JP2001132828A - 車両用無段変速機の制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の制御装置

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JP2001132828A
JP2001132828A JP31410999A JP31410999A JP2001132828A JP 2001132828 A JP2001132828 A JP 2001132828A JP 31410999 A JP31410999 A JP 31410999A JP 31410999 A JP31410999 A JP 31410999A JP 2001132828 A JP2001132828 A JP 2001132828A
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slip
variable transmission
control
vehicle
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Hiroki Asayama
弘樹 浅山
Kaoru Kondo
薫 近藤
Toru Hashimoto
徹 橋本
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用無段変速機の制御装置に関し、駆動輪
がスリップ状態からグリップ状態に復帰した際に、車両
のショックを招かないようにするとともに、無段変速機
における動力伝達系のスリップを防止できるようにす
る。 【解決手段】 係合力が調整可能な動力伝達装置を介し
てエンジンに連結された車両用無段変速機を制御するに
あたって、無段変速機からの駆動力を受けて回転する駆
動輪がスリップしていることをスリップ検出手段51が
導出すると、このとき、スリップ対応制御手段52によ
り、駆動輪のスリップ直前の変速比を保持するように無
段変速機の変速を制御し、無段変速機のライン圧を増加
補正し、エンジンと無段変速機との間の係合力調整可能
な動力伝達装置の係合力を低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動輪のスリップ
時を考慮して制御を行なう、車両用無段変速機の制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無段変速機が、変速比を連続的に
制御することで変速ショックを回避できる点や燃料消費
効率の優れた点に着目され、特に車両用の開発が盛んに
行なわれている。このような無段変速機では、一般に油
圧制御により変速比の制御を行なうようになっている。
【0003】例えばベルト式無段変速機の場合、機関
(エンジン)で発生した動力がベルトを介してプライマ
リプーリからセカンダリプーリへ伝達される。この際、
通常はセカンダリプーリの油圧ピストンには伝達トルク
などの基本特性に合わせて設定された油圧(ライン圧)
を作用させてベルトへのクランプ力を与えておき、プラ
イマリプーリの油圧ピストンに作用させる油圧を調整す
ることで変速〔変速比(プライマリプーリとセカンダリ
プーリとの各有効半径比)の制御〕を行なう。
【0004】車両用無段変速機の場合、このような無段
変速機の変速制御は、一般に、プライマリプーリの回転
数(回転速度)フィードバック制御により行なう。つま
り、変速制御は、プライマリプーリの目標回転数を車速
やスロットル開度に基づいて設定し、プライマリプーリ
の実回転数がこの目標回転数になるように、プライマリ
プーリ側に作用させる油圧を制御することで行なうよう
にしている。
【0005】ところで、上述のようなプライマリプーリ
の回転数フィードバック制御による無段変速機の変速制
御は、駆動輪にスリップ(タイヤスリップ)が生じてい
ないことが前提となり、タイヤスリップ時には制御ロジ
ックが成立しない。そこで、車両における最大加速度を
基準値として、駆動輪の回転加速度がこの基準値を越え
た場合にはタイヤスリップと判定し、このタイヤスリッ
プ時には、タイヤスリップ開始直前の変速比を保持する
ように制御を行なう技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
にタイヤスリップ時に変速比を保持すると、タイヤスリ
ップ時には駆動輪が路面から回転反力を受けなくなるの
で、駆動輪の回転数が急上昇し、変速比が一定とされる
ためエンジン回転数も上昇する。しかし、タイヤグリッ
プが回復したら、駆動輪が路面から回転反力を受けるよ
うになるので、駆動輪の回転数が急低下すると同時に変
速比が一定とされていたエンジン回転数も急低下する。
この回転の急低下により、エンジン内の回転部の慣性ト
ルクが急増するため、この慣性トルクの急変分だけ、エ
ンジンから出力される駆動力が急変するため、車両にシ
ョックが発生するおそれがある。
【0007】また、油圧制御によるベルト式無段変速機
では、ライン圧を適切に制御することで過不足ないベル
トクランプ力を与えるようにしているが、駆動輪がスリ
ップ状態からグリップ状態に復帰した際には、ライン圧
を制御する油圧の応答性よりも無段変速機への入力トル
ク(エンジン出力トルク)の変化の方が速くなることが
あり、この場合には、油圧不足によりベルトスリップに
至るおそれもある。
【0008】なお、車両用無段変速機には、車両を滑ら
かに発進させ且つ通常走行時の燃費を向上させるため
に、エンジンと無段変速機との間にロックアップクラッ
チ付きのトルクコンバータを介装したものがあるが、走
行中は通常ロックアップクラッチを作動させエンジンと
無段変速機とを直結状態にするので、上記のエンジン出
力の急変は吸収されず、車両にショックを招くおそれや
油圧不足によりベルトスリップを招くおそれは回避でき
ない。
【0009】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、駆動輪がスリップ状態からグリップ状態に復帰し
た際に、車両のショックを招かないようにするととも
に、過渡的な油圧不足からベルト式無段変速機における
ベルトスリップのような無段変速機における動力伝達系
のスリップを防止することができるようにした、車両用
無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の車両
用無段変速機の制御装置では、係合力が調整可能な動力
伝達装置を介してエンジンに連結された車両用無段変速
機を制御するにあたって、スリップ導出手段が、該無段
変速機からの駆動力を受けて回転する駆動輪がスリップ
していることを導出すると、このときに、スリップ対応
制御手段が、スリップ直前の変速比を保持するように該
無段変速機の変速を制御するとともに該無段変速機のラ
イン圧を増加補正し、且つ、該動力伝達装置の係合力を
低下させる。これにより、駆動輪のスリップ時に無段変
速機の変速を確実に制御できるとともに、スリップ状態
では、ライン圧を増加補正し動力伝達装置の係合力を低
下させているので、スリップ状態からグリップ状態への
復帰時に、ライン圧の不足を回避して動力伝達系のスリ
ップを防止することができ、係合力調整可能な動力伝達
装置によりエンジン出力の急変を吸収して車両における
ショックの発生を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図5は本発明の一実
施形態としての車両用無段変速機の制御装置を示すもの
で、これらの図に基づいて説明する。まず、本実施形態
にかかる車両の動力伝達機構について説明すると、図2
(a),(b)に示すように、本動力伝達機構では、エ
ンジン(内燃機関)1から出力された回転は、トルクコ
ンバータ(トルコン)2を介してベルト式無段変速機
(CVT)20に伝達され、さらにフロントデフ31へ
伝達されるようになっている。
【0012】トルコン2には、係合力が調整可能な動力
伝達機構として、ロックアップクラッチ2Aが併設され
ており、発進時にはトルコン2による差回転吸収機能を
利用して滑らかな発進性能を確保し、その後の通常走行
時には、ロックアップクラッチ2Aを結合してエンジン
1と無段変速機20とを直結状態として動力伝達ロスを
低減できるようになっている。なお、ロックアップクラ
ッチ2Aはデューティソレノイド2Bによりその断接を
制御される。
【0013】そして、トルコン2の出力軸7とベルト式
無段変速機20の入力軸24との間には、正転反転切換
機構4が配設されており、エンジン1からトルコン2を
介して入力される回転は、この正転反転切換機構4を介
して無段変速機構20に入力されるようになっている。
無段変速機20は、変速制御等を後述の油圧制御により
行なう油圧式無段変速機となっている。
【0014】この無段変速機構20についてさらに詳述
すると、無段変速機構20は、プライマリプーリ21と
セカンダリプーリ22とベルト23とから構成されてお
り、正転反転切換機構4からプライマリシャフト24に
入力された回転は、プライマリシャフト24と同軸一体
のプライマリプーリ21からベルト23を介してセカン
ダリプーリ22へ入力されるようになっている。
【0015】プライマリプーリ21,セカンダリプーリ
22はそれぞれ一体に回転する2つのシーブ21a,2
1b,22a,22bから構成されている。それぞれ一
方のシーブ21a,22aは軸方向に固定された固定シ
ーブであり、他方のシーブ21b,22bは油圧アクチ
ュエータ(油圧ピストン)21c,22cによって軸方
向に可動する可動シーブになっている。
【0016】油圧ピストン21c,22cには、オイル
タンク61内の作動油をオイルポンプ62で加圧して得
られる制御油圧が供給され、これに応じて可動シーブ2
1b,22bの固定シーブ21a,22a側への押圧力
が調整されるようになっている。セカンダリプーリ22
の油圧ピストン22cには、調圧弁(ライン圧調整弁)
63により調圧されたでライン圧が加えられ、プライマ
リプーリ21の油圧ピストン21cには、調圧弁63に
より調圧された上で流量制御弁(変速比調整弁)64に
より流量調整された作動油が供給され、この作動油が変
速比調整用油圧(プライマリ圧)PR として作用するよ
うになっている。なお、調圧弁63,流量制御弁64
は、それぞれデューティソレノイド63a,64aによ
り出力圧を制御される。
【0017】なお、ライン圧は、ベルト23の滑りを回
避して動力伝達性を確保できる範囲で可能な限り低い圧
力にすることが、オイルポンプ62によるエネルギ損失
の低減や変速機自体の耐久性を高める上で重要であり、
伝達トルク,セカンダリプーリ22のベルトの掛かり半
径と対応する値に基づいてベルト張力制御圧(ライン圧
に対応する圧力)Pout を設定し、このベルト張力制御
圧Pout に基づいて、調圧弁63を制御してオイルポン
プ62の吐出圧を調圧することにより、ライン圧制御を
行なうようになっている。
【0018】また、セカンダリプーリ22の油圧ピスト
ン22cに与えられるライン圧PL及びプライマリプー
リ21の油圧ピストン21cに与えられるプライマリ圧
Rは、コントローラ(電子制御コントロールユニット
=ECU)50の指令信号により作動するデューティソ
レノイド63a,64aによって、それぞれ制御される
ようになっている。
【0019】つまり、ECU50には、エンジン回転数
センサ(クランク角センサ又はカム角センサ)41,ス
ロットル開度センサ46,プライマリプーリ21の回転
速度を検出する第1回転速度センサ43,セカンダリプ
ーリ22の回転速度を検出する第2回転速度センサ4
4,ライン圧を検出するライン圧センサ45,変速比調
整用油圧(プライマリ圧)PR を検出するプライマリ圧
センサ47等の各検出信号が入力されるようになってお
り、ECU50では、これらの検出信号に基づいて各ソ
レノイド63a,64aを駆動し調圧弁63や流量制御
弁64を制御するようになっている。
【0020】ところで、回転数フィードバック制御によ
るプライマリプーリ21への油圧制御を通じた無段変速
機の変速制御ロジックは、駆動輪がグリップ状態である
ことが前提のものであり、駆動輪にスリップが生じた時
(タイヤスリップ時)には成立し得ないので、本制御装
置では、タイヤスリップ時には、タイヤスリップ開始直
前の変速比を保持するように変速比調整用油圧PR の制
御を行なうようになっている。
【0021】このため、図1に示すように、ECU50
には、上述の調圧弁63の制御(ライン圧制御)や流量
制御弁64の制御(変速比制御)を行なう機能の他に、
タイヤスリップが生じているか否かを導出(又は判定)
する機能(スリップ導出手段又はスリップ判定手段)5
1と、このタイヤスリップ時に、無段変速機における変
速比,ライン圧,及びロックアップクラッチ(動力伝達
装置)2Aの係合状態に関して制御の補正等を行なう機
能(スリップ対応制御手段)52とが設けられている。
【0022】図1に示すように、スリップ導出手段51
は、車両の駆動系に出力される駆動力FEを算出する駆
動力算出部51Aと、算出された駆動力FEに基づいて
スリップ判定用加速度GSを算出するスリップ判定用加
速度算出部51Bと、セカンダリプーリ22の回転速度
(回転数)NSの偏差に基づいて車両加速度GXを算出
する車両加速度算出部51Cと、スリップ判定用加速度
GSと車両加速度GXとを比較してタイヤスリップを判
定するタイヤスリップ判定部51Dとから構成されてい
る。
【0023】駆動力算出部51Aでは、次式(1)のよ
うに、トランスミッション入力トルクTINからトランス
ミッション損失トルクTL を減算して得られる駆動トル
ク(駆動輪から路面に加えられる車体駆動トルク)に、
無段変速機20による変速比ratio と終減速比iF とを
乗算し、さらに駆動輪のタイヤ半径rで除算して駆動力
(駆動輪から路面に加えられる車体駆動力)FEを算出
する。
【0024】 FE=(TIN−TL )・ratio ・iF /r ・・・(1) スリップ判定用加速度算出部51Bでは、次式(2)の
ように、駆動力算出部51Aで算出された駆動力FEを
車体重量Wで除算して、これにマージン(算出値の誤差
分を考慮してスリップを誤判定しないようにするための
補正値)GS0を加算してスリップ判定用加速度GSを
算出する。
【0025】 GS=FE/W+GS0 ・・・(2) 車両加速度算出部51Cでは、次式(3)のように、セ
カンダリプーリ22の回転数NSの所定の周期による偏
差(=NSn −NSn-1 )を終減速比iF 及び単位換算
のための定数0.6で除算して駆動輪の回転数を算出
し、この算出結果に駆動輪の外周長2πrを乗算するこ
とにより、車両加速度GX0を算出し、さらに、算車両
加速度GX0を弱めの1次フィルタに2回かけて算出値
を安定化(検出誤差等による演算誤差の抑制)を行なっ
て、判定に用いる車両加速度GXを求める。
【0026】 GX0={2π・(NSn −NSn-1 )・r}/(0.6・iF ) ・・・(3) タイヤスリップ判定部51Dでは、スリップ判定用加速
度算出部51Bで算出されたスリップ判定用加速度GS
と、車両加速度算出部51Cで算出された車両加速度G
Xとを比較して、車両加速度GXがスリップ判定用加速
度GS以上であれば、タイヤスリップが生じていると判
定する。つまり、スリップ判定用加速度GSは、駆動系
に出力されている駆動力から求められる車両の推定加速
度であり、駆動輪がスリップすると、駆動輪から求めら
れる車両の推定加速度GXは、このスリップ判定用加速
度GS以上になるはずである。そこで、このように車両
加速度GXとスリップ判定用加速度GSとからタイヤス
リップを判定している。
【0027】一方、スリップ対応制御手段52は、タイ
ヤスリップ判定手段51によりタイヤスリップが判定さ
れると、無段変速機における変速比がタイヤスリップ直
前の状態を保持するように変速を制御するとともに、ラ
イン圧については増加補正し、ロックアップクラッチ
(動力伝達装置)2Aについては係合力を弱めるように
制御する。
【0028】これらのスリップ対応制御手段52による
制御について更に説明する。変速制御については、図3
(a)に示すように、通常時(タイヤグリップ時)は、
プライマリプーリ21の目標回転数NPtをエンジン回
転数Neとスロットル開度Thから設定し、この目標回
転数NPtと第1回転速度センサ43により検出される
プライマリプーリ21の実回転数NPrとの偏差(=N
Pt−NPr)をPID補正し、この補正値に保持デュ
ーティ分を加算して、これを変速制御デューティとす
る。したがって、プライマリプーリ21の回転数による
回転数フィードバックによりソレノイド64aを駆動し
流量制御弁64を制御する。
【0029】一方、タイヤスリップ時の変速制御では、
実ライン圧PLRに、タイヤスリップ直前の変速比ratio
に応じたゲインGr を乗算して目標プライマリ圧(目標
プーリ押付圧)PPaを算出し、この目標プーリ押付圧
PPaと圧力センサで検出された実プライマリ圧(実プ
ーリ押付圧)PPrとの偏差(=PPa−PPr)をP
ID補正し、この補正値に保持デューティ分を加算し
て、これを変速制御デューティとする。したがって、流
量制御弁64からの吐出圧による圧力フィードバックに
よりソレノイド64aを駆動し流量制御弁64を制御す
る。
【0030】また、ライン圧については、図3(b)に
示すように、入力トルク(伝達トルク)TINと変速比
(即ち、ベルトの掛かり半径と対応する値)ratio とか
ら目標ライン圧PLAを設定し、この目標ライン圧PLA
マージン(算出値の誤差分を考慮してベルトスリップを
確実に回避できるようにする増加補正値)を加算して、
この補正した目標ライン圧PLAC に基づいてフィードフ
ォワード量FFを求めるとともに、補正した目標ライン
圧PLAC と実ライン圧PLRとの偏差(=PLAC −PLR
をもとめ、これをPID補正して、ライン圧制御デュー
ティとする。したがって、実ライン圧(調圧弁63から
の吐出圧)PLRによる圧力フィードバックにより調圧弁
63を制御する。目標ライン圧PLAを増加補正するマー
ジンは、通常時用のものと、通常時よりも大きな値とさ
れたタイヤスリップ時用とが用意され、タイヤスリップ
時には通常時よりも補正された目標ライン圧PLAC を高
く設定するように構成されている。
【0031】そして、ロックアップクラッチ2Aについ
ては、図4(a)に示すように、トランスミッション入
力トルクTINとSLIP量に基づいて、通常時には完全
に直結状態となるようにロックアップクラッチ2Aの押
付力を高く設定するが、ダンパクラッチであるロックア
ップクラッチ2Aの押付力を通常時よりも所定量αだけ
減少させるようになっている。この押付力の減少補正に
より、ロックアップクラッチ2Aに大きな駆動力が加わ
るとロックアップクラッチ2Aが滑って、トルクショッ
クを吸収しうるようになっている。
【0032】本発明の一実施形態としての車両用無段変
速機の制御装置は、上述のように構成されているので、
例えば、図5に示すようなフローでタイヤスリップ判定
を行ない、この判定結果に基づいて図6に示すようなフ
ローで各制御が行なわれる。まず、図5に示すように、
駆動力算出部51Aで、前記の式(1)により、トラン
スミッション入力トルクTIN,トランスミッション損失
トルクTL ,及び変速比ratio から駆動力(駆動輪から
路面に加えられる車体駆動力)FEを算出する(ステッ
プA10)。次に、スリップ判定用加速度算出部51B
で、前記の式(2)により、ステップA10で算出され
た駆動力FEからスリップ判定用加速度GSを算出する
(ステップA20)。
【0033】一方、車両加速度算出部51Cで、前記の
式(3)により、セカンダリプーリ22の回転数NSの
所定の周期による偏差(=NSn −NSn-1 )から車両
加速度GX0を算出する(ステップA30)。そして、
タイヤスリップ判定部51Dで、ステップA20で算出
されたスリップ判定用加速度GSと、ステップA30で
算出された車両加速度GXとを比較して(ステップA4
0)、車両加速度GXがスリップ判定用加速度GS以上
であれば、タイヤスリップが生じていると判定し(ステ
ップA50)、車両加速度GXがスリップ判定用加速度
GS未満であれば、タイヤスリップが生じていない(タ
イヤグリップ)と判定する(ステップA60)。
【0034】このような判定は所定周期で行なわれ、こ
の判定を受けるように所定周期で図5の処理が行なわれ
る。つまり、図6に示すように、まず、タイヤスリップ
が生じている旨の判定が成されたか否かが判定され(ス
テップB10)、タイヤスリップが判定されなければ
(即ち、タイヤグリップ時)、図3(a)の通常時制御
が選択され、無段変速機20の変速比を通常制御する
(ステップB50)。即ち、プライマリプーリ21の回
転数による回転数フィードバックによりソレノイド64
aをデューティ駆動し流量制御弁64を制御する。そし
て、図3(b)の通常時制御が選択され、無段変速機2
0のライン圧を通常制御する(ステップB60)。即
ち、目標ライン圧PLAを増加補正するマージンとして通
常時用のものを用いて制御する。さらに、図4(a)の
通常時制御が選択され、ロックアップクラッチ2Aを通
常の押付力により直結制御する(ステップB70)。即
ち、完全に直結状態となるようにロックアップクラッチ
2Aの押付力が高くなるように制御する。
【0035】一方、ステップB10でタイヤスリップと
判定されると、図3(a)のタイヤスリップ時制御が選
択され、無段変速機20の変速比をタイヤスリップ直前
の値に保持するように制御する(ステップB20)。そ
して、図3(b)のタイヤスリップ時制御が選択され、
無段変速機20のライン圧を増大補正する(ステップB
30)。即ち、目標ライン圧PLAを増加補正するマージ
ンとしてタイヤスリップ時用の大きなものを用いて制御
する。さらに、図4(a)のタイヤスリップ時制御が選
択され、ロックアップクラッチ(ダンパクラッチ)2A
の押付力を減少するように補正して制御する(ステップ
B40)。即ち、ダンパクラッチであるロックアップク
ラッチ2Aの押付力を通常時よりも所定量αだけ減少さ
せる。
【0036】また、タイヤスリップからタイヤグリップ
に復帰したら、上述のステップB50に進み、ステップ
B50,B60,B70の処理が行なわれる。このよう
に、本駆動系制御装置では、タイヤスリップ時に、無段
変速機20の変速比をタイヤスリップ直前の値に保持
し、且つ、無段変速機20のライン圧を増大補正し、且
つ、ロックアップクラッチ(ダンパクラッチ)2Aの押
付力を減少補正するので、駆動輪のスリップ時に無段変
速機20の変速を確実に制御できるようにしながら、ス
リップ状態からグリップ状態への復帰時に、エンジン内
の回転部の慣性トルクが急増してエンジンから出力され
る駆動力が急変した場合にも、タイヤスリップ時に増加
補正されていた高めのライン圧により、ライン圧の不足
を回避してベルト23のスリップを防止することがで
き、ベルト23の磨耗や損傷を防止することができる。
また、タイヤスリップ時にロックアップクラッチ(ダン
パクラッチ)2Aの押付力が減少補正されているので、
スリップ状態からグリップ状態への復帰時に、エンジン
から出力される駆動力が急変しても、ロックアップクラ
ッチ(ダンパクラッチ)2Aの滑りによりこの駆動力の
急変が吸収されて、車両におけるショックの発生を防止
することができる。
【0037】なお、本発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々変更して実施しうるものである。例えば、トルコンの
代わりに電磁クラッチを用いたときは電磁クラッチへの
電流値を変更制御することで同様の作用・効果を得るこ
とができる。また、本実施形態では、図4(a)に示す
ように、タイヤスリップ時にはロックアップクラッチ
(ダンパクラッチ)2Aの押付力を減少するように補正
しているが、図4(b)に示すように、タイヤスリップ
時にはロックアップクラッチ(ダンパクラッチ)2Aの
押付力を完全解除(押付力=0)に制御することも考え
られる。このように構成でも、エンジン駆動力の急変を
吸収し車両ショックの発生を防止することができる。
【0038】また、例えば上記の実施形態では、図5に
示すように、車両加速度GXがスリップ判定用加速度G
S以上であれば、タイヤスリップが生じていると判定し
て、タイヤスリップ時制御を行なっているが、タイヤス
リップが生じてもあまり悪影響はない状況もあるので、
このような状況下ではタイヤスリップ時制御を行なわな
いようにしたり、タイヤスリップ判定も行なわないよう
にすれば、不必要なタイヤスリップ時制御等を回避し
て、制御頻度を低減させることができる。
【0039】タイヤスリップが生じてもあまり悪影響は
ない状況とは、車両加速度GS自体が小さい場合〔即
ち、車両加速度GSが所定値GS1(例えば0.3G)
以下(GS≦GS1)〕や、スロットル開度Thが微小
でありタイヤスリップし得ない場合(即ち、Th≦Th
SLIP,ThSLIP:タイヤスリップし得ないスロットル開
度)や、ブレーキ操作中(ブレーキスイッチがオン)
や、通常走行レンジ(Dレンジ)以外の場合や、レンジ
切り換え中や、所謂スポーツモード等の変速比を一定保
持するモードが選択された場合等がある。
【0040】また、本発明は、ベルト式のものに限定さ
れず油圧式無段変速機には広く適用でき、例えばトロイ
ダル式等のものにも適用しうる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用無
段変速機の制御装置によれば、駆動輪のスリップ時に無
段変速機の変速を確実に制御でき、しかも、スリップ状
態からグリップ状態への復帰時には、係合力調整可能な
動力伝達装置によりエンジン出力の急変を吸収して車両
におけるショックの発生を防止することができる。ま
た、ライン圧の不足を回避して例えばベルト式無段変速
機におけるベルト等の動力伝達系のスリップを防止する
ことができ、ベルト等の動力伝達系の磨耗や損傷を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両用無段変速機
の制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる車両用無段変速機
の動力伝達系を説明するための模式図であり、(a)は
その無段変速機を含んだ動力伝達系の模式的構成図、
(b)はその無段変速機の構成図である。
【図3】本発明の一実施形態としての車両用無段変速機
の制御装置の要部構成を示す制御ブロック図であり、
(a)は変速制御のブロック図、(b)はライン圧制御
のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態としての車両用無段変速機
の制御装置の要部構成を示す制御ブロック図であり、
(a)はロックアップクラッチ(係合力が調整可能な動
力伝達装置)の制御の一例を示すブロック図、(b)は
その制御の他の例を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態としての車両用無段変速機
の制御装置によるタイヤスリップ判定の内容を示すフロ
ーチャートである。
【図6】本発明の一実施形態としての車両用無段変速機
の制御装置による制御内容を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2A ロックアップクラッチ(係合力が調整可能な動力
伝達装置) 2B ロックアップクラッチ制御ソレノイド 20 油圧式無段変速機 51 スリップ導出手段 52 スリップ対応制御手段 63 調圧弁(ライン圧調整弁) 64 流量制御弁(変速比調整弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 徹 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3J052 AA01 AA09 AA20 BB02 CA21 CA31 EA02 FB34 GC42 GC51 GC72 HA11 KA01 LA01 3J053 CA02 CB12 CB19 DA07 DA12 DA26 DA30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 係合力が調整可能な動力伝達装置を介し
    てエンジンに連結された車両用無段変速機の制御装置に
    おいて、 該無段変速機からの駆動力を受けて回転する駆動輪がス
    リップしているか否かを導出するスリップ導出手段と、 該スリップ導出手段により該駆動輪のスリップ状態が導
    出されたときに、スリップ直前の変速比を保持するよう
    に該無段変速機の変速を制御するとともに該無段変速機
    のライン圧を増加補正し、且つ、該動力伝達装置の係合
    力を低下させるスリップ対応制御手段とがそなえられて
    いることを特徴とする、車両用無段変速機の制御装置。
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