JP2004211802A - ロックアップ機構の油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トルクコンバータのロックアップクラッチの係合状態で、かつ車輌のコースト状態において、車速Vが低下し、エンジンの回転数RがR0に低下すると、機械式オイルポンプの供給限界油圧Pmが、ロックアップクラッチが係合状態を維持するのに必要な必要係合圧P0を下回り、時間t3〜t4の破線で示すようにエンジン回転数が急激に低下する。このため、アイドリング回転を維持すべく燃料の供給を再開していた。そこで、エンジンの回転数がR0に低下する前に、電動オイルポンプで係合圧をP3−P2だけ増加させて、エンジン回転がアイドリングになるタイミングを従来の時間t3からt5に遅らせ、その分、フュエルカット領域を拡大することができる。
【選択図】 図9
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌に搭載されるトルクコンバータをロックアップ制御するためのロックアップ機構の油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌に搭載されるトルクコンバータにおいて、ロックアップクラッチを備えたものが知られている。
【0003】
ロックアップクラッチが作動すると、エンジン側の出力軸の回転は、それまでトルクコンバータ内の流体を介して変速機側の入力軸に伝達されていたものが、ロックアップクラッチを介して直接伝達されるようになるため、燃費の向上を図ることができる。
【0004】
ロックアップクラッチは、通常、機械式オイルポンプによって発生されるライン圧に基づく係合圧によって動作される。この機械式オイルポンプで発生される油圧の最大値(供給限界油圧)は、エンジンの回転数によって決定される。すなわち、供給限界油圧は、エンジンの回転数が高いときには高い油圧となる一方、エンジンの回転数が低いときには低い油圧となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のロックアップクラッチにおいては、エンジンの回転数が低下すると係合状態を維持できるだけの係合圧が確保できなくなる。この場合には、ロックアップクラッチは、係合解除状態となり、その分、燃料消費量が増加するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、機械式オイルポンプによるロックアップクラッチの係合圧の不足を電動オイルポンプによって補い、もって上述した課題を解決したロックアップ機構の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、エンジン(16)側の出力軸(17)と車輪(30,31)側の入力軸(21)との間に介装されたトルクコンバータ(11)をロックアップ制御するためのロックアップ機構の油圧制御装置において、
前記出力軸(17)によって駆動される機械式オイルポンプ(32)と、
前記機械式オイルポンプ(32)での発生油圧に基づく係合圧によって前記出力軸(17)と前記入力軸(21)とを係合させて機械的に直結させるロックアップクラッチ(26)と、
前記ロックアップクラッチ(26)に油圧を供給可能な電動オイルポンプ(33)と、
前記電動オイルポンプ(33)を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記機械式オイルポンプ(32)での発生油圧に基づく係合圧が前記ロックアップクラッチ(26)を係合するのに必要な必要係合圧に満たない場合に、前記電動オイルポンプ(33)を駆動して不足分以上の油圧を前記ロックアップクラッチ(26)に供給する、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る本発明は、請求項1に記載のロックアップ機構の油圧制御装置において、前記ロックアップクラッチ(26)を、係合状態になりうるON状態と、係合状態が解除されたOFF状態とに切り換える切り換え手段(42)を有し、
前記ロックアップクラッチ(26)の係合状態を維持すべき場合である、前記切り換え手段(42)の切り換えによる前記ロックアップクラッチ(26)のON状態に、前記電動オイルポンプ(33)を駆動して不足分以上の油圧を前記ロックアップクラッチ(26)に供給する、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記機械式オイルポンプ(32)の下流側でかつ前記ロックアップクラッチ(26)の上流側に調圧手段(40,46)を有し、
前記電動オイルポンプ(33)は前記調圧手段(40,46)の上流側に配設されている、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記必要係合圧よりも高い第1の閾値を設け、車輌のコースト状態でかつ前記ロックアップクラッチ(図9のP2)のON状態において、前記機械式オイルポンプ(32)に基づく係合圧が前記第1の閾値(P2)まで低下したときに、前記制御手段は前記電動オイルポンプ(33)を駆動して、前記ロックアップクラッチ(26)に供給される係合圧が前記必要係合圧まで低下するタイミングを遅らせる、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明において、前記エンジン(26)のアイドリング回転近傍に第2の閾値を設け、前記エンジン(16)の回転数が前記第2の閾値にまで低下したときに前記切り換え手段(42)により前記ロックアップクラッチ(26)を係合解除状態にする、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロックアップ機構の油圧制御装置において、前記制御手段は、前記必要係合圧を算出し、算出された必要係合圧が前記機械式オイルポンプ(32)の供給限界油圧を上回る場合に不足流量を演算し、演算結果に基づいて前記電動オイルポンプ(33)に対する電流指令値を算出し、前記電流指令値に基づいて前記電動オイルポンプ(33)を動作させる、
ことを特徴とする。
【0013】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより各請求項の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0014】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、機械式オイルポンプだけではロックアップクラッチの係合状態を維持できない場合でも、必要に応じて電動オイルポンプを駆動することにより、ロックアップクラッチの係合状態を維持することができるので、その分、燃料消費量を低減することができる。なお、ここで言う燃料消費の低減とは、主に車輌のコースト時におけるフュエルカット領域を拡大することに起因するものである。この点については、後の実施の形態中で詳述する。
【0015】
請求項2の発明によると、切り換え手段の切り換えによってロックアップクラッチがON状態の場合で、かつ機械式オイルポンプだけではロックアップクラッチの係合圧が必要係合圧に満たない場合に限り、電動オイルポンプを駆動するようにしている。
【0016】
請求項3の発明によると、機械式オイルポンプと電動オイルポンプとの双方が、調圧手段の上流側に配設されているので、機械式オイルポンプ及び電動オイルポンプから出力される油圧は、調圧手段によって一括で調圧される。したがって、機械式オイルポンプから出力される油圧を調圧するための特別な部材(例えば調圧バルブ)が不要となり、構成を簡略化することができ、また係合圧の制御も容易となる。
【0017】
請求項4の発明によると、ロックアップクラッチの係合圧が必要係合圧よりも高い第1の閾値まで低下したときに、電動オイルポンプを駆動するので、駆動のタイミングを制度よく設定することができる。また、ロックアップクラッチに供給される係合圧が必要係合圧まで低下するタイミングが遅延されるので、その分、車輌のコースト時におけるフュエルカット領域を拡大させて燃料消費量を低減することができる。なお、この点については実施の形態中で詳述する。
【0018】
請求項5の発明によると、エンジンの回転数がアイドリング回転近傍の第2の閾値まで低下したときに、ロックアップクラッチを係合解除状態とするので、エンジンのアイドリング回転中にロックアップクラッチが係合されていることに起因するノッキングを防止することができる。
【0019】
請求項6の発明によると、電動オイルポンプに対する電流指令値によって、ロックアップクラッチの係合圧を制御するので、応答性が高く、しかも精度の高い制御を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に係るロックアップ機構の油圧制御装置を適用し得る自動変速機(A/T)10の一例を模式的に示す。
【0021】
同図に示す自動変速機10は、トルクコンバータ11と、自動変速装置12と、ディファレンシャル装置13とを備えており、これらはケース15(ただし、同図ではケース15の一部のみを図示している)に収納されている。
【0022】
トルクコンバータ11は、エンジン(E/G)16側の出力軸17にフロントカバー19を介して連結されたポンプインペラ20と、自動変速装置12側(車輪側)の入力軸21に連結されたタービンランナ22と、ワンウェイクラッチ23を介してケース15によって支持されたステータ25とを有している。
【0023】
トルクコンバータ11内には、ロックアップクラッチ26が配設されている。ロックアップクラッチ26は、上述のタービンランナ22と同様、自動変速装置12の入力軸21に連結されている。ロックアップクラッチ26は、例えば、ほぼ円板状のクラッチプレート27を有しており、クラッチプレートの内側に固定されたボス部(不図示)を入力軸21にスプライン結合させることで、入力軸21に沿って移動可能に配設されている。またクラッチプレート27の外周側の前面(フロントカバー19の内面に対向する面)にはクラッチフェーシング29が取り付けられている。ロックアップクラッチ26は、クラッチプレート27の前面側A(図1中に左側)側と背面側B(同図中の右側)との差圧ΔP(後述)によってクラッチフェーシング29をフロントカバー19に接離させるようになっている。
【0024】
このロックアップクラッチ26が作動すると、つまりクラッチフェーシング29がフロントカバー19に押し付けられると、エンジン16の回転は、出力軸17、フロントカバー19、クラッチプレート27を介して直接、入力軸21に伝達される。いわゆる直結状態である。一方、ロックアップクラッチ26が解除されると、つまりクラッチフェーシング29がフロントカバー19から離間されると、エンジン16の回転は、出力軸17、フロントカバー19、そしてトルクコンバータ11内の流体(油)を介して入力軸21に伝達されるようになっている。
【0025】
なお、ロックアップクラッチ26の動作については後にさらに詳述する。
【0026】
入力軸21に伝達された回転は、自動変速装置12によって走行状態に応じて変速され、また逆回転されてディファレンシャル装置13に伝達され、さらに左右の車軸30,31、駆動輪(車輪:不図示)に伝達される。なお,本発明にあっては、自動変速装置12としては、一般的な4〜6速の自動変速機やベルト式無段変速装置(CVT)等の任意のものを使用することができる。
【0027】
上述の自動変速機10は、機械式オイルポンプ32と、電動オイルポンプ33との双方を備えている。機械式オイルポンプ32は、図1に示すように、ポンプインペラ20に連結されている。したがって、機械式オイルポンプ32には、エンジン16の回転が出力軸17、フロントカバー19、ポンプインペラ20を介して、直接、伝達される。すなわち、機械式オイルポンプ32は、エンジン16の回転数が高いときには、高い油圧(多くの吐出量)を出力することができる一方、回転数が低いときには、低い油圧(少ない吐出量)しか出力できない。これに対して、電動オイルポンプ33は、モータ(不図示)によって駆動され、機械式オイルポンプ32とは独立に制御装置(制御手段:不図示)によって制御されるようになっている。なお、電動オイルポンプ33を制御する制御装置には、車輌についての種々の情報、例えば、車速、スロットル開度、ギヤ段、油温等の情報が逐次、入力されるようになっている。
【0028】
図2に、上述のロックアップクラッチ26の動作を制御するための油圧回路を示す。図2中の符号のうち、図1中の符合と同じ符合は、同じ部材等を示している。なお、図2は、前進5速の自動変速機10の油圧回路のうち、ロックアップクラッチ26の制御に直接的な作用を及ぼすバルブ等をピックアップしたものであり、それ以外のバルブ等については適宜省略している。
【0029】
前述のように、同図中の符合11はトルクコンバータ、26はロックアップクラッチ、32は機械式オイルポンプ、33は電動オイルポンプである。
【0030】
また、符合40は機械式オイルポンプ32で発生されたライン圧PL、又は機械式オイルポンプ32及び電動オイルポンプ33で発生されたライン圧PLを調圧するプライマリレギュレータバルブ(調圧手段)、41はライン圧制御用のリニアソレノイドバルブ、42はロックアップクラッチ26のON/OFFを切り換えるロックアップリレーバルブ、43はロックアップクラッチ26の油圧を制御するロックアップコントロールバルブ、45は上述のロックアップリレーバルブ42及びロックアップコントロールバルブ43の動作を電気的に制御するロックアップ制御用のリニアソレノイドバルブ、46はセカンダリ圧Psecを発生させるセカンダリレギュレータバルブである。
【0031】
本実施の形態では、図2に示すように、機械式オイルポンプ32及び電動オイルポンプ33で発生されたライン圧PLがセカンダリレギュレータバルブ46によってセカンダリ圧Psecとして調圧されてトルクコンバータ11に供給されて、トルクコンバータの作動油として作用するとともに、ロックアップクラッチ26の係合圧として作用するようになっている。以下詳述する。
【0032】
まず、機械式オイルポンプ32で発生された油圧に基づく係合圧によってロックアップクラッチ26を制御する場合について説明する。
【0033】
エンジン16の回転に伴う出力軸17の回転によって機械式オイルポンプ32が駆動されて、吐出口32aから油圧が出力される。このとき吐出口32aから出力される油圧は、出力軸17の回転数、つまりエンジン16の回転数に応じて発生される。エンジン16が高回転のときは高い油圧が、またエンジン16が低回転のときは、低い油圧が発生される。
【0034】
吐出口32aから出力された油圧は、油路a1を介して、プライマリレギュレータバルブ40の入力ポート40aに入力される。また、油路a1を通った油圧は、制御圧として入力ポート40bにも入力される。プライマリレギュレータバルブ40の入力ポート40dには、リニアソレノイドバルブ41の出力ポート41aから出力された制御圧が、油路f1を介して入力されている。プライマリレギュレータバルブ40は、この入力ポート40dに入力される制御圧によって機械式オイルポンプ32の油圧をライン圧PL制御して、出力ポート40cから出力する。
【0035】
プライマリレギュレータバルブ40の出力ポート40cから出力された油圧は、セカンダリレギュレータバルブ46の入力ポート46aに入力され、リニアソレノイドバルブ41の出力ポート41aから出力されて油路f2を介してセカンダリレギュレータバルブ46の入力ポート46bに入力される制御圧によって調圧され、余剰油が出力ポート46c,46dから出力される。これにより、プライマリレギュレータバルブ40の出力ポート40cから排出される油圧は、セカンダリ圧Psecとして調圧され、油路b1、チェックバルブ47、油路b2を介して、ロックアップリレーバルブ42の入力ポート42aに入力される。
【0036】
なお、セカンダリレギュレータバルブ46の出力ポート46dから排出された油圧は、油路g1を介して、機械式オイルポンプ32及び電動オイルポンプ33に戻される。また、出力ポート47cから出力された油圧は、油路h1、ロックアップリレーバルブ42を介してクーラ(不図示)に供給される。
【0037】
ここで、ロックアップリレーバルブ42が右半位置(ON位置)にある場合は、ロックアップクラッチ26のON状態となる。すなわちロックアップクラッチ26をON状態にする場合には、リニアソレノイドバルブ45の動作により、その出力ポート45aから信号圧が出力され、この信号圧が油路c1、c2を介してロックアップリレーバルブ42の入力ポート42bに入力されて、スプールを押し下げる。これによりロックアップリレーバルブ42の入力ポート42aと出力ポート42cとが連通され、入力ポート42aに入力されたセカンダリ圧Psecが出力ポート42cから出力され、さらに油路d1を介して、ロックアップクラッチONポート11aからトルクコンバータ11内に供給される。
【0038】
このとき、さらに、ロックアップリレーバルブ42が右半位置にあることに基づき、ロックアップクラッチ26の前面側Aとフロントカバー19との間の油圧は、ロックアップOFFポート11b、油路e1を介してロックアップリレーバルブ42の入力ポート42dに入力されて出力ポート42eから出力され、さらに油路e2を介してロックアップコントロールバルブ43の入力ポート43aに入力され、ドレーンポートdから排出される。このように、ロックアップクラッチ26の前面側Aの油圧が排出されるため、前面側Aにおける油圧P1と背面側Bにおける油圧P2(P2>P1)とについて差圧ΔP(=P2−P1)が発生する。この差圧ΔPによって、ロックアップクラッチ26がフロントカバー19に係合される。したがって、エンジン16(図1参照)の回転は、トルクコンバータ11内の流体(油)を介することなく、出力軸17、フロントカバー19、ロックアップクラッチ26を介して、直接、入力軸21に伝達される。
【0039】
なお、ロックアップクラッチ26の係合時及び係合解除時には、ショックを軽減すべくスリップ制御が行われる。すなわち、リニアソレノイドバルブ45の出力ポート45aから出力された油圧は、前述のように油路c1、c2を介してロックアップリレーバルブ42の入力ポート42bに信号圧として入力されてロックアップリレーバルブ42のON/OFFを切り換えるほかに、油路c3を介してロックアップリレーバルブ43の入力ポート43bに制御圧として入力され、前述のドレーンポートdから排出される油量を調整する。これにより、ロックアップクラッチ26の前面側Aの油圧P1を制御し、ひいては前面側Aと背面側Bとの差圧ΔP(=P2−P1)を制御してスリップ制御を可能としている。
【0040】
以上でロックアップリレーバルブ42がON(右半位置)の場合の説明を終え、次に、ロックアップリレーバルブ42がOFF(左半位置)の場合について説明する。
【0041】
ロックアップリレーバルブ42は、リニアソレノイドバルブ45の出力ポート45aから出力されて油路c1、c2を介してロックアップリレーバルブ42の入力ポート42bに入力される信号圧が、所定の値よりも低い場合にOFFとなる。このとき、プライマリレギュレータバルブ40の出力ポート40cから出力されたセカンダリ圧Psecは、油路b1、チェックバルブ47、油路b2を介して、ロックアップリレーバルブ42の入力ポート42aに入力される。入力されたセカンダリ圧Psecは、ロックアップリレーバルブ42の左半位置に基づき、入力ポート42dから出力され、油路e1を介してロックアップOFFポート11bからトルクコンバータ11内に供給される。こうして供給されたセカンダリ圧Psecによって、ロックアップクラッチ26の前面側Aの油圧P1が上昇する。するとロックアップクラッチ26の前面側Aの油圧P1と背面側Bの油圧P2との差圧ΔP(P2−P1)が、ロックアップクラッチ11の係合状態を維持できる必要係合圧(必要係合油圧)以下となり、係合解除状態となる。
【0042】
ところで、上述のロックアップリレーバルブ42がONの場合であっても、機械式オイルポンプ32で発生されて、プライマリレギュレータバルブ40、ロックアップリレーバルブ42等を介してロックアップクラッチ26に供給されるセカンダリ圧Psecが、ロックアップクラッチ26の係合状態を維持するのに充分な油圧でない場合、つまりロックアップクラッチ26の必要係合圧に満たない場合には、ロックアップクラッチ26の係合状態が解除されることになる。
【0043】
ここで、ロックアップリレーバルブ42がONのときを、ロックアップクラッチ26のON状態と決める。このように決めると、ロックアップクラッチ26のON状態にあっては、ロックアップクラッチ26が係合状態にある場合と、係合解除状態にある場合との2つの場合に分けられる。係合状態か、係合解除状態かは、ロックアップクラッチ26の係合圧が必要係合圧以上か以下かで分かれる。
【0044】
本発明は、ロックアップリレーバルブ42がONで、かつ機械式オイルポンプ32から出力される油圧に基づく係合圧では、ロックアップクラッチ26の係合状態を維持するのに必要な必要係合圧に満たない場合に、電動オイルポンプ33を駆動して不足分以上の油圧をロックアップクラッチに供給するものである。
【0045】
本実施の形態では、図2に示すように、電動オイルポンプ33は、油圧の流れに沿ってのプライマリレギュレータバルブ40の上流側に配置されている。そして、電動オイルポンプ33の吐出口33aから出力される油圧は、上述の機械式オイルポンプ32の吐出口32aから出力される油圧と同様に、油路a1を介してプライマリレギュレータバルブ40の入力ポート40a及び入力ポート40bに入力されるようになっている。つまり、機械式オイルポンプ32から吐出された油と電動オイルポンプ33から吐出された油とが合流されてライン圧PLとしてプライマリレギュレータバルブ40に供給されるようになっている。
【0046】
このため、機械式オイルポンプ32及び電動オイルポンプ33から出力される油量を制御することで、最終的な係合圧を簡単に制御できるようになっている。また、電動オイルポンプ33から吐出される油圧を調圧するための個別のバルブが不要となる。
【0047】
以下、ロックアップクラッチ26の必要係合圧を確保するための電動オイルポンプ33の制御について説明する。なお、以下では、説明の簡便化を図るべく、機械式オイルポンプ32から発生されたライン圧PL、又は機械式オイルポンプ32と電動オイルポンプ33から発生されたライン圧PLが、プライマリレギュレータバルブ40、セカンダリレギュレータバルブ46等によってセカンダリ圧Psecとして調圧された状態で、ロックアップクラッチ26の係合圧として供給される場合について説明する。
【0048】
すなわち、ロックアップクラッチ26には、係合圧として、セカンダリ圧Psecが最大圧として供給される。このセカンダリ圧Psecと、ライン圧PLとの関係は、上述のように、プライマリレギュレータバルブ40とセカンダリレギュレータバルブ46の双方が、リニアソレノイドバルブ41からの制御圧PSLTによって制御されているので、
PL=A*PSLT+B……(1)
Psec=C*PSLT+D……(2)
から、
Psec=C/A*(PL−B)+D……(3)
となる。
【0049】
すなわち、ロックアップクラッチ26の最大係合圧と、セカンダリ圧Psecと、ライン圧PLとはすべて比例関係となっているので、ライン圧PLを所定の値に制御すれば、ロックアップクラッチ26の係合圧も必要量確保できる。
【0050】
したがって、必要ライン圧は、必要係合油圧を算出して、必要係合油圧=必要セカンダリ圧なので、上述の(3)式から求めることができる。
【0051】
なお、上述の式(1),(2),(3)中のA,Bは、プライマリレギュレータバルブ40の特性を表す値であり、またC,Dは、セカンダリレギュレータバルブ46の特性を表す値であり、さらにPSLTは、リニアソレノイドバルブ41の出力油圧を表している。
【0052】
図3に、自動変速機(A/T)10の漏れ流量特性と、機械式オイルポンプ32の性能曲線とを示す。同図の横軸には機械式オイルポンプ32によって発生されるライン圧PL(kPa)を、また縦軸には機械式オイルポンプ32から吐出される油の供給流量Q(L/min)をとっている。ここで、漏れ流量特性とは、バルブボディー(不図示)内の各バルブのクリアランス等によって決定される自動変速機特有のものであり、あるライン圧PLを発生させるために必要な供給流量Qを表している。同図中では右上がりの曲線として図示されている。
【0053】
また、機械式オイルポンプ32の性能曲線は、機械式オイルポンプ32の性能、すなわちあるエンジン回転数(同図では、3000rpm、2000rpm、R1rpm)での供給流量と発生油圧との関係を表している。同図では、右下がりの直線として図示されている。
【0054】
同図において、例えば、エンジンの回転数がR1で、ロックアップクラッチ26の必要係合圧がP0である場合、機械式オイルポンプ32から吐出される供給流量はQmとなる。この場合、供給流量はQeだけ不足することになる。この不足分Qeを、電動オイルポンプ33の駆動によって補うことになる。
【0055】
次に、図4に電動オイルポンプの性能曲線を示す。横軸及び縦軸には図3と同様、それぞれ機械式オイルポンプ32によって発生されるライン圧PL(kPa)、機械式オイルポンプ32から吐出される油の供給流量Q(L/min)をとっている。同図において横軸に必要係合圧P0をとり、縦軸に供給流量の不足分Qeをとってその交点を通る電流値I(A)が電流指令値となる。すなわち、上述の例では、電動オイルポンプ33に電流指令値I(A)を流すことにより、機械式オイルポンプ32の不足分を補うようにしている。なお、図3に示す機械式オイルポンプの性能曲線及び図4に示す電動オイルポンプの性能曲線は、いずれも油温によって変化するので、油温検知センサ(不図示)を設けて、その出力に応じて補正された性能曲線に基づいて電流指令値を決定するようにするとよい。
【0056】
以下、ロックアップクラッチ26の必要係合圧P0を確保するための電動オイルポンプ33の制御について説明する。
【0057】
まず、制御の流れについて、図5,図6のフローチャートを参照して説明する。
【0058】
ロックアップ(Lup)のON/OFFの判断を制御装置(不図示)によって行う(図5のS1)。これは制御装置により、主に車速、スロットル開度、ギヤ段等に基づいて、ロックアップのON/OFFの最適判断を行うものである。ロックアップ制御を行う(S2)。ロックアップ制御は、図2に示すリニアソレノイドバルブ45によってロックアップクラッチ26のスリップ制御を行って係合時又は係合解除時のショックを低減したり、ロックアップクラッチを係合,解放させたりする。定常時ライン圧制御を行う(S3)。車速、スロットル開度、ギヤ段等により、定常時に必要なライン圧PLを演算し、各バルブコントロールを行う。
【0059】
つづいてロックアップがON/OFFを判断し(S4)。OFFの場合(S4の「No」)、つまりロックアップリレーバルブがOFFの場合には、電動オイルポンプ33を駆動することなく制御を終了する。一方、ステップS4において、ロックアップリレーバルブ42がONの場合(S4の「Yes」)には、電動オイルポンプ(電動OP)33の制御に移行する(S5)。
【0060】
電動オイルポンプ33の制御は、図6に示すフローチャートに従って行われる。
【0061】
電動オイルポンプ33の制御が開始されると(S11)、ロックアップクラッチ26の必要係合圧P0(ロックアップ必要油圧)が算出される(S12)。これは、ロックアップクラッチ26への負荷トルクを検出して、必要係合圧P0を算出するものである。本実施の形態では、前述のように、セカンダリ圧Psecが、ロックアップクラッチ26の係合圧として供給されるので、この必要係合圧P0は、必要ライン圧と等しくなる。
【0062】
ステップS12の算出の結果、必要係合圧P0>機械式オイルポンプの供給限界油圧か否かを判断する(S13)。なお、このときの必要係合圧P0及び機械式オイルポンプ32の供給限界油圧は、エンジン16の回転数によって変動する。ステップS13における判断の結果、Noの場合は、電動オイルポンプ33を動作させることなく制御を終了する。
【0063】
一方、ステップS13において、Yesの場合は、前述の図3に示す機械式オイルポンプ32の性能曲線から、機械式オイルポンプ32の限界性能と必要ライン圧とに基づいて、不足流量を演算する(S14)。この不足流量は、同図における供給流量の不足分Qeに相当する。
【0064】
こうして不足流量が演算されたら、前述の図4の電動オイルポンプの性能曲線から、電動オイルポンプ33の性能と、不足流量とに基づいて、電流指令値を算出する(S15)。この電流指令値は、図4におけるI(A)に相当する。
【0065】
電流指令値が決定されたら、その電流指令値I(A)で、電動オイルポンプ33を動作させる。これにより、エンジン16の回転数が低いことに起因する機械式オイルポンプ32による油圧の不足分を、電動オイルポンプ33で補って必要ライン圧、つまりロックアップクラッチ26の必要係合圧P0を確保することができる。すなわち、電動オイルポンプ33を有しておらず、機械式オイルポンプ32のみによって必要係合圧P0を発生させていた従来と比較して、ロックアップクラッチ26の係合状態を長い期間維持することができるようになった。
【0066】
このように、ロックアップクラッチ26の係合状態を長い期間維持できるようになると、その分、燃料消費量を低減することが可能となる。
【0067】
以下、この点について、車輌がコースト状態にある場合を例に、具体的に説明する。なお、以下においても説明を簡略化するために前述と同様、機械式オイルポンプ32で発生されたライン圧PLが、プライマリレギュレータバルブ40、セカンダリレギュレータバルブ46等によってセカンダリ圧Psecとして調圧されて、ロックアップクラッチ26に係合圧として供給される場合、したがって、係合圧がセカンダリ圧Psecとほぼ等しい場合を例に説明する。
【0068】
図7に、機械式オイルポンプ32で発生させることができる発生限界油圧(≒最大ライン圧)Pmを示す。同図の横軸にはエンジン(E/G)16の回転数R(rpm)を、また縦軸にはライン圧PLをとっている。同図中の、原点を通る右上がりの曲線が、機械式オイルポンプ32の発生限界油圧Pmを示している。エンジン16の回転数が高くなるに連れて発生限界油圧Pmも高くなり、またエンジン16の回転数が低くなるに連れて発生限界油圧は低くなる。
【0069】
図8に、エンジン16が発生するトルク、又はコースト時等のエンジン非駆動時の引きずりトルクを受けるのに必要なロックアップクラッチ26の必要係合圧を示す。横軸にはライン圧PL(kPa)を、また縦軸にはトルクTrq(Nm)をとっている。ロックアップクラッチ26の係合圧とロックアップトルク容量との関係を前述の式(3)に従って書き換えることにより、ロックアップ入力トルクから必要ライン圧を求めることができ、これをグラフ化したものが図8となる。これをマップとして制御装置に格納しておけばよい。
【0070】
今、車輌がコースト状態にあるとすると、図8における係合圧とトルクとの関係から、所定の引きずりトルクT0を発生させるためのロックアップクラッチ26の必要係合圧P0が一義的に決定される。ロックアップクラッチ26の係合圧は、機械式オイルポンプ32によって発生されるが、機械式オイルポンプ32の発生限界油圧Pmは、図1に示すように、エンジン16の回転数が低下するのに伴って低下してしまう。同図に示すように、エンジン16の回転数がR0以上のとき(例えばR2)には、機械式オイルポンプ32の発生限界油圧Pmが必要係合圧P0以上となるのでロックアップクラッチ26の係合状態を維持することができる。これに反し、エンジン16の回転数がR0に満たない場合(例えばR1)には、必要係合圧Pが発生限界油圧Pmを上回ることになり、ロックアップクラッチ26が係合状態を維持できなくなってしまう。実際、コースト状態にあっては、エンジン16の回転数が徐々に低下していくので、このように、ロックアップクラッチ26が係合状態を維持できなるなるような状況が充分に考え得る。
【0071】
そこで、本実施の形態においては、このような場合に、前述したように、電動オイルポンプ33を動作させて係合圧を補い、ロックアップクラッチ26のロックアップ状態を長く維持できるようにした。これにより、コースト時におけるフュエルカット(燃料停止)領域を増大させ燃料消費量の低減を可能とした。
【0072】
以下、図9を参照して燃料消費量の低減について具体的に説明する。
【0073】
図9の(a),(b),(c)に、この順に、コースト時における車輌の車速V(km),エンジン回転数(rpm),ロックアップクラッチ26の係合圧P(kPa)についてのタイムチャートを示す。いずれも横軸は時間tである。
【0074】
時間軸に沿って、時間t0〜t1は、車輌が定速走行をしている区間を示す。この区間においては、車速はV0で、またエンジン16の回転数はR2(前述の図7のR2に対応)で一定である。このとき図2に示すロックアップリレーバルブ42はONであり、また機械式オイルポンプ32の発生限界油圧Pmが一定で、その値がロックアップクラッチ26の必要係合圧P0を上回っているので、ロックアップクラッチ26は係合状態を維持している。
【0075】
時間t1において、アクセルペダルがOFFされると、車輌がコースト状態に入るとともに、エンジン16に対する燃料の供給が停止される。つまりフュエルカットが開始される。このコースト状態に入ると、車速V、エンジン回転数R、機械式オイルポンプの発生限界油圧Pは徐々に減少していく。そして、時間t3において、エンジン回転数Rが、R0となると、図7に示すように、機械式オイルポンプ32の発生限界油圧が必要係合圧P0に達し、以降はロックアップクラッチ26は係合状態を維持できなくなる。このため従来は、時間t3〜t4に破線で示すようにエンジン回転数が急激に低下し、エンジン回転数をアイドリングに維持するために燃料の供給を再開する。つまりフュエルカットが終了される。そして、従来は、このアイドリング状態が継続される。従来は時間t1〜t3(又はt4)がフュエルカット領域となる。
【0076】
これに対して、本実施の形態においては、前述のように、電動オイルポンプ33を所定の電流指令値(図4に示すI(A))で、所定のタイミング(後述する時間t2)で駆動して、コースト時におけるフュエルカット領域を拡大するようにしている。
【0077】
時間t1以降のコースト状態に入った後、エンジン回転数がR0まで低下してロックアップクラッチ26が係合状態を維持できなるなる前に、すなわち機械式オイルポンプ32の発生限界油圧Pmが、必要係合圧P0よりも少し高い第1の閾値P2に達したときに、電動オイルポンプ33を駆動して、ロックアップクラッチ26の係合圧をP3まで上昇させる。この電動オイルポンプ33を駆動するタイミングが時間t2となる。時間t2以降は、ロックアップクラッチ26には、時間t5まで、機械式オイルポンプ32の最大係合圧Pmと、電動オイルポンプ33で発生される係合圧(P3−P2)が供給されることになる。この機械式オイルポンプ32と電動オイルポンプ33との双方からの係合圧が、エンジン回転数がアイドリングになるまで必要係合圧P0を上回るようにすれば、ロックアップクラッチ26の係合状態を維持することができるので、エンジン回転数は、図9の時間t1〜t5に実線で示すように、徐々に低下させることができる。この区間では、ロックアップクラッチ26が係合状態を維持しているので、エンジン16に対する燃料の供給を停止することができる。つまり、電動オイルポンプ33を適宜に使用することにより、本実施の形態においては、時間t1〜t5をフュエルカット領域とすることができ、従来のフュエルカット領域である時間t1〜t3と比較して、拡大することができ、その分、燃料消費量を低減させることができる。
【0078】
なお図9において、電動オイルポンプ33によって発生させる係合圧(P3−P2)の値を、適宜に設定することにより、エンジン16がアイドリングとなる時間t5の前に、機械式オイルポンプ32と電動オイルポンプ33との双方の係合圧が必要係合圧P0を下回るようにすることも、また時間t5の後でも双方の係合圧が必要係合圧P0を上回るようにも設定することができる。後者の場合には、エンジン16がアイドリング回転になっても、ロックアップクラッチ26の係合状態が維持されてノッキングを起こすおそれがある。
【0079】
そこで、このような不具合を防止するため、後者の場合には、エンジン16のアイドリング回転近傍に第2の閾値を設け、エンジン16の回転数がこの第2の閾値まで低下したときに、図2に示すリニアソレノイドバルブ45によってロックアップリレーバルブ42をOFFにして、ロックアップクラッチ26の係合状態を解除するようにするとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロックアップ機構の油圧制御装置を適用し得る自動変速機の構成を模式的に示す図である。
【図2】ロックアップクラッチの動作を制御するための油圧回路を示す図である。
【図3】A/Tの漏れ流量特性曲線、及び機械式オイルポンプの性能曲線を示す図である。
【図4】機械式オイルポンプの性能曲線を示す図である。
【図5】ロックアップクラッチの制御の全体の流れを示すフローチャートである。
【図6】ロックアップクラッチの制御における電動オイルポンプの動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】機械式オイルポンプの発生限界油圧を示す図である。
【図8】ロックアップクラッチにおける係合圧とトルクとの関係を示す図である。
【図9】車輌のコースト時における車速、エンジン回転数、ロックアップクラッチの係合圧についてのタイムチャートである。
【符号の説明】
10 自動変速機
11 トルクコンバータ
16 エンジン
17 出力軸
21 入力軸
26 ロックアップクラッチ
32 機械式オイルポンプ
33 電動オイルポンプ
40 調圧手段(プライマリレギュレータバルブ)
42 切換手段(ロックアップリレーバルブ)
46 調圧手段(セカンダリレギュレータバルブ)
Claims (6)
- エンジン側の出力軸と車輪側の入力軸との間に介装されたトルクコンバータをロックアップ制御するためのロックアップ機構の油圧制御装置において、
前記出力軸によって駆動される機械式オイルポンプと、
前記機械式オイルポンプでの発生油圧に基づく係合圧によって前記くらん出力軸と前記入力軸とを係合させて機械的に直結させるロックアップクラッチと、
前記ロックアップクラッチに油圧を供給可能な電動オイルポンプと、
前記電動オイルポンプを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記機械式オイルポンプでの発生油圧に基づく係合圧が前記ロックアップクラッチを係合するのに必要な必要係合圧に満たない場合に、前記電動オイルポンプを駆動して不足分以上の油圧を前記ロックアップクラッチに供給する、
ことを特徴とするロックアップ機構の油圧制御装置。 - 前記ロックアップクラッチを、係合状態になりうるON状態と、係合状態が解除されたOFF状態とに切り換える切り換え手段を有し、
前記ロックアップクラッチの係合状態を維持すべき場合である、前記切り換え手段の切り換えによる前記ロックアップクラッチのON状態に、前記電動オイルポンプを駆動して不足分以上の油圧を前記ロックアップクラッチに供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載のロックアップ機構の油圧制御装置。 - 前記機械式オイルポンプの下流側でかつ前記ロックアップクラッチの上流側に調圧手段を有し、
前記電動オイルポンプは前記調圧手段の上流側に配設されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のロックアップ機構の油圧制御装置。 - 前記必要係合圧よりも高い第1の閾値を設け、車輌のコースト状態でかつ前記ロックアップクラッチのON状態において、前記機械式オイルポンプに基づく係合圧が前記第1の閾値まで低下したときに、前記制御手段は前記電動オイルポンプを駆動して、前記ロックアップクラッチに供給される係合圧が前記必要係合圧まで低下するタイミングを遅らせる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のロックアップ機構の油圧制御装置。 - 前記エンジンのアイドリング回転近傍に第2の閾値を設け、前記エンジンの回転数が前記第2の閾値にまで低下したときに前記切り換え手段により前記ロックアップクラッチを係合解除状態にする、
ことを特徴とする請求項4に記載のロックアップ機構の油圧制御装置。 - 前記制御手段は、前記必要係合圧を算出し、算出された必要係合圧が前記機械式オイルポンプの供給限界油圧を上回る場合に不足流量を演算し、演算結果に基づいて前記電動オイルポンプに対する電流指令値を算出し、前記電流指令値に基づいて前記電動オイルポンプを動作させる、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロックアップ機構の油圧制御装置。
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