミングt2の直後)から一定の時間が経過するタイミングt3までは、時間の経過に従い要求モータトルク算出用の要求エンジントルクTeを「0」から徐々に小さくしている。これに伴い、タイミングt2〜t3の期間において、要求モータトルクTmが時間の経過に従い徐々に大きくなる。この要求モータトルクTmに基づきインバータ51が制御されることで、モータジェネレータ14の回生制動力が徐々に小さくされる。なお、タイミングt2〜t3の期間においては、バッテリパワーも徐々に増加するため、第1実施形態に比べてバッテリに充電(回収)される電力が増える。
【0075】
従って、第2実施形態によれば前述した(1)〜(5)の効果に加え、次の効果が得られる。
(6)燃料カットの開始直後には、モータジェネレータ14の回生制動力を徐々に小さくしている。このため、エンジン13の制動力とモータジェネレータ14の回生制動力との総和を、燃料カットの前後で略一定にすることができる。車両の減速度を燃料カットの前後で略一定に保つことができ、運転者の要求に応じた減速度を得てドライバビリティの向上を図ることが可能となる。
【0076】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・所定時間αは一定の値であってもよいし、条件に応じて異なる値であってもよい。
【0077】
・第2実施形態において、タイミングt2〜t3の期間において要求エンジントルクTeを徐々に減少させるために用いる値、及び要求モータトルクTmを徐々に増加させるために用いられる値を一定の値としてもよいし、また、条件に応じて異ならせてもよい。
【0078】
・トルク算出ルーチンのステップ140における要求エンジントルクTeは「0」に限らず、それに近い値であってもよい。
・アクセルセンサ57に加えて、運転者によるアクセルペダルの踏込みの有無を検出するためのアイドルスイッチを設けてもよい。このアイドルスイッチは、例えばアクセルペダルが踏込まれていない場合にオンとなる。従って、アイドルスイッチがオンされている状態は、運転者が少なくとも車両速度の維持又は加速をしようという意志を有していないことになる。そのため、アイドルスイッチの信号を、前述した減速時燃料カット条件の成否の判定に用いることができる。
【0079】
・変速機35としては、ベルト式の無段変速機以外にも、遊星歯車機構を主体として構成された有段式の変速機や、トロイダル式の無段変速機等の各種の変速機を使用することができる。
【0080】
その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
(A)請求項1〜4のいずれかに記載の車両の減速制御装置において、前記回生制動手段は、動力源として前記車両に搭載され、かつ回転機能及び発電機能を兼ね備えるモータジェネレータである。
【0081】
上記の構成によれば、減速時以外にはモータジェネレータを電動機として作動させることで、エンジンのトルクをアシストすることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の減速制御装置を具体化した第1実施形態についてその構成を示す略図。
【図2】要求トルク等のトルクを算出する手順を示すフローチャート。
【図3】エンジントルクを制御する手順を示すフローチャート。
【図4】アクセルオフ後の期間ΔTに要求エンジントルクTeを負の値として要求モータトルクTmを算出した場合の作用を説明するタイミングチャート。
【図5】アクセルオフ後の期間ΔTに要求エンジントルクTeを「0」として要求モータトルクTmを算出した場合の作用を説明するタイミングチャート。
【図6】燃料カットの開始直後にモータジェネレータの回生制動力を徐々に小さくするようにした第2実施形態について、その作用を説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
13…エンジン、14…モータジェネレータ(回生制動手段)、24…排気浄化触媒、45…車軸、57…アクセルセンサ(減速検出手段)、58…車速センサ(減速検出手段)、61…ハイブリッドECU(燃料供給停止手段、減速制御手段)、62…エンジンECU(燃料供給停止手段)、α…所定時間、ΔT…期間。

Claims (2)

  1. 車両に搭載され、排気浄化触媒により排気を浄化するようにしたエンジンと、
    前記車両の車軸に対して回生制動可能に連結されて回生制動トルクを変更可能な回生制動手段と、
    前記車両の減速を検出する減速検出手段と、
    前記減速検出手段による減速の検出に応じ前記エンジンへの燃料供給を停止する燃料供給停止手段とを備える車両の減速制御装置において、
    前記車両に要求される要求トルク及び前記エンジンに要求される要求エンジントルクをそれぞれ求め、それら要求トルク及び要求エンジントルクの偏差を前記回生制動手段に要求される要求回生制動トルクとして算出するトルク算出手段を含み、該トルク算出手段を通じて、前記車両の減速検出から前記燃料供給停止までの期間、前記要求エンジントルクを零として前記要求回生制動トルクを算出するとともに、前記燃料供給停止手段による燃料の供給から停止への切替えに伴い、同燃料供給停止前よりも前記回生制動手段の回生制動トルクが小さくなるように前記要求エンジントルクを負値として前記要求回生制動トルクを算出し、前記算出される要求回生制動トルクにて前記回生制動手段による回生制動を行うことにより車両を減速させる減速制御手段とを備える ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  2. 前記トルク算出手段は、前記燃料供給停止手段による燃料の供給から停止への切替え直後には前記要求回生制動トルクを徐々に小さくするものである請求項1に記載の車両の減速制御装置。
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