JP2000025475A - 4輪駆動車の動力配分制御装置 - Google Patents

4輪駆動車の動力配分制御装置

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JP2000025475A
JP2000025475A JP10193066A JP19306698A JP2000025475A JP 2000025475 A JP2000025475 A JP 2000025475A JP 10193066 A JP10193066 A JP 10193066A JP 19306698 A JP19306698 A JP 19306698A JP 2000025475 A JP2000025475 A JP 2000025475A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トランスファ装置を作動するための油圧を制御
するデューティソレノイド弁の車両停止状態時における
作動音を解消ないしは低減し、運転者の不快感を解消す
る。 【解決手段】変速位置、車両の停止状態、及びエンジン
のアイドル状態を判定する(S101〜S105)。そして、変
速位置が走行位置であって車両停止、且つアイドル状態
のときは、作動油の油圧を制御しトランスファ装置13
のトランスファクラッチ40を作動して前後輪間の動力
配分量を可変制御するためのデューティソレノイド弁5
2に対するデューティ信号のデューティ比を、設定値D
1により設定し(S107)、変速位置が走行位置の状態下
で車両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの条件
が成立する通常時よりもデューティ比を上昇或いは低下
して、デューティソレノイド弁52による作動音を解消
ないしは低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転状態に応じデ
ューティソレノイド弁をデューティ制御して、トランス
ファ装置に供給する作動油の油圧を調圧し、トランスフ
ァ装置を作動させることで、前後輪間の動力配分量を可
変に制御する4輪駆動車の動力配分制御装置に関し、詳
しくは、車両停車中のアイドル時において変速位置を走
行位置とした状態で、車両の停止状態を保つときの、デ
ューティソレノイド弁の作動音を解消ないしは低減し、
運転者の不快感を解消する4輪駆動車の動力配分制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両においては、様々
な箇所に対し制御の面からも低騒音化が図られている。
【0003】例えば、本出願人による特開平7−190
60号公報においては、エンジンの吸,排気系にプライ
マリターボ過給機とセカンダリターボ過給機とを並列に
配設して、運転状態に基づいてターボ過給機の作動個数
を切換える過給機付エンジンに関し、車両が停止状態の
とき、エンジン空吹かし後、エンジン回転数が低下して
エンジン回転による暗騒音が低くなる前に、ターボ過給
機の作動個数の切換え制御する各制御弁の切換えを完了
することで、各制御弁の作動音による運転者の不快感を
解消する技術が開示されている。
【0004】ところで、運転状態に応じデューティソレ
ノイド弁をデューティ制御して、トランスファ装置に供
給する作動油の油圧を調圧し、トランスファ装置を作動
させることで、前後輪間の動力配分量を可変に制御する
4輪駆動車が知られている。そして、この4輪駆動車に
おいては、一般に制御装置からデューティソレノイド弁
に対して出力するデューティ信号のデューティ比は、予
めギヤ位置(変速位置)毎に用意された車速とスロット
ル開度とをパラメータとするマップにより定められてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、車両停車中の
アイドル時において、変速位置をDレンジ等の走行位置
にシフトした状態で、車両の停止状態を保つとき、第1
速用のマップにより、このときの車速(0km/h)とスロ
ットル開度(0deg )とに基づいて、例えば、30〜4
0%のデューティ比が設定され、このデューティ比によ
りデューティソレノイド弁が駆動される。しかし、この
車両停止状態時は、車両走行中に比べ、エンジン、タイ
ヤ等による暗騒音が低いため、デューティソレノイド弁
の作動音、所謂ジー音(「ジー」という音がする)が目
立ち、運転者に不快感を与えることがあった。
【0006】上記先行例においては、デューティソレノ
イド弁を制御対象とするものでなく、単に開閉する制御
弁を作動させるソレノイド弁を制御対象とし、且つ、車
両停止状態時のエンジン空吹かし後において、エンジン
回転数が低下する前に制御弁の開閉切換えを完了するも
のであるため、この技術を4輪駆動車の動力配分制御装
置に転用したとしても、上述の車両停止状態時における
デューティソレノイド弁の作動音を低減することはでき
ない。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、トランスファ
装置を作動するための油圧を制御するデューティソレノ
イド弁の車両停止状態時における作動音を解消ないしは
低減し、運転者の不快感を解消することが可能な4輪駆
動車の動力配分制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、運転状態に応じデューティ
ソレノイド弁をデューティ制御して作動油の油圧により
トランスファ装置を作動し、前後輪間の動力配分量を可
変制御する4輪駆動車の動力配分制御装置において、図
1(a)の基本構成図に示すように、変速位置が走行位
置か否かを判定する走行位置判定手段と、車両の停止状
態を判定する停止状態判定手段と、エンジンのアイドル
状態を判定するアイドル判定手段と、変速位置が走行位
置であって車両停止、且つアイドル状態のときは、上記
デューティソレノイド弁に対するデューティ信号のデュ
ーティ比を、変速位置が走行位置の状態下で車両走行及
び非アイドル状態の少なくとも一つの条件が成立する通
常時よりも上昇或いは低下させる制御手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記制御手段は、変速位置が走行位置の状
態下で車両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの
条件が成立する通常時に、車速とスロットル開度とをパ
ラメータとしてマップにより上記デューティソレノイド
弁に対するデューティ信号のデューティ比を設定し、変
速位置が走行位置であって車両停止、且つアイドル状態
のときに、上記デューティ比を通常時よりも低い一定値
又は通常時よりも高い一定値に固定することを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1或いは請
求項2記載の発明において、上記停止状態判定手段は、
車速、及びブレーキ操作状態に基づいて車両の停止状態
を判定することを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1ないし請
求項3記載の発明において、上記デューティソレノイド
弁は作動油の油圧を制御して上記トランスファ装置を構
成する湿式油圧多板クラッチを作動させるものであり、
図1(b)に示すように、更に、上記湿式油圧多板クラ
ッチを作動する作動油の油温が該作動油の粘性による湿
式多板クラッチの応答性の悪化を無視し得る予め設定さ
れた温度以上か否かを判定する油温判定手段を備え、上
記制御手段は、変速位置が走行位置であって車両停止、
且つアイドル状態、且つ上記油温が予め設定された温度
以上のときに、上記デューティソレノイド弁に対するデ
ューティ信号のデューティ比を、通常時よりも上昇或い
は低下させ、或いは、通常時よりも低い一定値又は通常
時よりも高い一定値に固定することを特徴とする。
【0012】すなわち、請求項1記載の発明では、変速
位置、車両の停止状態、及びエンジンのアイドル状態を
判定する。そして、変速位置が走行位置であって車両停
止、且つアイドル状態のときに、作動油の油圧を制御し
トランスファ装置を作動して前後輪間の動力配分量を可
変制御するためのデューティソレノイド弁に対するデュ
ーティ信号のデューティ比を、変速位置が走行位置の状
態下で車両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの
条件が成立する通常時よりも、上昇或いは低下し、デュ
ーティソレノイド弁による作動音を解消ないしは低減さ
せる。
【0013】また、上記デューティソレノイド弁に対す
るデューティ信号のデューティ比を設定するに際し、請
求項2記載の発明では、変速位置が走行位置の状態下で
車両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの条件が
成立する通常時は、車速とスロットル開度とをパラメー
タとしてマップによりデューティ比を設定する。そし
て、変速位置が走行位置であって車両停止、且つアイド
ル状態のときに、デューティ比を通常時よりも低い一定
値又は通常時よりも高い一定値に固定し、デューティソ
レノイド弁による作動音を解消ないしは低減させる。
【0014】また、車両の停止状態を判定するに際し、
請求項3記載の発明では、車速、及びブレーキ操作状態
に基づいて車両の停止状態を判定する。
【0015】請求項4記載の発明では、上記デューティ
ソレノイド弁によって作動油の油圧を制御してトランス
ファ装置を構成する湿式油圧多板クラッチを作動し、前
後輪間の動力配分量を可変に制御する。そして、上記湿
式油圧多板クラッチを作動する作動油の油温を予め設定
された温度と比較して、該作動油の粘性による湿式油圧
多板クラッチの応答性の悪化の影響を判断する。そし
て、変速位置が走行位置、且つ車両停止状態、且つアイ
ドル状態であって、且つ上記油温が予め設定された温度
以上で作動油の粘性による湿式油圧多板クラッチの応答
性の悪化を無視し得るときに、上記デューティソレノイ
ド弁に対するデューティ信号のデューティ比を、通常時
よりも上昇或いは低下させ、或いは、通常時よりも低い
一定値又は通常時よりも高い一定値に固定する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図2〜図6は、本発明の実施の一
形態を示す。
【0017】先ず、図2に基づいて、本発明が適用され
る4輪駆動車の駆動系について説明する。
【0018】同図において、符号1は自動変速機であ
り、トルクコンバータケース2及びディファレンシャル
ケース3の後部に、トランスミッションケース4が接合
され、このトランスミッションケース4の後部にエクス
テンションケース5が接合されている。また、トランス
ミッションケース3の下部には、作動油としての自動変
速機オイル(以下「ATF」と略称する)を貯溜するオ
イルパン6が取付けられている。
【0019】上記トルクコンバータケース2の内部に
は、ロックアップクラッチ7を備えたトルクコンバータ
8が配設され、トルクコンバータ8の入力要素(インペ
ラ)がエンジン9のクランク軸9aに連結されている。
また、トランスミッションケース4の内部には、自動変
速機構10が配設され、この自動変速機構10のトラン
スミッション入力軸11がトルクコンバータ8の出力要
素(タービン)に連結されている。そして、入力軸11
と、自動変速機構10のトランスミッション出力軸12
とが同軸上に配置され、トランスミッション出力軸12
がエクステンションケース5内に配設されたトランスフ
ァ装置13に連結構成されている。
【0020】上記自動変速機構10は、2組のフロント
プラネタリギヤ14,リヤプラネタリギヤ15によって
前進4段後進1段の変速段を得る構成であり、ハイクラ
ッチ16,リバースクラッチ17,多板ブレーキ18,
ロークラッチ19,ローアンドリバースブレーキ20,
ワンウエイクラッチ21が並列的に配設され、これらを
選択的に係合することで、前進4段、後進1段の変速段
を得る。
【0021】また、トランスミッションケース4内部に
おいて、上記入力軸11及び出力軸12に対し、フロン
トドライブ軸22が平行配置され、このフロントドライ
ブ軸22の前端側がディファレンシャルケース3内に配
設されたフロントディファレンシャル装置23に連設
し、前輪に駆動力を伝達する。また、フロントドライブ
軸22の後端側が一対のリダクションドライブギヤ2
4、リダクションドリブンギヤ25を介してトランスミ
ッション出力軸12に連設されている。
【0022】そして、トランスミッション出力軸12の
後端にリヤドライブ軸26が回転自在に嵌挿されてお
り、トランスミッション出力軸12とリヤドライブ軸2
6との間に、上記トランスファ装置13が構成され、リ
ヤドライブ軸26からプロペラ軸27、リヤディファレ
ンシャル装置28等を介して後輪に駆動力を伝達する。
【0023】一方、自動変速機構10の前方側であっ
て、トルクコンバータケース2とトランスミッションケ
ース4との間に、オイルポンプハウジング29aが挟装
されており、オイルパン6に貯溜されたATFを各部に
圧送するためのオイルポンプ29が設けられている。
【0024】このオイルポンプ29のドライブ軸30と
トルクコンバータ8のインペラスリーブ8aとが連結さ
れ、オイルポンプ28はエンジン9に直結し、エンジン
運転時に常時駆動される。
【0025】そして、トランスミッション入力軸10
が、オイルポンプハウジング29aを覆うオイルポンプ
カバー29bの中央に形成した中空状のサポート29c
によって、軸受け(図示せず)を介してエンジン9のク
ランク軸9aと同軸上に回転自在に軸支されている。
【0026】上記オイルポンプ29により圧送されたA
TFは、周知のように、オイルパン6に収納されたコン
トロールバルブユニット31中のプレッシャレギュレー
タバルブ,パイロットバルブ等によって運転状態に応じ
最適なライン圧やパイロット圧に調圧され、トルクコン
バータ8や、各バルブ、クラッチ、ブレーキ、ギヤ等の
作動油、及び各部の潤滑油として供給される。
【0027】また、上記トランスファ装置13は、図3
に示すように、マイクロコンピュータ等によって構成さ
れるトランスミッション制御装置60によって油圧ユニ
ット50を制御し、油圧ユニット50からのATFの油
圧に応じ作動する湿式油圧多板クラッチからなるトラン
スファクラッチ40を、トランスミッション出力軸12
とリヤドライブ軸26との間に配設して構成される。
【0028】トランスファクラッチ40は、クラッチハ
ブ41をトランスミッション出力軸12に固設し、クラ
ッチドラム42をリヤドライブ軸26に固設して、クラ
ッチハブ41から複数のドライブプレート43を、クラ
ッチドラム42から複数のドリブンプレート44を、そ
れぞれ各プレート43,44を交互に重ねて形成され
る。
【0029】また、クラッチドラム42内においてプレ
ート43,44と対向する部位に、油圧室45に供給さ
れるATFの油圧により、これら複数のプレート43,
44を押圧するピストン46が格納されている。
【0030】ここで、トランスミッション出力軸12か
らの駆動力は、トランスファ装置13により動力配分さ
れ、リダクションドライブギヤ24,リダクションドリ
ブンギヤ25,フロントドライブ軸22を介して前輪に
伝達され、一方、クラッチハブ41,ドライブプレート
43,ドリブンプレート44,クラッチドラム42,リ
ヤドライブ軸26を介して後輪に動力伝達される。従っ
て、油圧室45に供給するATFの油圧によりトランス
ファクラッチ40の締結力を可変とすることで、前,後
輪に対する動力配分量を、前輪:後輪=100:0〜5
0:50の間で可変に設定することが可能となる。
【0031】一方、上記油圧ユニット50は、エクステ
ンションケース5の側面に配設されたトランスファコン
トロールバルブ51に、トランスミッション制御装置6
0から出力されるデューティ信号のデューティ比に応じ
デューティ制御されるデューティソレノイド弁52を、
油路53を介して連通して構成される。
【0032】トランスファコントロールバルブ51は、
デューティソレノイド弁52からのトランスファデュー
ティ圧が油路53を介してランド51aに作用すること
で、スプール51bが作動し、油路54を介して供給さ
れる上述のコントロールバルブユニット31からのAT
Fのドレン量をスプール51bの作動により調整するに
より、ライン圧をトランスファクラッチ圧に調圧し、油
路55を介してトランスファクラッチ40の油圧室45
に供給する。
【0033】すなわち、周知のように、コントロールバ
ルブユニット31に内装されたプレシャモデファイヤバ
ルブを作動させるためのライン圧デューティソレノイド
弁(図示せず)を、運転状態に応じトランスミッション
制御装置60によって制御することで、プレッシャモデ
ファイヤバルブによりプレッシャモデファイヤ圧(信号
圧)をプレッシャレギュレータバルブに与え、プレッシ
ャレギュレータバルブの作動により、オイルポンプ29
からの油圧を調圧して、運転状態に応じた適切なライン
圧を得る。更に、このライン圧が、図示しないパイロッ
トバルブによって圧力一定のパイロット圧に調圧され
て、パイロット圧がデューティソレノイド弁52に導か
れる。
【0034】そして、デューティソレノイド弁52は、
ソレノイド52aに対しトランスミッション制御装置6
0から出力されるデューティ信号のデューティ比に対応
して発生するソレノイド52aの励磁力により開弁作動
して、ドレン量を調整することで、パイロット圧をトラ
ンスファデューティ圧に調圧し、油路53を介して、ト
ランスファデューティ圧をトランスファコントロールバ
ルブ51のランド51aに作用する。そして、トランス
ファコントロールバルブ51は、ランド51aに作用す
るトランスファデューティ圧に応じてスプール51bが
作動し、このスプール51bの作動により、油路54か
ら供給されるライン圧をトランスファクラッチ圧に調圧
して、油路55を介しトランスファクラッチ40の油圧
室45に供給する。
【0035】そして、油圧室45に作用するトランスフ
ァクラッチ圧によって、トランスファクラッチ40を差
動制限し、前後輪間の動力配分量を制御する。
【0036】尚、本形態においては、図3に示すよう
に、例えば、20msecを単位時間(1周期)として、そ
の単位時間に対するON時間によってデューティ信号の
デューティ比を定める。
【0037】そして、デューティ比が低下するほど、デ
ューティソレノイド弁52によるATFのドレン量が減
少し、これに伴いトランスファコントロールバルブ51
のランド51aに作用するトランスファデューティ圧が
上昇して、トランスファコントロールバルブ51による
ドレン量が減じることで、トランスファコントロールバ
ルブ51によって調圧されてトランスファクラッチ40
の油圧室45に作用するトランスファクラッチ圧が上昇
し、これにより、トランスファクラッチ40の締結力が
増加して後輪側への動力配分量が増加する。また、逆
に、デューティ比が低下するほど、デューティソレノイ
ド弁52によるATFのドレン量が増加して、トランス
ファコントロールバルブ51のランド51aに作用する
トランスファデューティ圧が低下し、トランスファコン
トロールバルブ51によるドレン量が増じることで、ト
ランスファクラッチ40の油圧室45に作用するトラン
スファクラッチ圧が低下し、これに伴い、トランスファ
クラッチ40の締結力が減少して後輪側への動力配分量
が減少する。
【0038】一方、トランスミッション制御装置(TC
U)60は、マイクロコンピュータ、及びA/D変換
器,駆動回路等の周辺回路から構成され、後輪出力軸回
転数を車速として検出する車速センサ61、エンジン9
のスロットル弁(図示せず)の開度を検出するスロット
ル開度センサ62、変速位置としてシフトレバーによる
セレクト位置(P,R,N,D,3,2,1の各レンジ
位置)を検出するレンジスイッチ63、ブレーキ操作を
検出するためブレーキペダルの踏込み,開放に応じてO
N,OFFするブレーキスイッチ64、ATFの油温を
検出するATF温度センサ64、及び図示しない舵角セ
ンサ等の各センサ、スイッチが接続されている。
【0039】そして、TCU60は、これら各センサ、
スイッチから入力される信号に基づいて運転状態を判断
し、コントロールバルブユニット31に内装された各コ
ントロールバルブを作動させるための図示しない各ソレ
ノイド弁,デューティソレノイド弁に対する制御量を運
転状態に応じて演算し、この制御量に対応する駆動信号
を各ソレノイド弁,デューティソレノイド弁に出力し、
変速制御を行う。
【0040】更に、TCU60は、運転状態に応じた前
後輪間の動力配分量を得るに適切なデューティソレノイ
ド弁52に対するデューティ信号のデューティ比を演算
し、このデューティ比のデューティ信号をデューティソ
レノイド弁52に出力することによって、デューティソ
レノイド弁52によりトランスファデューティ圧を調圧
し、このトランスファデューティ圧に応じてトランスフ
ァコントロールバルブ51を作動して、油路54から供
給されるライン圧をトランスファクラッチ圧に調圧して
トランスファクラッチ40の油圧室45に供給すること
で、運転状態に応じてトランスファクラッチ40を差動
制限し、前後輪間の動力配分量を制御する。
【0041】そして、TCU60は、動力配分制御にお
いて、各センサ、スイッチからの出力信号に基づいて変
速位置、車両の停止状態、及びエンジン9のアイドル状
態を判定する。そして、シフト位置がR,D,3,2,
1の何れかのレンジにあり変速位置が走行位置の状態下
で車両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの条件
が成立する通常時は、トランスファ装置13を構成する
トランスファクラッチ40を作動して前後輪間の駆動力
配分量を可変制御するためのデューティソレノイド弁5
2に対するデューティ信号のデューティ比を、車速とス
ロットル開度とをパラメータとしてマップにより設定
し、車両の発進性を確保すると共に運転状態に応じた前
後輪間の動力配分量を的確に得る。また、変速位置が走
行位置であって車両停止、且つアイドル状態のときは、
デューティソレノイド弁52に対するデューティ信号の
デューティ比を、通常時よりも、上昇或いは低下し(本
形態においては、通常時よりも低い一定値又は通常時よ
りも高い一定値に固定する)、デューティソレノイド弁
52による作動音を解消ないしは低減させる。
【0042】すなわち、TCU60によって、本発明に
係る走行位置判定手段、停止状態判定手段、アイドル判
定手段、及び、制御手段の各機能手段が実現される。
【0043】より詳細には、駆動力配分制御において
は、更に、トランスファクラッチ40を作動するATF
の油温を予め設定された温度と比較して、ATFの粘性
によるトランスファクラッチ40の応答性の悪化の影響
を判断する。そして、変速位置が走行位置、且つ車両停
止状態、且つアイドル状態であって、且つATFの油温
が予め設定された温度以上で、ATFの粘性によるトラ
ンスファクラッチ40の応答性の悪化を無視し得るとき
に、上記デューティソレノイド弁52に対するデューテ
ィ信号のデューティ比を、通常時よりも上昇或いは低下
させる。
【0044】すなわち、TCU60は、本発明に係る油
温判定手段としての機能手段をも実現する。
【0045】以下、本発明の要旨に係わる動力配分制御
について説明し、周知の自動変速機1に対する変速制御
については、その説明を省略する。
【0046】次に、TCU60において実行する動力配
分制御処理について、図4に示す動力配分制御ルーチン
に基づいて説明する。
【0047】図4に示す動力配分制御ルーチンは、所定
時間毎に実行され、先ず、ステップS101で、レンジスイ
ッチ63からの出力信号により、シフト位置がR,D,
3,2,1の何れかの走行レンジ、すなわち、変速位置
が走行位置にあるか否かを判断する。そして、シフト位
置がN,Pの何れかの非走行レンジにあって、走行位置
を除く変速位置のときには、ステップS102へ進み、N,
Pの各レンジに応じて予め設定された設定デューティ比
によって、デューティソレノイド弁52に対するデュー
ティ信号のデューティ比を設定してルーチンを抜ける。
【0048】一方、上記ステップS101において、シフト
位置がR,D,3,2,1の何れかの走行レンジにあ
り、変速位置が走行位置にあるときには、ステップS103
に進み、ステップS103,S104,S105,S106 で、それぞれ車
速センサ61による車速、スロットル開度センサ62に
よるスロットル開度、ブレーキスイッチ64のON,O
FF状態、ATF温度センサ65により検出されるAT
Fの油温を判断する。
【0049】そして、車速が車両の停止状態と判断され
る設定車速V1よりも高いとき(車速>V1)、スロッ
トル開度がスロットル弁全閉のアイドルと判断される設
定値θ1よりも大きくアクセル踏込みによる非アイドル
状態のとき(スロットル開度>θ1)、ブレーキスイッ
チ64がOFFでブレーキが開放状態にあるとき、AT
Fの油温がATFの粘性によるトランスファクラッチ4
0の応答性の悪化を無視し得る予め設定された温度T1
よりも低く(ATF温度<T1)、ATFの粘性により
トランスファクラッチ40の応答性が懸念されるとき、
の何れかの条件が成立する通常時は、該当するステップ
からステップS108へ進む。
【0050】尚、上記設定車速V1、設定値θ1、設定
温度T1は、それぞれ予めシミュレーション或いは実験
等によって、車両の停止状態と判断される車速の適正
値、スロットル弁全閉のアイドルと判断されるスロット
ル開度の適正値、ATFの粘性によるトランスファクラ
ッチ40の応答性の悪化を無視し得るATF油温の適正
値を求め、これらの値を設定車速V1、設定値θ1、設
定温度T1として、TCU60を構成するマイクロコン
ピュータのメモリ(ROM)に固定データとして記憶さ
れているものである。
【0051】そして、変速位置が走行位置の状態下で、
車両走行、非アイドル状態、及びATF油温が設定温度
T1未満の少なくとも一つの条件が成立するときには、
ステップS108で、TCU60の内部データによって、そ
の時に変速制御によって制御されている自動変速機1の
変速段を判断し、この変速段及び運転状態に応じてデュ
ーティソレノイド弁52に対するデューティ信号のデュ
ーティを設定する。具体的には、TCU60は、図6に
示すように、スロットル開度と車速とに応じて自動変速
機1に対し変速段を制御するため、これらのデータによ
り現在の変速段を判断することが可能である。そして、
変速段に応じたデューティ比マップを選択し、車速とス
ロットル開度とをパラメータとしてマップ検索してデュ
ーティ比を求め、このデューティ比に舵角やABS(ア
ンチスキッドブレーキシステム)の作動状態等に応じて
補正を加えて、デューティソレノイド弁52に対するデ
ューティ比を設定し、ルーチンを抜ける。
【0052】本形態においては、この時、例えば、20
〜80%の範囲でデューティソレノイド弁52に対する
デューティ信号のデューティ比が設定される。
【0053】ここで、本形態においては、各変速段(後
進段、第1速、第2速、第3速、第4速)に応じて5つ
のデューティ比マップを有し、これら各デューティ比マ
ップは、変速段に応じシミュレーション或いは実験等に
より、車速とスロットル開度とによる運転領域毎に、デ
ューティソレノイド弁52の調圧作用によりトランスフ
ァ装置13を構成するトランスファクラッチ40を作動
して最適な駆動力配分量を得るに適切なデューティソレ
ノイド弁52に対するデューティ信号のデューティ比を
求め、車速とスロットル開度とをパラメータとするマッ
プとして、TCU60のメモリ(ROM)に記憶されて
いるものである。尚、このマップの一例を図5に示す。
【0054】従って、変速位置が走行位置の状態下で、
車両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの条件が
成立する時には、運転状態に応じた前後輪間の動力配分
量を得るに適正なデューティ比が設定される。そして、
このデューティ比のデューティ信号がデューティソレノ
イド弁52に出力されることで、デューティソレノイド
弁52はトランスファコントロールバルブ51に対する
トランスファデューティ圧を調圧作用する。そして、こ
のトランスファデューティ圧に応じてトランスファコン
トロールバルブ51が作動し、油路54から供給される
ライン圧がトランスファコントロールバルブ51により
トランスファクラッチ圧に調圧されてトランスファクラ
ッチ40の油圧室45に供給されることで、トランスフ
ァクラッチ40が差動制限作用して、運転状態に応じた
前後輪間の動力配分量が得られる。
【0055】一方、上記ステップS103〜S106において、
車速が設定車速V1以下(車速≦V1)、且つスロット
ル開度が設定値θ1以下でスロットル全閉のアイドル状
態(スロットル開度≦θ1)、且つブレーキスイッチ6
4がONでブレーキ操作され、且つATFの油温が予め
設定された温度T1以上(ATF温度≧T1)のとき、
ステップS103〜S106を介して、ステップS107へ進む。
【0056】そして、シフト位置がR,D,3,2,1
の何れかの走行レンジにあり変速位置が走行位置の状態
下において、車速が設定車速V1以下でブレーキ操作に
よる車両停止状態、且つエンジン9がアイドル状態、且
つATF油温が設定温度T1以上のときには、ステップ
S107で、デューティソレノイド弁52に対するデューテ
ィ比を、予め設定された設定値D1により設定して、ル
ーチンを抜ける。
【0057】ステップS107においてデューティ比を設定
する設定値D1は、上記ステップS108において設定され
る通常時のデューティ比よりも低い一定値(例えば、0
〜10%)、又は通常時よりも高い一定値(例えば、9
0〜100%)であり、デューティソレノイド弁52の
作動音を低下し得るデューティ比を予めシミュレーショ
ン或いは実験等により求め、この値を設定値D1として
TCU60を構成するマイクロコンピュータのメモリに
記憶されているものである。
【0058】すなわち、車両停車中のアイドル時におい
て、変速位置をR,D,3,2,1の何れかの走行位置
にシフトした状態で、ブレーキ操作により車両の停止状
態を保つときは、トランスファデューティ圧を制御しト
ランスファ装置13のトランスファクラッチ40を作動
して前後輪間の動力配分量を可変制御するためのデュー
ティソレノイド弁52に対するデューティ信号のデュー
ティ比を、設定値D1によって、通常時よりも低い一定
値(0〜10%)、又は通常時よりも高い一定値(90
〜100%)に固定する。これにより、車両停止状態時
におけるデューティソレノイド弁52の作動が実質的に
停止ないしは減少して、デューティソレノイド弁52に
よる作動音が解消ないしは低減し、デューティソレノイ
ド弁52の作動音による運転者の不快感を解消すること
が可能となる。
【0059】そして、変速位置が走行位置の状態下で車
両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの条件が成
立する通常時は、車速とスロットル開度とをパラメータ
としてマップによりデューティ比を設定するので、上述
の車両停止状態からブレーキを開放しアクセル操作によ
り非アイドル状態に移行して発進し、車両走行に移行し
た時には、車速とスロットル開度とをパラメータとして
マップにより直ちに運転状態に応じたデューティ比を設
定することが可能となり、車両の発進性を確保すると共
に運転状態に応じた前後輪間の動力配分量を的確に得る
ことが可能となる。
【0060】また、車両の停止状態を判断するに際し、
車速、及びブレーキ操作状態に基づいて車両の停止状態
を判断することで、車両停車中のアイドル時において、
変速位置を走行位置にシフトした状態でブレーキ操作に
より車両の停止状態を保った状態、すなわち、デューテ
ィソレノイド弁52の作動音に対し暗騒音が低い時を、
確実に判断することが可能となり、この正確な判定結果
が動力配分制御に反映されるため、制御性及び制御信頼
性の向上を図ることが可能となる。
【0061】更に、本形態においては、トランスファク
ラッチ40を作動するATFの油温を予め設定された温
度T1と比較して、ATFの粘性によるトランスファク
ラッチ40の応答性の悪化の影響を判断する。そして、
変速位置が走行位置、且つ車両停止状態、且つアイドル
状態であって、且つATFの油温が予め設定された温度
T1以上でATFの粘性によるトランスファクラッチ4
0の応答性の悪化を無視し得るときに、上記デューティ
ソレノイド弁52に対するデューティ信号のデューティ
比を、通常時よりも低い一定値又は通常時よりも高い一
定値に固定することで、トランスファ装置13のトラン
スファクラッチ40を作動するATFの粘性が低く、ト
ランスファクラッチ40の応答性の悪化の影響が無視し
得るときにのみ、デューティソレノイド弁52に対する
デューティ信号のデューティ比を通常時よりも低い一定
値又は通常時よりも高い一定値に固定することが可能と
なり、ATFの粘性の影響によるトランスファクラッチ
40の応答性の悪化に伴う発進性の悪化を未然に防止す
ることが可能となる。
【0062】尚、本実施の形態においては、車両停止状
態時のデューティ信号のデューティ比を、0〜10%又
は90〜100%の一定値としているが、本発明はこれ
に限定されず、車両停止状態時におけるデューティ比
は、デューティソレノイド弁52の作動音が低減する任
意の値に設定し得る。
【0063】また、デューティソレノイド弁52のデュ
ーティ比による通常使用領域に対し、車両停止時におい
て、デューティ比が高いほど、デューティソレノイド弁
52の作動音が低減する場合には、デューティ比を通常
時よりも高く設定し、また、逆に、デューティ比が低い
ほど、デューティソレノイド弁52の作動音が低減する
場合には、デューティ比を通常時よりも低く設定する。
すなわち、車両停止時において、デューティソレノイド
弁52に対するデューティ信号のデューティ比を、デュ
ーティソレノイド弁52の作動音が小さくなる方向に、
通常時よりも上昇或いは低下させる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、変速位置、車両の停止状態、及びエンジン
のアイドル状態を判定する。そして、変速位置が走行位
置であって車両停止、且つアイドル状態のときに、作動
油の油圧を制御しトランスファ装置を作動して前後輪間
の動力配分量を可変制御するためのデューティソレノイ
ド弁に対するデューティ信号のデューティ比を、変速位
置が走行位置の状態下で車両走行及び非アイドル状態の
少なくとも一つの条件が成立する通常時よりも、上昇或
いは低下するので、車両停車中のアイドル時において、
変速位置を走行位置にシフトした状態で車両の停止状態
を保ち、デューティソレノイド弁の作動音に対し暗騒音
が低い時の、デューティソレノイド弁の作動を実質的に
停止ないしは減少して、デューティソレノイド弁による
作動音を解消ないしは低減し、デューティソレノイド弁
の作動音による運転者の不快感を解消することができ
る。
【0065】請求項2記載の発明によれば、変速位置が
走行位置であって車両停止、且つアイドル状態のとき
に、デューティ比を通常時よりも低い一定値又は通常時
よりも高い一定値に固定するので、上記請求項1記載の
発明の効果に加え、簡単な制御により、車両停止状態時
におけるデューティソレノイド弁の作動を実質的に停止
ないしは減少して、デューティソレノイド弁による作動
音を解消ないしは低減し、デューティソレノイド弁の作
動音による運転者の不快感を解消することができる。
【0066】そして、変速位置が走行位置の状態下で車
両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの条件が成
立する通常時は、車速とスロットル開度とをパラメータ
としてマップによりデューティ比を設定するので、アク
セル操作により非アイドル状態に移行して発進し、車両
走行に移行した時には、車速とスロットル開度とをパラ
メータとしてマップにより直ちに運転状態に応じたデュ
ーティ比を設定することが可能となり、車両の発進性を
確保すると共に運転状態に応じた前後輪間の動力配分量
を的確に得ることができる。
【0067】従って、トランスファ装置を作動するため
の油圧を制御するデューティソレノイド弁の車両停止状
態時における作動音を解消ないしは低減して運転者の不
快感を解消すること、及び、車両の発進性、運転状態に
応じた前後輪間の動力配分量を的確に得ることを確実に
両立させることができる。
【0068】請求項3記載の発明によれば、車両の停止
状態を判定するに際し、車速、及びブレーキ操作状態に
基づいて車両の停止状態を判定するので、上記請求項1
或いは請求項2記載の発明の効果に加え、車両停車中の
アイドル時において、変速位置を走行位置にシフトした
状態でブレーキ操作により車両の停止状態を保った状
態、すなわち、デューティソレノイド弁の作動音に対し
暗騒音が低い時を、確実に判断することが可能となり、
この正確な判定結果を動力配分制御に反映して、制御性
及び制御信頼性を向上させることができる効果を有す
る。
【0069】請求項4記載の発明によれば、上記デュー
ティソレノイド弁によって作動油の油圧を制御してトラ
ンスファ装置を構成する湿式油圧多板クラッチを作動
し、前後輪間の動力配分量を可変に制御する。そして、
上記湿式油圧多板クラッチを作動する作動油の油温を予
め設定された温度と比較して、該作動油の粘性による湿
式油圧多板クラッチの応答性の悪化の影響を判断する。
そして、変速位置が走行位置、且つ車両停止状態、且つ
アイドル状態であって、且つ上記油温が予め設定された
温度以上で作動油の粘性による湿式油圧多板クラッチの
応答性の悪化を無視し得るときに、上記デューティソレ
ノイド弁に対するデューティ信号のデューティ比を、通
常時よりも上昇或いは低下させ、或いは、通常時よりも
低い一定値又は通常時よりも高い一定値に固定するの
で、上記請求項1ないし請求項3記載の発明の効果に加
え、トランスファ装置を構成する湿式油圧多板クラッチ
を作動するATFの粘性が低く、湿式油圧多板クラッチ
の応答性の悪化の影響が無視し得るときにのみ、デュー
ティソレノイド弁に対するデューティ信号のデューティ
比を、通常時よりも上昇或いは低下させ、或いは、通常
時よりも低い一定値又は通常時よりも高い一定値に固定
することが可能となり、湿式油圧多板クラッチの応答性
の悪化に伴う発進性の悪化を未然に防止することができ
る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】4輪駆動車の駆動系の概略を示すスケルトン図
【図3】トランスファ装置の構成と制御系の概略図
【図4】トランスミッション制御装置による動力配分制
御処理を示すフローチャート
【図5】デューティ比マップの説明図
【図6】自動変速機のシフト特性を示す説明図
【符号の説明】
1 自動変速機 9 エンジン 13 トランスファ装置 40 トランスファクラッチ(湿式油圧多板クラッチ) 52 デューティソレノイド弁 60 トランスミッション制御装置(走行位置判定手
段、停止状態判定手段、アイドル判定手段、制御手段、
油温判定手段) 61 車速センサ 62 スロットル開度センサ 63 レンジスイッチ 64 ブレーキスイッチ 65 ATF油温センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転状態に応じデューティソレノイド弁を
    デューティ制御して作動油の油圧によりトランスファ装
    置を作動し、前後輪間の動力配分量を可変制御する4輪
    駆動車の動力配分制御装置において、 変速位置が走行位置か否かを判定する走行位置判定手段
    と、 車両の停止状態を判定する停止状態判定手段と、 エンジンのアイドル状態を判定するアイドル判定手段
    と、 変速位置が走行位置であって車両停止、且つアイドル状
    態のときは、上記デューティソレノイド弁に対するデュ
    ーティ信号のデューティ比を、変速位置が走行位置の状
    態下で車両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの
    条件が成立する通常時よりも上昇或いは低下させる制御
    手段とを備えたことを特徴とする4輪駆動車の動力配分
    制御装置。
  2. 【請求項2】上記制御手段は、変速位置が走行位置の状
    態下で車両走行及び非アイドル状態の少なくとも一つの
    条件が成立する通常時に、車速とスロットル開度とをパ
    ラメータとしてマップにより上記デューティソレノイド
    弁に対するデューティ信号のデューティ比を設定し、変
    速位置が走行位置であって車両停止、且つアイドル状態
    のときに、上記デューティ比を通常時よりも低い一定値
    又は通常時よりも高い一定値に固定することを特徴とす
    る請求項1記載の4輪駆動車の動力配分制御装置。
  3. 【請求項3】上記停止状態判定手段は、車速、及びブレ
    ーキ操作状態に基づいて車両の停止状態を判定すること
    を特徴とする請求項1或いは請求項2記載の4輪駆動車
    の動力配分制御装置。
  4. 【請求項4】上記デューティソレノイド弁は作動油の油
    圧を制御して上記トランスファ装置を構成する湿式油圧
    多板クラッチを作動させるものであり、 更に、上記湿式油圧多板クラッチを作動する作動油の油
    温が該作動油の粘性による湿式多板クラッチの応答性の
    悪化を無視し得る予め設定された温度以上か否かを判定
    する油温判定手段を備え、 上記制御手段は、変速位置が走行位置であって車両停
    止、且つアイドル状態、且つ上記油温が予め設定された
    温度以上のときに、上記デューティソレノイド弁に対す
    るデューティ信号のデューティ比を、通常時よりも上昇
    或いは低下させ、或いは、通常時よりも低い一定値又は
    通常時よりも高い一定値に固定することを特徴とする請
    求項1ないし請求項3記載の4輪駆動車の動力配分制御
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264840A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Fuji Heavy Ind Ltd 4輪駆動車のトランスファクラッチの制御装置
JP2018122764A (ja) * 2017-02-02 2018-08-09 株式会社ジェイテクト 駆動力伝達装置の制御装置及び制御方法

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